JPH06116460A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH06116460A
JPH06116460A JP26445092A JP26445092A JPH06116460A JP H06116460 A JPH06116460 A JP H06116460A JP 26445092 A JP26445092 A JP 26445092A JP 26445092 A JP26445092 A JP 26445092A JP H06116460 A JPH06116460 A JP H06116460A
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JP
Japan
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weight
group
vinyl
polyamide
monomer
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JP26445092A
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English (en)
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Nobuo Osanawa
信夫 長縄
Osamu Tanaka
治 田中
Masaaki Iwamoto
正聰 岩元
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体よりなる群から選ばれるビニル系単量
体、一般式(1)で示されるマレイミド系単量体および
上記組成物と共重合可能なカルボン酸基、カルボン酸無
水物の内から選ばれる少なくとも一種の官能基を分子内
に有する置換オレフィン化合物他を重合してなるビニル
系共重合体とポリアミドおよびカルボン酸基、カルボン
酸金属塩基および酸無水物基官能基を有する変性ポリオ
レフィンとベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系
耐候剤を併用した耐候剤からなる熱可塑性樹脂組成物。 【効果】本発明はビニル系共重合体、ポリアミド、変性
ポリオレフィン、特定の耐候剤からなる樹脂組成物を提
供すること、の剛性、衝撃性、耐熱性、耐候性、流動性
がバランスよく優れた実用価値の高い材料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衝撃性、剛性、耐熱性お
よび耐候性が均衡して優れた熱可塑性樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】代表的な耐衝撃性樹脂として、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体樹脂(A
BS樹脂)やメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレ
ン三元共重合体樹脂(MBS樹脂)が広汎な分野で使用
されている。これらの樹脂の耐候性を改良した樹脂とし
てエチレン−プロピレン系ゴムやアクリル系ゴムをベー
スとしたアクリロニトリル−スチレンのグラフト共重合
体(AES樹脂やAAS樹脂)も使用されている。
【0003】一方、ポリアミドの高衝撃化を目的にポリ
アミドにカルボン酸含有オレフィン系重合体を配合した
樹脂組成物も提案されている(特公昭42−12546
号公報、特公昭55−44108号公報など)。
【0004】また、ポリアミドの吸湿性等を改良する目
的でα,β−不飽和カルボン酸イミド化物を共重合成分
として含有するスチレン共重合体とポリアミドが化学的
に結合した新規共重合体も提案されている(特開昭57
−57719号公報)。
【0005】さらにポリアミドとビニル系単量体−マレ
イミド単量体−ビニル単量体、マレイミド単量体と共重
合可能なビニル単量体を重合してなるビニル系重合体と
さらに変性ポリオレフィンを配合してなる樹脂組成物も
提案されている(特開昭62−59647号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるにABS樹脂に
代表される高衝撃性樹脂は耐候性が悪いうえに、衝撃性
を上げようとすると剛性が低下してしまうため、高衝撃
かつ高剛性の樹脂を得ることはできない。AES樹脂お
よびAAS樹脂等は耐候性は改良されているもののAB
S樹脂と同様に高衝撃かつ高剛性を得ることはできな
い。
【0007】ポリアミドとカルボン酸含有オレフィン系
重合体からなる樹脂組成物は高衝撃性を得ることができ
るが、高剛性は得られない。その上、吸湿によってさら
に剛性が著しく低下してしまう欠点がある。
【0008】また、ポリアミドとα,β−不飽和カルボ
ン酸イミド化合物含有スチレン共重合体は高衝撃性を得
ることができない。
【0009】また、ポリアミドとビニル系単量体−マレ
イミド単量体−ビニル単量体、マレイミド単量体と共重
合可能なビニル単量体を重合してなるビニル系重合体と
さらに変性ポリオレフィンを配合してなる樹脂組成物は
高衝撃性、高剛性、高耐熱をバランスよく兼備してい
る。しかし耐候性においては必ずしも満足できるレベル
でない。
【0010】すなわち、高衝撃性、高剛性、高耐熱性か
つ良耐候性である樹脂はいまだ得られておらず、これら
の性能をすべて兼備した樹脂の開発が望まれている。
【0011】本発明者らは高衝撃性、高剛性、高耐熱性
