JP2547375B2 - 3,3′,5,5′−テトラアルキルベンチジンのスルホアルキル誘導体 - Google Patents

3,3′,5,5′−テトラアルキルベンチジンのスルホアルキル誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な3,3′,5,
5′−テトラアルキルベンチジンのスルホアルキル誘導
体又はその塩、更に詳しくは、液体特に体液中の過酸化
水素を測定するための試薬組成物における色原体として
有用な新規な3,3′,5,5′−テトラアルキルベン
チジンのスルホアルキル誘導体又はその塩に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】今日、過酸化水素の測定は医療分野にお
ける臨床検査をはじめとして、化学産業、食品産業、公
衆衛生等の各分野で非常に広い範囲で実施されている。
特に臨床検査においては酵素を利用する体液成分の分析
法が急速に普及しており、その中でも、過酸化水素の測
定は重要な位置を占めている。それというのも、成分に
酸化酵素を作用させて過酸化水素を生成させ、この過酸
化水素を測定するというような比較的簡単な方法で分析
可能な体液中の成分が非常に多いからである。代表的な
成分/酸化酵素の組み合わせとしてはグルコース/グル
コースオキシダーゼ、コレステロール/コレステロール
オキシダーゼ、尿酸/ウリカーゼ、アミノ酸/アミノ酸
オキシダーゼ、ピルビン酸/ピルビン酸オキシダーゼ等
があげられる。
【0003】さて、生じた過酸化水素は種々の方法で測
定されるが、パーオキシダーゼの存在下、色原体を酸化
させることにより色素を形成させ比色定量する方法が最
も一般的に行なわれている。このような色原体は一般に
分子中にアミノ基、水酸基を有しており、安定で色素形
成能力の大きい色原体が選択される。最も多用される色
原体はトラインダー(Trinder )試薬として知られる4
−アミノアンチピリンとフェノールの組み合わせである
が、近年、その変形も多数報告されている。
【0004】一方、体液中の成分を測定するための試薬
組成物を担体に固着させるいわゆるドライケミストリー
の分野では、色原体としてベンチジン誘導体、特にo−
トリジンが好んで使用されてきた。というのは、この物
質を色原体として使用した場合、非常に鋭敏な感度が得
られ、可視光線領域の長波長側に極大吸収を有する色素
を生成するため、共存する種々の着色成分の影響を受け
にくいなどのいくつかの利点が存在するからである。し
かしながらo−トリジンは発癌性を有しているとみなさ
れており、この物質を使用する試験用具の製造に際して
は特別の注意を払わなければならないという問題があ
る。
【0005】近年、o−トリジンの特性を生かしつつ、
発癌性を有していないとみなされる色原体が開発され
た。これは、ベンチジンの3,3′,5,5′位がそれ
ぞれメチル基で置換された化合物である〔ブイ.アー
ル.ホランド(V. R. Holland )ら、テトラヘドロン
(Tetrahedron ),第30巻,第3299頁〜第330
2頁(1974年)参照〕。又、西独国特許第2460
903号には、3,3′,5,5′位がメチル基以外の
アルキル基で置換されたベンチジンも同様に色原体とし
て使用可能であることが記述されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
ベンチジン誘導体は、いずれも水に対する溶解性が極め
て悪く、このため、酸性pH領域において、限られた濃
度範囲で使用可能であるにすぎない。これは、酵素を利
用する体液中成分の分析がほとんど中性付近で実施され
ることから考えて、重大な欠点といってよい。これらベ
ンチジン誘導体が主として試験片に用いられているの
も、上述の欠点を考慮してのことである。但し、これら
のベンチジン誘導体を使用した試験片においても、上述
の欠点にもとづく不利益は解消されず、過酸化水素の生
成量が非常に少ない場合にのみ使用可能であるにすぎな
い。
【0007】このため、測定可能な過酸化水素の濃度範
囲を拡大するための工夫が試みられており、他の色原体
と混合して用いる方法が報告されている(特公昭57−
5520号公報)。
【0008】又、3,3′,5,5′−テトラアルキル
ベンチジンが水に対して難溶性であることの別の不利益
は、試験片の製造時にももたらされる。例えば、体液中
のグルコースを測定するための試験片を製造する場合、
一般に、酵素、緩衝物質、色原体からなる含浸水溶液が
調製されるが、3,3′,5,5′−テトラアルキルベ
ンチジンを色原体として選択した時、単一の含浸水溶液
を得ることは非常に難しい。このため、酵素、緩衝物質
を含浸する工程と色原体を含浸する工程とにわけたり
(特公昭57−29160号公報)、色原体含浸水溶液
に媒染剤を加えたり(アメリカ合衆国特許第43616
