JPH06114331A - 帯状材の連続塗装方法 - Google Patents
帯状材の連続塗装方法Info
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- JPH06114331A JPH06114331A JP28970492A JP28970492A JPH06114331A JP H06114331 A JPH06114331 A JP H06114331A JP 28970492 A JP28970492 A JP 28970492A JP 28970492 A JP28970492 A JP 28970492A JP H06114331 A JPH06114331 A JP H06114331A
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- Japan
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- film
- roll
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ロ−ル目やうねり等の塗膜表面不良を生じる
ことなく平滑で健全な塗膜が安定して形成できる、生産
性が高く設備コストの低廉な帯状材の連続塗装手段を確
立する。 【構成】 連続式塗装ラインで帯状材の連続塗装を行う
際、図1で示す如く、塗料の塗布直後からヒ−タ13等で
塗膜の低温加熱を実施しその流動性を向上させてレベリ
ング作用を促進し、ロ−ル目やうねりが無くて平滑で健
全な乾燥塗膜を得る。
ことなく平滑で健全な塗膜が安定して形成できる、生産
性が高く設備コストの低廉な帯状材の連続塗装手段を確
立する。 【構成】 連続式塗装ラインで帯状材の連続塗装を行う
際、図1で示す如く、塗料の塗布直後からヒ−タ13等で
塗膜の低温加熱を実施しその流動性を向上させてレベリ
ング作用を促進し、ロ−ル目やうねりが無くて平滑で健
全な乾燥塗膜を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼板等の帯状材に平
滑で健全な塗膜(機能性材料膜等を含む)を安定して付
与するための連続塗装方法に関するものである。
滑で健全な塗膜(機能性材料膜等を含む)を安定して付
与するための連続塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】走行する帯状材に塗料(機能性
材料の塗布液を含む)を連続的に塗布する手段として
は、従来から“ロ−ルコ−ティング法”が一般的に採用
されている。このロ−ルコ−ティング法は、ロ−ルコ−
タ−のピックアップロ−ル,トランスファ−ロ−ル,ミ
−タリングロ−ル,スム−ジングロ−ル等を介して供給
される塗料を、バックアップロ−ルに沿って通過するか
或いは2本のデフレクタ−ロ−ル間に支持された被塗装
材にアプリケ−タ−ロ−ルを使って塗布した後、乾燥炉
で焼付け乾燥する(乾燥炉では熱風を塗膜面に吹き付け
て溶剤を蒸発させながら昇温し、 塗料のキュアリング,
硬化を行う)塗装法であるが、被塗装材の走行方向とア
プリケ−タ−ロ−ルの回転方向との組み合わせにより、
これを“ナチュラルコ−ティング方式”及び“リバ−ス
コ−ティング方式”の2つに大別することができる。
材料の塗布液を含む)を連続的に塗布する手段として
は、従来から“ロ−ルコ−ティング法”が一般的に採用
されている。このロ−ルコ−ティング法は、ロ−ルコ−
タ−のピックアップロ−ル,トランスファ−ロ−ル,ミ
−タリングロ−ル,スム−ジングロ−ル等を介して供給
される塗料を、バックアップロ−ルに沿って通過するか
或いは2本のデフレクタ−ロ−ル間に支持された被塗装
材にアプリケ−タ−ロ−ルを使って塗布した後、乾燥炉
で焼付け乾燥する(乾燥炉では熱風を塗膜面に吹き付け
て溶剤を蒸発させながら昇温し、 塗料のキュアリング,
硬化を行う)塗装法であるが、被塗装材の走行方向とア
プリケ−タ−ロ−ルの回転方向との組み合わせにより、
これを“ナチュラルコ−ティング方式”及び“リバ−ス
コ−ティング方式”の2つに大別することができる。
【0003】例えば、図2は、バックアップロ−ル1に
沿って通過する被塗装材2にペイントパン3内の塗料を
ピックアップロ−ル4とアプリケ−タ−ロ−ル5を用い
