JPH06116450A - フッ素ゴム組成物 - Google Patents

フッ素ゴム組成物

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JPH06116450A
JPH06116450A JP29387592A JP29387592A JPH06116450A JP H06116450 A JPH06116450 A JP H06116450A JP 29387592 A JP29387592 A JP 29387592A JP 29387592 A JP29387592 A JP 29387592A JP H06116450 A JPH06116450 A JP H06116450A
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JP
Japan
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fluororubber
peroxide
specific
org
ammonium salt
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JP29387592A
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English (en)
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Masayuki Saito
正幸 斉藤
Takeo Kaneko
武夫 金子
Tetsuya Miwa
哲哉 三輪
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安価にしかも容易に有機過酸化物加硫を可能と
するフッ素ゴム組成物を提供すること。 【構成】含フッ素弾性共重合体、有機過酸化物、不飽和
多官能性化合物、2価金属の水酸化物および/または酸
化物、および特定の有機4級アンモニウム塩からなるフ
ッ素ゴム組成物により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機過酸化物加硫を目
的としたフッ素ゴム組成物に関するものであり、さらに
詳しくはフッ化ビニリデンの共重合割合が低いフッ化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレンおよびプロピレンか
らなる耐油性に優れたフッ素ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチ
レンおよびプロピレンからなるフッ素ゴムは耐油性に優
れた材料として知られており、フッ化ビニリデンの含有
量が低いほど耐油性や耐薬品性に優れている。
【0003】このフッ素ゴムを有機過酸化物で加硫する
方法として、例えばトリアリルイソシアヌレート等の不
飽和多官能性化合物、例えば水酸化カルシウム等の2価
金属の水酸化物、および例えばジアザビシクロウンデセ
ンの塩等の有機塩基を混合することにより、ヨウ素また
は臭素を含有する高価な有機過酸化物加硫用のモノマー
を共重合することや、ポリマーをオニウム塩の存在下に
アルカリ処理を行い有機過酸化物加硫を可能とする方法
と比較して、安価にしかも容易に有機過酸化物での加硫
を可能とする方法(特開平1−198654)が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の方法は、有機過
酸化物加硫用の特別な加硫部位を必要としない優れた発
明であるが、実際にその発明において用いられている有
機塩基では、有機過酸化物加硫のために必要な使用量が
比較的多く、また、フッ化ビニリデンの共重合割合が低
いフッ素ゴムでは加硫速度が低下してしまうという問題
があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、 (A)フッ化ビニリデン0.5〜10モル%、テトラフ
ルオロエチレン20〜70モル%およびプロピレン20
〜70モル%を共重合して得られるフッ素ゴム (B)有機過酸化物 (C)不飽和多官能性化合物 (D)2価金属の水酸化物および2価金属の酸化物から
選ばれる少なくとも1種 (E)一般式R1234 N・HSO4 (R1 、R
2 、R3 、R4 は同一または異なる炭素数1〜20の置
換または非置換の1価の炭化水素基)で示される有機4
級アンモニウム塩 からなることを特徴とするフッ素ゴム組成物を提供する
ものである。
【0006】本発明において、(A)成分のフッ素ゴム
におけるフッ化ビニリデンの共重合割合は0.5〜10
モル%の範囲であり、所望の物性等により適宜の割合が
採用されるが、フッ化ビニリデンの割合が少なすぎると
加硫性が不十分となり、加硫物の特性が損なわれ、また
10モル%をこえる場合には、従来、公知のフッ化ビニ
リデン/テトラフルオロエチレン/プロピレン系のフッ
素ゴムと同等の物性となる。
【0007】また、本発明の組成物における(A)成分
のフッ素ゴムは、通常有機過酸化物加硫用に行われる易
加硫部位が導入されていなくとも良好な加硫特性が得ら
れ、良好な物性を有する加硫物を得ることができる。こ
こで、易加硫部位としては、ポリマー鎖中に導入した臭
素、ヨウ素および、二重結合などをいう。この易加硫部
位は、易加硫性部位を与える単量体(例えばヨウ素化合
物、臭素化合物など)を共重合する、あるいは、易加硫
性部位を与える後処理(加熱処理、オニウム塩存在下に
アルカリ処理など)を行うことにより導入され得る。
【0008】また、(A)成分のフッ素ゴムの製造に
