JPH06116185A - 2,3−ジヒドロポリプレノールの製造法 - Google Patents

2,3−ジヒドロポリプレノールの製造法

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JPH06116185A
JPH06116185A JP17782493A JP17782493A JPH06116185A JP H06116185 A JPH06116185 A JP H06116185A JP 17782493 A JP17782493 A JP 17782493A JP 17782493 A JP17782493 A JP 17782493A JP H06116185 A JPH06116185 A JP H06116185A
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Masahiro Tsuji
政弘 辻
Hiroyuki Yamazaki
博之 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般式〔II〕 【化1】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される2,3
−ジヒドロポリプレノールの製造方法の提供。 【構成】 一般式〔I〕 【化2】 (式中、nは2〜10の整数を、Rは低級アルキル基を
示す)で表される化合物のカルボニル基および2位の二
重結合を選択的に還元処理し、生成物中の副生物のポリ
プレノールについてその2位の二重結合を選択的にエポ
キシ化してエポキシドとし、クロマトグラフィーによっ
てエポキシドを除去して上記目的の一般式〔II〕で表わ
される2,3−ジヒドロポリプレノールを精製物として
得ることからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式〔II〕
【化4】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される2,3
−ジヒドロポリプレノールの改良製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記した一般式〔II〕で表される2,3
−ジヒドロポリプレノールは、血圧降下作用を有する化
合物として有用である(特公昭60−58209)ほか
に、制癌剤、癌転移抑制剤としても有用な化合物として
知られている次式
【化5】 で示される2,3−ジヒドロデカプレニルモノホスフェ
イトの合成中間体として公知である(特開昭60−67
424、特開平2−25415)。それ故に一般式〔I
I〕で表される2,3−ジヒドロポリプレノールを効率的
に製造することはきわめて重要な意味を持つのである。
【0003】従来上記した一般式〔II〕で表される2,
3−ジヒドロポリプレノールの製造法としては、特公昭
60−58209に開示されているように、一般式
【化6】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される化合物
とシアノ酢酸低級アルキルエステルとを塩基の存在下に
反応させて、一般式
【化7】 (式中、nは2〜10の整数を、Rは低級アルキル基を
示す)で表される化合物を得、次いでこれを水素化ホウ
素ナトリウムなどの還元剤により還元して、一般式
【化8】 (式中、nは2〜10の整数を、Rは低級アルキル基を
示す)で表される化合物を得、次いでこれを水酸化カリ
ウムなどのアルカリ存在下に脱炭酸して、一般式
【化9】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される化合物
を得、次いで水酸化カリウムなどのアルカリ存在下に加
水分解して、一般式
【化10】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される化合物
を得、次いでこれを水素化アルミニウムビス(2−メト
キシエトキシ)ナトリウム〔商品名 ビトライドR〕、水
素化アルミニウムリチウムなどの還元剤によるカルボニ
ル基の還元で一般式〔II〕で表される2,3−ジヒドロ
ポリプレノールとする方法が知られている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】上記した従来の方法
では、工程数が多く、また総収率も10%以下であり、
それ故により効率的な製造法が求められているところで
ある。
【0005】かくして、本発明の目的は一般式〔II〕
【化11】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される2,3
−ジヒドロポリプレノールを効率的に即ち高収率でかつ
容易に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題解
決のために研究の結果、一般式
【化12】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される化合物
からウィティッヒ(Wittig)反応によって容易に導かれ
る一般式〔I〕
【化13】 (式中、nは2〜10の整数を、Rは低級アルキル基を
示す)で表される化合物のカルボニル基並びに2位の二
