JPH06115337A - 減衰力可変ショックアブソーバ制御装置 - Google Patents

減衰力可変ショックアブソーバ制御装置

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Publication number
JPH06115337A
JPH06115337A JP13279493A JP13279493A JPH06115337A JP H06115337 A JPH06115337 A JP H06115337A JP 13279493 A JP13279493 A JP 13279493A JP 13279493 A JP13279493 A JP 13279493A JP H06115337 A JPH06115337 A JP H06115337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damping force
mode
speed
vehicle
shock absorber
Prior art date
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Pending
Application number
JP13279493A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Matsumoto
修一 松本
Eiji Teramura
英司 寺村
Kinji Houdaira
欣二 宝平
Masatoshi Kuroyanagi
正利 黒柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減衰力可変ショックアブソーバ制御装置にお
いて、操縦安定性や乗り心地など重視すべき条件に基づ
いて制振と防振とを有効に実施すること。 【構成】 制御バルブ60には縮み側専用孔66と伸び
側専用孔67とが形成されており、制御バルブ60の回
動により制御バルブ60内の副流路50と縮み側専用流
路56、伸び側専用流路57を選択的に連通又は遮断す
ることができる。本制御装置は、車体の運動に対し制振
作用をする減衰力の大きさを車両の車速、前後方向加速
度、横方向加速度、マニュアル設定に応じて切り替える
ことができる。又、車体の運動に対し制振作用状態に遷
移するための閾値の大きさを車両の車速、前後方向加速
度、横方向加速度、マニュアル設定に応じて切り替える
ことができる。これにより、本制御装置はスカイフック
ダンパに近い特性を実現しつつ、操縦安定性の確保、向
上ができるという優れた効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に用いる減衰力設
定の切り替えが可能なショックアブソーバ制御装置に関
する。
【0002】
【従来技術】従来より、車両の乗り心地と操縦安定性を
向上させるため、バネ上の絶対速度に比例した減衰力を
発生させるスカイフックダンパが考案されている。この
スカイフックダンパとは、空間の固定点からダンパを吊
るし、このダンパにより車体の振動を抑えることにより
道路の不整を車体に伝達しないようにする理想のダンパ
である。
【0003】ところで、スカイフックダンパに近い特性
をセミアクティブサスペンションにより実現しようとす
る制御方法がKarnoppより提案されている。Ka
rnoppの方法では、図35,図36に示したよう
に、バネ上の絶対速度dX2とバネ上バネ下間の相対速
度dX2−dX1の正負が等しい時、即ち、車体と車輪
とが反対方向に移動する時及び車体と車輪とが同一方向
に移動し且つ車体の移動速度が車輪の移動速度よりも速
い時(減衰力が車体に対して制振作用をする時)はショ
ックアブソーバの減衰力を大きくする。又、上記2つの
速度の正負が異なる時、即ち、車体と車輪とが同一方向
に移動し且つ車輪の移動速度が車体の移動速度よりも速
い時(減衰力が車体に対して励振作用をする時)には減
衰力を小さくする制御を行う。
【0004】即ち、Karnoppの方法では、バネ上
バネ下間の相対速度dX2−dX1が負の時(ショック
アブソーバが縮む時)でもバネ上の絶対速度dX2が負
の時(下向きの時)には、ショックアブソーバの減衰力
を大きくしていた。更に、従来の装置では、車両にバネ
上加速度センサ及びストロークセンサを取付け、バネ上
加速度センサの出力信号を積分することによりバネ上の
絶対速度dX2を検出し、ストロークセンサの出力信号
を微分することによりバネ上バネ下間の相対速度dX2
−dX1を検出していた。そして、バネ上の絶対速度d
X2の正負が変化した場合及びバネ上バネ下間の相対速
度dX2−dX1の正負が変化した場合において減衰力
を変更していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の制御を簡易的に
実現する手段として、特表平1−502972号公報
「機械的衝撃吸収方法並びに吸収装置」にて開示された
ものが知られている。このものでは、車体の運動に対し
制振作用をする減衰力設定は一種類しか有していない。
このため、その減衰力を大きく設定すると制振作用は優
れる反面、路面の細かい凹凸による振動を乗員に伝達し
易くなる。一方、減衰力を小さく設定すると路面の細か
い凹凸による振動の伝達は防げる反面、制振作用が劣る
こととなる。ところで、車速、前後方向加速度や横方向
加速度が比較的大きい時は、操縦安定性を重視して車両
運動の制振を優先させたいという要望があった。又、車
速、前後方向加速度や横方向加速度が比較的小さい時
は、乗り心地を重視し、路面の細かい凹凸による振動の
伝達を防止することを優先させたいという要望があっ
た。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的とするところは、減衰力可
変ショックアブソーバ制御装置において、操縦安定性や
乗り心地など重視すべき条件に基づいて制振と防振とを
有効に実施することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明の構成における第1の特徴は、作動流体が蓄えら
れたシリンダと、該シリンダ内に慴動自在に設けられ、
該シリンダの内部を上部室と下部室とに区分けするピス
トン部材と、前記上部室から前記下部室への前記作動流
体の流通のみを許容する少なくとも1つの第1の連通路
と、前記下部室から前記上部室への前記作動流体の流通
のみを許容する少なくとも1つの第2の連通路と、前記
第1及び第2の連通路内に設けられ、一方の連通路の流
路面積を一定としたまま他方の連通路の流路面積を変更
するバルブ手段とを有する減衰力可変ショックアブソー
バと、バネ上の上下方向速度を算出する速度算出手段
と、縮み側減衰力を小さくしたまま伸び側減衰力を大き
く設定する第1のモードと、伸び側減衰力を小さくした
まま縮み側減衰力を大きく設定する第2のモードと、伸
び側及び縮み側減衰力を共に小さくする第3のモードと
を有し、前記速度算出手段によって算出されるバネ上の
上下方向速度に応じて前記バルブ手段を作動し前記第1
のモードと前記第2のモードと前記第3のモードとを切
り替えるモード切替手段と、車速を検出する車速検出手
段、車両の挙動変化を推定する挙動変化推定手段、減衰
力をマニュアル設定する減衰力指令手段のうち少なくと
も1つの手段を有し、それより出力される信号に基づい
て前記第1のモードの伸び側減衰力及び前記第2のモー
ドの縮み側減衰力の大きさを可変する減衰力可変手段と
を備えたことである。
【0008】又、第2の特徴は、作動流体が蓄えられた
シリンダと、該シリンダ内に慴動自在に設けられ、該シ
リンダの内部を上部室と下部室とに区分けするピストン
部材と、前記上部室から前記下部室への前記作動流体の
流通のみを許容する少なくとも1つの第1の連通路と、
前記下部室から前記上部室への前記作動流体の流通のみ
を許容する少なくとも1つの第2の連通路と、前記第1
及び第2の連通路内に設けられ、一方の連通路の流路面
積を一定としたまま他方の連通路の流路面積を変更する
バルブ手段とを有する減衰力可変ショックアブソーバ
と、バネ上の上下方向速度を算出する速度算出手段と、
縮み側減衰力を小さくしたまま伸び側減衰力を大きく設
定する第1のモードと、伸び側減衰力を小さくしたまま
縮み側減衰力を大きく設定する第2のモードと、伸び側
及び縮み側減衰力を共に小さくする第3のモードとを有
し、前記速度算出手段によって算出されるバネ上の上下
方向速度に応じて前記バルブ手段を作動し前記第1のモ
ードと前記第2のモードと前記第3のモードとを切り替
えるモード切替手段と、車速を検出する車速検出手段、
車両の挙動変化を推定する挙動変化推定手段、閾値をマ
ニュアル設定する閾値指令手段のうち少なくとも1つの
手段を有し、それより出力される信号に基づいて前記第
3のモードと前記第1のモードとの間及び前記第3のモ
ードと前記第2のモードとの間を遷移するための前記バ
ネ上の上下方向速度に対する閾値の大きさを可変する閾
値可変手段とを備えたことである。
【0009】又、第3の特徴は、作動流体が蓄えられた
シリンダと、該シリンダ内に慴動自在に設けられ、該シ
リンダの内部を上部室と下部室とに区分けするピストン
部材と、前記上部室から前記下部室への前記作動流体の
流通のみを許容する少なくとも1つの第1の連通路と、
前記下部室から前記上部室への前記作動流体の流通のみ
を許容し、所定の大きな流通面積を有する少なくとも1
つの第2の連通路と、前記第1の連通路内に設けられ、
該第1の連通路の流路面積を変更するバルブ手段とを有
する減衰力可変ショックアブソーバと、バネ上の上下方
向速度を算出する速度算出手段と、縮み側減衰力を小さ
くしたまま伸び側減衰力を大きく設定する第1のモード
と、伸び側及び縮み側減衰力を共に小さくする第3のモ
ードとを有し、前記速度算出手段によって算出されるバ
ネ上の上下方向速度に応じて前記バルブ手段を作動し前
記第1のモードと前記第3のモードとを切り替えるモー
ド切替手段と、車速を検出する車速検出手段、車両の挙
動変化を推定する挙動変化推定手段、減衰力をマニュア
ル設定する減衰力指令手段のうち少なくとも1つの手段
を有し、それより出力される信号に基づいて前記第1の
