JPH0612030A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

Info

Publication number
JPH0612030A
JPH0612030A JP16733592A JP16733592A JPH0612030A JP H0612030 A JPH0612030 A JP H0612030A JP 16733592 A JP16733592 A JP 16733592A JP 16733592 A JP16733592 A JP 16733592A JP H0612030 A JPH0612030 A JP H0612030A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
liquid crystal
signal
scanning
crystal display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP16733592A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasukatsu Hirai
保功 平井
Susumu Kondo
進 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP16733592A priority Critical patent/JPH0612030A/ja
Publication of JPH0612030A publication Critical patent/JPH0612030A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示画像のクロストークの発生を抑えて良好
な表示を実現し、かつ簡易な構造で製造しやすい液晶表
示装置を実現する。 【構成】 信号電極1から液晶の静電容量を用いたコン
デンサ素子15により電圧を取り出し信号電圧増幅加算
部19により増幅して補正電圧とし、液晶駆動電圧発生
部20にこれを印加して走査電圧にこの補正電圧を加算
する。この補正電圧により、信号電極1の電圧変化に起
因して走査電極3に発生する電圧歪みをフィードフォワ
ード制御的に補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、その薄型、軽量、低消
費電力などの特長を活かして、パーソナルワープロやパ
ーソナルコンピュータのディスプレイデバイスとして多
く利用されるようになってきた。
【0003】上記のようなディスプレイデバイスに利用
される液晶表示装置には、多桁表示や高品位表示などが
要求されている。このような要求に対応するために、近
年、STN(スーパーツイストネマティック)形液晶表
示素子に代表される単純マトリクス型液晶表示素子や、
TFTアクティブマトリックス(薄膜トランジスタ)型
液晶表示素子などの画素数(走査線数×信号線数)は著
しく増加してきている。これに伴なって液晶表示素子の
駆動周波数(駆動電圧パルスの周波数)も増加してい
る。例えば走査線電極が 200本、信号線電極が 640本の
2値表示のSTN型液晶表示素子では、走査線 1本分の
走査時間に相当する時間、即ち駆動電圧の最小パルス幅
は、60〜70μsと、短いものになっている。
【0004】一般に、液晶表示素子の液晶セルは、コン
デンサ(静電容量)として等価回路で表すことができ
る。また、液晶表示素子を駆動するためのドライバIC
には出力インピーダンスが存在しており、これは一般的
に電気抵抗として等価回路で表わすことができる。単純
マトリクス型液晶表示素子は方形波パルスの組み合わせ
によって駆動されるが、このときドライバICの出力抵
抗、ドライバICと液晶表示素子の接続抵抗と液晶表示
素子の駆動用電極抵抗と液晶層の静電容量とに起因して
駆動電圧波形の鈍りや電圧歪みが発生する。これら駆動
波形の鈍りや電圧歪みは液晶層に印加される電圧の変動
を招き、結果として液晶表示素子の画面内での光の透過
率のばらつき、いわゆるクロストークと呼ばれる表示む
らとなって現れる。単純マトリックス駆動の場合、最も
クロストークの発生に関与するのが走査線電極に発生す
る電圧歪みに起因する液晶印加電圧の変動である。この
ような波形なまりおよび電圧歪みを図12に示す。図1
2(a)は走査選択時の波形である。その走査線にオン
画素が少ない時には比較的選択波形のなまりが小さく、
オン画素が多い時には選択波形のなまりが大きくなる状
態を示している。これはオン状態の液晶セルの静電容量
はオフ状態のそれに比べて大きくなるからである。一
方、走査非選択時の波形には、信号電極に印加される信
号電圧のオン・オフの繰り返しがない場合には電圧歪み
も発生しない。しかし例えばオン状態とオフ状態とが一
走査線ごとに表示されるような場合には、例えば図12
(b)に示すようなスパイク状の電圧歪みが信号電圧の
オン・オフに誘発されて液晶を介しての容量結合により
走査非選択時の電圧波形に発生する。液晶表示素子の走
査電極、信号電極には、酸化スズやITO(酸化インジ
ウム)からなる透明電極が一般的に用いられているが、
このような透明電極は電気抵抗が比較的大きいことか
ら、これらの電極には前記した波形のなまりや電圧歪み
がより顕著に発生することになる。
【0005】特に走査電極が 200本以上の液晶表示素子
などでは、駆動デューティー比が1/200 以下であり駆動
電圧のパルス幅が短いために、上記のような波形なまり
や電圧歪みの影響がさらに顕著になる。
【0006】このように、信号線ドライバから出力され
た方形波状のマルチプレックス駆動電圧は、走査電極の
電気抵抗Rおよび液晶セルの静電容量CLCにより、前記
の走査電極側の走査非選択電圧にスパイク状の電圧歪み
を発生させる。また走査選択時の走査パルス波形を鈍ら
せる。そしてこれらの走査電圧歪みや走査パルス波形鈍
りは、液晶層に印加される電圧波形の実効値電圧の不均
一な低下または上昇を招き、その結果液晶表示素子の画
面に表示むら(クロストーク)が発生する。
【0007】このような表示むらの問題を解消するため
に、例えばSTN型液晶表示素子用の技術として特開平
2-171718号公報や SID´90 Digest p.413 に開示された
方法、すなわち信号線ドライバICから出力される表示
データを走査線ドライバICへ印加する電圧に変換しこ
の電圧を微小に変化させることで走査線ドライバICの
出力端子の電圧変動を相殺させるという方法が検討され
ている。