て塗布する方式の、代表的な2ロ−ルによるロ−ルコ−
ティグ法を示しているが、ここに示したのはアプリケ−
タ−ロ−ル5の回転方向が被塗装材2の走行方向と逆に
なった“ナチュラルコ−ティング方式”の例である。
沿って通過する被塗装材2にペイントパン3内の塗料を
ピックアップロ−ル4とアプリケ−タ−ロ−ル5を用い
て塗布する方式の、代表的な2ロ−ルによるロ−ルコ−
ティグ法を示しているが、ここに示したのはアプリケ−
タ−ロ−ル5の回転方向が被塗装材2の走行方向と逆に
なった“ナチュラルコ−ティング方式”の例である。
【0004】これに対して、図3は、ロ−ル配置は前記
図2に示したものと同じであるが、アプリケ−タ−ロ−
ル5の回転方向を被塗装材2の走行方向と同方向とした
“リバ−スコ−ティング方式”の例である。なお、図中
の符号6で示されるのは塗膜厚調整のために設けたミ−
タリングロ−ルであり、符号7で示されるのは乾燥炉で
ある。
図2に示したものと同じであるが、アプリケ−タ−ロ−
ル5の回転方向を被塗装材2の走行方向と同方向とした
“リバ−スコ−ティング方式”の例である。なお、図中
の符号6で示されるのは塗膜厚調整のために設けたミ−
タリングロ−ルであり、符号7で示されるのは乾燥炉で
ある。
【0005】しかし、塗装の主流技術をなすロ−ルコ−
ティング法にも、これまで次のような問題点が指摘され
ていた。即ち、ナチュラルコ−ティング方式の場合に
は、前述した図5のロ−ル構成からも分かるように、ロ
−ルと被塗装材とのニップ出口において“ロ−ルと被塗
装材に付着した塗料が引き裂かれる現象”が起き、その
ためロ−ル及び被塗装材上の塗膜厚が幅方向に不均一と
なって筋模様(ロ−ル目)を生じやすかった。このロ−
ル目の発生は被塗装材の走行速度が大きいほど顕著とな
り、またこれは焼付け乾燥後も残留して表面美観を損ね
るものであることから、表面美観が重視される塗装材を
生産性良く製造する上での大きな阻害要因となってい
た。
ティング法にも、これまで次のような問題点が指摘され
ていた。即ち、ナチュラルコ−ティング方式の場合に
は、前述した図5のロ−ル構成からも分かるように、ロ
−ルと被塗装材とのニップ出口において“ロ−ルと被塗
装材に付着した塗料が引き裂かれる現象”が起き、その
ためロ−ル及び被塗装材上の塗膜厚が幅方向に不均一と
なって筋模様(ロ−ル目)を生じやすかった。このロ−
ル目の発生は被塗装材の走行速度が大きいほど顕著とな
り、またこれは焼付け乾燥後も残留して表面美観を損ね
るものであることから、表面美観が重視される塗装材を
生産性良く製造する上での大きな阻害要因となってい
た。
【0006】一方、リバ−スコ−ティング方式の場合に
は比較的ロ−ル目は出にくいと言われてはいる。しか
し、リバ−スコ−ティング方式の場合でも塗膜厚調整の
ために設けるミ−タリングロ−ルの部位でロ−ル目が発
生し、これが帯状板材(被塗工物)に転写されてしまう
ので、やはり同様の問題が生じるのを如何ともし難い。
このように、リバ−スコ−ティング方式であっても、ナ
チュラルコ−ティング方式に比べて軽度ではあるがロ−
ル目の発生を避けることが難しく、そのため生産性の点
で不利な低速の塗装作業を余儀無くされていた。
は比較的ロ−ル目は出にくいと言われてはいる。しか
し、リバ−スコ−ティング方式の場合でも塗膜厚調整の
ために設けるミ−タリングロ−ルの部位でロ−ル目が発
生し、これが帯状板材(被塗工物)に転写されてしまう
ので、やはり同様の問題が生じるのを如何ともし難い。
このように、リバ−スコ−ティング方式であっても、ナ
チュラルコ−ティング方式に比べて軽度ではあるがロ−
ル目の発生を避けることが難しく、そのため生産性の点
で不利な低速の塗装作業を余儀無くされていた。
【0007】もっとも、前記問題を解決して均質美麗な
塗膜を実現すべく、塗装ロ−ルを使用せずに塗料をスリ
ットから流出させて塗布するカ−テンフロ−コ−タ−や
エクストルダ−等の塗装手段も開発されており、更にこ
の際の生産性を高めようと、スリットから流出する塗料
をガスジェット流でガイドしようとの提案もなされてい
る。しかしながら、これらの手段では塗装装置・設備を
全面的に変更しなければならないことになり、既設のロ
−ルコ−タ−塗装ラインで適用するのは実際上極めて困
難であると言わねばならなかった。