モードの伸び側減衰力の大きさを可変する減衰力可変手
段とを備えたことである。
【0010】又、第4の特徴は、作動流体が蓄えられた
シリンダと、該シリンダ内に慴動自在に設けられ、該シ
リンダの内部を上部室と下部室とに区分けするピストン
部材と、前記上部室から前記下部室への前記作動流体の
流通のみを許容する少なくとも1つの第1の連通路と、
前記下部室から前記上部室への前記作動流体の流通のみ
を許容し、所定の大きな流通面積を有する少なくとも1
つの第2の連通路と、前記第1の連通路内に設けられ、
該第1の連通路の流路面積を変更するバルブ手段とを有
する減衰力可変ショックアブソーバと、バネ上の上下方
向速度を算出する速度算出手段と、縮み側減衰力を小さ
くしたまま伸び側減衰力を大きく設定する第1のモード
と、伸び側及び縮み側減衰力を共に小さくする第3のモ
ードとを有し、前記速度算出手段によって算出されるバ
ネ上の上下方向速度に応じて前記バルブ手段を作動し前
記第1のモードと前記第3のモードとを切り替えるモー
ド切替手段と、車速を検出する車速検出手段、車両の挙
動変化を推定する挙動変化推定手段、閾値をマニュアル
設定する閾値指令手段のうち少なくとも1つの手段を有
し、それより出力される信号に基づいて前記第3のモー
ドと前記第1のモードとの間を遷移するための前記バネ
上の上下方向速度に対する閾値の大きさを可変する閾値
可変手段とを備えたことである。
【0011】
【作用】
「第1の特徴の作用」上記の手段によれば、減衰力可変
ショックアブソーバは、そのバルブ手段により一方の連
通路の流路面積を大きくしたまま他方の連通路の流路面
積が変更される。即ち、減衰力可変ショックアブソーバ
は伸び側又は縮み側減衰力のうち一方の減衰力を小さく
したまま他方の減衰力の大きさを独立して変更すること
ができる。ここで、モードとしては、縮み側減衰力を小
さくしたまま伸び側減衰力を大きく設定する第1のモー
ドと、伸び側減衰力を小さくしたまま縮み側減衰力を大
きく設定する第2のモードと、伸び側及び縮み側減衰力
を共に小さくする第3のモードとを有している。そし
て、バネ上の上下方向速度に応じて第1のモードと第2
のモードと第3のモードとが切り替えられる。この時、
車体の運動に対し制振作用を行うための減衰力の大きさ
が車速、車両の挙動変化、マニュアル設定のうち少なく
とも1つに基づいて第1のモードの伸び側及び第2のモ
ードの縮み側で可変される。尚、上記車両の挙動変化と
は、ロール、ダイブ、スクォート等を意味している。こ
のようにして、バネ上バネ下間の相対速度に関係なくシ
ョックアブソーバの減衰力が車両の走行状態に見合うよ
うに制御される。
【0012】「第2の特徴の作用」上記の手段によれ
ば、減衰力可変ショックアブソーバは、そのバルブ手段
により一方の連通路の流路面積を大きくしたまま他方の
連通路の流路面積が変更される。即ち、減衰力可変ショ
ックアブソーバは伸び側又は縮み側減衰力のうち一方の
減衰力を小さくしたまま他方の減衰力の大きさを独立し
て変更することができる。ここで、モードとしては、縮
み側減衰力を小さくしたまま伸び側減衰力を大きく設定
する第1のモードと、伸び側減衰力を小さくしたまま縮
み側減衰力を大きく設定する第2のモードと、伸び側及
び縮み側減衰力を共に小さくする第3のモードとを有し
ている。そして、バネ上の上下方向速度に応じて第1の
モードと第2のモードと第3のモードとが切り替えられ
る。この時、車体の運動に対し制振作用を行うため上記
モード間を遷移させ減衰力を可変する閾値の大きさが車
速、車両の挙動変化、マニュアル設定のうち少なくとも
1つに基づいて第1のモードの伸び側及び第2のモード
の縮み側で可変される。尚、上記車両の挙動変化とは、
ロール、ダイブ、スクォート等を意味している。このよ
うにして、バネ上バネ下間の相対速度に関係なくショッ
クアブソーバの減衰力が車両の走行状態に見合うように
制御される。
【0013】「第3の特徴の作用」上記の手段によれ
ば、減衰力可変ショックアブソーバは、そのバルブ手段
により縮み側の連通路の流路面積を大きくしたまま伸び
側の連通路の流路面積が変更される。即ち、減衰力可変
ショックアブソーバは縮み側減衰力を小さくしたまま伸
び側減衰力の大きさを独立して変更することができる。
ここで、モードとしては、縮み側減衰力を小さくしたま
ま伸び側減衰力を大きく設定する第1のモードと、伸び
側及び縮み側減衰力を共に小さくする第3のモードとを
有している。そして、バネ上の上下方向速度に応じて第
1のモードと第3のモードとが切り替えられる。この
時、車体の運動に対し制振作用を行うための減衰力の大
きさが車速、車両の挙動変化、マニュアル設定のうち少
なくとも1つに基づいて第1のモードの伸び側で可変さ
れる。尚、上記車両の挙動変化とは、ロール、ダイブ、
スクォート等を意味している。このようにして、バネ上
バネ下間の相対速度に関係なくショックアブソーバの減
衰力が車両の走行状態に見合うように制御される。
【0014】「第4の特徴の作用」上記の手段によれ
ば、減衰力可変ショックアブソーバは、そのバルブ手段
により縮み側の連通路の流路面積を大きくしたまま伸び
側の連通路の流路面積が変更される。即ち、減衰力可変
ショックアブソーバは縮み側減衰力を小さくしたまま伸
び側減衰力の大きさを独立して変更することができる。
ここで、モードとしては、縮み側減衰力を小さくしたま
ま伸び側減衰力を大きく設定する第1のモードと、伸び
側及び縮み側減衰力を共に小さくする第3のモードとを
有している。そして、バネ上の上下方向速度に応じて第
1のモードと第3のモードとが切り替えられる。この
時、車体の運動に対し制振作用を行うため上記モード間
を遷移させ減衰力を可変する閾値の大きさが車速、車両
の挙動変化、マニュアル設定のうち少なくとも1つに基
づいて第1のモードの伸び側で可変される。尚、上記車
両の挙動変化とは、ロール、ダイブ、スクォート等を意
味している。このようにして、バネ上バネ下間の相対速
度に関係なくショックアブソーバの減衰力が車両の走行
状態に見合うように制御される。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は本発明に係る減衰力可変ショックアブソ
ーバ制御装置の全体構成を示したブロックダイヤグラム
である。1は公知の歪みゲージ式加速度センサで、各車
輪の図示しないサスペンションアッパーサポート付近の
車体に取り付けられている。この加速度センサ1は、バ
ネ上の上下方向加速度を検出し、その検出信号は積分回
路2に入力される。積分回路2では、加速度センサ1か
らのバネ上の上下方向加速度信号を積分することによっ
てバネ上の速度信号V(=dX2)を算出する。制御部
5は、積分回路2、前後方向加速度センサ3及び横方向
加速度センサ4からの信号をそれぞれ入力して、アクチ
ュエータ6に制御信号を出力するもので、算術論理回路
として構成されている。ショックアブソーバ7に備えら
れた制御バルブ60がアクチュエータ6により駆動され
る。
【0016】次に、ショックアブソーバ7の構造を図2
〜図5を用いて説明する。図2はショックアブソーバ7
を示した縦断面図である。ショックアブソーバ7のシリ
ンダ10の中空間はメインピストン20により上下に区
画されてそれぞれ上部室2a、下部室2bとなってい
る。このメインピストン20は、ナット37によりスペ
ーサなどを介して、メインピストン20の中心を貫通す
るピストンロッドC36に固定されている。ピストンロ
ッドC36は、ピストンロッドA30下端円筒部のネジ
部によって、ピストンロッドB35と共にピストンロッ
ドA30に螺着固定されている。又、ピストンロッドA
30とピストンロッドB35との間には、2個のOリン
グ90を介して油密的に形成された連通室56bがあ
る。ピストンロッドA30及びピストンロッドB35に
はそれぞれ一対の連通孔56a、複数の連通孔56cが
設けてあり、連通室56bと共に比較的流路面積の大き
な縮み側専用流路56を形成している。又、ピストンロ
ッドA30とピストンロッドB35との間には、スプリ
ング54と板状逆止弁58が配設されている。スプリン
グ54の上端はピストンロッドA30に当接し、下端は
板状逆止弁58に当接し、スプリング54は板状逆止弁
58を下方に付勢している。従って、縮み側専用流路5
6は、制御バルブ60方向から上部室2aへの流出のみ
を許容する板状逆止弁58によって開閉される。
【0017】ピストンロッドB35とピストンロッドC
36との間には、3個のOリング90を介して油密的に
形成され、スプリング55と板状逆止弁59とを収納し
ているスプリング室57bがある。スプリング55の上
端はピストンロッドB35に当接し、下端は板状逆止弁
59に当接し、スプリング55は板状逆止弁59を下方
に付勢している。ピストンロッドA30及びピストンロ
ッドC36にはそれぞれ一対の連通孔57a、複数の連
通孔57cが設けてあり、スプリング室57bと共に比
較的流路面積の大きな伸び側専用流路57を形成してい
る。従って、伸び側専用流路57は上部室2aから制御
バルブ60方向への流入のみを許容する板状逆止弁59
によって開閉される。
【0018】上記メインピストン20には上部室2a、
下部室2bを連通する比較的流路面積の小さな縮み側主
流路41と伸び側主流路42とが形成されている。縮み
側主流路41はメインピストン20の上面に設けた板状
逆止弁48によって開閉され、伸び側主流路42はメイ
ンピストン20の下面に設けた板状逆止弁49によって
開閉される。ピストンロッドC36内には上部室2aと
下部室2bとの間で作動油の流通を可能とする副流路5
0が形成されている。
【0019】上記ピストンロッドA30の下端部は筒状
に形成され、筒内に制御バルブ60が油密的に且つ回動
自在に嵌合されている。制御バルブ60の上部は中実細
径の棒状となっており、その上端部は、図示しないアク
チュエータ6に接続されている。実際には、上記棒状部
は、制御バルブ60とは別体で、制御バルブ60に圧入
された構造であっても良い。又、ブッシュ31,32は
ピストンロッドA30に圧入固定されており、その内径
部は制御バルブ60の細径部と回動自在に嵌合されてい
る。ブッシュ31の下に配設されるOリング90は外部
