JPH0611292Y2

JPH0611292Y2 - 鉄筋受用合成樹脂製キャップ

Info

Publication number: JPH0611292Y2
Application number: JP16475388U
Authority: JP
Inventors: 信司乾; 博人金丸; 政章粟野
Original assignee: 乾産業株式会社
Priority date: 1988-12-19
Filing date: 1988-12-19
Publication date: 1994-03-23
Anticipated expiration: 2003-12-19
Also published as: JPH0285721U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案はコンクリート打設により床スラブを構築する
際に、その床スラブ内に埋設されるべき補強鉄筋を支持
するように使用される鉄筋受の下端部に装着して、施工
後の床スラブ下面に鉄筋受の下端部が露出し発錆するこ
とを防止するために用いられる鉄筋合成樹脂製キャップ
に関するものである。

〔従来の技術〕

この種の合成樹脂製キャップとして、従来、実公昭56-2
7291号公報に開示されているように、鉄線製鉄筋受の脚
部の下端部に挿入可能であるように、上向きに開口する
縦孔を有する有底筒状の合成樹脂製キャップが知られて
いる。

また、別の従来例として、実公昭59-4097号公報に開示
されているように、キャップ本体の上面に鉄筋受の脚部
下端に折曲げ形成した横向折曲足に対して上下方向から
挿入可能な取付孔を形成した合成樹脂製キャップも知ら
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記した先行技術は、ともにキャップ側の孔が上向きに
開口しており、この孔を鉄筋受の足部の下端部に対して
上下方向から挿入することによりキャップを鉄筋受に装
着するものである。従って、鉄筋受の脚部の下端部に該
キャップを装着した状態での運搬時やスラブ用補強鉄筋
に対する取付施工時、更には床スラブ用コンクリートの
打設時等において、鉄筋受或いはキャップに種々の方向
の荷重や外力が働いた場合、キャップが鉄筋受から不測
に抜け落ちるとか、抜け落ちるまでには至らなくとも、
両者の取付姿勢が変化してしまう等の問題を有してい
た。

この考案は上記問題点を解決するためになされたもの
で、鉄筋受に対する装着は従来と何ら変わりなく、ワン
タッタ操作にて容易に行えるものでありながら、装着状
態を安定よく保持して確実な抜止め効果を発揮できる鉄
筋受用合成樹脂製キャップを提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案に係る鉄筋受用合
成樹脂製キャップは、脚部の下端に横向折曲足を有する
鉄線製鉄筋受の上記横向折曲足に対して、該横向折曲足
の遊端側から圧入嵌合可能な横向取付孔を形成した横向
嵌合部と、該横向嵌合部に対して直角に形成され、上記
鉄筋受の横向折曲足に対する上記横向取付孔の圧入嵌合
時に上記鉄筋受の脚部の下端部分に側方から嵌入可能な
縦向取付孔を形成した縦向嵌合部と、上記横向嵌合部の
下面に連設され、その下端に偏平面が形成された突片と
が合成樹脂により一体成形され、かつ上記縦向嵌合部の
縦向取付孔の入口部には、鉄筋受の脚部に対する抜止め
用突部が形成されているという構成に特徴を有するもの
である。

〔作用〕

この考案に係る鉄筋受用合成樹脂製キャップによれば、
横向嵌合部の横向取付孔に折曲足の遊端側から圧入嵌合
操作するものである。このように、キャップを鉄筋受の
側から一直線状に圧入することによって、互いに直角に
位置する横向取付孔および縦向取付孔を、鉄筋受側の互
いに直角に位置する横向折曲足および脚部の下端部分に
それぞれ嵌入させ、かつそのような嵌入状態において、
鉄筋受の脚部下端部分が抜止用突部により抜止めされ
る。これによって、キャップの鉄筋受に対する三次元方
向の姿勢が協力に確保されて、不測の抜け落ちならびに
キャップと鉄筋受との相対姿勢の変化が防止されること
になる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は合成樹脂製キャップの斜視図、第２図はその縦
断面図であり、同図で明らかなように、後述する鉄線製
鉄筋受(A)における脚部(a)の下端に折曲形成された横向
折曲脚(b)に対して、該折曲脚(b)の遊端側から圧入嵌合
可能な横向取付孔(1)を形成した有底円筒状の横向嵌合
部(2)と、この横向嵌合部(2)の横向取付孔(1)の入口部
側において該横向嵌合部(2)に対して直角に起立形成さ
れ、その内部に上記鉄筋受(A)の脚部(a)の下端部分に側
方から圧入可能な縦向取付孔(3)が形成され、且つその
縦向取付孔(3)の入口部には上記脚部(a)に対する抜止め
用突部(7)が形成されている縦向嵌合部(4)と、上記横向
嵌合部(2)の円筒状周壁下面から下向きに突出連設さ
れ、その下端の一部に偏平面部(5)が形成された板状突
片(6)とを、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑
性の合成樹脂により一体成形されたものである。