塗膜を実現すべく、塗装ロ−ルを使用せずに塗料をスリ
ットから流出させて塗布するカ−テンフロ−コ−タ−や
エクストルダ−等の塗装手段も開発されており、更にこ
の際の生産性を高めようと、スリットから流出する塗料
をガスジェット流でガイドしようとの提案もなされてい
る。しかしながら、これらの手段では塗装装置・設備を
全面的に変更しなければならないことになり、既設のロ
−ルコ−タ−塗装ラインで適用するのは実際上極めて困
難であると言わねばならなかった。
【0008】このようなことから、本発明が目的とする
のは、“ロ−ル目" や "うねり”といった塗膜表面不良
を生じることなく平滑で健全な塗膜が安定して形成でき
るところの、生産性が高く設備コストの比較的低廉な帯
状材の連続塗装手段を確立することである。
のは、“ロ−ル目" や "うねり”といった塗膜表面不良
を生じることなく平滑で健全な塗膜が安定して形成でき
るところの、生産性が高く設備コストの比較的低廉な帯
状材の連続塗装手段を確立することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、「連続式塗装ライ
ンでの塗装に際し、 ロ−ルコ−タ−であれエクストルダ
−であれ適用する塗装装置には関係なく、 塗料の塗布直
後から焼付け乾燥までの間で塗膜の低温加熱を行うと塗
料の塗布過程で生じた“ロ−ル目”や“うねり”等の表
面不良が著しく軽減される」との知見を得ることができ
た。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、「連続式塗装ライ
ンでの塗装に際し、 ロ−ルコ−タ−であれエクストルダ
−であれ適用する塗装装置には関係なく、 塗料の塗布直
後から焼付け乾燥までの間で塗膜の低温加熱を行うと塗
料の塗布過程で生じた“ロ−ル目”や“うねり”等の表
面不良が著しく軽減される」との知見を得ることができ
た。
【0010】本発明は、上記知見事項等を基にして完成
されたもので、「連続式塗装ラインで帯状材の連続塗装
を行うに際し、 塗料の塗布直後から塗膜の低温加熱を実
施してその流動性を向上させてこれを平滑化することに
より、“ロ−ル目”や“うねり”等の無い平滑で健全な
塗膜を備えた帯状塗装材を生産性良く安定して製造し得
るようにした点」に大きな特徴を有している。
されたもので、「連続式塗装ラインで帯状材の連続塗装
を行うに際し、 塗料の塗布直後から塗膜の低温加熱を実
施してその流動性を向上させてこれを平滑化することに
より、“ロ−ル目”や“うねり”等の無い平滑で健全な
塗膜を備えた帯状塗装材を生産性良く安定して製造し得
るようにした点」に大きな特徴を有している。
【0011】以下、本発明を、具体例に基づいてその作
用・効果と共に詳述する。
用・効果と共に詳述する。
【作用】塗料の塗布後、焼付け乾燥までの間に塗膜の低
温加熱を行うことで、塗料の塗布過程で生じた“ロ−ル
目”や“うねり”等の表面不良が軽減される理由は次の
通りである。即ち、例えばロ−ル目を模式的に描くと図
4で示したような“うねり”として表されるが、この
“うねり”は塗膜の流動と表面張力により時間の経過と
共に平滑になろうとする("レベリング”と呼ばれる)。
そして、塗料がニュ−トン流体で、ロ−ル目が正弦波を
なしていると考えた時の“高低差が半分になる時間(半
減期)”の解析解は次の通りとなる。
温加熱を行うことで、塗料の塗布過程で生じた“ロ−ル
目”や“うねり”等の表面不良が軽減される理由は次の
通りである。即ち、例えばロ−ル目を模式的に描くと図
4で示したような“うねり”として表されるが、この
“うねり”は塗膜の流動と表面張力により時間の経過と
共に平滑になろうとする("レベリング”と呼ばれる)。
そして、塗料がニュ−トン流体で、ロ−ル目が正弦波を
なしていると考えた時の“高低差が半分になる時間(半
減期)”の解析解は次の通りとなる。
【0012】このように、上記半減期は粘度に比例する
ので、レベリング時間を短縮するには塗料の粘度低下が
非常に有効である。
ので、レベリング時間を短縮するには塗料の粘度低下が
非常に有効である。
【0013】そこで、本発明者等はロ−ル目等の軽減に
大きな影響を与える塗料粘度の温度変化の影響を調査し
た。その結果、図5に示すように、塗料の温度を80℃
以下程度(好適には50℃前後)まで上昇させるとその
