JP3473748B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3473748B2
JP3473748B2 JP21778199A JP21778199A JP3473748B2 JP 3473748 B2 JP3473748 B2 JP 3473748B2 JP 21778199 A JP21778199 A JP 21778199A JP 21778199 A JP21778199 A JP 21778199A JP 3473748 B2 JP3473748 B2 JP 3473748B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧平均化法によ
り駆動される単純マトリクス型液晶表示パネルを用いた
液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータやワード
プロセッサの普及に伴い、その表示装置として、大型で
消費電力の大きいCRT( Cathode-Ray-Tube )に代え
て、計量かつ薄型で、電池駆動も可能な液晶表示装置が
広く採用されている。
【0003】この液晶表示装置の駆動方法の1つである
単純マトリクス駆動は、アクティブマトリクス駆動に比
べて、マトリクス配列された各画素に非線型素子が不要
であるため、比較的、製造が容易で、製造コストを低く
抑えることができる。
【0004】上記従来の単純マトリクス駆動の液晶表示
装置100は、例えば、図13に示すように、互いに交
差するように配された複数の走査電極Y1 〜YM と複数
の信号電極X1 〜XN とを備えており、走査側駆動回路
103は、順次選択した走査電極Yへ、電源回路105
から供給される選択電圧V1またはV5を印加すると共
に、非選択の各走査電極Y…へ、電源回路105からの
非選択電圧V3を印加する。一方、信号側駆動回路10
2は、表示データに応じて、各信号電極X1 〜XN へ、
信号電圧V2またはV4を印加する。これにより、液晶
パネル101の液晶のうち、走査電極Yj と信号電極X
i と間の部分(液晶容量、画素PIX(i ,j) )には、両
電極Xi ・Yj の電位差に応じた電圧が印加され、当該
部分の透過率は、液晶容量へ印加される実効電圧に応じ
て変化する。したがって、各信号電極X1 〜XN および
走査電極Y1 〜YM への電圧を制御することによって、
液晶パネル1内の全画素PIX(1,1) 〜PIX(N,M)
表示状態が制御され、表示データに基づいた画像が表示
される。
【0005】ところが、上記液晶表示装置100では、
表示容量および表示面積が増大するに従って、その駆動
特性に起因し、表示パターンに依存するクロストークな
どが発生し、表示ムラによって表示品質が低下する傾向
にある。
【0006】具体的には、表示パターンに依存する表示
ムラの1つとして、信号電極単位で現れる輝度ムラがあ
り、当該輝度ムラは、その原因から以下の2つに分けら
れる。第1の表示ムラは、走査信号波形の誘導歪みが原
因となって現れるものであり、信号電圧の変化が走査電
極側に誘導され、液晶の容量成分と、信号線および走査
電極の抵抗成分との時定数に依存した微分波形、すなわ
ち、誘導歪みが走査信号の波形に発生したときに現れ
る。第2の表示ムラは、液晶容量への充放電によるもの
であり、信号電圧が変化したときに、上記時定数に依存
して液晶容量が充放電された結果、信号電圧自身の印加
波形が鈍ることで発生する。
【0007】より詳細に説明すると、図5に示すよう
に、縦長のブロックパターンが混じる画像を表示しよう
とした場合、信号電極Xa は、走査電極Yd 〜Yd+9
いずれにおいても、白表示(点灯)を指示し、信号電極
b は、走査電極Yd 〜Yd+9のいずれにおいても、黒
表示(非点灯)を指示する。ところが、図14に示すよ
うに、液晶を交流駆動するために、走査電極Yd+1 を走
査するタイミングにおいて、交流化信号FRの論理が反
転している。したがって、信号電極Xa は、電圧V4か
ら電圧V2へ変化し、信号電極Xb は、電圧V2から電
圧V4へ変化する。この時点では、走査電極Yc は、選
択されておらず、非選択電圧V3が印加されているが、
当該走査電極Yc に対抗する信号電圧X側で印加電圧が
反転しているため、当該電圧変動に起因する誘導歪みが
発生する。
【0008】ここで、図5のパターンを表示しようとし
た場合、例えば、信号電極Xa のように、電圧V4から
電圧V2に変化する信号電極数は、9N/10個あるの
に対して、信号電極Xb のように、電圧V2から電圧V
4に変化する信号電極数は、N/10個ある。したがっ
て、走査電極Yc には、より多い方向、すなわち、電圧
V3から電圧V2への方向に誘導歪みが発生する。図1
4の例では、3ライン毎に、交流化信号FRが反転して
いるので、同様に、走査電極Yd+4 ・Yd+7 を走査する
タイミングでも、それぞれ電圧V3から電圧V4の方向
と、電圧V3から電圧V2の方向とに誘導歪みが発生す
る。
【0009】この結果、画素Aに印加される電圧波形
(Xa −Yc )と画素Bに印加される電圧波形(Xb
c )は、図14に示すようになり、誘導歪みがなけれ
ば、同一の実効値となるにも拘わらず、実際には、上記
誘導歪みによって、画素Aの駆動電圧の実効値が減少
し、画素Bの駆動電圧の実効値が増大してしまう。この
結果、図15に示すように、白を表示すべき領域であっ
ても、画素Bを含む斜線部の領域の輝度は、他の白の領
域(画素Aを含む領域)よりも増加して、斜線部に白抜
けが発生してしまう。
【0010】一方、図8に示すように、1ライン毎の横
ストライプパターンが混じる画像を表示しようとした場
合には、他の型の誘導歪みによって、同じ白を表示すべ
き画素A・画素Bにおいて、画素Aの輝度の方が画素B
の輝度よりも低くなり、図17に示したように、斜線部
に黒落ちが発生してしまう。具体的には、交流化信号F
Rの極性が反転していない期間において、信号電極Xa
へ印加される電圧Xaは、図16に示すように、走査電
極Yd 〜d+9 を走査している間、走査クロックLP毎
に、電圧V2と電圧V4との間で反転する。一方、信号
電極Xb は、いずれの走査電極Y1 〜M を走査する場
合でも、点灯を指示しているので、信号電極Xb の電圧
は、一定の値(ここでは、V2)のまま、変化しない。
【0011】ここで、走査電極Yc には、上記走査電極
d 〜Yd+9 を走査している間、非選択電圧V3が印加
されているが、走査電極Yd の走査から走査電極Yd+1
の走査へ移行する際、多くの信号電極X…(9N/10
の電極)で、印加電圧が電圧V2から電圧V4へ変化
し、残りのN/10の電極では、印加電圧が電圧V2の
まま変化しない。この結果、走査電極Yc には、電圧V
3から電圧V4への方向に誘導ノイズが発生する。同様
に、走査電極Yd+1 の走査から走査電極Yd+2 の走査へ
移行する際には、走査電極Yc には、電圧V3から電圧
V2への方向に誘導歪みが発生する。
【0012】したがって、図8に示すパターンを表示す
る際には、走査電極Yc へ1ライン毎に誘導歪みが繰り
返し発生する。この誘導歪みは、図16に示すように、
画素Aの駆動波形(Xa −Yc )の実効値を減少するよ
うに作用する。なお、画素Bでは、図16に駆動波形
(Xb −Yc )として示すように、誘導歪みに起因する
実効値の減少と増大とが交互に発生するため、平均する
と、実効値は、略減少しない。この結果、画素Aの輝度
は、画素Bの輝度よりも小さくなり、互いに同じ白表示
が指示された領域であっても、図17に示す斜線部の領
域は、残余の白表示領域よりも、暗く表示され、斜線部
に黒落ちが発生してしまう。
【0013】また、第2の表示ムラは、例えば、図10
に示すように、1画素毎の千鳥パターンが混じる画像を
表示させる場合に発生する。すなわち、交流化信号FR
の極性が反転していない期間において、信号電極Xb に
印加される電圧Xb は、図18に示すように、走査電極
Yd 〜Yd+9 を走査している間、走査クロックLP毎に
電圧V2と電圧V4との間で反転している。一方、信号
