JPH06114996A - 有機膜の製造方法 - Google Patents

有機膜の製造方法

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JPH06114996A
JPH06114996A JP4264499A JP26449992A JPH06114996A JP H06114996 A JPH06114996 A JP H06114996A JP 4264499 A JP4264499 A JP 4264499A JP 26449992 A JP26449992 A JP 26449992A JP H06114996 A JPH06114996 A JP H06114996A
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和廣 西山
Norihisa Mino
規央 美濃
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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    • B05D1/18Processes for applying liquids or other fluent materials performed by dipping
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機膜の製造方法に関するもので、より簡単
な方法で、広範囲の有機化合物による有機単分子膜、有
機累積膜を形成することを目的とする。 【構成】 ガラス基体10をトリイソプロポキシチタニ
ルクロライド1.0体積%のヘキサデカン溶液に浸漬し、
ヘキサデカンで洗浄し、金属単分子膜18を形成し、そ
の後基体をセバシン酸1.0重量%のヘキサデカン溶液に
浸漬し、金属単分子膜18の上に有機単分子膜17を形
成する。上記工程を繰り返し金属単分子膜18および有
機単分子膜16を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機膜の形成方法に係
り、より簡単な工程で、広範囲の有機化合物による有機
単分子膜、有機累積膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の有機膜形成方法としては一般にラ
ングミュア・ブロジェット法や、化学吸着法が知られて
いる。
【0003】以下に従来の有機膜形成方法について説明
する。ラングミュア・ブロジェット法による有機膜の形
成方法は、例えば図1に示すようなラングミュア・ブロ
ジェット膜作製装置を用い、角型水槽1内に再蒸留水4
をいれ両親媒性の有機分子を溶媒に溶かした溶液を滴下
し、再蒸留水4上に気体膜を形成する。この気体膜をお
もり3を具したバリアー2によって圧力を加え再蒸留水
4上に凝縮膜を形成させ、清浄化した基体5を基体上下
動腕6を用いて浸漬引き上げを行い、単分子層を基体5
上に形成する。この工程を繰り返すと累積膜が形成され
る。
【0004】基体膜では疎水部7と親水部8を有する両
親媒性の分子9が図2のような状態をとっているが、こ
れをバリヤー2により圧力を加えると両親媒性分子9同
士が図3に示すように凝縮し凝縮膜を得る。
【0005】また、積層膜は、図4及び図5に示すよう
に基体5を上下に移動させることにより形成させ、図6
に示すように両親媒性の分子9が積層し積層膜を得る。
【0006】従来の化学吸着法による有機膜の形成は、
表面に例えば-OH基を有する基体に、末端にクロロシリ
ル基を有する有機化合物を溶解した溶液に浸漬し、その
後、その基体を取り出し溶媒で洗浄し、水で処理するこ
とにより基体上に単分子膜を形成する方法である。ま
た、この化学吸着での累積方法は両末端にクロロシリル
基を有する有機化合物を同様に浸漬、洗浄することを繰
り返すことによる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の方法であるラングミュア・ブロジェット法では基体
の形状が平らなものに限定されること、不純物の混入を
防ぐ製膜環境の制御が必要であること、操作が複雑であ
ること、吸着分子が両親媒性分子に限られることなどの
課題を有していた。
【0008】また従来の化学吸着膜法では吸着剤である
有機化合物として、末端にクロロシリル基を有する有機
化合物を用いていたが、このような末端にクロロシリル
基を有する有機化合物は種類が少なく、形成できる有機
膜の種類が非常に限定されていた。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、簡単な工程で、非常に広範囲な有機化合物について
の有機膜形成法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の有機膜の製造方法は、親電子性を有する金属
化合物、または金属化合物の溶液に、表面に活性水素原
子を有する基体を浸漬した後、この基体を非水系溶媒で
