JPH07129128A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH07129128A
JPH07129128A JP27693293A JP27693293A JPH07129128A JP H07129128 A JPH07129128 A JP H07129128A JP 27693293 A JP27693293 A JP 27693293A JP 27693293 A JP27693293 A JP 27693293A JP H07129128 A JPH07129128 A JP H07129128A
Authority
JP
Japan
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voltage
signal
liquid crystal
scan
electrode
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Withdrawn
Application number
JP27693293A
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English (en)
Inventor
Yasukatsu Hirai
保功 平井
Susumu Kondo
進 近藤
Kenji Tsuchiya
健志 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH07129128A publication Critical patent/JPH07129128A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示画像のクロストークの発生を抑えて良好
な表示を実現することができる液晶表示装置であって、
しかも簡易な構造で製造も容易な液晶表示装を提供す
る。 【構成】 本発明の液晶表示装置は、たとえどのような
関数の走査電圧波形を用いる場合でも、信号電極2に発
生しようとする歪み電圧の実効値に相当する電圧を走査
電圧から演算増幅回路11または走査データ和演算増幅
回路901により信号電圧に対してフィードフォワード
制御を掛けて補正して、その信号電極2に生じようとす
る歪み電圧を打ち消すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置に係り、特
にクロストークを解消して良好な画像表示を実現する液
晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、その薄型、軽量、低消
費電力などの特長を生かして、パーソナルワープロやパ
ーソナルコンピュータのディスプレイデバイスとして多
く利用されるようになってきた。
【0003】このようなディスプレイデバイスに利用さ
れる液晶表示装置には、多桁(多画素表示や高品位表示
などが要求されている。このような要求に対応するため
に、STN(スーパーツイステッドネマティック)型液
晶表示素子に代表される単純マトリクス型液晶表示素子
の画素数(走査電極数×信号電極数)は著しく増加して
きており、またこれに伴なって液晶表示素子の駆動周波
数(駆動電圧パルスの周波数)も増加している。
【0004】例えば走査電極が 200本、信号電極が 640
本の 2値表示の液晶表示素子は、走査電極 1本分の走査
時間に相当する時間、即ち駆動電圧の最小パルス幅は60
〜70μs程度まで短いものとなっている。
【0005】一般に、液晶表示素子の各画素ごとの液晶
セルは、等価回路でコンデンサ(静電容量)として表す
ことができる。また液晶表示素子を駆動するためのドラ
イバICなどの駆動回路系には出力インピーダンスが存
在しており、これは一般的に電気抵抗として等価回路で
表わすことができる。
【0006】単純マトリクス型液晶表示素子では方形波
パルスの組み合わせによって駆動されるが、ドライバI
Cの出力抵抗をはじめとしてドライバICと液晶表示素
子の接続抵抗や液晶表示素子の走査電極や信号電極の電
気抵抗と液晶層の静電容量とに起因して、駆動電圧波形
に歪みや鈍りが発生する。
【0007】これら駆動電圧波形の歪みや鈍りは、液晶
層に印加される電圧の低下または上昇を招き、これが液
晶表示素子の画面内での光の透過率の位置的なばらつ
き、いわゆるクロストークと呼ばれる表示むらの現象と
なって表示画面上に現れる。
【0008】単純マトリクス型液晶表示素子において最
もクロストークの発生に関与する主因は、走査電極や信
号電極に発生する電圧歪みに起因した液晶印加電圧の変
動であると言える。この現象の一例を以下に説明する。
【0009】図10(a)は、従来のXY単純マトリク
ス型液晶表示装置の走査電極 1本の回路構成を部分的に
抜き出して等価回路で表したものである。ここで、R1
001は走査電極ドライバ(図示省略)の出力(内部)
抵抗および走査電極ドライバと液晶表示素子との接続抵
抗および液晶表示素子の走査電極Yn の電極(内部)抵
抗の総和であり、CLCは走査電極(Yn )1003の電
極 1本分の液晶層1002の静電容量である。
【0010】液晶表示素子は一般に交流的な液晶印加電
圧によって駆動される。そこでこの従来例では図10
(c)に示すように走査ドライバ回路が基準電位Vcom
を中心として極性反転する走査選択パルスおよび±Vre
v 間を極性反転する非走査選択時電圧V2 を出力してい
る場合を一例として示す。また、信号ドライバ回路は図
10(b)に示すような±Vrev 間を極性反転する信号
電圧V1 を出力しているものとする。
【0011】この等価回路において信号ドライバ回路側
から方形波状の信号電圧V1 が信号電極1004に印加
される場合を考えると、上記のCLCとRとの接続点にお
いて、時定数CLC・Rに基づく図10(d)の波形グラ
フに示すようなスパイク電圧歪みV3 が生じる。その結
果、液晶層1002に印加される液晶印加電圧は図10
(e)に示すようにスパイク電圧歪みV3 分だけ削がれ
たような歪みを有する波形となる。このような信号電極
1004に印加された電圧が液晶層1002を介しての
誘導によって走査電極1003の電圧にスパイク状など
の歪み電圧を生じさせ、液晶印加電圧波形の実効値電圧
の不均一な低下または上昇を招く。その結果、液晶表示
素子の画面に表示むら(クロストーク)が発生する。ま
た逆に走査電極1003の電圧から信号電極1004の
電圧が液晶層1002を介して誘導を受けて、信号電極
1004に歪み電圧が生じることも上記と同様の作用に
よって起こり、これがクロストークを引き起こす。
【0012】しかも実際の液晶表示装置では走査電極は
一般に 200本以上形成されていることが普通で、駆動デ
ューティ比も1/200 程度以下で駆動電圧のパルス幅が短
いために、上記のような波形なまりや電圧歪みの影響は
さらに顕著になる。
【0013】また上記のような電気抵抗Rの存在は、ド
ライバICの出力端子電圧が外部から印加される電圧波
形によって変動しやすい、即ち電圧歪みが発生しやすい
ことも意味している。
【0014】さらに、液晶表示素子の走査電極100
3、信号電極1004には酸化スズやITO(酸化イン
ジウム)からなる透明電極が一般的に用いられている
が、このような透明電極は電気抵抗が比較的大きいこと
から、これらの電極1003、100には前記した波形
鈍りや歪み電圧がより顕著に発生することになる。
【0015】このように、信号電極の電圧から液晶層1
002の容量結合を介して誘導されて走査電極の電圧が
変化することに起因して液晶印加電圧波形に歪みが生
じ、これが表示画面上で表示の濃淡むら、いわゆるクロ
ストークとなって現れる。
【0016】また逆に、走査電極1003の電圧から誘
導されて信号電極1004の電圧が変化することに起因
してクロストークが発生する。
【0017】このような表示むらを解消するために、例
えばSTN型液晶表示素子に対する適用を企図した技術
として、特開平2-171718号公報やSID´90 Digest p.
