JPH0611355B2 - 可動部を備えた人形玩具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は身体の下半身部を動かすことによって腕、頭部
その他の身体部分を動作させることができる可動部を備
えた人形玩具に関する。

（従来の技術） 従来の人形玩具として、胴部に対して頭部、腕部、脚部
等を可動状態で取り付けて、個々の可動身体部分を人手
で操作することによって動作させるように構成したもの
が存する。しかし、頭部や腕等の可動部分を動かすため
には直接腕等に手で触れてこれを操作しなければならな
かったため、意外性に欠け、飽きられ易かった。

（発明の技術的課題） この発明は上記事情に鑑みて成立したものであって、身
体の下半身部を操作することによって２個所以上の他の
身体部分を動作させることができる可動部を備えた人形
玩具を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記の技術的課題を解決するために、この発明に係る可
動部を備えた人形玩具は、以下の各要件を備えたことを
特徴とする。

（イ）腰部及び脚部とから成る人形の下半身部と、上記
腰部上に形成された回動駆動機構と、該腰部によって水
平方向に回動自在に支持された胴部と、該胴部によって
前後方向に回動可能に支持された頭部及び腕部と、上記
頭部及び腕部にそれぞれ連設された被作動部を有するこ
と。

（ロ）上記頭部及び腕部はそれぞれ一方にバネで付勢さ
れ、かつ上記被作動部は胴部内に配置されていること。

（ハ）上記回動機構は、上記胴部に対して上記下半身部
を回動させたときに水平方向に回動する押圧部を備え、
上記押圧部は回動時に上記各被作動部を押圧することに
よって上記頭部及び腕部を付勢に抗して回動させるこ
と。

（発明の作用、効果） 前記構成によれば、人形玩具の胴部に対して下半身部を
回動させたときに回動機構が押圧部を水平方向に回動さ
せ、該押圧部が腕部及び頭部の被作動部を押圧して頭部
及び腕部を付勢に抗して回動させることができる。この
ように本発明によれば、下半身部を回動させることによ
り頭部及び腕部を回動させることができるので、意外性
に富む面白い人形玩具を提供することができる。

（実施例） 以下、本発明の可動部を備えた人形玩具について詳細に
説明する。

この人形玩具は胴部１と胴部１の前面１ａから上面にか
けて形成された開口部２内において前後回動自在に配設
された胸部３と、胴部の前面１ａに着脱される後面１ｂ
と、胸部３上面に一体化された頭部４と、胴部１の両肩
部に形成された支持孔５によって前後回動自在に支持さ
れた腕部６ａ、６ｂと、胴部２の下部の支持孔７によっ
て回動自在に支持された腰部８及び腰部８と一体の脚部
９（下半身部）と、腰部８上に形成され胴部内に位置す
る回動駆動機構１０と、回動駆動機構１０によって胸部
３及び頭部４を前後回動させる第１の被作動部１１と、
同じく回動駆動機構１０によって各腕部６ａ、６ｂを交
互に前後動させる第２の被作動部１２ａ、１２ｂと、胸
部３と後面１ｂとの間に張設されていて胸部３及び頭部
４を常時矢印Ａ方向へ付勢する第１のバネ１５と、各腕
部６ａ、６ｂと後面１ｂとの間に張設されていて各腕部
６ａ、６ｂを常時Ｃ方向へ付勢する第２のバネ１６ａ、
１６ｂとを有する。

回動駆動機構１０は第３図に示すように、腰部８上に一
体的に突設された軸部２０と、軸部２０上端によって水
平方向に回動自在に支持された回転作動片２１と、回転
作動片２１の下方において軸部２０によって上下動自在
且つ回転不能に支持（回転方向では軸部２０と一体化）
されたスリップギヤ２２と、スリップギヤ２２下面と腰
部８上面との間に張設されていてスリップギヤ２２を常
時上方へ付勢する弾性体２３とを有する。回転作動片２
１はスリップギヤ２２と噛合することによって腰部８の
回転力を受けることができる。腰部８の外周に形成され
た溝８ａには胴部１の支持孔７が嵌着される。回転作動
片２１は、下面にギヤ部２４を有するとともに上面に押
圧部２５を一体形成したものであり、ギヤ部２４はスリ
ップギヤ２２上面のギヤ部２６と噛合する。押圧部２５
は、上方へ突設された第２の押圧片２７と、第２の押圧
片２７の両側下部から側方へ突設された第１の押圧片２
８とを有する。第２の押圧片２７は、回動駆動機構１０
が左右へ回動したときに、その両側端部で第２の被作動
部１２ａ、１２ｂを第２のバネ１６ａ、１６ｂに抗して
Ｂ方向へ押圧するように構成され、第１の押圧片２８は
第１のバネ１５に抗して第１の被作動部１１をＤ方向へ
押圧するように構成されている。