かつ良耐候性である樹脂の開発を目的に鋭意検討した結
果、特定のビニル系共重合体、ポリアミドおよび特定の
変性ポリオレフィンを特定の割合で配合し、さらに特定
の耐候剤を配合することにより耐候性が飛躍的に改良さ
れることを見いだし、本発明に到達した。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (A)(イ)芳香族ビニル系単量体および(メタ)アク
リル酸エステル系単量体よりなる群から選ばれた少なく
とも1種のビニル系単量体5〜85重量%
【0013】(ロ)一般式(1)
【化2】 で示されるマレイミド系単量体15〜95重量%(式
中、R1 、R2 およびR3 は各々、水素、ハロゲン、炭
素数1〜20の置換または非置換炭化水素を表わす。)
【0014】および(ハ)(イ)および/または(ロ)
と共重合可能で、カルボン酸基、カルボン酸無水物基の
内から選ばれる少なくとも一種の官能基を分子内に有す
る置換オレフィン化合物0.05〜20重量%を重合し
てなるビニル系共重合体5〜80重量% (B)ポリアミド5〜90重量% (C)カルボン酸基、カルボン酸金属塩基および酸無水
物基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
有する変性ポリオレフィン5〜40重量%からなる樹脂
組成物100重量部に対してベンゾトリアゾール系耐候
剤とヒンダードアミン系耐候剤をそれぞれ0.01〜
1.0重量部配合してなることを特徴とする熱可塑性樹
脂組成物を提供するものである。
【0015】本発明で用いるビニル系共重合体(A)に
おいてビニル系単量体(イ)とは、スチレン、α−メチ
ルスチレン、P−メチルスチレン、P−t−ブチルスチ
レン、ビニルトルエン、P−クロロスチレンなどの芳香
族ビニル系単量体、およびメタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル
酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピルなどの
(メタ)アクリル酸エステル系単量体よりなる群から選
ばれた少なくとも1種のビニル系単量体である。
【0016】上記ビニル系単量体(イ)の中でもスチレ
ン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレンおよびメ
タクリル酸メチルが好ましく、特にスチレンが好まし
い。
【0017】またマレイミド系単量体(ロ)としては一
般式(1)を満足するものならば特に制限はないが、具
体例としてはマレイミド、N−メチルマレイミド、N−
エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−
t−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−
m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニ
ルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェ
ニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミ
ド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−o−
メトキシフェニルマレイミド、N−m−メトキシフェニ
ルマレイミド、N−p−メトキシフェニルマレイミド、
N−o−クロロフェニルマレイミド、N−m−クロロフ
ェニルマレイミドN−p−クロロフェニルマレイミド、
N−o−カルボキシフェニルマレイミド、N−p−カル
ボキシフェニルマレイミド、N−m−カルボキシフェニ
ルマレイミド、ジクロロマレイミド、N−ナフチルマレ
イミドなどを挙げることができる。
【0018】これらの中でも特にN−フェニルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマ
レイミド、N−イソプロピルマレイミドおよびN−m−
メチルフェニルマレイミドが好ましい。
【0019】これらを1種、または2種以上組み合わせ
て用いることができる。
【0020】このビニル系単量体(ハ)としては(イ)
および/または(ロ)と共重合可能で、カルボン酸基、
カルボン酸無水物基の内から選ばれる少なくとも一種の
官能基を分子内に有する置換オレフィン化合物であり、
具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水ア
コニット酸などを挙げることができる。中でも無水マレ
イン酸が特に好ましい。
【0021】ビニル系共重合体(A)の重合のおいては
単量体(イ)、(ロ)および(ハ)の割合は、(イ)が
5〜85重量%、好ましくは10〜80重量%、特に好
ましくは15〜75重量%、(ロ)が15〜95重量
%、好ましくは20〜85重量%、特に好ましくは25
〜80重量%および(ハ)が0.05〜20重量%、好
ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.2〜
10重量%である。
【0022】(イ)が5重量%に満たない場合にはビニ
ル系共重合体の機械的物性が不足し、85重量%を越え
るとビニル系共重合体のTgが130℃以下となり耐熱
性が不足するため好ましくない。(ロ)が15重量%に
満たない場合にはビニル系共重合体のTgが130℃以
下となり耐熱性が不足し、95重量%を越えるとビニル
系共重合体の機械的物性が不足する。また(ハ)が0.