413に開示された技術が検討されている。これは、信号
ドライバ回路から出力される表示データを走査ドライバ
回路へ印加する電圧に変換し、この電圧を微小変化させ
ることで走査ドライバ回路の出力端子の電圧変動を相殺
させるという方法である。
【0018】しかしながら、上記のような従来の技術に
おいては、表示データに対応して歪み電圧を補正するた
めにあらかじめ設定しておいたの微小電圧に基づいて歪
み電圧の相殺を行なおうとするもので、例えばドライバ
回路から出力する液晶駆動電圧を変化させてコントラス
トの変化や階調表現を行なう装置の場合では、液晶駆動
電圧の変化にともなって電圧歪みの大きさも変化するの
で、歪み電圧を補正するために必要十分な電圧は当初に
最適な補正値として設定した補正電圧からずれてしまう
という問題がある。
【0019】あるいは、その都度最適な補正電圧に再設
定する調整回路を付加することも案出されるが、このよ
うな調整回路を有しかつ微小電圧の設定を表示データに
基づいて行なう回路を組み込むことは、液晶駆動回路系
の構造を極めて煩雑なものとするという問題がある。
【0020】また、走査電極や信号電極の電気抵抗を低
減することで歪み電圧や液晶印加電圧の波形鈍りの大き
さを低減しようとする方法も案出されており、例えば走
査電極等を形成している透明電極上での電圧波形の均一
化という観点から透明電極のわきに並列して金属の配線
を這わせるなどして透明電極の見かけの電気抵抗を低減
することなどが考えられる。
【0021】しかしながら、このような方法では、液晶
表示素子内部の構造が煩雑となるという問題がある。ま
た製造も容易ではなく製造コストも高くなるという問題
もある。
【0022】また、歪み電圧や液晶印加電圧の波形鈍り
を抑えるために出力抵抗の極めて小さいドライバICを
用いることも案出されるが、このような極めて特殊なド
ライバICの開発は容易ではなく、また高価で実用的で
はないという問題もある。
【0023】ところで、駆動法を別の観点から見ると、
応答速度の速い単純マトリックスLCDの駆動方法とし
てSID´92 Digest p.228 〜p.231 およびp.232 〜p.
235に開示されたActive Addressing MethodまたはMulti
ple Line Selection Methodと呼ばれる方法がある。
【0024】一般の電圧平均化法では、 1フレーム期間
内にごく短時間の高い電圧の選択パルスとそれ以外の期
間の低電圧の非選択時電圧とを有する波形の走査電圧が
液晶に印加される。これに対して前記のActive Address
ing Methodのような駆動方法では、任意の正規直交系関
数で構成された走査波形Fi(t) と多値の信号波形Gj
(t) とが与えられ、この結果液晶に印加される電圧の
合成波形はフレーム期間内で分散されたものとなる。し
たがって、応答速度の速い液晶表示素子を用いた場合に
は、従来の一般的な電圧平均化法では選択パルスに追従
していわゆる「フレーム応答」状態となりコントラスト
比が低下していたのに対して、前記のActive Addressin
g Methodのような駆動方法によれば高いコントラスト比
が得られるという利点がある。
【0025】しかしながら、前記のActive Addressing
Methodのような方法では、走査電圧波形として正規直交
系関数に基づく波形が印加されるので、上述したような
走査電圧の変化が液晶層を介して信号電極に対して誘導
を引き起こし、スパイク状の歪み電圧が信号電圧に生じ
ることになる。従って、このような駆動法を用いた液晶
表示装置においては、走査電圧波形の形成に用いる関数
の種類によっては、一般の電圧平均化法に比べて信号電
極駆動波形歪みの点からは、より一層クロストークが発
生しやすくなるという問題がある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
液晶表示装置においては、ドライバICの出力抵抗やド
ライバICと液晶表示素子との接続抵抗や液晶表示素子
の駆動用電極抵抗の総和と液晶層の静電容量とに起因し
て発生する電圧歪みにより、液晶印加電圧にスパイク歪
みのような歪み電圧が発生し、表示画面に表示むら(ク
ロストーク)が発生するという問題があった。
【0027】そしてこれを解消するために提案された既
知の技術では、最適な補正電圧がずれるといった問題
や、装置が煩雑になる、あるいは高価になるなどの問題
や、用いる関数によってはむしろ表示むらが増大すると
いう問題があった。
【0028】本発明はこのような問題を解決するために
成されたもので、その目的は、液晶表示装置において、
画面に表示むら(クロストーク)が発生するという問題
を簡易で低廉な手段によって解決し、高品位な画像表示
を実現することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】複数の走査電極が形成さ
れた走査電極基板と前記複数の走査電極に間隙を維持し
て交差するように対向配置される複数の信号電極が形成
された信号電極基板と前記走査電極および前記信号電極
の間に封入挟持された液晶層とを有する液晶表示素子
と、前記走査電極に接続されて走査電圧を印加する走査
ドライバ回路と、前記信号電極に接続されて信号電圧を
印加する信号ドライバ回路と、前記走査電圧の波形を決
定するための走査データを前記走査ドライバ回路に入力
する走査データ発生回路と、前記信号電圧の波形を決定