重結合を還元して、一般式〔II〕
【化14】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される2,3
−ジヒドロポリプレノールとし、この時に同時に生成す
る通常の手段では分離困難な副生成物の一般式〔III〕
【化15】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表されるポリプ
レノールについてその2,3−位の二重結合を選択的に
エポキシ化してエポキシドを生成させ、得られた2,3
−ジヒドロポリプレノール中にエポキシドを含む混合物
をクロマトグラフィーに付すことによってエポキシドが
吸着除去され、溶出物中に精製された所望の2,3−ジ
ヒドロポリプレノールが得られることを見出して本発明
を完成させたのである。
【0007】本発明の方法によれば、一般式〔I〕
【化16】 (式中、nは2〜10の整数を、Rは低級アルキル基を
示す)で表される化合物の還元は適当な還元剤例えば水
素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムナトリ
ウム、水素化ほう素ナトリウム、水素化ほう素リチウム
などを用いて適当な溶媒、例えばジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメト
キシエタン等のエーテル系溶媒、好ましくはテトラヒド
ロフラン中で行われる。還元剤は式〔I〕の化合物に対
してモル比で1〜10倍の範囲で、好ましくは4〜5倍
の範囲で用いられる。反応時間は1〜24時間の範囲で
行なわれるが、通常4〜7時間である。
【0008】このようにして得られた生成物には、一般
式〔II〕
【化17】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される2,3
−ジヒドロポリプレノールのほかに、一般式〔III〕
【化18】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表されるポリプ
レノールが副生成物として含まれる。そして、一般式
〔II〕で表される2,3−ジヒドロポリプレノールと一
般式〔III〕で表されるポリプレノールは再結晶化、蒸
留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段で
は分離することができない。
【0009】しかしながら、一般式〔II〕で表される
2,3−ジヒドロポリプレノールと一般式〔III〕で表さ
れるポリプレノールとを含有する反応生成物を、t−ブ
チルハイドロパーオキシドと酸化バナジウムアセチルア
セトネートを用いるエポキシ化反応(K.B. Sharpless e
t al., J. Am. Chem. Soc. 95,6136(197
3)に付し、一般式〔III〕で表されるポリプレノール
のみをその2位の二重結合の位置でエポキシ化して一般
式〔IV〕
【化19】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表されるエポキ
シド化合物とすることにより2,3−ジヒドロポリプレ
ノールとは極性の異なる化合物に転換させ、得られた混
合物をカラムクロマトグラフィーで精製することによっ
て、一般式〔II〕で表される2,3−ジヒドロポリプレ
ノールを高純度で得ることができたのである。
【0010】以下に本発明を実施例によって詳しく説明
するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0011】実施例1 3,7,11−トリメチル−6,10−ドデカジエン−1
−オール(一般式〔II〕においてn=2の化合物) 水素化アルミニウムリチウム(1.5g)のテトラヒド
ロフラン(50ml)の懸濁液に、氷冷下、メチル3,7,
11−トリメチル−6,10−ドデカジエノエート(一
般式〔I〕においてn=2、R=メチルの化合物;2.
5g)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液を30分で
滴下後、室温で6時間撹拌した。その後、氷冷下に水
(1.5ml)、10%水酸化ナトリウム水溶液(1.5m
l)、水(4.5ml)を順次加え、室温で1時間撹拌し
た。次いで、硫酸マグネシウム(無水)を加えて撹拌
し、濾過後に濃縮した。
【0012】得られた残留物(2.25g)の塩化メチ
レン(50ml)溶液に酸化バナジウムアセチルアセトネ
ート(18.6mg)を加え、次いでt−ブチルハイドロ
パーオキシド(3.16M塩化メチレン溶液、1.7ml)
を氷冷下に10分間で滴下した。同温で1時間さらに室
温で2時間撹拌した後に、ジメチルスルフィド(5ml)
を加え室温で1時間撹拌した。水、飽和食塩水で順次洗
浄後に硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残留物をシ
リカゲルクロマトグラフィー(溶出液:10%酢酸エチ
ル−ヘキサン)で精製して、1.27gの表題化合物を
得た。
【0013】核磁気共鳴スペクトル(CDCl3):δ 0.91
(3H, d, J=6.8Hz)、 1.14-1.43(4H,m)、1.60(6H, s)、1.