05重量%に満たない場合にはビニル系共重合体、ポリ
アミド、変性ポリオレフィンを混練して得られる組成物
の耐衝撃性、耐熱性、機械的物性が不足し、20重量%
を越えると組成物の流動性低下し、成形性が損なわれる
ので好ましくない。
【0023】またビニル系共重合体(A)の重合におい
ては、ポリブタジエン(PBD)、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、スチレン−ブタジ
エン共重合体ゴム(SBR)、ポリアクリル酸ブチルゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エ
チレン−ポロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EP
DM)など種々のゴム状重合体の存在下に(イ)、
(ロ)および(ハ)を所定割合で重合することも可能で
ある。
【0024】ビニル系共重合体(A)の重合方法に関し
ては特に制限はなく、ラジカル発生性開始剤の存在下ま
たは非存在下に、塊状重合、溶液重合、塊状−懸濁重
合、懸濁重合、乳化重合など通常公知の方法を用いて行
われる。ビニル系単量体(イ)、(ロ)および(ハ)の
仕込方法に関しても特に制限はなく、初期に一括仕込し
てもよく、また仕込単量体の一部または全部を連続仕込
または分割仕込しながら重合してもよい。
【0025】また、無水マレイン酸に代表されるα,β
−不飽和ジカルボン酸またはその無水物を共重合せしめ
た共重合体をアンモニアまたはメチルアミン、エチルア
ミン、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニ
リン等のアミン類と反応させ、その後イミド化させるこ
とによって製造することも可能である。
【0026】このようにモノマ重合法と後イミド化法で
得られるビニル系共重合体はいずれも最終の組成が合致
するならば本発明におけるビニル系共重合体(A)に含
まれるが後イミド化法により製造する方法がより好まし
い。
【0027】本発明で用いるポリアミド(B)とは、ε
−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムなどのラクタム
類の開環重合によって得られるポリアミド、6−アミノ
カプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノ
ドデカン酸などのアミノ酸から導かれるポリアミド、エ
チレンジアミン、テトラメチレンジアミンヘキサメチレ
ンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレ
ンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘ
キサメチレンジアミン、1,3−および1,4−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4,4’−ア
ミノシクロヘキシル)メタン、メタおよびパラキシリレ
ンジアミンなどの脂肪族、脂環族、芳香族ジアミンとア
ジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、ダイマー酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族ジカルボン酸とから導かれるポリア
ミドおよびこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミド
である。これらのうち通ポリカプロアミド(ナイロン
6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリド
デカンアミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンア
ジパミド(ナイロン66)およびこれらを主成分とする
共重合ポリアミドを用いることが好ましく、さらにナイ
ロン6、ナイロン66およびこれらの共重合体を用いる
ことがより好ましい。ポリアミドの重合方法は通常公知
の溶融重合、固相重合およびこれらを組み合わせた方法
を採用することができる。またポリアミドの重合度は特
に制限なく、相対粘度(ポリマ1gを98%濃硫酸10
0mlに溶解し、25℃で測定)が1.7〜6.0の範
囲にあるポリアミドを目的に応じて任意に選択でき、ま
た相対粘度の違う二つ以上の同種ポリアミドを用いても
よい。
【0028】本発明で用いる変性ポリオレフィン(C)
としては、カルボン酸基、カルボン酸金属塩基および酸
無水物基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能