するための信号データを前記信号ドライバ回路に入力す
る信号データ発生回路とを備え、前記信号データに基づ
いて前記信号ドライバ回路の複数の出力端の電圧が形成
されるとともに前記走査電極のうち 2本以上の走査電極
を同時に選択して前記液晶表示素子を駆動する液晶表示
装置において、前記液晶表示素子は、前記複数の走査電
極それぞれに一端が接続された電気容量または電気抵抗
と、前記電気容量または前記電気抵抗の他端が接続され
該他端が接続された部分の前記走査電極から電圧を一括
して検出する検出電極とを具備し、前記信号ドライバ回
路は、前記信号電圧を形成するための電位を出力する信
号電圧電源回路と、該信号電圧電源回路から出力される
前記電位に前記検出電極から一括して検出された電圧を
演算増幅して重畳する演算増幅回路とを具備して、前記
走査電極の電圧を前記検出電極で検出し該電圧を演算増
幅して前記信号電圧に重畳して、前記信号電極の電圧に
発生しようとする歪み電圧を抑止することを特徴として
いる。
【0030】また、複数の走査電極が形成された走査電
極基板と前記複数の走査電極に間隙を維持して交差する
ように対向配置される複数の信号電極が形成された信号
電極基板と前記走査電極および前記信号電極の間に封入
挟持された液晶層とを有する液晶表示素子と、前記走査
電極に接続されて走査電圧を印加する走査ドライバ回路
と、前記信号電極に接続されて信号電圧を印加する信号
ドライバ回路と、前記走査電圧の波形を決定するための
走査データを前記走査ドライバ回路に入力する走査デー
タ発生回路と、前記信号電圧の波形を決定するための信
号データを前記信号ドライバ回路に入力する信号データ
発生回路とを備え、前記信号データに基づいて前記信号
ドライバ回路の複数の出力端の電圧が形成されるととも
に前記走査電極のうち 2本以上の走査電極を同時に選択
して前記液晶表示素子を駆動する液晶表示装置におい
て、前記信号ドライバ回路は、前記走査データの和を演
算増幅した電圧を出力する走査データ和演算増幅回路
と、前記信号電圧を形成するための電位を出力する信号
電圧電源回路と、該信号電圧電源回路から出力される前
記電位に前記走査データ和演算増幅回路から出力された
電圧を演算増幅して重畳する演算増幅回路とを具備し
て、前記走査電極の電圧を演算増幅して前記信号電圧に
重畳し、前記信号電極の電圧に発生しようとする歪み電
圧を抑止することを特徴としている。
【0031】本発明の技術は、TN(Twisted Nematic
)型液晶表示素子や、STN(Super Twisted Nematic
)型液晶表示素子や、GH(Guest host)型液晶表示
素子、高分子分散型液晶表示素子、強誘電性液晶表示素
子などを用いたXYマトリックス型の液晶表示装置にお
いて好適で、その駆動における走査電圧の波形歪みに起
因する表示むら(クロストーク)の除去に大きな効果を
発揮することができる。
【0032】
【作用】本発明に係る液晶表示装置は、信号電極の電圧
が走査電極から誘導される電圧により発生する歪み電圧
に相当する信号電極の電圧の実効値の変動分(低下分ま
たは増加分)を補正するような大きさの補正電圧を逆極
性(逆方向の変位)で信号電極に印加して、前記の歪み
電圧を相殺する。
【0033】このような本発明に係る液晶表示装置の信
号ドライバ回路および演算増幅回路は、信号電極に歪み
電圧を発生させる原因となる走査電極に印加された電圧
を取り出して信号ドライバ回路へと先回りして補正を掛
けるという意味で、フィードフォワード制御と言うこと
もできる。このようなフィードフォワードの補正動作を
行なう電圧としては信号電圧の波形鈍りや歪みの原因と
なる走査電圧自体から形成して(取り出して)いるた
め、その補正動作のタイミングを常に正確かつ簡易に信
号電圧に対して同期させることができる。このように、
本発明の液晶表示装置は、たとえどのような関数に基づ
いた走査電圧波形を用いる場合でも、信号電極に発生す
る波形歪み電圧の実効値に相当する電圧をフィードフォ
ワード制御により補正して、その信号電極の電圧に生じ
ようとする歪み電圧を抑止して、表示の濃淡むら(クロ
ストーク)を常に効果的に解消して良好な画像表示を実
現することができる。
【0034】したがって、本発明に係る技術は、例えば
Active Addressing MethodやMultiple Line Selection
Methodなどの任意の正規直交系関数で構成された走査波
形が用いられる駆動方法のように、複数の走査電極に供
給される電圧値を時間的に不均一に変化させる場合に特
に好適である。
【0035】
【実施例】以下、本発明の液晶表示装置の実施例を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0036】(実施例1)図1は本発明に係る第1の実
施例の液晶表示装置の構成の概要を模式的に示す図であ
る。
【0037】この液晶表示装置は、ITOのような透明
電極からなる走査電極1と信号電極2とがマトリックス
状に対向配置され、その間隙に液晶層3が挟持された液
晶表示素子(液晶表示パネル)4と、それを駆動するた
めの走査ドライバ回路5と信号ドライバ回路6とを有す
る。
【0038】走査ドライバ回路5は、走査電極駆動部7
と、これに電源電圧を与える走査電圧電源回路8とを有
する。
【0039】信号ドライバ回路6は、信号電極駆動部9
と、これに電源電圧を与える信号電圧電源回路10と、
演算増幅回路11とを有する。
【0040】さらに、液晶表示素子4においては各走査