は、所定量の単量体の塊状重合、懸濁重合、乳化重合、
溶液重合など各種重合方式の採用が可能であり、フリー
ラジカル開始剤を使用する触媒重合法、電離性放射重合
法、レドックス系重合法などが適宜採用され得る。
【0009】(B)有機過酸化物は、本発明において加
硫剤として用いられ、−O−O−結合をもつ有機化合物
であり、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイ
ド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハ
イドロパーオキサイドなどが採用される。それらを具体
的に例示すればベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサンなどが挙げられる。これらのうち、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロ
ピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサンが好ましく使用できる。これ
ら有機過酸化物の使用量は、フッ素ゴム100重量部当
たり0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部であ
る。
【0010】(C)不飽和多官能性化合物は加硫助剤と
して用いられ、多アリル化合物、メタクリレート化合
物、ジビニル化合物、ポリブタジエンなどが挙げられ
る。なかでもトリアリルイソシアヌレート、トリアリル
シアヌレートが好ましく使用できる。これら不飽和多官
能性化合物の使用量はフッ素ゴム100重量部当たり
0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部であ
る。
【0011】また、本発明の組成物において、(D)2
価金属の水酸化物および2価金属の酸化物から選ばれる
少なくとも1種および(E)有機4級アンモニウム塩が
配合されていることが重要である。(D)2価金属の水
酸化物および2価金属の酸化物から選ばれる少なくとも
1種および(E)有機4級アンモニウム塩が配合されて
いることにより、フッ素ゴムが易加硫部位を有しなくと
も、有機過酸化物により、優れた物性を示す加硫物が得
られる。
【0012】(D)2価金属の水酸化物または2価金属
の酸化物としては、マグネシウム、カルシウム、鉛、亜
鉛などの水酸化物および酸化物が挙げられる。これら金
属水酸化物、酸化物の使用量は、フッ素ゴム100重量
部当たり1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部で
ある。
【0013】(E)有機4級アンモニウム塩は、加硫時
にフッ素ゴムからの脱フッ化水素反応を促進し、加硫を
円滑に行わしめるものであり、驚くべきことに特に炭素
数1〜20の有機4級アンモニウム硫酸水素塩を用いる
ことにより、従来の方法(特開平1−198654)で
用いられていた有機塩基と比較して、フッ化ビニリデン
の含有量の低いフッ素ゴムにおいても、十分な加硫特性
を発揮し、得られる加硫物の耐油性、耐薬品性や耐熱性
も良好なものとなる。
【0014】これらの有機4級アンモニウム塩として
は、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テト
ラメチルアンモニウム、硫酸水素テトラエチルアンモニ
ウム、硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸
水素トリドデシルメチルアンモニウム、硫酸水素トリメ
チルベンジルアンモニウムなどが例示される。これらの
有機4級アンモニウム塩の使用量は、フッ素ゴム100
重量部に対して通常0.3〜5重量部、好ましくは0.
5〜3重量部である。0.3重量部以下では十分な加硫
密度および加硫物性が得られず、5重量部以上ではスコ
ーチ現象等の成形加工性に悪影響をおよぼすとともに耐
薬品性等の加硫物の特性を低下させる。
【0015】本発明の組成物には従来加硫ゴムの製造に
際して通常使用されるカーボンブラツク、ファインシリ
カ、クレイ、タルクのごとき補強剤、その他の充填剤、
顔料、酸化防止剤、安定剤、加工助剤、内部離型剤など
を添加、配合してもよい。
【0016】本発明の組成物の製造に際しては、フッ素
ゴム、有機過酸化物、不飽和多官能性化合物、2価金属
の水酸化物および/または酸化物、有機4級アンモニウ
ム塩および必要に応じてその他の添加剤を十分均一に混
合することが望ましい。かかる混合は、従来より通常使
用されているゴム混練用ロール、ニーダーまたはバンバ
リーミキサー等によって行われ得る。混合時の作業条件
は特には限定されないが、通常は30〜80℃程度の温
度で約10〜60分間混練することによって、添加配合
物をフッ素ゴム中に十分分散混合し得る。また、かかる
添加配合物を適当に溶媒中に溶解分散し、懸濁溶液とす
ることも可能である。さらに、混合を最初から媒体中で
行ういわゆるウェット混合も可能である。このような場
合には、ロール、ボールミル、ホモジナイザー等の混合
機を用いることによって溶液状の配合物が得られる。ま
た、有機4級アンモニウム塩の混合に際しては、フッ素
ゴム製造後の水性分散液の状態で混合することにより、
より効果的に分散される。なお、混合時の作業条件や操
作は、使用原料および配合物の種類や目的に応じて最適
条件を選定して行うのが望ましい。
【0017】本発明の組成物は、通常の金型成形の他、
押し出し、トランスファー、ロールコート、はけ塗り、
含浸等の連続成形加工法により、シート、パイプ、ロッ
ド、チューブ、アングル、チャンネル、引布、塗布板の
