JPH0611514U - 隠しスライドファスナーの上止 - Google Patents

隠しスライドファスナーの上止

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JPH0611514U
JPH0611514U JP049971U JP4997192U JPH0611514U JP H0611514 U JPH0611514 U JP H0611514U JP 049971 U JP049971 U JP 049971U JP 4997192 U JP4997192 U JP 4997192U JP H0611514 U JPH0611514 U JP H0611514U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 上止はファスナーテープから容易に剥離でき
ない、またミシン縫製の際、ミシンフットガイドに容易
に誘導できる。 【構成】 合成樹脂製のU字状短素材5をファスナーテ
ープ1の端縁を包被して溶着し、短素材5の開放端側で
ファスナーテープ1を貫通した状態で貫通溶着部9を形
成し、溶着部9は通常のファスナーテープの折返部7よ
り、内側にB部分ずれた位置で溶着し、先端が角度C浮
上った形態に形成し、また短素材5の折返端はファスナ
ーエレメント2より、A部分突出させ停止部8を形成し
た隠しスライドファスナーの上止であり、上止は貫通溶
着部9によってファスナーテープより剥離することがな
く、また上止の先端は角度C浮上しているので、ミシン
フットガイドに誘導するのに好都合である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、合成樹脂製の線材から形成されたコイルタイプ、ジグザグタイプ の線条ファスナーエレメントを装着した、隠しスライドファスナーにおける上止 に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の隠しスライドファスナーの上止は、線条ファスナーエレメントの上端部 に位置する数個のファスナーエレメントの脚部および連結部に跨って、弓形に弯 曲した合成樹脂部材を、その両端がファスナーエレメントに一体の上面より低く 埋設するようにファスナーエレメントに溶着し、合成樹脂部材の中央の弓形突出 部をファスナーエレメントの噛合頭部と反対側の連結部より外方に突出させた隠 しスライドファスナーの上止(実公昭51−4819号公報参照)が知られてい る。
【0003】 また、可融着材料の素材を融着した、かたまりから形成された上止は、外面が ファスナーチェンのスペース部分における折込部の頂部と一致し、内面はファス ナーテープの折込まれた縁部の下側とテープとの間に位置し、一端は折込まれた 部分の外縁を超えたところで終り、他端はテープの内側折込み縁に対応する形状 に形成された、弯曲した唇部に終った隠しスライドファスナーの上止(特公昭5 2−6656号公報参照)が知られている。
【0004】 さらに、扁平素材をU字状に曲成した熱可塑性合成樹脂の止具を、ファスナー エレメントが装着されている側の側縁部に溶着するとともに、止具の両端部が互 いにファスナーテープの開口部を通じて、一体的に溶着されたスライドファスナ ーの上止(実開昭62−148116号公報参照)が知られている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】 前項で述べた、第一公知例の場合における隠しスライドファスナーの上止は、 ファスナーテープの一面と上止とが溶着された形態であるから、長期の使用にお いては、上止が剥離する恐れがあること、またミシン縫製の際、隠しスライドフ ァスナーをミシンフットガイドへ誘導するのに、ファスナーエレメントとファス ナーテープとが平行状態で密着しているため挿入操作がきわめて面倒である。
【0006】 また、第二公知例の場合における隠しスライドファスナーの上止は、ファスナ ーテープの内側折込み縁に対応する形状の弯曲した唇部に形成した上止であるか ら、ファスナーテープとの支承面積を増大し、テープとの支承角度が小さく制限 されるので、ミシンフットガイドへ隠しスライドファスナーを挿入するのにやは り難点があること、また上止はスライダーのフランジ部内へ導入されるタイプの ものであるから、ファスナーテープの開放端側はハの字形態のままであるから、 外観上からも体裁のよい隠しスライドファスナーとはいえない。