電極Xa に印加される電圧Xa は、いずれの走査電極Y
1 〜M を走査する場合であっても、点灯を示す値(こ
こでは、V2)のまま変化しない。
【0014】ここで、走査電極Yc には、上記走査電極
d 〜Yd+9 を走査している間、非選択電圧V3が印加
されている。また、表示パターンは、図10に示すよう
に、1画素毎の千鳥パターンであり、走査ラインの移行
時において、互いに隣接する信号電極X…間では、互い
に逆向きの変化電圧を出力し、それぞれの過渡電流が互
いに相殺される。この結果、走査電極Yc には、信号電
極X…の電圧変化に起因する誘導歪みが略発生しない。
【0015】ところが、画素Aと、画素Bとを比較する
と、画素Aに接続された信号電極X a では、電圧が反転
していないのに対して、画素Bに接続された信号電極X
b では、走査ラインの移行毎に、電圧が反転し、液晶容
量への充放電が繰り返される。この結果、図18に示す
ように、信号電極Xb の波形Xb には、充放電に起因す
る積分波形的な鈍りが発生する。したがって、画素Bの
駆動波形(Xb −Yc)の実効値が減少し、画素Bの輝
度は、画素Aの輝度よりも低下してしまう。これによ
り、互いに同じ白表示が指示されているにも拘わらず、
図19に示す斜線部の領域は、残余の白表示領域より
も、暗く表示されてしまう。
【0016】上記第1および第2の表示ムラのうち、第
1の表示ムラを低減するため、例えば、特開平2−89
号公報では、誘導歪みが補正対象となる画素の実効値を
増大させるように作用する場合、実効電圧を減少させる
値の補正電圧を通常の出力電圧V2(V4)に重畳し
て、信号電極X1 〜XN へ出力し、誘導歪みが実効値を
減少させるように作用する場合には、実効値を増加させ
る値の補正電圧を、通常の出力電圧V2(V4)に重畳
して出力する構成(以下では、第1の従来技術と称す
る)が開示されている。
【0017】一方、第2の表示ムラを低減するため、例
えば、特開平8−292744号公報には、各走査期間
毎の印加電圧の変化によって印加波形が鈍り、実効値が
下したとしても、当該実効値の低下を補償できるよう
に、実効値を増大させる補正電圧を印加する構成(以下
では、第2の従来技術と称する)が開示されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来技術では、信号電極駆動用の2つの電圧(V2
・V4)のそれぞれに、実効値増大用と実効値減少用と
の2つの補正電圧を設ける必要があるため、信号電極出
力電位として、6つの電位が必要となり、回路規模が増
大し、製造コストが高騰しやすいという問題を生じる。
【0019】さらに、上記第1および第2の従来技術
は、いずれも、第1の表示ムラあるいは第2の表示ムラ
の一方のみを補正するため、他方の表示ムラを補正でき
ず、十分な表示品位を確保することが難しい。なお、第
1および第2の表示ムラを補正するために、第1の従来
技術の構成と、第2の従来技術の構成とを独立に設ける
と、回路規模がさらに増大し、製造コストが高騰してし
まう。
【0020】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、実用化可能な低コストにて、
表示ムラがなく、表示品位の高い液晶表示装置を実現す
ることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係る液晶表示装
置は、上記課題を解決するために、互いに交差する複数
の信号電極と複数の走査電極との間に液晶層が設けられ
た液晶表示パネルを、当該液晶表示パネルの表示画像を
示す表示データに基づいて駆動する液晶表示装置におい
て、以下の手段を講じたことを特徴としている。
【0022】すなわち、上記表示データに対応する電圧
を、上記各信号電極に印加する信号側駆動手段と、上記
信号側駆動手段が上記各信号電極へ印加する電位の変化
によって上記各走査電極へ発生する波形歪み(誘導歪
み)に起因する液晶への実効電圧値の変化を打ち消すた
めの補正量を決定する第1補正量決定手段と、上記表示
データに対応する各電圧に1対1に対応する各補正用電
圧を生成し、上記各電圧に代えて、上記信号側駆動手段
に出力させる補正用電源とを備えている。さらに、上記
第1補正量決定手段は、上記各補正用電圧を印加する期
間長の差によって、上記液晶への実効電圧値の変化を打
ち消すことができるように、上記補正量として、上記各
補正用電圧の印加期間を決定するものであり、上記各補
正用電圧を出力する信号電極数に基づいて、上記各補正
用電圧の印加期間を調整する重み付け手段を備えてい
【0023】上記構成において、走査電極に誘導歪みが
発生し、当該走査電極と各信号電極との交点に対応する
各液晶素子への実効値が変化しようとすると、第1補正
量決定手段が各補正用電圧の印加期間長を調整する。こ
れにより、各液晶素子への実効値は、表示データに対応
する電圧と補正用電圧との差と、印加期間長との積に応
じて調整される。ここで、上記各補正用電圧を印加する
期間長は、それぞれの差によって、上記液晶への実効電
圧値の変化を打ち消すことができるように設定されてい
る。したがって、上記補正用電源が各電圧に1対1に対
応する補正用電圧しか出力できないにも拘わらず、液晶
表示装置は、誘導歪みに起因する各画素の輝度ムラ(第
1の表示ムラ)を抑制できる。この結果、各電圧毎に2
つずつ補正用電圧を出力する従来技術に比べて回路構成
が簡単で、より低コストで製造可能であるにも拘わら
ず、誘導歪みに起因する第1の表示ムラが抑制され、表
示品位の高い表示が可能な液晶表示装置を実現できる。
【0024】また、本発明に係る液晶表示装置は、上記
液晶パネルを上記表示データに基づいて駆動する液晶表
示装置であって、上記課題を解決するために、上記信号
側駆動手段および補正用電源に加えて、上記信号側駆動
手段が、選択された上記走査電極に対応する上記表示デ
ータにおいて各電圧を出力する数と、該走査電極に隣接
する直前の走査電極に対応する上記表示データにおいて
各電圧を出力する数の変化に応じて、補正量として、
それぞれに対応する補正用電圧の印加期間長を個別に決
定する第1補正量決定手段を備えていることを特徴とし
ている。
【0025】当該構成によれば、上記各補正用電圧を印
加する期間長が、それぞれに対応する電圧の出力数変化
に応じて、個別に決定される。この結果、走査電極に誘
導歪みが発生し、当該走査電極と各信号電極との交点に
対応する各液晶素子への実効値が変化しようとしても、
上記各印加期間長の相違によって、誘導歪みに起因する
実効値の変化が打ち消される。したがって、上記液晶表
示装置と同様に、回路構成が簡単で、より低コストで製
造可能であるにも拘わらず、誘導歪みに起因する第1の
表示ムラが抑制され、表示品位の高い表示が可能な液晶
表示装置を実現できる。
【0026】また、上記各構成の上記第1補正量決定手
段は、上記各補正用電圧を出力する信号電極数に基づい
て、上記各補正用電圧の印加期間を調整する重み付け手
段を備えている。上記重み付け手段は、上記各補正用電
圧を出力する信号電極数が多いほど、パルス幅が長くな
るように、上記各補正用電圧の印加期間を調整するもの
であることが好ましい。
【0027】当該構成によれば、各補正用電圧の印加期
間は、各補正用電圧を出力する信号電極数、すなわち、
負荷の大きさに応じて調整される。したがって、負荷が
大きい場合に、補正用電圧の印加時における各液晶の駆
動波形において、負荷が小さい場合よりも大きな信号鈍
りが発生する場合であっても、信号鈍りに起因する液晶
への実効電圧値を打ち消すことができる。この結果、負
荷の相違に起因する輝度ムラをも抑制でき、さらに、表
示品位の高い表示が可能な液晶表示装置を実現できる。
【0028】さらに、上述の各構成の液晶表示装置は、
上記各信号電極にて上記表示データに対応する電圧が変
化した場合、電圧自身の印加波形が鈍ることによる表示
ムラを抑制するために、当該電圧に代えて、一定期間、
上記各補正用電圧のうちの1つが、上記各走査電極へ発
生する波形歪みに起因する液晶への実効電圧値の変化を
打ち消すための上記補正量に加えて、上記信号側駆動手
