JP3016528B2 - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JP3016528B2
JP3016528B2 JP28005691A JP28005691A JP3016528B2 JP 3016528 B2 JP3016528 B2 JP 3016528B2 JP 28005691 A JP28005691 A JP 28005691A JP 28005691 A JP28005691 A JP 28005691A JP 3016528 B2 JP3016528 B2 JP 3016528B2
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sprung
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光雄 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のばね上−ばね下
間に設けられたショックアブソーバの減衰力を制御する
車両懸架装置に関し、特に操舵時のロール抑制制御を行
なうものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような車両懸架装置として
は、例えば、実開昭61−127007号公報に記載さ
れているものが知られている。
【0003】この車両懸架装置は、各車輪部におけるば
ね上速度(X)及びばね上−ばね下間相対速度(X−
Y)を計測し、ばね上速度の符号とばね−上ばね下間相
対速度の符号とが一致した時[X(X−Y)>0]には
ショックアブソーバを高減衰力に制御し、不一致の時
[X(X−Y)≦0]には低減衰力に制御する減衰力制
御手段を備えたものであった。そして、一般に、前記高
減衰力(DF)の値は、下記の演算式に基づいて、ば
ね上速度Xに比例した値(図14の(ハ) 参照)に制御さ
れている。尚、Yはばね下速度、αは制御定数を示す。 DF=α(X)・・・・・・・・・・・
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両懸架装置にあっては、路面からの入力に
対しては、各車輪部で独立して有効な減衰力の制御効果
を得ることができるが、操舵時,制動時,急加速時等の
ようにばね上に慣性力が働くような条件下にあっては、
ばね上速度Xに比例した減衰力の値では傾斜発生初期段
階における制御力が不足し、ロール,ダイブ,スカット
等の車体の傾斜を十分に抑制することができず、このた
め、車両の操縦安定性を確保できないという問題があっ
た。
【0005】本発明は、このような問題に着目して成さ
れたもので、車体の傾斜をその発生初期段階から抑制し
て車両の操縦安定性を確保することができる車両懸架装
置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、図1のクレ
ーム対応図に示すように、車両の各車輪と車体との間に
それぞれ設けられ、減衰力を変更する減衰力変更手段a
を有したショックアブソーバbと、各車輪部におけるば
ね上速度を検出するばね上速度検出手段cと、車体の傾
斜状態を検出する傾斜状態検出手段dと、該傾斜状態検
出手段dで検出された傾斜値が所定のしきい値未満であ
る時は、ばね上速度の方向と同一のショックアブソーバ
bの行程側の減衰力をばね上速度に応じた最適の減衰力
に制御すべく減衰力変更手段aにそれぞれ切り換え信号
を出力する減衰力基本制御部eを有する制御手段fと、
該制御手段fに設けられ、傾斜状態検出手段dで検出さ
れた傾斜値が所定のしきい値以上である時は、その時の
ばね上速度の方向と同一のショックアブソーバbの行程
側の減衰力を各ばね上速度の0より大で1より小さい実
数乗に比例した値に制御する傾斜抑制制御部gとを備え
ている手段とした。
【0007】
【作用】本発明の作用について説明する。尚、説明中の
符号は、図1に対応している。車両の走行中に操舵操
作,急加速,ブレーキング等が行なわれると車体が傾斜
(ロール,ダイブ,スカット)する。そして、この傾斜
状態は、傾斜状態検出手段dで検出されるもので、その
傾斜値が所定のしきい値以上である時は、車体に大きな
傾斜が生じるため、傾斜抑制制御部gでは、各車輪部の
ばね上速度方向と同一の各ショックアブソーバbの行程
側を各ばね上速度の0より大で1より小さい実数乗に比
例した値に制御すべく減衰力変更手段aにそれぞれ切り
換え信号を出力する。
【0008】即ち、この傾斜抑制制御gにおいては、そ
の時のばね上速度の方向と同一のショックアブソーバb
の行程側を、ばね上速度の0より大で1より小さい実数
乗に比例した高減衰力に制御するもので、これにより、