電極1の端部にそれぞれ電気容量12が配設されてい
る。これらの電気容量12は電気的には一端が前記のよ
うに走査電極1に接続され他端が検出電極13に接続さ
れて、電気容量12によって検出された走査電極1の電
圧を一括して集めて、配線14を介して前記の演算増幅
回路11に接続されている。
【0041】信号電極2に生じるスパイク波形状の歪み
電圧の原因となる走査電極1の電圧を演算増幅し補正電
圧として用いて、この補正電圧を信号ドライバ回路6内
に設けられた演算増幅回路11に入力して信号電圧に合
成することによって、前記の歪み電圧に起因した走査電
圧の実効値の変動分(つまり低下分あるいは増加分)を
補正する。このとき合成する電圧が走査電極の電圧に生
じるスパイク波形状の歪み電圧を打ち消すような実効値
および変位方向の電圧となるように、前記の演算増幅回
路11の演算則および増幅率を設定しておくことは言う
までもない。これにより、走査電極の電圧からの誘導に
起因して信号電極に生じようとするスパイク波形状の歪
み電圧などの実効値の変動を抑止して、クロストークの
発生を解消する。
【0042】次に、本実施例の液晶表示装置の各部位の
さらに具体的な構造およびその動作を詳述する。
【0043】図2は、液晶表示素子4の構造を示す図で
ある。この液晶表示素子4としてはSTN型液晶表示素
子を用いた。画面サイズはA 4版、表示容量(画素数)
は 640× 200ドットである。このSTN型の液晶表示素
子4のセルギャップは約 7μmで、ラビング配向処理を
施した樹脂からなる配向膜(図示省略)を備えて、液晶
表示素子4のセルギャップ間で液晶層3の液晶分子が 2
40°捩じれるように配向されている。液晶層3の液晶組
成物としてはメルク社製ZLI−2293を用いた。また走
査電極1および信号電極2の透明電極はITOから形成
されたものである。本実施例の液晶表示装置は、白黒表
示とするために光学位相補償セル(図示省略)をこの液
晶表示素子のガラス基板200、201の外向き側の主
面上に貼設し、電圧無印加時には黒、電圧印加時には白
の表示が得られる、いわゆるノーマリブラック型の液晶
表示素子として形成した。ガラス基板201上に設けら
れた各走査電極1の末端部に対向するように電気容量1
2が形成されている。この電気容量12は具体的には液
晶層3を介して走査電極1の末端部と対向するようにガ
ラス基板201上に設けられた信号電極2と概略同じ電
極形状の検出電極13と誘電体として走査電極1との間
に挟持された液晶層3とを用いて形成されている。
【0044】この図2からも明らかなように、走査電極
1の解放端部と検出電極13とを電極とし、その電極間
に挟持される液晶層3を誘電体として電気容量12が構
成されているので、本実施例の液晶表示素子4は検出電
極13を追加するだけで従来の液晶表示素子の構造をほ
とんど変更する必要がなく、極めて簡易に製作すること
ができる。
【0045】図3は本実施例の液晶表示装置の全体的な
構造を示すブロック図である。
【0046】液晶表示素子4内の走査電極1、信号電極
2には、それぞれ走査ドライバ回路5、信号ドライバ回
路6が接続されている。
【0047】走査ドライバ回路5は、走査電極駆動部7
とこれに電源電圧を与えるための走査電圧電源回路8と
を備えている。
【0048】信号ドライバ回路6は、信号電極駆動部9
とこれに電源電圧を与えるための信号電圧電源回路10
と、電気容量12を介して検出電極13で検出された走
査電極1の電圧を増幅して、この電圧を信号電極2に印
加される以前に信号電圧に先回りしてフィードフォワー
ドさせる演算増幅回路11とを有している。
【0049】走査データ発生回路15は、走査ドライバ
回路5内の走査電極駆動部7に接続されて、走査電極駆
動部7が各走査電極1に対して出力する走査電圧の波形
を制御(決定)するための走査データを発生しこれを走
査電極駆動部7のシフトレジスタ16に送出する。シフ
トレジスタ16は、送られてきた走査データをパラレル
データの状態でストレージする。そして走査電極駆動部
7のスイッチ部17はこのシフトレジスタ16にストレ
ージされたデータに基づいて制御されてスイッチング動
作を行なって、各走査電極1に対して走査電圧を印加す
る。
【0050】信号データ発生回路18は、信号ドライバ
回路6内の信号電極駆動部9に接続されて、信号電極駆
動部9が各信号電極2に対して出力する信号電圧の波形
を制御するための信号データを発生しこれを信号電極駆
動部9のシフトレジスタ・ラッチ19に送出する。シフ
トレジスタ・ラッチ19は、送られてきた信号データを
パラレルデータの状態でストレージする。そしてシフト
レジスタ・ラッチ19にストレージされたデータを論理
回路21が読み替えて制御データとしてスイッチ部20
に送出する。スイッチ部20は論理回路21から入力さ
れた制御データに基づいてスイッチング動作を行なっ
て、各信号電極2に対して信号電圧を印加する。
【0051】図3において走査電圧電源回路8と信号電
圧電源回路10とは図示および説明の簡潔化のために分
割して示したが、実際上は(実態的な回路構造は)一つ
にまとめて図4に示すような駆動電圧電源回路401と
して形成することが望ましい。これは、一つにまとめる
ことによって簡潔な構造で精度良くかつ安価にできるか
らである。前記の駆動電圧電源回路401は抵抗(R1
)402、抵抗(R2)403、抵抗(R3 )404を
用いて形成された分圧回路で、外部から入力された電源