基を有するポリオレフィンならば特に制限はない。代表
例としては、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン
/メタクリル酸共重合体、エチレン/フマル酸共重合
体、エチレン/メタクリル酸/メタクリル酸亜鉛共重合
体、エチレン/アクリル酸/メタクリル酸ナトリウム共
重合体、エチレン/アクリル酸イソブチル/メタクリル
酸/メタクリル酸亜鉛共重合体、エチレン/メタクリル
酸メチル/メタクリル酸/メタクリル酸マグネシウム共
重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレ
ン/アクリル酸エチル/アクリル酸共重合体、エチレン
/無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/無
水マレイン酸共重合体、エチレン−g−無水マレイン酸
共重合体(“g”はグラフトを表わす。以下同じ。)、
エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、
エチレン/プロピレン−g−アクリル酸共重合体、エチ
レン/1−ブテン−g−フマル酸共重合体、エチレン/
1−ヘキセン−g−イタコン酸共重合体、エチレン/プ
ロピレン−g−エンドピシクロ〔2,2,1〕−5−ヘ
プテン−2,3−無水ジカルボン酸共重合体、エチレン
/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタ
ジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/酢酸
ビニル−g−アクリル酸共重合体などが挙げられるが、
これらのみに限定されるものではない。またこれら変性
ポリオレフィンの2種以上を併用することも可能であ
る。
【0029】変性ポリオレフィン(C)は通常、公知の
方法、例えば特公昭39−6810号公報、特公昭52
−43677号公報、特公昭53−5716号公報、特
公昭53−19037号公報、特公昭53−41173
号公報および特公昭56−9925号公報などに示され
た方法で製造することができる。なお、エチレン系アイ
オノマーについては一般に“ハイミラン”、“コーポレ
ン”なる商品名で市販されている各種グレードを用いる
ことができる。
【0030】本発明に用いる耐候剤(D)はベンゾトリ
アゾール系耐候剤およびヒンダードアミン系耐候剤を併
用することが必要である。ベンゾトリアゾール系耐候剤
あるいはヒンダードアミン系耐候剤のどちらか一種のみ
の配合では耐候剤の改良効果が不足し、両者を併用する
ことによってのみ耐候性の改良効果が発揮される。ベン
ゾトリアゾール系耐候剤の例としては、チバガイギー社
製“チヌビン”320、324、326、327、32
8、アデカアーガス社製“アデカスタブ”LA−31、
LA−32、LA−36などがあげられ、ヒンダードア
ミン系耐候剤としてはチバガイギー社製“チヌビン”1
44、770、アデカアーガス社製“アデカスタブ”L
A−77などがあげられる。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物においてビニ
ル系共重合体(A)、ポリアミド(B)および変性ポリ
オレフィン(C)の配合比は(A)が5〜80重量%、
好ましくは10〜75重量%、特に好ましくは15〜7
0重量%、(B)が5〜90重量%、好ましくは10〜
85重量%、特に好ましくは15〜80重量%、および
(C)が5〜40重量%、好ましくは5〜35重量%と
なる割合である。(A)が5重量%に満たない場合には
剛性および耐熱性が不足し、(A)が80重量%を越え
ると耐衝撃性が不足するため好ましくない。(B)が5
重量%に満たない場合または(C)が5重量%に満たな
い場合は耐衝撃性が不足し、(B)が90重量%を越え
るか、または(C)が40重量%を越えると剛性が不足
するため好ましくない。
【0032】ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン
系耐候剤(D)は上記(A)(B)(C)からなる樹脂
組成物100重量部に対してそれぞれ0.01〜1.0
重量部、好ましくは0.01〜0.8重量部、さらに好
ましくは0.01〜0.5重量部である。0.01重量
部以下では耐候性の改良効果が不足し、1.0重量部以
上では物性低下を起こすため好ましくない。またベンゾ
トリアゾール系耐候剤あるいはヒンダードアミン系耐候
剤のどちらか一種のみの配合では耐候剤の改良効果が不
足し、両者を併用することによってのみ耐候性の改良効
果が発揮される。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に
