JPH06116664A - 硬度が高く加工性に優れる装飾用白金合金 - Google Patents

硬度が高く加工性に優れる装飾用白金合金

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JPH06116664A
JPH06116664A JP26480292A JP26480292A JPH06116664A JP H06116664 A JPH06116664 A JP H06116664A JP 26480292 A JP26480292 A JP 26480292A JP 26480292 A JP26480292 A JP 26480292A JP H06116664 A JPH06116664 A JP H06116664A
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JP
Japan
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hardness
alloy
platinum
workability
platinum alloy
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JP26480292A
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English (en)
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Yoshihiko Isobe
芳彦 礒部
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NIPPON KIKINZOKU KOGYO KK
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NIPPON KIKINZOKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 とくに、Pt:85〜95wt%の装飾用白金合金材
と同じレベルの硬さと加工性とを有し、一方で靱性や鋳
造性にも優れる、Pt:99wt%以上の高級装飾用白金合金
を提供すること。 【構成】 Si:0.15〜0.01wt%を含み、Mo, Mn, Cuおよ
びCoのうちから選ばれる少なくとも1種または2種の元
素を0.10wt%以下含有し、残部が99.0〜99.9wt%のPtと
不可避不純物からなる装飾用白金合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、硬度が高く加工性に
優れる装飾用白金合金に関し、とくにSiまたはGeの固溶
硬化作用を利用して、装飾用白金合金としての必要な硬
度と加工性とを、他の諸特性を犠牲にすることなく改善
してなる、Ptを99wt%以上含有する高級装飾用白金合金
についての提案である。
【0002】
【従来の技術】一般に、装飾に用いられる貴金属、例え
ば白金(以下、「Pt」と略記する)は、その使用目的か
らすれば、純金属のまま用いることが望ましいと言え
る。しかしながら、Ptを純金属のままで使ったのでは、
あまりにも傷つき易くかつ変形しやすいという欠点があ
り、そのために従来、99wt%以上の白金合金が装飾用に
使用されることは少ないのが実情である。
【0003】すなわち、装飾に用いられるPtは、金に比
べると比較的高品位のものが用いられているが、それで
もPt:99wt%以上の高純度のものは非常に少なかった。
一般に、95wt%のPtを含み、他にCu, Ru, IrあるいはCo
を含有する成分組成のものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の装
飾用白金合金は、Ptに対してCuやCo, Ir, Ru等の硬さ改
善成分を数%添加することによって、100Hv 以上の硬さ
を示すように合金設計されているが、そのために99.0wt
%のPtを含むような高純度装飾用白金合金の製造が困難
となっていた。
【0005】そこで、この発明の目的は、従来技術が抱
えている上述した問題を克服することにあり、とくに、
Pt:85〜95wt%の装飾用白金合金材と同じレベルの硬さ
と加工性とを有し、一方で靱性や鋳造性にも優れる、P
t:99wt%以上の高級装飾用白金合金を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上掲の課題を解決するた
めに、本発明者は、まず、高純度Pt材の硬さを向上させ