段から出力されるように制御する第2補正量決定手段を
備えている方が望ましい。
【0029】当該構成によれば、上記表示データに対応
する電圧が変化した場合、上記各信号電極には、一定期
間、上記各補正用電圧のうちの1つが出力される。これ
により、表示データに対応する電圧の変化により、信号
電極へ出力される波形が鈍る場合であっても、当該波形
鈍りに起因する実効電圧値の変化は、当該一定期間の補
正用電圧の印加によって打ち消され、波形鈍りに起因す
る第2の表示ムラが抑制される。この結果、補正用電源
が出力可能な補正用電圧の数を増加させることなく、よ
り表示品位の高い表示が可能な液晶表示装置を実現でき
る。
【0030】また、上述の各構成において、上記信号側
駆動手段は、1走査水平期間分の表示データを格納する
ラッチ回路と、当該ラッチ回路の出力に基づいて、各信
号電極へ印加する電圧を決定する出力コントロール回路
とを備え、上記第1補正量決定手段は、液晶を交流化駆
動するための交流化信号よりも1走査水平期間分だけ、
位相が早い信号と、上記ラッチ回路の出力よりも1走査
水平期間分だけ位相が早い表示データとを参照して、上
記ラッチ回路の出力に対応する補正量を決定する方が望
ましい。
【0031】当該構成によれば、ラッチ回路の出力より
も位相が早い表示データおよび交流化信号に基づいて、
ラッチ回路の出力に対応する補正量が算出されるので、
第1補正量決定手段は、表示データと同位相の補正量を
指示できる。この結果、より的確な補正が可能になり、
より表示品位の高い表示が可能な液晶表示装置を実現で
きる。
【0032】さらに、上述の各構成において、上記第1
補正量決定手段は、上記各印加期間を決定する際に参照
する補正値または補正係数を記憶するパラメータ記憶手
段を備えている方が好ましい。当該構成によれば、第1
補正量決定手段は、パラメータ記憶手段の補正値または
補正係数を参照することで、各補正用電圧の印加期間
を、それぞれ最適な値に設定できる。したがって、演算
のみによって、印加期間を算出する場合に比べて構成が
容易で、より表示品位の高い表示が可能な液晶表示装置
を実現できる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図1
ないし図12に基づいて説明すると以下の通りである。
すなわち、本実施形態に係る液晶表示装置は、電圧平均
化法により単純マトリクス型の液晶パネルを駆動して、
表示データに応じた画像を表示するものであって、図1
に示すように、複数の走査電極Y1 〜YM および複数の
信号電極X1 〜XN が互いに交差するように配された液
晶パネル1と、各信号電極X1〜XN へ、表示データに
基づく信号電圧を印加する信号側駆動回路(信号側駆動
手段)2と、各走査電極Y1 〜YM へ線順次に電圧を印
加する走査側駆動回路3と、両駆動回路2・3を制御す
るコントロール回路4と、駆動に必要な電圧を生成する
電源回路(補正用電源)5とを備えている。
【0034】なお、以下では、説明の便宜上、各電極X
1 〜XN ・Y1 〜YM の場所を特定しない場合、あるい
は、総称するときは、例えば、信号電極Xのように添字
を省いて参照する。一方、場所を特定する場合は、場所
を示す添字として、1〜Nや1〜M自体、あるいは、1
〜Nの範囲の任意の整数iや、1〜Mの範囲の任意の整
数jを付して参照する。
【0035】上記構成において、各走査電極Y1 〜YM
が順次走査され、走査側駆動回路3は、コントロール回
路4からの走査クロックLP、交流化信号FRおよび走
査開始信号FLMに基づいて、選択した走査電極Yへ、
電源回路5から供給される選択電圧V1またはV5を印
加すると共に、非選択の各走査電極Y…へ、電源回路5
からの非選択電圧V3を印加する。一方、信号側駆動回
路2は、コントロール回路4からの表示データD、デー
タシフトクロックCK、走査クロックLPおよび交流化
信号FRに基づき、表示データDに応じて、各信号電極
1 〜XN へ、信号電圧V2aまたはV4aを印加す
る。ここで、上記電圧V1〜V5は、以下の不等式
(1)に示すように、 V1 > V2a > V3 > V4a > V5 …(1) に設定されている。さらに、液晶パネル1の液晶を交流
駆動するために、信号側駆動回路2は、交流化信号FR
に応じて、表示データがオンを示している場合に、電圧
V2aを出力するか、電圧V4aを出力するかを切り換
え、走査側駆動回路3は、電圧V1を印加するか、電圧
V5を印加するかを切り換える。
【0036】これにより、液晶パネル1の液晶のうち、
走査電極Yj と信号電極Xi と間の部分(液晶容量、画
素PIX(i,j) )には、両電極Xi ・Yj の電位差に応
じた電圧が印加され、当該部分の透過率は、液晶容量へ
印加される実効電圧に応じて変化する。したがって、各
信号電極X1 〜XN および走査電極Y1 〜YM への電圧
を制御することによって、液晶パネル1内の全画素PI
(1,1) 〜PIX(N,M ) の表示状態を制御して、表示デ
ータに基づいた画像を表示できる。なお、以下では、説
明の便宜上、液晶パネル1がネガ表示する場合、すなわ
ち、実効電圧が大きくなるに従って各画素PIXが明る
く表示される場合について説明するが、当然ながら、こ
れとは逆にポジ表示する場合にも適用できる。
【0037】ここで、本実施形態に係る液晶表示装置
は、さらに、信号電圧の変化が走査電極Y側に誘導され
て、走査信号波形が歪むことによって発生する第1の表
示ムラと、信号電圧の変化による液晶容量への充放電に
より、当該信号電圧が鈍ることによって発生する第2の
表示ムラとの双方を抑制するために、以下の構成を備え
ている。すなわち、本実施形態に係る電源回路5の電圧
生成部51は、液晶駆動に通常用いられる電圧V1・V
2・V3・V4・V5の他に、補正用の電圧V2s・V
4sを生成可能であり、さらに、電源回路5には、電圧
V2・V2sの一方を選択し、信号電圧V2aとして出
力するスイッチ52と、電圧V4・V4sの一方を選択
し、信号電圧V4aとして出力するスイッチ53とが設
けられている。上記両スイッチ52・53は、後述する
ように、歪み補正信号発生部(第1補正量決定手段)6
の判定結果、および、鈍り補正信号発生部(第2補正量
決定手段)7が生成した信号を統合する統合補正信号発
生部8からの制御信号S1・S2によって、導通/遮断
が制御され、両スイッチ52・53の導通期間の差によ
って、上記液晶容量へ印加される実効電圧の平均値を増
減する。これによって、各電圧V2・V4に対して、補
正用の電圧V2s・V4sが1つずつしか設けられてい
ないにも拘わらず、上記第1および第2の表示ムラの双
方を抑制できる。
【0038】以下では、説明の便宜上、補正用の電圧V
2s・V4sが、通常の出力電圧V2・V4に対して、
実効電圧を増大させる値、具体的には、V2<V2s、
かつ、V4>V4sに設定されている場合について説明
するが、後述するように実効電圧を減少させる値に設定
することもできる。
【0039】一方、上記歪み補正信号発生部6は、表示
データDに基づいて、V2側電位の変化数DRQ1と補
正電圧V2sの出力電極数K1とに応じ、補正用電圧V
2sの出力期間長を示す値T1と、表示データDに基づ
いて、V4側電位の変化数DRQ2と補正用電圧V4s
の出力電極数K2とに応じ、補正用電圧V4sの出力期
間長を示す値T2とを出力できる。より詳細には、本実
施形態では、上記補正値T1は、上記変化数DRQ1、
DRQ2に応じた基準値を、それぞれVAL1、VAL
2とすると、以下の式(2)および式(3)に示すよう
に、 T1=VAL1+K1×VAL3 …(2) T2=VAL2+K2×VAL3 …(3) で算出される。なお、式(2)および式(3)におい
て、VAL3は、補正係数であり、パラメータ設定部9
にて任意に設定可能である。また、本実施形態では、補
正用電圧V2s・V4sが実効値を増大させる値に設定
されているので、上記各基準値VAL1・VAL2は、
各変化数DRQ1・DRQ2が大きくなるに従って増大
するように設定されている。
【0040】本実施形態に係る歪み補正信号発生部6
