JP2001352999A - 酸化発色試薬 - Google Patents

酸化発色試薬

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JP2001352999A
JP2001352999A JP2000178414A JP2000178414A JP2001352999A JP 2001352999 A JP2001352999 A JP 2001352999A JP 2000178414 A JP2000178414 A JP 2000178414A JP 2000178414 A JP2000178414 A JP 2000178414A JP 2001352999 A JP2001352999 A JP 2001352999A
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hydrogen atom
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JP2000178414A
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Kazumi Sasamoto
一美 佐々本
Fumio Oseto
文夫 大瀬戸
Makoto Mizoguchi
誠 溝口
Kenji Kikumoto
健治 菊本
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DOJINDO LAB
Dojindo Laboratory and Co Ltd
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DOJINDO LAB
Dojindo Laboratory and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液状態で高い安定性を有する酸化発色試薬
を提供する。 【解決手段】 酵素的分析法による生体成分の測定に用
いる酸化発色試薬であって、下記の式(I): 【化1】 (式中、R1はスルホン酸置換C3-4アルキル基またはスル
ホン酸置換C3-4ヒドロキシアルキル基を示し、R2、R3
R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、C1-4アルキル
基、C1-4アルコキシ基、置換若しくは無置換のカルバモ
イル基、アシル置換アミノ基、アリール基、又はハロゲ
ン原子を示すが、R2及びR3が同時に水素原子となること
はない)で表わされる化合物又はその塩を含む試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルコースやコレ
ステロールなどの生体成分の酵素的分析法に用いる酸化
発色試薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、血液や尿などの体液中に含まれる
種々の生体成分の検出法として酵素的分析法が開発され
ており、日常的臨床検査においても広く用いられるよう
になっている。例えば、グルコース、コレステロール、
及び尿酸の測定には、それぞれグルコースオキシダー
ゼ、コレステロールオキシダーゼ、及びウリカーゼなど
の酸化酵素を用い、基質となる生体成分が酵素的に特異
的に分解し、その際に発生する過酸化水素を発色などの
手段を用いて定量することにより、各生体成分の量を正
確に定量することができる。
【0003】特に、グルコースオキシダーゼとペルオキ
シダーゼの酵素系を用いて、酸化発色試薬であるフェノ
ールとカップリング剤である4-アミノアンチピリンとを
酸化的にカップリングさせ、形成された色素の吸光度を
測定することにより過酸化水素の量を定量するトリンダ
ー法 (Trinder, P., Ann. Clin. Biochem., 6, 24, 196
9; Barham, D. and Trinder, P., Analyst (London), 9
7, 142, 1972)が提案されて以来、酸化発色試薬を用い
る酵素的測定方法が著しい発展をとげている。酵素的分
析法は、化学反応を利用する測定方法に比べて基質に対
する特異性が高く、測定精度に優れるという特長を有し
ており、また、緩和な条件で反応が完了することから自
動化が容易であるという利点も備えていることから、今
後、益々普及するものと予想されている。
【0004】上記の酵素的分析法に用いられる酸化発色
試薬としては当初用いられていたフェノールに替えてア
ニリン誘導体が用いられるようになり、更に水溶性、波
長特性が向上した酸化発色試薬が提案されている(Tamao
ku, K., et al., 日本薬学会第101年会 講演要旨集,
p.148, 1981; Tamaoku, K., et al., 日本薬学会第101
年会 講演要旨集, p.148, 1981; Tamaoku, K., et a