ごとき成形物などに成形加工され得るものであり、その
他各種成形加工法によつて異形品、特殊成形品例えばス
ポンジ状ラバーなどにも成形加工され得るものである。
このように成形加工された本発明の組成物は、後述のご
とき加硫手段によって加硫物にされ得る。かくして、本
発明の組成物から加硫ゴム製品が得られるものである。
【0018】本発明において、加硫を行う際の操作は、
従来より通常使用されている操作を採用し得る。例え
ば、成形型中で加圧しながら加熱する操作が採用され、
また押し出し、カレンダーロールなどで成形した後、加
熱炉中または蒸気釜中で加熱する操作が採用され得る。
加硫時の作業条件などは、使用原料や配合に応じて最適
条件を選定して行うのが望ましい。加硫時の温度は、通
常60〜250℃程度、好ましくは120〜200℃程
度が採用され得る。また、加熱時間は特に限定されない
が、有機過酸化物の種類に応じて1分〜3時間の範囲で
あり、好ましくは5分〜2時間の範囲内で選定される。
加熱温度を高くすれば、加熱時間を短縮し得る。なお、
得られる加硫物の再加熱処理も採用可能であり、物理的
性質の向上に役立つものである。例えば150〜250
℃、好ましくは180℃〜230℃の温度で、2〜25
時間程度の再加熱処理が採用され得るなどである。
【0019】
【作用】本発明では、特定の有機4級アンモニウム塩と
2価金属の水酸化物および/または酸化物を配合したフ
ッ素ゴムを加熱することにより該フッ素ゴム中に不飽和
結合が導入され、それと同時に過酸化物加硫が進行する
ものと考えられる。ここで、該アンモニウム塩は、従来
の発明において用いられる有機塩基と比較して不飽和結
合の導入反応への活性が高いため、効果的に有機過酸化
物加硫が進行し、得られる加硫物の耐熱性や耐油性も良
好となると推定される。
【0020】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明す
る。実施例中、部とあるものは重量部を示す。
【0021】(参考例1)乳化重合法によりフッ化ビニ
リデン/テトラフルオロエチレン/プロピレンの各単位
の含有割合が5/52/43(モル比)である三元共重
合体を30重量%含有するラテックスを製造した。この
ラテックスを食塩水溶液中に滴下し凝集せしめ、洗浄、
乾燥することにより白色のフッ素ゴムを得た。これをフ
ッ素ゴム−1として以下で用いた。
【0022】(参考例2)参考例1で用いたラテックス
100部に硫酸水素テトラブチルアンモニウムを0.3
部添加し混合した後、参考例1と同様にして凝集、洗
浄、乾燥して白色のフッ素ゴムを得た。これをフッ素ゴ
ム−2として以下で用いた。
【0023】(参考例3)参考例1と同様にしてフッ化
ビニリデン/テトラフルオロエチレン/プロピレンの各
単位の含有割合が1/55/44(モル比)である白色
のフッ素ゴムを得た。これをフッ素ゴム−3として以下
で用いた。
【0024】(参考例4)参考例1と同様にしてフッ化
ビニリデン/テトラフルオロエチレン/プロピレンの各
単位の含有割合が35/40/25(モル比)である白
色のフッ素ゴムを得た。これをフッ素ゴム−4として以
下で用いた。
【0025】実施例1〜3、比較例1〜3 表1に示す組成に従い、各種の配合材料を2ロールで均
一に混合してゴム組成物を得た。それらを170℃で1
0分間プレス加硫した後、オーブン中で230℃で24
時間2次加硫した。得られた加硫物をJIS K630
1に従い、常態物性、耐熱性および耐油性を測定した。
結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1における略号は次の通りである。 パーヘキサ2,5B:2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂社製) カルビット :水酸化カルシウム(近江化学社
製) キョーワマグ150:酸化マグネシウム(協和化学工業
社製) DBU塩 :1,8−ジアザビシクロ[5,
4,0]ウンデセン−7のp−トルエンスルホン酸塩
【0028】
【発明の効果】本発明は、安価に、しかも容易に有機過
酸化物で加硫可能なフッ素ゴム組成物を提供するもので
あり、それによる工業的利益は極めて大きい。さらに、
種々の優れた加硫物性に基づき、自動車のラジエータ
ー、エンジン回りのO−リング、ガスケット、シール
材、ダイヤフラム、チューブ、ホース等、食品プラント
や化学プラント等の同様の部品等の広範囲の用途におい
て極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/18 KJJ 9166−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フッ化ビニリデン0.5〜10モル
    %、テトラフルオロエチレン20〜70モル%およびプ
    ロピレン20〜70モル%を共重合して得られるフッ素
    ゴム (B)有機過酸化物 (C)不飽和多官能性化合物 (D)2価金属の水酸化物および2価金属の酸化物から
    選ばれる少なくとも1種 (E)一般式R1234 N・HSO4 (R1 、R
    2 、R3 、R4 は同一または異なる炭素数1〜20の置
    換または非置換の1価の炭化水素基)で示される有機4
    級アンモニウム塩 からなることを特徴とするフッ素ゴム組成物。
JP29387592A 1992-10-07 1992-10-07 フッ素ゴム組成物 Pending JPH06116450A (ja)

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