JPH061176Y2 - パチンコ機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、景品球の放出個数の異なる二つの景品球ケー
スを備えたパチンコ機に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、パチンコ機にあっては、周知のように景品球タン
ク内の景品球を景品球ケースへ導き、入賞球の発生ごと
に一定数の景品球を放出するようにしている。また、最
近では、遊技の興趣を高めるべく景品球の放出個数の異
なる二つの景品球ケースを設け、入賞球の種類によって
景品球の放出個数を異ならせるようにする傾向にある。
このため、メーカーとしては遊技場の要望に対応するべ
く二種類のパチンコ機を準備しなければならない不便さ
があった。

そこで、本出願人は、景品球タンクの下方に、第１の景
品球ケース及び第２の景品球ケースへ景品球を導く球流
路が形成された景品球誘導樋を配置すると共に、その第
２の景品球ケースへ景品球を導く球流路に嵌合体を取外
し自在に装着するように構成し、該嵌合体を装着した状
態では景品球を第１の景品球ケースのみに導き、嵌合体
を取外すことによって第１の景品球ケース及び第２の景
品球ケースの両方へ導くことができるようにしたパチン
コ機を既に実願昭６３−１３９５７号によって提案し
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、前述の従来技術においては、それぞれの球流
路の底部に景品球タンク内の景品球の減少によって上方
へ回動し、球止め機構を働かせたりランプ表示用のスイ
ッチをＯＮさせるための球重量検知板が設けられている
場合、球流路に嵌合体を装着したときにその球重量検知
板が上方へ回動したまゝの状態に置かれているとランプ
が点灯したまゝになったり球止め機構が働いてしまう等
の不都合が生じる。

本考案は、上記事情に鑑みて提案されたもので、嵌合体
を装着した場合に球重量検知板を常に不作用位置に押圧
保持し得るようにしたものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案のパチンコ機においは、景品球タンクの下方に、
該景品球タンクク内の景品球を第１の景品球ケース及び
第２の景品球ケースへ導く球流路が形成され、そのそれ
ぞれの球流路の底部に景品球タンク内の景品球が減少す
ると上方へ回動する球重量検知板を設けた景品球誘導樋
を配置する。そして、前記第２の景品球ケースへ景品球
を導く球流路に嵌合体を取外し自在に装着して景品球タ
ンク内の景品球を第１の景品球ケースのみに導くように
すると共に、該嵌合体に重錘を設けてその重量により球
重量検知板を常に不作用位置に押圧保持するようにした
ものである。

〔作用〕

第２の景品球ケースへ景品球を導く球流路に嵌合体を装
着することによって景品球タンク内の景品球が第１の景
品球ケースのみに導かれる。また嵌合体を球流路から取
外すことによって景品球タンク内の景品球が第１の景品
球ケース及び第２の景品球ケースの両方へ導かれること
になる。

また、嵌合体に設けた重錘は、球重量検知板を常に不作
用位置に押圧保持するように機能する。

〔実施例〕

本考案の実施例について図面を参照して説明する。

第１図は本考案の一実施例のパチンコ機の正面図であ
る。１はパチンコ機の機枠で、その機枠１の前面には前
面枠２が開閉自在に装着されている。前面枠２の前面に
はガラス枠３と前面板４が開閉自在に装着され、その前
面板４の前面に上部の球受皿５が設けられている。前面
枠２の下方には下部の球受皿６が形成され、その側部に
は打球操作用のハンドル７、変動時間短縮ボタン８がそ
れぞれ設けられる。９は遊技盤で、そのガイドレール10
で囲まれた前面の中央に可変表示装置11が設けられる。
また遊技盤９の下方部には可変表示装置11をスタートさ
せる始動入賞口12,12、可変表示装置11の表示様態に応
じて入賞球が入り易いように開放する変動入賞装置13及
び複数の一般入賞口14が設けられている。15はアウト口
である。

