JP3913401B2 - ロボット玩具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮装置と、それを利用したボクシングするロボット玩具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、2つの部材からなる伸縮装置は、例えば、第1の部材と、第1の部材に摺動自在に設けられた第2の部材とからなり、第2の部材にラックを形成し、第1の部材にラックに噛み合う駆動歯車を設け、この駆動歯車を正転・逆転させることにより、第2の部材を摺動させて、伸縮を行っていた。また、3つ以上の部材からなる伸縮装置にあっては、各部材間にアクチュエータを設け、各アクチュエータを作動させて、伸縮を行っていた。
【0003】
また、従来のボクシングするロボット玩具は、上記した従来の伸縮装置を腕部材に利用して、ボクシング動作をさせていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の伸縮装置は、駆動歯車を駆動する駆動モータと電源、アクチュエータを作動させる電源、油圧等を必要とするため、構造が複雑となり、高価になるという問題点があった。また、従来のボクシングするロボット玩具は、上記伸縮装置を利用した腕部材を作動させるための駆動モータ、電源等を胴部内に組み込む必要があるため、構造が複雑で重量があり、安価に製造することができないという問題点があった。
【0005】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、構造が簡単で安価に製造することができる伸縮装置を用いて、左右両方の腕を伸縮させることができる、従来にない新規な構造のロボット玩具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係るロボット玩具は、上記目的を達成するため、下記の手段を有する。
(イ)脚部を有する腰部と、腰部上に立設された支軸に旋回自在に取り付けられた胴部を有すること。
(ロ)支軸には、クラウン歯車が固定して設けられていること。
(ハ)胴部の左上部には、左腕回転軸が回動自在に設けられ、胴部の右上部には、右腕回転軸が回動自在に設けられていること。
(ニ)左腕回転軸と右腕回転軸は、胴部の旋回によって回転するように、前記クラウン歯車に連係されていること。
(ホ)胴部の右側には、右上腕部と、右上腕部に摺動自在に設けられた右下腕部とからなる右腕部が設けられていること。
(ヘ)胴部の左側には、左上腕部と、左上腕部に摺動自在に設けられた左下腕部とからなる左腕部が設けられていること。
(ト)右腕回転軸は、右上腕部内に突出し、この突出部に右駆動プーリが設けられていること。
(チ)右駆動プーリには、これが一方に回転すると第1の牽引紐が巻き付けられると共に第2の牽引紐が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐が緩められると共に第2の牽引紐が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐と第2の牽引紐の一端が固定されていること。
(リ)右駆動プーリの第1の牽引紐の他端は、右上腕部の前部に設けられた第1の支軸に引っ掛けられてから右下腕部に取り付けられ、第2の牽引紐の他端は、右下腕部に取り付けられていること。
(ヌ)左腕回転軸は、左上腕部内に突出し、この突出部に左駆動プーリが設けられていること。
(ル)左駆動プーリには、これが一方に回転すると第1の牽引紐が巻き付けられると共に第2の牽引紐が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐が緩められると共に第2の牽引紐が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐と第2の牽引紐の一端が固定されていること。
(オ)左駆動プーリの第1の牽引紐の他端は、左上腕部の前部に設けられた第1の支軸に引っ掛けられてから左下腕部に取り付けられ、第2の牽引紐の他端は、左下腕部に取り付けられていること。
【0009】
請求項2記載の発明に係るロボット玩具は、上記目的を達成するため、下記の手段を有する。
(イ)脚部を有する腰部と、腰部上に立設された支軸に旋回自在に取り付けられた胴部を有すること。