は、パラメータ設定部(パラメータ記憶手段)9に格納
されたテーブルから、上記両変化数DRQ1、DRQ2
に対応する値をそれぞれ読み出すことによって、上記各
基準値VAL1・VAL2および補正係数VAL3を読
み出しており、例えば、図2に示すように、ある走査ラ
イン(j行目)を示す表示データDにおいて、一方の信
号電圧(例えば、V4)を示す値の出現回数(データ数
a)を格納するデータ数記憶部61と、直前の走査ライ
ン(j−1行目)に対応する表示データDにおいて、上
記信号電圧を示す値の出現回数(データ数b)を格納す
る前行データ数記憶部62と、両走査ラインのデータ数
a・bを比較して、上記両変化数DRQ1・DRQ2を
求める変化数検出部63と、両変化数DRQ1・DRQ
2に基づいて上記パラメータ設定部9へアクセスし、上
記基準値VAL1・VAL2および補正係数VAL3を
取得するアクセス部64とを備えている。さらに、上記
歪み補正信号発生部6には、上記データ数記憶部61を
参照して、j行目のV2データ数(出力電極数)K1と
V4データ数(出力電極数)K2と求めるデータ数取得
部65と、上記各値VAL1〜VAL3・K1・K2と
上述の式(2)・式(3)とに基づいて、上記補正値T
1・T2を算出する補正値決定部(重み付け手段)66
とが設けられている。
【0041】また、歪み補正信号発生部6には、表示デ
ータDに加えて、表示データDの取得タイミングを示す
走査パルスLPと、表示データDと電圧V2・V4との
対応を判定するため、上記交流化信号FRよりも1走査
水平期間分だけ位相の早い交流化信号FRaが印加され
ている。
【0042】上記交流化信号FRaが「H」の場合、表
示データDにおいて、電圧V4に対応するのは、オフ
(非点灯)の表示データDである。したがって、上記両
データ数記憶部61・62が、オフを示す表示データD
をカウントすれば、j行目およびj−1行目における電
圧V4の出力数a、bを取得できる。これとは逆に、交
流化信号FRaが「L」の場合、オン(点灯)の表示デ
ータが電圧V4に対応する。したがって、表示データD
のうち、オンを示す表示データDをカウントすれば、電
圧V4の出力数a,bを取得できる。
【0043】ここで、直前の走査電極Yj-1 に対応する
各信号電極X1 〜XN において、V4レベルの出力電極
数bは、V2レベルからV2レベルとなった信号電極X
の個数をSa、V2レベルからV4レベルになった信号
電極Xの個数をSb、V4レベルからV2レベル、V4
レベルからV4レベルになった信号電極Xの個数を、そ
れぞれSc、Sdとすると、Sc+Sdとなり、次の走
査電極Yj におけるV4レベルの出力電極数aは、Sb
+Sdとなる。したがって、b−a=Sc−Sb、すな
わち、V4からV2に変化した信号電極数と、V2から
V4に変化した信号電極数との差となり、電圧V2の変
化数DRQ1となる。同様に、電圧V4の変化数DRQ
2は、a−bとなる。
【0044】したがって、上記変化数検出部63は、上
記両出力数a,bから、変化数DRQ1、DRQ2を算
出できる。ただし、本実施形態では、上記パラメータ設
定部9へのアクセスを容易にするため、両変化数DRQ
1、DRQ2が負にならないように、以下の式(4)お
よび式(5)に示すように、 DRQ1=N+(b−a) …(4) DRQ2=N+(a−b) …(5) 実際の変化数に、1走査ラインの総電極数と同一のオフ
セットNを加えた値を変化数DRQ1、DRQ2として
いる。これにより、例えば、ROMやRAMなどの記憶
手段でパラメータ設定部9を実現した場合、当該変化数
DRQ1、DRQ2をパラメータ設定部9へ指定するア
ドレス番地とすることができ、アクセス時の手間を削減
できる。なお、上記式(4)・式(5)では、オフセッ
トを信号電極数Nとしているが、上記変化数DRQ1、
DRQ2が上記記憶手段の取り得るアドレス範囲内に納
まっていれば、N以上の値でもよい。
【0045】また、パラメータ設定部9には、以下の表
1に示すように、変化数(DRQ1、DRQ2)と、そ
れに対応する基準値(VAL1、VAL2)との組み合
わせが格納されている。
【0046】
【表1】
【0047】本実施形態では、上記補正用電圧V2s・
V4sが実効値を増大させる値に設定されているので、
上記表1において、各基準値α0〜α6は、α0<α1
<…<α3<…<α4<α5<α6に設定されている。
【0048】また、上記鈍り補正信号発生部7は、第2
の表示ムラを抑制するため、統合補正信号発生部8へ補
正パルス信号S0を出力し、信号側駆動回路2へ補正パ
ルス信号S0aを出力する。これに応じて、統合補正信
号発生部8は、補正パルス信号S0が出力されている
間、電源回路5へ補正用電圧V2s・V4sの出力を指
示すると共に、信号側駆動回路2は、図4に示すよう
に、各信号電極X毎に表示データDの変化の有無に応じ
て、補正用電圧V2s・V4sの変化を各信号電極X1
〜XN へ伝えるか否かを決定する。ここで、補正パルス
信号S0のパルス幅は、上述の基準値VAL1・VAL
2などと同様に、上記パラメータ設定部9に格納された
テーブルから読み出された補正値VALに基づいて決定
される。また、信号側駆動回路2が変化を伝えないこと
を選択した場合、補正パルス信号S0のパルス幅の電圧
変化が伝えられないように、補正パルス信号S0aは、
補正パルス信号S0のパルス幅以上に設定され、補正パ
ルス信号S0と同時、または、より早いタイミングで印
加される。なお、本実施形態では、両補正パルス信号S
0・S0aは、互いに同一のパルス幅で同時に印加され
る。
【0049】ここで、上記信号側駆動回路2は、例え
ば、図3に示すように、表示データDをデータシフトク
ロックCKに応じて転送するシフトレジスタ21と、走
査クロックLPに基づいて、1走査ライン分の表示デー
タDを転送し終わった時点で、当該走査ライン(j行
目)に対応する各表示データDを保持するAラッチ22
と、同じく、走査クロックLPに基づいて、1つ前(j
−1行目)の走査ラインの各表示データDを保持するB
ラッチ(ラッチ回路)23と、交流化信号FRおよび上
記補正パルス信号S0aに基づいて、両ラッチ22・2
3の出力から、各表示データDの連続または不連続を検
出し、出力電圧選択のための信号を出力する出力コント
ロール回路24と、出力コントロール回路24の各出力
をレベルシフトするレベルシフタ25と、レベルシフタ
25の各出力に基づいて、電源回路5から印加される電
圧V2a・V4a、またはハイインピーダンス出力(H
Z)のいずれかを選択する出力ドライバ26とを備えて
いる。これにより、以下の表2に示す真理値表のよう
に、信号側駆動回路2の出力が制御される。
【0050】
【表2】
【0051】ここで、上記表2において、Dj 、Dj-1
は、それぞれ、各々の信号電極Xにおいて、当該走査ラ
イン(j行目)に対する表示データDと、1つ前の走査
ライン(j−1行目)に対する表示データDを示してい
る。また、「信号電極出力状態」は、出力ドライバ26
の出力状態を示し、「実際の出力電位」は、出力状態を
制御した結果、実際に各信号電極Xへ出力される電位を
示している。
【0052】なお、信号側駆動回路2への転送データを
表示データDではなく、出力電位データとし、該信号側
駆動回路2へ供給する交流化信号FRを、「H」レベル
に固定してもよい。当該構成では、交流化信号FRが反
転するときの走査ラインであっても、信号電極Xの出力
電位変化に応じて制御できるので、より正確な補正動作
を行うことができる。なお、この場合でも、簡単な論理
回路で実現できる。
【0053】一方、統合補正信号発生部8は、上記歪み
補正信号発生部6から通知された補正値T1・T2と、
上記鈍り補正信号発生部7からの補正パルス信号S0と
に基づいて、図6、図9および図11に示すように、補
正パルス信号S0が示す期間と、補正値T1が示す長さ
の期間との双方で、スイッチ52が導通し、補正パルス
信号S0が示す期間と、補正値T2が示す長さの期間と
の双方で、スイッチ53が導通するように、両スイッチ
52・53への制御信号S1・S2を出力する。
【0054】ここで、制御信号S1(S2)において、
