JPH07319430A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH07319430A
JPH07319430A JP11633894A JP11633894A JPH07319430A JP H07319430 A JPH07319430 A JP H07319430A JP 11633894 A JP11633894 A JP 11633894A JP 11633894 A JP11633894 A JP 11633894A JP H07319430 A JPH07319430 A JP H07319430A
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JP
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voltage
signal
liquid crystal
electrode
electrodes
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JP11633894A
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English (en)
Inventor
Yasukatsu Hirai
保功 平井
Kenji Tsuchiya
健志 土屋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画面に表示むら(クロストーク)が発生する
という問題を簡易で低廉な手段によって解決し、高品位
な画像表示を実現する液晶表示装置を提供する。 【構成】 第1の検出電極13aによって検出された電
圧を基準電圧として用いて、この基準電圧と信号電極2
の解放端側に配置された第2の検出電極13bから検出
された電圧との差の電圧を演算増幅回路11で算出する
とともにこの差の電圧を信号ドライバ回路9を介して各
信号電極2へと負帰還させる。前記の差の電圧は、信号
電極2上の電圧波形歪み成分の平均と相似形の電圧波形
であるから、この差の電圧を、信号電極2上に生じよう
とする歪み電圧成分を解消する方向及び増幅率で演算増
幅器11によって増幅して、各信号電極2に負帰還させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、その薄型、軽量、低消
費電力などの特長を生かして、パーソナルワープロやパ
ーソナルコンピュータのディスプレイデバイスとして多
用されるようになってきた。
【0003】このようなディスプレイデバイスに利用さ
れる液晶表示装置には、多桁(多画素)表示や高品位表
示などが要求されている。このような要求に対応するた
めに、STN(スーパーツイステッドネマティック)型
液晶表示素子に代表される単純マトリクス型液晶表示素
子の画素数(走査電極数×信号電極数)は著しく増加し
てきており、またこれに伴なって液晶表示素子の駆動周
波数(駆動電圧パルスの周波数)も増加している。
【0004】例えば走査電極が 200本、信号電極が 640
本の 2値表示の液晶表示素子は、走査電極 1本分の走査
期間に相当する時間、即ち駆動電圧の最小パルス幅は、
60〜70μs程度まで短いものとなっている。
【0005】一般に、液晶表示素子の各画素ごとの液晶
セルは、等価回路でコンデンサ(静電容量)として表す
ことができる。また液晶表示素子を駆動するためのドラ
イバICなどの駆動回路系には出力インピーダンスが存
在しており、これは一般的に電気抵抗として等価回路で
表わすことができる。
【0006】単純マトリクス型液晶表示素子では方形波
パルスの組み合わせによって駆動されるが、ドライバI
Cの出力抵抗をはじめとしてドライバICと液晶表示素
子の接続抵抗や液晶表示素子の走査電極や信号電極の電
気抵抗と液晶層の静電容量とに起因して、駆動電圧波形
に歪みや鈍りが発生する。
【0007】これら駆動電圧波形の歪みや鈍りは、液晶
層に印加される電圧の低下または上昇を招き、これが液
晶表示素子の画面内での光の透過率の位置的なばらつ
き、いわゆるクロストークと呼ばれる表示むらの現象と
なって表示画面上に現れる。
【0008】単純マトリクス型液晶表示素子において最
もクロストークの発生に関与する主因は、走査電極や信
号電極に発生する電圧歪みに起因した液晶印加電圧の変
動であると言える。この現象の一例を以下に説明する。
【0009】図9(a)は、従来のXY単純マトリクス
型液晶表示装置の走査電極 1本の回路構成を部分的に抜
き出して等価回路で表したものである。
【0010】ここで、図中Rで示した電気抵抗1001
は走査ドライバ(図示省略)の出力(内部)抵抗および
走査ドライバと液晶表示素子との接続抵抗および液晶表
示素子の走査電極Yn の電極(内部)抵抗の総和であ
り、CLCで示した液晶容量は走査電極(Yn )1002
の電極 1本分の液晶層1003の静電容量である。
【0011】液晶表示素子は一般に交流的な液晶印加電
圧によって駆動される。そこで図9の等価回路において
信号ドライバ回路1005側から方形波状の信号電圧V
x が信号電極1006に印加される場合を考えると、上
記のCLCとRとの接続点において、時定数CLC・Rに基
づく図9(c)の波形グラフに示すようなスパイク電圧
歪みVs が生じる。その結果、液晶層1003に印加さ
れる液晶印加電圧は図9(d)に示すようにスパイク電
圧歪みVs 分だけ削がれたような歪みを有する波形とな
る。このような信号電極1006に印加された電圧が液
晶層1003を介しての誘導によって走査電極1002
上の電圧にスパイク状の歪み電圧を生じさせ、液晶印加
電圧波形の実効値電圧の不均一な低下または上昇を招
く。その結果、液晶表示素子の画面に表示むら(クロス
トーク)が発生する。また逆に走査電極1002の電圧
から信号電極1006の電圧が液晶層1003を介して
誘導を受けて、信号電極1006に歪み電圧が生じるこ
とも上記と同様の作用によって起こり、これがクロスト
ークを引き起こす。
【0012】しかも、実際の液晶表示装置では走査電極
は一般に 200本以上形成されていることが普通で、駆動
デューティ比も1/200 程度以下で駆動電圧のパルス幅が
短いために、上記のような波形なまりや電圧歪みの影響
はさらに顕著になる。
【0013】さらに、液晶表示素子の走査電極100
2、信号電極1006には酸化スズやITO(酸化イン
ジウム)からなる透明電極が一般的に用いられている。
このような材料からなる透明電極は電気抵抗が比較的大
きいことから、これらの走査電極1002、信号電極1
006には前記した電圧の波形鈍りや歪み成分がより顕
著に発生することになる。
【0014】このように、信号電極の電圧から液晶層1
003の容量結合を介して誘導されて走査電極の電圧が
変化することに起因して液晶印加電圧波形に歪みが生
じ、これが表示画面上で表示の濃淡むら、いわゆるクロ
ストークとなって現れる。
【0015】また逆に、走査電極1002の電圧から誘
導されて信号電極1006の電圧が変化することに起因
してクロストークが発生するおそれがある。
【0016】このような表示むらを解消するために、例
えばSTN型液晶表示素子に対する適用を企図した技術
として、特開平2-171718号公報やSID´90 Digest p.
