JPH06113831A - ハイブリドーマおよびその抗体 - Google Patents

ハイブリドーマおよびその抗体

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JPH06113831A
JPH06113831A JP4116818A JP11681892A JPH06113831A JP H06113831 A JPH06113831 A JP H06113831A JP 4116818 A JP4116818 A JP 4116818A JP 11681892 A JP11681892 A JP 11681892A JP H06113831 A JPH06113831 A JP H06113831A
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antibody
hybridoma
mucin glycoprotein
monoclonal antibody
mucin
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錚 馬
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建璋 羅
Togen Cho
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腫瘍関連ムチン糖タンパク質に対するモノク
ローナル抗体を産生するハイブリドマーおよびそのモノ
クローナル抗体を提供しようとするものである。 【構成】 マウス由来ミエローマ細胞および胃癌組織よ
り抽出したムチン糖タンパク質を免疫した正常マウスの
抗体産生Bリンパ球をポリエチレングリコールのような
化合物を用いて融合したハイブリドーマおよび該ハイブ
リドーマより産生されるモノクローナル抗体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は腫瘍関連ムチン糖タンパ
ク質に特異的に結合するモノクローナル抗体およびそれ
らの断片ならびに該抗体を産生することのできるハイブ
リドーマに関する。
【0002】
【従来の技術】ムチン糖タンパク質は1,000,000 以上の
分子量を有する高分子であり、基本的には、共有結合し
た多糖類の側鎖を有するポリペプチドのタンパク質骨格
からなる。したがって、構造はボトルブラシのようにみ
える。ポリペプチドのおもなアミノ酸はスレオニン、セ
リンおよびプロリンである。多糖類の側鎖は単糖類から
なり、基本的にはヘキソース、フコース、ヘキソサミン
またはシアル酸と硫酸塩とのエステルである。単糖類の
平均の数は、通常は10以下である。ムチン糖タンパク質
の分子量の80%までは炭化水素鎖からなる。したがって
特性は組織化学染色法により容易に決定することができ
る。しかしながら、タンパク質骨格は糖側鎖によって覆
われているので、前記組織化学染色法が適用されるとき
は、弱い染色反応が呈される。
【0003】ムチン糖タンパク質は、ヒト胃腸管、肺、
子宮頸のようないくつかの器官の上皮細胞により分泌さ
れ、おもな機能として、上皮細胞を保護し、滑らかにす
ること、細菌を抑制すること、粘膜が水を通すことがで
きないようにすることおよび上皮細胞の水分の平衡を維
持することを有する。異なる器官から分泌されるムチン
糖タンパク質は、異なる化学的特性および抗原性を有す
る。悪性への転換の過程のあいだに、ムチン糖タンパク
質の質および量は、両者ともに変化するであろう。たと
えば胃より分泌されるムチン糖タンパク質の組織化学的
反応は中性から酸性へと変化し、結腸より分泌されるム
チン糖タンパク質は強酸から弱酸または中性へと変化す
るであろう。また、それらの抗原性も著しく変化するで
あろう(バラ ジェイら(Bara J.et al.)、アンチゲン
ズ オブ ガストリック アンドインテスティナル ム
コース セルズ イン ヒューマン コロニック テュ
ーモアズ(Antigens of gastric and intestinal mucous
cells in human colonic tumors) ブリティッシュ ジ
ャーナル キャンサー(Brit. J. cancer,)41,209〜22
1(1980) 参照)。
【0004】ヒト胃腸管の癌は高発生率(25%)を有す
る。そのうちで胃および結腸は最も容易に癌になりやす
い(80%)であろう。したがって、すべての癌患者のう
ちで、20%の癌患者は胃および結腸直腸癌である。
【0005】胃および結腸直腸癌の検出のための従来の
免疫学的試薬は抗CEA抗体である。しかしながら、こ
の試薬は胃および結腸直腸癌のみに特異的ではない。抗
CA19-9抗体のようなほかの試薬は、胃および結腸直腸
