JPH0611295Y2 - 広小舞 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は家屋本体部の傾斜屋根と、該家屋本体部に隣設
する家屋付属部の屋根材との間を雨仕舞する雨押えカバ
ーを精度よくかつ能率よく取付しうる広小舞に関する。

〔従来の技術〕

壁、床、屋根などをパネルを用いて形成するパネル工法
の建築物が多用されている。

又このような建築物においては、第７図に示すように家
屋本体部Ｈ１の軒先面に家屋付属部Ｈ２を隣設し居住空
間の拡大を計る場合が多く、かかる場合、家屋本体部Ｈ
１の傾斜屋根Ｒ１と家屋付属部Ｈ２の付属屋根Ｒ２との
間は、通常、付属屋根Ｒ２の屋根材上面からのびるＬ字
状の雨押えカバーＡを用いて水切りされる。

そしてこのような雨押えカバーＡは、従来、例えば第８
図に示すように、家屋本体部Ｈ１の軒先側壁パネルｗの
上端に固着する取付金具ｂの立片ｂ１に、雨押えカバー
Ａの水切り片ａ１をボルト止めすることにより取付けら
れる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このものは、取付金具ｂが比較的位置精
度に劣る壁パネルｗに取付くため、水切り片ａ１と家屋
本体部Ｈ１の屋根パネルｐの軒先端に取付く広小舞ｃと
の間に不揃いが生じやすく、しかも前記ボルト止めに際
して雨押えカバーＡ下面を受ける支持機能がなく、雨押
えカバーＡの取付精度及び取付作業能率を大巾に低下し
ていた。

本考案は、広小舞の垂下片下端に雨押えカバーの下面を
支持する受片を形成することを基本として、雨押えカバ
ーを精度よくかつ能率よく取付けうる広小舞の提供を目
的としている。

〔課題を解決するための手段〕

前記問題点を解決するために、本考案は、屋根梁により
支持されかつ家屋本大部の傾斜屋根を形成する屋根パネ
ルの軒先端面に取付く広小舞であって、前記屋根パネル
は、家屋本体部の屋根梁により支持された枠組と、その
上面に配されかつ該枠組の下向きの端面がなす前記軒先
端面から張出す屋根葺材とを有する一方、前記広小舞
は、前記軒先端面にボルト止めされる基片と、その上縁
に設けられ、前記屋根葺材の前記張出し部下面に沿う屋
根葺下片と、該屋根葺下片の軒先端から垂下する垂下片
と、その下端に突設され前記家屋本体部に隣設された家
屋付属部の屋根材の上面からのびる雨押えカバーの下面
を支持する受片とから形成される。

〔作用〕

このように構成する広小舞は、基片下端に受片を有して
いるため、雨押えカバーの取付け全般に亘って該雨押え
カバーをレベル出ししつつ支持することができ、その取
付作業能率を大巾に向上しうるとともに取付精度を高め
うる。又このものは、前記広小舞に直接固定しうるた
め、防水性能を高めることができしかも従来の取付板を
排除しうるなどコストダウンにも役立つ。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

第７図は本考案の広小舞１が採用される家屋Ｈを例示し
ている。家屋Ｈは傾斜屋根Ｒ１を有する家屋本体部Ｈ１
と、その一方の軒先側に隣設されかつ本例では略水平な
付属屋根Ｒ２を有する家屋付属部Ｈ２とを具え、前記家
屋本体部Ｈ１は本体骨組体９に壁パネルＷ及び屋根パネ
ルＰを取付けたパネル工法により形成される。

又本考案の広小舞１は、傾斜屋根Ｒ１を形成する前記屋
根パネルＰの軒先端面１０Ｓに取付く。

屋根パネルＰは、第２〜３図に詳示するごとく、ともに
溝部を内向きにした溝形鋼からなる側の枠材１１の上下
に上、下の枠材１２、１３を矩形に接合した枠組１０を
有し、その上面に載設される野地板１４に、防水シート
１５を介して屋根葺材１６を敷設している。又下の枠材
１３は、軒先側に位置するとともに、前記屋根葺材１６
は下の端面である軒先端面１０Ｓから外方に張出してお
り、本例では、該屋根葺材１６の張出し部１６Ａによっ
て前記壁パネルＷの上端を覆う。

