JPH06443A - 帯状材の連続塗装方法とそのための塗装装置 - Google Patents

帯状材の連続塗装方法とそのための塗装装置

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JPH06443A
JPH06443A JP18630992A JP18630992A JPH06443A JP H06443 A JPH06443 A JP H06443A JP 18630992 A JP18630992 A JP 18630992A JP 18630992 A JP18630992 A JP 18630992A JP H06443 A JPH06443 A JP H06443A
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roll
coated
belt
continuous
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JP18630992A
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Kenji Hamaogi
健司 濱荻
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロ−ル目等の表面欠陥のない平滑な塗膜を安
定して確保できる連続塗装手段を確立する。 【構成】 図1に示す如く、塗装直前の被塗装材を加熱
する予備加熱装置13、 或いはこれに加えて乾燥炉11に入
る前の塗装直後の塗装帯状材を再度加熱する再加熱装置
14とを付設した連続塗装装置で、塗布液を塗布する直前
に被塗装材を加熱し、この際の被塗装材に付与された熱
により塗布後の塗布液温度を低粘度域に上げて乾燥炉ま
での間で塗膜面の平滑化を進行させるか、塗布液を塗布
する直前に被塗装材を加熱すると共にその後の塗布液塗
布の直後から乾燥炉に入るまでの間に塗装帯状材を再度
加熱し、これらの付与熱により塗布後の塗布液温度を低
粘度域に上げて乾燥炉までの間で塗膜面の平滑化を進行
させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】この発明は、鋼板等の帯状材に塗料等の塗
布液を連続的に塗布して平滑な塗膜を付与するための連
続塗装方法、並びにそれを実施するための連続塗装装置
に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、鋼板のような帯状材に塗
布液を連続的に塗布する場合にはロ−ルコ−タを使う塗
装法を採用するのが一般的であり、これまでにもこのロ
−ルコ−タ法に関する数多くの提案がなされてきた。
【0003】図4は、上記ロ−ルコ−タの1例を示す模
式図である。図4において、塗料パン1に収容された塗
料2に一部が浸漬される状態でピックアップロ−ル3が
配置され、更にピックアップロ−ル3の塗料2から出て
上方へ回動するロ−ル周面部分にメ−タリングロ−ル4
が、またこのメ−タリングロ−ル4とはピックアップロ
−ル周方向へ所定の間隔を隔ててアプリケ−タロ−ル5
がそれぞれ僅かな間隔を隔てた状態又は押し付けられた
状態で対向配置せしめられている。なお、前記アプリケ
−タロ−ル5は、バックアップロ−ル6に巻き掛けられ
て移送される帯状材7の表面と対向している。
【0004】このロ−ルコ−タによる帯状材への塗装は
次のようになされる。即ち、塗料パン1内の塗料2を周
囲に付着したピックアップロ−ル3は、途中でメ−タリ
ングロ−ル4により付着塗料量を調節せしめられた後、
残りの付着塗料をアプリケ−タロ−ル5に転写する。続
いて、塗料を転写・付着せしめられたアプリケ−タロ−
ル5は、バックアップロ−ル6に巻き掛けられて移送さ
れる帯状材7の表面にその付着塗料を転写・塗布する。
そして、塗料を塗布された帯状材7はそのまま乾燥炉へ
移送され、ここで付着塗料の硬化がなされて塗装作業が
終了する。
【0005】ところで、前述したようにこのロ−ルコ−
タ方式の塗装は比較的古くからの技術であってこれまで
多くの改良がなされてきたものであるが、それでも次の
ような問題が指摘されており、その改善が強く望まれて
いた。つまり、ロ−ルコ−タを使って帯状材の連続塗装
を行うと、その塗装面に図5で示したような“ロ−ル
目”と称される進行方向に沿った畝状の凹凸が発生しが