(ロ)支軸には、クラウン歯車が固定して設けられていること。
(ハ)胴部の左上部には、左腕回転軸が回動自在に設けられ、胴部の右上部には、右腕回転軸が回動自在に設けられていること。
(ニ)左腕回転軸と右腕回転軸は、胴部の旋回によって回転するように、前記クラウン歯車に連係されていること。
(ホ)胴部の右側には、右上腕部と、右上腕部に摺動自在に設けられた右下腕部と、右下腕部に摺動自在に設けられた右手部とからなる右腕部が設けられていること。
(ヘ)胴部の左側には、左上腕部と、左上腕部に摺動自在に設けられた左下腕部と、左下腕部に摺動自在に設けられた左手部とからなる左腕部が設けられていること。
(ト)右腕回転軸は、右上腕部内に突出し、この突出部に右駆動プーリが設けられていること。
(チ)右駆動プーリには、これが一方に回転すると第1の牽引紐が巻き付けられると共に第2の牽引紐が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐が緩められると共に第2の牽引紐が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐と第2の牽引紐の一端が固定されていること。
(リ)右駆動プーリの第1の牽引紐の他端は、右上腕部の前部に設けられた第1の支軸、右下腕部の後部に設けられた第2の支軸、右下腕部の前部に設けられた第3の支軸に引っ掛けられてから右手部に取り付けられ、第2の牽引紐の他端は、右手部に取り付けられていること。
(ヌ)左腕回転軸は、左上腕部内に突出し、この突出部に左駆動プーリが設けられていること。
(ル)左駆動プーリには、これが一方に回転すると第1の牽引紐が巻き付けられると共に第2の牽引紐が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐が緩められると共に第2の牽引紐が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐と第2の牽引紐の一端が固定されていること。
(オ)左駆動プーリの第1の牽引紐の他端は、左上腕部の前部に設けられた第1の支軸、左下腕部の後部に設けられた第2の支軸、左下腕部の前部に設けられた第3の支軸に引っ掛けられてから左手部に取り付けられ、第2の牽引紐の他端は、左手部に取り付けられていること。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態を図1乃至図5に基づいて説明する。図1は、本発明に係るロボット玩具の一実施例を示す一部断面にした全体斜視図である。図2は、図1の要部分解斜視図である。図3は、上記ロボット玩具の動きを説明する一部断面にした斜視図である。図4は、本発明に係る伸縮装置の一実施例を示す断面図である。図5は、図1の全体側面図である。
【0011】
伸縮装置80は、図4に示すように、すくなくとも第1の部材82と、第2の部材83とからなる。第2の部材83は、第1の部材82の前後方向に摺動自在に設けられている。第1の部材82の後部には、駆動プーリ61が回動自在に設けられている。駆動プーリ61には、これが一方に回転すると第1の牽引紐76が巻き付けられると共に第2の牽引紐77が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐76が緩められると共に第2の牽引紐77が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77の一端が固定されている。第1の牽引紐76の他端は、第1の部材82の前部に設けられた第1の支軸86に引っ掛けられてから第2の部材83に取り付けられ、第2の牽引紐77の他端は、第2の部材83に取り付けられている。
【0012】
伸縮装置80は、図4(a)に示すように、縮んだ状態から、駆動プーリ61を回転させると、第2の牽引紐77が緩められ、同時に第1の牽引紐76が巻き付けられて引っ張られ、第1の支軸86と第1の牽引紐76の他端が短くなり、第2の部材83が前方に摺動して、伸びた状態となる。また伸びた状態から、図4(b)に示すように、駆動プーリ61を逆回転させると、第1の牽引紐76が緩められ、同時に第2の牽引紐77が巻き付けられて引っ張られ、第2の部材83が後方に摺動して、元の縮んだ状態に戻る。