48号)するなどの対策が考えられている。
【0009】本発明者らは上述の欠点を考慮しつつ、鋭
意研究し、本発明を完成させた。
【0010】本発明は上記従来技術における問題点を解
決するためのものであり、その目的とするところは、
3,3′,5,5′−テトラアルキルベンチジンの特性
を生かしつつ、水に対する溶解性にすぐれ、幅広いpH
領域で使用可能であり且つ試験溶液および試験片の両方
に使用可能である、過酸化水素の測定における色原体と
して有用な3,3′,5,5′−テトラアルキルベンチ
ジンのスルホアルキル誘導体又はその塩を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式I:
【化2】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一又は異な
り、各々炭素原子数1ないし6の直鎖アルキル基を表わ
し、R5 およびR6 は水素原子又は次式II: −(CH2 n SO3 H (II) (式中、nは1ないし6の整数を表わす。)で表わされ
るスルホアルキル基を表わし、且つ少なくともR5 およ
びR6 のいずれか一方は該スルホアルキル基を表わすも
のであり、更に該スルホアルキル基はヒドロキシル基の
少なくとも1個により置換されていてもよい。〕で表わ
されることを特徴とする3,3′,5,5′−テトラア
ルキルベンチジンのスルホアルキル誘導体又はその塩に
関するものである。
【0012】本発明者らは、色原体として上記一般式I
で表わされる化合物又はその塩を使用すると感度が良
く、且つ高濃度の過酸化水素も定量的に測定し得ること
を見出した。
【0013】それ故、上記一般式Iで表わされる本発明
化合物又はその塩は、過酸化水素測定用組成物における
色原体として有用である。前記過酸化水素測定用組成物
は、色原体としての上記一般式Iで表わされる本発明化
合物又はその塩のほかに、パーオキシダーゼ若しくは体
液中の成分と反応して過酸化水素を生成する酵素とパー
オキシダーゼとの組み合わせより成る酵素、緩衝物質を
含んで成る。
【0014】上記一般式Iで表わされる化合物のうち特
に好ましくは化合物を以下に記載するが、上記一般式I
で表わされる化合物はもちろん、これらに限定されるも
のではない:N−(2−スルホエチル)−3,3′,
5,5′−テトラメチルベンチジン、N−(3−スルホ
プロピル)−3,3′,5,5′−テトラメチルベンチ
ジン、N−(3−スルホブチル)−3,3′,5,5′
−テトラメチルベンチジン、N−(3−スルホプロピ
ル)−3,3′,5,5′−テトラエチルベンチジン、
N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,
3′,5,5′−テトラメチルベンチジン、N,N′−
ビス(2−スルホエチル)−3,3′,5,5′−テト
ラメチルベンチジン、N,N′−ビス(3−スルホプロ
ピル)−3,3′,5,5′−テトラメチルベンチジ
ン、N,N′−ビス(4−スルホブチル)−3,3′,
5,5′−テトラメチルベンチジン、N,N′−ビス
(3−スルホプロピル)−3,3′,5,5′−テトラ
エチルベンチジン、N,N′−ビス(2−ヒドロキシ−
2−スルホエチル)−3,3′,5,5′−テトラメチ
ルベンチジン、およびN,N′−ビス(2−ヒドロキシ
−3−スルホプロピル)−3,3′,5,5′−テトラ
メチルベンチジン。
【0015】上記の化合物を色原体として使用する場合
には、一種類のみで使用してもよいし、又、数種類を併
用してもよく、更に、他の色原体と組み合わせて使用す
ることも可能である。これらの化合物は新規化合物であ
るが、公知方法により容易に製造することができる。
【0016】製造方法としては、例えば、3,3′,
5,5′−テトラアルキルベンチジンに相当するサルト
ンを反応させる方法〔小田ら、工業化学雑誌,第59巻
第9号,第1028頁〜第1030頁(1959年)参
照〕や、3,3′,5,5′−テトラアルキルベンチジ
ンと分子末端にハロゲン原子を有するアルキルスルホン
酸又はヒドロキシアルキルスルホン酸とを反応させる方
法〔エヌ.イー.グッド(N. E. Good)ら、アナリティ
カル バイオケミストリー(Analytical Biochemistry
),第104巻,第300頁〜第310頁(1980
年)参照〕などがあげられる。
【0017】過酸化水素測定用組成物に使用する本発明
の3,3′,5,5′−テトラアルキルベンチジンのス
ルホアルキル誘導体又はその塩は、従来、過酸化水素の
測定に使用されてきたすべての色原体のかわりに使用す
ることができる。とりわけ、分析工程の中間に過酸化水
素を発生させる方法にもとづく液体成分の酵素的測定に
使用するのが有利である。それというのも、本発明の化
合物は、特に水に対して優れた溶解性を示すため、緩衝