関しては特に制限はなく、通常公知の方法を採用するこ
とができる。すなわちビニル系共重合体(A)、ポリア
ミド(B)および変性ポリオレフィン(C)、ベンゾト
リアゾール系、ヒンダードアミン系耐候剤(D)をペレ
ット、粉末、細片状態などで、高速撹拌機などを用いて
均一混合した後、十分な混練能力のある一軸または二軸
の押出機で溶融混練する方法およびバンバリーミキサ
ー、ゴムロール機を用いて溶融混練する方法など、種々
の方法を採用することができる。また、ビニル系共重合
体(A)とポリアミド(B)およびベンゾトリアゾール
系、ヒンダードアミン系耐熱剤(D)、ポリアミド
(B)と変性ポリオレフィン(C)およびベンゾトリア
ゾール系、ヒンダードアミン系耐候剤(D)、ビニル系
共重合体(A)と変性ポリオレフィン(C)およびベン
ゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系耐候剤(D)な
どを予め予備混練しておき、後に所定の配合比に調節し
て混練する方法も可能である。
【0034】本発明の熱可塑性樹脂組成物はビニル系共
重合体(A)、ポリアミド(B)および変性ポリオレフ
ィン(C)、ベンゾトリアゾール系およびヒンダードア
ミン系耐候剤(D)の他に目的に応じて、顔料や染料、
充填材、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、帯電防
止剤などを添加することができる。
【0035】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、スイッチ
類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッ
チのハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネク
タ、コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソ
ケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレ
ーボックス、コンデンサーケース、モーターの内部部
品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプー
リー、スペーサー、インシュレーター、ファスナー、バ
ックル、ワイヤークリップ、自転車用ホイール、キャス
ター、ヘルメット、端子台、電動工具のハウジング、ス
ターターの絶縁部分、スポイラー、キャニスター、ラジ
エタータンク、チャンバータンク、リザーバータンク、
ヒューズボックス、エアークリーナーケース、エアコン
ファン、ターミナルのハウジング、ホイールカバー、吸
排気パイプ、ベアリングリテナー、シリンダーヘッドカ
バー、インテークマニホールド、ウォータパイプインペ
ラ、クラッチレリーズ、ベアリングハブ、スピーカー振
動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部品、プリン
ターリボンガイドなどに代表される電気・電子関連部
品、自動車・車両関連部品、家庭・事務電気製品部品、
コンピューター関連部品、ファクシミリ・複写機関連部
品、機械関連部品、その他各種用途に有用である。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。
【0037】なを実施例および比較例に記した諸物性は
以下の方法により測定した。
【0038】 1.Tg :パーキンエルマー社製DSC−7
にて窒素雰囲気下20℃/minの昇温速度で測定し
た。
【0039】 2.曲げ特性 :ASTM D790 3.Izod衝撃強度 :ASTM D256 4.熱変形温度 :ASTM D648 5.耐候性 :3mmt角板をスガ試験器製フェ
ードメーターにてブラックパネル温度83℃500時間
処理し、スガ試験器製カラーマシーンで測定したΔE*
(色差)が2以下であれば○、ΔE* が3〜5であれば
△、ΔE* が6以上であれば×と評価した。またΔE*
が2以下であっても試験片表面にクラックの発生が認め
られる場合は×とした。
【0040】参考例1 A−1:重合槽にスチレン60部とアゾイソブチロニト
リル0.5部を仕込み、80℃に温調し、撹拌しなが
ら、N−フェニルマレイミド38部、無水マレイン酸2
部およびメチルエチルケトン80部からなる溶液を8時
間にわたって等速仕込した。次いで90℃に昇温して2
時間保持した。透明で粘調な溶液が得られ、これを脱溶
媒することによってビニル系共重合体(A−1)を得
た。
【0041】A−2:重合槽にスチレン90部とアゾイ
ソブチロニトリル0.5部を仕込み、80℃に温調し、
撹拌しながら、N−フェニルマレイミド7部、無水マレ