【0013】
伸縮装置80は、すくなくとも第1の部材81と、第2の部材82と、第3の部材83とからなる。第2の部材82は、第1の部材81の前後方向に摺動自在に設けられ、第3の部材83は、第2の部材82の前後方向に摺動自在に設けられている。第1の部材81の後部には、駆動プーリ61が回動自在に設けられている。
【0014】
駆動プーリ61には、これが一方に回転すると第1の牽引紐76が巻き付けられると共に第2の牽引紐77が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐76が緩められると共に第2の牽引紐77が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77の一端が固定されている。第1の牽引紐76の他端は、第1の部材81の前部に設けられた第1の支軸84、第2の部材82の後部に設けられた第2の支軸85、第2の部材82の前部に設けられた第3の支軸86に引っ掛けられてから第3の部材83に取り付けられ、第2の牽引紐77の他端は、第3の部材83に取り付けられている。
【0015】
伸縮装置80は、図4(a)に示すように、縮んだ状態から、駆動プーリ61を回転させると、第2の牽引紐77が緩められ、同時に第1の牽引紐76が巻き付けられて引っ張られ、第1の支軸84と第2の支軸85間が短くなって第2の部材82が前方に摺動し、第3の支軸86と第1の牽引紐76の他端が短くなって第3の部材83が前方に摺動して伸びた状態となる。また伸びた状態から、図4(b)に示すように、駆動プーリ61を逆回転させると、第1の牽引紐76が緩められ、同時に第2の牽引紐77が巻き付けられて引っ張られ、第3の部材83及び第2の部材82が後方に摺動して、元の縮んだ状態に戻る。
【0016】
請求項1記載の発明に係るロボット玩具1は、脚部6,7を有する腰部3と、腰部3上に立設された支軸11に旋回自在に取り付けられた胴部71を有する。支軸11には、クラウン歯車20が固定して設けられている。胴部71の左上部には、左腕回転軸55が回動自在に設けられ、胴部71の右上部には、右腕回転軸55が回動自在に設けられている。左腕回転軸55と右腕回転軸55は、胴部71の旋回によって回転するように、前記クラウン歯車20に連係されている。
【0017】
胴部71の右側には、右上腕部91と、右上腕部91に摺動自在に設けられた右下腕部92とからなる右腕部90が設けられている。胴部71の左側には、左上腕部81と、左上腕部81に摺動自在に設けられた左下腕部82とからなる左腕部80が設けられている。右腕回転軸55は、右上腕部91内に突出し、この突出部に右駆動プーリ61が設けられている。
【0018】
右駆動プーリ61には、これが一方に回転すると第1の牽引紐76が巻き付けられると共に第2の牽引紐77が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐76が緩められると共に第2の牽引紐77が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77の一端が固定されている。右駆動プーリ61の第1の牽引紐76の他端は、右上腕部92の前部に設けられた第1の支軸94に引っ掛けられてから右下腕部92に取り付けられ、第2の牽引紐77の他端は、右下腕部92に取り付けられている。
【0019】
左腕回転軸55は、左上腕部81内に突出し、この突出部に左駆動プーリ61が設けられている。左駆動プーリ61には、これが一方に回転すると第1の牽引紐76が巻き付けられると共に第2の牽引紐77が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐76が緩められると共に第2の牽引紐77が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77の一端が固定されている。左駆動プーリ61の第1の牽引紐76の他端は、左上腕部81の前部に設けられた第1の支軸84に引っ掛けられてから左下腕部82に取り付けられ、第2の牽引紐77の他端は、左下腕部82に取り付けられている。
【0020】