【0008】しかしながら、このような方法では、微小
電圧の設定を表示データに基づいて行なっているので、
例えば液晶駆動電圧を変えてコントラストを調整するよ
うな場合、液晶駆動電圧の変化にともなって電圧歪みの
大きさも変化するので、当初に設定の最適な補償電圧が
ずれてしまうため、その都度最適な補償電圧に再設定す
る調整回路の付加が必要になる。このような調整回路を
有しかつ微小電圧の設定を表示データに基づいて行なう
回路を組み込むと、液晶駆動回路系の構造は非常に煩雑
なものとなるという問題がある。
【0009】また、前述の透明電極の電気抵抗の問題に
関しては、透明電極上での電圧波形の均一化という観点
から、透明電極のわきに金属の配線を並列してはわせる
などして透明電極の見掛けの抵抗を低くし、電圧歪みや
液晶印加電圧の波形鈍りの発生を抑制することなどが考
えられる。
【0010】しかしながら、このような方法では、液晶
表示素子内部の構造が煩雑となり、また製造も容易では
なく、製造コストが高くなるという問題がある。また電
圧波形歪みや液晶印加電圧の鈍りを抑えるために出力抵
抗の非常に小さいドライバICを用いることが考えられ
るが、このような特殊なドライバICの開発は容易では
なく、また高価で実用的ではないという問題もある。
【0011】上記はXY単純マトリクス型液晶表示装置
について述べたものだが、TFTのようなスイッチング
素子を用いたアクティブマトリックス型液晶表示装置の
場合についても同様に、走査(ゲート)電極、信号(ソ
ース)電極、対向電極およびその配線の電気抵抗および
液晶セルの静電容量により、画素電極に信号電圧が印加
されたとき、これに対向配置された対向電極にスパイク
電圧歪みが発生して液晶印加電圧の波形が鈍り、表示に
クロストークが発生するという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
液晶表示装置には、ドライバICの出力抵抗、ドライバ
ICと液晶表示素子の接続抵抗、液晶表示素子の駆動用
電極抵抗と、液晶層の静電容量とに起因して発生する走
査電極の電圧歪みおよび走査パルスの波形鈍りにより、
液晶印加電圧の波形が所望の形とは異なったものに変化
し、画面に表示むら(クロストーク)が発生するという
問題があった。そしてこれに対して考案された既知の技
術では、最適な補償電圧がずれるといった問題や、装置
が煩雑になる、あるいは高価になるなどの問題があっ
た。
【0013】本発明はこのような問題を解決するために
成されたもので、その目的は、液晶表示装置において、
簡易で低廉な手段によって画面に表示むら(クロストー
ク)が発生するという問題を解決し高品位な画像表示を
実現する液晶表示装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る液晶表
示装置は、複数本の走査電極と複数本の信号電極とを有
する液晶表示素子と前記走査電極に接続され走査電圧を
印加する走査電圧印加手段と前記信号電極に接続され信
号電圧を印加する信号電圧印加手段とを有する液晶表示
装置において、前記信号電極の各々にそれぞれの一端が
接続され他端が一つの共通配線に接続された静電容量素
子と、前記静電容量素子および前記共通配線を介して前
記信号電極から前記信号電圧を取り出し演算増幅して前
記走査電圧に加算する信号電圧演算増幅加算手段とを具
備することを特徴としている。また、第2の発明に係る
液晶表示装置は、複数本の走査電極と複数本の信号電極
とを有する液晶表示素子と前記走査電極に接続され走査
電圧を印加する走査電圧印加手段と前記信号電極に接続
され信号電圧を印加する信号電圧印加手段とを有する液
晶表示装置において、前記信号電極の各々にそれぞれの
一端が接続され他端が一つの共通配線に接続された電気
抵抗素子と、前記電気抵抗素子および前記共通配線を介
して前記信号電極から前記信号電圧を取り出し演算増幅
して前記走査電圧に加算する信号電圧演算増幅加算手段
とを具備することを特徴としている。
【0015】また、第3の発明に係る液晶表示装置は、
複数の走査線および複数の信号線と前記走査線および前
記信号線の交差部ごとに配置されその各々に接続される
スイッチング素子と前記スイッチング素子に接続される
画素電極と前記画素電極に液晶を介して対向する対向電
極とを有する液晶表示素子と、前記走査線に走査電圧を
印加する走査電圧印加手段と、前記信号線に信号電圧を
印加する信号電圧印加手段と、前記対向電極に対向電極
電圧を印加する対向電極電圧印加手段とを有する液晶表
示装置において、前記信号線の各々にそれぞれの一端が
接続され他端が一つの共通配線に接続された静電容量素
子と、前記静電容量素子および前記共通配線を介して前
記信号線から前記信号電圧を取り出し演算増幅して前記
対向電極電圧に加算する信号電圧演算増幅加算手段とを
具備することを特徴としている。また、第4の発明に係
る液晶表示装置は、複数の走査線および複数の信号線と
前記走査線および前記信号線の交差部ごとに配置されそ
の各々に接続されるスイッチング素子と前記スイッチン
グ素子に接続される画素電極と前記画素電極に液晶を介
して対向する対向電極とを有する液晶表示素子と、前記
走査線に走査電圧を印加する走査電圧印加手段と、前記
信号線に信号電圧を印加する信号電圧印加手段と、前記
対向電極に対向電極電圧を印加する対向電極電圧印加手
段とを有する液晶表示装置において、前記信号線の各々
にそれぞれの一端が接続され他端が一つの共通配線に接
続された電気抵抗素子と、前記電気抵抗素子および前記
共通配線を介して前記信号線から前記信号電圧を取り出
し演算増幅して前記対向電極電圧に加算する信号電圧演
算増幅加算手段とを具備することを特徴としている。な
お、上記の信号電圧演算増幅加算手段は、走査選択時、
走査非選択時の両方の走査電圧に加算するようにしても
よく、あるいはいずれか一方に加算するようにしてもよ
い。
【0016】また、本発明の技術はTN(Twisted Nema
tic )型液晶表示素子、STN(Super Twisted Nemati
c )型液晶表示素子、GH(Guest Host)型液晶表示素
子、高分子分散型液晶表示素子などを用いた液晶表示装
置や、TFT(薄膜トランジスタ)アクティブマトリク
ス型液晶表示素子などを用いた液晶表示装置において好
適で、その駆動における波形なまりに起因する表示むら
(クロストーク)の除去に大きな効果を挙げることがで
きる。
【0017】
【作用】第1および第2の発明に係る液晶表示装置は、
信号電極の各々にそれぞれの一端が接続された静電容量
