JPH0611239B2 - β−N−アセチル−D−ヘキソサミニダ−ゼ活性測定試薬 - Google Patents

β−N−アセチル−D−ヘキソサミニダ−ゼ活性測定試薬

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JPH0611239B2
JPH0611239B2 JP10996886A JP10996886A JPH0611239B2 JP H0611239 B2 JPH0611239 B2 JP H0611239B2 JP 10996886 A JP10996886 A JP 10996886A JP 10996886 A JP10996886 A JP 10996886A JP H0611239 B2 JPH0611239 B2 JP H0611239B2
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はβ−N−アセチル−D−ヘキソサミニダーゼ活
性測定用試薬に関するものである。体液中のβ−N−ア
セチル−D−ヘキソサミニダーゼ活性の測定は、腎移植
後の拒絶反応の早期診断、急性腎不全、糸球体腎炎等の
各種腎疾患の診断及び経過観察、薬物の腎毒性等に有用
な情報を与えるものとして臨床的意義が高い。
(従来の技術) 従来、β−N−アセチル−D−ヘキソサミニダーゼ(以
下NAGと称する)活性は、N−アセチル−D−グリコ
サミンの還元末端にp−ニトロフェノールを結合させた
基質を用いてNAGを作用させ、遊離してくるp−ニト
ロフェノールをアルカリ性下で比色する方法が一般的で
ある(MethodsEngymol.,28,702(1972))。
ところがこの方法では目的とする酵素NAGの至適pH
(pH4〜5.5)と発色用であるp−ニトロフェノールの発
色pH(pH9以上)とが異なる為にNAG活性を測定する
為には酵素反応と発色反応を別々に行なう必要があり、
その為に試薬数及び操作ステップが多く必要となり、酵
素活性を求める場合に一番適当であるといわれている速
度分析(レートアッセイ)法が出来ない欠点がある。
その他、N−アセチルグルコサミンにフェノールを結合
させた基質を用いる方法(特開昭54−60997号)、N
−アセチルグルコサミンにm−クレゾールスルホフタレ
インを結合させた基質を用いる方法(Clin.Chem.29,171
3(1983))も上記p−ニトロフェノールを用いる場合と
同様の欠点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は定量性に優れたNAGのレートアッセイ
が可能となるNAG活性測定試薬を提供することであ
る。
(問題点を解決する為の手段) 本発明者らは、上記目的を達成するために種々鋭意検討
したところ、一般式〔I〕で示される基質を用いること
により体液中のNAG活性を短時間に正確簡単にレート
アッセイ出来ることを見い出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、基質として下記一般式〔I〕で示さ
れる化合物を含有することを特徴とするβ−N−アセチ
ル−D−ヘキソサミニダーゼ活性測定試薬である。
(式中、Aは還元性末端でβ−結合しているN−アセチ
ルグルコサミン又はN−アセチルガラクトサミン残基で
ある。Xはニトロ基を示す。R1〜R4のうち、少なくとも
1つはハロゲン原子を示し、かつR1〜R4のうち、少なく
とも1つは-(CH2)n-SO3H又は-(CH2)n-COOH又はこれらの
アルカリ金属塩基(n=1〜3)を示し、残りの基は水
素原子を示す。) 本発明に用いる基質としては一般式〔I〕で示される化
合物、すなわちN−アセチルグルコサミン又はN−アセ
チルガラクトサミンがその還元性末端で置換芳香族基と
β−結合したものである。置換芳香族基とは解裂したア
グリコンとして基質とは異なったスペクトル吸収を示す
置換芳香族基である。
解裂したアグリコンとは具体的には次の一般式 例えば2−クロロ−4−ニトロ−6−スルホメチルフェ
ノール、2−ブロモ−4−ニトロ−6−スルホメチルフ
ェノール、2−ヨード−4−ニトロ−6−スルホメチル
フェノール、2,6−ジクロロ−3−スルホメチル−4−
ニトロフェノール、2,6−ジブロモ−3−スルホメチル
−4−ニトロフェノール、2,6−ジヨード−3−スルホ
メチル−4−ニトロフェノール、2,3,6−トリクロロ−
4−ニトロ−5−スルホメチルフェノール、2,3,6−ト
リブロモ−4−ニトロ−5−スルホメチルフェノール、
2,3,6−ドヨード−4−ニトロ−5−スルホメチルフェ
ノール、2,6−ジクロロ−3,5−ジスルホメチル−4−ニ
トロフェノール、2,6−ジブロモ−3,5−ジスルホメチル
−4−ニトロフェノール、2,6−ジヨード−3,5−ジスル