ばね上速度に対する減衰力変更手段aの切り換え特性が
2乗特性となって、特にばね上速度の低速域での減衰力
の変化率(上昇率)が大きくなるため、高減衰力側への
減衰力の切り換えが速やかに行なわれることになる。
【0009】このように、車体の傾斜発生初期段階から
ショックアブソーバbの行程側を速やかに高減衰力側へ
切り換えることができるので、車体の傾斜をその発生初
期段階から高い減衰力で抑制して車両の操縦安定性を確
保することができる。
【0010】また、傾斜値が所定のしきい値未満である
時は、車体の傾斜は生じていないため、傾斜抑制制御部
gは作動せず、減衰力基本制御部eでは、ばね上速度検
出手段cで検出された各車輪部におけるばね上速度に基
づいて各ばね上速度の方向と同一の各ショックアブソー
バbの行程側を最適の減衰力に制御すべく減衰力変更手
段aにそれぞれ切り換え信号を出力し、これにより、路
面入力に対する車両の乗り心地を確保することができ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳述す
る。まず、実施例の構成について説明する。図2は、本
発明実施例のシステムブロック図であって、図において
1は減衰力可変型のショックアブソーバ1、2はパルス
モータ、3はばね上加速度センサ、4はステアリングセ
ンサ、5はコントロールユニットを示している。
【0012】前記ショックアブソーバ1は、4つの車輪
のそれぞれと車体との間に、合計4つ設けられている。
前記パルスモータ2は、ショックアブソーバ1の減衰力
ポジションを切り換えるもので、ステップ駆動により、
各ショックアブソーバ1の減衰力ポジションを多段階に
変化させる。
【0013】前記ばね上加速度センサ3は、ばね上の車
体に取り付けられ、ばね上の上下方向加速度を検出し、
この検出されたばね上加速度に応じた電気信号を出力す
る。そして、このばね上加速度センサ3も、各ショック
アブソーバ1毎に1つづつ設けられている。前記ステア
リングセンサ4は、ステアリングに設けられ、操舵角に
応じた電気信号を出力する。
【0014】前記コントロールユニット5は、制御手段
を構成するもので、その減衰力基本制御部では、ばね上
加速度センサ3からの入力信号に基づいて、ショックア
ブソーバ1を最適の減衰力とすべく、ステップモータ2
に制御信号を出力すると共に、その傾斜抑制制御部を構
成するロール制御部では、ロールを抑制すべく各ショッ
クアブソーバ1の減衰力をその行程側においてばね上速
度の0より大で1より小さい実数乗に比例した減衰力に
設定する制御を行なう。即ち、このコントロールユニッ
ト5は、インタフェース回路5a,CPU5b,駆動回
路5cを備え、前記インタフェース回路5aには上下加
速度センサ3及びステアリングセンサ4からの出力信号
がそれぞれ入力される。
【0015】次に、図3はショックアブソーバ1の構成
を示す断面図であって、このショックアブソーバ1は、
シリンダ30と、シリンダ30を上部室と下部室Bとに
画成したピストン31と、シリンダ30の外周にリザー
バ室Cを形成した外筒33と、下部室Bとリザーバ室C
とを画成したベース34と、ピストン31に連結された
ピストンロッド7の摺動をガイドするガイド部材35
と、外筒33と車体との間に介在されたサスペンション
スプリング36と、バンパラバー37とを備えている。
【0016】さらに詳述すると、前記ショックアブソー
バ1は、図4に示すように、伸行程で圧縮された上部室
A内の流体が下部室B側へ流通可能な流路として、伸側
内側溝11の位置から伸側減衰バルブ12の内側及び外
周部を開弁して下部室Bに至る伸側第1流路Dと、第2
ポート13,縦溝23及び第4ポート14を経由して伸
側外側溝15位置から伸側減衰バルブ12の外周部を開
弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポート1
3,縦溝23及び第5ポート16を経由して伸側チェッ
クバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路F
と、第3ポート18,第2横孔25及び中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gとの4つの流路が
あり、また、圧行程で圧縮された下部室B内の流体が上
部室A側へ流通可能な流路として、圧側減衰バルブ20
を開弁して上部室Aに至る圧側第1流路Hと、中空部1
9,第1横孔24及び第1ポート21を経由して圧側チ
ェックバルブ22を開弁して上部室Aに至る圧側第2流
路Jと、中空部19,第2横孔25及び第3ポート18
を経由して上部室Aに至る前記バイパス流路Gとの3つ
の流路がある。
【0017】また、前記縦溝23と第1及び第2横孔2
