JPH06119636A - 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体

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JPH06119636A
JPH06119636A JP4264619A JP26461992A JPH06119636A JP H06119636 A JPH06119636 A JP H06119636A JP 4264619 A JP4264619 A JP 4264619A JP 26461992 A JP26461992 A JP 26461992A JP H06119636 A JPH06119636 A JP H06119636A
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JP
Japan
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recording medium
magnetic recording
magnetic
film thickness
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Application number
JP4264619A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Kobayashi
正人 小林
Junichi Horikawa
順一 堀川
Shoji Matsuda
昌二 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気特性のすぐれた磁気記録媒体を比較的容
易に製造できるようにする。 【構成】 ガラス基板1の上に第I層2及び第II層3
を順次形成する。この第I層2及び第II層3の形成過
程又は形成後にこれらの層を構成する物質を相互に熱拡
散その他の方法によって拡散させ、所定の組成を有する
磁性膜30を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク、磁気テ
ープ等の磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、基体に磁性膜を形成した磁気記録
媒体が多方面で用いられている。とりわけその中で、非
磁性基板上にスパッタリングあるいは真空蒸着等により
形成した金属磁性薄膜を磁性層とする磁気記録媒体が注
目されている。金属磁性薄膜が磁気記録媒体として注目
されている大きな理由は、周知の如く従来の磁性粉の塗
布型に比べ高い記録密度が実現できるためである。この
様な金属磁性薄膜を構成する磁性材料として、Co含有
合金が良好な保磁力と角形比を示すものとして知られて
いる。例えば、CoPt系合金薄膜が高保磁力に加え、
高い残留磁束密度を有する材料として磁気記録の高密度
化に対して工業的に大きな注目を集めている。この場
合、Co含有合金の磁性層の下地層としてCrを用いる
ことにより高い保磁力が得られ(例えば、IEEE TRANSAC
TION MAGNETICS VOL.MAG-3,NO.3(1967)pp205-207参照)
、また、Co系合金薄膜における磁性結晶粒間の磁気
的孤立性を向上させることで記録再生時に発生する媒体
ノイズを減少させることができ(例えば、IEEE TRANSAC
TION ON MAGNETICS VOL.24,NO.6(1988)pp2727-2729、同
VOL.26.NO.1(1990)pp322-327参照 )、さらに磁性層とし
てCoPt系合金を用いれば、より良好な磁気記録再生
特性を実現できる(例えば、IEEE TRANSACTION ONMAGNE
TICS VOL.26,NO.5(1990)pp1578-1580参照) こと等の報
告もなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CoP
t系合金スパッタリングターゲットはPtを含むためそ
れ自身価格が高く、しかもPtが高融点金属でありCo
との融点差も大きいため、焼結、真空溶解、熱間圧延等
の工程が困難であり、量産レベルにおける一様性を保っ
た高品質なスパッタリングターゲットの供給に問題があ
る。
【0004】さらに、1種のターゲット組成に対して作
成できるCoPt系磁性膜の組成も1種類に規定される
ため、組成を変化させて磁性膜を作成するような場合
に、各膜組成に対応するようなターゲットをそれぞれ用
いなければならないという問題がある。
【0005】このような問題は、他の金属磁性膜あるい
は金属磁性膜以外においても同様である。
【0006】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、磁気特性のすぐれた磁気記録媒体を比較的容
易に製造できる磁気記録媒体の製造法及磁気記録媒体を
