JPH0434936Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は鋼管の外面塗覆装に適用される加熱
溶融型塗料塗装ノズルに関するものである。

〔従来の技術〕

例えば水道管、ガス管等の鋼管の外面にコール
タールなどの瀝清質塗料を塗装する技術として
は、従来は第５図に示すように通常、円筒形のノ
ズル５から塗料を鋼管１上に落下させ、鋼管上に
落下した塗料を、塗料シゴキ装置４により、鋼管
の表面に平滑に塗布していた。しかし、このよう
な従来の方法には、後述するように種々の問題点
がある。また、ノズルの吐出口を改良したものに
は、特公昭55−12081号公報に示された熱鋼板冷
却水用のスリツトノズルがある。該公報に記載の
発明の給水用ノズルは、熱鋼板の進行方向に対し
て、ほぼ直角方向にして熱鋼板の真上に配置した
給水ヘツダー管に熱鋼板幅全長にわたつて、切れ
目のない板状の層流を落下させるためのスリツト
ノズルである。

〔考案が解決すべきる課題〕

これら従来の技術には、以下に示す問題点があ
る。まず従来からの円筒状ノズルによるものは、 (a) 回転する鋼管１上に円筒ノズル５から、加熱
溶融型塗料を落下し、シゴキ板４で塗料を鋼管
上に広げ膜厚を付けるため、膜厚のバラツキが
発生する。

(b) 所定の膜厚を付けるため、シゴキ板４の操作
が複雑となり、オペレータの熟練度が要求され
る。

(c) 円筒ノズル５から、加熱溶融型塗料を落下
し、シゴキ板４で塗料を鋼管上に広げ膜厚を付
けるために、塗布回数も多く作業時間も長い。

この考案は上記のような問題点を有利に解決し
たノズル方式による塗料塗装ノズルを提供するも
のである。なお、特公昭55−12081号に示された
給水ノズルは本考案のような塗料を供給するに
は、そのままでは不都合があり、殆ど実用に供し
難い。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上述の問題点を有利に解決したもので
あり、その要旨は、加熱溶融型塗料を鋼管の外面
に塗布する加熱溶融型塗料塗装ノズルにおいて、
塗料吐出ノズルの先端は、塗料をフイルム状に吐
出させるための吐出口をスリツト状にし、該吐出
口先端に塗料を吐出および停止させる開閉弁を設
け、更にノズル全体に塗料を常に一定温度に保定
する間接加熱による保温装置を設けたことを特徴
とする加熱溶融型塗料塗装ノズルである。

〔作用及び実施例〕

以下本考案のノズルについて図面に示す実施例
に基づいて詳細に説明する。

第１図は本考案実施例ノズルの正面図、第２図
は同側断面図、第３図は本考案ノズル先端部の拡
大断面図である。

本考案の加熱溶融型塗料塗装ノズルは、第１図
〜第３図に示すように、加熱溶融型塗料を鋼管の
外面に塗布するに際し、塗料吐出ノズル７の先端
は塗料をフイルム状に吐出させるための吐出口を
スリツト状にし、ノズル先端には、塗料吐出およ
び停止させる開閉弁１０を設け、ノズル全体には
間接加熱による保温装置８を設けた構成からなる
事を特徴とする。

第１図は本考案実施例ノズルの正面図で、加熱
溶融型塗料（アスフアルト、SLコンパウンド等）
が例えばノズル上部50φのノズルより15Kg／分〜
34Kg／分吐出され、吐出された塗料は吐出口に向
かつて流れるが、第２図の側断面図のように吐出
口に向かつて狭くなつており、加熱溶融型塗料は
間接加熱による保温装置８により溶融温度を略均
一に保持されてノズルの幅一杯に広がり、吐出口
より、幅広なフイルム状の塗料を吐出する。第３
図はノズル先端部に設けた加熱溶融型塗料ストツ
パー機構の一例を示す拡大図で、吐出口に半円の
ストツパー９を図示の如く取り付けストツパー棒
９₁を上に上げると半円の開閉弁１０が回り吐出
口（例えば４mm）が開き、加熱溶融型塗料が吐出
され、ストツパー棒を下げると半円の開閉弁１０
が回り吐出口を閉じる機構を示す。

次に本考案の実施例塗装ノズルにより実際に鋼
管に塗装する態様例について述べる。

第４図において、加熱溶融型塗料を塗布する際
に、前後進用台車２上の鋼管１の外径に合せて台
車２の軸速及び回転体３の周体を調整する。台車
４上の鋼管１とスリツトノズル６までの高さを約
50cmに合せて、鋼管１の被覆部の端が、スリツト
ノズル６の端と合うように台車２を移動させる。
加熱溶融型塗料をスリツトノズル６に流し、スリ
ツトノズル６の吐出口７は開閉弁１０で閉じ、加
熱溶融型塗料がスリツトノズル６全体に行き渡る
まで約0.5〜１分間待つ。その後塗料ストツパー
９を上げると開閉弁１０が開き、吐出口７から、
塗料が一定幅、一定厚み、一定長さのフイルムと
なつて吐出し、鋼管１に巻き付く。

塗料と塗料のラツプ部は約10〜20mmで巻き付け
て行き、ラツプ部のみは従来通り塗料シゴキ装置
で平滑にする。

鋼管１の被覆部の端までくれば、台車２を止
め、回転駆動体３を１周させてから、スリツトノ
ズル６の塗料ストツパー９を下げ、開閉弁１０を
閉じ、加熱溶融型塗料を止め、スリツトノズル６
全体をジヤケツトヒーター保温装置で、常に温度
140℃〜210℃に保ち、スリツトノズル６中の加熱
溶融型塗料の保温をする。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案のノズルは従来の
ように円筒状ではなくスリツト状にし、しかも開
閉可能にしたので、従来の問題点が解消し、以下
に示す効果が発揮される。

(a) スリツトノズルの構造が簡素化されるので、
ノズル全体の保守点検が容易であり、使用しな
い場合は分解して保管ができる。

(b) 塗装回数が減り、塗覆装作業時間の短縮がで
きる。

(c) 台車の周速と吐出量の調整で膜厚の均一化が
可能となり、オペレーターの熟練度にたよるこ
となく、だれにでも容易に操作が可能になる。

(d) 吐出口をスリツトノズル状にしたことによつ
て幅広な塗膜の塗布ができ、膜厚のバラツキが
低減され、塗料の原単位が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例ノズルの正面図、第２図
は同実施例ノズルの側面図、第３図は同実施例ノ
ズルの吐出口の拡大断面図、第４図は本考案ノズ
ルを使用した塗覆装法を示す説明図、第５図は従
来の円筒状ノズルを使用した塗覆装法を示す図で
ある。 １……鋼管、２……前後進台車、３……回転駆
動体、４……塗料シゴキ装置、５……従来円筒ノ
ズル、６……スリツトノズル、７……吐出口、８
……保温装置、９……塗料ストツパー、１０……
開閉弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱溶融型塗料を鋼管の外面に塗布する加熱溶
   融型塗料塗装ノズルにおいて、塗料吐出ノズルの
   先端は、塗料をフイルム状に吐出させるための吐
   出口をスリツト状にし、該吐出口先端に塗料を吐
   出および停止させる開閉弁を設け、更にノズル全
   体に塗料を常に一定温度に保定する間接加熱によ
   る保温装置を設けたことを特徴とする加熱溶融型
   塗料塗装ノズル。