l., Anal. Clin. Acta, 136,121, 1982; Tamaoku, K.,
et al., Chem. Pharm. Bull., 30, 2492, 1982; Johnso
n, K.S.., et al., Anal. Chim. Acta, 201, 83, 1987;
Madsen, B. C., etal., Anal. Chem., 56, 2849, 1984
などを参照のこと)。
【0005】また、酸化発色試薬として、特公昭57-271
06号公報に記載されたN-スルホアルキルアニリン誘導体
がそれぞれ提案され実用化されている。これらの酸化発
色試薬は、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下で4-
アミノアンチピリンと極めて速やかに定量的に反応し
て、呈色安定性に優れた色素を与えるという特長を有し
ている。
【0006】これらの試薬は水溶性を持っているため、
自動分析機器等で用いられる時は、しばしば水溶液の状
態で用いられる。近年、検体数や検査項目の増加に伴っ
て、自動分析機器で大量のサンプルを測定することが益
々重要性を増してきている。試薬は機器中では溶液とし
て保存され、自動ピペッティングなどによって計量され
て検体溶液に添加される。しかしながら、これまでの試
薬溶液は機器内に溶液として保存されている間に光や空
気酸化などを受けて自己発色が進むという問題を有して
いた。自己発色した試薬を測定に用いると、その発色が
バックグラウンドの上昇となって表われ、データのばら
つきの原因となってしまう。よって、安定したデータを
得るには、自己発色のなるべく少ない試薬溶液を用いな
ければならない。現在実用化されている試薬溶液は、安
定化剤の添加無しには高い溶液安定性を得ることは困難
であるが、安定化剤が測定精度に影響を与える場合もあ
り、安定化剤の配合は一般的には好ましくない。このた
め、それ自体で安定性の高い酸化発色試薬の提供が強く
望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、生体
成分の酵素的分析法に用いられる酸化発色試薬を提供す
ることにあり、より具体的には、溶液状態で高い安定性
を有する酸化発色試薬を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】現在添加剤を用いて安定
化されている試薬は、主にN-エチル-N-スルホプロピル
アニリン誘導体又はN-エチル-N-ヒドロキシスルホプロ
ピルアニリン誘導体である。本発明者は、上記の課題を
解決すべく鋭意研究を行っていたが、これらの誘導体に
おいてアニリンの窒素原子上のエチル基を除去すること
により、溶液状態で著しく高い安定性を有する化合物を
提供できることを見出した。本発明は、上記の知見を基
にして完成された。
【0009】すなわち、本発明は、酵素分析法による生
体成分の測定に用いる発色試薬であって、下記の式
(I):
【化3】 (式中、R1はスルホン酸置換C3-4アルキル基またはスル
ホン酸置換C3-4ヒドロキシアルキル基を示し、R2、R3
R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、C1-4アルキル
基、C1-4アルコキシ基、置換若しくは無置換のカルバモ
イル基、アシル置換アミノ基、アリール基、又はハロゲ
ン原子を示すが、R2及びR3が同時に水素原子であること
はない)で表わされる化合物又はその塩を含む試薬を提
供するものである。
【0010】この発明の好ましい態様によれば、R2がC
1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基であり、R3が水素
原子又はC1-4アルキル基である上記の試薬;R2がメチル
基又はメトキシ基であり、R3が水素原子又はメチル基で
ある上記の試薬;R4及びR5の両方が水素原子又はC1-4
ルコキシ基であるか、あるいはR4及びR5の一方がC1-4
ルキル基又はC1-4アルコキシ基であり、他方が水素原子
である上記の試薬;及びR4及びR5の両方が水素原子又は
メトキシ基であるか、あるいはR4及びR5の一方がメチル
基又はメトキシ基であり、他方が水素原子である上記の
試薬が提供される。
【0011】また、本発明により、酵素的分析法を利用
した自動分析機器用の酸化発色試薬水溶液を調製するた
めに用いられる上記酸化発色試薬が提供される。この水
溶液は、好ましくは酸化発色試薬のための安定化剤を含
まない形態で提供される。さらに本発明により、自動分
析機器用の酸化発色試薬水溶液の製造のための上記一般
式(I)で表される化合物又はその塩の使用が提供され
る。酸化発色試薬として上記一般式(I)で表される化合
物又はその塩を含む水溶液を用いて、酵素的測定方法を
利用した自動分析機器用によりグルコース、コレステロ
ール、及び尿酸などの生体成分を分析する方法も本発明
により提供される。