ちであった。このロ−ル目は、ロ−ルコ−タを構成する
各ロ−ル間における塗料の流動不安定性に起因したもの
であるが、乾燥炉通過後も残留して塗膜面上に重大な欠
陥を残す。
【0006】もっとも、これらロ−ル目の発生防止策と
して次のような提案もなされてはいる。例えば特開昭6
3−143962号として、図6で示したようにロ−ル
コ−タ構造に工夫を凝らし、アプリケ−タロ−ル5に所
要間隙を置いてトランスファ−ロ−ル8を近接配置する
と共に、このトランスファ−ロ−ル8には所要間隙を置
いてドクタ−ロ−ル9を近接配置し、更にドクタ−ロ−
ル9に刃先が接するブレ−ド10を備えたものが提案され
ている。なお、この提案に成るロ−ルコ−タは、ピック
アップロ−ル3以外の3本のロ−ルとバックアップロ−
ル6の回転方向が何れも同一方向とされている点にも特
徴を有している。そして、上記提案になるロ−ルコ−タ
では、ピックアップロ−ル以外の3本のロ−ルとバック
アップロ−ル6を同一方向に回転させることによってロ
−ル間での不安定現象を防止すると共に、アプリケ−タ
ロ−ル5にはピックアップロ−ル3とトランスファ−ロ
−ル8から塗料を二重に供給して塗料の付着ムラを防ぎ
均一塗装を行うことを目指している。
【0007】しかしながら、このような“ロ−ルが同一
方向に回転するリバ−スロ−ルコ−ティング方式”では
一般に塗膜厚の調整が困難であり、またロ−ルの本数が
多いために操業条件の設定が煩雑になることから、上記
提案は実ラインへの適用に躊躇せざるを得ないものであ
った。
【0008】また、図7に示したように、流下する塗料
流をアプリケ−タロ−ルに案内するためのブレ−ド10を
下端がアプリケ−タロ−ル5面に近接するように配置す
ると共に、ブレ−ド10の上端に接触させてトランスファ
−ロ−ル8に所要の間隙をおいてこれと同方向に回転す
るドクタ−ロ−ル9を近接配置し、これによりロ−ル間
での塗料流動の不安定現象を抑えて均一塗装を達成しよ
うとしたところの、ロ−ル目防止を目指したロ−ルコ−
タに係る提案(特開昭63−143961号)も見られる。
【0009】しかし、この特開昭63−143961号
に係る手段においても、前記特開昭63−143962
号に係る提案の場合と同様に塗膜厚の制御が困難である
上、塗料がブレ−ド面を流下するため高粘度塗料の塗装
は不可能であるとの問題を有しているということから、
やはり十分に満足できるものではなかった。
【0010】一方、これらとは別に、本発明者等は、図
8で示す如くロ−ルコ−タによる塗料の塗布直後から乾
燥炉11に塗装帯状材が入るまでの位置に遠赤外線加熱も
しくは誘導加熱を熱源とする低温加熱炉12を設け、これ
により乾燥・硬化前の塗膜を低温加熱して粘度を低下さ
せてやると、塗膜のレベリング性が高まって塗膜面に存
在した凹凸欠陥が効果的に軽減されることを見出した。
そのため、この現象を利用して平滑塗装材の安定生産技
術を確立しようと数多くの検討を行ったが、その過程
で、上記方法では工場レイアウトやライン速度等の条件
によっては所望のレベリング効果を望めないことがまま
あり、まだまだ改良の余地があることを認識することと
なった。
【0011】即ち、ロ−ル目等の凹凸が生じた塗膜面の
平滑化をもたらす塗膜(塗料)内の“せん断速度”は、
一般に塗膜が形成された時点を最高として時間の経過と
共に徐々に減衰していく。例えば、鋼板へのプレコ−ト
に多用されるポリエステル系塗料の場合を例にとれば、
これをロ−ルコ−タで塗布した際に図9の如きロ−ル目
が発生したとすると、その後の塗料流動におけるせん断
速度は図10で示したように減衰して行く。そして、上記
提案法に従い塗膜の低温加熱を行ってその粘度を低下さ
せレベリングの促進を図ろうとしても、低温加熱できる
領域は従来の塗装ラインでは一般的であった“塗装装
置", "乾燥炉の配置”及び“ライン速度”等の制約から
図10中の斜線領域に制限される場合が多く、この領域に
なるとせん断速度は既に0.001sec-1近傍にまで低下して
しまっていることになる。一方、高分子ポリエステル系
塗料の“粘度”と“温度・せん断速度”との関係は図11
に示す曲線群で表されるが、これによれば、塗料を塗布
後にせん断速度が“上記低温加熱を開始できる時点”の
レベルにまで低下してしまっていると、この時点で例え
温度を“塗料粘度の低下に有効な70℃程度”に上昇さ