洗浄し、基体上に金属化合物の単分子膜を形成する工程
と、活性水素原子を有する有機化合物、有機化合物の酸
無水物またはそれらの有機化合物を溶解した溶液にこの
金属化合物の単分子膜を有する基体を浸漬し、金属化合
物の単分子膜上に有機単分子膜を形成する工程とを含む
ことを特徴としている。
【0011】
【作用】この有機膜の製造方法は、吸着分子または吸着
分子を溶解もしくは溶融等液化し、そこへ基体を浸漬さ
せ基体表面と吸着分子の化学反応により単分子膜を形成
するものであるため、非常に操作が簡単で埃などの不純
物が混入する可能性はほとんどない。また、吸着分子が
活性水素原子を有している基体と接触しさえすればこの
有機膜は形成可能なため、基体の形状にはほとんど制限
がない。さらに、従来の化学吸着法では基板の活性水素
原子と吸着剤のハロシリル基との反応で膜形成をしてい
たが、本発明はまず、親電子性を有する金属化合物を基
体表面に吸着させ、それから、有機化合物を吸着させる
ため吸着可能な分子がハロシランにかぎられず、活性水
素原子を有する有機化合物、または有機化合物の酸無水
物であれば吸着可能である。
【0012】
【実施例】本発明に適用できる基体としては、表面に活
性水素原子を有するものなら有機膜の形成は可能であ
り、例えば、ガラス、酸化アルミニウム、酸化ケイソ、
酸化クロム、ステンレス、雲母、シリコン、ポリウレタ
ン、ポリアミド等、-NH基、-OH基、-SH基を有するセラ
ミックス、金属、金属酸化物、繊維、樹脂などにも膜形
成が可能である。
【0013】親電子性を有する金属化合物としては、例
えば、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、ジル
コニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、サマリウム(Sm)などの
ハロゲン化物、水酸化物、アルキル化物、もしくはアル
コキシ化物等が挙げられる。これらの化合物または、そ
の溶液に基体を浸漬することにより、金属原子の強い親
電子性により基体上の酸素原子が金属原子を攻撃し、ハ
ロゲン化物では脱ハロゲン化水素反応、水酸化物では脱
水反応、アルキル化物では脱アルカン反応、アルコキシ
化合物では脱アルコール反応等が起こり、基体上に金属
元素が結合する。
【0014】次にこの基体を非水系の溶媒で洗浄するこ
とにより未反応の金属化合物が取り除かれ、図7に示す
ように基体10の表面に金属化合物の単分子層18が形
成される。この単分子層は金属元素14が基板と結合し
ていると同時に置換基11、12、13を有した膜とな
っている。
【0015】さらにこの金属の単分子層18の形成され
た基体を、例えばカルボン酸、有機リン酸、スルホン
酸、アルコール、アルデヒド、チオール、アミン等の活
性水素原子を有する有機化合物、もしくは、例えばカル
ボン酸無水物、有機リン酸無水物、スルホン酸無水物等
の有機化合物の酸無水物、またはこれらの有機化合物の
溶液に浸漬させると、これらの有機化合物の酸素原子
と、基体上に形成された金属原子との強い相互作用によ
り、これらの有機化合物が基体上の金属元素と結合し、
図8に示すように基体上に有機単分子膜15が形成され
る。ここで用いる有機化合物はカルボン酸、有機リン
酸、スルホン酸、カルボン酸無水物、有機リン酸無水
物、スルホン酸無水物が、反応性が高く、吸着後も安定
なため好ましい。
【0016】ここで活性水素原子を有する有機化合物、
として上記のような一価の酸、一価のアルコール、一価
のチオール、一価のアミン、一価の有機化合物の酸無水
物の代わりに、それぞれの有機化合物の二価のものを用
いると、図9に示すように表面に活性水素原子が存在す
る有機単分子膜16が形成される。そこでさらに上記同
様に親電子性を有する金属化合物、例えばゲルマニウム
(Ge)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフ
ニウム(Hf)、サマリウム(Sm)などのハロゲン化物、水酸
化物、アルキル化物、またはアルコキシ化物、またはそ
の溶液に浸漬すると図10に示すように有機単分子膜1
7上に金属の単分子膜18が形成される。これを繰り返
すことにより図11または図12に示すように間に金属
原子を介する有機累積膜16または15が形成される。
なお、これらの図では有機化合物としてカルボン酸を用
いて記載しているが、有機リン酸、スルホン酸、アルコ
ール、チオール、アミン、有機化合物の酸無水物でも可
能なことは言うまでもない。
【0017】この金属単分子膜吸着時及び有機単分子膜
吸着時の吸着溶媒の濃度、反応温度、吸着時間について
以下に説明する。まず吸着溶媒の濃度であるが、吸着剤
が吸着溶媒に溶解できる範囲において、制限はないが、
吸着溶媒の濃度が高すぎると洗浄が非常に困難となり、
低すぎると非常に長い吸着時間が必要となるため、1.0
mol/lから1.0×10-5mol/lの濃度の吸着溶媒が最も良
い。次に反応温度であるが、反応温度も吸着溶液が液体