413に開示された技術が検討されている。これは、信号
ドライバ回路から出力される表示データを走査ドライバ
回路へ印加する電圧に変換し、この電圧を微小変化させ
ることで走査ドライバ回路の出力端子の電圧変動を相殺
させるという方法である。
【0017】しかしながら、上記のような従来の技術に
おいては、表示データに対応して歪み電圧を補正するた
めにあらかじめ設定しておいた微小電圧に基づいて歪み
電圧の相殺を行なおうとするもので、例えばドライバ回
路から出力する液晶駆動電圧を変化させてコントラスト
の変化や階調表現を行なう装置の場合では、液晶駆動電
圧の変化にともなって電圧歪みの大きさも変化するの
で、歪み電圧を補正するために必要十分な電圧は当初に
最適な補正値として設定した補正電圧からずれてしまう
という問題がある。
【0018】あるいは、その都度最適な補正電圧に再設
定する調整回路を付加することも案出されるが、このよ
うな調整回路を有しかつ微小電圧の設定を表示データに
基づいて行なう回路を組み込むことで、液晶駆動回路系
の構造が極めて煩雑なものとなるという問題がある。
【0019】また、走査電極や信号電極の電気抵抗を低
減することで歪み電圧や液晶印加電圧の波形鈍りの大き
さを低減しようとする方法も案出されており、例えば走
査電極等を形成している透明電極上での電圧波形の均一
化という観点から透明電極のわきに並列して金属の配線
を這わせるなどして透明電極の見かけの電気抵抗を低減
することなどが考えられる。
【0020】しかしながら、このような方法では、液晶
表示素子内部の構造が煩雑となるという問題がある。ま
た製造も容易ではなく製造コストも高くなるという問題
もある。
【0021】また、歪み電圧や液晶印加電圧の波形鈍り
を抑えるために出力抵抗の極めて小さいドライバICを
用いることも案出されるが、このような極めて特殊なド
ライバICの開発は容易ではなく、また高価で実用的で
はないという問題もある。
【0022】応答速度の速い単純マトリックスLCDの
駆動方法として、SID´92 Digest p.228 〜p.231 お
よびp.232 〜p.235 に開示されたActive Addressing Me
thodまたはMultiple Line Selection Methodと呼ばれる
方法がある。
【0023】一般の電圧平均化法では、 1フレーム期間
内にごく短時間の高い電圧の選択パルスとそれ以外の期
間の低電圧の非選択時電圧とを有する波形の走査電圧が
液晶に印加される。これに対して前記のActive Address
ing Methodのような駆動方法では、任意の正規直交系関
数で構成された走査波形Fi(t) と多値の信号波形Gj
(t) とが与えられ、この結果液晶に印加される電圧の
合成波形はフレーム期間内で分散されたものとなる。し
たがって、応答速度の速い液晶表示素子を用いた場合に
は、従来の一般的な電圧平均化法では選択パルスに追従
していわゆる「フレーム応答」状態となりコントラスト
比が低下していたのに対して、前記のActive Addressin
g Methodのような駆動方法によれば高いコントラスト比
が得られるという利点がある。
【0024】しかしながら、上記のActive Addressing
Methodのような駆動方式では、走査電圧波形として正規
直交系関数に基づく波形が印加されるので、走査電圧は
1フレーム中で頻繁に変化することになる。そのような
走査電圧の頻繁な変化が、液晶層を介して信号電極に対
して静電誘導を引き起こす。その結果、スパイク状の歪
み電圧成分が信号電極上の電圧に多発することになる。
【0025】従って、上記のActive Addressing Method
のような駆動方式を用いた液晶表示装置においては、走
査電圧波形の形成に用いる関数の種類によっては、信号
電極駆動波形歪みの点で、一般の電圧平均化法に比べて
より一層クロストークが発生するという問題がある。
【0026】しかも、Active Addressing Methodのよう
な駆動方式における走査電圧の波形は、上記の正規直交
系関数で構成された走査波形Fi(t)が主に用いられ
ている。このような走査波形は従来の単純マトリックス
駆動方式の場合と比較して極めて複雑な波形なので、そ
の波形に対応して最適な補正電圧を形成する歪み電圧補
正回路を付加することも案出されるが、このような補正
回路は複雑な走査波形に対応することが必要であるため
に、構造が極めて繁雑なものとなるという問題がある。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
液晶表示装置においては、ドライバICの出力抵抗やド
ライバICと液晶表示素子との接続抵抗や液晶表示素子
の駆動用電極抵抗と液晶層の静電容量とに起因して走査
電極や信号電極にスパイク歪みのような歪み電圧成分が
発生し、液晶印加電圧に歪みが生じて表示画面に表示む
ら(クロストーク)が発生するという問題があった。
【0028】そして、これを解消するために提案された
既知の技術では、予め用意していた補正電圧が歪み除去
に最適な電圧値からずれるといった問題や、装置が繁雑
になる、あるいは高価になるなどの問題や、Active Add
ressing Methodのような駆動方式では、走査電圧波形を
形成するために用いられる正規直交系関数によっては、
むしろ表示むらが増大するという問題があった。しかも
走査電圧波形が複雑な波形となるため、そのような複雑
な波形に起因して生じる歪み電圧成分の補正は困難なも
のとなるという問題があった。