せたとしてもそれによる塗料粘度の低下程度は微小であ
り、粘度低下によるレベリング効果の向上を殆ど望めな
いことになる訳である。
【0012】このようなことから、本発明が目的とした
のは、帯状材を連続塗装する際に指摘される前記問題を
解消し、ロ−ル目等の表面欠陥のない平滑な塗膜を安定
して確保できる連続塗装手段を確立することであった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
目的を達成すべく鋭意検討を行い、まず次の事実を再確
認した。即ち、帯状材を連続塗装する際に生じる“ロ−
ル目”の断面を模式的に描くと図8のようになるが、こ
の凹凸は表面張力によって生じる塗布液の流動(レベリ
ング作用)により時間と共に平滑化される。そして、こ
の凹凸の振幅が半分になるのに要する時間は、 t1/2 = 1.3×10-3×λ4 η/γh3 ┌ ┐ │ここで、 λ:凹凸の波長,│ │ η:粘度, │ │ γ:表面張力, │ │ h:平均膜厚 │ └ ┘ で表わすことができる。また、通常の塗料(塗布液)
は、高いせん断速度領域(0.1〜100sec-1)においては温
度上昇(50〜80℃)によって粘度が大幅に低下して
流動性が良くなるが、その温度域を超えて更に温度上昇
(110〜140℃)させると硬化が始まる。従って、
帯状材に塗布されて付着した塗料を高いせん断速度領域
にある内に適切な加温状態に保ち、低い粘度に維持する
ことができれば、レベリング効果が十分に発揮されて前
記“塗料凹凸の振幅が半分になるのに要する時間(t
1/2)”がより小さくなって、例え塗装時にロ−ル目を生
じるようなことがあってもその速やかな消去がなされる
ようになる。
【0014】そして、上記事項を再確認した本発明者
は、既存の連続塗装ラインの実体をも十分に考慮し、塗
料自体によるレベリング効果が最大限に発揮されるよ
う、塗料の塗布後に塗膜がレベリングされる過程の初期
段階、つまり塗料流動のせん断速度が未だ大きい領域で
粘度低下につながる“塗料温度の上昇”を達成できる手
段について鋭意研究を行った結果、次のような新しい知
見を得ることができた。
【0015】a) 連続塗装ラインにおいて、塗料等の塗
布液を塗布する直前に被塗装材を予備加熱しておくと、
この被塗装材からの伝熱により塗布直後の塗布液温度が
速やかに上昇するので塗布液粘度が顕著に低下し、付着
塗布液(塗膜)のレベリングが極めて効果的に進行し
て、塗布直後の状態においてロ−ル目が目立つような場
合であっても乾燥炉に入るまでの間に十分満足できる平
滑な表面状態が得られるようになる。 b) また、上記予備加熱に加え、塗布液を塗布した直後
の塗装材の再加熱をも行うようにすれば、付着塗布液
(塗膜)の温度制御をよりきめ細かく実施することが可
能となってレベリング効果の確保が一層安定化する。
【0016】本発明は、上記知見事項等に基づいて完成
されたものであり、「ロ−ルコ−タによる塗布液の塗布
に続いて乾燥炉で塗膜の乾燥・硬化が行われる帯状材の
連続塗装において、 塗布液を塗布する直前に被塗装材を
加熱し、 この際の被塗装材に付与された熱により塗布後
の塗布液温度を低粘度域に上げて乾燥炉までの間で塗膜
面の平滑化を進行させるか、 塗布液を塗布する直前に被
塗装材を加熱すると共にその後の塗布液塗布の直後から
乾燥炉に入るまでの間に塗装帯状材を再度加熱し、 これ
らの付与熱により塗布後の塗布液温度を低粘度域に上げ
て乾燥炉までの間で塗膜面の平滑化を進行させることに
よって、 平滑で健全な塗膜を備えた塗装帯状材を安定に
量産できるようにした点」に大きな特徴を有し、更に
は、「上記方法を実施するため、 ロ−ルコ−タと乾燥炉
を有する帯状材の連続塗装装置に、 図1に示す如く、塗
装直前の被塗装材を加熱する予備加熱装置13、 或いはこ
れに加えて乾燥炉11に入る前の塗装直後の塗装帯状材を
再度加熱する再加熱装置14とを付設して帯状材の連続塗
装装置を構成した点」をも特徴とするものである。
【0017】上述のように、本発明は、塗装後の塗膜温
度を速やかに適温にまで昇温してその粘度を低下させ、
乾燥炉に入るまでの間にロ−ル目等の如き塗膜表面欠陥
の解消又は軽減を図ることや、そのための適切な装置構
成に特徴を有しているが、以下、本発明を実施例図を基
にその作用と共に詳述する。
【0018】図1は、本発明“帯状材の連続塗装装置”
の1例に係る概要説明図である。図1に示されるロ−ル