素子または電気抵抗素子の他端に接続された共通配線を
介して信号電極から信号電圧を取り出し、この信号電圧
を信号電圧演算増幅加算手段により演算増幅して走査電
圧に加算する。これにより、信号電圧が液晶セルの静電
容量および走査電極の電気抵抗によって走査電圧に及ぼ
そうとする走査選択時の走査パルス波形鈍りや走査非選
択時の電圧歪みを打ち消す。このとき、前記の信号電圧
演算増幅加算手段の電圧演算増幅率は、走査選択時の走
査電圧の波形鈍りや走査非選択時の走査電圧の歪みによ
る実効値の低下分を補正するような極性および値に設定
しておくことは言うまでもない。
【0018】第3および第4の発明に係る液晶表示装置
は、信号線の各々にそれぞれの一端が接続された静電容
量素子または電気抵抗素子の他端に接続された共通配線
を介して信号線から信号電圧を取り出し、この信号電圧
を信号電圧演算増幅加算手段により演算増幅して対向電
極電圧に加算する。これにより、信号電圧が液晶セルの
静電容量および対向電極の電気抵抗により対向電極電圧
に及ぼそうとする電圧歪みを打ち消す。このとき、前記
の信号電圧演算増幅加算手段の電圧演算増幅率は、前記
の対向電極電圧の歪みによる実効値の低下分を補正する
ような極性および値に設定しておくことは言うまでもな
い。
【0019】このような本発明に係る液晶表示装置は、
さらに詳しくは以下のように作用する。即ち、 (1)走査選択時には、走査パルス走査選択時の走査電
圧(走査パルス)の波形鈍りの原因となる信号電圧自体
からコンデンサまたは電気抵抗を介して電圧を取り出
し、この電圧を例えば増幅加算器からなる信号電圧演算
増幅加算手段によって演算増幅して前記の走査パルスの
振幅(波高)を増加するように走査パルスに加算する。
このとき、加算する電圧は、走査パルスの波形鈍りに起
因する走査電圧の実効値の低下分を補填するような値に
設定しておく。これにより、走査パルスの波形鈍りに起
因する走査電圧の実効値の変動を解消する。
【0020】(2)走査非選択時には、走査電圧のスパ
イク波形状の電圧歪みの原因となる信号電圧自体からコ
ンデンサまたは電気抵抗を介して電圧を取り出し、この
電圧を例えば増幅加算器からなる信号電圧演算増幅加算
手段によって演算増幅して前記の電圧歪みを打ち消すよ
うに走査電圧に加算する。このとき、加算する電圧は、
走査電圧のスパイク波形状の電圧歪みを打ち消すような
実効値を有する電圧に設定しておく。これにより、走査
電圧のスパイク波形状の電圧歪みに起因する走査電圧の
実効値の変動を解消する。
【0021】これは、走査電極側の走査電圧の鈍りや歪
みを発生させる原因である信号電極側の信号電圧から走
査電極側の走査電圧へと、その鈍りや歪みを解消する補
正動作を掛けるという意味で、フィードフォワード制御
と言うこともできる。このようなフィードフォワードの
補正動作を行なう電圧は、走査電圧の波形鈍りや電圧歪
みの原因となる信号電圧自体から取り出しているため、
その補正動作のタイミングを正確かつ簡易に取ることが
できる。
【0022】また、このような本発明に係る液晶表示装
置は、従来の液晶表示装置の駆動回路系に前記のコンデ
ンサまたは電気抵抗素子と、これに接続される共通配線
と、所定の演算増幅率に設定され前記の共通配線に接続
される増幅加算器からなる信号電圧演算増幅加算手段と
を付加するだけで良いので、簡易かつ低廉に実現するこ
とができる。
【0023】
【実施例】以下、図面に基づいて第1乃至第4の発明に
係る液晶表示装置の実施例を詳細に説明する。
【0024】(実施例1)図1は本発明に係る液晶表示
装置の構成を模式的に示す図である。まず図1に基づい
て本発明の液晶表示装置の基本的な構成とその動作を説
明する。
【0025】本発明の液晶表示装置は、信号電極1と走
査電極3とがマトリクス状に配置され、その間隙に液晶
4が挟持された液晶セル5と、信号電極1に信号電圧を
印加して駆動するための信号電圧印加部7と走査電極3
に走査電圧を印加するための走査電圧印加部9とこれら
に液晶駆動電圧を発生させる信号電圧電源11および走
査電圧電源13とを有し、液晶セル5はそれぞれの信号
電極1にコンデンサ素子15の一端が接続されており、
コンデンサ(静電容量)素子15の他端は共通電極23
に接続され、これを外部に導くための共通端子17を持
ち、この共通端子17の出力は信号電圧演算増幅加算部
19に接続されている。
【0026】信号電圧演算増幅加算部19は、各コンデ
ンサ素子15により取り出され共通電極23の端部の共
通端子17を介して出力される電圧を所定の演算増幅率
で正または負の極性に演算増幅して走査電圧電源13か
ら出力される走査電圧に加算する。このような信号電圧
演算増幅加算部19によって走査電圧電源13の走査電
圧に加算される電圧は、走査選択時の走査電圧の波形鈍
りや、走査非選択時の走査電圧の歪みを解消するような
実効値および極性を有するように各コンデンサ素子15
および信号電圧演算増幅加算部19が設定されている。
【0027】このような基本的構成の本発明に係る液晶
表示装置は、以下のような動作により走査電圧の実効値
の変動を解消する。
【0028】即ち、走査選択時には、走査電圧(走査パ
ルス)の波形鈍りの原因となる信号電極1の信号電圧自
体からコンデンサ素子15を介して電圧を取り出し、こ
の電圧を信号電圧演算増幅加算部19によって前記の走
査電圧の振幅(波高)を増加するように演算増幅して走
査電圧に加算する。このとき、加算する電圧は、走査パ
ルスの波形鈍りに起因する走査電圧の実効値の低下分を
補填するような値に設定しておく。これにより、走査パ
ルスの波形鈍りに起因する走査電圧の実効値の変動を解
消する。また走査非選択時には、走査電圧のスパイク波
形状の電圧歪みの原因となる信号電極1の信号電圧自体
からコンデンサ15を介して電圧を取り出し、この電圧
を信号電圧演算増幅加算部19によって前記の電圧歪み
を打ち消すように演算増幅し走査電圧に加算する。この
とき、加算する電圧は、走査電圧のスパイク波形状の電
圧歪みを打ち消すような実効値を有する電圧に設定して
おく。これにより、走査電圧のスパイク波形状の電圧歪
みに起因する走査電圧の実効値の変動を解消する。
【0029】次に、本実施例の液晶表示装置の各部分に
ついて詳細に説明する。この第1の実施例の液晶セル5
は、セル厚約 7μmで、ラビング配向処理を施した配向
層を備え液晶セル内で液晶分子が 240度捩れたいわゆる
STN(スーパーツイステッドネマティック)型の液晶
表示素子で、A4 半サイズ、 640× 200ドットの表示容