【0012】別の観点からは、本発明により、下記の式
(I):
【化4】 (式中、R1はスルホン酸置換C3-4アルキル基またはスル
ホン酸置換C3-4ヒドロキシアルキル基を示し、R2、R3
R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、C1-4アルキル
基、C1-4アルコキシ基、置換若しくは無置換のカルバモ
イル基、アシル置換アミノ基、アリール基、又はハロゲ
ン原子を示す。ただし、R2及びR3が同時に水素原子とな
ることはなく、R1がスルホン酸置換C3-4アルキル基であ
り、かつR4及びR5が水素原子であるときには、R2及びR3
がともにメチル基である場合、及びR2がメチル基であ
り、かつR3が水素原子である場合を除く)で表わされる
化合物又はその塩が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の試薬は、酵素分析報に用
いる酸化発色試薬であって、上記の式(I)で表される化
合物又はその塩を含んでいる。本発明の試薬は溶液状態
で高い安定性を有しており、溶液にして保存した場合に
光や溶存酸素の影響を受けず、生体成分を正確に定量で
きるという特徴を有している。この特徴から、本発明の
試薬は、酵素的分析法を利用した自動分析機器用の酸化
発色試薬水溶液を調製するために好適に用いられる。
【0014】R1はスルホン酸置換C3-4アルキル基又はス
ルホン酸置換C3-4ヒドロキシアルキル基を示す。本明細
書において、アルキル基又はアルキル部分を含む置換基
(例えばアルコキシ基)におけるアルキル部分は、直鎖
又は分枝鎖のいずれでもよい。スルホン酸置換C3-4アル
キル基又はスルホン酸置換C3-4ヒドロキシアルキル基に
おけるスルホン酸基の置換位置は特に限定されないが、
末端の炭素原子上に置換することが望ましい。例えば、
3-スルホプロピル基又は4-スルホブチル基などを用いる
ことができる。スルホン酸置換C3-4ヒドロキシアルキル
基におけるヒドロキシル基は、好ましくは末端の炭素原
子以外の炭素原子上に置換することが望ましい。スルホ
ン酸置換C3-4アルキル基としては、例えば、3-スルホプ
ロピル基又は4-スルホブチル基などを用いることがで
き、スルホン酸置換C3-4ヒドロキシアルキル基として
は、例えば、2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル基、2-ヒ
ドロキシ-4-スルホブチル基、3-ヒドロキシ-4-スルホブ
チル基などを用いることができる。
【0015】R2、R3、R4、及びR5が示すC1-4アルキル基
又はC1-4アルコキシ基は、直鎖又は分岐鎖のいずれでも
よい。C1-4アルキル基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が好適であ
り、C1-4アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エ
トキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基などが好
適である。R2、R3、R4、及びR5が示すカルバモイル基が
置換基を有する場合の例としては、C1-4アルキル基がア
ミノ基上に1個又は2個置換したカルバモイル基などを
あげることができる。R2、R3、R4、及びR5が示すアシル
置換アミノ基において、アミノ基上に置換するアシル基
としては、アセチル基などのC1-4アルキルカルボニル
基、トリフルオロアセチル基等のハロゲン化C1-4アルキ
ルカルボニル基、又はベンゾイル基等のアリールカルボ
ニル基を用いることができる。R2、R3、R4、及びR5が示
すアリール基としては、フェニル基又はナフチル基など
を用いることができ、R2、R3、R4、及びR5が示すハロゲ
ン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又
はヨウ素原子のいずれでもよい。R2、R3、R4、及びR5
同一でも異なっていてもよいが、R2及びR3が同時に水素
原子である場合は本発明の範囲に包含されない。
【0016】上記式(I)で表される化合物は、例えば、
本明細書の実施例に具体的に記載された方法に従って当
業者が容易に製造することができる。本発明の酸化発色
試薬としては、上記式(I)で表される遊離形態の化合物
のほか、上記化合物の塩を用いることができる。塩とし
ては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウ
ム塩などのほか、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩
などの有機アミン塩などを用いることができる。また、
酸化発色試薬としては、遊離形態の化合物又はその塩の
ほか、それらの水和物又はそれらの溶媒和物を使用する
こともできる。また、上記式(I)で表される化合物は、