【0029】本発明はこのような問題を解決するために
成されたもので、その目的は、液晶表示装置において、
画面に表示むら(クロストーク)が発生するという問題
を簡易で低廉な手段によって解決し、高品位な画像表示
を実現することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置
は、複数の走査電極が形成された走査電極基板と、前記
複数の走査電極に間隙を維持して交差するように対向配
置される複数の信号電極が形成された信号電極基板と、
前記走査電極と前記信号電極との間に周囲を封止されて
挟持された液晶層とを有する液晶表示素子と、駆動電圧
を作るための複数の電位を出力する駆動電圧発生回路
と、前記駆動電圧発生回路から出力される複数の電位の
なかから一つの電位を選択して前記走査電極に印加する
スイッチ回路を有し前記複数の走査電極それぞれに走査
電圧を印加する走査ドライバ回路と、前記駆動電圧発生
回路から出力される複数の電位のなかから一つの電位を
選択して前記複数の信号電極それぞれに信号電圧を印加
する信号ドライバ回路と、前記複数の信号電極それぞれ
の入力端部分ごとにそれぞれ一端が接続された複数の第
1の電気容量または第1の電気抵抗と、前記複数の第1
の電気容量または複数の第1の電気抵抗の他端が接続さ
れ該第1の電気容量または第1の電気抵抗を介して前記
複数の信号電極の前記入力端部分の電圧を平均化して検
出する第1の検出電極と、前記複数の信号電極それぞれ
の入力端部分とは反対側の解放端部分ごとにそれぞれ一
端が接続された複数の第2の電気容量または第2の電気
抵抗と、前記複数の第2の電気容量または複数の第2の
電気抵抗の他端が接続され該第2の電気容量または第2
の電気抵抗を介して前記複数の信号電極の前記解放端部
分の電圧を平均化して検出する第2の検出電極と、前記
第1の検出電極で検出された電圧を基準として該電圧と
前記第2の検出電極で検出された電圧との差の電圧を演
算するとともに該電圧を前記信号電極の電圧の歪み成分
を低減する方向に増幅して、前記駆動電圧発生回路の出
力する複数の電位のうち信号電圧を形成する電位に合成
する演算増幅回路とを具備することを特徴としている。
【0031】また、上記の液晶表示装置において、前記
第1の検出電極は、前記複数の信号電極の前記入力端部
分に交差して対向するように、前記走査号電極基板上に
前記走査電極と平行に形成された電極であり、前記第2
の検出電極は、前記複数の信号電極の前記解放端部分に
交差して対向するように、前記走査電極基板上に前記走
査電極と平行に形成された電極であり、前記複数の第1
の電気容量または複数の第1の電気抵抗は、前記複数の
信号電極と前記第1の検出電極との間に挟持された前記
液晶層を用いて形成された電気容量または電気抵抗であ
り、前記複数の第2の電気容量または複数の第2の電気
抵抗は、前記複数の信号電極と前記第2の検出電極との
間に挟持された前記液晶層を用いて形成された電気容量
または電気抵抗であることを特徴としている。
【0032】
【作用】本発明の液晶表示装置においては、信号電極駆
動回路に接続されてその信号電極駆動回路から信号電圧
が印加される入力端部分の信号電極の電圧を検出するよ
うに、その部分に液晶層を介して対向配置された第1の
検出電極と、それとは反対側の信号電極の解放端部分の
信号電極の電圧を検出するように、信号電極の解放端部
分に液晶層を介して対向配置された第2の検出電極とを
備えている。
【0033】複数の走査電極が選択されて駆動される
と、それらの走査電極の電圧変化が液晶層を介して信号
電極へと誘導される。例えばActive Addressing Method
のような駆動方式の液晶表示装置においては複数の走査
電極が一度に選択されて駆動される。すると、信号電極
上の電圧はその誘導を受けて波形歪みが生じる。また、
信号電極の内部抵抗に起因した信号電極上の電圧の傾斜
を持った降下(傾斜電圧降下)も生じる。
【0034】このような歪み電圧成分や傾斜電圧降下を
有する信号電極の解放端部分の電圧を第2の検出電極が
検出する。
【0035】一方、これと同時に信号電極上の電圧は第
1の検出電極からも検出されるが、この第1の検出電極
は信号電圧が供給される信号電極の入力端部分の信号電
極に液晶層を介して対向するように配置されている。こ
の部分は、信号電極の中でも、信号電極内での内部抵抗
等による傾斜電圧降下や走査電極からの誘導による歪み
電圧の影響を受けにくい。従って、第1の検出電極は、
歪み電圧成分や傾斜電圧降下等の極めて少ない信号電圧
を、前記の第2の検出電極とほぼ同様の液晶容量を介し
て検出することができる。
【0036】この第1の検出電極によって検出された電
圧を基準電圧として用いて、この基準電圧と信号電極の
解放端側に配置された第2の検出電極から検出された電
圧との差の電圧を算出し、この差の電圧を信号電極駆動
回路を介して信号電極へと負帰還させる。前記の差の電
圧は、信号電極上の電圧波形歪み成分の平均に相似した
電圧波形であるから、この差の電圧を、信号電極上に生
じようとする歪み電圧成分を解消する方向及び増幅率で
演算増幅器によって増幅してやり、信号電極に負帰還さ
せる。
【0037】このような負帰還制御により、信号電極上
に従来は発生していた歪み電圧成分を効果的に除去し
て、クロストークや表示むらのない画像表示が実現でき
る。
【0038】ここで、上述の第1の電気容量または第1
の電気抵抗、および第2の電気容量または第2の電気抵
抗は、走査電極基板と信号電極基板との間に挟持されて