るべく鋭意研究を進めた結果、硬さ改善成分として、第
IV族Bの元素のうち、SiおよびGeが有効であるとの知見
を得た。すなわち、本発明の第1のものは、Si:0.15〜
0.01wt%、Mo, Mn, Cu, CoおよびTiのうちから選ばれる
少なくとも1種または2種の元素を0.10wt%以下含有
し、残部が99.0〜99.9wt%のPtと不可避不純物とからな
る硬度が高く加工性に優れる装飾用白金合金である。ま
た、本発明の第2のものは、Ge:0.15〜0.04wt%、Mo,
Mn, Cu, CoおよびTiのうちから選ばれる少なくとも1種
または2種の元素を0.10wt%以下含有し、残部が99.0〜
99.9wt%のPtと不可避不純物とからなる硬度が高く加工
性に優れる装飾用白金合金である。
【0007】
【作用】図1および2は、各種貴金属元素と他の卑金属
元素の添加がPtの硬さに及ぼす影響について示したもの
である。これらの図に明らかなように、これらの各元素
については、1%未満の微量添加だと、硬さの増加はご
く僅かにしか過ぎないことが判る。
【0008】そこで、斯界において経験的に知られてい
た第IV族元素であるCのPtに対する効果に着目して同族
の他のSiやGeに着目してこれらのPtへの影響を調べた。
なお、Cに関しては、黒鉛の析出が黒い斑点として出る
ということから、装飾用材としての使用に適しないもの
として除外して考慮した。
【0009】その結果、Siについては、これを単体でPt
に添加した場合、その量がたとえ1wt%未満というごく
微量であっても、硬くかつ脆くする作用のあることが判
った。そこで、このSiについて、さらにPtに対する好適
添加量と硬さおよび靭性に与える影響について検討した
結果、0.01〜0.15wt%を添加するとよいことが判った。
すなわち、このSiが0.01wt%未満では、Ptに対する固溶
硬化に対しては下限であり、一方、0.15wt%を超える
と、Ptに対し飽和に達し、異常析出するからである。
【0010】次に、本発明者らは、同族のさらに他の元
素であるGeについても同様に検討した。その結果、Ge量
が0.04〜0.15wt%の範囲で伸展性のある硬い装飾用白金
合金となることが判った。ここで、Geの添加量が0.04wt
%未満では、Siと同様、固溶硬化に対し下限であり、一
方、15wt%を超えると飽和限界を超えるためである。
【0011】ところで、SiおよびGeとPtとの合金化に
は、上述したような作用・効果がある反面、鋳造性と靭
性を害するという弊害もあった。この点に関して本発明
では、Pt−Si合金, Pt−Ge合金のもつこのような問題の
解決には、Mn, Cu, Ni, CoおよびMoのいずれか少なくと
も1種または2種以上の元素を微量添加(≦0.10wt%)
することが有効であるとの知見を得た。すなわち、これ
らの元素を添加することにより、Pt−Si合金, Pt−Ge合
金の鋳造性や靱性を向上させ得る理由は、みかけ上、Pt
に対するSiの固溶限を上げるため、ないしはこれら元素
の脱酸能によるものであると考えられる。
【0012】
【実施例】 (実施例−1)白金地金(Pt:99.98 wt%) に0.15wt
%, 0.1 wt%, 0.05wt%, 0.01wt%の4つのレベルのSi
を添加した四種類の合金を高周波炉で溶解し、0.1 kgの
インゴットを得た。このPt合金のインゴットについて、
マイクロビッカース硬度計でその表面の硬度を測定し
た。その結果、Siを0.01wt%添加した合金では硬度80H
v、0.05wt%添加した合金では硬度118Hv を示した、ま
た、Siを0.1 wt%添加した合金では170Hv の硬度が得ら
れ、さらに、Siを0.15wt%添加した合金では、220Hv の
硬度が得られた。次に、上記インゴットを圧延ロールで
加工率70%の加工を加えて板状とし、このときの加工面
の硬度を測定した。その結果、Si添加率 0.01, 0.05,
0.1, 0.15wt%のそれぞれの合金について120, 160, 21
0, 280Hvの高い硬さを示した。この結果は、図3から判
るように、従来白金合金板では到底得られない硬さを示
した。また、装飾用材としての必要な硬さを、Si含有量
0.05wt%, 即ち白金品位99.93 wt%以上の高級材を得る
ことができる。
【0013】(実施例−2)前記実施例−1のPt−Si合
金に、表1に示す割合のCu, Ni, CoおよびMoをそれぞれ
0.1 wt%添加してみた。この結果、三元化によって当該
合金の硬さは、添加する第三元素の種類にかかわらず、
Pt−Si合金ベースの硬さをほぼ14Hv上回った。この結果
を図4に示した。なお、PtにSiを添加すると、非常に高