癌の検出にも用いられることができるが、通常は胆のう
癌および膵癌の検出に用いられており、したがって胃お
よび結腸直腸癌に特異的ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、腫瘍関連ム
チン糖タンパク質、とくに胃および結腸直腸癌に関連す
るムチン糖タンパク質の、特異性が高く、高感度を有す
る検出用試薬に用いうる抗体を産生するハイブリドーマ
および該抗体を提供することを目的とするものである。
【0007】また、本発明は、腫瘍関連ムチン糖タンパ
ク質、とくに胃および結腸直腸癌に関連するムチン糖タ
ンパク質の、手順を単純化し、測定時間を節約する検出
法を可能とする抗体を提供することも目的とする。
【0008】本発明の前記目的は、大多数の結腸直腸癌
に関連するムチン糖タンパク質に対して特異的に結合す
るモノクローナル抗体を産生することにより達成され
る。したがって、結腸直腸癌に関連する新しい抗原決定
基を発見した。本発明は簡単な検出手段により、高い特
異性および高感度を有する臨床上の分析を提供すること
ができる。
【0009】本発明は、本質的にハイブリドーマにより
分泌されるモノクローナル抗体7D9-233 (ジスルフィド
結合を有するH鎖およびL鎖サブタイプの可変部のポリ
ペプチドならびにFab、F(ab′)2およびFc の
ようなそれらの断片も含む)およびこれらを含有する組
成物からなる。本発明の抗体または組成物を用いてムチ
ン糖タンパク質を検出する方法ならびに該方法を行なう
ためのキットをえることもできる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は微工研条寄第38
27号(すなわちハチブリドーマ7D9-233 )の標示特性を
有するハイブリドーマに関する。
【0011】本発明はハイブリドーマ7D9-233 より産生
および分泌されるヒト胃および結腸直腸癌細胞に関連す
るムチン糖タンパク質に特異的に結合するモノクローナ
ル抗体に関する。また、本発明はヒト胃および結腸直腸
癌細胞に関連するムチン糖タンパク質に特異的に結合す
るモノクローナル抗体を分泌することのできるハイブリ
ドーマ7D9-233 を培養することからなる、ハイブリドー
マ7D9-233 より産生および分泌されるヒト胃および結腸
直腸癌細胞に関連するムチン糖タンパク質に特異的に結
合するモノクローナル抗体の製造法に関する。
【0012】さらに本発明はハイブリドーマ7D9-233 に
より産生および分泌される、腫瘍関連ムチン糖タンパク
質に特異的に結合するモノクローナル抗体のH鎖および
L鎖の可変部領域からなるポリペプチドおよびハイブリ
ドーマ7D9-233 により産生および分泌される、腫瘍関連
ムチン糖タンパク質に特異的に結合するモノクローナル
抗体のH鎖およびL鎖の可変部領域からなる、前記ムチ
ン糖タンパク質に特異的に結合する組成物に関する。
【0013】
【実施例】本発明のハイブリドーマは従来の細胞融合法
(チャン ティー エイチ、チンエス ワイ およびチ
ェン エス(Chang,T.H., Tsing,S.Y. and Tzeug,S.) モ
ノクローナル アンチボディーズ アゲインスト トリ
コモナス バギナリス(Monoclonal antibodies against
Trichomonas Vaginalis) 、ハイブリドーマ(Hybridom
a) 5 (1) 、43〜51頁、(1986)参照)によりえられ、本
発明の抗体は該ハイブリドーマによって産生される。こ
の方法はマウス由来ミエローマ細胞および胃癌組織より
抽出したムチン糖タンパク質を免疫した正常マウスの抗
体産生Bリンパ球をポリエチレングリコール(PEG)
のような化合物を用いて融合し、融合した細胞をHAT
培地で培養し、そののちに免疫組織化学染色法および固
相酵素免疫測定法(ELISA)により抗体の特異性を
分析することからなる。そののちに、このようにして選
ばれるムチン糖タンパク質に特異性を示すハイブリドー
マクローン(すなわちハイブリドーマ(Hybridoma)7D9-3
22(通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に受託
番号微工研条寄第3827号(FERM BP-3827)として平成4年
4月6日(原寄託日)に寄託されている))をマウス
に、腹水を産生するように腹腔内注射により投与する。
抗体は、タンパク質の精製法により腹水から回収され
る。
【0014】本発明のハイブリドーマは浮遊細胞であ
り、RPMI培地(10%仔ウシ血清、炭酸水素ナトリウム、
グルタミン、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含