提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明に係る磁気記録媒体の製造方法は、(1)
基板上に磁性層を有する磁気記録媒体を製造する磁気記
録媒体の製造方法において、前記磁性層を形成する工程
には、基板上に複数の薄膜を積層させる薄膜形成工程
と、これら複数の薄膜に含まれる物質を他の薄膜中に拡
散させる拡散工程とを含むことを特徴とした構成とし
た。
【0008】この構成1の態様として、(2) 構成1
の磁気記録媒体の製造法において、前記拡散工程は、前
記複数の薄膜を加熱する処理を含むものであることを特
徴とした構成とした。
【0009】また、構成1または2の態様として、
(3) 構成1または2の磁気記録媒体の製造法におい
て、前記拡散工程は、前記複数の薄膜中に電界を形成さ
せつつ行うものであることを特徴とした構成とした。
【0010】(4) 請求項1ないし3のいずれかに記
載の磁気記録媒体の製造法において、前記薄膜形成工程
と、前記拡散工程とを同時に行うことを特徴とした磁気
記録媒体の製造方法。
【0011】さらに、構成1ないし4のいずれかの態様
として、(5) 構成1ないし4のいずれかの磁気記録
媒体の製造法において、前記複数の薄膜の少なくとも1
つがCo単体またはCoを主成分とする合金を含む材料
から構成され、他の少なくとも1つがPt単体またはP
tを主成分とする合金を含む材料から構成されているも
のであることを特徴とした構成とした。そして、本発明
に係る磁気記録媒体は、(6) 基板と、この基板上に
形成された磁性層とを有する磁気記録媒体であって、請
求項1ないし5のいずれかに記載の製造方法によって製
造したことを特徴とする構成とした。
【0012】
【作用】構成1によれば、磁性層を形成する工程に、基
板上に複数の薄膜を積層させる薄膜形成工程と、これら
複数の薄膜に含まれる物質を他の薄膜中に拡散させる拡
散工程とを含ませることにより、薄膜形成工程によって
得られる各薄膜に、他の薄膜に含まれる物質を含ませて
異なった組成の薄膜とすることができる。
【0013】これにより、薄膜形成工程では形成が容易
な薄膜を形成するようにし、拡散工程によって磁気特性
のすぐれた所望の組成の薄膜とすることも可能となる。
【0014】この場合、構成2〜4によれば、拡散を効
率的に行うことができる。
【0015】また、構成5によれば、例えば、磁気特性
のすぐれたCoPt系合金からなる磁性膜をスパッタリ
ングによって得る場合、スパッタリングターゲットとし
て、高価で入手が困難なCoPt系合金ターゲットを用
いることなく、比較的安価で入手が容易なPt単体ある
いはPtを主成分とする合金、並びに、Co単体あるい
はCoを主成分とする合金をスパッタリングターゲット
に用いてそれぞれの薄膜を成膜し、相互に拡散させるこ
とによってCoPt系合金膜を得ることができる。この
場合、CoとPtはほぼ全率固溶する合金であるため、
Pt単体あるいはPtを主成分とする合金薄膜上にCo
単体あるいはCoを主成分とする合金をスパッタリング
で成膜すれば、スパッタリング成膜中にCoとPtが相
互拡散することにより、部分的あるいは全面的にCoP
t系合金組織が形成される。なお、Co単体あるいはC
oを主成分とする合金薄膜上にPt単体あるいはPtを
主成分とする合金をスパッタリングで成膜しても同様な
相互拡散により部分的あるいは全面的にCoPt系合金
組織が形成される。構成6によれば、製造が容易で磁気
特性にすぐれた磁気記録媒体が得られる。
【0016】
【実施例】実施例1 図1は本発明の実施例1に係る磁気記録媒体の製造方法
によって製造した磁気記録媒体の断面図である。以下、
図1を参照にしながら実施例1の磁気記録媒体の製造方
法及び磁気記録媒体を説明する。
【0017】図1において、符号1はシリケートガラス
等からなるガラス基板である。このガラス基板1の表面
にはPtとCoとの合金からなる第I層2及び第II層
3が順次形成されている。この場合、第I層2はPtを
母材としてこれにCoが拡散したもの(膜厚;50〜2
30オングストローム)であり、一方、第II層3はC
oを母材としてこれにPtを拡散させたもの(膜厚;2
70〜450オングストローム)であるが、双方共にP
tとCoとの組成割合がほぼ同じ組成を有しており、両
者合わせた総膜厚が約500オングストロームのCoP
t系の磁性層30を構成しているものである。
【0018】この構成の磁気記録媒体は、次のようにし
て製造したものである。
【0019】まず、ガラス基板1をあらかじめ所定の温
度に加熱しておくか、あるいは、加熱した状態で、該ガ
ラス基板I上に、スパッタリング法によって第I層2の
母材を構成するPt層を形成する。次に、このPt層の
上に第II層3の母材を構成するCo層を同様のスパッ
タリング法によって形成する。この場合、このCo層形
成過程において該Co層と前記Pt層との間で相互拡散
を行わせ、PtとCoとの組成割合がほぼ同じ組成を有