4,25が形成された調整子6は、パルスモータ2の駆
動によるステップ回動に基づいて減衰力のポジションを
図5〜図7に示す3つのポジション間で多段階に切り換
え可能となっている。
【0018】まず、図5に示す第2ポジション(図8の
のポジション)では、伸側第1流路Dと、圧側第1流
路Hと圧側第2流路Jとが流通可能となっていて、これ
により、図9に示すように、伸側が高減衰力(図12の
+Xmax ポジション)でその逆行程の圧側が所定の低減
衰力(図12の−Xsoftポジション)となる。
【0019】次に、図6に示す第1ポジション(図8の
のポジション)では、前記圧行程の4つの流路D,
E,F,Gと、圧行程の3つの流路H,J,Gのすべて
が流通可能となっていて、これにより、図10に示すよ
うに、伸側及び圧側が共に所定の低減衰力(図12の±
Xsoftポジション)となる。
【0020】次に、図7に示す第3ポジション(図8の
のポジション)では、伸側第1〜第3流路D,E,F
および圧側第1流路Hが流通可能となっていて、これに
より、図11に示すように、圧側が高減衰力(図12の
−Xmax ポジション)でその逆行程の伸側が所定の低減
衰力(図12の+Xsoftポジション)となる。そして、
前記第1および第3ポジション側は、調整子6のステッ
プ回転角度に応じてそれぞれ多段階に切り換え可能とな
っていて、そのステップ回転角度に応じて高減衰力側の
減衰力のみを比例的に変化可能となっている。
【0021】即ち、このショックアブソーバ1は、調整
子6を回動させることにより、その回動に基づいて減衰
力を、伸側・圧側いずれとも図12に示すような特性
で、低減衰力から高減衰力の範囲で多段階に変更可能に
構成されている。また、図8に示すように、伸側・圧側
いずれも低減衰力(図12の±Xsoftポジション)とし
たのポジションから調整子6を反時計方向へ回動させ
ると、伸側のみ高減衰力側に変化し、逆に、調整子6を
時計方向へ回動させると、圧側のみ高減衰力側に変化す
る構造となっている。
【0022】次に、図13に示すフローチャートに基づ
き、コントロールユニット5における減衰力ポジション
制御の作動流れについて説明する。まず、ステップ10
1では、ばね上加速度から演算されたばね上速度X、及
び、操舵角θを読み込んだ後、ステップ102へ進む。
【0023】ステップ102は、操舵角±θの絶対値 |
θ| が所定のしきい値±aの絶対値|a| を越えたかど
うかを判定するステップで、所定のしきい値±aの絶対
値 |a| 以上(YES)であればステップ103へ進
み、所定のしきい値±aの絶対値 |a| 未満(NO)で
あればステップ107へ進む。
【0024】前記ステップ107は、路面入力に対する
通常の減衰力制御を行なうステップである。即ち、この
通常制御では、その時のばね上速度Xの方向と同一方向
のショックアブソーバ1の行程側における減衰力(D
F)が下記の演算式に基づいて設定され、この減衰力
に制御すべくステップモータ2に切り換え信号が出力さ
れた後、一回のフローを終了する。尚、下記演算式に
おいて、αは制御定数、Rは1以上の実数を示してお
り、従って、図14の(イ) に示すように、ばね上速度に
対するステップモータ2の送り数特性が2/3乗特性と
なる。 DF=α(X)R ・・・・・・・・・・ 前記ステップ103は、ロールを抑制するするためのロ
ール制御を行なうステップである。即ち、このロール制
御では、その時のばね上速度Xの方向と同一方向のショ
ックアブソーバ1の行程側における減衰力(DF)が下
記の演算式に基づいて設定され、この減衰力に制御す
べくステップモータ2に切り換え信号が出力された後、
ステップ104へ進む。尚、下記演算式において、B
は0より大で1よりは小さい実数であり、従って、図1
4の(ロ) に示すように、ばね上速度に対するステップモ
ータ2の送り数特性が2乗特性となる。 DF=α(X)B ・・・・・・・・・・ 前記ステップ104は、操舵角±θの絶対値 |θ| が所
定のしきい値±aの絶対値 |a| 未満まで低下したかど
うかを判定するステップで、所定のしきい値±aの絶対
値 |a| 以上(NO)であればステップ103へ戻って
ロール制御状態を継続させ、所定のしきい値±aの絶対
値 |a| 未満(YES)であればステップ105へ進
む。
【0025】このステップ105は、操舵角±θの絶対
値 |θ| が所定のしきい値±aの絶対値 |a| 未満に低
下している時間(タイムt)を計測するステップで、タ
イマをスタートさせた後、ステップ106へ進む。
【0026】このステップ106は、計測タイムtが所
定の設定タイムt0 を越えたかどうかを判定するステッ
プで、設定タイムt0 未満(NO)であれば前記ステッ
プ103へ戻ってロール制御状態を継続させ、設定タイ