請求項2記載の発明に係るロボット玩具1は、脚部6,7を有する腰部3と、腰部3上に立設された支軸11に旋回自在に取り付けられた胴部71を有する。支軸11には、クラウン歯車20が固定して設けられている。胴部71の左上部には、左腕回転軸55が回動自在に設けられ、胴部71の右上部には、右腕回転軸55が回動自在に設けられている。左腕回転軸55と右腕回転軸55は、胴部71の旋回によって回転するように、前記クラウン歯車20に連係されている。
【0021】
胴部71の右側には、右上腕部91と、右上腕部91に摺動自在に設けられた右下腕部92と、右下腕部92に摺動自在に設けられた右手部93とからなる右腕部90が設けられている。胴部71の左側には、左上腕部81と、左上腕部81に摺動自在に設けられた左下腕部82と、左下腕部82に摺動自在に設けられた左手部83とからなる左腕部80が設けられている。
【0022】
右腕回転軸55は、右上腕部91内に突出し、この突出部に右駆動プーリ61が設けられている。右駆動プーリ61には、これが一方に回転すると第1の牽引紐76が巻き付けられると共に第2の牽引紐77が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐76が緩められると共に第2の牽引紐77が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77の一端が固定されている。
【0023】
右駆動プーリ61の第1の牽引紐76の他端は、右上腕部91の前部に設けられた第1の支軸94、右下腕部92の後部に設けられた第2の支軸95、右下腕部92の前部に設けられた第3の支軸96に引っ掛けられてから右手部93に取り付けられ、第2の牽引紐77の他端は、右手部93に取り付けられている。
【0024】
左腕回転55は、左上腕部81内に突出し、この突出部に左駆動プーリ61が設けられている。左駆動プーリ61には、これが一方に回転すると第1の牽引紐76が巻き付けられると共に第2の牽引紐77が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐76が緩められると共に第2の牽引紐77が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77の一端が固定されている。左駆動プーリ61の第1の牽引紐76の他端は、左上腕部81の前部に設けられた第1の支軸84、左下腕部82の後部に設けられた第2の支軸85、左下腕部82の前部に設けられた第3の支軸86に引っ掛けられてから左手部83に取り付けられ、第2の牽引紐77の他端は、左手部83に取り付けられている。
【0025】
【実施例】
以下、本発明に係るロボット玩具の一実施例を図面に基づいて説明する。ロボット玩具1は、下半身部2と、下半身部2に回動自在に取り付けられる上半身部70とからなる。下半身部2は、図1に示すように、腰部3と、腰部3の右側に取り付けられる右脚6と、腰部3の左側に取り付けられる左脚7とで構成されている。
【0026】
腰部3には、支軸11が植設された支持部材10が取り付けられている。支持部材10は、一体成形され、筒状の基部12と、基部12の下部に形成された矩形状の固定台13と、基部12の略中間部に形成されたハート状の指示板15と、基部12の上端面に形成された矩形状の嵌合穴16とからなる。前記支軸11は、嵌合穴16の略中心から上方に伸長して、基部12に植設されている。
【0027】
腰部3は、前枠体3aと後枠体3bとからなり、前枠体3aと後枠体3bが接合され、図示しないネジによって一体的に組み立てられている。支持部材10は、固定台13が前枠体3aと後枠体3bによって挟持されて、腰部3に回動不能に固定されており、腰部3の上面3cの開口3dから基部12及び指示板15が突出している。基部12の指示板15より上部には、ねじりバネ17が巻装されている。
【0028】
支軸11には、前部半周にわたって歯車21が形成された部分クラウン歯車20が設けられている。部分クラウン歯車20は、支軸11に回動自在に取り付けられる中心孔23が形成されている。部分クラウン歯車20の下面中央には、前記支持部材10の嵌合穴16に嵌合する矩形状の嵌合突起25が突設されている。部分クラウン歯車20の下面前部には、ねじりバネ17の一端17a又は他端17bと係合する係合突起26が設けらている。また、部分クラウン歯車20の上面中央には、矩形状の嵌合突起27が突設されている。
【0029】