入力電位を分圧して電源電位V1 、V2 、…V6 として
それぞれ出力する。このとき、電気容量12によって検
出され検出電極13により一括して集められた走査電極
1の電圧はバッファ405を介して演算増幅回路406
(a)、(b)、(c)、(d)(つまり図1における
演算増幅回路11)の入力端の一端に入力されて、他端
に入力される前記の電源電位と合成されて、電位V1 、
V2 、V4 、V5 は信号電極駆動部9に送出され、また
電位V0 、V3 、V6 は走査電極駆動部7に送出され
る。
【0052】上記の走査データ発生回路18および信号
データ発生回路15は、明確に分離した回路構成とする
必要はなく、実際には図5に示すように一つの回路系と
してまとめて駆動データ発生回路500として形成し、
この駆動データ発生回路500から走査データおよび信
号データそれぞれを出力するようにしてもよいことは言
うまでもない。これは、一つにまとめて回路基板上に形
成すれば、回路構成を簡易化および小型化することがで
きるので好ましいからである。
【0053】走査データ発生回路15および信号データ
発生回路18から主要部が構成された駆動データ発生回
路500は、例えばIDRC´88 DIGEST p.80〜p.85に
開示されたIHAT駆動法に基づくもので、図5に示す
ように、順次転送されてくる表示データを一時的に保持
する表示データメモリ501と、一周期(フレーム)分
の走査電圧波形データがあらかじめ書き込まれている走
査電圧波形メモリ502と、前記の表示データに基づい
て走査電圧波形データから信号波形を演算・生成する信
号波形演算回路503とタイミング制御回路504とか
らその主要部が構成された駆動データ発生回路505と
して一つの回路系として回路基板上にまとめて形成され
ている。
【0054】表示データメモリ501としてはRAMを
用いており、順次転送されてくる表示データの 1画面
( 640× 200ドット)分のデータを 200行× 640列の配
列I(i,j)( i= 1〜 200、 j= 1〜 640)として一旦
保持し、一列分 3個ずつ並列に演算回路に転送する。走
査電圧波形メモリ502としてはROMを用いており、
あらかじめ 200本の各走査電極1に供給する一周期分の
電圧波形データFi(t)( i= 1〜 200)があらかじめ
書き込まれており、このデータを各走査電極1および信
号波形演算回路503に対して並列に繰り返し出力す
る。この出力はタイミング制御回路504により出力タ
イミングが制御される。
【0055】走査電圧波形Fi(t) としては正規直交系
のものが用いられるが、ここでは+1と− 1の 2値から
なる 256× 256行列のWalsh 関数列の内から 3行分を取
り出して用いるものとした。信号波形演算回路503で
は表示データIと走査電圧波形Fとを以下のように演算
して信号ドライバ回路6を介することで信号電圧波形G
を得る。すなわち、
【数1】 (F:電圧レベル調整の係数、N:走査電極数、ここで
は 200)を計算する。この計算を行なう演算回路として
は、図5に示した 3個の排他的論理和演算回路505と
この出力結果が接続される図3および図6に示した信号
電極駆動部9の論理回路21とからその主要部が構成さ
れている。
【0056】本実施例では、まず+ 1と− 1と(それぞ
れ正論理、負論理に相当)の 2値で構成される一列分 3
個の表示データと、同じく+ 1と− 1と(それぞれ正論
理、負論理に相当)の 2値で構成される 3行分の走査電
圧波形データの積を排他的論理和を用いて信号波形演算
回路503で計算し、その結果のデータを 3ビット並列
してDATA1 端子より出力する。このデータは後段の信号
ドライバ回路6の信号電極駆動部9に入力される。
【0057】図6(a)、(b)は、信号電極駆動部9
の構造およびそれに用いられる論理真理値表を示す図で
ある。
【0058】DATA1 端子より入力された 3ビット並列デ
ータABC はクロックパルスCP1 に基づいて分周されたタ
イミングで出力X1 からX640 まで順次転送されてシフ
トレジスタ・ラッチ19に順次に蓄えられて行く。次段
の論理回路21では 3ビットの信号ABC の和を図6
(b)に示すような真理値表に基づいたロジックで演算
し、その結果のデータに基づいてY0、Y1、Y2、Y3のうち
の一つを選択する。スイッチ部20では、Y0、Y1、Y2、
Y3のうちの選択された一つに対応するスイッチを選択
(オン)にして、信号電圧電源回路10から供給される
電圧V1 、V2 、V4、V5 のうちから前記の和の結果
に相当する電圧を信号線に出力する。このようにして信
号電極X1 からX640 までそれぞれの出力が決定され
る。こうして例えば図7(b)に示すような信号電極駆
動波形が得られる。
【0059】一方、走査電極駆動部7では、走査データ
発生回路18からのWalsh 関数列に基づいた走査データ
を受けて、走査電極Y1 からY200 までそれぞれの出力
電位として、走査電圧電源回路8から供給される電位V
0 、V3 、V6 の中から一つの電位を選択する。具体的
にはこの走査電極駆動部7は、図3で説明したように、
走査データDATA2 を順次転送して保持するシフトレジス
タ16と、走査データによって走査選択期間の走査電位
(V0 、V6)または非走査選択時の走査電位(V3 ) を
選択するスイッチ部17とからその主要部が形成されて
いる。シフトレジスタ16は走査データDATA2 を受けて