イン酸3部およびメチルエチルケトン80部からなる溶
液を8時間にわたって等速仕込した。次いで90℃に昇
温して2時間保持した。透明で粘調な溶液が得られ、こ
れを脱溶媒することによってビニル系共重合体(A−
2)を得た。
【0042】A−3:重合槽にスチレン30部、N−シ
クロヘキシルマレイミド60部、無水マレイン酸10部
過酸化ベンゾイル0.5部およびメチルエチルケトン1
00部を仕込み、80℃で8時間、さらに90℃に昇温
して2時間重合した。透明で粘調な溶液が得られ、これ
を脱溶媒することによってビニル系共重合体(A−3)
を得た。
【0043】A−4:重合槽に水200部およびケン化
度80%のポリビニルアルコール(懸濁安定剤)0.3
部を仕込み、次いでスチレン40部、N−フェニルマレ
イミド40部、アクリロニトリル15部、無水マレイン
酸5部とアゾイソブチロニトリル0.5部を仕込んで、
高速撹拌して懸濁状態にした。懸濁状態を保持しながら
80℃で6時間、さらに90℃で1時間重合して粒状の
ビニル系共重合体(A−4)を得た。
【0044】参考例2 B−1:ε−カプロラクタムから重合して濃硫酸相対粘
度2.7のナイロン6を得た。
【0045】B−2:ヘキサメチレンジアミン・アジピ
ン酸等モル塩から重合して濃硫酸相対粘度2.7のナイ
ロン66を得た。
【0046】参考例3 C−1:エチレン85重量%とメタクリル酸15重量%
を過酸化物の存在下で高圧法ポリエチレンの製造条件に
準じて共重合させ、得られた共重合体含有メタクリル酸
の75%を中和イオン化できる量の酢酸亜鉛を加え、ロ
ールミルを用いて180℃で均一に混練しエチレン/メ
タクリル酸/メタクリル酸亜鉛共重合体(アイオノマー
樹脂)C−1を得た。
【0047】C−2:エチレン70モル%およびプロピ
レン30モル%からなるエチレン/プロピレン共重合体
100重量部に対し、少量のアセトンに溶解したα,
α’−ビス−t−ブチルパーオキシ−p−ジイソプロピ
ルベンゼン0.03重量部および無水マレイン酸1.0
重量部を添加した後、40mmφ押出機を用いて230
℃で混練してペレット化することにより、エチレン/プ
ロピレン−g−無水マレイン酸共重合体(“g”はグラ
フトを表わす。)C−2を得た。
【0048】C−3:ムーニー粘度60、沃素価12の
エチレン/プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボル
ネン(EPDM)三元共重合体(エチレン/プロピレン
=68.5/31.5(モル比))100重量部に対し
て、少量のアセトンに溶解したジ−t−ブチルパーオキ
シド0.1重量部および無水マレイン酸0.5重量部を
添加した後、C−2と同様に40mmφ押出機を用いて
230℃で混練してペレット化することによりEPDM
−g−無水マレイン酸共重合体C−3を得た。
【0049】実施例1 参考例1で得られたビニル系共重合体(A−1)35重
量%、参考例2で得られたポリアミド(B−1)50重
量%、参考例3で得られた変性ポリオレフィン(C−
1)15重量%、ベンゾトリアゾール系耐候剤としてチ
バガイギー社製“チヌビン”326を0.5重量部、ヒ
ンダードアミン系耐候剤としてチバガイギー社製“チヌ
ビン”770を0.5重量部をヘンシェルミキサーを用
いてドライブレンドした後、30mmφ2軸混練機のホ
ッパーに供給し、シリンダー温度280℃、スクリュー
回転数200rpmの条件で溶融混練し、ペレット化し
た。このペレットを100℃24時間真空乾燥した後シ
リンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成
形を行い各種物性評価用試験片を得た。試験片の特性は
第1表に示すとおりであり、ここで得られた樹脂組成物
は剛性、衝撃性、耐熱性、耐候性が極めて良好な実用的
価値の高い材料であることが判った。
【0050】比較例1 参考例1で得られたビニル系共重合体(A−2)50重
量%、参考例2で得られたポリアミド(B−1)35重
量%、参考例3で得られた変性ポリオレフィン(C−
1)15重量%、ベンゾトリアゾール系耐候剤としてチ
バガイギー社製“チヌビン”326を0.7重量部、ヒ
ンダードアミン系耐候剤としてチバガイギー社製“チヌ
ビン”770を0.3重量部をとした以外は実施例1と
同様に溶融混練、射出成形、特性評価を行い第1表に示
す結果を得た。ここで得られた樹脂組成物は耐熱性が不
足であった。
【0051】比較例2 ポリアミド(B)を用いず、参考例1で得られたビニル
系共重合体(A−1)80重量%、参考例3で得られた
変性ポリオレフィン(C−1)20重量%、ベンゾトリ
アゾール系耐候剤としてチバガイギー社製“チヌビン”
326を0.2重量部、ヒンダードアミン系耐候剤とし