【0007】 さらに第三公知例の場合の上止は、ごくあたりまえの普通タイプのスライドフ ァスナーにおける上止であって、隠しスライドファスナーにおける上止でないの で、この出願の考案の如く、U字状短素材を用いた上止の固定角度をファスナー エレメントの固定角度と異なるように形成することは期待できない。またU字状 短素材の折曲頭部側がスライダーのフランジ部と当接させるタイプでないので、 上止強度の面で問題がある。
【0008】 この考案は、上述の問題点を解消するため考案されたもので、この考案の隠し スライドファスナーの上止は、長期の使用においてもファスナーテープから剥離 することがなく、またミシン縫製の際、ミシンフットガイドに容易に挿入させる ことができ、縫製能率を向上させることができる。さらに上止はスライダーの開 閉操作によってスライダーのガイドフランジ部に当接し、ファスナーテープの余 端面を内側に矯正する働きをし、外観上からも体裁のよい隠しスライドファスナ ーを提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この考案の隠しスライドファスナーの上止は、合 成樹脂製のU字状短素材5をファスナーテープ1の端縁を包被して溶着するとと もに、U字状短素材5の開放端側、すなわちファスナーエレメント2の噛合頭部 側でファスナーテープ1を貫通した状態で溶着し、この貫通溶着部9はファスナ ーエレメント2の装着された個所におけるテープ折返部7よりも内側にB部分だ けずれた位置で溶着し、ファスナーエレメント2の固定角度と異なるように形成 した隠しスライドファスナーの上止を主な構成としている。
【0010】 また、U字状短素材5の溶着部の一端は、ファスナーエレメント2の連結部よ り斜外方へA部分突出させ、スライダー4のガイドフランジ部10と当接する停 止部8を形成した隠しスライドファスナーの上止である。
【0011】
【作用】
この考案の隠しスライドファスナーの上止の構成は、上述のとおりであり、ス ライダー4をファスナーチェンの閉鎖方向へ摺動させることによって、スライダ ー4のガイドフランジ部10が、上止の頭部側すなわち停止部8と当接し、かつ 上止の基部側すなわち貫通溶着部9側がスライダー4の案内柱11に当接してス ライダー4は停止する。この際上止は両外側縁が閉鎖方向へ押圧され、上止の内 側がスライダー4の内部に進入するように付勢されるので、ファスナーテープ1 の余端面が内方へ矯正される。
【0012】
【実施例】
以下、この考案の隠しスライドファスナーの上止の実施例について、図面を参 照しながら具体的に説明する。
【0013】 隠しスライドファスナーは、図3に示すとおり、ファスナーテープ1の一端縁 を折曲げて折返片1’を形成し、この折返片1’にコイルタイプ、ジグザグタイ プなどの線条ファスナーエレメント2を縫製するのであるが、その際コイルタイ プのファスナーエレメント2の場合は、ファスナーエレメント2内に芯紐3を介 在させて縫製することが普通に行われている。このファスナーチェンには図1、 2に示すようにスライダー4が装備され、ファスナーチェンを閉鎖したとき、表 面からは図1に示すようにファスナーエレメント2は見えない。
【0014】 この考案は、この隠しスライドファスナーにおいて、スライダーの抜脱を防止 する上止について考案したもので、上止はポリアミドなどの熱可塑性合成樹脂製 のU字状短素材5を、ファスナーエレメント2が装着されていない部分、いわゆ るスペース部6のファスナーテープ1の折返片1’の端縁を包被するように挿入 し、その際ファスナーエレメント2の脚部lまたは連結部cの一部が挟着される 状態で、しかもファスナーエレメント2に連接するように配して、ファスナーテ ープ1に溶着し、短素材5のU字状頭部をファスナーエメント2の連結部cより A部分突出した状態で溶着し、上止としての停止部8を形成する。