クロックCP2 によって出力Y1 からY200 までデータを
転送する。スイッチ部17では前記のようにして転送さ
れた走査データに基づいて、電位V0 、V3 、V6 の中
から一つを選択する。
【0060】すなわち、 1周期(フレーム)のうち選択
期間のみ+ 1、− 1(これに対応して出力される電位と
しては電位V0 、V6 が対応)の走査電圧波形メモリに
蓄えられている正規直交系のデータが与えられ、残りの
期間は 0(これに対応して出力される電位としてはV3
)が与えられるように設定されている。こうして例え
ば図7(a)に示すような走査電極駆動波形が得られ
る。
【0061】前述したごとく、駆動電圧電源回路401
では電源(図示省略)から供給される電圧を分圧して、
液晶表示素子を駆動するために必要な電位(V0 、V1
、V2 、V3 、V4 、V5 、V6 )を作る。そしてこ
れらの電位のうちV0 、V3 、V6 は走査電極駆動部7
に、V1 、V2 、V4 、V5 は信号電極駆動部9に供給
される。
【0062】そして信号電圧電源回路10には演算増幅
回路11が内設されている。この演算増幅回路11によ
って、走査電極1から電気容量12を介して検出電極1
3で一括して取り出された電圧は、信号電圧電源回路1
0の出力する電圧に合成される。
【0063】ここで、検出電極13で一括して取り出さ
れた走査電極1の電圧は、 Waish関数列等に基づいた走
査電圧波形を用いる場合には信号電極電位が誘導される
電圧に等しい。そこで本発明においては検出電極13で
一括して取り出した走査電極1の電圧を用いて、これを
演算増幅して信号電圧に積極的にフィードフォワードす
ることにより、信号電極の電圧の誘導に起因した走査電
極に歪み電圧が発生することを防ぐのである。
【0064】まず、走査電極1から電気容量12で検出
された電圧は検出電極13で一括して集められて、配線
14を介して演算増幅回路11に入力される。この入力
電圧はバッファ405を介して、信号電圧電源V1 、V
2 、V4 、V5 を出力する演算増幅回路406(a)、
(b)、(c)、(d)の反転端子にコンデンサ407
による容量結合を通って入力される。それぞれの演算増
幅回路406は直流的にはボルテージフォロワーになっ
ており、電気抵抗R1 、R2 、R3 で分圧により形成さ
れた電圧を受けてこれを出力する。これらの演算増幅回
路406は交流的には電気抵抗(R)408、電気抵抗
(R' )409によって増幅率が設定された増幅器であ
る。本実施例で上記のようにコンデンサ407を用いて
容量結合によって接続したのは、 4つの演算増幅回路4
06の入力側で直流的な電圧V1、V2 、V4 、V5 が
ショートすることを避けるために、コンデンサ407で
その入力側を分離するためである。
【0065】以上のような回路構成にすることで、どの
ような走査電圧波形が出力されても、これに誘導されて
発生しようとする信号電圧の歪み電圧に対して逆極性の
補正電圧が重畳されることになる。このようにして歪み
電圧の発生を抑えて、表示画像のクロストークを効果的
に解消することができる。
【0066】以上のような本発明に係る液晶表示装置
を、図7に示すような波形の液晶駆動電圧を用いてフレ
ーム周波数80Hzで駆動して表示を行なわせ、その表示
品位を目視にて検証した。
【0067】まず、全画面を白表示にした後、画面中央
付近に縦 150ドット×横100 ドットの領域に白と黒ドッ
トの横縞模様と縦 150ドット×横10ドットの領域に白の
直線を表示させ、引き続きこれら領域の横のドット数を
徐々に増加させていったが、いずれの場合もクロストー
クのない均一な表示を維持できた。また、漢字やアルフ
ァベットを連続的に表示させたが、信号電極における歪
み電圧の発生が抑制されてクロストークのない均一な表
示を維持することができた。
【0068】(比較例1)第1の実施例の液晶表示装置
において、信号ドライバ回路6の駆動電圧電源回路40
1を、演算増幅回路11等を取り除いた図8に示すよう
な従来一般的に用いられる電気抵抗402、403、4
04による分圧回路とバッファ800とを用いた駆動電
圧電源回路801に換装し、その他の構造は第1の実施
例とほぼ同様のものを用いて従来の液晶表示装置を形成
し、これに第1の実施例と同様の駆動条件で表示を行な
わせて表示品位を目視にて検証した。
【0069】まず、全画面を白表示にした後、画面中央
付近に縦 150ドット×横100 ドットの領域に白と黒ドッ
トの横縞模様と縦 150ドット×横10ドットの領域に白の
直線を表示させた。それら縦方向に周囲よりも暗いクロ
ストークが発生し、表示領域の横のドット数を増加する
に従ってこの縦方向のクロストークがよりいっそう顕著
に発生した。さらには表示の横方向にも新たなクロスト
ークが発生して、表示品位が著しく低下した。
【0070】また、漢字やアルファベットを連続的に表
示させたが、この場合も縦および横方向に連なる顕著な
クロストークが発生して画面の不均一性が目立った。
【0071】(実施例2)上記の第1の実施例の液晶表
示装置における液晶表示素子4を、電気容量12の代り
に電気抵抗を用いたものに変更し、その他の部位は第1
の実施例と同様のものとした。すなわち、本実施例で用
いた液晶表示素子(液晶セル)は、それぞれの走査電極
1に一端が接続され、他端は検出電極13に一括して接
続される電気抵抗を上記の第1の実施例の電気容量12
の代りに備えていることが特徴である。