との油密性を保つものである。従って、制御バルブ60
はアクチュエータ6を駆動することにより、ピストンロ
ッドA30の中心軸に対し回動可能となっている。
【0020】図3は制御バルブ60の縦断面図である。
この制御バルブ60の下端部は、図示したように中空構
造となっており、副流路50の一部を形成している。図
4(a) は図2のA−A線に沿った横断面図、図4(b) は
図2のB−B線に沿った横断面図である。制御バルブ6
0には1対の多角形の縮み側専用孔66が形成されてお
り、制御バルブ60の回動により副流路50と縮み側専
用流路56とを連通又は遮断することができる。又、制
御バルブ60には1対の多角形の伸び側専用孔67が形
成されており、制御バルブ60の回動により副流路50
と伸び側専用流路57とを連通又は遮断することができ
る。連通孔56aと縮み側専用孔66、連通孔57aと
伸び側専用孔67はそれぞれ対向されて形成されてお
り、制御バルブ60の回転角θの変化に基づいて図5に
示したように、連通面積Sを変えることができる。ここ
で、連通面積SN は伸び側最大連通面積を表し、伸び側
の最小減衰力を決定するものである。又、連通面積ST
は縮み側最大連通面積を表し、縮み側の最小減衰力を決
定するものである。そして、連通面積SN,T の関係は
任意であり、制御バルブ回転角θに対して連通面積Sが
ゼロからSN 又はST に至る道程は、図のように、直線
であっても曲線としても良い。
【0021】従って、制御バルブ60が図4(a),(b) に
示した位置である時には、縮み側専用流路56と副流路
50及び伸び側専用流路57と副流路50は共に制御バ
ルブ60によって開放されている。従って、作動油が上
部室2aから下部室2bへ流れる時は、主に流路面積の
大きな伸び側専用流路57を通り、下部室2bから上部
室2aへ流れる時は、主に流路面積の大きな縮み側専用
流路56を通る。これによって、伸び側及び縮み側共小
さな減衰力となる。又、制御バルブ60が図4(a),(b)
に示した位置から時計回転方向に45°程回動した時に
は、縮み側専用流路56と副流路50とは連通状態のま
まであるが、伸び側専用流路57と副流路50とは遮断
される。従って、作動油が上部室2aから下部室2bへ
流れる時は流路面積の小さな伸び側主流路42を通り、
下部室2bから上部室2aへ流れる時は先程と同様に流
路面積の大きな縮み側専用流路56を通る。これによっ
て、伸び側は大きな減衰力となり縮み側は小さな減衰力
となる。一方、制御バルブ60が図4(a),(b) に示した
位置から反時計回転方向に45°程回動した時には、縮み
側専用流路56と副流路50とは遮断され、伸び側専用
流路57と副流路50とは連通状態のままである。従っ
て、作動油が上部室2aから下部室2bへ流れる時は流
路面積の大きな伸び側専用流路57を通り、下部室2b
から上部室2aへ流れる時は流路面積の小さな縮み側主
流路41を通る。これによって、伸び側は小さな減衰力
となり縮み側は大きな減衰力となる。
【0022】以上説明したように、アクチュエータ6に
より制御バルブ60を作動し、その制御バルブ60内の
副流路50と縮み側専用流路56及び伸び側専用流路5
7の連通面積を変えることにより、伸び側又は縮み側の
減衰力のうち何れか一方を常に小さめの減衰力に設定し
たまま、他方の減衰力を大きく変更することができる。
【0023】以上の構成において、制御部5による制御
と減衰力可変ショックアブソーバの作動について説明す
る。尚、ここでは、各状態量(車体、車輪、タイヤの変
位、速度及び加速度)は上向きを正にとる。本実施例の
制御においては、ショックアブソーバの減衰力が車体の
運動に対して制振作用をする時には減衰力を大きく、減
衰力が車体の運動に対し励振作用をする時には減衰力を
小さくするようにする。又、この時のバネ上の絶対速度
dX2とバネ上バネ下間の相対速度dX2−dX1と減
衰力の関係は図6に示したように設定される。図中にお
ける第1のモードは、図5に示した制御バルブ回転角θ
がプラス(+)側のある回転角θ+ により実現され、伸
び側の減衰力が大きく縮み側の減衰力が小さな制御状態
(以下、H−Sモードともいう)となる。又、第2のモ
ードは、制御バルブ回転角θがマイナス(−)側のある
回転角θ- により実現され、縮み側の減衰力が大きく伸
び側の減衰力が小さな制御状態(以下、S−Hモードと
もいう)となる。そして、第3のモードは、制御バルブ
回転角0°により実現され、伸び側及び縮み側の減衰力
が共に小さい制御状態(以下、S−Sモードともいう)
となる。ここで、本実施例は、上記制振作用をする減衰
力の大きさを車速、前後方向加速度、横方向加速度又は
マニュアル設定に応じて選択する。即ち、θ+ 及びθ-
を、車速、前後方向加速度、横方向加速度又はマニュア
ル設定に応じて決定する。
【0024】例えば、高速走行においては、操縦安定性
を重視し車両の姿勢変化をより抑えるため、θ+ 及びθ
- の大きさをそれぞれ大きくすることにより制振作用を
行う減衰力が大きくされる。又、低速走行においては、
大きな上下変位はなく、大きな減衰力設定による路面か
らの高周波入力(ゴツゴツ感)を抑えるため、θ+ 及び
θ- の大きさをそれぞれ小さくすることにより制振作用
を行う減衰力が小さくされる。
【0025】加速、制動又は旋回時において、前後方向
又は横方向加速度が大きい場合は、車両の姿勢変化をよ
り抑えるため、θ+ 及びθ- の大きさをそれぞれ大きく
することにより制振作用を行う減衰力が大きくされる。
又、前後方向又は横方向加速度が小さい場合は、大きな
姿勢変化はなく、大きな減衰力設定による路面からの高
周波入力(ゴツゴツ感)を抑えるため、θ+ 及びθ- の
大きさをそれぞれ小さくすることにより制振作用を行う
減衰力が小さくされる。
【0026】次に、車速、前後方向加速度又は横方向加
速度に応じたθ+ 及びθ- の決定方法を図7を参照して
説明する。図7(a),(b),(c) のマップを用いて車速、前
後方向加速度又は横方向加速度に応じてバルブ回転角係
数θV,θG1,θG2 をそれぞれ算出し、その結果により制
御バルブ60の回転角を次式により決定する。
【数1】 θ+=f1(θV+,θG1+,θG2+) ………(1) θ-=f2(θV-,θG1-,θG2-) ………(2) 上式(1),(2) において、θ+ 及びθ- は、バルブ回転角
係数θV,θG1,θG2 の何れの信号の単独変化に対しても
正の相関がなければならない。尚、図7(a),(b),(c) の
マップは、部分的に選択しても良いし、全てを選択して
も良い。又、それぞれの係数の正側値、負側値の絶対値
は同じである必要はない。前後方向加速度の検知は、加
速度センサを用いても良いし、車速の微分値を用いても
良い。又、他の信号(ブレーキペダル踏み込み量、ブレ
ーキ圧力、ブレーキペダル位置変化率、ブレーキ圧力変
化率、スロットルぺダル踏み込み量、スロットルペダル
位置変化率)を代用しても良い。横方向加速度の検知
は、加速度センサを用いても良いし、操舵角速度及び車
速から導いても良い。
【0027】次に、制御部5による制御の処理手順を示
した図8のフローチャートに基づき詳細に説明する。先
ず、ステップ100において、制御部5の初期化が実行
される。次にステップ102に移行して、車速信号Vs
が取り込まれる。次にステップ104に移行して、ステ
ップ102で取り込まれた車速信号Vsが車速閾値Vth
より大きいか否かが判定される。ステップ104で、
Vs>Vthでなく、低速走行状態であると判定されると
ステップ128に移行し、制御バルブ60を図4(a),
(b) に示した初期位置(θ=0°)に固定し、制振制御
を行わず路面からの急激な入力に備えられる。
【0028】上述のステップ104で、 Vs>Vthであ
り低速走行状態でないと判定されると、ステップ106
に移行し、図7(a),(b),(c) のマップに基づき、ステッ
プ106からステップ114にて各バルブ回転角係数θ
V,θG1,θG2 が算出される。ステップ106では、上記
車速Vs に応じたバルブ回転角係数θV が算出される。
又、ステップ108では、前後方向加速度が取り込ま
れ、ステップ110にて、その前後方向加速度に応じた
バルブ回転角係数θG1が算出される。そして、ステップ
112では、横方向加速度が取り込まれ、ステップ11
4にて、その横方向加速度に応じたバルブ回転角係数θ
G2が算出される。次にステップ116に移行して、各バ
ルブ回転角係数θV,θG1,θG2 に基づいて上式(1),(2)
により制御バルブ回転角θ+ 又はθ- が算出される。
【0029】次にステップ118に移行して、積分回路
2からバネ上の絶対速度dX2に対応するバネ上速度信
号Vが取り込まれる。次にステップ120に移行して、
ステップ118で取り込まれたバネ上速度信号Vがバネ
上速度閾値Vref+(Vref+>0)より大きいか否かが判
定される。ステップ120で、V>Vref+でありYES と
判定されると、ステップ122に移行し、制御バルブ6
0をステップ116にて決定されたバルブ回転角θ+ だ
け回動させる。
【0030】上述のステップ120で、V>Vref+でな
くNOと判定されると、ステップ124に移行する。ステ
ップ124では、バネ上速度信号Vがバネ上速度閾値V
ref-(Vref-<0)より小さいか否かが判定される。ス
テップ124で、V<Vref-でありYES と判定される
と、ステップ126に移行し、制御バルブ60をステッ
プ116にて決定されたバルブ回転角θ- だけ回動させ
る。上述のステップ124で、V<Vref-でなくNOと判
定されると、ステップ128に移行する。ステップ12
8では、バネ上速度信号Vがゼロ近傍で、バネ上が安定
していると判断できるため、不意の路面突起通過のよう
な急激な外力が加えられてもショックを吸収できるよう
に、縮み側及び伸び側減衰力が共に小さくなるように制
御バルブ60のバルブ回転角0°とされる。上述のステ
ップ122,126,128における処理を終了すると
ステップ102に戻り、以下同様の処理を繰り返す。
【0031】次に、本発明の減衰力可変ショックアブソ
ーバ制御装置における第2実施例について説明する。
尚、ショックアブソーバの構造は上述の第1実施例と同