いる液晶層を好適に用いることができる。このようにす
れば、従来の液晶表示素子に特別な材料を用いて上述の
電気容量または電気抵抗を形成することを省略すること
ができるので好ましい。しかも構造を簡潔化することが
できるので低コスト化等も実現できる。また、第1およ
び第2の検出電極は、走査電極基板上に走査電極の材料
と同じITO膜を用いることができる。そしてこのIT
O膜をパターニングする際にパターンのみを従来のもの
と変更して、電極形成するようにすれば、その製造方法
も極めて簡易なものとすることができる。
【0039】また、第1の検出電極から検出された電圧
と第2の検出電極から検出された電圧との差を演算する
とともに、その差の電圧を、歪み電圧成分を解消する変
位方向および電圧値に増幅して信号電極に負帰還制御さ
せるための演算増幅回路としては、例えば、オペアンプ
を用いた差動増幅回路を用いることが好ましい。
【0040】本発明の液晶表示装置は、従来の液晶表示
装置の駆動回路系に前述のような演算増幅回路を付加す
るとともに、液晶表示パネル内に第1及び第2の検出電
極を付加して、上述のような帰還回路を構成するだけで
よいので、その構造は極めて簡易であり、製作も低廉に
行なうことが可能である。
【0041】本発明の技術は、特に信号電極上の電圧に
現れようとする波形歪みの抑制に効果的である。従っ
て、Active Addressing MethodやMultiple Line Select
ion Methodのような走査電圧が 1フレーム内で頻繁に変
化するような複雑な波形の駆動電圧を用いて、信号電極
に歪み電圧成分が多発する可能性の高い液晶表示装置に
おいて特に効果的である。
【0042】
【実施例】以下、本発明の液晶表示装置の実施例を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0043】(実施例1)図1は本発明に係る第1の実
施例の液晶表示装置の構成の概要を模式的に示す図であ
る。
【0044】この液晶表示装置は、ITOのような透明
電極からなる走査電極1と信号電極2とがマトリックス
状に対向配置され、その間隙に液晶層3が挟持された液
晶表示素子(液晶表示パネル)4と、それを駆動するた
めの走査ドライバ回路5と信号ドライバ回路6とを備え
ている。
【0045】走査ドライバ回路5は電源電圧を与える駆
動電圧電源回路401に接続されるている。信号ドライ
バ回路6についても同様に電源電圧を与える駆動電圧電
源回路401に接続されるている。
【0046】さらに、液晶表示素子4内には、各信号電
極2の入力端部分ごとにそれぞれ第1の電気容量12a
が配設されている。これらの第1の電気容量12aは、
電気的には一端が前記のように信号電極2に接続され他
端が第1の検出電極13aに接続されている。本実施例
においては、これらの第1の電気容量12aはそれぞ
れ、各信号電極2と第1の検出電極13aとの間に挟持
された液晶層3を用いて形成されている。第1の検出電
極13aは、各信号電極2の入力端部分の電圧を検出す
る。この第1の検出電極13aは、信号電極2に印加さ
れて間もない信号電極2の入力端部分の歪みや傾斜電圧
降下の極めて少ない信号電圧を一括して集めてその平均
を取る。そして駆動電圧電源回路401内の演算増幅回
路11に接続されて、前記の平均の電圧を得る。
【0047】一方、第2の検出電極13bは、電気容量
12bを介してそれぞれ検出された各信号電極2の解放
端側の電圧を一括して集めてその平均を取る。そして演
算増幅回路11に接続されている。第2の検出電極13
bは、信号電極2上のスパイク波形状の歪み電圧成分と
信号電極2の内部抵抗に起因した傾斜電圧降下成分とを
含んだ、歪みの大きい電圧を検出する。
【0048】そして演算増幅回路11は、第1の検出電
極13aで検出された信号電極上の歪み成分の少ない信
号電圧を基準電圧として用いて、この基準電圧と第2の
検出電極13bで検出された歪みの大きい電圧との差を
取ることで、信号電極上に生じる歪み電圧成分の平均と
ほぼ相似形の電圧を取り出す。そして演算増幅回路11
は取り出した電圧を信号電極上に生じる歪み電圧成分を
打ち消すような実効値および変位方向に増幅して、信号
ドライバ回路6を介して各信号電極2に負帰還させる。
【0049】このとき、前記の演算増幅回路11の演算
則、特に出力する電圧の極性(電圧の変位方向)および
増幅率は、あらかじめ信号電極2上に生じる歪み電圧成
分を打ち消すような実効値および変位方向に設定してお
くことは言うまでもない。つまり、正方向の変位を有す
る歪み電圧成分に対しては負方向の変位を有する電圧
を、また負方向の変位を有する歪み電圧成分に対しては
正方向の変位を有する電圧を、前記の演算増幅回路11
が出力するように設定する。そのためには、演算増幅回
路11の出力の極性は、第2の検出電極13bで検出さ
れて入力されてきた電圧を極性反転して出力するように
すればよい。また演算増幅回路11の増幅率Kについて
は、液晶層の電気容量CLCと信号電極2の内部抵抗Rと
を主なパラメータとして考慮して、 K=A(CLC×R),(ただしAは各液晶表示素子に固
有の定数) のように設定すればよい。
【0050】これにより、走査電極1の電圧からの誘導
に起因して信号電極2に生じようとするスパイク波形状
の歪み電圧などの実効値の変動を抑止して、クロストー
クの発生を解消する。
【0051】次に、本実施例の液晶表示装置の各部位の
さらに具体的な構造およびその動作を詳述する。