68(3H, s)、1.53-1.65(2H, m)、1.95-2.07(6H, m)、3.6
4-3.72(2H, m)、5.07-5.12(2H, m)。
【0014】実施例2 3,7,11,15,19,23,27,31,35−ノナメチ
ル−6,10,14,18,22,26,30,34−ヘキサ
トリアコンタオクタエン−1−オール(一般式〔II〕に
おいてn=8の化合物) エチル3,7,11,15,19,23,27,31,35−ノ
ナメチル−2,6,10,14,18,22,26,30,34
−ヘキサトリアコンタノナエノエート(一般式〔I〕に
おいてn=8、R=エチルの化合物;5.0g)を用い
て、実施例1と同様にして、2.41gの表題化合物と
1.70gの2,3−エポキシ−3,7,11,15,19,
23,27,31,35−ノナメチル−6,10,14,1
8,22,26,30,34−ヘキサトリアコンタオクタエ
ン−1−オール(一般式〔IV〕においてn=8の化合
物)を得た。
【0015】実施例3 3,7,11,15,19,23,27,31,35,39−デ
カメチル−6,10,14,18,22,26,30,34,3
8−テトラコンタノナエン−1−オール(一般式〔II〕
においてn=9の化合物) エチル3,7,11,15,19,23,27,31,35,3
9−デカメチル−2,6,10,14,18,22,26,3
0,34,38−テトラコンタデカエノエート(一般式
〔I〕においてn=9、R=エチルの化合物;5.0
g)を用いて、実施例1と同様にして2.45gの表題
化合物を得た。
【0016】核磁気共鳴スペクトル(CDCl3):δ 0.91
(3H, d, J=6.4Hz)、 1.20(1H, m)、 1.32-1.48(4H, m)、
1.60(27H, s)、 1.68(3H, s)、 1.95-2.17(35H, m)、 3.67
(2H,m)、 5.12(9H, m)。
【0017】さらにシリカゲルクロマトグラフィーに
て、1.69gの2,3−エポキシ−3,7,11,15,1
9,23,27,31,35,39−デカメチル−6,10,
14,18,22,26,30,34,38−テトラコンタノ
ナエン−1−オール(一般式〔IV〕においてn=9の化
合物)を得た。
【0018】核磁気共鳴スペクトル(CDCl3):δ 1.30
(3H, s)、 1.60(27H, s)、 1.68(3H,s)、 1.95-2.12(35H,
m)、 2.97(1H, t, J=4.4Hz)、 3.70(1H, m)、 3.83(1H,
m)、 5.12(9H, m)。
【0019】実施例4 3,7,11,15,19,23,27,31,35,39,43
−ウンデカメチル−6,10,14,18,22,26,3
0,34,38,42−テトラテトラコンタデカエン−1
−オール(一般式〔II〕においてn=10の化合物) エチル3,7,11,15,19,23,27,31,35,3
9,43−ウンデカメチル−2,6,10,14,18,2
2,26,30,34,38,42−テトラテトラコンタウ
ンデカエノエート(一般式〔I〕のn=10、R=エチ
ルの化合物;5.0g)を用いて、実施例2と同様にし
て、2.51gの表題化合物と1.65gの2,3−エポ
キシ−3,7,11,15,19,23,27,31,35,3
9,43−ウンデカメチル−6,10,14,18,22,2
6,30,34,38,42−テトラテトラコンタデカエン
−1−オール(一般式〔IV〕においてn=10の化合
物)を得た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、nは2〜10の整数を、Rは低級アルキル基を
    示す)で表される化合物のカルボニル基および2位の二
    重結合を選択的に還元する処理に付し、生成物中の副生
    成物の一般式〔III〕 【化2】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表されるポリプ
    レノールについてその2位の二重結合を選択的にエポキ
    シ化して、エポキシドを生成させ、得られた2,3−ジ
    ヒドロポリプレノール中にエポキシドを含む混合物をク
    ロマトグラフィーに付すことによってエポキシドを除去
    し、精製物として一般式〔II〕 【化3】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表される2,3
    −ジヒドロポリプレノールを製造する方法。
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