可変表示装置11は、三桁のセグメント表示部16a〜16cを
具備している。このセグメント表示部16a〜16cは、遊技
球が始動入賞口12,12に入賞すると作動を開始し、タイ
マーで設定された一定時間後又はその一定時間内に遊技
者によって変動時間短縮ボタン８が押されると更新を停
止する。そして、このときのセグメント表示部16a〜16c
の組合せが判定回路により遊技球が入り易い特賞状態を
付与するように定められたものか否かを判定し、その判
定結果によって変動入賞装置13の変化開成態様が定めら
れる。

変動入賞装置13は、第11図に示すように取付基板17の上
方部に横長の球入口18が形成され、その球入口18の前面
には扉状の球受部材20が前面側へ開閉自在に設けられ
る。球受部材20は下辺両側が軸19により球入口18の下側
辺部に軸支されており、取付基板17の裏面に固定された
ソレノイド21の駆動によって球入口18を開成したり閉成
したりする。

第２図は本考案の一実施例のパチンコ機の裏面図であ
る。遊技盤９の裏面には機構板22が回動自在に装着され
る。機構板22は、遊技盤９の裏面から一定間隔で離れて
入賞球空間を形成する板状部22aを有し、その板状部22a
の前面下方部すなわち遊技盤９の裏面に相対する面に、
変動入賞装置13、一般入賞口14に入った入賞球を集合す
る第１の入賞球集合部23を形成している。そして、この
第１の入賞球集合部23と並べて機構板22の裏面に樋部材
24を固着し、この樋部材24によって始動入賞口12,12に
入った入賞球を集合する第２の入賞球集合部25を形成し
ている。

また、機構板22の板状部22aの裏面上方部には景品球タ
ンク26が配設される。景品球タンク26の下方には該タン
ク26内の景品球を導き出す景品球誘導樋27が形成され
る。景品球誘導樋27は、第３図に示すように上面と取付
面側とを開放した樋状に形成されると共に、底部から仕
切壁39,40を突出させて３条の球流路27a〜27cを設け、
さらに開放側面と反対側の側面を膨出させて球流路27c
に対する誘導部41を設けている。そして、仕切壁39の上
縁には景品球タンク26の落口26aに対応する位置に切欠
部42が形成され、３条の球流路27a〜27cを連通状として
いる。また、景品球タンク26の下方に位置した球流路27
a,27b及び27cの底部には球重量検知板43及び44が軸50に
より回動可能に軸支されている。前記球流路27a,27bに
設けられた球重量検知板43は、下方に突出する腕43aを
有し、略中間が軸54で軸支されたリンク51の一端に枢着
されている。リンク51の他端には昇降扞52の上端が連結
されており、これの下端は直角に折曲げられて遊技盤９
の前面に突出し、前面板４の裏面に一端が軸支された開
閉レバー53の他端下面に下方から係合可能なように位置
する。開閉レバー53は、上部の球受皿６と連通状に前面
板４に穿設され、球受皿６の打球を自動球送り装置54を
介してガイドレール10の発射位置へ送り込むための供給
口55を開閉する球止片56が形成されている。そして、前
記球重量検知板43、リンク51、昇降扞52及び開閉レバー
53とによって球止め機構が構成される。

この球止め機構は、景品球タンク26内に景品球が貯溜さ
れているとき、球重量検知板43がその球重量を受けて第
６図実線位置に置かれており、昇降扞52はリンク51を介
して上方へ引上げられている。このため、開閉レバー53
はこれらの端部下面に係合する昇降扞52の下端によって
上方へ回動されて供給口55を開放する位置に保持されて
いる。

また、前記球流路27cに設けられた球重量検知板44は下
面にスイッチ58に対応する接触片59が設けられている。
この球重量検知板44は、景品球タンク26内に景品球が貯
溜されているとき、その球重量によって第７図実線位置
に置かれており、その接触片59で表示部62の球切れラン
プ63に接続されたスイッチ58の押ボタン60を押圧して該
スイッチ58をＯＦＦ状態にしている。また、球重量検知
板44は、軸50に巻装したコイルばね61によって常に上向
回動するように付勢されている。そして、前記景品球誘
導樋27は、屈曲樋28、縦樋29を介して第１の景品球ケー
ス30及び第２の景品球ケース31に接続される。尚、景品
球誘導樋27の各球流路27a〜27cの底部にはゴミ等の異物
を排除するための開口溝45が形成されている。