【0072】この第2の実施例に係る電気抵抗は、幅約
1μm、長さ約50mmにパターニングして、約 1MΩの
電気抵抗となるように形成した。このような電気抵抗を
用いても上記の第1の実施例とほぼ同様の効果を得るこ
とができる。
【0073】このような第2の実施例の液晶表示装置
を、第1の実施例と同様に図7に示したような波形の液
晶駆動電圧を用いて第1の実施例と同様の駆動条件で駆
動し、その表示品位を目視にて検証した。
【0074】まず、全画面を白表示にした後、画面中央
付近に縦 150ドット×横 100ドットの領域に白と黒ドッ
トの横縞模様と縦 150ドット×横10ドットの領域に白の
直線を表示させ、引き続きこれら領域の横のドット数を
徐々に増加させていったが、いずれの場合もクロストー
クのない均一な表示を維持できた。
【0075】また、さらに漢字やアルファベットを連続
的に表示させたが、信号電極における歪み電圧の発生が
抑制されてクロストークのない均一な表示を維持するこ
とができた。
【0076】(実施例3)図9は本発明に係る第3の実
施例の液晶表示装置の走査データ和演算増幅回路901
が形成された駆動データ発生回路903を示す図であ
る。
【0077】この駆動データ発生回路903は、順次転
送されてくる表示データを一時的に保持する表示データ
メモリ501と、一周期(フレーム)分の走査電圧波形
データがあらかじめ書き込まれている走査電圧波形メモ
リ502と、表示データに基づいて走査電圧波形データ
から信号波形を演算・生成する信号波形演算回路503
と、タイミング制御回路504と、走査データ和演算増
幅回路901とからその主要部が構成された一つの回路
系として回路基板上に形成されている。また液晶表示素
子4の代りに従来の一般的な構造の走査電極1と信号電
極2とが液晶層3を介して対向して画素を形成する液晶
表示素子(図示省略)を用いている。そしてその他の各
部位は第1の実施例とほぼ同様に形成されている。
【0078】この第3の実施例の液晶表示装置は、信号
電極2の電圧に生じるスパイク波形状の電圧歪みの原因
となる走査電極1の電圧を形成する走査データの和を走
査データ和演算増幅回路901によって演算し、前記の
電圧歪みに起因する信号電圧の実効値の低下分あるいは
増加分を補填するような値に演算増幅して信号電圧に先
回り(フィードフォワード)して合成(重畳)する。こ
のとき合成する電圧が走査電圧のスパイク波形状の電圧
歪みを打ち消すような実効値および変位方向となるよう
に設定しておくことは言うまでもない。これにより、信
号電極の電圧に生じようとするスパイク波形状の歪み電
圧を抑止して、その歪み電圧に起因して発生していたク
ロストークを解消することができる。
【0079】走査データ和演算回路901により演算さ
れた走査波形関数の和に対応する電圧Sは図4に示した
駆動電圧電源回路401の各演算増幅回路406の反転
端子に接続される。このとき上記の第1の実施例とは異
なりバッファ405を介さずに直接に接続されている
(ただしバッファ405を介して接続してもよい)。
【0080】上記の和の電圧Sは、走査電圧波形にWals
h 関数列等の正規直交系の波形を用いた場合に信号電極
電位が誘導される電圧に等しい。従ってこの走査波形関
数の3行分の走査電圧波形データの和の電圧Sは、信号
電圧電源V1 、V2 、V4 、V5 を発生する演算増幅回
路406の反転端子に容量結合により接続される。それ
ぞれの演算増幅回路406は直流的にはボルテージフォ
ロワーになっていて、電気抵抗(R1 )402、電気抵
抗(R2 )403、電気抵抗(R3 )404で分圧した
電圧を受けてこれを出力しており、交流的には電気抵抗
(R)408、電気抵抗(R' )409によって増幅率
を設定された増幅器になっている。前記のようにコンデ
ンサ407を用いた容量結合によって接続したのは、 4
個の各演算増幅回路406の入力側で電位V1 、V2 、
V4 、V5 がショートすることを避けることが必要であ
るので、入力側でそれぞれを直流的に分離させるためで
ある。
【0081】上記のような構造とすることで、どのよう
な走査電圧波形が出力されても、これに誘導されて発生
しようとする信号電極上の歪み電圧に対して同じ実効値
で逆方向変位の電圧を重畳して歪み電圧の発生を抑止す
ることができ、表示画像のクロストークを解消すること
ができる。
【0082】以上のような第3の実施例の液晶表示装置
を、第1の実施例と同様に図7に示すような液晶駆動電
圧波形を用いてフレーム周波数80Hzで駆動して表示を
行なわせ、その表示品位を目視にて検証した。
【0083】まず、全画面を白表示にした後、画面中央
付近に縦 150ドット×横 100ドットの領域に白と黒ドッ
トの横縞模様と縦 150ドット×横10ドットの領域に白の
直線を表示させ、引き続きこれら領域の横のドット数を
100ドット徐々に増加させていったが、いずれの場合も
第1の実施例と同様にクロストークのない均一な表示を
維持できた。また、漢字やアルファベットを連続的に表
示させたが、信号電極における歪み電圧の発生が抑制さ
れてクロストークのない均一な表示を維持することがで
きた。
【0084】なお、以上はIHAT駆動法に即して説明
したが、この駆動法と同一の原理に基づくMultiple Lin
e Selection 駆動法(SID'92 DIGEST p.232.〜p.235 に
開示)やActive Addressing 駆動法(SID'92 DIGEST p.