する第I層2及び第II層3を形成し、磁性層30を形
成したものである。
【0020】磁性層30の組成及び磁気特性は、上記第
I層2及び第II層3を形成する際のスパッタリング条
件(背圧、スパッタガス圧、RF(高周波)電力あるい
はDC(直流)等の投入パワー)、基板加熱温度、第I
層2の膜厚と第II層3の膜厚とを加え合わせた総膜厚
(Pt膜厚+Co膜厚)、並びに、第I層2(Pt母材
層)の膜厚と第II層3(Co母材層)の膜厚との比
(Pt膜厚/Co膜厚)の諸条件によって決まる。
【0021】図2は上述の実施例1において、スパッタ
リング条件、基板加熱温度及び総膜厚の各条件を一定に
保持した場合の「Pt膜厚/Co膜厚」に対する「Co
Pt磁性膜中のPt濃度」の関係を示したグラフであ
る。また、図3は上述の実施例1においてスパッタリン
グ条件、基板加熱温度及び総膜厚の各条件を一定に保持
した場合の「Pt膜厚/Co膜厚」に対する「保磁力H
c」及び「残留磁化Mr」の関係を示したグラフであ
る。なお、図2においては、横軸が「Pt膜厚/Co膜
厚」(無単位)であり、縦軸が「CoPt磁性膜中のP
t濃度」(単位;原子%(at%))である。また、図
3においては、横軸が「Pt膜厚/Co膜厚」(無単
位)、右縦軸が保磁力Hc(単位;Oe)、左縦軸が残
留磁化Mr(単位;emu/cc)であり、○印のプロ
ット点が保磁力を示し、●印のプロット点が残留磁化を
示している。さらに、図2及び図3のいずれの場合も、
条件を以下の通りとした。
【0022】スパッタリング条件 背圧 ;1.0×10-6(Torr) スパッタガス圧 ;5.0×10-3(Torr) RF(高周波)電力 ;200W 基板加熱温度 ;400°C 総膜厚(Pt膜厚+Co膜厚);500オングストロー
ム 組成測定;X線光電子分光法(ESCA)による測定 図2のグラフから明らかなように、磁性層30の組成
は、Pt膜厚/Co膜厚の値を変えることにより、容易
にCoとPtとの組成を制御することができ、また、図
3から明らかなように、Pt厚/Co膜厚=0.3〜
0.4の範囲内になるように制御することにより、保磁
力Hc=2000(Oe)以上、残留磁化Mr=700
(emu/cc)以上、残留磁化・膜厚積;Mr・δ=
3.5×10-3(emu/cm2 )(δは総膜厚=磁性
層30の膜厚)以上の高密度磁気記録に好適な磁性層が
得られることがわかる。
【0023】なお、上述の実施例ではあらかじめガラス
基板を加熱しておくかあるいは加熱した状態で、Pt層
及びCo磁性層を順にスパッタリングする方法を用いた
が、これは、スパッタリング後に加熱して熱拡散させる
ようにしてもよい。
【0024】また、ガラス基板1の加熱温度は、90℃
未満では効率的な相互拡散が起こらず、また、500℃
以上ではガラス基板の変形が起こるため、90〜500
°Cの範囲内に設定することが望ましい。
【0025】さらに、Pt層とCo磁性層の膜厚は、両
層の膜厚の和が100〜10000オングストロームと
なる範囲内でもよい。
【0026】また、第I層2の母材を構成するPt層、
第II層3の母材を構成するCo層を形成する方法は、
スパッタリングの他、真空蒸着法等を用いることもでき
る。さらに、第II層3はCo単体のかわりとして、C
o−Cr、Co−Ni、Co−Cr−Ni、Co−Cr
−Ta、その他の合金を用いることができる。
【0027】また、基体として上記実施例では、シリケ
ートガラスからなるガラス基板1を用いたが、これは、
他のガラス、例えば、アルミノシリケートガラス、ボレ
ートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス等で構
成してもよいし、ガラスに限らず、Al、Ti等の金属
やこれらの合金、あるいは、カーボン、シリコン、プラ
スチック(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカ
ーボネイト等)等を用いることもできる。
【0028】実施例2 この実施例は、上述の実施例1では、第I層2の母材を
構成するPt層と第II層3の母材を構成するCo層と
の相互拡散を行うのにガラス基板1を加熱する方法を用
いたが、このガラス基板1を加熱するかわりに、成膜中
に母材薄膜に電界を形成させるようにしたもので、その
外は実施例1と全く同一の構成を有するものである。し
たがって、以下では同一の構成についての説明は省略
し、母材薄膜に電界を形成させる方法を中心に説明す
る。
【0029】図4は母材薄膜に電界を形成させる方法の
説明図である。図4において、スパッタ用RF電源Aか
らRFスパッタ電力(13.56MHz、200W)を
コンデンサCを通じてターゲット(カソード)の側から
印加する点は、通常のスパッタ法と同じであり、実施例
1においてもこの方法を採用している。この実施例が通
常のスパッタ法と異なる点は、ガラス基板1(アノー
ド)の側からコンデンサDを介してバイアス用RF電源