粘度は大きく低下して流動性が向上し(温度を40〜5
0℃に上昇させると粘度は 1.2〜0.15Pa・sec まで低下
する)、レベリング時間が非常に短くなることが明らか
となった。そのため、塗料の塗布直後から塗膜の低温加
熱を実施すると、加熱炉での焼付け乾燥までの間に“ロ
−ル目”や“うねり”等が速やかに消滅して平滑な塗膜
面が実現される訳である。
大きな影響を与える塗料粘度の温度変化の影響を調査し
た。その結果、図5に示すように、塗料の温度を80℃
以下程度(好適には50℃前後)まで上昇させるとその
粘度は大きく低下して流動性が向上し(温度を40〜5
0℃に上昇させると粘度は 1.2〜0.15Pa・sec まで低下
する)、レベリング時間が非常に短くなることが明らか
となった。そのため、塗料の塗布直後から塗膜の低温加
熱を実施すると、加熱炉での焼付け乾燥までの間に“ロ
−ル目”や“うねり”等が速やかに消滅して平滑な塗膜
面が実現される訳である。
【0014】なお、図6は、塗布液の粘度の温度依存性
を考慮したレベリングモデルを作成し、数値計算を行っ
た結果である「レベリング量(塗料平均膜厚h0に対する
塗料最小膜厚hの比率)の時間変化」を示すグラフであ
るが、この図からも「ロ−ルコ−タ−で塗布した直後の
数秒の間に塗膜のレベリングがほゞ完了すること」や
「その数秒の間を低温加熱して塗料粘度を低くするとレ
ベリングの効果が大幅に改善されること」を確認するこ
とができる。
を考慮したレベリングモデルを作成し、数値計算を行っ
た結果である「レベリング量(塗料平均膜厚h0に対する
塗料最小膜厚hの比率)の時間変化」を示すグラフであ
るが、この図からも「ロ−ルコ−タ−で塗布した直後の
数秒の間に塗膜のレベリングがほゞ完了すること」や
「その数秒の間を低温加熱して塗料粘度を低くするとレ
ベリングの効果が大幅に改善されること」を確認するこ
とができる。
【0015】つまり、図5及び図6からしても、急速加
熱によってロ−ルコ−ティング直後の塗膜温度を40〜
50℃に上昇すると塗膜の粘度は 1.2〜0.15Pa・sec ま
で低下して、4〜5秒が経過するまでの間に塗膜のレベ
リングが速やかに進行し、塗膜表面に存在していたロ−
ル目のレベリング量は低温加熱を行わなかった場合の0.
1 に対して0.02まで改善されることが分かる。
熱によってロ−ルコ−ティング直後の塗膜温度を40〜
50℃に上昇すると塗膜の粘度は 1.2〜0.15Pa・sec ま
で低下して、4〜5秒が経過するまでの間に塗膜のレベ
リングが速やかに進行し、塗膜表面に存在していたロ−
ル目のレベリング量は低温加熱を行わなかった場合の0.
1 に対して0.02まで改善されることが分かる。
【0016】従って、「塗料の塗布直後の低温加熱」
は、塗料の塗布がなされてから4〜5秒が経過する以前
のできるだけ早い時期から、80度以下程度(好ましく
は40〜55℃)に加熱することを目安とするのが良
い。
は、塗料の塗布がなされてから4〜5秒が経過する以前
のできるだけ早い時期から、80度以下程度(好ましく
は40〜55℃)に加熱することを目安とするのが良
い。
【0017】また、ロ−ルコ−タ−その他で塗料を塗布
した直後における塗膜の急速加熱手段としては、誘導加
熱や遠赤外線加熱が好適である。
した直後における塗膜の急速加熱手段としては、誘導加
熱や遠赤外線加熱が好適である。
【0018】続いて、本発明を実施例により説明する。
〈実施例1〉図1に示した塗装・乾燥設備を用い、 0.4
mm厚の帯鋼板への本発明に係る連続平滑塗装試験を実施
した。即ち、ロ−ルコ−タ−へ帯鋼板11を連続的に供給
してキシレンを溶媒としたキシレン・ポリエステル系塗
料を15ミクロンの厚さで塗布し、その直後から保温雰
囲気カバ−12内の遠赤外線ヒ−タ−13により塗膜を約5
0℃の低温に急速加熱して乾燥炉7に入る直前までの4
秒間をその温度に保持した後、乾燥炉7にて塗膜の連続
的焼付け乾燥を行った。なお、塗装鋼板の低温加熱に
は、遠赤外線ヒ−タ−の他に誘導加熱炉,電気抵抗加熱
炉,赤外線加熱炉等の各種加熱方式を採用しても差支え
はない。
mm厚の帯鋼板への本発明に係る連続平滑塗装試験を実施
した。即ち、ロ−ルコ−タ−へ帯鋼板11を連続的に供給
してキシレンを溶媒としたキシレン・ポリエステル系塗
料を15ミクロンの厚さで塗布し、その直後から保温雰