様である。又、制御装置の全体構成は、第1実施例にお
いて示されたブロックダイヤグラムと同様であり、この
構成において、制御部5による制御と減衰力可変ショッ
クアブソーバの作動について説明する。尚、ここでは、
各状態量(車体、車輪、タイヤの変位、速度及び加速
度)は上向きを正にとる。
【0032】本実施例の制御においては、第1実施例に
おいて示したものと同様に、ショックアブソーバの減衰
力が車体の運動に対し制振作用をする時には減衰力を大
きく、減衰力が車体の運動に対し励振作用をする時には
減衰力を小さくするようにする。又、この時のバネ上の
絶対速度dX2とバネ上バネ下間の相対速度dX2−d
X1と減衰力の関係は図9に示したように設定される。
図中におけるdX2がプラス(+)側の複数のモード
は、図5に示した制御バルブ回転角θがプラス(+)側
のある複数の回転角θi+(i=1,2,3,…)により実現さ
れ、dX2がマイナス(−)側の複数のモードは、制御
バルブ回転角θがマイナス(−)側のある複数の回転角
θi-(i=1,2,3,…)により実現され、dX2がゼロ近傍
のモードは、制御バルブ回転角0°により実現される。
ここで本実施例は、上記制振作用をする減衰力の大きさ
を車速、前後方向加速度又は横方向加速度に応じて選択
する。即ち、θi+及びθi-を、車速、前後方向加速度又
は横方向加速度に応じて決定する。
【0033】例えば、高速走行においては、操縦安定性
を重視し車両の姿勢変化をより抑えるため、θi+及びθ
i-の大きさをそれぞれ大きくすることにより制振作用を
行う減衰力を大きくする。又、低速走行においては、大
きな上下変位はなく、大きな減衰力設定による路面から
の高周波入力(ゴツゴツ感)を抑えるため、θi+及びθ
i-の大きさをそれぞれ小さくすることにより制振作用を
行う減衰力を小さくする。
【0034】加速、制動又は旋回時において、前後方向
又は横方向加速度が大きい場合には、車両の姿勢変化を
より抑えるため、θi+及びθi-の大きさをそれぞれ大き
くすることにより制振作用を行う減衰力を大きくする。
又、前後方向又は横方向加速度が小さい場合は、大きな
姿勢変化はなく、大きな減衰力設定による路面からの高
周波入力(ゴツゴツ感)を抑えるため、θi+及びθi-の
大きさをそれぞれ小さくすることにより制振作用を行う
減衰力を小さくする。
【0035】次に、車速、前後方向加速度又は横方向加
速度に応じたθi+及びθi-の決定方法を図10を参照し
て説明する。図10(a),(b),(c) のマップを用いて車
速、前後方向加速度、横方向加速度に応じてバルブ回転
角係数θVi,θG1i,θG2i(i=±1,2,3,…)をそれぞれ算出
し、その結果により制御バルブ60の回転角を次式によ
り決定する。
【数2】 θi+=f1i(θVi+,θG1i+,θG2i+) (但し、i=1,2,3,…) ………(3) θi-=f2i(θVi-,θG1i-,θG2i-) (但し、i=1,2,3,…) ………(4) 上式(3),(4) において、θi+及びθi-は、回転角係数θ
Vi,θG1i,θG2i(i=±1,2,3,…)の何れの信号の単独変
化に対しても正の相関がなければならない。尚、図10
(a),(b),(c) のマップは、部分的に選択しても良いし、
全てを選択しても良い。又、それぞれの係数の正側値、
負側値の絶対値は同じである必要はない。前後方向加速
度の検知は、加速度センサを用いても良いし、車速の微
分値を用いても良い。又、他の信号(ブレーキペダル踏
み込み量、ブレーキ圧力、ブレーキペダル位置変化率、
ブレーキ圧力変化率、スロットルぺダル踏み込み量、ス
ロットルペダル位置変化率)を代用しても良い。横方向
加速度の検知は、加速度センサを用いても良いし、操舵
角速度及び車速から導いても良い。
【0036】次に、制御部5による制御の処理手順を示
した図11のフローチャートに基づき詳細に説明する。
先ず、ステップ200において、制御部5の初期化が実
行される。次にステップ202に移行して、車速信号V
s が取り込まれる。次にステップ204に移行して、ス
テップ202で取り込まれた車速信号Vsが車速閾値Vt
hより大きいか否かが判定される。ステップ204で、
Vs>Vthでなく、低速走行状態であると判定されると
ステップ244に移行し、制御バルブ60を図4(a),
(b) に示した初期位置(θ=0°)に固定し、制振制御
を行わず路面からの急激な入力に備えられる。
【0037】上述のステップ204で、 Vs>Vthであ
り低速走行状態でないと判定されると、ステップ206
に移行し、図10(a),(b),(c) のマップに基づき、ステ
ップ206からステップ214にて各バルブ回転角係数
θVi,θG1i,θG2iが算出される。ステップ206では、
上記車速Vs に応じたバルブ回転角係数θVi(i=±1,2,
3,…,n)が算出される。又、ステップ208では、前後
方向加速度が取り込まれ、ステップ210にて、その前
後方向加速度に応じたバルブ回転角係数θG1i(i=±1,2,
3, …,n)が算出される。そして、ステップ212では、
横方向加速度が取り込まれ、ステップ214にて、その
横方向加速度に応じたバルブ回転角係数θG2i(i=±1,2,
3, …,n)が算出される。次にステップ216に移行し
て、各バルブ回転角係数θVi,θG1i,θG2iに基づいて上
式(3),(4) により制御バルブ回転角θi+又はθi-(i=1,
2,3,…,n)が算出される。ここで、nはバネ上の絶対速
度dX2に対するプラス(+)側及びマイナス(−)側
のそれぞれのモード数である。
【0038】次にステップ218に移行して、積分回路
2からバネ上の絶対速度dX2に対応するバネ上速度信
号Vが取り込まれる。次にステップ220に移行して、
ステップ218で取り込まれたバネ上速度信号Vがバネ
上速度閾値Vrefn+ (Vrefn+>0)より大きいか否かが
判定される。ステップ220で、V>Vrefn+ でありYE
S と判定されると、ステップ222に移行し、制御バル
ブ60をステップ216にて決定されたバルブ回転角θ
n+だけ回動させる。
【0039】上述のステップ220で、V>Vrefn+ で
なくNOと判定されると、ステップ224に移行する。ス
テップ224では、バネ上速度信号Vがバネ上速度閾値
Vref(n-1)+ (Vref(n-1)+>0)より大きいか否かが判
定される。ステップ224で、V>Vref(n-1)+ であり
YES と判定されると、ステップ226に移行し、制御バ
ルブ60をステップ216にて決定されたバルブ回転角
θ(n-1)+だけ回動させる。上述のステップ224で、V
>Vref(n-1)+ でなくNOと判定されると、以下同様に繰
り返してステップ228に移行し、ステップ218で取
り込まれたバネ上速度信号Vがバネ上速度閾値Vref1+
(Vref1+>0)より大きいか否かが判定される。ステッ
プ228で、V>Vref1+ でありYES と判定されると、
ステップ230に移行し、制御バルブ60をステップ2
16にて決定されたバルブ回転角θ1+だけ回動させる。
このようにして、先ず、バネ上の絶対速度dX2に対す
るプラス(+)側モード数nだけ繰り返しプラス(+)
側の制御バルブ回転角θが決定される。
【0040】そして、ステップ232に移行し、バネ上
速度信号Vがバネ上速度閾値Vrefn- (Vrefn-<0)よ
り小さいか否かが判定される。ステップ232で、V<
Vrefn- でありYES と判定されると、ステップ234に
移行し、制御バルブ60をステップ216にて決定され
たバルブ回転角θn-だけ回動させる。上述のステップ2
32で、V<Vrefn- でなくNOと判定されると、ステッ
プ236に移行する。ステップ236では、ステップ2
18で取り込まれたバネ上速度信号Vがバネ上速度閾値
Vref(n-1)- (Vref(n-1)-<0)より小さいか否かが判
定される。ステップ236で、V<Vref(n-1)- であり
YES と判定されると、ステップ238に移行し、制御バ
ルブ60をステップ216にて決定されたバルブ回転角
θ(n-1)-だけ回動させる。上述のステップ236で、V
<Vref(n-1)- でなくNOと判定されると、以下同様に繰
り返してステップ240に移行する。ステップ240で
は、バネ上速度信号Vがバネ上速度閾値Vref1- (Vref
1-<0)より小さいか否かが判定される。ステップ24
0で、V<Vref1- でありYES と判定されると、ステッ
プ242に移行し、制御バルブ60をステップ216に
て決定されたバルブ回転角θ1-だけ回動させる。このよ
うにして、バネ上の絶対速度dX2に対するマイナス
(−)側モード数nだけ繰り返しマイナス(−)側の制
御バルブ回転角θが決定される。上述のステップ240
で、V<Vref1- でなくNOと判定されると、ステップ2
44に移行する。ステップ244では、バネ上速度信号
Vがゼロ近傍で、バネ上が安定していると判断できるた
め、不意の路面突起通過のような急激な外力が加えられ
てもショックを吸収できるように、縮み側及び伸び側減
衰力が共に小さくなるように制御バルブ60のバルブ回
転角0゜とされる。上述のステップ222,226,2
30,234,238,242,244における処理を
終了するとステップ202に戻り、以下同様の処理を繰
り返す。
【0041】次に、本発明の減衰力可変ショックアブソ
ーバ制御装置における第3実施例について説明する。制
御装置の全体構成は、第1実施例において示されたブロ
ックダイヤグラムと同様である。簡素化されたショック
アブソーバ7′の構造を図12〜図15を用いて説明す
る。尚、上述の実施例と同様の構成から成るものについ
ては同じ符号を付してその説明を省略する。図12にお
いて、ピストンロッドC36は、ピストンロッドA30
下端円筒部のネジ部によって、ピストンロッドA30に
螺着固定されている。又、ピストンロッドA30とピス
トンロッドC36との間には、2個のOリング90を介
して油密的に形成されたスプリング55と板状逆止弁5
9を収納しているスプリング室57bがある。ピストン
ロッドA30及びピストンロッドC36にはそれぞれ一
対の連通孔57a、複数の連通孔57cが設けてあり、