BからRFバイアス電力(13.56MHz、500
W)を印加する点である。図4に示されるように、ガラ
ス基板1にコンデンサDを介してRFバイアス電力を印
加することによって、基板1が負の電位となる。これに
よって、このガラス基板1上に形成された母材薄膜に電
界が形成され、母材間における相互拡散が促進されるこ
とになる。なお、ガラス基板1(アノード)の電位は、
RFバイアス電力とコンデンサDの容量とで決定され
る。この場合、印加するRFバイアス電力が100W未
満では効率的な相互拡散を得ることができず、一方、5
00Wをこえると、それ以上電力を大きくしても拡散効
率が上がらないので、RFバイアス電力は、100〜5
00W程度に設定すればよい。
【0030】この実施例によっても上述の実施例1と同
様の磁気特性を有する磁性層30を備えた磁気記録媒体
を得ることができた。
【0031】なお、この実施例では、基体としてガラス
基板1(絶縁体)を用いてRFバイアスを加える例を示
したが、基体として金属等の導電体を用いた場合には、
RFバイアスのかわりにDC(直流)バイアスを加えれ
ばよい。
【0032】実施例3 この実施例は、上述の実施例1と実施例2の方法を組み
合わせたもので、第I層2の母材を構成するPt層と第
II層3の母材を構成するCo層との相互拡散を行うの
に、ガラス基板1を加熱すると同時に、実施例2と同じ
方法によって成膜中に母材薄膜に電界を形成させるよう
にしたもので、その外は全く同一の構成を有するので、
その詳細説明は省略する。
【0033】この実施例ではガラス基板の温度を300
°C(実施例1では400°C)とし、RFバイアス電
力を300W(実施例2では500W)とした。この実
施例によっても上述の実施例1及び実施例2と同様の磁
気特性を有する磁性層30を備えた磁気記録媒体を得る
ことができた。この実施例では、実施例1の場合に比較
してガラス基板1の加熱温度を低くすることができ、ま
た、実施例2に比較してRFバイアス電力を小さく設定
することができる。
【0034】実施例4 図5は本発明の実施例4に係る磁気記録媒体の製造方法
によって製造した磁気記録媒体の断面図である。以下、
図5を参照にしながら実施例4の磁気記録媒体の製造方
法及び磁気記録媒体を説明する。
【0035】図5において、符号4はシリケートガラス
等からなるガラス基板である。このガラス基板4の表面
にはCrを母材としてその一部にPt及びCoが僅かに
拡散された合金からなる第I層5(膜厚;3000オン
グストローム)、並びに、Cr、Pt及びCoが相互に
所定の組成比で拡散された第II層6及び第III層7
が順次形成されている。この場合、第II層6はPtを
母材としてこれにCr及びCoを拡散したもの(膜厚;
50〜230オングストローム)であり、また、第II
I層7はCoを母材としてこれにPt及びCrを拡散し
たもの(膜厚;270〜450オングストローム)であ
り、第II層6と第III層7とは、両者合わせた総膜
厚が約500オングストロームである。これら第I層
5、第II層6及び第III層7は一体となってCoP
tCr系の磁性層70を構成しているものである。
【0036】この構成の磁気記録媒体は、次のようにし
て製造したものである。
【0037】まず、ガラス基板4をあらかじめ所定の温
度に加熱しておくか、あるいは、加熱した状態で、該ガ
ラス基板4上に、スパッタリング法によって第I層5の
母材を構成するCr層を形成する。次に、第II層6の
母材を構成するPt層を同様にスパッタリング法によっ
て形成する。次に、このPt層の上に第III層7の母
材を構成するCo層を同様のスパッタリング法によって
形成する。この場合、このPt層及びCo層形成過程に
おいてCr層、Pt層及びCo層の間で相互拡散を行わ
せる。これによって、Cr、Pt及びCoが相互に所定
の組成比で拡散された第II層6及び第III層7を形
成し、磁性層70を形成したものである。
【0038】磁性層70の組成及び磁気特性は、上記第
II層6及び第III層7を形成する際のスパッタリン
グ条件(背圧、スパッタガス圧、RF(高周波)電力あ
るいはDC(直流)等の投入パワー)、基板加熱温度、
第II層6の膜厚と第III層7の膜厚とを加え合わせ
た膜厚(Pt膜厚+Co膜厚)、並びに、第II層6
(Pt母材層)の膜厚と第III層7(Co母材層)の
膜厚との比(Pt膜厚/Co膜厚)の諸条件によって決
まる。
【0039】図6は上述の実施例4において、スパッタ
リング条件、基板加熱温度及び膜厚(Pt膜厚+Co膜
厚)の各条件を一定に保持した場合の「Pt膜厚/Co
膜厚」に対する「CoPt磁性膜中のPt濃度(at
%)」の関係を示したグラフである。また、図7は上述
の実施例4においてスパッタリング条件、基板加熱温度
及び膜厚(Pt膜厚+Co膜厚)の各条件を一定に保持
した場合の「Pt膜厚/Co膜厚」に対する「保磁力H
c」及び「残留磁化Mr」の関係を示したグラフであ