囲気カバ−12内の遠赤外線ヒ−タ−13により塗膜を約5
0℃の低温に急速加熱して乾燥炉7に入る直前までの4
秒間をその温度に保持した後、乾燥炉7にて塗膜の連続
的焼付け乾燥を行った。なお、塗装鋼板の低温加熱に
は、遠赤外線ヒ−タ−の他に誘導加熱炉,電気抵抗加熱
炉,赤外線加熱炉等の各種加熱方式を採用しても差支え
はない。
【0019】この結果、ロ−ルコ−タ−直後から乾燥炉
に入る直前までの間の低温加熱により塗膜の粘度が低下
して流動性が向上し、そのため塗膜のレベリングが十分
に進行して、焼付け乾燥後には塗膜厚が12ミクロンで
筋状ロ−ル目が 0.1ミクロン以下の平滑で健全な塗装鋼
板が得られた。これにより、本発明法の採用によって実
質上ロ−ル目の無いキシレン・ポリエステル系の美麗塗
装鋼板を高速ラインスピ−ドで安定製造できることが確
認された。
に入る直前までの間の低温加熱により塗膜の粘度が低下
して流動性が向上し、そのため塗膜のレベリングが十分
に進行して、焼付け乾燥後には塗膜厚が12ミクロンで
筋状ロ−ル目が 0.1ミクロン以下の平滑で健全な塗装鋼
板が得られた。これにより、本発明法の採用によって実
質上ロ−ル目の無いキシレン・ポリエステル系の美麗塗
装鋼板を高速ラインスピ−ドで安定製造できることが確
認された。
【0020】なお、本実施例ではロ−ルコ−タ−から乾
燥炉7までの間は塗膜の温度を一定に保つべく保温雰囲
気カバ−12にて保温したが、従来の設備ではロ−ルコ−
タ−から乾燥炉7までの間はオ−プンで、外気温度(工
場内雰囲気温度)になっていることは言うまでもない。
燥炉7までの間は塗膜の温度を一定に保つべく保温雰囲
気カバ−12にて保温したが、従来の設備ではロ−ルコ−
タ−から乾燥炉7までの間はオ−プンで、外気温度(工
場内雰囲気温度)になっていることは言うまでもない。
【0021】そこで、保温雰囲気カバ−12や遠赤外線ヒ
−タ−13を取り外して従来設備の状態で同様の連続塗装
試験(塗装直後から乾燥炉までの雰囲気温度は平均で1
5℃であった)を行ったところ、ロ−ルコ−タ−で塗布
された塗膜の粘度が大きいために筋状ロ−ル目は十分に
レベリングされず、焼付け乾燥後も約2〜3ミクロンの
塗膜表面うねりのある塗装鋼板しか得られなかった。こ
の“うねり”発生傾向は、特に薄い塗膜厚で初期ロ−ル
目高さが大きい場合やラインスピ−ドの大きい場合に顕
著であった。
−タ−13を取り外して従来設備の状態で同様の連続塗装
試験(塗装直後から乾燥炉までの雰囲気温度は平均で1
5℃であった)を行ったところ、ロ−ルコ−タ−で塗布
された塗膜の粘度が大きいために筋状ロ−ル目は十分に
レベリングされず、焼付け乾燥後も約2〜3ミクロンの
塗膜表面うねりのある塗装鋼板しか得られなかった。こ
の“うねり”発生傾向は、特に薄い塗膜厚で初期ロ−ル
目高さが大きい場合やラインスピ−ドの大きい場合に顕
著であった。
【0022】ところで、前述したように、ロ−ルコ−テ
ィング直後の低温加熱には、この加熱中における溶剤の
蒸発が少ない(塗膜濃度の上昇が小さくて粘性の上昇を
防げる)加熱方式、即ち熱風吹き付け式の加熱方式より
も誘導加熱や遠赤外線加熱を採用するのが好ましい。
ィング直後の低温加熱には、この加熱中における溶剤の
蒸発が少ない(塗膜濃度の上昇が小さくて粘性の上昇を
防げる)加熱方式、即ち熱風吹き付け式の加熱方式より
も誘導加熱や遠赤外線加熱を採用するのが好ましい。
【0023】つまり、塗液は乾燥によって固形分濃度が
上昇するが、図7で示すように固形分濃度の上昇は著し
い粘性の上昇をもたらし、固形分濃度が5%上がると3
00%近く粘性が上昇する。従って、塗液の速やかな乾
燥は塗膜レベリング作用の大きな妨げになる。従来の乾
燥炉は塗液を乾燥させることを目的としているため、一
般には、乾燥炉内において熱風を塗装面に吹き付けて溶
剤を蒸発させながら昇温を行い、塗料のキュアリング,
硬化を行っていたが、この加熱方式は塗膜レベリング作
用の観点から好ましくない訳である。
上昇するが、図7で示すように固形分濃度の上昇は著し
い粘性の上昇をもたらし、固形分濃度が5%上がると3
00%近く粘性が上昇する。従って、塗液の速やかな乾
燥は塗膜レベリング作用の大きな妨げになる。従来の乾
燥炉は塗液を乾燥させることを目的としているため、一
般には、乾燥炉内において熱風を塗装面に吹き付けて溶