補正値T1(T2)に対応するパルスP1(P2)は、
補正パルス信号S0に対応するパルスP0と重なってい
なければ、スタートタイミングを任意の時点に設定でき
る。ただし、スタートタイミングが遅過ぎると、補正値
T1(T2)が最大になった場合、同一走査中にパルス
P1(P2)が終了しなくなる虞れがあるので、スター
トタイミングは、同一走査中に、パルスP1(P2)が
終了するように、ある程度早いタイミングに制御され
る。
【0055】また、上記パラメータ設定部9は、例え
ば、RAMやROMなどの記憶手段や演算回路などの一
般の回路、あるいは、それらの組み合わせによって実現
され、液晶表示装置の外部から、上記各値VAL・VA
L1〜VAL3を上記両補正信号発生部6・7へ指示で
きる。
【0056】上記構成における第1および第2の表示ム
ラの抑制動作について、従来の構成と比較しながら説明
すると以下の通りである。すなわち、液晶パネル1へ図
5に示す表示パターンを表示しようとする場合、特に、
電圧を補正しない従来技術では、図14に示すように、
交流化信号FRの反転毎に誘導歪みにより実効値が変動
し、図15に示すように、画素Bの輝度が画素Aの輝度
よりも増加して、第1の表示ムラが発生してしまう。
【0057】これに対して、本実施形態では、同様の表
示パターンを示す表示データDが印加された場合、図6
において、例えば、Yd+1 行目の期間に示すように、電
圧V2aは、信号S1が示す期間、補正用電圧V2sに
変化し、電圧V4aは、信号S2が示す期間、補正用電
圧V4sに変化するので、画素Aの駆動波形(Xa −Y
c )と、画素Bの駆動波形(Xb −Yc )とは、図中に
示すように補正される。この結果、誘導歪みに起因する
実効値の相違が補正され、画素Aの輝度と画素Bの輝度
とが同一となるので、第1の表示ムラが抑制される。
【0058】具体的には、走査側駆動回路3がd+1行
目の走査ラインの走査を開始するより前に、信号側駆動
回路2へd+1行目およびd行目の表示データDが転送
され、各行におけるV4電位レベルの出現回数a・b
は、図2に示すデータ数記憶部61および前行データ数
記憶部62に格納されている。したがって、変化数検出
部63は、この値a・bに基づいて、電圧V2および電
圧V4の変化数DRQ1、DRQ2を算出し、アクセス
部64は、両変化数DRQ1、DRQ2をパラメータ設
定部9へ指示して、当該基準値VAL1・VAL2を取
得する。
【0059】ここで、図5に示すように、縦長ブロック
パターンを含む表示パターンで、交流化信号FRがd行
目と(d+1)行目との間で反転する場合、d行目にお
いて、V4電位レベルとなる信号電極X…の数(カウン
ト値b)は、(9N/10)個であり、d+1行目のV
4電位レベルとなる信号電極X…の数(カウント値a)
は、(N/10)個となる。したがって、変化数検出部
63は、上述の式(4)および式(5)に基づいて、電
圧V2に対応した変化数DRQ1が(18N/10)個
であり、V4に対応した変化数DRQ2が(2N/1
0)と判定する。この結果、補正用電圧V2s印加のベ
ース期間を示す基準値VAL1として、(18N/1
0)に対応する値α4が、パラメータ設定部9から読み
出される。同様に、補正用電圧V4s印加のベース期間
を示す基準値VAL2として、(2N/10)に対応す
る値α2が読み出される。さらに、パラメータ設定部9
から得られた値VALによって、鈍り補正信号発生部7
は、パルス幅がVALの補正パルス信号S0・S0aを
出力する。
【0060】また、データ数取得部65は、(d+1)
行目における電圧V4の出力数aに基づいて、当該行に
おける電圧V2・V4の出力数K1、K2として、(N
/10)、(9N/10)を算出する。これらの値と、
パラメータ設定部9から得られた値VAL3とによっ
て、補正値決定部66は、上述の式(2)および式
(3)に基づいて、上記各ベース期間を補正して、補正
用電圧V2s・V4sの印加期間長を示す補正値T1・
T2を出力する。
【0061】さらに、統合補正信号発生部8は、上記補
正パルス信号S0と補正値T1・T2とに基づいて、図
6に示すように、制御信号S1・S2を出力する。この
結果、パルス幅VALのパルスP0と、パルス幅(α4
+N/10・VAL3)のパルスP1とからなる制御信
号S1、並びに、パルスP0とパルス幅(α2+9N/
10・VAL3)のパルスP2とからなる制御信号S2
が出力される。
【0062】ここで、d行目から(d+1)行目への間
には、交流化信号FRが反転しているので、各信号電極
a (Xb )の電圧Xa (Xb )も反転する必要があ
る。したがって、信号側駆動回路2は、上述の表2に示
すように、補正パルス信号S0aが示す期間、出力ドラ
イバ26の出力が、ハイ・インピーダンスではなく、電
圧V2a(V4a)になるように制御する。この結果、
上記パルスP0の間、信号電極Xa には、補正用電圧V
2sが印加され、信号電極Xb には、補正用電圧V4s
が印加される。したがって、図6に示すように、各画素
A・Bの駆動波形(Xa −Yc )・(Xb −Yc )は、
上記パルスP0の間、実効値が増大するように補正され
る。この結果、各信号電極Xa ・Xb の電圧変化に起因
する波形鈍りによって、実効値が減少する分だけ、実効
値が増大し、波形鈍りに起因する第2の表示ムラの発生
が抑制される。
【0063】また、上記パルスP1のパルス幅の方が、
パルスP2のパルス幅よりも長く設定されているので、
信号電極Xa には、信号電極Xb へ補正用電圧V4sが
印加される期間よりも長く、補正用電圧V2sが印加さ
れ、より大きく実効値が補正される。この結果、非選択
の走査電極Yc に発生した誘導歪みが実効値を低減させ
る画素、すなわち、画素Aを含むV2出力側の画素に対
しては、上記誘導歪みが実効値を増大させる画素、すな
わち、画素Bを含むV4出力側の画素に比べて、より大
きな補正が行われる。
【0064】同様に、交流化信号FRが再度反転する
(j+4)行目では、画素Aに関連する信号電極Xa
は、T2=α4+9N/10×VAL3の期間だけ、補
正用電圧V4sが印加され、画素Bに関連する信号電極
b には、それより短い期間(T1=α2+N/10×
VAL3)だけ、補正用電圧V2sが印加される。この
結果、誘導歪みが実効値を減少させる画素、すなわち、
画素Aを含むV4出力側の画素に対しては、誘導歪みが
実効値を増大させる画素、すなわち、画素Bを含むV2
出力側の画素に比べて、より大きな補正が行われる。
【0065】一方、例えば、走査電極Yd+2 を走査する
場合のように、交流化信号FRが反転しない場合には、
出力電圧が変化しないので、波形鈍りに起因する第2の
表示ムラが発生しない。この場合、本実施形態に係る信
号側駆動回路2は、補正パルス信号S0aが印加されて
いる間、出力ドライバ26の出力をハイ・インピーダン
スに保っている。したがって、この期間は、電源回路5
が補正用電圧V2s・V4sを出力しているにも拘わら
ず、信号電極Xa ・Xb の出力電圧は、V2・V4のま
ま保たれ、信号側駆動回路2は、実効値を補正しない。
【0066】また、交流化信号FRが反転しない場合
は、誘導歪みに起因する第1の表示ムラも発生しない。
この場合、本実施形態に係る液晶表示装置では、電圧V
2・V4の変化数DRQ1、DRQ2が互いに同一の値
(N)になり、上記両パルス信号P1・P2のベース期
間が同一の値(α3)になる。したがって、画素Aを含
むV2出力側の画素と、画素Bを含むV4出力側の画素
とは、ほぼ同様の大きさの補正が行われる。
【0067】これらの結果、電源回路5が、信号電極駆
動用の電圧として、V2・V2s・V4・V4sの4つ
の電圧しか生成しないにも拘わらず、図5に示すよう
に、縦長ブロックパターンを含む表示パターンを表示す
る際、画素Aの輝度と画素Bの輝度とを一致させること
ができ、第1の表示ムラを防止できる。
【0068】さらに、本実施形態に係る補正値決定部6
6は、電圧V2およびV4の出力数に基づいて、出力数
が多いほどパルス幅が長くなるように、上記各パルスP
1・P2のベース期間(VAL1・VAL2)に重み付
