JPH06117130A - 地下立体駐車場およびその構築方法 - Google Patents

地下立体駐車場およびその構築方法

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JPH06117130A
JPH06117130A JP4267681A JP26768192A JPH06117130A JP H06117130 A JPH06117130 A JP H06117130A JP 4267681 A JP4267681 A JP 4267681A JP 26768192 A JP26768192 A JP 26768192A JP H06117130 A JPH06117130 A JP H06117130A
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Masayoshi Sasaguchi
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Hideo Kobayashi
英夫 小林
Harunori Arakawa
治徳 荒川
Toru Nakagawa
徹 中川
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Hitachi Zosen Corp
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Hitachi Zosen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 構築すべき地下立体駐車場8の柱17,梁1
8,19を、構築すべき所定の位置に構築しつつ、柱1
7,梁18,19を周囲外壁12aへの外圧を支持する
支持部材の棚杭,切梁等として用いて、掘削穴12の周
囲外壁12aの地盤崩壊防止のための山止め工事を行
う。そして、周囲外壁12aの内周にコンクリートを打
設して地下外壁13を形成し、コンクリートが所定の強
度を発現した後に不要部を除去し、地下立体駐車場8の
エレベータ部11,床部20などを架設して、構築すべ
き地下立体駐車場8を構築する。 【効果】 仮設材の設置,解体・撤去作業を省略するこ
とができ、工期を大幅に短縮化することができる。ま
た、解体・撤去作業時の足場作業がなくなるので、安全
性が向上する。さらに、仮設材を用いないので、材料コ
ストを低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深度の大きい軟弱な地
盤下などに立体駐車場を構築するのに好適な地下立体駐
車場およびその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地盤中に地下立体駐車場を構築す
る場合には、図9に示したように、地盤面下の土を掘削
して穴1を造成する根切り工事を行い、これと並行し
て、掘削の際に穴1の周囲外壁1aの地盤崩壊防止のた
めに山止め工事を行う。山止め工事では、山止め親杭
2,矢板3,切梁4,腹起し5,及び棚杭6等の仮設材
7を仮設し、これらの仮設材7により、穴1の周囲外壁
1aにかかる土圧,水圧,地震等による外力を支持させ
る。
【0003】次いで、コンクリートを穴1の周囲外壁1
aに打設し、この周囲外壁1aのコンクリートに所定の
強度が発現した後に、山止め工事に使用した前記仮設材
7を解体、撤去する。この後、新たに地下立体駐車場の
骨組構築のための本設用の資材などを資材搬入のために
限定して設けた穴1内に搬入し、骨組を構成する梁、及
び柱を架設して、穴1内に地下立体駐車場を構築してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
地下立体駐車場の構築方法には、以下のような問題が存
在する。まず、従来、地盤中に造成した穴1内に、コン
クリートを打設し、このコンクリートに所定の強度が発
現してから山止め工事に用いた仮設材7を撤去し、その
後に穴内に構築すべき地下立体駐車場の骨組を構築して
いた。この時、地盤中に造成された穴1の深さに応じ
て、仮設材7の切梁4が、多段の構成となるので、山止
め工事に使用した仮設材7を解体、撤去するためには、