また、支軸11には、支柱30が回動不能に取り付けられている。支柱30は、上端にフランジ31が形成され、下端面中央に形成された中心孔33が前記支軸11に装着され、下端面中央に形成された嵌合穴32が前記嵌合突起27に嵌合されて、前記部分クラウン歯車20に固定されている。
【0030】
支柱30には、直方体状のブロック部材35が回動自在に取り付けられている。ブロック体35は、これの中心に形成された大径孔36が前記支柱30に回動自在に取り付けられ、大径孔36の上縁に前記支柱30のフランジ31を嵌合する凹部37が形成されている。
【0031】
ブロック部材35は、前面に一対の嵌合軸部39,40が突設され、後面に嵌合軸部41が突設されている。ブロック部材35の両側面には、軸受け穴45,45を備えた軸受けボス46,46が突設され、さらに軸受けボス46,46の下側に軸受け穴47,47が形成されている。
【0032】
軸受け穴47,47には、中間軸50,50が回動自在に設けられている。中間軸50,50には、前記部分クラウン歯車20に噛合可能な小歯車51,51と平歯車52,52が固定して取り付けられている。
【0033】
軸受けボス46,46の軸受け穴45,45には、回転軸55,55が回動自在に設けられている。回転軸55,55には、一側に前記平歯車52,52と噛み合うピニオン56,56を備えた筒体58,58が固定して取り付けられ、他側に爪クラッチ59、59を備えた伝達車60,60が固定して取り付けられている。
【0034】
伝達車60,60と筒体58,58の間の回転軸55,55には、側面に爪クラッチ62,62を備えた駆動プーリ61,61が回動自在に設けられ、さらに駆動プーリ61,61の爪クラッチ62,62を伝達車60,60の爪クラッチ59,59に圧接する弾性部材63が設けられている。
【0035】
上半身部70は、胴部71と、胴部71の左肩部に回動自在に取り付けられた左腕部80と、胴部71の右肩部に回動自在に取り付けられた右腕部90とからなる。胴部71は、前面枠72と背面枠73とからなり、前面枠72と背面枠73が接合され、図示しないネジ止めによって一体的に組立られている。
【0036】
胴部71は、前面枠72に形成された一対の嵌合穴をブロック部材35の嵌合軸部39,40に嵌合し、背面枠73に形成された嵌合穴をブロック部材35の嵌合軸部41に嵌合して、ブロック部材35に固定して取り付けられている。前面枠72には、前記ねじりバネ17の一端17a又は他端17bと係合する係合部75が形成されている。
【0037】
左腕部80は、左上腕部81と、左上腕部81に摺動自在に設けられた左下腕部82と、左下腕部82に摺動自在に設けられた左手部83とからなる。左手部83は、左下腕部82に収納可能に形成され、左下腕部82は左上腕部81に収納可能に形成されている。
【0038】
左上腕部81は、前後に分割される前枠81aと後枠81bとで構成され、前枠81aに形成された軸受けと後枠81bに形成された軸受けによって前記した左側の回転軸55が回動自在に軸受けされ、左上腕部81の上部に左側の駆動プーリ61が回動自在に収容されている。前枠81a又は後枠81bには、伝達車60に圧接して、回転軸55の自由回転を規制する弾性片79が設けられている。
【0039】
左上腕部81の下部には、第1の支軸84が設けられている。また、左下腕部82の上部と下部には、第2の支軸85と第3支軸86が設けられている。左手部83の上部には、第4の支軸87と、固定軸88,89が設けられている。
【0040】
左側の駆動プーリ61には、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77の一端が固定されている。左側の駆動プーリ61は、これが一方に回転すると第1の牽引紐76が巻き付けられると共に第2の牽引紐77が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐76が緩められると共に第2の牽引紐77が巻き付けられる。
【0041】
左駆動プーリ61の第1の牽引紐76の他端は、左上腕部81の下部に設けられた第1の支軸84、左下腕部82の上部に設けられた第2の支軸85、左下腕部82の下部に設けられた第3の支軸86、左手部83の第4の支軸87に引っ掛けられてから左手部83の固定軸88,89に固定されている。第2の牽引紐77の他端も、左手部83の固定軸88,89に固定されている。なお、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77を無端状に連結しても構わない。