腰部８及び脚部９と一体の軸部２８と、軸部２８によっ
て上下動自在且つ回転不能で支持された回転作動片２１
に対して回転方向への強い力が加えられた場合に、各押
圧片２７、２８が各被作動部１１、１２ａ、１２ｂを可
動範囲を越えて押圧しようとすると、スリップギヤ２２
のギヤ部２６と、回転作動片２１のギヤ部２４との噛合
部に下方へ向かうスラスト力が発生する。このため、弾
性体２３に抗してスリップギヤ２２が下方へ押圧され
て、回転作動片２１に対する回転力の伝達が阻止され
る。その結果、各被作動部１１、１２ａ、１２ｂが破損
することが防止される。

第１の被作動部１１は第４図等に示すように、胸部３の
内側部に一体化された回動軸３０に連接体３１を介して
一体化されており、回動軸３０は胸部６ａ、６ｂの付け
根から突設された回動軸３２ａ、３２ｂと同軸上に配設
されている。胸部の回動軸３０と、腕部の回動軸３２
ａ、３２ｂは、例えば芯材３３によって相対回転可能に
連結支持されている。胸部３及び頭部４は、回動軸３０
を中心として前後方向（Ａ−Ｂ方向）へ回動することが
できる。

第２の被作動部１２ａ、１２ｂは、腕部の回動軸３２
ａ、３２ｂに連接体３４を介して一体化されている。

以上の構成において、腰部８から一体的に突設された軸
部２０と回転作動片２１とスリップギヤ２２等から成る
回動駆動機構１０を、胴部１に対して相対的に左右方向
へ回転させると、回転作動片２１上の押圧部２５の第１
の押圧片２８及び第２の押圧片２７がそれぞれ第１の被
作動部１１及び第２の被作動部１２ａ、１２ｂを第１及
び第２のバネ１５及び１６ａ、１６ｂに抗して前面１ａ
へ向けて押圧する。すると、胸部３（頭部４）と、一方
の腕６ｂがそれぞれＢ方向及びＤ方向へ回動運動する。
次に、第４図(b)の状態から腰部８を反対方向へ回す
と、胸部３と腕部６ｂはそれぞれバネ１５及び１６ａ、
１６ｂによって一旦第４図(a)の中間位置に復帰したあ
と、他方の第１の押圧片２８及び第２の押圧片２７によ
って再び前面１ａ側へ押圧される。今後は、胸部３と、
他方の腕１６ａが回動運動する。

腰部８に対する回転方向への力を解除すると、回動駆動
機構１０はバネ１５及び１６ａ、１６ｂによって第４図
(a)の中間位置に復帰させられる。

第６図及び第７図は本発明の他の実施例を示すもので、
共通する部分は同一の符号で表わし、重複した構成及び
操作の説明は省略する。

この実施例においては、まず前記胸部３が下顎４０に置
き換えられている。第１の被作動部１１及び第２の被作
動部１２ａ、１２ｂ等の構成においては変るところがな
いが、これらを付勢するバネとして回動軸３０と、腕部
の回動軸３２ａ、３２ｂに巻き回されたコイルバネ４１
を使用している構成において相違している。回動駆動機
構１０は、前記実施例のものとは異なり、腰部８と筒状
作動部材２１が一体の構成であり、スリップギヤ等は設
けられていない。第１の被作動部１１は上記作動部材２
１の中央に設けられた半円状の凸部４３に係合押圧され
ることにより、また第２の被作動部１２ａ、１２ｂは作
動部材２１の押圧片４２によって押圧されることによっ
て作動する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る可動部を備えた人形玩具の斜視
図、第２図は上記人形玩具の内部構造を示す斜視図、第
３図は回動駆動機構の内部構成説明図、第４図(a)(b)は
回動駆動機構による各被作動部の押圧状態の説明図、第
５図は被作動部を示す分解斜視図であり、第６図及び第
７図はそれぞれ本発明の他の実施例の構成説明図であ
る。 符号１……胴部、６ａ、６ｂ……腕部、８……腰部、９
……脚部、１０……回動駆動機構、１１、１２ａ、１２
ｂ……被作動部、１６ａ、１６ｂ……腕部、２０……軸
部、２１……回転作動片、２５……押圧部、２７、２８
……押圧片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】以下の各要件を備えたことを特徴とする可
   動部を備えた人形玩具。 （イ）腰部及び脚部とから成る人形の下半身部と、上記
   腰部上に形成された回動駆動機構と、該腰部によって水
   平方向に回動自在に支持された胴部と、該胴部によって
   前後方向に回動可能に支持された頭部及び腕部と、上記
   頭部及び腕部にそれぞれ連設された被作動部を有するこ
   と。 （ロ）上記頭部及び腕部はそれぞれ一方にバネで付勢さ
   れ、かつ上記被作動部は胴部内に配置されていること。 （ハ）上記回動機構は、上記胴部に対して上記下半身部
   を回動させたときに水平方向に回動する押圧部を備え、
   上記押圧部は回動時に上記各被作動部を押圧することに
   よって上記頭部及び腕部を付勢に抗して回動させるこ
   と。