各段において、解体すべき仮設材7の直下まで打設した
コンクリートに所定の強度が発現してから解体する必要
がある。したがって、地下立体駐車場の構築の工期が長
期化するという問題がある。また、解体を行う各段にお
いて、部材解体用の作業足場を設ける必要があるので、
作業の安全性に問題がある。
【0005】さらに、地盤中深くまで地下立体駐車場を
構築する場合には、地下立体駐車場に、永久土圧,水
圧,地震等の外力に対する強度を持たせるために、穴内
の中間部に、中間梁や中間スラブを架設する必要があ
る。このため、この中間梁や、中間スラブを設けるため
の、架設費用が多大となると共に、相応の工期を要し工
期が長期化するという問題があった。本発明は、上記の
ような問題を鑑みて、狭い敷地等に地下立体駐車場を構
築する場合においても、材料コストを低減し、工期を短
縮すると共に、十分な強度を有する地下立体駐車場を構
築することのできる地下立体駐車場およびその構築方法
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
地盤中に構築された地下立体駐車場であって、車輛収納
部を構成する骨組が山止め部材として構築されているこ
とを特徴としている。
【0007】請求項2に係る発明は、地盤中に構築され
る地下立体駐車場の構築方法であって、地盤を掘削しつ
つ、掘削部内に車輛収納部を構成する骨組を構築し、該
骨組を地盤掘削時の地盤崩壊防止のために実施する山止
め工事用の切梁、棚杭とすることを特徴としている。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明では、地下立体駐車場の車
輛収納部を構成する骨組が、山止め部材として構築さ
れ、この骨組により、掘削部内の周囲該壁部にかかる外
力を支持する。
【0009】請求項2記載の発明では、地盤を掘削しつ
つ、掘削部内に車輛収納部を構成する骨組を構築し、該
骨組を地盤掘削時の地盤崩壊防止のために実施する山止
め工事用の切梁、棚杭等の支持部材として用いる。これ
らの骨組構成部材により、地盤に掘削した穴の周囲外壁
部にかかる土圧,水圧,地震などによる外力を支持し、
地盤崩壊を防止する。そして、地盤に掘削した穴の内周
にコンクリートを打設し、コンクリートが所定の強度を
発現した後に構築すべき地下立体駐車場が完成する。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照して
説明する。ここで、従来例として示した図9と共通する
部分については、同一符号を付してある。図1および図
2は、本発明に係る地下立体駐車場8を示すものであ
る。地下立体駐車場8は、外壁部9と、車輛収納部を構
成する骨組部(骨組)10と、鉛直方向に上下自在なエ
レベータ部11とから構成されている。
【0011】外壁部9は、駐車場を構築すべき位置の地
盤を掘削して形成された断面ほぼ矩形の掘削穴12と、
この掘削穴12の内周に沿って設けられた所定の厚さの
地下外壁13と、この地下外壁13によって囲まれた地
下空間14の下面に設けられた基礎部15と、この地下
空間14の上面に設けられた天井部16(図1)とから
構成されている。さらに、基礎部15には、エレベータ
ピット15a(図1)が形成されている。これら地下外
壁13,基礎部15,天井部16(図1)は、所定の厚
さの鉄筋コンクリートにより形成されている。
【0012】地下空間14内に設けられた骨組部10
は、柱17と、梁18,19と、車両載置フレーム20
と、腹起し材21(図2),22とから概略構成されて
いる。これらの柱17、梁18,19、腹起し材21,
22にはH鋼が用いられている。
【0013】柱17は、前記地下空間14の鉛直上下方
向に延在して、所定間隔で複数設けられている。柱17
は、図2に示すように、その下端部は基礎部15に固定
され、上端部は天井部16に固定,または自由端とされ
ている。
【0014】図1に示したように、この柱17の延在す
る方向の所定位置の、柱17の延在する方向と直交する
水平面内には、前記地下空間14の短手方向に延在する
梁18,18,…が、所定間隔で並設されている。この
短手の梁18,18,…は、鉛直方向に延在する柱17