量を有する。液晶4としてはメルク社製ZLI-2293を用い
た。また透明電極にはITOを用いた。 1走査電極当た
りの静電容量は約 450pFである。
【0030】本実施例では、白黒表示のSTN型液晶表
示パネルを得るために、光学位相補償用セル(図示省
略)を液晶セル5に重ねて表示画面の色補正を行ない、
電圧無印加時に黒、電圧印加時に白の表示が得られるよ
うにした。
【0031】図2に、本実施例の液晶表示装置に用いた
液晶セル5の電極部分の構造を示す。各信号電極1の端
部には、液晶4を誘電体とするコンデンサ素子15が形
成されている。即ち信号電極1の端部の対向側に、走査
電極3と概略同じ形状の共通電極23を設けた。そして
コンデンサ素子15の共通電極23自体を共通配線と
し、その端部には共通電極23が受けた信号電極からの
電圧を液晶セル5の外部に取り出すための共通端子17
が設けられている。このように共通電極23と液晶4と
信号電極とからコンデンサ素子15が構成されるように
しているため、従来の液晶セルの構造をほとんど変える
ことなく、非常に簡易に本発明の液晶表示装置を製造す
ることができる。
【0032】図3は、本発明に係る液晶表示装置の全体
的な回路構成を示す図である。前記の液晶セル5の信号
電極1、走査電極3には、信号電圧印加部7、走査電圧
印加部9がそれぞれ接続されている。信号電圧印加部
7、走査電圧印加部9には制御部10が接続されてい
る。また、信号電圧印加部7、走査電圧印加部9には液
晶駆動電源電圧を発生するための液晶駆動電圧発生部2
0が接続されている。
【0033】信号電圧印加部7と走査電圧印加部9に
は、液晶駆動電源電圧(+Vx 、−Vx 、+Vy 、−V
y 、Vcom )を与えるために、図4に示すような信号電
圧電源11、走査電圧電源13、基準電圧電源14を有
する液晶駆動電圧電源21が接続されている。前記の液
晶駆動電源電圧は、図中に示したR6 、R7 のような電
気抵抗素子を用いた抵抗分割による直流電圧で与えられ
る。
【0034】信号電圧印加部7、走査電圧印加部9で
は、制御部10からの信号を受けて液晶駆動電圧電源2
1から供給された液晶駆動電源電圧+Vx 、−Vx 、+
Vy 、−Vy 、Vcom を切り替える。
【0035】図3に示すように、信号電圧印加部7は、
表示データを転送するシフトレジスタ25と、表示デー
タを蓄えるデータラッチ27とそのデータによって液晶
駆動電源電圧+Vx 、−Vx を選択するスイッチ部29
とからその主要部が構成され、+Vx と−Vx のうちか
ら一つを選択出力する。このとき信号電圧印加部7は制
御部からのクロック信号CPおよび表示信号データによ
り制御される。また走査電圧印加部9は、 1本の走査電
極を線順次に選択するデータを 1走査線ずつ転送するシ
フトレジスタ31と、これによって液晶駆動電源電圧+
Vy 、−Vy 、Vcom を選択するスイッチ部33とから
なり、+Vy 、−Vy 、Vcom のうちひとつを選択出力
する。このとき走査電圧印加部9は、 1フレームを決め
るFPおよび 1走査時間を決めるLPにより制御され
る。
【0036】よく知られているように、液晶は交流電圧
で駆動されなければならないので、上記のスイッチ部2
9、33には極性を一定周期で反転させるための機能が
付加されている。これはFR信号により制御される。
【0037】このような信号電圧印加部7と走査電圧印
加部9は、図5に示すような波形の電圧平均化法による
液晶印加電圧を液晶セルに印加する。
【0038】液晶駆動電圧電源21には、信号電圧演算
増幅加算部19が付加されており、この信号電圧演算増
幅加算部19は、コンデンサ素子15によりピックアッ
プされ共通端子17を介して入力された電圧を所定の演
算増幅率で演算増幅し液晶駆動電源電圧のうちの+Vy
、−Vy 、基準電圧Vcom に加算して、走査電極にお
ける走査選択時の走査電圧である走査パルス(本実施例
ではVy 、−Vy )の波形鈍りを補正し、走査非選択時
の走査電圧(本実施例では基準電圧Vcom )のスパイク
状の歪みを補正するように設定されている。
【0039】この液晶駆動電圧電源21および信号電圧
演算増幅加算部19を有する液晶駆動電圧発生部20を
さらに詳しく説明する。共通電極23からの電圧は走査
選択時には共通端子17を介して一旦バッファとしての
演算増幅器35で受けられ、さらに補正電圧として演算
増幅する演算増幅器37、39にそれぞれ非反転接続さ
れて、走査電圧電源13から出力される走査選択時の走
査電圧+Vy 、−Vyにそれぞれ加算される。また共通
電極23からの電圧は走査非選択時には共通端子17を
介して一旦バッファとしての演算増幅器35で受けら
れ、さらに演算増幅器41に反転接続されて、基準電圧
電源14から出力される走査非選択時の走査電圧Vcom
に加算される。即ち、これらの演算増幅器37、39、
41が前記の図1に基づいて説明した信号電圧演算増幅
加算手段19に相当する。演算増幅器37、39、41
の前段からの入力電圧に対する利得は、それぞれR1 、
R2、R3 、R4 によって各々個別に設定する。これら
の利得の設定は、後段に続く走査電圧印加部9の出力イ
ンピーダンスや液晶セル5の特性に依存するので、走査
非選択時の走査電圧の歪みを補正し、また走査選択時の
走査パルスの実効値低下分を補填するような実効値およ
び極性の電圧を得られるように適切に設定しなければな
らない。これにより前述のような制御が達成される。
【0040】ここで、演算増幅器37、39の前段にそ
れぞれC1 、C2 が挿入されているのは、+Vy 、−V
y 、Vcom の各電位をショートさせないように交流結合
とするためである。この場合、前記した走査電圧の鈍り
や歪みの補正効果をより有効にするために時定数C1 ×
R1 は比較的大きく、 1フレーム時間程度に設定するこ
とが望ましい。また時定数C2 ×R3 は比較的小さく、
1走査時間程度に設定してもよい。また、この回路構成
は上記のような交流結合の他に、ショートさせないよう
に回路構成を変えれば直流結合としてもよい。
【0041】以上のような第1の発明に係る第1の実施
例の液晶表示装置を、デューティ比1/ 200、バイアス
比 1/13、フレーム周波数80Hzで駆動して表示を行な
い、その表示品位を目視にて検証した。
【0042】画面全体を白表示にした後、まず画面中央
部付近に縦 150ドット×横10ドットの領域に白と黒の横
縞模様を表示させた。引き続きこの領域の横のドット数
を 500ドットまで徐々に増加させていった。その結果、