い硬さを示す合金となるが、CuまたはNi, CoあるいはMo
を加えることでさらに高い硬さが得られる。しかし、こ
の合金は非常に脆くなる傾向がある。その脆くなる度合
いは、添加する元素により異なり、例えば、Moは最も高
く、次にNi, Coが高く、そしてCuは前の3元素に比べる
と影響は少ない。また、Tiは、Si 0.05 wt%以下であれ
ば、靱性を高くし、硬さも高くすることが判った。
【0014】
【表1】
【0015】(比較例−1)実施例−2の結果から、こ
のPt−Si合金の脆さの原因の1つは、Si酸化物の生成か
Pt−Si化合物の生成の何れかによるものと考え、脱酸能
の高いMoを0.1 wt%添加して、99.83 wt%Pt−0.10wt%
Mn−0.05wt%Siの合金組成で実験を行なった。その結
果、硬さは10〜20Hv低下し、インゴットの表面硬度とし
ては80〜90Hvをのレベルのものが得られるとともに、こ
の成分組成での鋳造品について亀裂および90度曲げ試験
を行ったが、破断のない良好な結果を示した。
【0016】(比較例−2)Pt−Ge合金について、Pt−
Si合金との比較のため、Pt:99.98 wt%の白金地金を使
用して、Pt:99.98 wt%−Ge: 0.1wt%の合金組成のイ
ッゴットを準備し、実施例−1と同様に高周波炉で溶製
して製造した。このインゴットの表面硬度とインゴット
を70%の加工度まで圧延加工した板材の表面硬度は、表
1に示す。この表に示す通り、このPt−Ge合金は実施例
−1のPt−Si合金よりも硬さが幾分低いが、Ptの硬化に
与えるGeの作用を確認し得た。
【0017】
【表2】
【0018】(比較例−3)Pt−Ge合金について、実施
例−2と同様にCu, Ni, CoまたはMoを0.1 wt%添加し
て、合金組成がPt:99.83 wt%−Ge 0.05 wt%−(Cu, N
i, Co, Mo)のうちのいずれか一元素を0.10wt%添加して
なる合金を高周波炉で溶解して得た。得られたインゴッ
トの表面硬度は、表2に示すとおり、Cu, Ni, Co, Moに
かかわらず、いずれも10Hv程度の硬化にとどまった。
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、Pt
を99.0wt%以上含有する高級装飾用白金合金の硬さおよ
び、展延性の如き加工性を、靱性や鋳造性を犠牲にする
ことなく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ptの硬さに与える貴金属元素の影響を示すグラ
フ。
【図2】Ptの硬さに与える卑金属元素の影響を示すグラ
フ。
【図3】Si添加量と硬さの影響を示すグラフ。
【図4】Si添加量と硬さの影響を示すグラフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:0.15〜0.01wt%、Mo, Mn, Cu, Coお
    よびTiのうちから選ばれる少なくとも1種または2種の
    元素を0.10wt%以下含有し、残部が99.0〜99.9wt%のPt
    と不可避不純物とからなる硬度が高く加工性に優れる装
    飾用白金合金。
  2. 【請求項2】 Ge:0.15〜0.04wt%、Mo, Mn, Cu, Coお
    よびTiのうちから選ばれる少なくとも1種または2種の
    元素を0.10wt%以下含有し、残部が99.0〜99.9wt%のPt
    と不可避不純物とからなる硬度が高く加工性に優れる装
    飾用白金合金。
JP26480292A 1992-10-02 1992-10-02 硬度が高く加工性に優れる装飾用白金合金 Pending JPH06116664A (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5743947A (en) * 1980-08-29 1982-03-12 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk Platinum alloy for ornamental product
JPS6439335A (en) * 1987-08-05 1989-02-09 Tanaka Precious Metal Ind Material for pure platinum extra fine wire

Patent Citations (2)

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Effective date: 19970204