スプリング室57bと共に伸び側専用流路57を形成し
ている。伸び側専用流路57は、上部室2aから制御バ
ルブ63方向への流入のみを許容する板状逆止弁59に
よって開閉される。
【0042】メインピストン20には、上部室2a及び
下部室2bを連通する比較的流路面積の大きな縮み側主
流路41′と比較的流路面積の小さな伸び側主流路4
2′とが形成されている。縮み側主流路41′はメイン
ピストン20の上面に設けた比較的板厚の薄い板状逆止
弁48によって開閉され、伸び側主流路42′はメイン
ピストン20の下面に設けた比較的板厚の厚い板状逆止
弁49によって開閉される。ピストンロッドC36内に
は上部室2aと下部室2bとの間で作動油の流通を可能
とする副流路50が形成されている。
【0043】上記ピストンロッドA30の下端部は筒状
に形成され、筒内に制御バルブ63が油密的に且つ回動
自在に嵌合されている。制御バルブ63はアクチュエー
タ6を駆動することにより、ピストンロッドA30の中
心軸に対し回動可能となっている。図13は、制御バル
ブ63の縦断面図である。制御バルブ63の下端部は、
中空構造になっており副流路50の一部を形成してい
る。又、図14は、図12のA−A線に沿った横断面図
である。制御バルブ63には1対の多角形の伸び側専用
孔67が形成されており、制御バルブ63の回動により
副流路50と伸び側専用流路57とを連通又は遮断する
ことができる。連通孔57a、伸び側専用孔67はそれ
ぞれ対向されて形成されており、制御バルブ63の回転
角θの変化に基づいて図15に示したように、連通面積
Sを変えることができる。ここで、連通面積SN は伸び
側最大連通面積を表し、伸び側の最小減衰力を決定する
ものである。又、制御バルブ回転角θに対して連通面積
SがSN からゼロに至る道程は、図のように、直線であ
っても曲線としても良い。
【0044】従って、制御バルブ63が図14(a) に示
した位置の時は、伸び側専用流路57と副流路50とが
連通する。このため、作動油が上部室2aから下部室2
bへ流れる時は、主に流路面積の大きな副流路50を通
り、下部室2bから上部室2aへ流れる時は、上述の場
合と同様に流路面積の大きい縮み側主流路41′を通
る。これにより、伸び側及び縮み側とも小さな減衰力と
なる。又、制御バルブ63が図14(a) に示した位置か
ら90°程回動した図14(b)に示した位置の時は、伸び
側専用流路57と副流路50とは制御バルブ63によっ
て遮断されている。このため、作動油が上部室2aから
下部室2bへ流れる時は、流路面積の小さい伸び側主流
路42′を通り、下部室2bから上部室2aへ流れる時
は、流路面積の大きい縮み側主流路41′を通る。これ
により、伸び側は大きな減衰力となり縮み側は小さな減
衰力となる。
【0045】以上説明したように、縮み側の減衰力は常
に小さめの減衰力に設定したまま、アクチュエータ6に
より制御バルブ63を作動し制御バルブ63内の副流路
50と伸び側専用流路57との流路面積を変えることに
より伸び側の減衰力を変更することができる。
【0046】以上の構成において、制御部5による制御
と減衰力可変ショックアブソーバの作動について説明す
る。尚、ここでは、各状態量(車体、車輪、タイヤの変
位、速度及び加速度)は上向きを正にとる。本実施例の
制御においては、ショックアブソーバの伸び側減衰力が
車体の運動に対し制振作用をする時には減衰力を大き
く、伸び側減衰力が車体の運動に対し励振作用をする場
合には減衰力を小さくする。一方、ショックアブソーバ
の縮み側減衰力は、路面の細かい凹凸による振動の伝達
を防ぐため、常に小さく設定している。
【0047】又、上述の実施例の図6においてdX2が
正(+)の場合のみを考慮し、この時のバネ上の絶対速
度dX2とバネ上バネ下間の相対速度dX2−dX1と
減衰力の関係は図16に示したように設定される。即
ち、負(−)側の閾値は不要となる。図中における第1
のモードは、図15に示した制御バルブ回転角θがプラ
ス(+)側のある回転角θ+ により実現され、第3のモ
ードは、制御バルブ回転角θが0°により実現される。
ここで本実施例は、上記制振作用をする減衰力の大きさ
を車速、前後方向加速度、横方向加速度又はマニュアル
設定に応じて選択する。即ち、θ+ を、車速、前後方向
加速度、横方向加速度又はマニュアル設定に応じて決定
する。尚、この制御装置において、複数の閾値を設定し
て減衰力を制御することは上述の実施例と同様でありそ
の説明を省略する。
【0048】例えば、高速走行においては、操縦安定性
を重視し車両の姿勢変化をより抑えるため、θ+ を大き
くすることにより制振作用をする減衰力を大きくする。
又、低速走行においては、大きな上下変位はなく、高減
衰力設定による路面からの高周波入力(ゴツゴツ感)を
抑えるため、θ+ を小さくすることにより制振作用をす
る減衰力を小さくする。
【0049】加速、制動又は旋回時において、前後方向
又は横方向加速度が大きい場合は、車両の姿勢変化をよ
り抑えるため、θ+ を大きくすることにより制振作用を
行う減衰力が大きくされる。又、前後方向又は横方向加
速度が小さい場合は、大きな姿勢変化はなく、高減衰力
設定による路面からの高周波入力(ゴツゴツ感)を抑え
るため、θ+ を小さくすることにより制振作用を行う減
衰力が小さくされる。
【0050】次に、車速、前後方向加速度又は横方向加
速度に応じたθ+ の決定方法を図17を参照して説明す
る。図17(a),(b),(c) のマップを用いて車速、前後方
向加速度又は横方向加速度に応じてバルブ回転角係数θ
V,θG1,θG2 をそれぞれ算出し、その結果により制御バ
ルブ63の回転角を次式により決定する。
【数3】 θ+=f1(θV+,θG1+,θG2+) ………(5) 上式において、θ+ は、バルブ回転角係数θV,θG1,θG
2 の何れの信号の単独変化に対しても正の相関がなけれ
ばならない。尚、図17(a),(b),(c) のマップは、部分
的に選択しても良いし、全てを選択しても良い。前後方
向加速度の検知は、加速度センサを用いても良いし、車
速の微分値を用いても良い。又、他の信号(ブレーキペ
ダル踏み込み量、ブレーキ圧力、ブレーキペダル位置変
化率、ブレーキ圧力変化率、スロットルぺダル踏み込み
量、スロットルペダル位置変化率)を代用しても良い。
横方向加速度の検知は、加速度センサを用いても良い
し、操舵角速度及び車速から導いても良い。
【0051】次に、制御部5による制御の処理手順を示
した図18のフローチャートに基づき詳細に説明する。
先ず、ステップ300において、制御部5の初期化が実
行される。次にステップ302に移行して、車速信号V
s が取り込まれる。次にステップ304に移行して、ス
テップ302で取り込まれた車速信号Vsが車速閾値Vt
hより大きいか否かが判定される。ステップ304で、
Vs>Vthでなく、低速走行状態であると判定されると
ステップ324に移行し、制御バルブ63を図14(a)
に示した初期位置(θ=0°)に固定し、制振制御を行
わず路面からの急激な入力に備えられる。
【0052】上述のステップ304で、 Vs>Vthであ
り低速走行状態でないと判定されると、ステップ306
に移行し、図17(a),(b),(c) のマップに基づき、ステ
ップ306からステップ314にて各バルブ回転角係数
θV,θG1,θG2 が算出される。ステップ306では、上
記車速Vs に応じたバルブ回転角係数θV が算出され
る。又、ステップ308では、前後方向加速度が取り込
まれ、ステップ310にて、その前後方向加速度に応じ
たバルブ回転角係数θG1が算出される。そして、ステッ
プ312では、横方向加速度が取り込まれ、ステップ3
14にて、その横方向加速度に応じたバルブ回転角係数
θG2が算出される。次にステップ316に移行して、各
バルブ回転角係数θV,θG1,θG2 に基づいて上式(5) に
より制御バルブ回転角θ+ が算出される。
【0053】次にステップ318に移行して、積分回路
2からバネ上の絶対速度dX2に対応するバネ上速度信
号Vが取り込まれる。次にステップ320に移行して、
ステップ318で取り込まれたバネ上速度信号Vがバネ
上速度閾値Vref+(Vref+>0)より大きいか否かが判
定される。ステップ320で、V>Vref+でありYES と
判定されると、ステップ322に移行し、制御バルブ6
3をステップ316にて決定されたバルブ回転角θ+ だ
け回動させる。
【0054】上述のステップ320で、V>Vref+でな
くNOと判定されると、ステップ324に移行する。ステ
ップ324では、バネ上速度信号Vがゼロ近傍で、バネ
上が安定していると判断できるため、不意の路面突起通
過のような急激な外力が加えられてもショックを吸収で
きるように、縮み側及び伸び側減衰力が共に小さくなる
ように制御バルブ63のバルブ回転角0゜とされる。上
述のステップ322,324における処理を終了すると
ステップ302に戻り、以下同様の処理を繰り返す。
【0055】次に、減衰力可変ショックアブソーバ制御
装置において、閾値を可変として、スカイフック制御を
行いつつ、加速時のスクォート、制動時のダイブ又は旋
回時のロールを抑制する場合の制御について説明する。
加速、制動又は旋回のない状態を通常状態と定義し、バ
ネ上の絶対速度dX2の大きさに対する閾値Vref+,Vr
ef- を上述の図6と同等に設定する。そして、図19に
示したように、図6において第3のモード(S−Sモー
ド)と第2のモード(S−Hモード)との閾値Vref-を
正側に移動させ状態Aとする。閾値Vref-は正の値とな
っても構わない。又、図20に示したように、図6にお
いて第3のモード(S−Sモード)と第1のモード(H
−Sモード)との閾値Vref+を負側に移動させ状態Bと
する。閾値Vref+は負の値となっても構わない。
【0056】そして、車両の各輪における減衰力可変シ
ョックアブソーバの閾値状態が通常状態、状態A及び状
態Bとされる場合について、図21,図22及び図23
を参照して説明する。ここで、制御対象と信号条件とに
基づき、各輪を制御する閾値状態が決定される。又、図
21は制御対象を加速時、図22は制御対象を制動時、
図23は制御対象を旋回時とした場合である。先ず、制
御対象が加速時の信号としては、車両をスクォート(加