いずれの場合もクロストークのない均一な表示を維持で
きた。これは走査電極3における電圧歪みの発生が抑制
されたことによるものと考えられる。また、漢字やアル
ファベットなどキャラクタを連続的に表示させたが、ク
ロストークのない均一な表示を維持できた。このよう
に、走査電極3における電圧歪みの発生を抑制して、良
好な表示が実現できることが確認された。
【0043】なお、本実施例においては、走査選択時と
走査非選択時の両方の走査電圧に補正を掛けるようにし
ているが、いずれか一方だけに補正を行なうようにして
もよい。
【0044】(比較例1)第1の実施例において、液晶
駆動電圧発生部20の代わりに、補正電圧を加算する信
号電圧演算増幅加算部19を取り除いた、図6に示すよ
うな構成の従来の一般的な液晶駆動電圧電源621を取
り付け、第1の実施例と同様の駆動を行なった。 その
結果、画面中央部付近の縦 150ドット×横10ドットの領
域に表示させた白と黒の横縞模様の領域の縦方向に、周
囲よりも黒い表示ムラ(クロストーク)が発生した。引
き続いてこの領域の横のドット数を 500ドットまで徐々
に増加させていったところ、横のドット数の増加に伴な
い走査電極3に発生する電圧歪みの増加に起因すると推
測されるクロストークの濃さが増加し、画面の不均一性
が増した。また、漢字やアルファベットなどのキャラク
ターを連続的に表示させても同様にクロストークが発生
し、表示画像の品位は第1の実施例のものと比べて著し
く低下した。
【0045】(実施例2)第1の実施例において、液晶
セル5および液晶駆動電圧発生部20を、以下のように
変更して液晶セル705、805および液晶駆動電圧発
生部920とし、その他の部分は第1の実施例と同様の
ものとした。即ち、本実施例に用いた液晶セル705
は、それぞれの信号電極1に電気抵抗素子715の一端
が接続された構造で、この電気抵抗素子715の他端は
一つの共通電極723に接続され、これを外部に導くた
めの共通端子717を持ち、この共通端子717の出力
は図9に示すような液晶駆動電圧発生部920の信号電
圧演算増幅加算部919に接続されている。図7に、こ
の液晶セル705の構造を示す。それぞれの信号電極7
01の先端部にはITOからなる透明電極を細長くパタ
ーンニングして形成された電気抵抗素子715が設けら
れている。この電気抵抗素子715は、幅約 1μm、長
さ約50mmにパターンニングして約 1MΩの電気抵抗と
なるようにした。そしてこの電気抵抗素子715の他端
は共通電極723に接続されている。また、この他に
も、図8に示すような構造の電気抵抗素子815を形成
した液晶セル805を用いてもよい。即ち、それぞれの
信号電極801の先端部と距離をおいて共通電極823
をパターンニングし、信号電極801と共通電極823
との間に厚膜抵抗を厚膜印刷法で形成して電気抵抗素子
815とした。この場合も、電気抵抗値が約 1MΩの電
気抵抗となるように、厚膜抵抗の膜厚および幅を設定し
た。共通電極823の端部には共通端子817が形成さ
れている。
【0046】そして第1の実施例で用いた液晶駆動電圧
発生部20内の信号電圧演算増幅加算部19に若干の変
更を加え、図9に示すような構成とした。即ち、演算増
幅器937、939、941の前段の演算増幅器935
によって入力される電圧のそれぞれに対する電圧増幅利
得は、電気抵抗R1 、R2 、R3 、R4 によって各々個
別に設定する。または、演算増幅器935の電気抵抗
R、R0 によっても設定することもできる。これらの設
定値は液晶セル705、805の液晶やセルギャップや
各電極の電気抵抗値、走査電圧印加部9の出力インピー
ダンスなどに依存するので、それらにより決定される適
正な値に設定する。 なお、第1の実施例と同一の部位
は第1の実施例と同一の付番で示した。
【0047】以上のような第1の発明に係る第2の実施
例の液晶表示装置を、デューティ比1/ 200、バイアス
比 1/13、フレーム周波数80Hzで駆動して表示を行な
い、その表示品位を目視にて検証した。このとき、まず
図7に示す液晶セル705を使用し、次に図8に示す液
晶セル805を用いた。
【0048】画面全体を白表示にした後、まず画面中央
部付近に縦 150ドット×横10ドットの領域に白と黒の横
縞模様を表示させた。引き続きこの領域の横のドット数
を 500ドットまで徐々に増加させていった。その結果、
いずれの場合もクロストークのない均一な表示を維持で
きた。これは走査電極703、803における電圧歪み
の発生が抑制されたことによるものと考えられる。ま
た、漢字やアルファベットなどキャラクタを連続的に表
示させたが、クロストークのない均一な表示を維持でき
た。このように、走査電極703、803における電圧
歪みの発生を抑制して、良好な表示が実現できることが
確認された。
【0049】なお、本実施例においては、走査選択時と
走査非選択時の両方の走査電圧に補正を掛けるようにし
ているが、いずれか一方だけに補正を行なうようにして
もよい。
【0050】(比較例2)第2の実施例において、液晶
駆動電圧発生部920の代わりに、補正電圧を加算する
信号電圧演算増幅加算部919を取り除いた図6に示す
ような構成の従来の一般的な液晶駆動電圧電源621を
取り付けて、第2の実施例と同様の駆動を行なった。
【0051】その結果、画面中央部付近の縦 150ドット
×横10ドットの領域に表示させた白と黒の横縞模様の領
域の縦方向に、周囲よりも黒い表示ムラ(クロストー
ク)が発生した。引き続いてこの領域の横のドット数を
500ドットまで徐々に増加させていったところ、横のド
ット数の増加に伴ない走査電極703、803に発生す
る電圧歪みの増加に起因すると推測されるクロストーク
の濃さが増加し、画面の不均一性が増した。また、漢字
やアルファベットなどのキャラクターを連続的に表示さ
せても同様にクロストークが発生し、表示画像の品位は
第2の実施例のものと比べて著しく低下した。
【0052】(実施例3)第3の発明に係る第3の実施
例のアクティブマトリックス型液晶表示装置は、図10
に示すように、TFTアレイ基板1001とそれに対向
配置される対向基板1003との間に液晶1005を挟
持する構造である。TFTアレイ基板1001には 480
本の走査線1007と 640本の信号線1009が直角に
交差するように配置され、それぞれ走査電圧印加部10
11、信号電圧印加部1013が接続され、交差部には
TFT1002と画素電極1004が形成されている。
【0053】信号電圧印加部1013には液晶駆動電圧