又前記縦の枠材１１には、上、下のフランジを継ぐ切続
片１９、１９を上方、下方に設けるとともに、該接続片
１９とともにウエブを貫通する孔部を、内側から通る頭
付ボルト２１によって吊下げ金具２２を螺着している。
従って、屋根パネルＰはこの吊下げ金具２２を用いてク
レーン等により吊下げられた後、本体骨組体９に載置さ
れる。

本体骨組体９は、第１図に略示するごとく、柱２３上に
固定される屋根梁２４を含み、該屋根梁２４から立上が
る束材２５上端で前記枠組１０下面を支持している。

なお屋根梁２４は、本例ではウエブ２４Ａの上下端にフ
ランジ２４Ｂ、２４Ｃを設けたＩ形鋼が用いられ、又束
材２５は、該上のフランジ２４Ａから立上がる例えば角
管状の柱部２５Ａ上端に、前記傾斜屋根Ｒ１の屋根勾配
で傾斜することにより前記枠組１０下面を受ける受部２
５Ｂを設けている。

又前記屋根梁２４は、上のフランジ２４Ｂから軒先側に
のびる他端に立下げ片２０Ａを折曲げたＬ字の壁パネル
取付金具２０を介して前記壁パネルＷの上部を保持す
る。

そして前記広小舞１は、前記屋根パネルＰの軒先端面１
０Ｓに、本例では、そのクレーン等による吊下げに先立
てて取付く。

広小舞１は、前記軒先端面１０Ｓにボルト止めされる基
片２と、その上縁に設けられかつ前記屋根葺材１６の張
出し部１６Ａ下面に沿ってのびる屋根葺下片３と、該屋
根葺下片３の軒先端から本例では壁パネルＷの外面と略
整一して垂下する垂下片４とを具えるとともに、該垂下
片４下端には、前記付属屋根Ｒ２の上面から家屋本体部
Ｈ１に向かってのびる雨押えカバーＡの下面を支持する
受片５が一体に形成される。なお広小舞１は、前記基片
２上縁が前記野地板１４上面を上にこえることによって
屋根葺材１６を野地板１４からやや浮かせて支持すると
ともに、前記屋根葺下片３に打入する釘片を用いて張出
し部１６Ａを固着する。

又前記付属屋根Ｒ２は、第１図に示すように、前記屋根
梁２４と略平行にのびる家屋付属部Ｈ２の屋根梁２６
と、家屋付属部Ｈ２の壁パネルＷ１との間に架け渡され
る本例では折版板状の屋根材２７から形成され、屋根材
２７は、例えばロックフレーム２９を用いて支持され
る。

ロックフレーム２９は、前記屋根梁２６上面に取付く内
のロックフレーム２９Ａと前記壁パネルＷ１上端に取付
く外のロックフレーム２９Ｂとを含み、内のロックフレ
ーム２９Ａは、第４図(a)〜(c)に示すごとく、屋根梁２
６の上フランジ２６Ｂに固着する例えばコ字状の基台３
０に、下板３１を介して略台形状の係止金具３２…を所
定ピッチで隔設しており、又係止金具３２の妻面側両側
面には、該側面を折曲げすることにより下方に傾斜する
鉤部３３を突出する。又外のロックフレーム２９Ｂは、
壁パネルＷ１上端に固着する底板３４上に、前記係止金
具３２と略同構成の係止金具３５を前記係止金具３２と
向かい合わせて隔置しており、又該係止金具３５上面を
係止金具３２上面より下方に位置させることにより、屋
根材２７は、壁パネルＷ１に向かって下方に略傾斜する
水勾配を形成する。