る。なお、図6においては、横軸が「Pt膜厚/Co膜
厚」(無単位)であり、縦軸が「CoPt磁性膜中のP
t濃度」(単位;原子%(at%))である。また、図
7においては、横軸が「Pt膜厚/Co膜厚」(無単
位)、右縦軸が保磁力Hc(単位;Oe)、左縦軸が残
留磁化Mr(単位;emu/cc)であり、○印のプロ
ット点が保磁力を示し、●印のプロット点が残留磁化を
示している。さらに、図6及び図7のいずれの場合も、
条件を以下の通りとした。
【0040】スパッタリング条件 背圧 ;1.0×10-6(Torr) スパッタガス圧 ;5.0×10-3(Torr) RF(高周波)電力 ;200W 基板加熱温度 ;400°C 膜厚(Pt膜厚+Co膜厚);500オングストローム 組成測定;X線光電子分光法(ESCA)による測定 図7のグラフから明らかなように、磁性層70における
第II層6及び第III層7の組成は、Pt膜厚/Co
膜厚の値を変えることにより、容易にCoとPtとの組
成を制御することができ、また、図3から明らかなよう
に、Pt厚/Co膜厚=0.1〜0.2の範囲内になる
ように制御することにより、保磁力Hc=2200(O
e)以上、残留磁化Mr=700(emu/cc)以
上、残留磁化・膜厚積;Mr・δ=3.5×10-3(e
mu/cm2 )(δは第II層6の膜厚と第III層7
の膜厚と加えた膜厚)以上の高密度磁気記録に好適な磁
性層が得られることがわかる。
【0041】なお、上述の実施例ではあらかじめガラス
基板を加熱しておくかあるいは加熱した状態で、Pt層
及びCo磁性層を順にスパッタリングする方法を用いた
が、これは、スパッタリング後に加熱して熱拡散させる
ようにしてもよい。
【0042】また、ガラス基板1の加熱温度は、90℃
未満では効率的な相互拡散が起こらず、また、500℃
以上ではガラス基板の変形が起こるため、90〜500
°Cの範囲内に設定することが望ましい。
【0043】実施例5 この実施例は、上述の実施例4では、第I層5の母材を
構成するCr層、第II層6の母材を構成するPt層及
び第III層7の母材を構成するCo層との相互拡散を
行うのにガラス基板1を加熱する方法を用いたが、この
ガラス基板1を加熱するかわりに、成膜中に母材薄膜に
電界を形成させるようにしたもので、その外は実施例4
と全く同一の構成を有し、また、母材薄膜に電界を形成
させる方法は実施例2と全く同一であるのでその説明は
省略する。
【0044】この実施例によっても上述の実施例4と同
様の磁気特性を有する磁性層70を備えた磁気記録媒体
を得ることができた。
【0045】実施例6 この実施例は、上述の実施例4と実施例5の方法を組み
合わせたもので、第I層5の母材を構成するCr層、第
II層6の母材を構成するPt層及び第III層7の母
材を構成するCo層との相互拡散を行うのにガラス基板
1を加熱すると同時に、実施例2と同じ方法によって成
膜中に母材薄膜に電界を形成させるようにしたもので、
その外は全く同一の構成を有するので、その詳細説明は
省略する。
【0046】この実施例ではガラス基板の温度を300
°C(実施例4では400°C)とし、RFバイアス電
力を300W(実施例5では500W)とした。この実
施例によっても上述の実施例4及び実施例5と同様の磁
気特性を有する磁性層70を備えた磁気記録媒体を得る
ことができた。この実施例では、実施例4の場合に比較
してガラス基板1の加熱温度を低くすることができ、ま
た、実施例5に比較してRFバイアス電力を小さく設定
することができる。
【0047】なお、上述の実施例1〜3における第I層
2及び実施例4〜6の第II層6を構成する物質として
は、Pt単体の替わりとして、Ptに、Ti,Zr,H
f,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Fe,Ni,
B,C,Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,S
mを添加したPt2元系合金、PtBに、Ti,Zr,
Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Fe,Ni,
C,Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを
添加したPt3元系合金、PtCrに、Ti,Zr,H
f,V,Nb,Ta,Mo,W,Fe,Ni,B,C,
Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加
したPt3元系合金、PtFeに、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,B,C,S
i,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加し
たPt3元系合金、PtZrに、Ti,Hf,V,N
b,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,C,S