【0042】
左上腕部81の第1の支軸84の周囲、左下腕部82の第2の支軸85及び第3の支軸86の周囲並びに左手部83の第4の支軸87の周囲には、第1の牽引紐76の摺動を妨げない切り欠きが形成されている。
【0043】
右腕部90は、右上腕部91と、右上腕部91に摺動自在に設けられた右下腕部92と、右下腕部92に摺動自在に設けられた右手部93とからなる。右手部93は、右下腕部92に収納可能に形成され、右下腕部92は右上腕部91に収納可能に形成されている。
【0044】
右上腕部91は、前後に分割される前枠91aと後枠91bとで構成され、前枠91aに形成された軸受けと後枠91bに形成された軸受けによって前記した右側の回転軸55が回動自在に軸受けされ、右上腕部91の上部に右側の駆動プーリ61が回動自在に収容されている。前枠91a又は後枠91bには、伝達車60に圧接して、回転軸55の自由回転を規制する弾性片79が設けられている。
【0045】
右上腕部91の下部には、第1の支軸94が設けられている。また、右下腕部92の上部と下部には、第2の支軸95と第3支軸96が設けられている。右手部93の上部には、第4の支軸97と、固定軸98,99が設けられている。
【0046】
右側の駆動プーリ61には、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77の一端が固定されている。右側の駆動プーリ61は、これが一方に回転すると第1の牽引紐76が巻き付けられると共に第2の牽引紐77が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐76が緩められると共に第2の牽引紐77が巻き付けられる。
【0047】
右駆動プーリ61の第1の牽引紐76の他端は、右上腕部91の下部に設けられた第1の支軸94、右下腕部92の上部に設けられた第2の支軸95、右下腕部92の下部に設けられた第3の支軸96、右手部93の第4の支軸97に引っ掛けられてから右手部93の固定軸98,99に固定されている。第2の牽引紐77の他端も、右手部93の固定軸98,99に固定されている。なお、第1の牽引紐76と第2の牽引紐77を無端状に連結しても構わない。
【0048】
右上腕部91の第1の支軸94の周囲、右下腕部92の第2の支軸95及び第3の支軸96の周囲並びに右手部93の第4の支軸97の周囲には、第1の牽引紐76の摺動を妨げない切り欠きが形成されている。
【0049】
ロボット玩具1は、上記構成を有し、図1の初期状態では、左腕部80と右腕部90が縮んだ状態になっている。すなわち、左右上腕部81,91内に左右下腕部82,92が収納され、左右下腕部82,92内に左右手部83,93が収納されている。この時、図4(a)に示すように、駆動プーリ61によって、第1の牽引紐76が伸ばされて緩められ、第2の牽引紐77が巻き付けられて左右手部83,93が引っ張られた状態である。駆動プーリ61は、これの爪クラッチ62が伝達車60の爪クラッチ59に圧接し、伝達車60が弾性片79に押圧されているので、回転しないようになっている。また、中間軸50,50の小歯車51,51は、部分クラウン歯車20の半円状の歯21と噛み合っていない。
【0050】
ロボット玩具1は、下半身部2を固定して、胴部71を矢印に示すように、右旋回させると、図3に示すように、ブロック部材35も右側に回転し、ブロック部材35の左側に設けられた小歯車51が部分クラウン歯車20の歯21と噛み合う。そのため、小歯車51は回転し、この回転が平歯車52、ピニオン56、回転軸55、伝達車60、爪クラッチ59、爪クラッチ62を介して左側の駆動プーリ61に伝達され、左側の駆動プーリ61が回転する。なお、ブロック部材35の右側に設けられた小歯車51は、部分クラウン歯車20の歯21と噛み合わないため、右側の駆動プーリ61は回転しない。また、胴部71は、これの係合部75がねじりバネ17の一端17aに係合しているので、左旋回方向に付勢されている。
【0051】