コ−タ自体は従来のそれと変わるところがなく、ピック
アップロ−ル3によって塗料パン1から引上げられた塗
料2を該ピックアップロ−ル3に接して設けられたアプ
リケ−タロ−ル5に転写し、続いてアプリケ−タロ−ル
5に近接配置されたメ−タリングロ−ル4によってその
膜厚調整を行った後、バックアップロ−ル6上の帯状材
7に転写することで帯状材7の連続塗装がなされる。
【0019】この際、前述したように、各ロ−ル間にお
ける塗料の流動不安定性に起因したロ−ル目等が帯状材
7上の塗膜面に残留しがちであるが、この例になる装置
においては該ロ−ル目等を解消して平滑面を得るために
次の工夫がなされている。即ち、ロ−ルコ−タ(特にア
プリケ−タロ−ル5)よりもライン上流側に帯状材(被
塗装材)7を低温加熱するための予備加熱装置13を配置
している。また、これは状況により省いても良いが、ア
プリケ−タロ−ル5と乾燥炉11の間に塗装帯状材を低温
加熱するための再加熱装置14が配置されている。なお、
予備加熱装置13や再加熱装置14の熱源は、誘導加熱コイ
ルや遠赤外線加熱ヒ−タとするのが良い。また、図1に
おける符号15,16,17は何れも温度センサ−を示してお
り、それぞれは塗装ライン上のロ−ルコ−タ直前位置,
再加熱装置入口位置,乾燥炉入口位置に設けられてい
る。
【0020】さて、ライン上を連続走行する帯状材7
は、ロ−ルコ−タへ到達する前に予備加熱装置13によっ
て加熱される。なお、ここでの加熱量は、温度センサ−
15で測定した帯状材(被塗装材)の温度が“塗布される
塗料の粘度特性", "塗膜厚さ","帯状材厚さ”及び“ラ
イン速度”によって決まる適正温度(塗料の粘度が十分
に低くなる温度)となるように設定される。このよう
に、予備加熱後の帯状材温度をフィ−ドバックしつつ帯
状材を目的の温度に適正加熱して塗装を行うと、ロ−ル
コ−タにより帯状材面に塗布された塗料の温度は帯状材
の保有熱により速やかに所定の温度(低粘度域の温度で
あって一般的には50〜80℃)にまで昇温し、高いせ
ん断速度領域にある間に塗料粘度が十分低くなって流動
性が向上する。従って、塗膜のレベリング作用も速やか
に進み、加熱炉11に入って乾燥・硬化されるまでの間に
塗膜面は十分に平滑化され、ロ−ル目等の凹凸が消去乃
至は軽減されてしまう。
【0021】また、前記予備加熱装置13に加えてロ−ル
コ−タと乾燥炉11の間に塗装直後の塗装帯状材を再加熱
するための再加熱装置14を配置し、この再加熱装置14に
“塗料塗布による塗装帯状材の温度降下”を温度センサ
−16で計測してフィ−ドフォワ−ドすると共に、“再加
熱装置14から出てくる塗装帯状材の温度”を温度センサ
−17で計測してフィ−ドバックしつつ塗装帯状材を適正
温度(前述した塗料の粘度が十分に低くなる温度)に再
加熱するようにすれば、ロ−ルコ−タによる塗布直後か
ら乾燥炉11に入るまでの間の塗料温度をより的確にかつ
長い時間にわたって適正範囲に維持することができ、一
層のレベリング効果を安定して獲得できるようになる。
従って、乾燥炉11を通過した塗装帯状材には平滑で良好
な表面状態が確保される。
【0022】続いて、本発明を実施例により更に具体的
に説明する。
【実施例】
〈実施例1〉下記のような各部寸法を有するところの、
図1に示した連続塗装装置を準備した。ロ−ルコ−タ部分 アプリケ−タロ−ルの径:300mm(厚さ10mmのゴム
ライニング部を含む), ピックアップロ−ルの径:300mm, メ−タリングロ−ルの径:150mm, バックアップロ−ルの径:800mm。加熱装置部分 鋼板予備加熱装置:誘導加熱方式で炉長が1m, 再加熱装置 :誘導加熱方式で炉長が3m。
【0023】そして、まず加熱装置(予備加熱装置,再
加熱装置)を適用せず、各ロ−ルの周速比を「ライン速
度:アプリケ−タロ−ル周速:ピックアップロ−ル周速
=1:1.4 :0.25」に設定し、メ−タリングロ−ルを静
止とした状態で、図11に示すような粘度特性を持ち、表
面張力34dyn/cmの高分子ポリエステル系塗料をライン
速度,膜厚を変化させて帯鋼板に塗布する試験を行っ
た。この際、初期ウェット状態及び乾燥炉通過後の乾燥
状態での塗膜表面状況(ロ−ル目の高さ)を測定した
が、その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示される結果から次のことが分か