228.〜p.231 に開示)で液晶表示素子を駆動する場合に
も本発明の技術がクロストーク低減に対して極めて効果
的であることは言うまでもない。
【0085】また、以上説明した機能を果たすことが可
能な駆動電圧電源回路の構成の具体的な変更例としては
上記実施例の他にも幾種類も考えられるので、上記実施
例ではほんの一例を示しただけであり、上記実施例の他
にも種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0086】
【発明の効果】以上、詳細な説明で明示したように、本
発明の液晶表示装置は、表示画像のクロストークの発生
を抑えて良好な表示を実現することができる液晶表示装
置であって、しかも簡易な構造で製造も容易な液晶表示
装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の液晶表示装置の概要を示す図で
ある。
【図2】第1の実施例の液晶表示装置に用いられる液晶
表示素子4の構造を示す図である。
【図3】第1の実施例の液晶表示装置の駆動回路系の構
成の概要を示すブロック図である。
【図4】第1の実施例の液晶表示装置に用いられる駆動
電圧電源回路401を示す図である。
【図5】信号データ発生回路と走査データ発生回路とを
有する駆動データ発生回路500を示す図である。
【図6】信号電極駆動部およびその動作に用いられる真
理値表を示す図である。
【図7】本発明に係る液晶表示装置の駆動に用いられる
液晶駆動電圧波形の一例を示す図である。
【図8】比較例として従来の液晶表示装置に用いた駆動
電圧電源回路801を示す図である。
【図9】第3の実施例の液晶表示装置に用いられる駆動
データ発生回路903を示す図である。
【図10】従来の液晶表示装置に生じる歪み電圧の一例
を示すためにその走査電極 1本分を抜き出して等価回路
で示す図およびその走査電極の電圧波形および液晶印加
電圧波形を示す図である。
【符号の説明】
1…走査電極、2…信号電極、3…液晶層、4…液晶表
示素子、5…走査ドライバ回路、6…信号ドライバ回
路、7…走査電極駆動部、8…走査電圧電源回路、9…
信号電極駆動部、10…信号電圧電源回路、11、40
6(a)〜(d)…演算増幅回路、12…電気容量、1
3…検出電極、14…配線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の走査電極が形成された走査電極基
    板と前記複数の走査電極に間隙を維持して交差するよう
    に対向配置される複数の信号電極が形成された信号電極
    基板と前記走査電極および前記信号電極の間に封入挟持
    された液晶層とを有する液晶表示素子と、前記走査電極
    に接続されて走査電圧を印加する走査ドライバ回路と、
    前記信号電極に接続されて信号電圧を印加する信号ドラ
    イバ回路と、前記走査電圧の波形を決定するための走査
    データを前記走査ドライバ回路に入力する走査データ発
    生回路と、前記信号電圧の波形を決定するための信号デ
    ータを前記信号ドライバ回路に入力する信号データ発生
    回路とを備え、前記信号データに基づいて前記信号ドラ
    イバ回路の複数の出力端の電圧が形成されるとともに前
    記走査電極のうち 2本以上の走査電極を同時に選択して
    前記液晶表示素子を駆動する液晶表示装置において、 前記液晶表示素子は、前記複数の走査電極それぞれに一
    端が接続された電気容量または電気抵抗と、前記電気容
    量または前記電気抵抗の他端が接続され該他端が接続さ
    れた部分の前記走査電極から電圧を一括して検出する検
    出電極とを具備し、 前記信号ドライバ回路は、前記信号電圧を形成するため
    の電位を出力する信号電圧電源回路と、該信号電圧電源
    回路から出力される前記電位に前記検出電極から一括し
    て検出された電圧を演算増幅して重畳する演算増幅回路
    とを具備して、前記走査電極の電圧を前記検出電極で検
    出し該電圧を演算増幅して前記信号電圧に重畳して、前
    記信号電極の電圧に発生しようとする歪み電圧を抑止す
    ることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 複数の走査電極が形成された走査電極基
    板と前記複数の走査電極に間隙を維持して交差するよう
    に対向配置される複数の信号電極が形成された信号電極
    基板と前記走査電極および前記信号電極の間に封入挟持
    された液晶層とを有する液晶表示素子と、前記走査電極
    に接続されて走査電圧を印加する走査ドライバ回路と、
    前記信号電極に接続されて信号電圧を印加する信号ドラ
    イバ回路と、前記走査電圧の波形を決定するための走査
    データを前記走査ドライバ回路に入力する走査データ発
    生回路と、前記信号電圧の波形を決定するための信号デ
    ータを前記信号ドライバ回路に入力する信号データ発生
    回路とを備え、前記信号データに基づいて前記信号ドラ
    イバ回路の複数の出力端の電圧が形成されるとともに前
    記走査電極のうち 2本以上の走査電極を同時に選択して
    前記液晶表示素子を駆動する液晶表示装置において、 前記信号ドライバ回路は、前記走査データの和を演算増
    幅した電圧を出力する走査データ和演算増幅回路と、前
    記信号電圧を形成するための電位を出力する信号電圧電
    源回路と、該信号電圧電源回路から出力される前記電位
    に前記走査データ和演算増幅回路から出力された電圧を
    演算増幅して重畳する演算増幅回路とを具備して、前記
    走査電極の電圧を演算増幅して前記信号電圧に重畳し、
    前記信号電極の電圧に発生しようとする歪み電圧を抑止
    することを特徴とする液晶表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100319039B1 (ko) * 1997-09-04 2002-02-19 마찌다 가쯔히꼬 액정표시장치및동장치의구동방법
JP2003528341A (ja) * 2000-02-25 2003-09-24 タレス アヴィオニクス エルセーデー ソシエテ アノニム 外乱を受けた容量性回路に対する補償方法とマトリクス型ディスプレイ画面への適用

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