【0052】図2は、液晶表示素子4の構造を示す図で
ある。この液晶表示素子4としてはSTN型液晶表示素
子を用いた。画面サイズはA 4版、表示容量(画素数)
は 640× 200ドットである。このSTN型の液晶表示素
子4のセルギャップは約 7μmで、ラビング配向処理を
施した樹脂からなる配向膜(図示省略)を備えて、液晶
表示素子4のセルギャップ間で液晶層3の液晶分子が 2
40°捩じれるように配向されている。液晶層3の液晶組
成物としてはメルク社製ZLI−2293を用いた。また走
査電極1および信号電極2の透明電極はITOから形成
されたものである。 本実施例の液晶表示装置は、白黒
表示とするために光学位相補償セル(図示省略)をこの
液晶表示素子のガラス基板200、201の外向き側の
主面上に貼設し、電圧無印加時には黒、電圧印加時には
白の表示が得られる、いわゆるノーマリブラック型の液
晶表示素子として形成した。ガラス基板200上に設け
られた各信号電極2の入力端部分に対向するように第1
の検出電極13aが形成されている。各信号電極2と第
1の検出電極13aとの間には、第1の電気容量12a
が挟持されている。この第1の電気容量12aとして具
体的には、本実施例では各信号電極2と第1の検出電極
13aとの間に挟持された液晶層3が用いられている。
また各信号電極2の解放端部分に対向するように第2の
検出電極13bが形成されている。各信号電極2と第1
の検出電極13bとの間には、第2の電気容量12bが
挟持されている。この第2の電気容量12bとして具体
的には、本実施例では各信号電極2と第1の検出電極1
3bとの間に挟持された液晶層3が用いられている。
【0053】この図2からも明らかなように、本実施例
の液晶表示素子4は,検出電極13a、bを追加するだ
けで従来の液晶表示素子の構造をほとんど変更する必要
がなく、極めて簡易に製作することができる。
【0054】図3は本実施例の液晶表示装置の全体的な
構造を示すブロック図である。
【0055】走査電極1には走査ドライバ回路5が接続
されている。信号電極2には信号ドライバ回路6が接続
されている。
【0056】走査ドライバ回路5は電源電圧を与えるた
めの走査電圧電源回路8に接続されている。
【0057】信号ドライバ回路6は電源電圧を与えるた
めの信号電圧電源回路10に接続されている。
【0058】走査データ発生回路15は、走査ドライバ
回路5内に接続されて、各走査電極1に対して出力する
走査電圧の波形を制御(決定)するための走査データを
発生する。シフトレジスタ16は、送られてきた走査デ
ータをストレージする。そして走査ドライバ回路5のス
イッチ部17はこのシフトレジスタ16にストレージさ
れたデータに基づいて制御されてスイッチング動作を行
なって、各走査電極1に対して走査電圧を印加する。
【0059】信号データ発生回路18は、信号ドライバ
回路6に接続されて、各信号電極2に対して出力する信
号電圧の波形を制御するための信号データを発生しこれ
を信号ドライバ回路6内のシフトレジスタ・ラッチ19
に送出する。シフトレジスタ・ラッチ19は、送られて
きた信号データをストレージする。そしてシフトレジス
タ・ラッチ19にストレージされたデータを制御データ
としてスイッチ部20に送出する。このときストレージ
されたデータの制御データへの読み替えは論理回路21
が行なう。スイッチ部20は論理回路21から入力され
た制御データに基づいてスイッチング動作を行なって、
各信号電極2に対して信号電圧を印加する。
【0060】上記の走査データ発生回路18および信号
データ発生回路15は、明確に分離した回路構成とする
必要はなく、実際には図5に示すように一つの回路系と
してまとめて駆動データ発生回路500として形成し、
この駆動データ発生回路500から走査データおよび信
号データそれぞれを出力するようにしてもよいことは言
うまでもない。これは、一つにまとめて回路基板上に形
成すれば、回路構成を簡易化および小型化することがで
きるので好ましいからである。
【0061】図3において、走査電圧電源回路8と信号
電圧電源回路10とは図示および説明の簡潔化のために
分割して示したが、実際上は(実態的な回路構造は)一
つにまとめて図4に示すような駆動電圧電源回路401
として形成することが望ましい。これは、一つにまとめ
ることによって、駆動電圧電源回路401を簡潔な構造
で精度良くかつ安価に作製できるからである。
【0062】駆動電圧電源回路401は、抵抗(R1 )
402a,b、抵抗(R2 )403a,b、抵抗(R3
)404a,bを用いて形成された分圧回路を備えた
回路で、外部から入力された電源入力電位を分圧して駆
動電位V1 、V2 、…V6 としてそれぞれ出力する。
【0063】そしてこの駆動電圧電源回路401内に、
演算増幅回路11が形成されている。この演算増幅回路
11は、差動演算増幅回路405と、帰還回路406と
からその主要部が形成されている。
【0064】第1の検出電極13aから出力された電
圧、および第2の検出電極13bから出力された電圧
は、バッファ407a,bを介して演算増幅回路11内
の差動演算増幅回路405の入力側の端子に 1つずつ入
力される。差動演算増幅回路405は、第1の検出電極
13aから出力された電圧と第2の検出電極13bから
出力された電圧との差を演算して、帰還回路406内の
各演算増幅器408a,b,c,dへと出力する。
【0065】各演算増幅器408a,b,c,dの入力
側の各非反転端子には抵抗(R1 )402a,b…を用
いた分圧回路から電位V1 、V2 、V4 、V5 が入力さ