る。即ち、ライン速度,膜厚の全条件において塗膜のレ
ベリングが不完全で、ロ−ル目が表面欠陥として塗膜面
に残ってしまう。
【0026】そこで、次に本発明に係る予備加熱装置13
のみを適用し、それ以外は前記と同じ条件下で塗装試験
を行った。加熱状況は、ロ−ルコ−タ直前の温度センサ
−15での計測温度TA が図11に示す“塗料粘度が最低と
なる温度Tmin ( 70℃)”以上になるように予備加熱
装置13の設定を行い、TA =70℃,75℃,80℃,
85℃,90℃の5つの状況について乾燥後の塗膜表面
状況を調べた。表2に、乾燥後の塗膜表面凹凸高さを示
す。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示される結果からも明らかなよう
に、表1に示す「条件A」の薄膜,低ライン速度におい
ては、TA がTmin よりも10℃高い80℃の場合に最
も良好なレベリング性を示し、それ以上の温度では逆に
レベリングは悪化して行く傾向にある。また、膜厚が厚
くなると、「TA −Tmin 」が大きくなるに従ってレベ
リングは向上する傾向にあることも分かる。更に、的確
なTA の場合には、ライン速度が高くなるほど塗膜表面
の凹凸が小さくなる傾向が認められる。この結果からし
て、TA を適正に設定すればライン速度を上げることが
可能となるばかりか、むしろライン速度を上げた方が塗
膜表面の凹凸を軽減できるとの予測も成り立つ。
【0029】これらのことより、表1に示す「条件A〜
F」の全てにおいて適正な予備加熱温度が選択されれば
レベリング性は顕著に改善され、塗膜表面凹凸の高さは
サブミクロンのオ−ダ−となり、目視では捕らえられな
い程度となることが明らかである。
【0030】〈実施例2〉実施例1と同じ条件下におい
て、図2に示すような粘度特性を持ち、表面張力が30
dyn/cmの一般ポリエステル系塗料を使用した塗装試験を
行った。まず、帯鋼板の予備加熱装置13,再加熱装置14
を用いず塗布・乾燥した場合の塗膜表面状況を測定した
が、その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3に示される結果によると、表1に示す
「条件A〜F」の全てにおいて塗膜のレベリングが不完
全で、乾燥後もロ−ル目による凹凸が塗膜面に残存して
欠陥となっていることが分かる。
【0033】そこで、本発明に係る予備加熱装置13のみ
を適用し、それ以外は前記と同じ条件下で塗装試験を行
った。加熱状況は、実施例1の場合と同じく、ロ−ルコ
−タ直前の温度センサ−15での計測温度TA が図2に示
す“塗料粘度が最低となる温度Tmin ( 50℃)”以上
になるように予備加熱装置13の設定を行い、TA =50
℃,55℃,60℃,65℃,70℃の5つの状況につ
いて乾燥後の塗膜表面状況を調べた。表4に、その調査
結果を示す。
【0034】
【表4】
【0035】表4に示される結果も実施例1におけるの
と同様の傾向を示しており、膜厚が厚くなると「TA
min 」が大きい温度でレベリングが向上している。ま
た、やはりTA が的確であるとライン速度が高くなるほ
ど塗膜表面の凹凸が小さくなり、TA を適正に設定した
場合にはライン速度を上げた方が塗膜表面の凹凸軽減に
効果的である旨を窺うことができる。
【0036】〈実施例3〉実施例1で帯鋼板の予備加熱
を行ったのと同一の条件下で再加熱装置14を稼働させ、
塗料塗布後の塗膜及び帯鋼板の温度低下を防止しながら
乾燥炉11に送って乾燥・硬化させる塗装試験を実施し
た。ここで、再加熱装置14での再加熱は、温度センサ−
16で塗料塗布後の温度降下量を測定し、この温度降下量
分が補われて温度センサ−17での測定温度が図11に示す
“塗料粘度が最低となる温度Tmin ( 70℃)”になる
よう、一定加熱速度で加熱する方法を採った。この場合
の“乾燥塗膜の表面性状”を観察した結果を表5に示
す。
【0037】
【表5】
【0038】表5に示される結果からも明らかなよう
に、帯鋼板に塗料を塗布した際の温度降下によって流動
性が悪化した付着塗料を適正に再加熱すると、全てのケ
−スにおいてレベリング性の顕著な改善効果を確保でき
るようになることが分かる。 〈実施例4〉実施例3におけるのと同一条件下で、再加
熱装置14で再加熱した際の温度履歴を図3の如くに変化
させて塗装試験を行い、この場合の“乾燥塗膜の表面性