置換基の種類によっては1個又は2個以上の不斉炭素を
有する場合もあるが、光学活性体やジアステレオ異性体
などの任意の立体異性体やそれらの任意の混合物又はラ
セミ体などを本発明の試薬として用いてもよい。
【0017】本発明の試薬として好適な化合物の具体例
を以下に示すが、本発明の範囲は下記の化合物に限定さ
れることはない。
【表1】
【0018】上記の式(I)で表される化合物又はその塩
を含む酸化発色試薬は、生体成分の酵素的分析法に用い
ることができ、例えば、過酸化水素濃度やペルオキシダ
ーゼ活性の測定に用いることができる。酸化発色試薬と
しての使用方法の具体例を本明細書の実施例に示した
が、このような酸化発色試薬の使用方法は当業者に周知
かつ慣用であり、当業者は本発明の試薬を種々の目的
で、適宜の方法により所望の生体成分の測定のために用
いることができる。当然ながら、本発明の試薬の使用方
法は実施例の細部に限定されることはない。本発明の化
合物を上記の測定試薬として用いる場合には2種以上の
化合物を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0019】また、必要に応じて、例えば、緩衝剤、溶
解補助剤、酸化防止剤などの安定化剤、防腐剤などの成
分の1種又は2種以上と組み合わせて、粉末や凍結乾燥
品などの形態の固形組成物、または溶液状の組成物を製
造して用いてもよい。粉末状又は溶液状などのいかなる
形態の試薬も本発明の範囲に包含されることを理解すべ
きである。本発明の試薬は溶液状態での保存安定性に優
れるという特徴を有しているが、溶液状態で長期保存す
る場合には、一般的には遮光容器内に保存することが望
ましい。もっとも、試薬の組成や形態、及び保存形態は
これらに限定されることはなく、当業者が適宜選択可能
であることは言うまでもない。
【0020】本発明の試薬は、好ましくは、酵素的測定
方法を利用した自動分析機器用の酸化発色試薬水溶液の
製造に用いられる。酵素的測定方法を利用した自動分析
機器は多数知られており、例えば、グルコース、コレス
テロール、又は尿酸などの生体成分の測定のために種々
の反応形式の分析機器が開発されているが、上記の式
(I)で表される化合物又はその塩を含む水溶液は、いず
れの分析機器においても用いることができる。上記の式
(I)で表される化合物又はその塩を含む水溶液は溶存酸
素や光の影響を受けずに安定に存在することができ、一
般的には安定化剤を配合する必要はない。本明細書にお
いて用いられる「自動分析機器」という用語は、測定の
一部分又は全体が自動化されている機器を包含してお
り、いかなる意味においても限定的に解釈してはならな
い。
【0021】自動分析機器用の酸化発色試薬水溶液に含
まれる上記式(I)で表される化合物又はその塩の濃度は
特に限定されないが、通常は、自動分析機器中で調製さ
れる反応液において、上記式(I)で表される化合物又は
その塩の濃度が0.0001〜0.1 mol/L程度、好ましくは0.0
01 mol/L程度となるように調製することが望ましい。通
常は、0.0005〜0.002 mol/L程度、好ましくは0.001 mol
/L程度となるように酸化発色試薬の水溶液を調製して、
自動分析機器にセットすることが望ましい。本発明の酸
化発色試薬を含む水溶液には、緩衝剤、pH調節剤、防腐
剤のほか、発色剤との反応を促進するために鉄イオンな
どの遷移金属イオンを配合することができる。これらの
成分の添加量は当業者に適宜選択可能である。
【0022】自動分析機器で用いられる発色剤の種類は
特に限定されないが、例えば、3-メチル-2-ベンゾチア
ゾリノンヒドラゾン(MBTH)又は4-アミノアンチピリンな
どを用いることができる。発色剤として3-メチル-2-ベ
ンゾチアゾリノンヒドラゾン用いる場合には、自動分析
機器中で調製される反応液中の発色剤の濃度が0.001〜
0.1 mol/L程度、好ましくは0.01 mol/L程度となるよう
に調整すればよい。反応液のpHは7.0〜10.0程度、好ま
しくは7.9〜9.1程度であり、反応は15〜35℃、好ましく
は30℃で1〜10分間、好ましくは5分間程度行えばよい。
上記式(I)で表される化合物又はその塩とと発色剤とを
過酸化水素の存在下で反応させて色素化合物を生成させ
る方法は当業界で周知であり、それぞれの反応種の濃
度、反応液pHなどについては、適宜の条件を容易に選択
することができる。
【0023】なお、上記式(I)で表される化合物は、R1
がスルホン酸置換C3-4アルキル基であり、かつR4及びR5
が水素原子である場合において、R2及びR3がともにメチ
ル基である化合物(上記化合物Lに相当する)、又はR2
がメチル基であり、かつR3が水素原子である化合物(上
記化合物Kに相当する)を除いて、新規化合物である。
本発明の範囲には、上記の新規化合物のほか、それらの
塩、それらの水和物、及びそれらの溶媒和物が包含され
る。また、任意の立体異性体、それらの任意の混合物、