に組み合わされて固定されている。この梁18,18,
…上には、前記水平面内において梁18と直交する方
向、すなわち地下空間14の長手方向、に延在する梁1
9,19が所定間隔で並設されている。この梁18と梁
19とは、その各交点において、短手の梁18上に長手
の梁19を載置する形態で組み合わされている。
【0015】梁18の両端部は、図2に示したように、
地下外壁13の周囲部の長手方向に沿って水平に埋め込
まれた腹起し21に固定されている。ここで、短手方向
の梁18と腹起し材21との各交点は、地下外壁13に
埋め込まれており、地下空間14内への漏水を防ぐた
め、漏水防止処理が施されている。
【0016】前記エレベータ部11が設けられている側
の梁19aおよび19bは、図2に示したように、エレ
ベータ部11の両側方に延在する形態で設けられ、それ
ぞれの両端部を、エレベータの両側方に梁19aおよび
19bに直交する方向に延在する短手方向の梁18a,
18aと、地下外壁部13の周囲部の短手方向に沿って
水平に埋め込まれた腹起し材22とに固定されている。
一方、エレベータ部11が設けられている側と反対側の
梁19cは、その両端を、地下外壁13の対向する面に
設けられている腹起し材22,22に固定されている。
ここで、長手方向の梁19と腹起し材22との各交点
は、地下外壁13に埋め込まれており、地下空間14内
への漏水を防ぐため、漏水防止処理が施されている。
【0017】前記腹起し材21,22を構成するH鋼の
ウェブ部には、図3に示すように、多数の穴21a,2
2aが形成されており、この穴21a,22aには地下
外壁13の縦配筋13aが貫通されている。
【0018】また、図2に示したように、前記エレベー
タ部11が設けられている両側方の梁18a,18aに
は、地下外壁13に働く外圧を支持するための控え材2
3がそれぞれ設けられている。この控え材23は、エレ
ベータ部11の側方の梁18aと、長手方向の腹起し材
21と、略二等辺三角形を形成する形態で設けられてい
る。
【0019】控え材23は、図4に示すように、その一
端23aがブラケット24を介して梁18aに固定され
ている。控え材23の他端23bには、アンカー25が
設けられている。このアンカー25は地下外壁13に埋
め込まれ、さらにアンカー25に形成された穴に、地下
外壁13内の横配筋13bが通されることにより、控え
材23にかかるアンカー25を押し引きする方向の力に
対して抵抗する構造とされている。この控え材23によ
り、図2に示した長手方向の梁19aおよび19bを補
強する構造とされている。
【0020】車両載置フレーム20は、図2に示したよ
うに前記梁18に支持されている。車両載置フレーム2
0の中央部20aには、長手の梁19の延在する方向に
沿って、走行レール26が設けられた構造となってい
る。この走行レール26は、図5に示すように、短手方
向の梁18上に、高さ調整用のライナープレート27と
振動防止用の防振ゴム28とを介して設けられている。
この走行レール26上には、走行レール26の延在する
方向に移動自在な図示しない走行台車が載置され、この
走行台車は、駐車すべき車を水平方向に移動させる搬送
装置を備えている。
【0021】また、車両載置フレーム20の両側部20
b,20bは、図2および図6に示すように、短手方向
の梁18上に、長手方向の梁19(図2)の上面と同一
の高さの支持フレーム29が設けられた構造となってい
る。さらに、図2に示したように、この支持フレーム2
9と前記長手方向の梁19との間には、この支持フレー
ム29と等しい高さの面を構成するブレース(筋交い)
30が設けられている。駐車すべき車を載せる駐車用搭
載装置31を、骨組部10(図2)内の駐車スペース
の、これら梁18,支持フレーム29,ブレース30に
より形成される面に載置する構造とされている。
【0022】これら組み合わされた梁18,19および
車両載置フレーム20は、図1に示したように、基礎部
15の上方に、所定間隔で多層(図中においては3層)
に設けられている。また、以上のような構造からなる骨
組部10の各構造材の各交点部は、離脱することのない
ように、ファスナー,高張力ボルト、溶接などにより、
堅固に固定されている。
【0023】前記エレベータ部11は、図2に示したよ