ムt0 以上(YES)になると、ステップ107へ進ん
で通常制御が行なわれ、これで一回の制御フローを終了
する。このように、コントロールユニット5では、以上
の制御フローを繰り返すものである。
【0027】次に、実施例のコントロールユニット5の
制御作動を説明する。 (イ)操舵角が小さい時 操舵角±θの絶対値 |θ| が所定のしきい値±aの絶対
値 |a| を越えない時は、操舵により発生するロールも
小さいので、通常制御状態に切り換えられ、その時のば
ね上速度±Xの方向と同一のショックアブソーバ1の行
程側がばね上速度±XのR(1以上の実数)乗に比例し
た減衰力[DF=α(X)R ]となるような減衰力ポジ
ションの切り換え制御が成される。
【0028】即ち、この実施例では、操舵角θの検出に
よりロールの発生状態を予測し、大きなロールが発生す
る可能性がない直進走行時または操舵角が小さい時に
は、その時のばね上速度±Xの方向と同一のショックア
ブソーバ1の行程方向側を、ばね上速度±XのR乗に比
例した適度な高減衰力に制御することで、路面入力に対
するばね上(車体)への振動伝達を適度に抑制して操縦
安定性と乗り心地の向上を図ることができるという特徴
を有している。
【0029】また、この通常制御においては、図14の
(イ) に示すように、ばね上速度Xに対するステップモー
タ2の送り数特性が2/3乗特性で、ばね上速度が低速
になるにつれて減衰力の変化が緩やかとなるため、高減
衰力方向への切り換えが滑らかに行なわれ、これによ
り、減衰力切り換え時における車両の乗り心地を向上さ
せることができるという特徴を有している。
【0030】更に、その時のばね上速度±Xの方向とは
逆方向のショックアブソーバ1の行程側を所定の低減衰
力として、制振制御時における行程方向とは逆方向の路
面入力を吸収し、これにより、車体への伝達を阻止して
乗り心地をさらに向上させることができるという特徴を
有している。
【0031】(ロ)操舵角が大きい時 操舵角±θの絶対値 |θn|が所定のしきい値±aの絶対
値 |a| を越える時は、大きな操舵により発生するロー
ルが過大となるため、ロール制御状態に切り換えられ、
その時のばね上速度±Xの方向と同一のショックアブソ
ーバ1の行程側が、ばね上速度±XのB(0より大で1
より小さい実数)乗に比例した高減衰力[DF=α
(X)B ]に制御される。即ち、 a) 操舵角±θの絶対値 |θ| が所定のしきい値±aの
絶対値 |a| 未満であり、かつ、ばね上速度Xの方向が
上向き(+)である時は、その時のばね上速度Xの方向
と同一方向である伸側がばね上速度+XのB乗に比例し
た高減衰力ポジションで、その逆の圧側が所定の低減衰
力(−Xsoftポジション)となる第2ポジション(図8
のおよび図9のポジション)側に切り換えられる。
【0032】b) 操舵角±θの絶対値 |θ| が所定のし
きい値±aの絶対値 |a| 未満であり、かつ、ばね上速
度Xの方向が下向き(−)である時は、その時のばね上
速度Xの方向と同一方向である圧側がばね上速度−Xの
R乗に比例した高減衰力ポジションで、その逆の伸側が
所定の低減衰力(+Xsoftポジション)となる第3ポジ
ション(図8のおよび図11のポジション)側に切り
換えられる。
【0033】そして、その後に操舵の切り返し操作で操
舵角±θの絶対値 |θ| が所定のしきい値±aの絶対値
|a| 未満に低下した状態が所定の時間t0 だけ継続し
た時は前記通常制御状態への切り換えがなされる。
【0034】即ち、このロール制御においては、その時
のばね上速度±Xの方向と同一のショックアブソーバ1
の行程側が、ばね上速度±XのB(0より大で1より小
さい実数)乗に比例した高減衰力[DF=α(X)B
に制御されることで、図14の(ロ) に示すように、ばね
上速度Xに対するステップモータ2の送り数が2乗特性
となって、特にばね上速度Xの低速域での減衰力の変化
率(上昇率)が大きくなるため、高減衰力側へ減衰力の
切り換えが速やかに行なわれることになる。
【0035】従って、操舵角θが大きい時には、ばね上
速度±Vの低速域におけるステップモータ2の送り感度
を高めることで、車体のロール発生初期段階からショッ
クアブソーバ1の行程側を高減衰力側へ切り換えること
ができ、これにより、大きな操舵操作に基づく車体のロ
ールをその初期段階から高い減衰力で抑制して操縦安定
性を確保することができるという特徴を有している。
【0036】また、その時のばね上速度Xの方向とは逆
方向のショックアブソーバ1の行程側を所定の低減衰力
として、行程方向とは逆方向の路面入力を吸収し、これ
により、ロール制御時における車両の乗り心地を向上さ
せることができるという特徴を有している。