第１，第２の景品球ケース30,31は同じ構成を有するも
のであり、第９図に示すように上下端が開口した垂直筒
形の固定ケース部30a,31aと、該固定ケース部30a,31aの
それぞれ上下端に臨む上方弁30b,31b及び下方弁30c,31c
と、上下に移動可能に設けられる放出作動体30d,31d
と、一端が放出作動体30d,31dの係合凹部30e,31eに臨む
横向きな作動扞30f,31fとで大略構成される。そして、
第１の景品球ケース部30aには景品球誘導樋27の２条の
球流路27a,27bが連通されて13個の景品球が２列で縦列
収容され、第２の景品球ケース31の固定ケース部31aに
は景品球誘導樋27の１条の球流路27cが連通されて７個
の景品球が１列で縦列収容される。

また、前記第１の入賞球集合部23及び第２の入賞球集合
部25の出口と連通状に第１の入賞球排出処理装置32及び
第２の入賞球排出処理装置33が設けられる。これら第
１，第２の入賞球排出処理装置32,33は、第10図に示す
ようにモータ34によって定速回転するカム32a,33aと、
該カム32a,33aに接触して揺動する球送りアーム32b,33b
と、該球送りアーム32b,33bによって入賞球排出通路35,
36に排出される入賞球で押されて回動する揺動部材32c,
33cとにより大略構成され、これら揺動部材32c,33cと前
記第，、第２の景品球ケース30,31の作動扞30f,31fとを
縦ロッド37,38によってそれぞれ連結している。

しかして、46は前記景品球誘導樋27の球流路27cに着脱
自在に嵌合する嵌合体で、合成樹脂材料により細長い棒
状に形成される。この嵌合体46は、横幅が球流路27cの
横幅とほぼ等しく、横方向長さが景品球誘導樋27の誘導
部41よりもやゝ長く選ばれる。また、嵌合体46の上面
は、下流端に形成した球止部47を除いて誘導部41及び仕
切壁39の上縁と同一平面となるように切欠部42に対応す
る部分が球流路27b方向に向かう傾斜面48として形成さ
れる。また、嵌合体46の下面には開口溝45から下方へ突
出する突起部49が形成され、さらに球流路27cの上流側
に位置する端部には重錘64が設けられている。この重錘
64は、嵌合体46を球流路27cに装着した場合に球重量検
知板44を第７図実線位置に示す不作用位置に確実に押圧
保持する機能を果たす。また、前記突起部49は嵌合体46
の移動を防ぐと共に、上方へ押し上げることで嵌合体46
の取外しを容易にする機能を有する。

本考案は、上記のような構成であり、第２の景品球ケー
ス31へ景品球を導く景品球誘導樋27の球流路27cに嵌合
体46が装着されていない状態のとき、景品球タンク26内
の景品球はそのま落口26aから景品球誘導樋27の３条の
球流路27a〜27cに導出され、屈曲樋28，縦樋29を介して
第１，第２の景品球ケース30,31の固定ケース部30a,31a
にそれぞれ導入される。

従って、第１の入賞球集合部23から第１の入賞球排出処
理装置32に入賞球が送られると、揺動部材32cの揺動に
よって第１の景品球ケース30の作動扞30fが縦ロッド37
を介して上向回動し、これによって放出作動体30dを上
方へ移動させると共に、上方弁30b，下方弁30cを交互に
開閉させて固定ケース部30a内の13個の景品球を景品球
排出樋65に放出する。また、第２の入賞球集合部25から
第２の入賞球排出処理装置33に入賞球が送られると、揺
動部材33cの揺動によって第２の景品球ケース31の作動
扞31fが縦ロッド38を介して上向回動し、これによって
放出作動体31dを上方へ移動させると共に、上方弁31b，
下方弁31cを交互に開閉させて固定ケース部31a内の７個
の景品球を景品球排出樋65に放出する。