状”を観察した。この結果を表6に示す。
【0039】
【表6】
【0040】表6に示される結果からは、再加熱装置14
で再加熱する際、ワキ等の乾燥欠陥が発生しない限界加
熱速度でTmin まで加熱し、その後、乾燥炉11に入るま
でその温度を維持すれば、塗膜のレベリング性改善効果
はより一層向上することが明らかである。
【0041】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、ロ−ルコ−タ方式による帯状材の連続塗装において
発生しがちなロ−ル目等の如き不都合な塗膜表面欠陥を
解消し、高速塗装を実施しても平滑美麗な乾燥後塗装面
を安定して実現することが可能になるなど、産業上有用
な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続塗装装置例の説明図である。
【図2】一般ポリエステル系塗料の粘度特性例に関する
説明図である。
【図3】実施例で採用した再加熱装置の温度履歴に関す
る説明図である。
【図4】従来のロ−ルコ−タに関する説明図である。
【図5】ロ−ル目の外観説明図である。
【図6】従来提案になるロ−ルコ−タの説明図である。
【図7】別の従来提案になるロ−ルコ−タの説明図であ
る。
【図8】従来知見に基づく塗膜のレベリング性改善手段
に関する説明図である。
【図9】ロ−ル目の断面状況を描いた模式図である。
【図10】塗膜のレベリング過程における塗料内せん断
速度の経時変化を説明したグラフである。
【図11】高分子ポリエステル系塗料の粘度特性例に関
する説明図である。
【符号の説明】
1 塗料パン 2 塗料 3 ピックアップロ−ル 4 メ−タリングロ−ル 5 アプリケ−タロ−ル 6 バックアップロ−ル 7 帯状材 8 トランスファ−ロ−ル 9 ドクタ−ロ−ル 10 ブレ−ド 11 乾燥炉 12 低温加熱炉 13 予備加熱装置 14 再加熱装置 15 温度センサ− 16 温度センサ− 17 温度センサ−

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロ−ルコ−タによる塗布液の塗布に続い
    て乾燥炉で塗膜の乾燥・硬化が行われる帯状材の連続塗
    装において、塗布液を塗布する直前に被塗装材を加熱
    し、この際の被塗装材に付与された熱により塗布後の塗
    布液温度を低粘度域に上げて乾燥炉までの間で塗膜面の
    平滑化を進行させることを特徴とする、帯状材の連続塗
    装方法。
  2. 【請求項2】 ロ−ルコ−タによる塗布液の塗布に続い
    て乾燥炉で塗膜の乾燥・硬化が行われる帯状材の連続塗
    装において、塗布液を塗布する直前に被塗装材を加熱す
    ると共に、その後の塗布液塗布の直後から乾燥炉に入る
    までの間に塗装帯状材を再度加熱し、これらの付与熱に
    より塗布後の塗布液温度を低粘度域に上げて乾燥炉まで
    の間で塗膜面の平滑化を進行させることを特徴とする、
    帯状材の連続塗装方法。
  3. 【請求項3】 ロ−ルコ−タと乾燥炉を有する帯状材の
    連続塗装装置において、塗装直前の被塗装材を加熱する
    予備加熱装置を付設して成ることを特徴とする、帯状材
    の連続塗装装置。
  4. 【請求項4】 ロ−ルコ−タと乾燥炉を有する帯状材の
    連続塗装装置において、塗装直前の被塗装材を加熱する
    予備加熱装置と、乾燥炉に入る前の塗装直後の塗装帯状
    材を再度加熱する再加熱装置とを付設して成ることを特
    徴とする、帯状材の連続塗装装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH091021A (ja) * 1995-06-14 1997-01-07 Dainippon Printing Co Ltd 両面塗工装置
JP2002166215A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Toyota Motor Corp 液体塗布装置
JP2009268967A (ja) * 2008-05-07 2009-11-19 Jfe Steel Corp ロールコーターを用いた塗布方法

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