む)(pH7.2 〜7.4 )を用いて、37℃で培養することが
できる。
【0015】本発明の抗体を用いて、免疫組織化学染色
法を行なうことができる。すなわち、腫瘍関連ムチン糖
タンパク質と結合する一次抗体が脱ワックス(dewaxed)
病理学組織切片において抗原−抗体複合体を形成するよ
うに、腫瘍関連ムチン糖タンパク質に対するモノクロー
ナル抗体7D9-233 を前記組織切片に加える。そののち
に、シグナル(すなわち酵素、蛍光試薬など)を付着し
た二次抗体を加え、前記複合体に結合させる。二次抗体
に付着したシグナルが酵素であれば、発色するような基
質が用いられ、最後には本発明の抗体が特異的に結合す
る腫瘍関連ムチン糖タンパク質が存在するかどうかを調
べるためおよびそれらを定量するために、ヘマトキシリ
ンが細胞核の対比染色に用いられる。
【0016】本発明の抗体を用いて、サンドイッチ免疫
法を行なうこともできる。すなわち、一次抗体を固体支
持体の表面にコーティングし、ムチン糖タンパク質の試
料を加えて、ムチン糖タンパク質と結合する一次抗体に
抗原−抗体複合体を形成させる。そののちにシグナル
(すなわち酵素、蛍光試薬および放射性同位元素など)
を付着した同じ抗体を加え、前記抗原−抗体複合体と結
合するようにする。加えられた抗体または、ストレプト
アビジン−ビオチン複合体のような高親和性複合体のほ
かに、ひとつまたはそれより多くのシグナルを形成する
部位に結合してもよい。ムチン糖タンパク質の存在およ
び量は試料から生じるシグナルにより測定できる。
【0017】さらに、ハイブリドーマ(7D9-233 )が産
生する抗体もしくは様々な断片を用いて、試料中のムチ
ン糖タンパク質の検出法および抗体の使用のために処方
された試薬を含有するキットをもえることができる。試
薬は、新鮮であるかもしくは固定された組織、血液、体
液または患者より採取されたほかの試料の分析に用いら
れることができる。免疫組織化学染色法に用いられる該
キットは、(1) 1%ウシ血清アルブミン(BSA)ブロ
ッキング溶液(blocking solution )、(2) 3%過酸化
水素溶液、(3) 腫瘍関連ムチン糖タンパク質の抗原決定
基に特異的に結合する一次抗体、(4) 前記一次抗体に結
合可能な二次抗体−シグナル複合体、(5) 基質および
(6) ヘマトキシリン溶液からなる。ELISAに用いら
れるキットは、(1) 抗原標準濃度試薬、(2) 固相支持
体、(3) 一次抗体、(4) 一次抗体と結合しているシグナ
ルを生ずるデバイス(device)、(5) 基質および(6) 反
応停止試薬からなる。固相支持体は適当なタンパク質を
固定化するのに適するポリエチレンクロライド、ポリス
チレンまたはニトロセルロースのような物質からなるマ
イクロタイタプレート、ビーズまたは紙からなる。シグ
ナルを生じるデバイスは、蛍光物質、放射性同位元素ま
たはペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼもしく
はβ−ガラクトシダーゼなどの酵素からなる。前述の方
法および反応条件は従来どおりである(抗体(Antibod
y)、ア ラボラトリー マニュアル (A Laboratory Ma
nual) 出版、ハーロー アンド デビッド レーン(Har
low & DavidLane) 、1988年参照)。
【0018】つぎに本発明を実施例をあげて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。 実施例1 ハイブリドーマ7D9-233 の調製およびスク
リーニング 胃癌組織5gにその体積の10倍量の4Mグアニジンー塩
酸を加え、氷水中でホモジナイズした。密度勾配超遠心
(10℃、10,000g、64時間)により精製し、ムチン糖タ
ンパク質をえた。精製したムチン糖タンパク質80μgお
よび完全フロインド アジュバンド (CFA)を容量
比1:1の割合で乳化し、その乳濁液を、アニマル セ
ンター オブ ナショナル タイワン ユニバースティ
(animal center of National Taiwan University) より
えたBALB/Cマウス(5週令)に腹腔内注射によ
り、4週間ごとに1回、合計3回投与した。細胞融合を
行なうまでに、マウスに3日に一度追加免疫をした。3
日後、50%ポリエチレングリコール−1500(PEG−15
00)(商品名、メルク社(Merck Co.) ドイツ製)を用い
て、マウス由来ミエローマ細胞FO細胞株(ATCC
CRL 1646)と1:3の割合で融合した。細胞をRP
MI 1640培地「ニッスイ」(商品名、ニッスイ フ
ァーマシューティカル社(NISSUI PHARMACEUTICAL CO.,L