【0037】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等が
あっても本発明に含まれる。
【0038】例えば、実施例では、傾斜状態検出手段と
してのステアリングセンサで検出された操舵角に基づく
しきい値制御により、大きな操舵により発生する車両の
ロールを抑制する制御を行なう場合を示したが、傾斜状
態検出手段としては横方向加速度センサを用いることが
でき、また、横方向加速度センサ,ブレーキセンサ,ア
クセルセンサ等により車両の前後方向の傾斜状態(ピッ
チ,ダイブ,スカット等)を検出し、これらを抑制する
制御を行なうようにしてよい。
【0039】また、傾斜抑制制御時における制御定数は
減衰力基本制御時におけるそれよりも大きな値に設定す
ることが望ましい。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の車両
懸架装置では、傾斜状態検出手段で検出された傾斜値が
所定のしきい値以上である時は、その時のばね上速度の
方向と同一のショックアブソーバの行程側の減衰力を各
ばね上速度の0より大で1より小さい実数乗に比例した
値に制御する傾斜抑制制御部を備えたことで、傾斜抑制
制御時におけるばね上速度に対する減衰力の変化が2乗
特性となって、特にばね上速度の低速域での減衰力の変
化率(上昇率)が大きくなるため、高減衰力側へ減衰力
の切り換えが速やかに行なわれ、これにより、車体の傾
斜をその発生初期段階から抑制して車両の操縦安定性を
確保することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】本発明実施例の車両懸架装置を示すシステムブ
ロック図である。
【図3】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
【図4】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図5】第2ポジションの状態を示す断面図で、(イ) は
図4のK−K断面図、(ロ) は図4のL−L断面図、(ハ)
は図4のN−N断面図である。
【図6】第1ポジションの状態を示す断面図で、(イ) は
図4のK−K断面図、(ロ) は図4のL−L断面図、(ハ)
は図4のN−N断面図である。
【図7】第3ポジションの状態を示す断面図で、(イ) は
図4のK−K断面図、(ロ) は図4のL−L断面図、(ハ)
は図4のN−N断面図である。
【図8】前記ショックアブソーバの減衰力切換特性を示
す図である。
【図9】第2ポジションにおけるピストン速度に対する
減衰力特性図である。
【図10】第1ポジションにおけるピストン速度に対す
る減衰力特性図である。
【図11】第3ポジションにおけるピストン速度に対す
る減衰力特性図である。
【図12】実施例装置のピストン速度に対する減衰力の
可変特性図である。
【図13】実施例装置のコントロールユニットの作動流
れを示すフローチャートである。
【図14】実施例装置のばね上速度に対するステップモ
ータの送り数特性図である。
【符号の説明】
a 減衰力変更手段 b ショックアブソーバ c ばね上速度検出手段 d 傾斜状態検出手段 e 減衰力基本制御部 f 制御手段 g 傾斜抑制制御部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各車輪と車体との間にそれぞれ設
    けられ、減衰力を変更する減衰力変更手段を有したショ
    ックアブソーバと、 各車輪部におけるばね上速度を検出するばね上速度検出
    手段と、 車体の傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段と、 該傾斜状態検出手段で検出された傾斜値が所定のしきい
    値未満である時は、ばね上速度の方向と同一のショック
    アブソーバの行程側の減衰力をばね上速度に応じた最適
    の減衰力に制御すべく減衰力変更手段にそれぞれ切り換
    え信号を出力する減衰力基本制御部を有する制御手段
    と、 該制御手段に設けられ、傾斜状態検出手段で検出された
    傾斜値が所定のしきい値以上である時は、その時のばね
    上速度の方向と同一のショックアブソーバの行程側の減
    衰力を各ばね上速度の0より大で1より小さい実数乗に
    比例した値に制御する傾斜抑制制御部と、を備えている
    ことを特徴とする車両懸架装置。
JP28005691A 1991-10-25 1991-10-25 車両懸架装置 Expired - Lifetime JP3016528B2 (ja)

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