けを行っている。したがって、出力数が多く、より容量
負荷の大きい電圧信号線の方が、より実効値が大きく補
正される。
【0069】ここで、図7に示すように、負荷が大きく
なればなる程、信号波形が鈍り、補正部分で実効値Z1
>Z2が成立するので、実効値が減少する。この結果、
負荷の大小に拘わらず、同一の期間、補正電圧V2s
(V4s)を印加すると、負荷容量の相違によって、駆
動波形の実効値が変化し、輝度ムラが発生する虞れがあ
る。
【0070】ところが、本実施形態に係る補正値決定部
66は、出力数に基づいて、ベース期間に重み付けして
いるので、容量負荷の相違に起因する駆動波形の実効値
の相違を抑制できる。これにより、輝度ムラが少なく、
より表示品位の高い液晶表示装置を実現できる。
【0071】一方、図8に示す表示パターンを表示しよ
うとする場合、特に、電圧を補正しない従来技術では、
図16に示すように、走査ラインの切り換え毎に、誘導
歪みによって実効値が変動し、図17に示すように、画
素Aの輝度が画素Bの輝度よりも低下して、第1の表示
ムラが発生してしまう。
【0072】これに対して、本実施形態では、同様の表
示パターンを示す表示データDが印加された場合、例え
ば、図9に示す(d+1)行目の期間では、(d+1)
行目のV4電位出力数(カウント値b)が9N/10個
で、d行目のV4電位出力数(カウント値a)が0個で
あることから、変化数DRQ1=N/10個、変化数D
RQ2=19N/10、V2出力数K1=N/10、お
よび、V4出力数K2=9N/10が算出される。この
結果、統合補正信号発生部8は、パルス幅VALのパル
スP0およびパルス幅(α1+N/10×VAL3)の
パルスP1からなる制御信号S1と、上記パルスP0お
よびパルス幅(α5+9N/10×VAL3)のパルス
P2からなる制御信号S2とを出力する。ここで、パル
スP2のベース期間α5は、パルスP1のベース期間α
1よりも長く設定されている。したがって、非選択の走
査電極Yc に発生している誘導歪みが実効値を低減させ
るように作用する画素、すなわち、画素Aを含むV4出
力側の画素の方が、実効値を増大させるように作用する
画素、すなわち、画素Bを含むV2出力側の画素に比べ
て、大きな補正が行われる。
【0073】また、(d+2)行目の期間のように、非
選択の走査線Yc に発生している誘導歪みが画素A・B
の双方に対して実効値を低減させる方向に働く場合、す
なわち、両画素A・Bへ同一の電圧(この場合は、V2
a)が印加される場合には、同じ大きさの誘導歪みに対
する補正が行われる。なお、第2の表示ムラの原因とな
る波形鈍りは、電圧変化時にパルスP0の期間だけ補正
用電圧V2sまたはV4sを出力することによって補正
される。
【0074】これらの結果、電源回路5が信号電極駆動
用の電圧として4つの電圧しか生成しないにも拘わら
ず、図8に示すように、1ライン毎の横ストライプパタ
ーンが混じる表示パターンを表示する際、画素Aの輝度
と画素Bの輝度とを一致させることができ、第1の表示
ムラを防止できる。
【0075】この場合でも、図5の表示パターンを表示
した場合と同様に、出力数K1・K2によるベース期間
の重み付けが行われているので、出力数K1・K2の相
違に起因する実効値の相違を抑制でき、より表示品位の
高い液晶表示装置を実現できる。
【0076】さらに、図10に示す表示パターンを表示
しようとする場合、特に、電圧を補正しない従来技術で
は、図18に示すように、信号電圧の変化によって信号
電圧波形が鈍り、図19に示すように、第2の表示ムラ
によって、画素Bの輝度が画素Aよりも低下してしま
う。
【0077】これに対して、本実施形態では、同様の表
示パターンを示す表示データDが印加された場合、例え
ば、図11に示す(d+1)行目の期間では、(d+
1)行目のV4電位出力数(カウント値a)が(N/2
0)個で、d行目のV4電位出力数(カウント値b)が
(N/20)個であることから、変化数DRQ1=N
個、変化数DRQ2=N、V2出力数K1=19N/2
0、および、V4出力数K2=N/20が算出される。
この結果、統合補正信号発生部8は、パルス幅VALの
パルスP0およびパルス幅(α3+N/20×VAL
3)のパルスP1からなる制御信号S1と、上記パルス
P0およびパルス幅(α3+19N/20×VAL3)
のパルスP2からなる制御信号S2とを出力する。
【0078】ここで、両パルスP1・P2のベース期間
は、互いに同じ長さ(α3)に設定される。これによ
り、各画素A・Bに対応する信号電極Xa ・Xb へ印加
される電圧が、電圧V2aであるか電圧V4aであるか
に拘わらず、誘導歪みに対する補正として、ほぼ同じ大
きさの補正が行われる。したがって、誘導歪みに起因す
る輝度差が発生しない両画素A・Bには、補正用電圧V
2sまたはV4sが印加されるにも拘わらず、輝度の差
が発生しない。
【0079】一方、上記統合補正信号発生部8は、制御
信号S1(S2)として、上記誘導歪み補正用のパルス
P1(P2)だけではなく、補正パルス信号S0aと同
じパルス幅の鈍り補正用のパルスP0も出力している。
したがって、信号側駆動回路2は、例えば、d+1行目
における信号電極Xb のように、出力電圧が変化する場
合、上述の表2に示すように、補正パルス信号S0aが
示す期間、出力ドライバ26の出力がハイ・インピーダ
ンスではなく、電圧V2a(V4a)になるように制御
する。これとは逆に、d+1行目における信号電極Xa
のように、出力電圧が変化しない場合は、補正パルス信
号S0aが示す期間、出力ドライバ26の出力は、ハイ
・インピーダンスに保たれ、それまでの出力電圧を維持
する。この結果、上記パルスP0の間、信号電極Xa
電位は、電位V2のまま保たれ、信号電極Xb には、補
正用電圧V4sが印加される。これにより、図11に示
すように、画素Bの駆動波形(Xb −Yc )は、上記パ
ルスP0の間、実効値が増大するように補正されるの
で、実効値の平均値は、波形鈍りによって実効値が減少
する分だけ増大する。
【0080】これらの結果、図10に示すように、両画
素A・Bの輝度が揃えられ、波形鈍りに起因する第2の
表示ムラの発生が抑制される。加えて、波形歪みの補正
と同一の補正用電圧V2s・V4sによって、波形鈍り
の補正が行われているので、両者の補正用電圧をそれぞ
れ別に設ける場合に比べて、電源回路5の回路規模を縮
小できる。
【0081】また、この場合でも、図5の表示パターン
を表示した場合と同様に、出力数K1・K2によるベー
ス期間の重み付けが行われているので、出力数K1・K
2の相違に起因する実効値の相違を抑制でき、より表示
品位の高い液晶表示装置が実現される。
【0082】ここで、上記では、誘導歪みや波形鈍りに
起因する第1および第2の表示ムラが最も現れやすい表
示パターンを例にして、両表示ムラの抑制動作を説明し
たが、上述したように、誘導歪みや波形鈍りに起因する
両表示ムラを削減できるので、他のパターンに対して
も、上記両表示ムラを低減でき、表示品位の高い液晶表
示装置を実現できる。
【0083】なお、本実施形態では、各補正用電圧V2
s・V4sが実効電圧を増大するように設定されている
場合を例にして説明したが、実効電圧を減少するように
設定されても同様の効果が得られる。この場合、上記表
1において、各基準値α0〜α6は、α0>α1>α2
>…>α3>…>α4>α5>α6に設定される。ま
た、例えば、出力コントロール回路24の論理を変更す
るなどして、信号側駆動回路2は、上述の表2に代え
て、以下の表3に示す動作を行えばよい。
【0084】
【表3】
【0085】さらに、各補正用電圧V2s・V4sが実
効電圧を減少するように設定する場合、図12に示すよ
うに、図7の場合と同様に、負荷が大きい時の方が、印
加波形がより大きく鈍る。ところが、図7に示す場合と
は異なり、補正部分において、実効値Z3<Z4が成立
する。したがって、この場合、補正値決定部66がベー
ス期間を補正する際、出力数K1・K2が少なくなり、
負荷が少なくなる程、重み付け量を増大させる方向に補
正すれば、負荷容量の相違に起因する輝度ムラの発生を
防止できる。