TD.)日本製)(HAT培地(商品名、ベーリンガー マ
ンハイム社(BoehringerMannheim Co.) ドイツ製)、20
% 仔ウシ血清(FCS(商品名、キブコ コーポレー
ション(Gibco Co.) アメリカ製))を含む)培地中で懸
濁することにより、1×105 FO細胞まで希釈し、96ウ
エル(Well)マイクロタイタープレートのウエル(0.1ml
/ウエル)に接種した。
【0019】限界希釈によりクローン化し、結腸癌関連
ムチン糖タンパク質と結合する抗体を産生するハイブリ
ドーマを選択するために、10日後に細胞培養液の上清を
免疫組織化学染色法およびELISAにより試験した。
7D9-322 はこれらの二つの方法により選ばれたハイブリ
ドーマであり、分泌するモノクローナル抗体がIgMお
よびκ鎖のL鎖であることが試験された。このハイブリ
ドーマは、10%DMSOを含有する培養ブイヨン中で、
−70℃で保存することができ、1mMグルタミン酸およ
び50mM2−メルカプトエタノールを添加したRPMI
1640を含有する10%仔ウシ血清中の培養のような標準の
ヒト細胞培養法を用いて培養することができた。 実施例2 腫瘍関連ムチン糖タンパク質の検出用の免
疫組織化学染色法 胃癌、結腸癌、正常胃および正常結腸の組織をホルマリ
ン固定し、パラフィン包理した(embedded)病理学組織
切片を脱ワックスし、非特異的結合を1%BSAにより
阻害した。組織中に存在する可能性のある内因性ペルオ
キシダーゼを3%過酸化水素により阻害したのち、結腸
癌のムチン糖タンパク質に対する抗体(7D9-233 )を加
えた。PBS緩衝液で洗浄し、西洋ワサビペルオキシダ
ーゼと結合している抗マウス二次抗体を加えた。洗浄
後、基質AEC溶液(商品名、シグマケミカル社(Sigma
Chemical Co.)) を加え、切片を発色させ、核はヘマト
キシリンを用いて比色染色した。この顕微鏡写真のスケ
ッチ図を図1に示す。
【0020】図1によれば、抗体7D9-233 は結腸癌細胞
から分泌されるムチン糖タンパク質と反応した(陽性、
茶色)が、隣接する形態学的に正常な組織とは反応しな
かった。抗体7D9-233 の結腸癌に対する反応率は80%
(40/50(患者数))、正常結腸の上皮組織に対する反
応率は0%(0/10)であった。胃癌および正常胃につ
いても同様の陽性反応を示した。
【0021】抗体7D9-233 のヒト胃腸管に対する反応性
についての結果を表1に示す。
【0022】
【表1】 胎児組織では、抗体7D9-233 は、胃、小腸、大腸、膵
臓、肺、胆のうおよび腎臓の集合管と反応した。胎児組
織に抗体7D9-233 が反応する抗原決定基が存在すること
を示す結果を表2に示す。
【0023】
【表2】 したがって、抗体7D9-233 と結合する抗原は、結腸癌に
高い特異性を有する胎児腫瘍性抗原であるといってもよ
い。 実施例3 腫瘍関連ムチン糖タンパク質の検出用のサ
ンドイッチELISA 法 抗体7D9-233 を96ウェルマイクロタイタープレートのそ
れぞれのウエルの底に付着し、非特異的結合を阻害する
ために1%BSAを加えた。そののちに、結腸癌関連ム
チン糖タンパク質を含有すると思われる試料(たとえ
ば、患者の血清試料)を加え、トゥイーン-20 (Tween-
20(メルク社、ドイツ製))を含有するPBS緩衝液で
洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼが結合しているモ
ノクローナル抗体7D9-233 を加えた。洗浄し基質溶液
(TMB)を加え発色させ、反応を停止させるために2
N塩酸を加えた。結腸癌関連ムチン糖タンパク質の定性
および定量を、波長450nm を用いた吸光度を測定し、抗
原標準濃度試薬からえられる標準曲線と比較することに
より行なった。結果を図2に示す。 参考例1 抗体7D9-233 と反応する結腸癌関連ムチン
糖タンパク質の特性分析 結腸癌関連ムチン糖タンパク質の分子量がセファロース
4B(商品名、ファルマシア社(Pharmacia Co.) スウェー
デン製)クロマトグラフィーを用いたゲル濾過の結果よ
り、1×106 以上であるとわかった(ゲル濾過は、結腸
癌ムチン抽出液5mlをセファロース4B(直径2.8cm 、
高さ45cm、総体積277ml 、溶媒容積92ml)に付し、0.01
M トリス緩衝液(pH8)を用いて、流速18ml/hrにて
行なった。)(図3参照)。抗体7D9-233 と反応する抗
原決定基はサンドイッチELISA 法により抗原決定基が繰
り返されていることがわかった。物理的、化学的および
酵素的処理を行なったのちの結腸癌組織における抗原決
定基の性質は、沸騰している水の中での熱処理に15分間