上記横向取付孔(1)は、上記鉄筋受(A)における横向折曲
足(b)の長さと略々等しい深さおよび横向折曲足(b)の外
径と略々等しい内径を有し、また上記縦向取付孔(3)は
上記鉄筋受(A)における脚部(a)の外径と略々等しい内径
を有しており、上記横向取付孔(1)を鉄筋受(A)の横向折
曲足(b)に圧入嵌合させるものである。

なお、上記鉄筋受(A)は第３図で示すように、鉄線を使
用して、略々門型に折曲加工された２個の門型杆(1A)(1
A)をそれらの頂部において互いに直交状態で溶着一体化
することにより、４個の脚部(a)を有するように構成さ
れているとともに、それら４個の脚部(a)の下端部分を
それぞれ外方に向けて略々直角に折曲することで、上述
した横向折曲足(b)が形成されたものである。

従って、上記鉄筋受(A)における脚部(a)下端の横向折曲
足(b)の遊端に、キャップの横向取付孔(1)を合わせて、
キャップ全体を側方から略々水平方向に圧入することに
より、第４図のように、各横向折曲足(b)に横向取付孔
(1)を圧入固着できるものである。従ってこのように取
付けることによって、合成樹脂製キャップを三次元方向
での姿勢で協力に保持されるように鉄筋受(A)に固着さ
れる。

〔考案の効果〕

以上の説明からも既に明らかなように、この考案に係る
鉄筋受用合成樹脂製キャップによれば、鉄筋受の側方か
ら直線状に圧入するだけの簡単な操作により容易、迅速
に鉄筋受に装着することができるものであると共に、そ
の装着状態では、互いに直交する横向および縦向の取付
孔を夫々、鉄筋受の横向折曲足とこれに直角な脚部とに
嵌合支持させて、三次元方向のいずれの方向から荷重や
外力が働いても、鉄筋受けキャップとの相対姿勢の変
化、ならびにキャップの不測の抜け落ちを確実に防止で
きる。特に、コンクリート打設時において、キャップに
大きな下向きの外力が作用しても、該キャップの抜止め
を確実化できる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】第１図はこの考案の実施例を示し、第１図は外観斜視
図、第２図は縦断側面図、第３図は鉄筋受の斜視図、第
４図は装着使用状態を示す要部の断面図である。 (1)……横向取付孔、(2)……横向嵌合部、(3)……縦向
取付孔、(4)……縦向嵌合部、(5)……偏平面、(6)……
突片、(7)……抜止め用突部、(A)……鉄筋受、(a)……
脚部、(b)……横向折曲足である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】脚部(a)の下端に横向折曲足(b)を有する鉄
線製鉄筋受(A)の上記横向折曲足(b)に対して、該横向折
曲足(b)の遊端側から圧入嵌合可能な横向取付孔(1)を形
成した横向嵌合部(2)と、該横向嵌合部(2)に対して、直
角に形成され、上記鉄筋受(A)の足(b)に対する上記横向
取付孔(1)の圧入嵌合時に上記鉄筋受(A)の脚部(a)の下
端部分に側方から嵌入可能な縦向取付孔(3)を形成した
縦向嵌合部(4)と、上記横向嵌合部(2)の下面に連設さ
れ、その下端に偏平面(5)が形成された突片(6)とが合成
樹脂により一体成形され、かつ上記縦向嵌合部(4)の縦
向取付孔(3)の入口部には、鉄筋受(A)の脚部(a)に対す
る抜止め用突部(7)が形成されていることを特徴とする
鉄筋受用合成樹脂製キャップ。