【0086】また、本実施形態に係る歪み補正信号発生
部6は、走査水平期間毎にV4レベルをカウントする場
合について説明したが、当然ながら、V2レベルをカウ
ントしてもよい。ただし、この場合は、上述の式(4)
および式(5)が入れ換わり、例えば、変化数DRQ1
が式(5)の右辺から算出される。
【0087】さらに、本実施形態では、歪み補正信号発
生部6およびパラメータ設定部9の構成例として、変化
数+オフセットをアドレス番地として、当該アドレス番
地から直接読み出す場合、すなわち、変化数がN種類の
値を取る場合を例にして説明したが、パラメータ設定部
9の記憶容量の削減が求められるときには、例えば、変
化数を所定の値で割るなどして、表示ムラを十分に低減
できる程度に、変化数が取り得る範囲を縮小してもよ
い。
【0088】また、本実施形態では、歪み補正信号発生
部6がパラメータ設定部9に格納されたテーブルから基
準値VAL1・VAL2を読み出して、補正値T1・T
2を算出する場合を例にして説明したが、変化数の増減
に応じて、補正値T1・T2を適切に増減できれば、演
算式によって算出してもよい。さらに、テーブルを参照
する場合であっても、基準値VAL1・VAL2自体を
読み出さず、補正係数など、基準値VAL1・VAL2
を算出するための値を読み出してもよい。
【0089】ただし、多くの場合、適切な演算式の決定
は困難なので、例えば、変化数毎に、補正値T1・T2
を変化させながら、液晶パネル1に発生する表示ムラを
観測するなどして、最も表示ムラが少ない補正値T1・
T2を求め、当該補正値T1・T2をテーブルに格納す
る方が、より簡単な回路構成で、より適切に表示ムラを
低減できる。同様の理由で、補正係数VAL3やパルス
幅VALについても、テーブルを参照する方が、より簡
単な回路構成で、より適切に表示ムラを解消可能な値を
取得できる。
【0090】なお、本実施形態では、電源回路5の両ス
イッチ52・53が、第2の表示ムラ補正用に2回(パ
ルスP0の両エッジ)で切り換えられ、第1の表示ムラ
補正用に2回(パルスP1(P2)の両エッジ)で切り
換えられているが、これに限るものではない。例えば、
統合補正信号発生部8がパルスP0・P1を合わせた単
一のパルスとして、制御信号S1を生成し、パルスP0
・P2を合わせた単一のパルスとして、制御信号S2を
生成してもよい。この場合であっても、補正用電圧V2
s・V4sの印加期間が同じであれば、同様の効果が得
られる。さらに、この構成では、電源の切り換え回数が
4回から2回に削減されるので、ロジックおよび電源回
路部の消費電力を低減できる。
【0091】
【発明の効果】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよ
うに、信号側駆動手段が上記各信号電極へ印加する電位
の変化によって上記各走査電極へ発生する波形歪み(誘
導歪み)に起因する液晶への実効電圧値の変化を打ち消
すための補正量を決定する第1補正量決定手段と、表示
データに対応する各電圧に1対1に対応する各補正用電
圧を生成し、上記各電圧に代えて、上記信号側駆動手段
に出力させる補正用電源とを備え、上記第1補正量決定
手段は、上記各補正用電圧を印加する期間長の差によっ
て、上記液晶への実効電圧値の変化を打ち消すことがで
きるように、上記補正量として、上記各補正用電圧の印
加期間を決定する構成である。
【0092】上記構成において、上記各補正用電圧を印
加する期間長は、それぞれの差によって、上記液晶への
実効電圧値の変化を打ち消すことができるように設定さ
れ、各液晶素子への実効値は、印加期間長に応じて調整
される。これにより、上記補正用電源が各電圧に1対1
に対応する補正用電圧しか出力できないにも拘わらず、
液晶表示装置は、誘導歪みに起因する各画素の輝度ムラ
(第1の表示ムラ)を抑制できる。この結果、回路構成
が簡単で、より低コストで製造可能であるにも拘わら
ず、誘導歪みに起因する第1の表示ムラが抑制され、表
示品位の高い表示が可能な液晶表示装置を実現できると
いう効果を奏する。
【0093】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよう
に、上記信号側駆動手段および補正用電源に加えて、上
記信号側駆動手段が、選択された上記走査電極に対応す
る上記表示データにおいて各電圧を出力する数と、該走
査電極に隣接する直前の走査電極に対応する上記表示デ
ータにおいて各電圧を出力する数の変化に応じて、補
正量として、それぞれに対応する補正用電圧の印加期間
長を個別に決定する第1補正量決定手段を備えている構
成である。
【0094】当該構成によれば、上記各補正用電圧を印
加する期間長が、それぞれに対応する電圧の出力数変化
に応じて、個別に決定され、上記各印加期間長の相違に
よって、誘導歪みに起因する実効値の変化が打ち消され
る。これにより、上記液晶表示装置と同様に、回路構成
が簡単で、より低コストで製造可能であるにも拘わら
ず、誘導歪みに起因する第1の表示ムラが抑制され、表
示品位の高い表示が可能な液晶表示装置を実現できると
いう効果を奏する。
【0095】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよう
に、上記構成の上記第1補正量決定手段が、上記各補正
用電圧を出力する信号電極数に基づいて、上記各補正用
電圧の印加期間を調整する重み付け手段を備えている構
成である。
【0096】当該構成によれば、各補正用電圧の印加期
間は、各補正用電圧を出力する信号電極数、すなわち、
負荷の大きさに応じて調整される。したがって、負荷の
相違に起因する輝度ムラをも抑制でき、さらに、表示品
位の高い表示が可能な液晶表示装置を実現できるという
効果を奏する。
【0097】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよう
に、上記各構成において、上記各信号電極にて上記表示
データに対応する電圧が変化した場合、電圧自身の印加
波形が鈍ることによる表示ムラを抑制するために、当該
電圧に代えて、一定期間、上記各補正用電圧のうちの1
つが、上記各走査電極へ発生する波形歪みに起因する液
晶への実効電圧値の変化を打ち消すための上記補正量に
加えて、上記信号側駆動手段から出力されるように制御
する第2補正量決定手段を備えている構成である。
【0098】当該構成によれば、上記表示データに対応
する電圧が変化した場合、上記各信号電極には、一定期
間、上記各補正用電圧のうちの1つが出力され、波形鈍
りに起因する第2の表示ムラが抑制される。この結果、
補正用電源が出力可能な補正用電圧の数を増加させるこ
となく、より表示品位の高い表示が可能な液晶表示装置
を実現できるという効果を奏する。
【0099】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよう
に、上記各構成において、上記信号側駆動手段は、1走
査水平期間分の表示データを格納するラッチ回路と、当
該ラッチ回路の出力に基づいて、各信号電極へ印加する
電圧を決定する出力コントロール回路とを備え、上記第
1補正量決定手段は、液晶を交流化駆動するための交流
化信号よりも1走査水平期間分だけ、位相が早い信号
と、上記ラッチ回路の出力よりも1走査水平期間分だけ
位相が早い表示データとを参照して、上記ラッチ回路の
出力に対応する補正量を決定する構成である。
【0100】当該構成によれば、ラッチ回路の出力より
も位相が早い表示データおよび交流化信号に基づいて、
ラッチ回路の出力に対応する補正量が算出されるので、
第1補正量決定手段は、表示データと同位相の補正量を
指示できる。この結果、より的確な補正が可能になり、
より表示品位の高い表示が可能な液晶表示装置を実現で
きるという効果を奏する。
【0101】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよう
に、上記各構成において、上記第1補正量決定手段は、
上記各印加期間を決定する際に参照する補正値または補
正係数を記憶するパラメータ記憶手段を備えている構成