れる。一方、各反転端子には差動演算増幅回路405で
演算された差の電圧が、それぞれコンデンサ409a,
b,c,dの容量結合を介して入力される。
【0066】そして各演算増幅器408a,b,c,d
において、分圧回路からの各電位V1 、V2 、V4 、V
5 と差動演算増幅回路405から入力された電圧とが合
成されて出力される。こうして出力される、差動演算増
幅回路405から入力された電圧を含んだ電位V1 、V
2 、V4 、V5 は、信号ドライバ回路9を経て各信号電
極2へと印加される。
【0067】ここで、それぞれの演算増幅器408a,
b,c,dは、直流的にはボルテージフォロワーになっ
ており、電気抵抗R1 、R2 、R3 で分圧により形成さ
れた電圧を受けてこれを出力する。演算増幅器408
a,b,c,dは交流的には電気抵抗(R)410a,
b,c,d、電気抵抗(R´)411a,b,c,dに
よって増幅率が設定された増幅器である。本実施例で上
記のようにコンデンサ409a,b,c,dを用いて容
量結合によって接続したのは、 4つの演算増幅器408
a,b,c,dの入力側で直流的な電圧V1 、V2 、V
4 、V5 がショートしないように、その入力側を分離す
るためである。
【0068】一方、電位V0 ,V3 ,V6 は、バッファ
412a,b,cを介して走査ドライバ回路5へと出力
される。
【0069】本発明の液晶表示装置は、以上のような回
路構成に形成されていることで、どのような走査電圧波
形が出力されても、これに誘導されて発生しようとする
信号電圧の歪み電圧成分に対してその歪み電圧成分自体
を取り出して増幅するとともに逆極性とした電圧を信号
電圧形成のための電位に重畳して信号電極に印加するこ
とで、その信号電極上の歪み電圧成分を解消する。その
結果、表示画像のクロストークを効果的に解消すること
ができる。
【0070】次に、本発明の液晶表示装置の駆動方法の
概要を述べる。
【0071】走査データ発生回路15および信号データ
発生回路18から主要部が構成された駆動データ発生回
路500は、例えばIDRC´88 DIGEST p.80〜p.85に
開示されたIHAT駆動法に基づくもので、図5に示す
ように、順次転送されてくる表示データを一時的に保持
する表示データメモリ501と、一周期(フレーム)分
の走査電圧波形データがあらかじめ書き込まれている走
査電圧波形メモリ502と、前記の表示データに基づい
て走査電圧波形データから信号波形を演算・生成する信
号波形演算回路503と、タイミング制御回路504と
からその主要部が構成された一つの回路系として回路基
板上にまとめて形成されている。
【0072】表示データメモリ501としてはRAMを
用いており、順次転送されてくる表示データの 1画面
( 640× 200ドット)分のデータを 200行× 640列の配
列I(i,j)( i= 1〜 200、 j= 1〜 640)として一旦
保持し、一列分 3個ずつ並列に演算回路に転送する。走
査電圧波形メモリ502としてはROMを用いており、
あらかじめ 200本の各走査電極1に供給する一周期分の
電圧波形データFi (t)),(i = 1〜 200)があら
かじめ書き込まれており、このデータを各走査電極1お
よび信号波形演算回路503に対して並列に繰り返し出
力する。この出力はタイミング制御回路504により出
力タイミングが制御される。
【0073】走査電圧波形Fi(t) としては正規直交系
のものが用いられるが、ここでは+1と− 1の 2値から
なる 256× 256行列のWalsh 関数列の内から 3行分を取
り出して用いるものとした。信号波形演算回路503で
は表示データIと走査電圧波形Fとを以下のように演算
して信号ドライバ回路6を介することで信号電圧波形G
を得る。すなわち、
【数1】 (F:電圧レベル調整の係数、N:走査電極数、ここで
は 200)を計算する。この計算を行なう演算回路は、図
5に示した 3個の排他的論理和演算回路505a,b,
cと、この出力結果が接続される図3に示した信号ドラ
イバ回路9内の論理回路21とからその主要部が構成さ
れている。
【0074】本実施例では、まず+ 1と− 1と(それぞ
れ正論理、負論理に相当)の 2値で構成される一列分 3
個の表示データと、同じく+ 1と− 1と(それぞれ正論
理、負論理に相当)の 2値で構成される 3行分の走査電
圧波形データの積を排他的論理和を用いて信号波形演算
回路503で計算し、その結果のデータを 3ビット並列
してDATA1 端子より出力する。このデータは後段の信号
ドライバ回路6に入力される。
【0075】図6は、論理回路21に用いられる論理真
理値表を示す図である。
【0076】DATA1 端子より入力された 3ビット並列デ
ータABC はクロックパルスCP1 に基づいて出力X1 から
X640 まで順次転送されてシフトレジスタ・ラッチ19
に順次に蓄えられて行く。次段の論理回路21では 3ビ
ットの信号ABC を受けて図6に示すような真理値表に基
づいて演算し、その結果のデータに基づいてY0、Y1、Y
2、Y3のうちの一つを選択する。スイッチ部20では、Y
0、Y1、Y2、Y3のうちの選択された一つに対応するスイ
ッチを選択(オン)にして、信号電圧電源回路10から
供給される電圧V1 、V2 、V4 、V5 のうちから 1つ
の電圧を信号線に出力する。このようにして信号電極X
1 からX640 までそれぞれの出力が決定される。こうし
て例えば図7(b)に示すような信号電極駆動波形が得