状であれば吸着は良好に進むが、0〜60℃が最も容易に
設定できる温度のため良い。最後に吸着時間であるが、
吸着剤の種類あるいは吸着剤の濃度等によって最低限必
要な吸着時間は様々であるが、例えば上記濃度範囲で最
も薄い場合では1時間未満であると吸着密度の良い膜は
得られず、また吸着時間が長すぎても一度基体上に単分
子膜が形成されると、更なる反応は進行しないので無意
味であるため1時間〜24時間が最も良い。
【0018】(実施例1)以下本発明の一実施例につい
て、図面を参照にしながら説明する。
【0019】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、トリイソプロポキシチタニルクロライド1.0体
積%のヘキサデカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、その
後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄し
た。次にこの基体をパルミチン酸1.0重量%のヘキサデ
カン溶液(10%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時
間浸漬し、その後その基体を溶液から取りだし、ヘキサ
ンで3回洗浄した。この基体を1日乾燥窒素下で乾燥さ
せ、赤外分光分析法の多重反射法で測定したところ、図
13に示すように、メチレンの非対称伸縮振動の吸収2
927cm-1付近に、メチレンの対称伸縮振動の吸収が2
850cm-1付近に見られ、また1458cm-1と1640
cm-1にはカルボキシレートに特有な吸収がみられ、単分
子膜が形成していることが明かとなった。
【0020】以上のように本実施例によれば、金属化合
物としてトリイソプロピルチタニルクロライドを用いる
ことにより、チタン原子の非常に強い酸素親和性により
容易に基体に吸着し、さらに基体に吸着したチタン原子
がパルミチン酸と相互作用することにより単分子膜が形
成される。
【0021】(実施例2)以下本反応の第二の実施例に
ついて図面を参照にしながら説明する。
【0022】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、二塩化ジ−n−ブチルスズ1.0体積%のヘキサ
デカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、その後その基体を
溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄した。次にこの
基体をパルミチン酸1.0重量%のヘキサデカン溶液(10
%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時間浸漬し、そ
の後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄
した。この基体を1日乾燥窒素下で乾燥させることによ
り図8の一般式で表されるような有機単分子膜15が基
体10上に金属原子14(スズ)と置換基12、13
(n-ブチル基またはクロロ基)を介して、つまり金属化
合物の単分子層18を介して形成された。
【0023】以上のように本実施例によれば、金属化合
物として二塩化ジ−n−ブチルスズを用いることによ
り、スズ原子の非常に強い酸素親和性により容易に基体
に吸着し、さらに基体に吸着したスズ原子がパルミチン
酸と相互作用することにより単分子膜が形成される。
【0024】(実施例3)以下本反応の第三の実施例に
ついて図面を参照にしながら説明する。
【0025】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、トリイソプロポキシチタニルクロライド1.0体
積%のヘキサデカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、その
後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄し
た。次にこの基体をセバシン酸1.0重量%のヘキサデカ
ン溶液(10%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時間
浸漬し、その後その基体を溶液から取りだし、ヘキサン
で3回洗浄した。これを乾燥し、上記と同様に、トリイ
ソプロポキシチタニルクロライド1.0体積%のヘキサデ
カン溶液に、25℃で2時間浸漬し、その後その基体を溶
液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄した。さらにこの
基体を、パルミチン酸1.0重量%のヘキサデカン溶液(1
0%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時間浸漬し、そ
の後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄
した。これらの操作により図12の一般式に表されるよ
うな有機累積膜が形成されたことが赤外分光分析法で明
かとなった。これはまず基体10上に、置換基12、1
3(イソプロポキシ基)を有する金属化合物の単分子膜
18、その上部に有機化合物の単分子膜17(セバシン
酸)、さらに金属化合物の単分子膜18を介して上部に
有機化合物の単分子膜15(パルミチン酸)が形成され
たものである。
【0026】以上のように本実施例によれば、金属化合
物としてトリイソプロポキシチタニルクロライドを用
い、二価のカルボン酸であるセバシン酸及び一価のカル
ボン酸であるパルミチン酸を用いることにより有機累積
膜が形成される。
【0027】(実施例4)以下本反応の第四の実施例に
ついて図面を参照にしながら説明する。
【0028】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、トリイソプロポキシチタニルクロライド1.0体
積%のヘキサデカン溶液に、25℃で2時間浸漬し、その
後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄し
た。次にこの基体をセバシン酸1.0重量%のヘキサデカ
ン溶液(10%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時間
浸漬し、その後その基体を溶液から取りだし、ヘキサン
で3回洗浄した。これを乾燥し、上記と同様に、トリイ
ソプロポキシチタニルクロライド1.0体積%のヘキサデ
カン溶液に、25℃で2時間浸漬し、その後その基体を溶
液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄した。さらにこの
基体を、セバシン酸1.0重量%のヘキサデカン溶液(10
%のクロロホルムを含む)に、50℃で2時間浸漬し、そ
の後その基体を溶液から取りだし、ヘキサンで3回洗浄
した。これらの操作により図11の一般式に表されるよ
うな有機累積膜が形成されたことが赤外分光分析法で明
かとなった。これはまず基体10上に、置換基12、1
3(イソプロポキシ基)を有する金属化合物の単分子膜
18、その上部に有機化合物の単分子膜17(セバシン
酸)、さらに金属化合物の単分子膜18を介して上部に
有機化合物の単分子膜16(セバシン酸)が形成された
ものである。
【0029】以上のように本実施例によれば、金属化合
物としてトリイソプロポキシチタニルクロライドを用
い、二価のカルボン酸であるセバシン酸を用いることに
より有機累積膜が形成される。
【0030】(実施例5)以下本反応の第五の実施例に
ついて図面を参照にしながら説明する。
【0031】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのポリア
ミド基体を、二塩化ジ−n−ブチルスズ1.0体積%のフ
ロリナートFX3252(住友スリーエム(株)製)溶
液に、25℃で2時間浸漬し、その後その基体を溶液から
取りだし、ヘキサンで3回洗浄した。次にこの基体をパ
ルミチン酸1.0重量%のフロリナートFX3252溶液
に、50℃で2時間浸漬し、その後その基体を溶液から取
りだし、フロリナートFX3252で3回洗浄した。こ
の基体を1日乾燥窒素下で乾燥させることにより図8の
一般式で表されるような有機単分子膜15が基体10上
に金属原子14(スズ)と置換基12、13(n-ブチル
基またはクロロ基)を介して、つまり金属化合物の単分
子層18を介して形成された。
【0032】以上のように本実施例によれば、基体とし
てポリアミドを用い、金属化合物として二塩化ジ−n−
ブチルスズを用いることにより、スズ原子の非常に強い
親電子性により容易に基体の窒素原子に吸着し、さらに
基体に吸着したスズ原子がパルミチン酸と相互作用する
ことにより単分子膜が形成される。
【0033】(実施例6)以下本反応の第六の実施例に
ついて図面を参照にしながら説明する。
【0034】縦70.0mm、横29.2mm、厚さ1.0mmのガラス
基体を、二塩化ジ−n−ブチルスズ1.0体積%のヘキサ
デカン溶液(10%クロロホルム溶液)に、25℃で2時間
浸漬し、その後その基体を溶液から取りだし、ヘキサン
で3回洗浄した。次にこの基体を無水パルミチン酸1.0重
量%のヘキサデカン溶液(10%のクロロホルムを含む)
に、50℃で2時間浸漬し、その後その基体を溶液から取
りだし、ヘキサンで3回洗浄した。この基体を1日乾燥窒
素下で乾燥させることにより図8の一般式で表されるよ
うな有機単分子膜15が基体10上に金属原子14(ス
ズ)と置換基12、13(n-ブチル基またはクロロ基)
を介して、つまり金属化合物の単分子層18を介して形
成された。
【0035】以上のように本実施例によれば、金属化合
物として二塩化ジ−n−ブチルスズを用いることによ
り、スズ原子の非常に強い酸素親和性により容易に基体
に吸着し、さらに基体に吸着したスズ原子が無水パルミ
チン酸と相互作用することにより単分子膜が形成され