剤を蒸発させながら昇温を行い、塗料のキュアリング,
硬化を行っていたが、この加熱方式は塗膜レベリング作
用の観点から好ましくない訳である。
【0024】そして、より平滑な塗膜を実現するには、
上述した加熱方式の選択に加えて低温加熱中の雰囲気ガ
スの揮発分濃度を制御し、塗膜面から溶剤の蒸発が起き
にくくするとレベリング効果は一層向上するので好まし
い。
上述した加熱方式の選択に加えて低温加熱中の雰囲気ガ
スの揮発分濃度を制御し、塗膜面から溶剤の蒸発が起き
にくくするとレベリング効果は一層向上するので好まし
い。
【0025】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、比較的簡単な方法にて平滑で健全な塗膜を備えた美
麗塗装材を高い生産性の下で安定製造できるようになる
など、産業上有用な効果がもたらされる。
ば、比較的簡単な方法にて平滑で健全な塗膜を備えた美
麗塗装材を高い生産性の下で安定製造できるようになる
など、産業上有用な効果がもたらされる。
【図1】本発明法を実施するための実施例に係る塗装・
乾燥設備例の説明図である。
乾燥設備例の説明図である。
【図2】ロ−ルコ−タ−によるナチュラルコ−ティング
法の説明図である。
法の説明図である。
【図3】ロ−ルコ−タ−によるリバ−スコ−ティング法
の説明図である。
の説明図である。
【図4】ロ−ル目の説明図である。
【図5】温度による塗料の粘度変化を示したグラフであ
る。
る。
【図6】数値計算による塗膜レベリング量の時間変化を
示したグラフである。
示したグラフである。
【図7】塗液の固形分濃度変化と粘性変化との関係を示
すグラフである。
すグラフである。
1 バックアップロ−ル 2 被塗装材 3 ペイントパン 4 ピックアップロ−ル 5 アプリケ−タ−ロ−ル 6 ミ−タリングロ−ル 7 乾燥炉 11 帯鋼板 12 保温雰囲気カバ− 13 遠赤外線ヒ−タ−
Claims (1)
- 【請求項1】 連続式塗装ラインでの塗装に際し、塗料
の塗布直後から塗膜の低温加熱を実施してその流動性を
向上させ、これを平滑化することを特徴とする、帯状材
の連続塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28970492A JPH06114331A (ja) | 1992-10-03 | 1992-10-03 | 帯状材の連続塗装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28970492A JPH06114331A (ja) | 1992-10-03 | 1992-10-03 | 帯状材の連続塗装方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06114331A true JPH06114331A (ja) | 1994-04-26 |
Family
ID=17746675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28970492A Pending JPH06114331A (ja) | 1992-10-03 | 1992-10-03 | 帯状材の連続塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06114331A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011200795A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | Nisshin Steel Co Ltd | 塗装鋼板の製造方法 |
-
1992
- 1992-10-03 JP JP28970492A patent/JPH06114331A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011200795A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | Nisshin Steel Co Ltd | 塗装鋼板の製造方法 |
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