一方、景品球タンク26内の景品球が減少すると、球重量
検知板43がリンク51に設けた重錘57によって第６図鎖線
のように上向回動し、同時に昇降扞52がリンク51を介し
て下降することになり、これによって開閉レバー53も自
重で下向回動し、その球止片56によって供給口55を閉鎖
して球受皿６の打球を図示しない自動球送り装置内へ流
入させないようにする。また球重量検知板44は、軸50に
巻装したコイルばね61によって第７図鎖線のように上向
回動し、接触片59によるスイッチ58の押ボタン60の押圧
を解除して該スイッチ58をＯＮ状態にすると同時に表示
部62の球切れランプ63を点灯させる。

前記のように構成された本実施例のパチンコ機におい
て、景品球誘導樋27の球流路27cに嵌合体46を装着する
と、景品球タンク26内の景品球はその落口26aから嵌合
体46の上面に載って球流路27a,27bに導出されるに止ま
り、第１の景品球ケース30のみに景品球が導かれること
になる。そして、嵌合体46は、その重錘64によって球重
量検知板44をコイルばね61の付勢に抗して第７図実線で
示す下向回動した不作用位置に確実に押圧保持する。こ
のため、スイッチ58の押ボタン60が景品球タンク26内の
景品球の減少に関係なく常に接触片59により押圧された
ＯＦＦ状態に維持されるもので、これによって、入賞球
をすべて第１の入賞球集合部23に集合させるようにすれ
ば、１つの景品球ケースを備えるだけの通常のパチンコ
機に容易に変更させることができるのである。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案によれば、景品球タンクの下方に
配置される景品球誘導樋に、２つの景品球ケースへ景品
球を導く球流路を備えさせると共に、一方の球流路に嵌
合体を装着したり取外したりすることによって１つの景
品球ケースのみを備える通常のパチンコ機又は入賞球の
種類によって景品球の個数を異ならせるようにしたパチ
ンコ機のいづれにも容易に変更することができるように
構成したので、従来のように二種類のパチンコ機を準備
する必要が全くなくなりその経済的効果は誠に多大であ
る。

また、特に本考案によれば、嵌合体に重錘を設けて、そ
の重錘により景品球タンク内の景品球の減少に関係して
上方へ回動し球止め機構又は球切れランプを点灯させる
球重量検知板を不作用位置に確実に押圧保持し得るよう
に構成したので、機種の変更に応じて球止め機構又は表
示ランプ機構を確実に連係作動させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図はパチン
コ機の正面図、第２図はパチンコ機の裏面図、第３図は
景品球誘導樋の斜視図、第４図は嵌合体を装着した状態
の景品球誘導樋の斜視図、第５図は嵌合体の斜視図、第
６図及び第７図は景品球誘導樋に嵌合体を装着した状態
を一部断面にして示す要部の正面図、第８図は景品球誘
導樋に嵌合体を装着した状態を示す要部の側断面図、第
９図は第１，第２の景品球ケース部分の斜視図、第10図
は第１，第２の入賞球排出処理装置部分の斜視図、第11
図は変動入賞装置の斜視図である。 26…景品球タンク、27…景品球誘導樋、27a〜27c…球流
路、30…第１の景品球ケース、46…嵌合体、64…重錘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】景品球タンクの下方に、該景品球タンク内
   の景品球を第１の景品球ケース及び第２の景品球ケース
   へ導く球流路が形成され、そのそれぞれの球流路の底部
   に景品球タンク内の景品球が減少すると上方へ回動する
   球重量検知板を設けた景品球誘導樋を配置し、前記第２
   の景品球ケースへ景品球を導く球流路に嵌合体を取外し
   自在に装着して景品球タンク内の景品球を第１の景品球
   ケースのみに導くようにすると共に、該嵌合体に重錘を
   設け、その重量により球重量検知板を不作用位置に押圧
   保持するようにしたことを特徴とするパチンコ機。