又前記屋根材２７は、平板状の基板部３９間に前記係止
金具３２、３５と嵌合する断面略山形状の係合条部４０
を突出した折版板状をなし、本例では第５図(a)〜(c)に
示すように、基板４１両端に前記係合条部４０を一体に
折曲げて形成した屋根材片２７Ａ…を互いに連結するこ
とにより形成される。なお該屋根材片２７Ａには、第５
図(c)に示すように、一方の係合条部４０を残してその
下面に例えば防露材４２が添設され又各屋根材片２７Ａ
は、第６図に示すように、隣り合う係合条部４０を互い
に重置することにより水蜜に連結する。

又屋根材２７には、傾斜屋根Ｒ１の軒先縁に向く内端部
に、前記基板４１から立上りかつ係合条部４０間を継ぐ
水返し片４３が突設されるとともに、該屋根材２７と前
記傾斜屋根Ｒ１との交わり部Ｒは、雨押えカバーＡによ
って雨仕舞される。

雨押えカバーＡは、前記屋根材２７の上面、即ち本例で
は係合条部４０上面に重置して家屋本体部Ｈ１にのびる
基片４５内端に、前記広小舞１の垂下片４に沿う水切り
片４６を立上げたＬ字状をなし、前記基片４５の内端部
下面は、前記広小舞１の受片５上に載置される。従っ
て、雨押えカバーＡは、前記水切り片４６を垂下片４に
例えばリベット止めする取付作業全般に亘って、前記受
片５に支持されるため、該取付作業を能率よくかつ精度
よく行うことができ、しかも水切り片４６と垂下片４と
を直接固定するため、水切り性能を大巾に向上しうる。

なお前記水返し片４３を外方にこえてのびる基片４５の
外端部には、屋根材２７上面の屈曲形状に合う垂下片４
９が突設され、該垂下片４９と屋根材２７との間をシー
ル処理するとともに、水切り片４６上縁は、屋根葺下片
３から水切り片４６外面に沿って配されるく字状のカバ
ー４７によって被覆する。

〔考案の効果〕

叙上のごとく本考案の広小舞は、垂下片下端に、雨押え
カバーの下面を受ける受片を設けているため、雨押えカ
バーを、その取付作業全般に亘ってレベル出ししつつ支
持することができ、その取付作業能率を大巾に向上しう
るとともに取付精度を高めうる。又雨押えカバーを垂下
片に直接固定しうるため、水切り性能を向上でき、しか
も従来の取付金具を排除しうるなどコストダウンにも役
立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図はその
斜視図、第３図は屋根パネルを示す斜視図、第４図(a)
〜(c)はロックフレームを示す正面図、平面図及び側面
図、第５図(a)〜(c)は屋根材片を示す正面図、平面図及
び側面図、第６図はロックフレームと屋根材片との係合
状態を示す断面図、第７図は本考案が採用される家屋を
示す斜視図、第８図は従来技術を示す断面図である。 ２……基片、３……屋根葺下片、４……垂下片、 ５……受片、１０……枠組、１０Ｓ……軒先端面、 １６……屋根葺材、１６Ａ……張出し部、 ２４……屋根梁、２７……屋根材、 Ａ……雨押えカバー、Ｈ１……家屋本体部、 Ｈ２……家屋付属部、Ｐ……屋根パネル、 Ｒ１……傾斜屋根。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】屋根梁により支持されかつ家屋本体部の傾
   斜屋根を形成する屋根パネルの軒先端面に取付く広小舞
   であって、前記屋根パネルは、家屋本体部の屋根梁によ
   り支持された枠組と、その上面に配されかつ該枠組の下
   向きの端面がなす前記軒先端面から張出す屋根葺材とを
   有する一方、前記広小舞は、前記軒先端面にボルト止め
   される基片と、その上縁に設けられ、前記屋根葺材の前
   記張出し部下面に沿う屋根葺下片と、該屋根葺下片の軒
   先端から垂下する垂下片と、その下端に突設され前記家
   屋本体部に隣設された家屋付属部の屋根材の上面からの
   びる雨押えカバーの下面を支持する受片とからなること
   を特徴とする広小舞。