速による車両のピッチング運動)させる条件を検出又は
推定できれば良い。その一例として、図21に示された
次の(1)〜(8)がある。 (1) スロットルペダル踏込量が一定値(正)以上とな
る。 (2) 前方向加速度が一定値(正)以上となる。 (3) スロットルペダル位置変化率(踏込時を正とする)
が一定値(正)以上となる。 (4) 前方向加速度の変化率が一定値(正)以上となる。 上記信号条件(1),(2),(3),(4) のとき、FR(右前輪)
及びFL(左前輪)の閾値状態は状態Bとし、RR(右
後輪)及びRL(左後輪)の閾値状態は状態Aとする。
【0057】(5) スロットルペダル踏込量が一定値
(正)以上から一定値(正)以下となる。 (6) 前方向加速度が一定値(正)以上から一定値(正)
以下となる。 (7) スロットルペダル位置変化率が一定値(正)以上か
ら一定値(正)以下となる。 (8) 前方向加速度の変化率が一定値(負)以下となる。 上記信号条件(5),(6),(7),(8) のとき、FR(右前輪)
及びFL(左前輪)の閾値状態は状態Aとし、RR(右
後輪)及びRL(左後輪)の閾値状態は状態Bとする。
更に、信号条件(5),(6) については、閾値状態を一定時
間保持した後、通常状態に戻す。又、信号条件(1),(5)
及び(2),(6) 及び(3),(7) の一定値(閾値)はそれぞれ
同じ値としても異なる値としても良い。又、信号条件
(1)〜(4)及び(5)〜(8)は、閾値により閾値状態を後述の
ように不連続的に変更しても連続的に変更しても良い。
又、信号条件(1)〜(4)及び(5)〜(8)は、それぞれ部分的
に或いは全てをANDで結合してもORで結合しても良
い。そして、信号条件(2),(6) は前後加速度センサを用
いても、車速の微分値を用いても良い。
【0058】次に、制御対象が制動時の信号としては、
車両をダイブ(減速による車両のピッチング運動)させ
る条件を検出又は推定できれば良い。その一例として、
図22に示された次の(1)〜(12) がある。 (1) ブレーキペダル踏込量が一定値(正)以上となる。 (2) ブレーキ圧力が一定値(正)以上となる。 (3) 後方向加速度が一定値(正)以上となる。 (4) ブレーキペダル位置変化率(踏込時を正とする)が
一定値(正)以上となる。 (5) ブレーキ圧力変化率(踏込時を正とする)が一定値
(正)以上となる。 (6) 後方向加速度の変化率が一定値(正)以上となる。 上記信号条件(1),(2),(3),(4),(5),(6) のとき、FR
(右前輪)及びFL(左前輪)の閾値状態は状態Aと
し、RR(右後輪)及びRL(左後輪)の閾値状態は状
態Bとする。
【0059】(7) ブレーキペダル踏込量が一定値(正)
以上から一定値(正)以下となる。 (8) ブレーキ圧力が一定値(正)以上から一定値(正)
以下となる。 (9) 後方向加速度が一定値(正)以上から一定値(正)
以下となる。 (10)ブレーキペダル位置変化率が一定値(負)以下とな
る。 (11)ブレーキ圧力変化率が一定値(負)以下となる。 (12)後方向加速度の変化率が一定値(負)以下となる。 上記信号条件(7),(8),(9),(10),(11),(12)のとき、FR
(右前輪)及びFL(左前輪)の閾値状態は状態Bと
し、RR(右後輪)及びRL(左後輪)の閾値状態は状
態Aとする。更に、信号条件(7),(8),(9) については、
閾値状態を一定時間保持した後、通常状態に戻す。又、
信号条件(1),(7) 、(2),(8) 及び(3),(9) の一定値(閾
値)はそれぞれ同じ値としても異なる値としても良い。
又、信号条件(4),(10)及び(5),(11)の一定値(閾値)の
絶対値はそれぞれ同じ値としても異なる値としても良
い。又、信号条件(1)〜(6)及び(7)〜(12) は閾値により
閾値状態を後述のように不連続的に変更しても連続的に
変更しても良い。又、信号条件(1)〜(6)及び(7)〜(12)
は、それぞれ部分的に或いは全てをANDで結合しても
ORで結合しても良い。又、信号条件(1)〜(6)及び(7)
〜(12) は、車速が一定値以上のときのみ制御を行って
も良い。そして、信号条件(3),(9) は前後加速度センサ
を用いても、車速の微分値を用いても良い。
【0060】次に、制御対象が旋回時の信号としては、
車両をロールさせる条件を検出又は推定できれば良い。
その一例として、図23に示された次の(1)〜(10) であ
る。 (1) 操舵角が一定値(正)以上となる。 (2) 操舵角速度が一定値(正)以上となる。 (3) 横方向加速度が一定値(正)以上となる。 (4) 車速と操舵角速度との積が一定値(正)以上とな
る。 (5) 横方向加速度の変化率が一定値(正)以上となる。 上記信号条件(1),(2),(3),(4),(5) のとき、FR(右前
輪)及びRR(右後輪)の閾値状態は状態Aとし、FL
(左前輪)及びRL(左後輪)の閾値状態は状態Bとす
る。
【0061】(6) 操舵角が一定値(負)以下となる。 (7) 操舵角速度が一定値(負)以下となる。 (8) 横方向加速度が一定値(負)以下となる。 (9) 車速と操舵角速度との積が一定値(負)以下とな
る。 (10)横方向加速度の変化率が一定値(負)以下となる。 上記信号条件(6),(7),(8),(9),(10)のとき、FR(右前
輪)及びRR(右後輪)の閾値状態は状態Bとし、FL
(左前輪)及びRL(左後輪)の閾値状態は状態Aとす
る。更に、操舵角は中立より左を正、右を負とする。
又、横方向加速度は左向を正とする。又、信号条件(1)
〜(4)及び(6)〜(9)は閾値により閾値状態を後述のよう
に不連続的に変更しても良いし、各検出量に応じて連続
的に閾値を変更しても良い。又、信号条件(1)〜(5)及び
(6)〜(10) は、それぞれ部分的に或いは全てをANDで
結合してもORで結合しても良い。そして、信号条件
(1)〜(5)及び(6)〜(10) は、車速が一定値以上のときに
制御を行う。
【0062】次に、制御部5による制御の処理手順を示
した図24のフローチャートに基づき詳細に説明する。
先ず、ステップ400において、制御部5の初期化が実
行される。次にステップ402に移行して、車速信号V
s が取り込まれる。次にステップ404に移行して、ス
テップ402で取り込まれた車速信号Vsが車速閾値Vt
hより大きいか否かが判定される。ステップ404で、
Vs>Vth (Vth>0)でないとステップ402に戻り上
述の処理を繰り返す。上述のステップ404で、Vs>
Vth であり所定の速度を越えていると判定されると、
ステップ406に移行し、ブレーキ圧力変化率Bp がブ
レーキ圧力変化率閾値Bth+ (Bth+>0)より大きいか
否かが判定される。ステップ406で、Bp>Bth+であ
りYES と判定されると、ステップ408に移行し、FR
(右前輪)及びFL(左前輪)の閾値状態を状態A、R
R(右後輪)及びRL(左後輪)の閾値状態を状態Bと
した後、ステップ402に戻る。
【0063】上述のステップ406で、Bp>Bth+でな
いと、ステップ410に移行し、ブレーキ圧力変化率B
p がブレーキ圧力変化率閾値Bth- (Bth-<0)より小
さいか否かが判定される。ステップ410で、Bp<Bt
h-でありYES と判定されると、ステップ412に移行
し、FR(右前輪)及びFL(左前輪)の閾値状態を状
態B、RR(右後輪)及びRL(左後輪)の閾値状態を
状態Aとした後、ステップ402に戻る。上述のステッ
プ410でBp<Bth-でないと、ステップ414に移行
し、スロットルペダル開閉速度Av がスロットルペダル
開閉速度閾値Ath+ (Ath+>0)より大きいか否かが判
定される。ステップ414で、Av>Ath+でありYES と
判定されると、ステップ412に移行し、FR(右前
輪)及びFL(左前輪)の閾値状態を状態B、RR(右
後輪)及びRL(左後輪)の閾値状態を状態Aとした
後、ステップ402に戻る。上述のステップ414で、
Av>Ath+でないと、ステップ416に移行し、スロッ
トルペダル開閉速度Av がスロットルペダル開閉速度閾
値Ath- (Ath-<0)より小さいか否かが判定される。
ステップ416で、Av<Ath-でありYES と判定される
と、上述のステップ408に移行し、同様に、FR(右
前輪)及びFL(左前輪)の閾値状態を状態A、RR
(右後輪)及びRL(左後輪)の閾値状態を状態Bとし
た後、ステップ402に戻る。上述のステップ416
で、Av<Ath-でないと、ステップ418に移行し、操
舵角速度と車速との積R・Vs が操舵角速度と車速との
積の閾値Rth+ (Rth+>0)より大きいか否かが判定さ
れる。尚、操舵角速度は左向きを正とする。ステップ4
18で、R・Vs>Rth+でありYES と判定されると、ス
テップ420に移行し、FR(右前輪)及びRR(右後
輪)の閾値状態を状態A、FL(左前輪)及びRL(左
後輪)の閾値状態を状態Bとした後、ステップ402に
戻る。
【0064】上述のステップ418で、R・Vs>Rth+
でないと、ステップ422に移行し、操舵角速度と車速
との積R・Vs が操舵角速度と車速との積の閾値Rth-
(Rth-<0)より小さいか否かが判定される。ステップ
422で、R・Vs<Rth-でありYES と判定されると、
ステップ424に移行し、FR(右前輪)及びRR(右
後輪)の閾値状態を状態B、FL(左前輪)及びRL
(左後輪)の閾値状態を状態Aとした後、ステップ40
2に戻る。上述のステップ422で、R・Vs<Rth-で
ないと、ステップ426に移行し、車速、ブレーキ圧力
変化率、スロットルペダル開閉速度及び操舵角速度と車
速との積がそれほど大きくないため、FR(右前輪)、
FL(左前輪)、RR(右後輪)及びRL(左後輪)の
閾値状態を全て通常状態とした後、ステップ402に戻
る。このように、車速、ブレーキ圧力変化率、スロット
ルペダル開閉速度及び操舵角速度と車速との積の大きさ
により車両の各輪のバネ上の絶対速度dX2に対するモ
ード切替閾値が通常状態、状態A又は状態Bと選択され
ることになる。これにより、減衰力可変ショックアブソ
ーバは車両の走行状態などに対応して減衰力モードが適
切に変更され、加速時のスクォート、制動時のダイブ又