ラセミ体なども本発明の範囲に包含されることは言うま
でもない。
【0024】
【実施例】例1:化合物Aの合成 オルトトルイジン2 g(18.7 mmol)を20 mlのイソプロ
パノールに溶解し、60℃に加温攪拌しながら、3-クロロ
ヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムの水溶液(4
g/15 ml純水)を加えた。さらに加温攪拌を続けながら
水酸化ナトリウムの水溶液(0.76 g/15 ml純水)を30分
かけて滴下した。滴下終了後、3時間60℃を保って攪拌
を続けた。反応終了後、反応液を室温に戻し、エバポレ
ーターで反応溶媒を留去した。乾固物にアセトン100 ml
を加えて懸濁させた後、吸引濾取して濾取物を減圧乾燥
して粗生成物を得た(2.2 g)。粗製物を100 mlの純水
にて再結晶し、白色粉末の化合物Aを得た(1.2 g; 4.48
mmol)。TLC(シリカゲルカラム、クロロホルム:メタ
ノール=3:2):Rf=0.34同様にして化合物BからTを合成
した。
【0025】1H-NMR (D2O), δ ppm (TMS) 化合物A:2.17 (s, 3H), 3.12-3.53 (m, 4H), 4.32 (m,
1H), 6.76-7.25 (m, 4H) 化合物B:2.11 (s, 6H), 3.11-3.54 (m, 4H), 4.31 (m,
1H), 6.72-7.14 (m, 3H) 化合物C:2.10 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 3.12-3.53 (m,
4H), 4.29 (m, 1H), 6.70-7.12 (m, 3H) 化合物D:2.09 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 3.12-3.50 (m,
4H), 4.31 (m, 1H), 6.72-7.14 (m, 3H) 化合物E:3.10-3.46 (m, 4H), 3.80 (s, 3H), 4.29 (m,
1H), 6.72-6.91 (m, 4H) 化合物F:2.24 (s, 3H), 3.10-3.46 (m, 4H), 3.82 (s,
3H), 4.29 (m, 1H), 6.63-6.89 (m, 3H) 化合物G:2.15 (s, 3H), 3.12-3.51 (m, 4H), 3.82 (s,
3H), 4.30 (m, 1H), 6.70-6.91 (m, 3H) 化合物H:2.11 (s, 3H), 3.11-3.47 (m, 4H), 3.88 (s,
3H), 4.31 (m, 1H), 6.71-6.90 (m, 3H) 化合物I:2.09 (s, 3H), 3.12-3.53 (m, 4H), 3.86 (s,
3H), 4.29 (m, 1H), 6.72-7.14 (m, 3H)
【0026】化合物J:2.16 (s, 3H), 3.10-3.50 (m, 4
H), 3.79 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 4.30 (m, 1H), 6.60
-6.82 (m, 2H) 化合物M:1.95 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.30 (s, 3H),
2.90 (t, 2H), 3.23 (t, 2H), 6.67-7.26 (m, 3H) 化合物N:1.92 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.25 (s, 3H),
2.89 (t, 2H), 3.23 (t, 2H), 6.70-7.27 (m, 3H) 化合物O:1.95 (m, 2H), 2.91 (t, 2H), 3.30 (t, 2H),
3.80 (s, 3H), 6.72-6.91 (m, 4H) 化合物P:1.91 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.95 (t, 2H),
3.25 (t, 2H), 3.82 (s, 3H), 6.64-6.90 (m, 3H) 化合物Q:1.92 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.88 (t, 2H),
3.29 (t, 2H), 3.81 (s, 3H), 6.76-7.12 (m, 3H) 化合物R:1.92 (m, 2H), 2.09 (s, 3H), 2.19 (s, 3H),
2.90 (t, 2H), 3.24 (t, 2H), 3.88 (s, 3H), 6.71-6.
90 (m, 3H) 化合物S:1.95 (m, 2H), 2.11 (s, 3H), 2.20 (s, 3H),
2.90 (t, 2H), 3.24 (t, 2H), 3.89 (s, 3H), 6.69-6.