発生部1019よりオン電圧Vonおよびオフ電圧Voff
が印加され、制御部1021からの表示データを受け
て、液晶セル1006へオン電圧Vonまたはオフ電圧V
off を出力する。また、対向電極1015には対向電極
電圧Vcom が印加される。液晶は劣化を避けるために交
流的に駆動されなければならないので、液晶駆動電圧発
生部1019の基準電圧発生部1023にて例えば 1フ
レーム周期ごとなどに周期的にVon、Voff 、Vcom の
電位を反転基準電位に対して反転させている。あるいは
Von、Voff 、Vcom の電位を反転した各電源電圧を発
生させておき、これを信号電圧印加部1013などの液
晶ドライバ回路で切り替えるような構成としてもよい。
従来のアクティブマトリックス型液晶表示装置において
は、信号線に印加される信号電圧の変動に起因して、こ
れに液晶1005を介して対向する対向電極1015の
電圧に歪みが生じてその電位が変動し、これがクロスト
ーク発生の原因となっていた。このような電位の変動
は、Von、Voff 、Vcom の電位を反転させる、いわゆ
るコモン反転駆動法において、特に顕著に発生する。
【0054】そこで、この第3の実施例の液晶表示装置
においては、基準電圧発生部1023の後段に増幅加算
器1025を有する信号電圧増幅加算部1017を付加
し、対向電極電圧Vcom に電圧歪みを補正する補正電圧
を加算するように装置を構成しているので、対向電極1
015の電位変動を抑えることができる。本実施例の装
置では、そのような構成および動作を実現するために、
液晶セル1006の対向基板1003側に各信号線10
09を横切るように共通電極1027を配設している
が、これにより等価回路的にそれぞれの信号線1009
との間にコンデンサ素子1028が形成されている。
【0055】信号線の電圧をコンデンサ素子1028で
ピックアップし共通電極1027から共通端子1029
を介して外部に出力される電圧は、これに接続された信
号電圧増幅加算部1017により極性反転して所定の増
幅率に増幅され補正電圧として対向電極電圧Vcom に加
算される。この信号電圧増幅加算部1017の増幅加算
器1025は、演算増幅器と加算器とを兼ねた動作を行
なうもので、前段の共通端子1029を介して入力され
る電圧に対するこの増幅加算器1025の利得は、R1
、R2 によって設定されている。この利得の設定は対
向電極1015の電気抵抗値や液晶セル1006の特性
などに依存するので、適切に調整を行ない、対向電極の
電圧歪みによる液晶印加電圧の変動を解消するような実
効値を有する補正電圧を発生するように設定されなけれ
ばならない。その結果、信号線電圧Von、Voff の変化
に対応して補正電圧が対向電極電圧Vcom に加算されて
対向電極1015に印加され、対向電極1015の電圧
歪みに起因する液晶印加電圧の変動を抑えることができ
る。
【0056】このように、第3の実施例の液晶表示装置
は、液晶セル1006に共通電極1027を設け、ここ
から取り出した電圧を増幅して補正電圧を作り、これを
信号電圧増幅加算部1017により液晶駆動電圧発生部
1019の対向電極電圧Vcom に加算して対向電極の電
圧歪みを補正し、液晶印加電圧の変動を抑える。
【0057】実際に、このような第3の実施例の液晶表
示装置を用いて表示を行ない、その表示品位を検証した
ところ、Hライン反転駆動方式、Vライン反転駆動方
式、コモン反転駆動方式にかかわらず、対向電極の電圧
歪みを抑制することで液晶層に印加される電圧の大きさ
はいつも一定に制御することができ、クロストークのな
い良好な表示が得られることが確認された。
【0058】なお、この第3の実施例では、対向電極1
015の電圧に対して補正を掛けたが、TFT素子やM
IM(金属−絶縁体−金属)素子を用いたアクティブマ
トリクス型液晶表示装置の走査線(ゲート線)1007
にも本発明の技術を応用して、走査線(ゲート線)電圧
の歪みを補正し、表示画像のクロストークの発生を抑え
ることも可能である。
【0059】また、本実施例の装置では省略したが、保
持容量バス線に本実施例と同様の技術を応用して、共通
電極1027から取り出した電圧を保持容量バス線駆動
回路に印加し、その電圧に補正を加えるような構成とす
ることも可能である。この場合も、保持容量バス線に発
生する電圧歪みを補正できるので、Hライン反転駆動、
Vライン反転駆動はもちろんのこと、Hラインコモン反
転駆動時においてもクロストークのない均一な表示を実
現することができる。
【0060】また、この第3の実施例ではコンデンサ素
子1028の誘電体として液晶1005を用いたが、誘
電体としてはこの他に酸化シリコンや窒化シリコンなど
からなる誘電体膜を用いてもよい。
【0061】(実施例4)第3の実施例において、液晶
セル1006および信号電圧増幅加算部1017を、以
下に述べるように変更した。
【0062】即ち、図11に示すように、本実施例の液
晶表示装置に用いた液晶セル1101は、それぞれの信
号線1103に電気抵抗素子1105の一端が接続さ
れ、その他端は共通電極1107に接続され、その共通
電極1107の端部には、外部に接続するための共通端
子1109が配設されている。そしてこの共通端子11
09は液晶駆動電圧発生部1111内の信号電圧増幅加
算部1113の増幅加算器1115に接続されている。
具体的には、それぞれの信号線1103の先端部にはア
モルファスシリコン膜を細長くパターンニングしてなる
電気抵抗素子1105が形成されている。この電気抵抗
素子1105の電気抵抗値は、約 5MΩとした。
【0063】共通電極1107の電圧を外部に取り出す
ための共通端子1109からの電圧は、信号電圧増幅加
算部1113により反転して所定の増幅率に増幅され補
正電圧として対向電極電圧Vcom に加算される。この信
号電圧増幅加算部1113の増幅加算器1115は、演
算増幅器と加算器とを兼ねた動作を行なうもので、前段
の共通端子1109を介して入力される電圧に対するこ
の増幅加算器1115の利得は、R1 、R2 によって設
定される。この利得の設定は、対向電極1015の電気
抵抗値や液晶セル1101の特性などに依存するので、
適切に調整を行ない、対向電極1015の電圧歪みによ
る液晶印加電圧の変動を解消するような実効値を有する
電圧を発生するように設定されていなければならない。
その結果、信号電圧Von、Voff の変化に対応して補正
電圧が対向電極電圧Vcom に加算されて対向電極101