である。
【0102】当該構成によれば、第1補正量決定手段
は、パラメータ記憶手段の補正値または補正係数を参照
することで、各補正用電圧の印加期間を、それぞれ最適
な値に設定できる。したがって、構成が容易で、より表
示品位の高い表示が可能な液晶表示装置を実現できると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、液晶表
示装置の要部を示すブロック図である。
【図2】上記液晶表示装置において、歪み補正信号発生
部の構成をさらに詳細に説明するブロック図である。
【図3】上記液晶表示装置において、信号側駆動回路の
構成例を示すブロック図である。
【図4】上記信号側駆動回路の動作を示す波形図であ
る。
【図5】上記液晶表示装置の表示例を示すものであり、
縦長ブロックを含む表示パターンを表示した場合を示す
説明図である。
【図6】上記表示パターンの表示時における、上記液晶
表示装置の動作を示す波形図である。
【図7】負荷の相違に起因する信号印加波形の変化を示
す説明図である。
【図8】上記液晶表示装置の表示例を示すものであり、
縦長ブロックを含む表示パターンを表示した場合を示す
説明図である。
【図9】上記表示パターンの表示時における、上記液晶
表示装置の動作を示す波形図である。
【図10】上記液晶表示装置の表示例を示すものであ
り、1ドット毎の横ストライプパターンが含まれる表示
パターンを表示した場合を示す説明図である。
【図11】上記表示パターンの表示時における、上記液
晶表示装置の動作を示す波形図である。
【図12】上記液晶表示装置の変形例を説明するもので
あり、負荷の相違に起因する信号印加波形の変化を示す
説明図である。
【図13】従来例を示すものであり、液晶表示装置の要
部構成を示すブロック図である。
【図14】図5の表示パターンの表示時における、上記
液晶表示装置の動作を示す波形図である。
【図15】上記液晶表示装置が上記表示パターンを表示
した結果を示す説明図である。
【図16】図8の表示パターンの表示時における、上記
液晶表示装置の動作を示す波形図である。
【図17】上記液晶表示装置が上記表示パターンを表示
した結果を示す説明図である。
【図18】図10の表示パターンの表示時における、上
記液晶表示装置の動作を示す波形図である。
【図19】上記液晶表示装置が上記表示パターンを表示
した結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 液晶パネル 2 信号側駆動回路(信号側駆動手段) 5 電源回路 6 歪み補正信号発生部(第1補正量決定手段) 7 鈍り補正信号発生部(第2補正量決定手段) 8 パラメータ設定部(パラメータ記憶手段) 23 Bラッチ(ラッチ回路) 26 出力コントロール回路 66 補正値決定部(重み付け手段) X1 〜XN 信号電極 Y1 〜YM 走査電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 伸明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−84342(JP,A) 特開 平8−292744(JP,A) 特開 平8−94997(JP,A) 特開 平10−116056(JP,A) 特開 平8−160392(JP,A) 特開 平4−307592(JP,A) 特開 平4−360192(JP,A) 特開 平3−126988(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/00 - 3/38 G02F 1/133 505 - 580

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに交差する複数の信号電極と複数の走
    査電極との間に液晶層が設けられた液晶表示パネルを、
    当該液晶表示パネルの表示画像を示す表示データに基づ
    いて駆動する液晶表示装置において、 上記表示データに対応する電圧を、上記各信号電極に印
    加する信号側駆動手段と、 上記信号側駆動手段が上記各信号電極へ印加する電位の
    変化によって上記各走査電極へ発生する波形歪みに起因
    する液晶への実効電圧値の変化を打ち消すための補正量
    を決定する第1補正量決定手段と、 上記表示データに対応する各電圧に1対1に対応する各
    補正用電圧を生成し、上記各電圧に代えて、上記信号側
    駆動手段に出力させる補正用電源とを備え、 上記第1補正量決定手段は、上記各補正用電圧を印加す
    る期間長の差によって、上記液晶への実効電圧値の変化
    を打ち消すことができるように、上記補正量として、上
    記各補正用電圧の印加期間を決定するものであり、上記
    各補正用電圧を出力する信号電極数に基づいて、上記各
    補正用電圧の印加期間を調整する重み付け手段を備えて
    いることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】互いに交差する複数の信号電極と複数の走
    査電極との間に液晶層が設けられた液晶表示パネルを、
    当該液晶表示パネルの表示画像を示す表示データに基づ
    いて駆動する液晶表示装置において、 上記表示データに対応する電圧を、上記各信号電極に印
    加する信号側駆動手段と、 上記表示データに対応する各電圧に1対1に対応する各
    補正用電圧を生成し、上記各電圧に代えて、上記信号側
    駆動手段に出力させる補正用電源と、 上記信号側駆動手段が、選択された上記走査電極に対応
    する上記表示データにおいて各電圧を出力する数と、該
    走査電極に隣接する直前の走査電極に対応する上記表示
    データにおいて各電圧を出力する数の変化に応じて、
    補正量として、それぞれに対応する補正用電圧の印加期
    間長を個別に決定する第1補正量決定手段とを備えてい
    ることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】上記重み付け手段は、上記各補正用電圧を
    出力する信号電極数が多いほど、パルス幅が長くなるよ
    うに、上記各補正用電圧の印加期間を調整するものであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】上記各信号電極にて上記表示データに対応
    する電圧が変化した場合、電圧自身の印加波形が鈍るこ
    とによる表示ムラを抑制するために、当該電圧に代え
    て、一定期間、上記各補正用電圧のうちの1つが、上記
    各走査電極へ発生する波形歪みに起因する液晶への実効
    電圧値の変化を打ち消すための上記補正量に加えて、
    記信号側駆動手段から出力されるように制御する第2補
    正量決定手段を備えていることを特徴とする請求項1、
    2または3記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】上記信号側駆動手段は、1走査水平期間分
    の表示データを格納するラッチ回路と、当該ラッチ回路
    の出力に基づいて、各信号電極へ印加する電圧を決定す
    る出力コントロール回路とを備え、 上記第1補正量決定手段は、液晶を交流化駆動するため
    の交流化信号よりも1走査水平期間分だけ、位相が早い
    信号と、上記ラッチ回路の出力よりも1走査水平期間分
    だけ位相が早い表示データとを参照して、上記ラッチ回
    路の出力に対応する補正量を決定することを特徴とする
    請求項1、2、3または4記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】上記第1補正量決定手段は、上記各印加期
    間を決定する際に参照する補正値または補正係数を記憶
    するパラメータ記憶手段を備えていることを特徴とする
    請求項1、2、3、4または5記載の液晶表示装置。
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