ホメチル−4−ニトロフェノール、2−クロロ−4−ニ
トロ−6−スルホエチルフェノール、2,6−ジクロロ−
3−スルホエチル−4−ニトロフェノール、2,3,6-トリ
クロロ−4−ニトロ−5−スルホエチルフェノールな
ど、2−クロロ−4−ニトロ−6−カルボキシメチルフ
ェノール、2−ブロモ−4−ニトロ−6−カルボキシメ
チルフェノール、2−ヨード−4−ニトロ−6−カルボ
キシメチルフェノール、2,6−ジクロロ−3−カルボキ
シメチル−4−ニトロフェノール、2,6−ジブロモ−3
−カルボキシメチル−4−ニトロフェノール、2,6−ジ
ヨード−3−カルボキシメチル−4−ニトロフェノー
ル、2,3,6−トリクロロ−4−ニトロ−5−カルボキシ
メチルフェノール、2,3,6−トリブロモ−4−ニトロ−
5−カルボキシメチルフェノール、2,3,6−トリヨード
−4−ニトロ−5−カルボキシメチルフェノール、2,6
−ジクロロ−3,5−カルボキシメチル−4−ニトロフェ
ノール、2,6−ジブロモ−3,5−カルボキシメチル−4−
ニトロフェノール、2,6−ジヨード−3,5−カルボキシメ
チル−4−ニトロフェノール、2−クロロ−4−ニトロ
−6−カルボキシエチルフェノール、2,6−ジクロロ−
3−カルボキシエチル−4−ニトロフェノール、2,3,6
−トリクロロ−4−ニトロ−5−カルボキシエチルフェ
ノールなどとこれらのNa塩またはK塩等があげられ
る。
これら基質の合成方法はN−アセチルヘキソサミンをア
セチル化し、このアセチル化されたN−アセチルヘキソ
サミンと置換芳香族化合物、アグリコンを結合させた
後、脱アセチルすることにより合成するか(実験化学講
座第24巻第304頁、1958年)、又はアセチル化された
N−アセチルエキソサミンをハロゲン化し、次いでその
ハロゲン化物と置換芳香族化合物、アグリコンをエーテ
ル結合させたあと、脱アセチルすることにより合成する
ことが出来る(Methods in Carbohydrate Chemistry I
I,第334頁)。
基質の置換芳香族基においてR1〜R4がハロゲン原子のみ
で置換されている場合には、水に対する溶解性が悪く、
基質必要量の溶解が不可能である。
本発明のNAG活性測定試薬は、ハロゲン置換のニトロ
フェノールに-(CH2)n-SO3H,-(CH2)n-COOH又はこれらの
Na塩、K塩等のアルカリ金属原子を置換し、水溶性に
優れた基質を使用する。
該試薬のpHは体液中のNAGの至適pHであるpH4.0〜6.0
を保つ緩衝液であれば、いかなるものでも良い。例えば
クエン酸緩衝液やその他有機酸緩衝液、例えば酢酸、コ
ハク酸、フタル酸等の緩衝液があげられる。
基質濃度としては特に制限がないが、好ましくは最大の
NAGの酵素活性を示す濃度が適当である。例えば1m
M以上である。
本発明の試薬は必要により界面活性剤、防腐剤、塩化ナ
トリウム、シクロデキストリン、安定化剤等を含有して
もよい。
本発明のNAG活性測定試薬を用いて、NAG活性を測
定する方法としては、試料を該試薬と反応させて生成す
るアグリコン、フェノール誘導体の吸光度変化を直接分
光光度計を用いて比色定量する方法である。
(発明の効果) 本発明のNAG活性測定試薬において、一般式〔I〕で
示される化合物を基質として用いることにより、体液中
のNAG活性を短時間に正確、かつ簡単にレートアッセ
イすることができる。基質に結合したフェノール誘導体
がハロゲン原子、ニトロ基の他に、-(CH2)n-SO3H,-(C
H2)n-COOH、又はこれらのアルカリ金属塩基を有するこ
とにより、基質自体の水溶性が向上する。
(実施例) 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1 被検液中のNAG活性量を下記試薬を用いて下記方法に
より測定した。
試薬 2−クロロ−4−ニトロ−6−スルホメチルフェニル−
N−アセチル−β−D−グルコサミド2mM 塩化ナトリウム200mM クエン酸緩衝液0.05M pH4.5 NAG含有被検液50μに上記試薬2mを加えて3
7℃で反応させ、その吸光度を波長400nmで測定して
発色速度を求めた。
反応曲線を第1図に示す。検量線を第2図に示す。第1
図および第2図から明らかなように、水溶性基質を用い
た本発明の試薬では、短時間に正確かつ簡単にレートア
ッセイすることができる。
実施例2 被検液中のNAG活性量を下記試薬を用いて実施例1と
同じ方法により測定した。
試薬 2,6−ジクロロ−4−ニトロ−5−スルホメチルフェニ
ル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド2mM 塩化ナトリウム200mM クエン酸緩衝液0.05M pH4.5 反応曲線を第3図に示す。検量線を第4図に示す。第3
図および第4図から明らかなように、水溶性基質を用い