5に印加され、対向電極1015の電圧歪みに起因する
液晶印加電圧の変動を抑えることができる。
【0064】このように、第4の実施例の液晶表示装置
は、液晶セル1101に共通電極1107を設け、信号
電圧に対応してここから取り出された電圧を増幅して補
正電圧を作り、これを液晶駆動電圧発生部1111の対
向電極電圧Vcom に加算して対向電極1015の電圧の
歪みを補正し、液晶印加電圧の変動を抑える。
【0065】実際に、このような第4の実施例の液晶表
示装置を用いて表示を行ない、その表示品位を検証した
ところ、Hライン反転駆動方式、Vライン反転駆動方
式、コモン反転駆動方式にかかわらず、液晶層に印加さ
れる電圧の大きさはいつも一定に制御され、クロストー
クのない良好な表示が得られることが確認された。
【0066】なお、この第4の実施例では、対向電極の
電圧に対して補正を掛けたが、TFT素子やMIM(金
属−絶縁体−金属)素子を用いたアクティブマトリクス
型液晶表示装置の走査線(ゲート線)1007にも本発
明の技術を応用して、走査線の電圧歪みを補正して、表
示画像のクロストークの発生を抑えることも可能であ
る。
【0067】また、本実施例の装置では省略したが、保
持容量バス線に本実施例と同様の技術を応用して、共通
電極1107から取り出した電圧を保持容量バス線駆動
回路に印加して、保持容量バス線の電圧歪みなどに補正
を加えるような構成とすることも可能である。この場合
も、保持容量バス線に発生する電圧歪みを補正できるの
で、Hライン反転駆動、Vライン反転駆動はもちろんの
こと、Hラインコモン反転駆動時においてもクロストー
クのない均一な表示を実現することができる。
【0068】
【発明の効果】以上の詳細な説明で明らかなように、本
発明の液晶表示装置は、表示画像のクロストークの発生
を抑えて良好な表示を実現し、かつ簡易な構造で製造し
やすい液晶表示装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の液晶表示装置の構成を示す図。
【図2】第1の実施例の液晶表示装置に用いた液晶セル
の構成を示す図。
【図3】第1の実施例の液晶表示装置の全体的な構成を
示す図。
【図4】第1の実施例の液晶表示装置に用いた液晶駆動
電圧発生部の回路構成を示す図。
【図5】電圧平均化法による液晶印加電圧波形を示す
図。
【図6】第1の比較例の液晶表示装置に用いた液晶駆動
電圧発生部の回路構成を示す図。
【図7】第2の実施例の液晶表示装置に用いた液晶セル
の構成を示す図。
【図8】第2の実施例の液晶表示装置に用いた電気抵抗
素子が厚膜からなる液晶セルの構成を示す図。
【図9】第2の実施例の液晶表示装置に用いた液晶駆動
電圧発生部の回路構成を示す図。
【図10】第3の実施例の液晶表示装置の構成を示す
図。
【図11】第4の実施例の液晶表示装置に用いた液晶セ
ルの構成を示す図。
【図12】従来の液晶表示装置の走査電極電圧に発生す
る電圧歪みおよび電圧波形鈍りを示す図。
【符号の説明】
1…信号電極 3…走査電極 5…液晶セル 7…信号電圧印加部 9…走査電圧印加部 11…信号電圧電源 13…走査電圧電源 15…コンデンサ素子 17…共通端子 19…信号電圧増幅加算部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の走査電極と複数本の信号電極と
    を有する液晶表示素子と前記走査電極に接続され走査電
    圧を印加する走査電圧印加手段と前記信号電極に接続さ
    れ信号電圧を印加する信号電圧印加手段とを有する液晶
    表示装置において、 前記信号電極の各々にそれぞれの一端が接続され他端が
    一つの共通配線に接続された静電容量素子と、 前記静電容量素子および前記共通配線を介して前記信号
    電極から前記信号電圧を取り出し演算増幅して前記走査
    電圧に加算する信号電圧演算増幅加算手段とを具備する
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 複数本の走査電極と複数本の信号電極と
    を有する液晶表示素子と前記走査電極に接続され走査電
    圧を印加する走査電圧印加手段と前記信号電極に接続さ
    れ信号電圧を印加する信号電圧印加手段とを有する液晶
    表示装置において、 前記信号電極の各々にそれぞれの一端が接続され他端が
    一つの共通配線に接続された電気抵抗素子と、 前記電気抵抗素子および前記共通配線を介して前記信号
    電極から前記信号電圧を取り出し演算増幅して前記走査
    電圧に加算する信号電圧演算増幅加算手段とを具備する
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 複数の走査線および複数の信号線と前記
    走査線および前記信号線の交差部ごとに配置されその各
    々に接続されるスイッチング素子と前記スイッチング素
    子に接続される画素電極と前記画素電極に液晶を介して
    対向する対向電極とを有する液晶表示素子と、前記走査
    線に走査電圧を印加する走査電圧印加手段と、前記信号
    線に信号電圧を印加する信号電圧印加手段と、前記対向
    電極に対向電極電圧を印加する対向電極電圧印加手段と
    を有する液晶表示装置において、 前記信号線の各々に
    それぞれの一端が接続され他端が一つの共通配線に接続
    された静電容量素子と、 前記静電容量素子および前記共通配線を介して前記信号
    線から前記信号電圧を取り出し演算増幅して前記対向電
    極電圧に加算する信号電圧演算増幅加算手段とを具備す
    ることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 複数の走査線および複数の信号線と前記
    走査線および前記信号線の交差部ごとに配置されその各
    々に接続されるスイッチング素子と前記スイッチング素
    子に接続される画素電極と前記画素電極に液晶を介して
    対向する対向電極とを有する液晶表示素子と、前記走査
    線に走査電圧を印加する走査電圧印加手段と、前記信号
    線に信号電圧を印加する信号電圧印加手段と、前記対向
    電極に対向電極電圧を印加する対向電極電圧印加手段と
    を有する液晶表示装置において、 前記信号線の各々に
    それぞれの一端が接続され他端が一つの共通配線に接続
    された電気抵抗素子と、 前記電気抵抗素子および前記共通配線を介して前記信号