は旋回時のロールが抑制される。
【0065】次に、車速Vs 、乗員の好みL、ブレーキ
圧力変化率Bp 、スロットルペダル開閉速度Av 、操舵
角速度と車速との積R・Vs に応じた通常状態(図6参
照)からの正・負の閾値Vref+,Vref-の変更方法につ
いてFR(右前輪)について説明する。図25では、車
速Vs が高くなるに連れて正・負の閾値が共にゼロ方向
へ変更されている。即ち、このようなマップを用いるこ
とにより車速が高い程減衰力が大きくなる制御モードに
入り易くなる。図26では、乗員の好みLに対する正・
負の閾値の変更を示した。例えば、レバー型スイッチを
乗員が直接操作することにより柔らかめから硬めまでが
選択され、硬めが選択されれば大きな減衰力が得られる
制御モードに入り易くされる。
【0066】図27では、ブレーキ圧力変化率Bp に対
する正・負の閾値の変更を示した。ブレーキが踏まれ、
ブレーキ圧力変化率が正側に大きくなると負側の閾値が
ゼロ方向へ変更され、バネ上の絶対速度dX2が負にな
れば直ちに減衰力を大きくしてダイブが抑制される。逆
にブレーキが開放され、ブレーキ圧力変化率が負側に大
きくなると正側の閾値がゼロ方向へ変更され、バネ上の
絶対速度dX2が正になれば直ちに減衰力を大きくして
フロント部の急な浮き上がりが抑制される。図28で
は、スロットルペダル開閉速度Av に対する正・負の閾
値の変更を示した。スロットルペダルが踏まれ、その開
閉速度が正側に大きくなると正側の閾値がゼロ方向へ変
更され、ブレーキとは反対に、バネ上の絶対速度dX2
が正になれば直ちに減衰力を大きくしてスクォートが抑
制される。そして、逆にスロットルペダルが開放され、
その開閉速度が負側に大きくなると負側の閾値がゼロ方
向へ変更され、ブレーキとは反対に、バネ上の絶対速度
dX2が負になれば直ちに減衰力を大きくして車両の急
な挙動が抑制される。
【0067】図29では、操舵角速度と車速との積R・
Vs に対する正・負の閾値の変更を示した。ハンドルが
素早く切られて車速が高い時、操舵角速度と車速との積
R・Vs が正側に大きくなると負側の閾値がゼロ方向へ
変更され、バネ上の絶対速度dX2が負になれば直ちに
減衰力を大きくして旋回外側の沈み込みが抑制される。
逆のときには、正側の閾値がゼロ方向へ変更され、バネ
上の絶対速度dX2が正になれば直ちに減衰力を大きく
して旋回内側の浮き上がりが抑制される。
【0068】実際に減衰力制御を行う場合には、例え
ば、図25〜図29が同時に実施される場合もある。こ
の場合の正・負の閾値の変更には様々な方法が考えら
れ、以下にその一例を述べる。図25〜図29の各マッ
プにおける正側の閾値の最大値は1、負側の閾値の最小
値は−1であるとする。図25において、車速Vs に対
する閾値の正・負の係数をkV+,kV- とする。図26
において、乗員の好みLに対する閾値の正・負の係数を
kL+,kL- とする。図27において、ブレーキ圧力変
化率Bp に対する閾値の正・負の係数をkB+,kB- と
する。図28において、スロットルペダル開閉速度Av
に対する閾値の正・負の係数をkA+,kA- とする。図
29において、操舵角速度と車速との積R・Vs に対す
る閾値の正・負の係数をkR+,kR- とする。但し、こ
れら10個の係数は全て正である。ここで、初期状態にお
ける正・負の閾値をVref+,Vref-とすると、例えば、
変更後の実際の正・負の閾値RVref+,RVref-は次式
により表される。
【数4】 RVref+=Vref+・min[kV+,kL+]・min[kB+,kA+,kR+] RVref-=Vref-・min[kV-,kL-]・min[kB-,kA-,kR-] ここで、上式におけるmin[a,b,c] は、a,b,c
のうち最も小さい値をとるものとする。
【0069】上述したように、車速等により閾値を変更
する方法について説明したが、その閾値を変更する代わ
りにバネ上の上下方向速度に対して所定のゲインを乗じ
ることにより制御を行っても良い。この場合にも結果的
に、閾値を変更したのと同じ効果を得ることができる。
【0070】図30〜図34は、上述の図25〜図29
における正・負の閾値の係数をそれぞれ複数(図では2
つずつ)とした場合を示した特性図である。尚、図30
(a),図31(a),図32(a),図33(a),図34(a) におい
ては、制御バルブの位置が連続的に選択される機構に適
し、閾値の変更が連続的に行われる。又、図30(b),図
31(b),図32(b),図33(b),図34(b) においては、
制御バルブの位置が不連続的に選択される機構に適し、
閾値の変更が不連続的に行われる。
【0071】さらに、車両が停止または準停止している
静かな環境の場合には、減衰力の切換え制御が行われる
と、車両の乗員に対して不安感や誤解を与える可能性が
あるため、車両停車時には、より制御が行われにくいよ
うにしてもよい。これを実現するには制御部5に取り込
まれる車速センサ信号やエンジン回転信号、あるいはA
BS機能を有する車両ならば車輪速センサの信号、など
によって停車または準停車を検知し、図25に示す閾値
を図37に示すように大きく切り換えることにより実質
制御ができなくすることで対処できる。または、停車、
準停車と検出される場合にバネ上速度のゲインを十分小
さくして制御が行われなくなるようにしてもよい。また
は、停車、準停車と検出される場合に制御部5からの切
換制御指令を発生させないようにしても同様な効果があ
る。
【0072】本発明の減衰力可変ショックアブソーバ制
御装置は、上記実施例に限定されるものではなく、その
趣旨を逸脱しない限り例えば、以下の如く変形可能であ
る。加速度センサ1によって検出されたバネ上加速度信
号のうちバネ上共振周波数付近の成分を取り出すローパ
スフィルタを設け、このローパスフィルタからの出力信
号に応じて制御をおこなっても良い。尚、バネ上の絶対
速度とは、各車輪のサスペンションアッパーサポート付
近の車体の上下方向絶対速度のことである。又、バネ上
バネ下間の相対速度とは、ショックアブソーバ伸縮速度
と考えても良い。又、一般的にショックアブソーバの減
衰力は、ショックアブソーバの伸縮速度に依存するが、
本明細書における「減衰力を大きく」、「減衰力を小さ
く」、「減衰力の変更」等の表現は、制御における減衰
力の設定の変更を意味している。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の減衰力可
変ショックアブソーバ制御装置は、車体の運動に対し制
振作用を行う減衰力の大きさを車両の車速、車両の挙動
変化、マニュアル設定に応じて切り替えることができ、
スカイフックダンパに近い特性を実現しつつ、操縦安定
性の確保、向上ができるという優れた効果がある。又、
本発明の減衰力可変ショックアブソーバ制御装置は、車
体の運動に対し制振作用状態に遷移するための閾値の大
きさを車両の車速、車両の挙動変化、マニュアル設定に
応じて切り替えることができ、スカイフックダンパに近
い特性を実現しつつ、操縦安定性の確保、向上ができる
という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係る減衰力可変シ
ョックアブソーバ制御装置の全体構成を示したブロック
ダイヤグラムである。
【図2】同実施例に係るショックアブソーバの構造を示
した縦断面図である。
【図3】図2の制御バルブの縦断面図である。
【図4】図2のA−A線及びB−B線に沿ったショック
アブソーバ要部の横断面図である。
【図5】同実施例に係る制御バルブの回転角と連通面積
との関係を示した特性図である。
【図6】同実施例に係るバネ上の絶対速度とバネ上バネ
下間の相対速度と減衰力の関係を示した特性図である。
【図7】同実施例に係る車速、前後方向加速度、横方向
加速度に対するバルブ回転角係数の関係を示した特性図
である。
【図8】同実施例に係る制御部の処理手順を示したフロ
ーチャートである。
【図9】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ制
御装置の第2の実施例におけるバネ上の絶対速度とバネ
上バネ下間の相対速度と減衰力の関係を示した特性図で
ある。
【図10】同実施例に係る車速、前後方向加速度、横方
向加速度に対するバルブ回転角係数の関係を示した特性
図である。
【図11】同実施例に係る制御部の処理手順を示したフ
ローチャートである。
【図12】図2のショックアブソーバを簡素化した構成
を示した縦断面図である。
【図13】図12の制御バルブの縦断面図である。
【図14】図12のA−A線に沿った横断面図である。
【図15】図12の制御バルブの回転角と連通面積との
関係を示した特性図である。
【図16】同実施例に係るバネ上の絶対速度とバネ上バ
ネ下間の相対速度と減衰力の関係を示した特性図であ
る。
【図17】同実施例に係る車速、前後方向加速度、横方
向加速度に対するバルブ回転角係数の関係を示した特性
図である。
【図18】同実施例に係る制御部の処理手順を示したフ
ローチャートである。
【図19】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置において閾値を変更して状態Aとしたときのバ
ネ上の絶対速度とバネ上バネ下間の相対速度と減衰力の
関係を示した特性図である。
【図20】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置において閾値を変更して状態Bとしたときのバ
ネ上の絶対速度とバネ上バネ下間の相対速度と減衰力の
関係を示した特性図である。
【図21】制御対象を加速時としたときの信号条件及び
閾値状態を示した説明図である。
【図22】制御対象を制動時としたときの信号条件及び
閾値状態を示した説明図である。
【図23】制御対象を旋回時としたときの信号条件及び
閾値状態を示した説明図である。
【図24】同実施例に係る閾値状態を決定するための制
御部の処理手順を示したフローチャートである。
【図25】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置における車速に対する閾値の変更を示した特性
図である。