まで耐え、プロナーゼ消化に耐性があり、ホルマリン固
定、パラフィン包理される過程で存在し続け、過ヨウ素
酸塩(NaIO4 など)処理にさらすと壊われるであろうと
思われるということから、抗体7D9-233 と反応する抗原
決定基の化学的構造が炭水化物であることがわかる。結
果を表3に示す。
【0024】
【表3】 参考例2 抗CEA 、抗CA19-9および7D9-233 の比較 抗CEA(ベーリンガーマンハイム社製)、抗CA-19-9 (ヒ
スト社(Histo Co.) フランス製)および抗体7D9-233 の
比較を免疫組織化学染色法により行なった。結果を、顕
微鏡写真をスケッチした図4、5および6に示す。
【0025】図4によると、胃癌の印環細胞が陽性反応
(茶褐色)を示し、ほとんど分化していない癌細胞
(左、左上および左側)は陰性反応を示していることが
わかる。
【0026】図5では、ほとんど分化していない癌細胞
が陽性反応を示し、印環細胞が陰性反応を示すことがわ
かる。
【0027】図6では、ほとんど分化していない癌細胞
および印環細胞が陽性反応を示すことがわかる。
【0028】青色はヘマトキシリンにより対比染色した
細胞核を示す。
【0029】結腸癌組織および正常組織の陽性反応の部
位ならびに割合の違いより、抗体7D9-233 によって同定
される抗原決定基は抗CEA および抗CA19-9のものとは異
なることがわかる。抗CEA 、抗CA19-9および7D9-233 の
反応性の結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】本発明により、従来えられなかった胃お
よび結腸直腸癌の検出に有用なモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマおよびそのモノクローナル抗体が
えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】免疫組織化学染色法により染色したホルマリン
固定およびパラフィン包理された結腸癌組織の切片の顕
微鏡写真のスケッチ図である。青色の箇所はヘマトキシ
リンにより染まる細胞核を示す。
【図2】抗原標準濃度試薬と抗体7D9-233 を用いてえら
れるELISA 標準曲線を示すグラフである。
【図3】セファロース4Bゲルを用いたカラムクロマトグ
ラフィーにより結腸癌関連ムチン糖タンパク質をゲル濾
過した結果を示すグラフである。
【図4】免疫組織化学染色法によりモノクローナル抗体
7D9-233 を用いて染色したホルマリン固定およびパラフ
ィン包理された胃癌組織の切片の顕微鏡写真をスケッチ
した図である。
【図5】抗CEA 抗体で染色した、図4と同じ組織の続発
性切片の顕微鏡写真をスケッチした図である。
【図6】抗CA19-9抗体で染色した図4と同じ組織の続発
性切片の顕微鏡写真をスケッチした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 V 8310−2J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微工研条寄第3827号(すなわちハイブリ
    ドーマ7D9-233 )の標示特性を有するハイブリドーマ。
  2. 【請求項2】 ハイブリドーマ7D9-233 より産生および
    分泌されるヒト胃および結腸直腸癌細胞に関連するムチ
    ン糖タンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗
    体。
  3. 【請求項3】 ヒト胃および結腸直腸癌細胞に関連する
    ムチン糖タンパク質に特異的に結合するモノクローナル
    抗体を分泌することのできるハイブリドーマ7D9-233 を
    培養することからなる、ハイブリドーマ7D9-233 より産
    生および分泌されるヒト胃および結腸直腸癌細胞に関連
    するムチン糖タンパク質に特異的に結合するモノクロー
    ナル抗体の製造法。
  4. 【請求項4】 ハイブリドーマ7D9-233 により産生およ
    び分泌される、腫瘍関連ムチン糖タンパク質に特異的に
    結合するモノクローナル抗体のH鎖およびL鎖の可変部
    領域からなるポリペプチド。
  5. 【請求項5】 ハイブリドーマ7D9-233 により産生およ
    び分泌される、腫瘍関連ムチン糖タンパク質に特異的に
    結合するモノクローナル抗体のH鎖およびL鎖の可変部
    領域からなる、前記ムチン糖タンパク質に特異的に結合
    する組成物。
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