うに、前記地下空間14内に鉛直に延在するエレベータ
ガイドポスト32に移動自在に支持され、地下空間14
内を鉛直方向に移動自在な構造とされている。
【0024】図7に示すものは、図1に示した地下立体
駐車場8の構築途中の状態を示すものである。ここで、
図1に示した地下立体駐車場8との相異点についてのみ
説明する。まず、図1に示したエレベータ部11は未だ
設けられていない。
【0025】また、各層において、エレベータ部11が
設けられている側の長手方向の梁19の、梁19aおよ
び19bの間には、梁33が、梁19aおよび19bと
連続して延ばされている。この梁33の一端33aに
は、梁33の延在する方向に伸縮自在なジャッキ34が
設けられている。
【0026】図1に示した地下立体駐車場8は、以下の
ような利用方法となっている。まず、この駐車場への入
口において、駐車すべき車をエレベータ部11に載せた
後、該エレベータ部11を駐車すべき所定の階に移動さ
せ、図示しない走行台車に備えた搬送装置によりエレベ
ータ部11から車を移載する。
【0027】次いで、走行台車(図示なし)を走行レー
ル26上を移動させて、所定の駐車位置に対向する位置
まで移動させる。
【0028】次いで、走行台車(図示なし)上に載置し
た車を、搬送装置により、支持フレーム29とブレース
30とにより形成される面上の駐車用搭載装置31の所
定の駐車位置に移載する。このようにして、この地下立
体駐車場8は、駐車すべき車を、エレベータ部11およ
び走行台車(図示なし)により、駐車すべき駐車用搭載
装置31まで搬送して、駐車を行う構造となっている。
【0029】次いで、地下立体駐車場8の構築方法につ
いて、図1ないし図9を用いて説明する。まず、設計段
階において、山止め工事に用いる切梁、棚杭、腹起し材
等の位置を、構築すべき地下立体駐車場8の柱17、梁
18,19の位置と一致させて設計を行う。また、山止
め工事の支持部材としては必要でありながら、構築すべ
き地下立体駐車場8には不要となる部分の切梁等は、後
から容易に解体・除去できる構造としておく。さらに、
構築すべき地下立体駐車場8の柱17、梁18,19等
は、山止め工事の支持部材として十分な強度を有するも
のを選定する。
【0030】実際の構築現場においては、まず、地下駐
車場8を構築すべき位置の地盤面の土を掘削して断面ほ
ぼ矩形の掘削穴12を、所定の深さまで形成する根切り
工事を行う。
【0031】この根切り工事と並行して、図9に示した
ように、掘削の際に掘削穴12の周囲外壁12aの地盤
崩壊防止のために山止め工事を行う。この山止め工事で
は、周囲外壁12aに沿って、山止め親杭2を、所定間
隔で多数、鉛直に打ち込む。そして、この多数の山止め
親杭2の間に、矢板3を設け、この山止め親杭2と矢板
3とにより、周囲外壁12aの内周に山止め壁Wを形成
する。
【0032】さらに、腹起し材21,22を、この山止
め親杭2と矢板3とからなる山止め壁Wを補強するため
に、所定の高さに山止め壁Wに沿って水平方向に延在さ
せて設ける。この腹起し材21,22は、図示しないブ
ラケットを介して山止め壁Wの山止め親杭2に固定す
る。
【0033】また、図7に示したように、掘削穴12の
下面に、骨組部10の柱17,17,…を、棚杭とし
て、地下立体駐車場8を構築すべき所定の位置に打ち込
む。
【0034】次いで、骨組部10の梁18,19を、切
梁として、地下立体駐車場8を構築すべき所定の高さに
設けて腹起し材21,22や柱17との各交点において
固定する。この時、梁19aおよび19bの間には、梁
33を梁19aおよび19bに連続させて設ける。この
梁33の一端33aには、梁33の延在する方向に伸縮
自在なジャッキ34を伸張した状態で設ける。
【0035】この梁18,19と腹起し21,22の設
置作業を繰り返して、多層(本実施例では3層)の構成
とし、所定の深さまで形成した掘削穴12内に、構築す
べき地下立体駐車場8の骨組部10を構築する。すなわ
ち、山止め工事施工時に、掘削穴12の周囲外壁12a
の崩壊防止のための山止め壁Wを設け、山止め壁Wにか
かる土圧、水圧等の外圧を、掘削穴12内に構築する地
下立体駐車場8の骨組部10の本設用の柱17,梁1