【図26】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置における乗員の好みに対する閾値の変更を示し
た特性図である。
【図27】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置におけるブレーキ圧力変化率に対する閾値の変
更を示した特性図である。
【図28】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置におけるスロットルペダル開閉速度に対する閾
値の変更を示した特性図である。
【図29】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置における操舵角速度と車速との積に対する閾値
の変更を示した特性図である。
【図30】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置における車速に対する閾値の変更を示した特性
図である。
【図31】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置における乗員の好みに対する閾値の変更を示し
た特性図である。
【図32】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置におけるブレーキ圧力変化率に対する閾値の変
更を示した特性図である。
【図33】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置におけるスロットルペダル開閉速度に対する閾
値の変更を示した特性図である。
【図34】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置における操舵角速度と車速との積に対する閾値
の変更を示した特性図である。
【図35】Karnoppの減衰力制御方法を示した説
明図である。
【図36】Karnoppの制御におけるバネ上の絶対
速度とバネ上バネ下間の相対速度と減衰力の関係を示し
た特性図である。
【図37】本発明に係る減衰力可変ショックアブソーバ
制御装置における車両静止時を考慮した車速に対する閾
値の特性図である。
【符号の説明】
1…加速度センサ 2…積分回路(速度算出手段) 3…前後方向加速度センサ 4…横方向加速度センサ 5…制御部(モード切替手段、減衰力可変手段、閾値可
変手段) 6…アクチュエータ 7…ショックアブソーバ 10…シリンダ 20…メインピストン 60…制御バルブ 2a…上部室 2b…下部室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒柳 正利 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体が蓄えられたシリンダと、該シ
    リンダ内に慴動自在に設けられ、該シリンダの内部を上
    部室と下部室とに区分けするピストン部材と、前記上部
    室から前記下部室への前記作動流体の流通のみを許容す
    る少なくとも1つの第1の連通路と、前記下部室から前
    記上部室への前記作動流体の流通のみを許容する少なく
    とも1つの第2の連通路と、前記第1及び第2の連通路
    内に設けられ、一方の連通路の流路面積を一定としたま
    ま他方の連通路の流路面積を変更するバルブ手段とを有
    する減衰力可変ショックアブソーバと、 バネ上の上下方向速度を算出する速度算出手段と、 縮み側減衰力を小さくしたまま伸び側減衰力を大きく設
    定する第1のモードと、伸び側減衰力を小さくしたまま
    縮み側減衰力を大きく設定する第2のモードと、伸び側
    及び縮み側減衰力を共に小さくする第3のモードとを有
    し、前記速度算出手段によって算出されるバネ上の上下
    方向速度に応じて前記バルブ手段を作動し前記第1のモ
    ードと前記第2のモードと前記第3のモードとを切り替
    えるモード切替手段と、 車速を検出する車速検出手段、車両の挙動変化を推定す
    る挙動変化推定手段、減衰力をマニュアル設定する減衰
    力指令手段のうち少なくとも1つの手段を有し、それよ
    り出力される信号に基づいて前記第1のモードの伸び側
    減衰力及び前記第2のモードの縮み側減衰力の大きさを
    可変する減衰力可変手段とを備えたことを特徴とする減
    衰力可変ショックアブソーバ制御装置。
  2. 【請求項2】 作動流体が蓄えられたシリンダと、該シ
    リンダ内に慴動自在に設けられ、該シリンダの内部を上
    部室と下部室とに区分けするピストン部材と、前記上部
    室から前記下部室への前記作動流体の流通のみを許容す
    る少なくとも1つの第1の連通路と、前記下部室から前
    記上部室への前記作動流体の流通のみを許容する少なく
    とも1つの第2の連通路と、前記第1及び第2の連通路
    内に設けられ、一方の連通路の流路面積を一定としたま
    ま他方の連通路の流路面積を変更するバルブ手段とを有
    する減衰力可変ショックアブソーバと、 バネ上の上下方向速度を算出する速度算出手段と、 縮み側減衰力を小さくしたまま伸び側減衰力を大きく設
    定する第1のモードと、伸び側減衰力を小さくしたまま
    縮み側減衰力を大きく設定する第2のモードと、伸び側
    及び縮み側減衰力を共に小さくする第3のモードとを有
    し、前記速度算出手段によって算出されるバネ上の上下
    方向速度に応じて前記バルブ手段を作動し前記第1のモ
    ードと前記第2のモードと前記第3のモードとを切り替
    えるモード切替手段と、 車速を検出する車速検出手段、車両の挙動変化を推定す
    る挙動変化推定手段、閾値をマニュアル設定する閾値指
    令手段のうち少なくとも1つの手段を有し、それより出
    力される信号に基づいて前記第3のモードと前記第1の
    モードとの間及び前記第3のモードと前記第2のモード
    との間を遷移するための前記バネ上の上下方向速度に対
    する閾値の大きさを可変する閾値可変手段とを備えたこ
    とを特徴とする減衰力可変ショックアブソーバ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 作動流体が蓄えられたシリンダと、該シ
    リンダ内に慴動自在に設けられ、該シリンダの内部を上
    部室と下部室とに区分けするピストン部材と、前記上部
    室から前記下部室への前記作動流体の流通のみを許容す
    る少なくとも1つの第1の連通路と、前記下部室から前
    記上部室への前記作動流体の流通のみを許容し、所定の
    大きな流通面積を有する少なくとも1つの第2の連通路
    と、前記第1の連通路内に設けられ、該第1の連通路の
    流路面積を変更するバルブ手段とを有する減衰力可変シ
    ョックアブソーバと、 バネ上の上下方向速度を算出する速度算出手段と、 縮み側減衰力を小さくしたまま伸び側減衰力を大きく設
    定する第1のモードと、伸び側及び縮み側減衰力を共に
    小さくする第3のモードとを有し、前記速度算出手段に
    よって算出されるバネ上の上下方向速度に応じて前記バ
    ルブ手段を作動し前記第1のモードと前記第3のモード
    とを切り替えるモード切替手段と、 車速を検出する車速検出手段、車両の挙動変化を推定す
    る挙動変化推定手段、減衰力をマニュアル設定する減衰
    力指令手段のうち少なくとも1つの手段を有し、それよ
    り出力される信号に基づいて前記第1のモードの伸び側
    減衰力の大きさを可変する減衰力可変手段とを備えたこ
    とを特徴とする減衰力可変ショックアブソーバ制御装
    置。
  4. 【請求項4】 作動流体が蓄えられたシリンダと、該シ
    リンダ内に慴動自在に設けられ、該シリンダの内部を上
    部室と下部室とに区分けするピストン部材と、前記上部
    室から前記下部室への前記作動流体の流通のみを許容す
    る少なくとも1つの第1の連通路と、前記下部室から前
    記上部室への前記作動流体の流通のみを許容し、所定の
    大きな流通面積を有する少なくとも1つの第2の連通路
    と、前記第1の連通路内に設けられ、該第1の連通路の
    流路面積を変更するバルブ手段とを有する減衰力可変シ
    ョックアブソーバと、 バネ上の上下方向速度を算出する速度算出手段と、 縮み側減衰力を小さくしたまま伸び側減衰力を大きく設
    定する第1のモードと、伸び側及び縮み側減衰力を共に
    小さくする第3のモードとを有し、前記速度算出手段に
    よって算出されるバネ上の上下方向速度に応じて前記バ
    ルブ手段を作動し前記第1のモードと前記第3のモード
    とを切り替えるモード切替手段と、 車速を検出する車速検出手段、車両の挙動変化を推定す
    る挙動変化推定手段、閾値をマニュアル設定する閾値指
    令手段のうち少なくとも1つの手段を有し、それより出
    力される信号に基づいて前記第3のモードと前記第1の
    モードとの間を遷移するための前記バネ上の上下方向速
    度に対する閾値の大きさを可変する閾値可変手段とを備
    えたことを特徴とする減衰力可変ショックアブソーバ制
    御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006273224A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Honda Motor Co Ltd 可変減衰力ダンパーの制御装置
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US8165749B2 (en) 2005-03-31 2012-04-24 Honda Motor Co., Ltd Control system for adjustable damping force damper

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