    線から前記信号電圧を取り出し演算増幅して前記対向電
    極電圧に加算する信号電圧演算増幅加算手段とを具備す
    ることを特徴とする液晶表示装置。
JP16733592A 1992-06-25 1992-06-25 液晶表示装置 Withdrawn JPH0612030A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16733592A JPH0612030A (ja) 1992-06-25 1992-06-25 液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16733592A JPH0612030A (ja) 1992-06-25 1992-06-25 液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0612030A true JPH0612030A (ja) 1994-01-21

Family

ID=15847831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16733592A Withdrawn JPH0612030A (ja) 1992-06-25 1992-06-25 液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0612030A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6049319A (en) * 1994-09-29 2000-04-11 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display
JP2002123227A (ja) * 2000-10-17 2002-04-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd アクティブマトリックス型液晶表示装置
US6501455B1 (en) 1998-07-14 2002-12-31 Sharp Kabushiki Kaisha Driving device and driving method of liquid crystal display device
US7079123B2 (en) 2002-06-26 2006-07-18 Canon Kabushiki Kaisha Driving apparatus, driver circuit, and image display apparatus
JP2017219555A (ja) * 2016-06-02 2017-12-14 株式会社Joled 表示装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6049319A (en) * 1994-09-29 2000-04-11 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display
US6501455B1 (en) 1998-07-14 2002-12-31 Sharp Kabushiki Kaisha Driving device and driving method of liquid crystal display device
JP2002123227A (ja) * 2000-10-17 2002-04-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd アクティブマトリックス型液晶表示装置
US7079123B2 (en) 2002-06-26 2006-07-18 Canon Kabushiki Kaisha Driving apparatus, driver circuit, and image display apparatus
US7463254B2 (en) 2002-06-26 2008-12-09 Canon Kabushiki Kaisha Driving apparatus, driver circuit, and image display apparatus
JP2017219555A (ja) * 2016-06-02 2017-12-14 株式会社Joled 表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06180564A (ja) 液晶表示装置
JP3799307B2 (ja) 液晶表示装置及びその駆動方法
JP4638564B2 (ja) 液晶表示装置及びその駆動方法
JP3924485B2 (ja) 液晶表示装置の駆動方法及びその液晶表示装置
KR100239092B1 (ko) 액정표시장치의 구동방법
KR20080028299A (ko) 전기 광학 장치 및 전자기기
KR100671515B1 (ko) 액정표시장치의 도트반전구동방법
US6466191B1 (en) Liquid crystal display thin film transistor driving circuit
JP4480821B2 (ja) 液晶表示装置
JPH0812345B2 (ja) ドットマトリックス液晶ディスプレイの電源
EP1927975B1 (en) Method of driving liquid crystal display device
JPH0612030A (ja) 液晶表示装置
JP2004309520A (ja) 液晶表示装置の駆動方法
US6344842B1 (en) Liquid crystal display device and a driving method therefor
JP4528598B2 (ja) 液晶表示装置
JP3473748B2 (ja) 液晶表示装置
JP3193462B2 (ja) アクティブマトリクス型薄膜トランジスタ液晶パネルの駆動方法
JP3162332B2 (ja) 液晶パネルの駆動方法
JPH08129158A (ja) 液晶表示装置
JP3175784B2 (ja) 画像表示装置
JPH0772802A (ja) 液晶表示装置
JPH07281151A (ja) 液晶表示装置
JPH07129128A (ja) 液晶表示装置
JPH0764519A (ja) 液晶表示装置
JP3033097B2 (ja) 液晶表示装置の駆動方法及び液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990831