89 (m, 3H) 化合物T:1.92 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.91 (t, 2H),
3.21 (t, 2H), 3.76 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 6.70-6.
90 (m, 2H)
【0027】融点 化合物A: 270℃ (decomp.), 化合物B: 285℃ (decom
p.), 化合物C: 288℃ (decomp.), 化合物D: 284℃ (dec
omp.), 化合物E: 268℃ (decomp.), 化合物F: 287℃(de
comp.), 化合物G: 291℃ (decomp.), 化合物H: 290℃
(decomp.), 化合物I:282℃ (decomp.), 化合物J: 271℃
(decomp.), 化合物M: 255℃ (decomp.), 化合物N: 261
℃ (decomp.), 化合物O: 215℃ (decomp.), 化合物P: 2
75℃ (decomp.), 化合物Q: 277℃ (decomp.), 化合物R:
265℃ (decomp.), 化合物S: 269℃ (decomp.), 化合物
T: 275℃ (decomp.)
【0028】例2:化合物A〜化合物Tの水溶液の経時
変化測定 化合物A〜化合物Tを50mM HEPES Buffer (pH 7.0)に10
mMになるように溶解して37℃で保存し、15日後にそれ
ぞれの溶液の吸収スペクトルを測定して、経時変化によ
り現れた極大吸収(λmax)の吸光度を溶解直後の吸光
度と比較し、吸光度上昇を算出した(ΔAbs)。また、
従来から使用されている既存トリンダー試薬であるHDAO
S (N-(2-Hydroxy-3-sulfopropyl)-3,5-dimethoxyanilin
e, sodiumsalt)とTOOS(N-Ethyl-N-(2-hydroxy-3-sulfop
ropyl)-3-methylaniline, sodiumsalt: K. Tamaoku, K.
Ueno, K, Akiura and Y. Ohkura, Chem. Pharm. Bul
l.,30, (7), 2492-2497 (1982))を対照として同様の条
件で保存して、吸光度上昇を算出した。結果を表2に示
す。
【0029】表2中のΔABS(化合物A〜化合物T)/ΔAB
S(HDAOS)及びΔABS(化合物A〜化合物T)/ΔABS(TOOS)
は化合物A〜化合物Tの保存時における吸光度上昇がHD
AOS及びTOOSに比べて何倍であったかを示しており、こ
の値が小さいほど吸光度上昇が少なく、保存安定性に優
れている。本発明の酸化発色試薬は、従来の試薬に比べ
ていずれも水溶液としての保存安定性に優れており、自
動分析機器を使った酸化発色試薬水溶液の調製において
好適に使用できることが明らかとなった。
【表2】
【0030】例3:コレステロールの測定 (1)試薬溶液1の調製 46 mlの 50 mM-MES緩衝液(pH 6.1)に化合物Aを1.2 mmo
l/L、アスコルビン酸オキシダ-ゼ(カボチャ由来)を0.
29単位/mlになるように溶解して試薬溶液1を調製し
た。 (2)試薬溶液2の調製 46 mlの50 mM-MES緩衝液(pH 6.1)にコレステロールエス
テラーゼ(Pseudomonas属由来)を7.6単位/mL、コレス
テロールオキシダ-ゼ(CO) (Streptomyces属由来)を1.7
単位/mL、ペルオキシダーゼ(西洋ワサビ由来)を5.2単
位/mL、4-アミノアンチピリンを4.0 mmol/Lとなるよう
に溶解して試薬溶液2を調製した。
【0031】(3)測定 測定原理は以下の通りである。試料に試薬溶液1および
2を作用させると、コレステロールエステラーゼの作用
により試料中のコレステロールエステル類が加水分解さ
れて遊離のコレステロールと脂肪酸に分解する。生成し
たコレステロールは試料中に含まれる遊離コレステロー
ルとともにコレステロールオキシダ-ゼの作用を受けて
酸化され、同時に過酸化水素を発生する。生成した過酸
化水素はペルオキシダーゼの作用により化合物Aと4-ア
ミノアンチピリンとを定量的に酸化縮合させて紫色の色
素を生成させる。この紫色色素の吸光度を測定すること
により、試料中の総コレステロール濃度を求めることが
できる。
【0032】島津聖作所製の自動生化学分析装置CL-700
0を用いて、37℃で試料5μL(コレステロール200 mg/dL
を含む)と試薬溶液1(360μL)とを反応させ、5分後
に試薬溶液2(120μL)を加え、その5分後に主波長 5
50 nm、副波長 700 nmで吸光度測定を行い、コレステロ