左側の駆動プーリ61が回転すると、図4(b)に示すように、第2の牽引紐77が緩められ、同時に第1の牽引紐76が巻き付けられて引っ張られ、第1の支軸84と第2の支軸85間が短くなって左下腕部82が左上腕部81内から引き出され、さらに第3の支軸86と第4の支軸87間が短くなって左手部83が左下腕部82内から引き出され、左腕部80が伸びた状態になる。この伸びた状態も、駆動プーリ61は、これの爪クラッチ62が伝達車60の爪クラッチ59に圧接し、伝達車60が弾性片79に押圧されているので、維持される。
【0052】
左腕部80が伸びた状態から、胴部71を離すと、ねじりバネ17の弾性復元力により、胴部71が矢印の反対方向に左旋回し、ブロック部材35も左側に回転し、小歯車51が逆回転し、この逆回転が平歯車52、ピニオン56、回転軸55、伝達車60、爪クラッチ59、爪クラッチ62を介して左側の駆動プーリ61に伝達され、左側の駆動プーリ61が逆回転する。なお、ブロック部材35の右側に設けられた小歯車51は、部分クラウン歯車20の歯21と噛み合わないため、右側の駆動プーリ61は回転しない。
【0053】
左側の駆動プーリ61が逆回転すると、図4(b)に示すように、第1の牽引紐76が緩められ、同時に第2の牽引紐77が巻き付けられて引っ張られ、左手部83が左下腕部82内に収納され、左下腕部82が左上腕部81内に収納され、左腕部80が元の縮んだ状態に復帰する。このように、胴部71を右旋回、即ち左肩部を前側に出すと左腕部80が伸び、胴部71を元の状態に戻すと左腕部80が元の縮んだ状態に戻ることになる。同様に、胴部71を左旋回、即ち右肩部を前側に出すと右腕部90が伸び、胴部71を元の状態に戻すと右腕部90が元の縮んだ状態に戻ることになる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本願発明に係るロボット玩具は、複雑な歯車機構を必要とせず、牽引紐で伸縮させることができる、構造が簡単且つ軽量、コンパクトで、安価に製造することができる伸縮装置を腕部として利用するので、胴部内に駆動モータ、電池等を収容する必要がなく、構造が簡単で、軽量化を図ることができ、安価に製造することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロボット玩具の一実施例を示す一部断面にした全体斜視図である。
【図2】図1の要部分解斜視図である。
【図3】上記ロボット玩具の動きを説明する一部断面にした斜視図である。
【図4】本発明に係る伸縮装置の一実施例を示す断面図である。
【図5】図1の全体側面図である。
【符号の説明】
1 ロボット玩具
2 下半身部
3 腰部
3a 前枠体
3b 後枠体
3c 上面
3d 開口
6 右脚
7 左脚
10 支持部材
11 支軸
12 基部
13 固定台
15 指示板
16 嵌合穴
17 ねじりバネ
17a 一端
17b 他端
20 部分クラウン歯車
21 歯
23 中心孔
25 嵌合突起
26 係合突起
27 嵌合突起
30 支柱
31 フランジ
32 嵌合穴
33 中心孔
35 ブロック部材
36 大径孔
37 凹部
39 嵌合軸部
40 嵌合軸部
41 嵌合軸部
45 軸受け穴
46 軸受けボス
47 軸受け穴
50 中間軸
51 小歯車
52 平歯車
55 回転軸
56 ピニオン
58 筒体
59 爪クラッチ
60 伝達車
61 駆動プーリ
62 爪クラッチ
63 弾性部材
70 上半身部
71 胴部
72 前面枠
73 背面枠
75 係合部
76 第1の牽引紐
77 第2の牽引紐
79 弾性片
80 左腕部
81 左上腕部
81a 前枠
81b 後枠
82 左下腕部
83 左手部
84 第1の支軸
85 第2の支軸
86 第3の支軸
87 第4の支軸
88 固定軸
89 固定軸
90 右腕部
91 右上腕部
91a 前枠
91b 後枠
92 右下腕部
93 右手部
94 第1の支軸
95 第2の支軸
96 第3の支軸
97 第4の支軸
98 固定軸
99 固定軸
Claims (2)
- 下記の要件を備えたことを特徴とするロボット玩具。
(イ)脚部を有する腰部と、腰部上に立設された支軸に旋回自在に取り付けられた胴部を有すること。
(ロ)支軸には、クラウン歯車が固定して設けられていること。
(ハ)胴部の左上部には、左腕回転軸が回動自在に設けられ、胴部の右上部には、右腕回転軸が回動自在に設けられていること。