られる。
【0077】一方、走査ドライバ回路5では、走査デー
タ発生回路15からのWalsh 関数列に基づいた走査デー
タを受けて、走査電極Y1 からY200 までそれぞれの出
力電位として、走査電圧電源回路8から供給される電位
V0 、V3 、V6 の中から一つの電位を選択する。具体
的には走査ドライバ回路5は、図3で説明したように、
走査データDATA2 を順次転送して保持するシフトレジス
タ16と、走査データによって走査選択期間の走査電位
(V0 、V6)または非走査選択時の走査電位(V3 ) を
選択するスイッチ部17とからその主要部が形成されて
いる。シフトレジスタ16は走査データ(DATA2 )を受
けてクロック(CP2 )によって出力Y1からY200 まで
データを転送する。スイッチ部17では前記のようにし
て転送された走査データに基づいて、電位V0 、V3 、
V6 の中から一つを選択する。すなわち、 1周期(フレ
ーム)のうち選択期間のみ+ 1、− 1(これに対応して
出力される電位としては電位V0 、V6 が対応)の走査
電圧波形メモリに蓄えられている正規直交系のデータが
与えられ、残りの期間は 0(これに対応して出力される
電位としてはV3 )が与えられるように設定されてい
る。こうして例えば図7(a)に示すような走査電極駆
動波形が得られる。
【0078】前述したごとく、駆動電圧電源回路401
では電源(図示省略)から供給される電圧を分圧して、
液晶表示素子を駆動するために必要な電位(V0 、V1
、V2 、V3 、V4 、V5 、V6 )を作る。そしてこ
れらの電位のうちV0 、V3 、V6 は走査電極駆動部7
に、V1 、V2 、V4 、V5 は信号電極駆動部9に供給
される。
【0079】そして駆動電圧電源回路401内には演算
増幅回路11が内設されている。この演算増幅回路11
は、前述したように、信号電極2から検出した歪み電圧
成分を前述のごとく増幅および極性反転するとともに、
信号電圧を形成するための各駆動電位V1 、V2 、V4
、V5 に演算増幅器408a〜dで合成して、信号ド
ライバ回路9へ出力する。このように、検出電極13
a,bで一括して取り出された信号電極2の歪み成分を
含んだ電圧から歪み電圧成分を取り出して信号電極2に
フィードバックすることにより、信号電極2の歪み電圧
成分を解消することができる。
【0080】以上のような本発明に係る液晶表示装置
を、図7に示すような波形の液晶駆動電圧を用いてフレ
ーム周波数80Hzで駆動して表示を行なわせ、その表示
品位を目視にて確認した。
【0081】まず、全画面を白表示にした後、画面中央
付近に縦 150ドット×横100 ドットの領域に白と黒ドッ
トの横縞模様と縦 150ドット×横10ドットの領域に黒の
塗り潰しパターンを表示させ、引き続きこれら領域の横
のドット数を徐々に増加させていったが、いずれの場合
もクロストークのない均一な表示を維持できた。また、
漢字やアルファベットを連続的に表示させたが、信号電
極における歪み電圧の発生が抑制されてクロストークの
ない均一な表示を維持することができた。
【0082】なお、本実施例においては、IHAT駆動
法に即して本発明の液晶表示装置の駆動を述べたが、こ
のような駆動法と同様の動作原理に基づくMultipul Lin
e Selection 駆動法やActive Addressing 駆動法に基づ
いて駆動される液晶表示装置に対しても本発明の技術が
クロストークの低減に好適であった。
【0083】また、上記実施例においては、第1、第2
の検出電極13a,bと信号電極2との間には第1、第
2の電気容量12a,bが挟持される場合について述べ
た。つまり、液晶層3を第1、第2の電気容量12a,
bとして用いる場合について述べた。しかし本発明はこ
れのみには限定されない。第1、第2の検出電極13
a,bと信号電極2との間に挟持される液晶層3を、第
1、第2の電気容量12a,bの代りに、第1、第2の
電気抵抗として用いてもよいことは言うまでもない。
【0084】また、上記の第1、第2の電気容量、電気
抵抗を、液晶層とは別に誘電体や抵抗体を用いて形成し
てもよいことは言うまでもない。
【0085】(比較例)第1の実施例の液晶表示装置に
おいて、信号ドライバ回路6の駆動電圧電源回路401
を、演算増幅回路11等を取り除いた図8に示すような
従来一般的に用いられる電気抵抗402a,b、403
a,b、404a,bによる分圧回路とバッファ800
a,b,c,dとを用いた駆動電圧電源回路801に換
装し、その他の構造は第1の実施例とほぼ同様のものを
用いた従来の液晶表示装置を形成し、これに第1の実施
例と同様の駆動条件で表示を行なわせて表示品位を目視
にて確認した。
【0086】まず、全画面を白表示にした後、画面中央
付近に縦 150ドット×横100 ドットの領域に白と黒ドッ
トの横縞模様と縦 150ドット×横10ドットの領域に黒の
塗り潰しパターンを表示させた。それら縦方向に周囲よ
りも明るいクロストークと暗いクロストークとが発生
し、表示領域の横のドット数を増加するに従ってこの縦
方向のクロストークがよりいっそう顕著に発生した。さ
らには表示の横方向にも新たなクロストークが発生し
て、表示品位が著しく低下した。
【0087】また、漢字やアルファベットを連続的に表
示させたが、この場合も縦および横方向に連なる顕著な
クロストークが発生して画面の不均一性が目立った。
【0088】
【発明の効果】以上、詳細な説明で明示したように、本
発明によれば、画面に表示むら(クロストーク)が発生