i,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加し
たPt3元系合金、 PtNiにTi,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Fe,B,C,S
i,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加し
たPt3元系合金、PtPd、にTi,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,
C,Si,Ge,Re,Cu,P,Nd,Smを添加し
たPt3元系合金、PtReに、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,
C,Si,Ge,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加し
たCo3元系合金、PtSmに、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,
C,Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,Ndを添加し
たCo3元系合金、PtSmに、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,
C,Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,Ndを添加し
たCo3元系合金等を用いることができる。
【0048】また、上述の実施例1〜3における第II
層3及び実施例4〜6の第III層7を構成する物質と
しては、Co単体の替わりとして、Coに、Ti,Z
r,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Fe,N
i,B,C,Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,N
d,Smを添加したCo2元系合金、Co単体およびC
o2元系合金の替わりとして、CoBに、Ti,Zr,
Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Fe,Ni,
C,Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを
添加したCo3元系合金、CoCrに、Ti,Zr,H
f,V,Nb,Ta,Mo,W,Fe,Ni,B,C,
Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加
したCo3元系合金、CoFeにTi,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,B,C,S
i,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加し
たCo3元系合金、CoZrに、Ti,Hf,V,N
b,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,C,S
i,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加し
たCo3元系合金、CoNiに、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Fe,B,C,S
i,Ge,Re,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加し
たCo3元系合金、CoPdに、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,
C,Si,Ge,Re,Cu,P,Nd,Smを添加し
たCo3元系合金、CoReに、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,
C,Si,Ge,Pd,Cu,P,Nd,Smを添加し
たCo3元系合金、CoSmに、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,
C,Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,Ndを添加し
たCo3元系合金、CoSmに、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ni,Fe,B,
C,Si,Ge,Re,Pd,Cu,P,Ndを添加し
たCo3元系合金等を用いることができる。
【0049】さらに、上述の実施例4〜6における第I
層7を構成する物質としては、Crのかわりに、Ti,
V,Mn,Fe,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Z