てチバガイギー社製“チヌビン”770を0.6重量部
をとした以外は実施例1と全く同様に溶融混練、射出成
形、特性評価を行い表1に示す結果を得た。ここで得ら
れた樹脂組成物は衝撃性が不足であった。
【0052】比較例3 変性ポリオレフィン(C)を用いず、参考例1で得られ
たビニル系共重合体(A−3)50重量%、参考例2で
得られたポリアミド(B−1)50重量%、ベンゾトリ
アゾール系耐候剤としてチバガイギー社製“チヌビン”
326を0.2重量部、ヒンダードアミン系耐候剤とし
てチバガイギー社製“チヌビン”770を0.2重量部
をとした以外は実施例1と全く同様に溶融混練、射出成
形、特性評価を行い表1に示す結果を得た。ここで得ら
れた樹脂組成物は衝撃性、流動性が不足であった。
【0053】比較例4 参考例1で得られたビニル系共重合体(A−4)15重
量%、参考例2で得られたポリアミド(B−2)15重
量%、参考例3で得られた変性ポリオレフィン(C−
2)70重量%、ベンゾトリアゾール系耐候剤としてチ
バガイギー社製“チヌビン”326を0.3重量部、ヒ
ンダードアミン系耐候剤としてチバガイギー社製“チヌ
ビン”770を0.6重量部をとした以外は実施例1と
全く同様に溶融混練、射出成形、特性評価を行い表1に
示す結果を得た。ここで得られた樹脂組成物は剛性、耐
候性が不足であった。
【0054】比較例5 参考例1で得られたビニル系共重合体(A−1)35重
量%、参考例2で得られたポリアミド(B−1)50重
量%、参考例3で得られた変性ポリオレフィン(C−
1)15重量%とした以外は実施例1と全く同様に溶融
混練、射出成形、特性評価を行い表1に示す結果を得
た。ここで得られた樹脂組成物は耐候性が不足であっ
た。
【0055】実施例2〜4 ビニル系共重合体(A)、ポリアミド(B)、変性ポリ
オレフィン(C)、耐候剤(D)の種類および配合量を
表1のように種々変更して溶融混練、射出成形を行って
得られた樹脂組成物は表1のとおりいずれも剛性、衝撃
性、耐熱性、耐候性、が極めて良好な実用的価値の高い
材料であることが判明した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の特徴はビニル系共重合体、ポリ
アミド、変性ポリオレフィン、特定の耐候剤からなる樹
脂組成物は、剛性、衝撃性、耐熱性、耐候性がバランス
よく優れた実用価値の高い材料が得られる点にある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 35/00 LJW 7921−4J 77/00 LQS 9286−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(イ)芳香族ビニル系単量体および
    (メタ)アクリル酸エステル系単量体よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種のビニル系単量体5〜85重量%
    (ロ)一般式(1) 【化1】 で示されるマレイミド系単量体15〜95重量%(式
    中、R1 ,R2 およびR3 は各々、水素,ハロゲン,炭
    素数1〜20の置換または非置換炭化水素を表わす。)
    および(ハ)(イ)および/または(ロ)と共重合可能
    で、カルボン酸基,カルボン酸無水物基の内から選ばれ
    る少なくとも一種の官能基を分子内に有する置換オレフ
    ィン化合物0.05〜20重量%を重合してなるビニル
    系共重合体5〜80重量% (B)ポリアミド5〜90重量% (C)カルボン酸基,カルボン酸金属塩基および酸無水
    物基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
    有する変性ポリオレフィン5〜40重量%からなる樹脂
    組成物100重量部に対してベンゾトリアゾール系耐候
    剤とヒンダードアミン系耐候剤をそれぞれ0.01〜
    1.0重量部混合してなる熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016514737A (ja) * 2013-03-22 2016-05-23 アルケマ フランス ナノ構造の熱可塑性ポリオレフィングラフトポリアミド組成物

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JP2016514737A (ja) * 2013-03-22 2016-05-23 アルケマ フランス ナノ構造の熱可塑性ポリオレフィングラフトポリアミド組成物

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