するという問題を簡易で低廉な手段によって解決し、高
品位な画像表示を実現する液晶表示装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の概要を示す図であ
る。
【図2】本発明に係る液晶表示装置に用いられる液晶表
示素子4の構造の概要を示す図である。
【図3】本発明に係る液晶表示装置の駆動回路系を中心
とした回路構成の概要を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る液晶表示装置に用いられる駆動電
圧電源回路401を示す図である。
【図5】信号データ発生回路18と走査データ発生回路
15とを備えた駆動データ発生回路500を示す図であ
る。
【図6】信号ドライバ回路5の回路構造の概要(b)と
これに用いた論理回路21の動作の真理値表(a)を示
す図である。
【図7】本発明に係る液晶表示装置に用いられる液晶駆
動電圧波形の一例を示す図である。
【図8】比較例として従来の液晶表示装置に用いられる
駆動電圧電源回路801を示す図である。
【図9】従来の液晶表示装置に生じる歪み電圧の一例を
示すためにその走査電極 1本分を抜き出して等価回路で
示す図(a)およびその走査電極の電圧波形および液晶
印加電圧波形を示す図((b)〜(d))である。
【符号の説明】
1…走査電極 2…信号電極 3…液晶層 4…液晶表示素子 5…走査ドライバ回路 6…信号ドライバ回路 8…走査電圧電源回路 10…信号電圧電源回路 11…演算増幅回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の走査電極が形成された走査電極基
    板と、 前記複数の走査電極に間隙を維持して交差するように対
    向配置される複数の信号電極が形成された信号電極基板
    と、 前記走査電極と前記信号電極との間に周囲を封止されて
    挟持された液晶層とを有する液晶表示素子と、駆動電圧
    を作るための複数の電位を出力する駆動電圧発生回路
    と、 前記駆動電圧発生回路から出力される複数の電位のなか
    から一つの電位を選択して前記走査電極に印加するスイ
    ッチ回路を有し前記複数の走査電極それぞれに走査電圧
    を印加する走査ドライバ回路と、前記駆動電圧発生回路
    から出力される複数の電位のなかから一つの電位を選択
    して前記複数の信号電極それぞれに信号電圧を印加する
    信号ドライバ回路と、 前記複数の信号電極それぞれの入力端部分ごとにそれぞ
    れ一端が接続された複数の第1の電気容量または第1の
    電気抵抗と、 前記複数の第1の電気容量または複数の第1の電気抵抗
    の他端が接続され該第1の電気容量または第1の電気抵
    抗を介して前記複数の信号電極の前記入力端部分の電圧
    を平均化して検出する第1の検出電極と、 前記複数の信号電極それぞれの入力端部分とは反対側の
    解放端部分ごとにそれぞれ一端が接続された複数の第2
    の電気容量または第2の電気抵抗と、 前記複数の第2の電気容量または複数の第2の電気抵抗
    の他端が接続され該第2の電気容量または第2の電気抵
    抗を介して前記複数の信号電極の前記解放端部分の電圧
    を平均化して検出する第2の検出電極と、 前記第1の検出電極で検出された電圧を基準として該電
    圧と前記第2の検出電極で検出された電圧との差の電圧
    を演算するとともに該差の電圧を前記信号電極の電圧の
    歪み成分を低減する方向に増幅して、前記駆動電圧発生
    回路の出力する複数の電位のうち信号電圧を形成する電
    位に合成する演算増幅回路と、を具備することを特徴と
    する液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶表示装置において、 前記第1の検出電極は、前記複数の信号電極の前記入力
    端部分に交差して対向するように、前記走査号電極基板
    上に前記走査電極と平行に形成された電極であり、 前記第2の検出電極は、前記複数の信号電極の前記解放
    端部分に交差して対向するように、前記走査電極基板上
    に前記走査電極と平行に形成された電極であり、 前記
    複数の第1の電気容量または複数の第1の電気抵抗は、
    前記複数の信号電極と前記第1の検出電極との間に挟持
    された前記液晶層を用いて形成された電気容量または電
    気抵抗であり、 前記複数の第2の電気容量または複数の第2の電気抵抗
    は、前記複数の信号電極と前記第2の検出電極との間に
    挟持された前記液晶層を用いて形成された電気容量また
    は電気抵抗であることを特徴とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007032285A1 (ja) * 2005-09-16 2007-03-22 Sharp Kabushiki Kaisha 液晶表示装置

Cited By (2)

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US8159442B2 (en) 2005-09-16 2012-04-17 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device

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