(ニ)左腕回転軸と右腕回転軸は、胴部の旋回によって回転するように、前記クラウン歯車に連係されていること。
(ホ)胴部の右側には、右上腕部と、右上腕部に摺動自在に設けられた右下腕部とからなる右腕部が設けられていること。
(ヘ)胴部の左側には、左上腕部と、左上腕部に摺動自在に設けられた左下腕部とからなる左腕部が設けられていること。
(ト)右腕回転軸は、右上腕部内に突出し、この突出部に右駆動プーリが設けられていること。
(チ)右駆動プーリには、これが一方に回転すると第1の牽引紐が巻き付けられると共に第2の牽引紐が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐が緩められると共に第2の牽引紐が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐と第2の牽引紐の一端が固定されていること。
(リ)右駆動プーリの第1の牽引紐の他端は、右上腕部の前部に設けられた第1の支軸に引っ掛けられてから右下腕部に取り付けられ、第2の牽引紐の他端は、右下腕部に取り付けられていること。
(ヌ)左腕回転軸は、左上腕部内に突出し、この突出部に左駆動プーリが設けられていること。
(ル)左駆動プーリには、これが一方に回転すると第1の牽引紐が巻き付けられると共に第2の牽引紐が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐が緩められると共に第2の牽引紐が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐と第2の牽引紐の一端が固定されていること。
(オ)左駆動プーリの第1の牽引紐の他端は、左上腕部の前部に設けられた第1の支軸に引っ掛けられてから左下腕部に取り付けられ、第2の牽引紐の他端は、左下腕部に取り付けられていること。 - 下記の要件を備えたことを特徴とするロボット玩具。
(イ)脚部を有する腰部と、腰部上に立設された支軸に旋回自在に取り付けられた胴部を有すること。
(ロ)支軸には、クラウン歯車が固定して設けられていること。
(ハ)胴部の左上部には、左腕回転軸が回動自在に設けられ、胴部の右上部には、右腕回転軸が回動自在に設けられていること。
(ニ)左腕回転軸と右腕回転軸は、胴部の旋回によって回転するように、前記クラウン歯車に連係されていること。
(ホ)胴部の右側には、右上腕部と、右上腕部に摺動自在に設けられた右下腕部と、右下腕部に摺動自在に設けられた右手部とからなる右腕部が設けられていること。
(ヘ)胴部の左側には、左上腕部と、左上腕部に摺動自在に設けられた左下腕部と、左下腕部に摺動自在に設けられた左手部とからなる左腕部が設けられていること。
(ト)右腕回転軸は、右上腕部内に突出し、この突出部に右駆動プーリが設けられていること。
(チ)右駆動プーリには、これが一方に回転すると第1の牽引紐が巻き付けられると共に第2の牽引紐が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐が緩められると共に第2の牽引紐が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐と第2の牽引紐の一端が固定されていること。
(リ)右駆動プーリの第1の牽引紐の他端は、右上腕部の前部に設けられた第1の支軸、右下腕部の後部に設けられた第2の支軸、右下腕部の前部に設けられた第3の支軸に引っ掛けられてから右手部に取り付けられ、第2の牽引紐の他端は、右手部に取り付けられていること。
(ヌ)左腕回転軸は、左上腕部内に突出し、この突出部に左駆動プーリが設けられていること。
(ル)左駆動プーリには、これが一方に回転すると第1の牽引紐が巻き付けられると共に第2の牽引紐が緩められ、他方に回転すると第1の牽引紐が緩められると共に第2の牽引紐が巻き付けられるようにして、第1の牽引紐と第2の牽引紐の一端が固定されていること。
(オ)左駆動プーリの第1の牽引紐の他端は、左上腕部の前部に設けられた第1の支軸、左下腕部の後部に設けられた第2の支軸、左下腕部の前部に設けられた第3の支軸に引っ掛けられてから左手部に取り付けられ、第2の牽引紐の他端は、左手部に取り付けられていること。
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