た本発明の試薬では、短時間に正確かつ簡単にレートア
ッセイすることができる。
実施例3 被検液中のNAG活性量を下記試薬を用いて実施例1と
同じ方法により測定した。
試薬 2−ブロモ−4−ニトロ−6−カルボキシメチルフェニ
ル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド2mM 塩化ナトリウム200mM クエン酸緩衝液0.05M pH4.5 反応曲線を第5図に示す。検量線を第6図に示す。第5
図および第6図から明らかなように、水溶性基質を用い
た本発明の試薬では、短時間に正確かつ簡単にレートア
ッセイすることができる。
実施例4 被検液中のNAG活性量を下記試薬を用いて実施例1と
同じ方法により測定した。
試薬 2,6−ジブロモ−4−ニトロ−5−スルホメチルフェニ
ル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド2mM 塩化ナトリウム200mM クエン酸緩衝液0.05M pH4.5 反応曲線を第7図に示す。検量線を第8図に示す。第7
図および第8図から明らかなように、水溶性基質を用い
た本発明の試薬では、短時間に正確かつ簡単にレートア
ッセイすることができる。
実施例5 被検液中のNAG活性量を下記試薬を用いて実施例1と
同じ方法により測定した。
試薬 2,3,6−トリクロロ−4−ニトロ−5−カルボキシメチ
ルフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド2
mM 塩化ナトリウム200mM クエン酸緩衝液0.05M pH4.5 反応曲線を第9図に示す。検量線を第10図に示す。第
9図および第10図から明らかなように、水溶性基質を
用いた本発明の試薬では、短時間に正確かつ簡単にレー
トアッセイすることができる。
実施例6 被検液中のNAG活性量を下記試薬を用いて実施例1と
同じ方法により測定した。
試薬 2,6−ジブロモ−3,5−ジスルホメチル−4−ニトロフェ
ニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド2mM 塩化ナトリウム200mM クエン酸緩衝液0.05M pH4.5 反応曲線を第11図に示す。検量線を第12図に示す。
第11図および第12図から明らかなように、水溶性基
質を用いた本発明の試薬では、短時間に正確かつ簡単に
レートアッセイすることができる。
実施例7 被検液中のNAG活性量を下記試薬を用いて下記方法に
より測定した。
試薬 A.2−クロロ−4−ニトロ−6−スルホメチルフェニ
ル−N−アセチル−β−D−グルコサミニドナトリウム
塩2.0mM 塩化ナトリウム200mM クエン酸緩衝液0.1M pH4.5 B.4−ニトロ−フェニル−N−アセチル−β−D−グ
ルコサミニドナトリウム塩2.0mM 塩化ナトリウム200mM クエン酸緩衝液0.1M pH4.5 測定方法 a.NAG含有被検液50μに上記試薬A,B2m
加えて37℃で3分間加温後、吸光度変化を波長400
nmで測定して1分間の吸光度変化を求めた(ブランク
はNAG含有被検液にかわり水を用いる)。
b.NAG含有被検液50μに上記試薬A,B2m
を加えて37℃で5分間反応後、0.1M炭酸ソーダ水を
添加し、アルカリ条件下にして反応を停止させ、波長4
00nmの吸光度を測定した(ブランクはNAG含有被
検液にかわり水を用いる)。
第1表にその結果を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図、第3図、第5図、第7図、第9図および第11
図は本発明実施例の反応曲線を示す。 第2図、第4図、第6図、第8図、第10図および第1
2図は本発明実施例の検量線を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基質として下記一般式〔I〕で示される化
    合物を含有することを特徴とするβ−N−アセチル−D
    −ヘキソサミニダーゼ活性測定試薬。 (式中、Aは還元性末端でβ−結合しているN−アセチ
    ルグルコサミン又はN−アセチルガラクトサミン残基で
    ある。Xはニトロ基を示す。R1〜R4のうち、少なくとも
    1つはハロゲン原子を示し、かつR1〜R4のうち少なくと
    も1つは-(CH2)n-SO3H又は-(CH2)n-COOH又はこれらのア
    ルカリ金属塩基(n=1〜3)を示し、残りの基は水素
    原子を示す。)
JP10996886A 1986-05-13 1986-05-13 β−N−アセチル−D−ヘキソサミニダ−ゼ活性測定試薬 Expired - Lifetime JPH0611239B2 (ja)

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