ール濃度を測定した。自動分析の測定条件は和光純薬工
業製のコレステロール測定用試薬(HAテストワコー、コ
レステロールE-HAテストワコー、CL-7000)の添付文書に
記載されたTest Master Table及びCalibrationTable Se
t Upを参考にして決定した。次に、試薬溶液1を25℃で
6ヶ月保存した後、上記自動分析装置にセットして同一
試料の測定を行った。試薬溶液2は測定直前に上記と同
様にして調製した。この結果、相関係数r=0.998(n=4
0)でコレステロールを正確に測定することが可能であ
った。
【0033】
【発明の効果】本発明の酸化発色試薬は溶液状態で安定
に長期保存可能であり、例えば自動分析装置の測定用試
薬溶液の調製に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/66 G01N 33/66 C 33/92 33/92 B Fターム(参考) 2G045 AA13 AA16 CA25 CA26 CB03 DA01 DA31 DA69 FA11 FB01 FB11 4B063 QA01 QA18 QQ76 QR02 QR03 QR12 QR66 QS28 QX01 4H006 AA03 AB81

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素的分析法による生体成分の測定に用
    いる酸化発色試薬であって、下記の式(I): 【化1】 (式中、R1はスルホン酸置換C3-4アルキル基またはスル
    ホン酸置換C3-4ヒドロキシアルキル基を示し、R2、R3
    R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、C1-4アルキル
    基、C1-4アルコキシ基、置換若しくは無置換のカルバモ
    イル基、アシル置換アミノ基、アリール基、又はハロゲ
    ン原子を示すが、R2及びR3が同時に水素原子となること
    はない)で表わされる化合物又はその塩を含む試薬。
  2. 【請求項2】 R2がC1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ
    基であり、R3が水素原子又はC1-4アルキル基である請求
    項1に記載の試薬。
  3. 【請求項3】 R2がメチル基又はメトキシ基であり、R3
    が水素原子又はメチル基である請求項1に記載の試薬。
  4. 【請求項4】 R4及びR5の両方が水素原子又はC1-4アル
    コキシ基であるか、あるいはR4及びR5の一方がC1-4アル
    キル基又はC1-4アルコキシ基であり、他方が水素原子で
    ある請求項1から3のいずれか1項に記載の試薬。
  5. 【請求項5】 R4及びR5の両方が水素原子又はメトキシ
    基であるか、あるいはR4及びR5の一方がメチル基又はメ
    トキシ基であり、他方が水素原子である請求項1から3
    のいずれか1項に記載の試薬。
  6. 【請求項6】 酵素的分析法を利用した自動分析機器用
    の酸化発色試薬水溶液を調製するために用いられる請求
    項1から5のいずれか1項に記載の試薬。
  7. 【請求項7】 下記の式(I): 【化2】 (式中、R1はスルホン酸置換C3-4アルキル基またはスル
    ホン酸置換C3-4ヒドロキシアルキル基を示し、R2、R3
    R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、C1-4アルキル
    基、C1-4アルコキシ基、置換若しくは無置換のカルバモ
    イル基、アシル置換アミノ基、アリール基、又はハロゲ
    ン原子を示す。ただし、R2及びR3が同時に水素原子とな
    ることはなく、R1がスルホン酸置換C3-4アルキル基であ
    り、かつR4及びR5が水素原子であるときには、R2及びR3
    がともにメチル基である場合、及びR2がメチル基であ
    り、かつR3が水素原子である場合を除く)で表わされる
    化合物又はその塩。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008037862A (ja) * 2006-07-10 2008-02-21 Kyowa Medex Co Ltd アニリン誘導体、並びに、これを用いる試料中の定量すべき成分の定量方法、定量用試薬及び定量用キット
CN112782108A (zh) * 2020-12-31 2021-05-11 金华市强盛生物科技有限公司 一种抗羟苯磺酸钙干扰的酶法肌酐检测试剂盒及检测方法

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