8,19により支持している構造となっている。
【0036】次に、控え材23を、梁18aと腹起し材
21とに固定する。図4に示したように、控え材23の
一端23bにアンカー25を設け、このアンカー25に
形成されている穴に、横配筋13bを通す。
【0037】次に、図3に示したように、腹起し材2
1,22のウェブ部に形成されている穴21a,22a
に縦配筋を通す。
【0038】この後に、山止め壁Wの内周に沿ってコン
クリートを打設し、所定の厚さの地下外壁13を形成す
ると共に、この地下外壁13によって囲まれた地下空間
14内の下面にもコンクリートを打設して、基礎部15
(図1)を形成し、外壁部9を構築する。以上のような
手順で外壁部9および骨組部10を構築し、地下外壁1
3および基礎部15のコンクリートに所定の強度が発現
した後に、構築すべき地下立体駐車場8は、図7に示し
た状態となる。
【0039】この後に、図1に示したように、地下空間
14内の上面にもコンクリートを打設し、天井部16を
形成する。この時、柱17の最上部の余長は切断する。
さらに、エレベータガイドポスト32を所定の位置に鉛
直に打ち込む。
【0040】次に、図2に示したように、車両載置フレ
ーム20を梁18上に形成する。まず、走行レール26
を、各層の車両載置フレーム20の中央部20aに、長
手の梁19の延在する方向に沿って、図5に示したよう
に、短手方向の梁18上にライナープレート27と防振
ゴム28とを介して敷設する。
【0041】また、支持フレーム29を、図6に示した
ように、各層において、短手方向の梁18上に設ける。
さらに、図2に示したように、この支持フレーム29と
長手方向の梁19との間にブレース30を設ける。この
ようにして車両載置フレーム20を、各層において形成
する。
【0042】次に、骨組部10の不要となる部分を除去
する。まず、図7に示したジャッキ34を徐々に収縮さ
せた後に、切梁33を解体して取り外す。この作業を各
層において同様にして行う。これにより、図2に示した
ように、エレベータピット15aの鉛直上方には、エレ
ベータ部11を設けるべき空間が形成される。この時、
この切梁33が支えていた外圧は、控え材23により負
担されて支持されるため、外圧によって骨組部10や地
下外壁13が変形することはない。
【0043】その後に、エレベータ部11を、エレベー
タガイドポスト32にセットする。さらに、各層の車両
載置フレーム20の各駐車スペースに、駐車用搭載装置
31を載置する。上記のようにして、図1および図2に
示した構築すべき地下立体駐車場8の構築が完了する
【0044】以上、上述したように、構築すべき地下立
体駐車場8の骨組部10の柱17,梁18,19を、構
築すべき所定の位置に構築しつつ、これらの柱17,梁
18,19を、周囲外壁12aへの外圧を支持する支持
部材の棚杭,切梁等として用いて、掘削穴12の周囲外
壁12aの地盤崩壊防止のための山止め工事を行う。そ
して、周囲外壁12aの内周にコンクリートを打設して
外壁部9を形成し、コンクリートが所定の強度を発現し
た後に不要部を除去し、地下立体駐車場8のエレベータ
部11,車両載置フレーム20などを架設することによ
り、構築すべき地下立体駐車場8を構築することができ
る。
【0045】構築すべき地下立体駐車場8の骨組部10
を構築しつつ、骨組部10の柱17や梁18,19を山
止め工事の支持部材として用いる。したがって、従来行
っていた、仮設材の設置,解体・撤去作業を省略して、
山止め工事及び本設の地下立体駐車場の構築を行うこと
ができ、工期を大幅に短縮化することができる。また、
解体・撤去作業時の足場作業がなくなるので、安全性が
向上する。さらに、仮設材を用いないので、材料コスト
を低減することができる。
【0046】また、山止め工事時に、切梁として用いる
梁18,19を、山止め工事の支持部材として十分な強
度を有するものを使用しているので、これらの梁18,
19を地下立体駐車場8の本設として用いると、従来の
本設用の梁と比較して、十分な強度を有し、地下立体駐
車場8の骨組部10自体の強度が向上する。これによ
り、立体駐車場8内に設けるべき柱や梁を省略すること
ができる。したがって、骨組部10内のスペースを有効