物質、パーオキシダーゼ若しくは体液中の成分と反応し
て過酸化水素を生成する酵素とパーオキシダーゼとの組
み合わせからなる酵素と混合して安定な単一の試験溶液
とすることができると同時に、高濃度の過酸化水素まで
感度良く定量可能で、共存する着色成分の影響を受けに
くい等、数々の利点を併せ持つからである。
【0018】更に、本発明の色原体化合物又はその塩を
パーオキシダーゼ若しくは体液中の成分と反応して過酸
化水素を生成する酵素とパーオキシダーゼとの組み合わ
せからなる酵素、緩衝物質とともに吸収性担体に包含さ
せ、使用の際便利なように該担体をプラスチック等の支
持体に貼付せしめて試験片とした場合に、特に簡便で貯
蔵安定性に優れた試験用具を得ることができる。最も多
用される吸収性担体は濾紙であるが、不織布、綿、木片
等も使用可能である。又、試験用試薬組成物を所望によ
り適当な接着剤例えばゼラチン、合成樹脂等とともに上
記プラスチックシート等の支持体に塗布、乾燥すること
により固着させることも可能であり、更に種々変形が容
易になし得ることは明らかである。
【0019】
【実施例】以下の実施例において本発明を更に詳細に説
明する。なお、下記実施例は単に説明のためのものであ
り、本発明を何ら限定するものではない。
【0020】色原体化合物の製造: 実施例1 N−(3−スルホプロピル)−3,3′,5,5′−テ
トラメチルベンチジンナトリウム塩の合成 3,3′,5,5′−テトラメチルベンチジン24.0
gを1−プロパノール100mlに溶解する。1,3−
プロパンサルトン24.4gをメタノール100mlに
溶解して前記溶液に加え、約3時間加熱還流する。室温
まで冷却し、1NNaOH水溶液を加えて中和した後、
溶媒を蒸発乾固する。メタノール/アセトンで再結晶
し、白色結晶20gを得た(収率53%)。 薄層クロマトグラフィー〔シリカゲルプレート(メルク
社製),展開溶媒;2−プロパノール:酢酸:水=5
0:15:20〕 UV吸収あり ニンヒドリン反応(+) Rf=0.25 赤外線スペクトル:νNH 3400cm-1 νC=C 1620cm-1 νCN 1260cm-1 νSO3 1200,1050cm-1
【0021】実施例2 N,N′−ビス(2−ヒドロキシ−2−スルホエチル)
−3,3′,5,5′−テトラメチルベンチジンナトリ
ウム塩の合成 3,3′,5,5′−テトラメチルベンチジン12.0
2gを2−プロパノール500mlに溶解する。2−ク
ロロ−1−ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム52
gを水300mlに溶解して前記溶液に加える。次いで
NaOH4gを加え、約16時間加熱還流する。室温ま
で冷却し、溶媒を蒸発乾固する。残部をメタノールに溶
解し、シリカゲル(カラムクロマト用シリカゲルNo.
1;半井化学社製)を充填したカラムを用いてクロマト
グラフィーにかけ傾斜溶離する(溶媒;クロロホルム/
メタノール)。各溶離液について薄層クロマトグラフィ
ー〔シリカゲルプレート(メルク社製),展開溶媒;2
−プロパノール:酢酸:水=50:15:20〕を行
い、Rf=0.07にUV吸収を有するフラクションを
集めた後溶媒を除去し、白色結晶5.3gを得た(収率
20%)。 赤外線スペクトル:νOH 3500cm-1 νNH 3400cm-1 νC=C 1620cm-1 νCN 1260cm-1 νSO3 1200,1050cm-1
【0022】過酸化水素測定用組成物の調製: 調製例1 N,N′−ビス(3−スルホプロピル)−3,3′,
5,5′−テトラメチルベンチジンナトリウム塩200
mg、パーオキシダーゼ(100 IU/mg)10m
g、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン1.21
g、クエン酸(1水和物)210gおよび水酸化ナトリ
ウム0.85gを精製水に溶解して全量100mlと
し、反応液とする。
【0023】調製例2 グルコースオキシダーゼ(1200 IU/g)0.9
6g、パーオキシダーゼ(100 IU/g)0.15
g、ポリビニルピロリドン(MW40000)5.0
g、N−(3−スルホプロピル)−3,3′,5,5′
−テトラメチルベンチジンナトリウム塩0.8g、クエ
ン酸三ナトリウム(2水和物)10.44gおよびED
TA・2Na0.1gを精製水に溶解して全量100m
lとし、反応液とする。
【0024】過酸化水素測定用検量線の作製 0,10,20,30および40mM/lに調製した過
酸化水素水溶液各々10μlに調製例1で調製した反応
液3.0mlを加え、37℃恒温槽に5分間浸漬し、発
色させる。25℃まで冷却後、波長665nmで吸光度
(又は光学密度;optical density ,O.D.)を測定
する。ブランクの吸光度を差し引くことにより、ΔO.