r,Nb,Mo,Te,Ru,Rh,Pd,Ag,C
d,In,Sn,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,
Au,Tl,Bi,CrTi,CrW,CrZn,Ti
V,TiZr,CaW等を用いてもよい。
【0050】また、上述の実施例1〜3における第I層
2と第II層3との形成順序、並びに実施例4〜6の第
II層6と第III層7との形成順序は入れかえて作製
してもよい。
【0051】さらに、本発明の磁性層を構成する薄膜と
しては、金属以外であっても相互に拡散が可能な物質か
らなるものであれば、その種類を限定されるものではな
い。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、基板上
に磁性層を有する磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体
の製造方法において、磁性層を形成する工程には、基板
上に複数の薄膜を積層させる薄膜形成工程と、これら複
数の薄膜に含まれる物質を他の薄膜中に拡散させる拡散
工程とを含むことを特徴としたもので、これにより、磁
気特性のすぐれた磁気記録媒体を比較的容易に製造でき
る磁気記録媒体の製造法及び磁気記録媒体を得ているも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る磁気記録媒体の製造方
法によって製造した磁気記録媒体の断面図である。であ
る。
【図2】実施例1における「Pt膜厚/Co膜厚」に対
する「CoPt磁性膜中のPt濃度(at%)」の関係
を示したグラフである。
【図3】実施例1における「Pt膜厚/Co膜厚」に対
する「保磁力Hc」及び「残留磁化Mr」の関係を示し
たグラフである。
【図4】母材薄膜に電界を形成させる方法の説明図であ
る。
【図5】本発明の実施例4に係る磁気記録媒体の製造方
法によって製造した磁気記録媒体の断面図である。であ
る。
【図6】実施例4における「Pt膜厚/Co膜厚」に対
する「CoPt磁性膜中のPt濃度(at%)」の関係
を示したグラフである。
【図7】実施例4における「Pt膜厚/Co膜厚」に対
する「保磁力Hc」及び「残留磁化Mr」の関係を示し
たグラフである。
【符号の説明】
1,4…ガラス基板、2,5…第I層、3,6…第II
層、30,70…磁性層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に磁性層を有する磁気記録媒体を
    製造する磁気記録媒体の製造方法において、 前記磁性層を形成する工程には、基板上に複数の薄膜を
    積層させる薄膜形成工程と、これら複数の薄膜に含まれ
    る物質を他の薄膜中に拡散させる拡散工程とを含むこと
    を特徴とした磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方
    法において、 前記拡散工程は、前記複数の薄膜を加熱する処理を含む
    ものであることを特徴とした磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載の磁
    気記録媒体の製造法において、 前記拡散工程は、前記複数の薄膜中に電界を形成させつ
    つ行うものであることを特徴とした磁気記録媒体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の磁
    気記録媒体の製造法において、 前記薄膜形成工程と、前記拡散工程とを同時に行うこと
    を特徴とした磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の磁
    気記録媒体の製造法において、 前記複数の薄膜の少なくとも1つがCo単体またはCo
    を主成分とする合金を含む材料から構成され、他の少な
    くとも1つがPt単体またはPtを主成分とする合金を
    含む材料から構成されているものであることを特徴とし
    た磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 基板と、この基板上に形成された磁性層
    とを有する磁気記録媒体であって、請求項1ないし5の
    いずれかに記載の製造方法によって製造したことを特徴
    とする磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340418A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Mitsubishi Materials Corp ヒロック発生のない白金合金膜およびその白金合金膜を形成するためのスパッタリングターゲット

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