に使用することができると共に、材料コストを低減する
ことができる。また、地下立体駐車場8を狭い敷地に地
盤中深くまで構築する場合に、梁18,19が多段の構
成となっても、工期が長期化することなく、地下立体駐
車場8を構築することができる。
【0047】なお、上記実施例において、構築すべき地
下立体駐車場8の各層に梁18,19を設けたが、強度
上、各層の梁間の鉛直方向の間隔が、目的とする用途に
対して大きい場合には、鉛直方向中間部に補助梁を設
け、この補助梁上に床を構成してもよい。
【0048】また、例えば地下外壁13の13c(図
2)部内に、図8に示すように、部屋38を設ける場合
等、切梁の延在する方向と直交する面に間仕切り壁39
を設ける場合には、駐車場に供されない部屋38におい
ては、梁18が邪魔になる。このような場合、ブラケッ
ト40を設けて外圧を間仕切り壁39に伝える構造とし
てもよい。
【0049】また、腹起し材21,22を、地下外壁部
13の周囲部に沿って埋め込んだ構造としたが、これ
を、梁18,19との交点部近傍部分のみを残し、他の
部分を解体・撤去できる構造としてもよい。
【0050】
【発明の効果】請求項1に係る地下立体駐車場によれ
ば、地下立体駐車場の車輛収納部を構成する骨組を、山
止め工事の支持部材として十分な強度を有するものを使
用しているので、これらの梁を地下立体駐車場の骨組の
本設として用いることにより、従来の本設用の梁と比較
して、十分な強度を有し、地下立体駐車場の骨組自体の
強度が向上する。これにより、柱や梁を省略することが
でき、材料コストを低減することができる。
【0051】請求項2に係る地下立体駐車場の構築方法
によれば、山止め工事を行う際に、地下立体駐車場の
柱,梁等の骨組構成部材を山止め工事の支持部材として
用いるので、従来の方法に比較して、仮設材の設置,解
体・撤去作業を省略して、山止め工事及び本設の地下立
体駐車場の構築を行うことができ、工期を大幅に短縮す
ることができる。また、仮設材を用いないので、材料コ
ストを低減することができる。また、仮設材の解体のた
めの足場を用いずにすむので、作業の安全性も向上す
る。さらには、狭い敷地での構築作業に好適な順打工法
により、本発明の地下立体駐車場の構築方法を実現した
うえ、これにより材料搬入搬出の繁雑さが低減されるの
で、都心部などで、地盤の軟弱な狭い敷地における地下
深度の深い地下立体駐車場の構築に際して最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地下立体駐車場の構築方法を用い
て構築した地下立体駐車場を示す立面図である。
【図2】図1に示した地下立体駐車場の平面図である。
【図3】本実施例にかかる梁と腹起し材との交点の構造
を示す斜視図である。
【図4】本実施例にかかる控え材の構造を示す斜視図で
ある。
【図5】本実施例にかかる走行レールの取付け状態を示
す断面図である。
【図6】本実施例にかかる支持フレームを示す断面図で
ある。
【図7】構築途中の地下立体駐車場を示す平面図であ
る。
【図8】梁の支持ブラケットを示す斜視図である。
【図9】山止め工事を示す斜視図である。
【符号の説明】
8 地下立体駐車場 10 骨組部(骨組) 17 柱 18,19 梁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 治徳 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 中川 徹 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中に構築された地下立体駐車場であ
    って、車輛収納部を構成する骨組が、山止め部材として
    構築されていることを特徴とする地下立体駐車場。
  2. 【請求項2】 地盤中に構築される地下立体駐車場の構
    築方法であって、地盤を掘削しつつ、掘削部内に車輛収
    納部を構成する骨組を構築し、該骨組を地盤掘削時の地
    盤崩壊防止のために実施する山止め工事用の切梁、棚杭
    とすることを特徴とする地下立体駐車場の構築方法。
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