る。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明は、親電子性を有す
る金属化合物、または金属化合物の溶液に、表面に活性
水素原子を有する基体を浸漬した後、この基体を非水系
溶媒で洗浄し、基体上に金属化合物の単分子膜を形成す
る工程と、活性水素原子を有する有機化合物もしくは有
機化合物の酸無水物またはこれらのいずれかの有機化合
物の溶液に金属化合物の単分子膜を有する基体を浸漬
し、金属化合物の単分子膜上に有機単分子膜を形成する
工程とを含むことを特徴とするため、ラングミュア・ブ
ロジェット法のような複雑な操作を必要とせず、しかも
膜中への不純物の混入があまり環境に影響されなく、複
雑な構造を有する基体でも簡単な工程で膜形成が可能で
ある。また従来の化学吸着法のように吸着剤は末端にク
ロロシリル基を有する有機化合物に限定されず、非常に
広範囲の有機化合物が使用可能なり、さらに取扱いが困
難な吸着剤を用いなくても良いという優れたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製装置
の概念斜視図
【図2】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における気体膜断面図
【図3】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における凝縮膜の断面図
【図4】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における膜作製工程横断面図
【図5】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における累積膜作製工程横断面図
【図6】従来のラングミュア・ブロジェット膜作製方法
における累積膜の構成横断面図
【図7】本発明の一実施例における基体表面の金属化合
物単分子層の概念図
【図8】本発明の一実施例における基体表面の有機単分
子膜の概念図
【図9】本発明の他の実施例における有機累積膜作製時
の基体表面の有機単分子膜の概念図
【図10】本発明の他の実施例における有機累積膜作製
時の有機単分子膜上の金属単分子膜の概念図
【図11】本発明の他の実施例における有機累積膜の概
念図
【図12】本発明の他の実施例における有機累積膜の概
念図
【図13】本発明の一実施例における有機単分子膜の赤
外吸収スペクトル
【符号の説明】
1 角型水槽 2 浮子 3 おもり 4 再蒸留水 5 基体 6 基体上下動腕 7 疎水部 8 親水部 9 両親媒性物質 10 活性水素を有する基体 11 置換基 12 置換基 13 置換基 14 金属原子 15 一価のカルボキシレート 16 ジカルボン酸の一価のカルボキシレート 17 ジカルボン酸の二価のカルボキシレート 18 金属化合物の単分子膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親電子性を有する金属化合物、または前記
    金属化合物の溶液に、表面に活性水素原子を有する基体
    を浸漬した後、前記基体を非水系溶媒で洗浄し、前記基
    体上に金属化合物の単分子膜を形成する工程と、活性水
    素原子を有する有機化合物、有機化合物の酸無水物、前
    記活性水素原子を有する有機化合物の溶液、または前記
    有機化合物の酸無水物の溶液の何れかに前記金属化合物
    の単分子膜を有する基体を浸漬し、前記金属化合物の単
    分子膜上に有機単分子膜を形成する工程とを含むことを
    特徴とする有機膜の製造方法。
  2. 【請求項2】有機化合物が、カルボン酸、有機リン酸、
    スルホン酸のうち少なくとも1つであることを特徴とす
    る請求項1記載の有機膜の製造方法。
  3. 【請求項3】親電子性を有する金属化合物、または前記
    金属化合物の溶液に、表面に活性水素原子を有する基体
    を浸漬した後、前記基体を非水系溶媒で洗浄し、前記基
    体上に金属化合物の単分子膜を形成する第1の工程と、
    活性水素原子を有する有機化合物、有機化合物の酸無水
    物、前記活性水素原子を有する有機化合物の溶液、また
    は前記有機化合物の酸無水物の溶液の何れかに前記金属
    化合物の単分子膜を有する基体を浸漬し、前記金属化合
    物の単分子膜上に有機単分子膜を形成する第2の工程と
    を繰り返すことを特徴とする有機膜の製造方法。
  4. 【請求項4】有機化合物が、ジカルボン酸、有機ジリン
    酸、ジスルホン酸のうち少なくとも1つであることを特
    徴とする請求項3記載の有機膜の製造方法。
  5. 【請求項5】活性水素原子を有する基体が、表面に−OH
    基、-NH基、-SH基のうち少なくとも一つを有することを
    特徴とする請求項1もしくは請求項3のいずれかに記載
    の有機膜の製造方法。
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