【0015】 U字状短素材5の開放端側、すなわちファスナーエレメント2の噛合頭部h側 におけるファスナーテープ1に対する溶着は、ファスナーテープ1を貫通して両 端が互いに一体的に形成されるように溶着して貫通溶着部9を形成する。この貫 通溶着部9は、ファスナーエレメント2が装着されている個所におけるファスナ ーテープ1の折返部7よりも内側にB部分だけ、ずれた位置で溶着され、その結 果図6に示すとおり、ファスナーエレメント2はファスナーテープ1に対し平行 的に装着されているが、U字状短素材5が溶着された形態は、ファスナーテープ 1に対し角度Cを保持した状態で溶着され、ファスナーエレメント2とはファス ナーテープ1に対する固定角度を異にしている。
【0016】 このように形成された上止は、図3、4に示すとおり、スライダー4を閉鎖方 向へ摺動させたとき、スライダー4のガイドフランジ部10の先端に上止の停止 部8が当接し、停止部8と反対側の貫通溶着部9がスライダー4の案内柱11に 当接してスライダー4の摺動は停止する。
【0017】 なお、図中12はスライダー4のガイドフランジ部10に連設された上片であ り、また仮想線13はファスナーエレメント2および芯紐3を縫製した縫糸部分 を現わす。また図7に示したものは、隠しスライドファスナーを被服などに縫製 する際に使用するミシンフットガイド14であって、ガイド溝15にはファスナ ーエレメント2が装着されたファスナーテープ1の折返片1’を起立させた状態 で挿通し縫製作業を行うものである。
【0018】
【考案の効果】
この考案の隠しスライドファスナーの上止は、以上説明したとおりの構成であ り、この構成によって下記の効果を奏する。
【0019】 U字状の短素材5をファスナーテープ1の端縁を包被して溶着するとともに、 短素材5の開放端側で、ファスナーテープ1を貫通した状態で溶着し、この貫通 溶着部9はファスナーエレメント2が装着されている個所におけるテープ折返部 7より内側にB部分ずれた位置で溶着し、ファスナーエレメント2の固定角度と 異なるよう、たとえばファスナーエレメント2はファスナーテープ1に対し平行 的、上止はファスナーテープ1に対し角度Cを保持するように形成したので、長 期の使用においても、上止がファスナーテープ1から剥離する恐れがない。また 上止がファスナーエレメント2と角度Cをもって、先端が浮上した状態であるか ら、ミシン縫製の際、ミシンフットガイド14のガイド溝15への挿入操作がき わめて容易で縫製能率を向上させることができる効果がある。
【0020】 さらにU字状短素材5の溶着部の一端は、ファスナーエレメント2の連結部よ り斜外方へA部分突出させ、スライダー4のガイドフランジ部10と当接する停 止部8を形成したので、スライダー4の閉鎖操作により、ファスナーテープ1の 余端面を内側に矯正する働きがあるから、この隠しスライドファスナーを縫製使 用した製品の開口部を美しく体裁よく仕上げることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】隠しスライドファスナーの要部の平面図であ
る。
【図2】同上の背面図である。
【図3】同上のスライダーを切断した断面背面図であ
る。
【図4】図2および図3におけるI−I線断面図であ
る。
【図5】隠しスライドファスナーの上止の平面図であ
る。
【図6】図5におけるII−II線断面図である。
【図7】ミシンフットガイドの使用状態を示した断面図
である。
【符号の説明】
1 ファスナーテープ 2 ファスナーエレメント 4 スライダー 5 短素材 7 折返部 8 停止部 9 貫通溶着部 10 ガイドフランジ部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製のU字状短素材5をファスナ
    ーテープ1端縁を包被して溶着するとともに、U字状短
    素材5の開放端側でファスナーテープ1を貫通した状態
    で溶着し、この貫通溶着部9はファスナーエレメント2
    の装着個所におけるテープ折返部7より内側にずれた位
    置で溶着し、ファスナーエレメント2の固定角度と異な
    るように形成したことを特徴とする隠しスライドファス
    ナーの上止。
  2. 【請求項2】 U字状短素材5の溶着部の一端は、ファ
    スナーエレメント2の連結部より斜外方へ突出させ、ス
    ライダー4のガイドフランジ部10と当接する停止部8
    を形成した請求項1記載の隠しスライドファスナーの上
    止。
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