D.を求め、横軸に過酸化水素濃度(mM/l)、縦軸
に吸光度(ΔO.D.)をとり、検量線を作製した。図
1に示す如く、検量線は過酸化水素濃度40mM/lま
で原点を通る直線特になった。したがって、比色分析に
より過酸化水素濃度を正確に定量できることが判る。
【0025】尿中グルコース測定用試験片の製造:調製
例2で調製した反応液にシュライヒァ・ウント・シュル
(Schleicher & Schull )社製No.2316の濾紙を
浸し、60℃で30分間乾燥した。得られた試験紙を5
mm×5mmに切断し、接着テープを用いて5mm×6
0mmのポリスチレンシートに貼り付けて尿中グルコー
ス測定用試験片を製造した。図2に試験片を示す。図
中、1は試験紙、2はポリスチレンシートである。
【0026】比較試験片の製造:上記試験片の製造に使
用した反応液からN−(3−スルホプロピル)−3,
3′,5,5′−テトラメチルベンチジンナトリウム塩
を除いた溶液に上記と同じ濾紙を浸して60℃で30分
間乾燥した後、0.5%3,3′,5,5′−テトラメ
チルベンチジン−アセトン溶液に再び浸して真空乾燥す
る。得られた試験紙を上記と同様の操作で試験片とし
た。
【0027】グルコース濃度の測定:濃度の異なるグル
コース標準液に調製例2で調製した反応液を使用して製
造した試験片および比較試験片を各々瞬時浸し、過剰の
液を除去した後、正確に20秒間反応させ、次いで色差
計(カラー ディファレンス コンピューター 日本電
色 ND−504DE)を用いて、660nmの波長で
反射率を測定した。横軸をグルコース濃度(mg/d
l)、縦軸を反射率(%)とすると、図3に示すような
検量線が得られる。図から判るように、3,3′,5,
5′−テトラメチルベンチジンを色原体として使用した
比較試験片は、調製例2で調製した反応液を使用して製
造した試験片に比べてグルコース濃度が低い領域では感
度が低く、又、50mg/dl以上のグルコース濃度で
は反射率の変化が小さい。そして250mg/dl以上
のグルコース濃度ではほぼ一定の反射率を示すことか
ら、この試験片の測定可能なグルコース濃度範囲は0〜
250mg/dlである。これに対して、調製例2で調
製した反応液を使用して製造した試験片は比較試験片よ
りも感度が高く、又、2000mg/dl以上のグルコ
ース濃度まで明瞭な反射率の変化が認められる。したが
って、この試験片の測定可能なグルコース濃度範囲は0
〜2000mg/dlであり、調製例2で調製した反応
液を使用して製造した試験片は従来の過酸化水素測定用
組成物を使用して製造した比較試験片に比べて広いグル
コース濃度範囲に適用可能であることが判る。又、グル
コース以外に、適する酵素および緩衝物質を用いること
により、本発明の化合物又はその塩或いは本発明の化合
物又はその塩を含む組成物を使用して製造した試験片
は、体液中に含まれる種々の成分の定量に用いることが
できることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】上述のように、本発明の3,3′,5,
5′−テトラアルキルベンチジンのスルホアルキル誘導
体又はその塩を色原体として使用すると、従来の3,
3′,5,5′−テトラアルキルベンチジンを色原体と
して使用する場合に比べて過酸化水素測定用組成物の水
に対する溶解性が著しく向上するとともに、より幅広い
pH領域で使用可能となった。
【0029】又、本発明の色原体化合物又はその塩は水
に対する溶解性が優れているため、従来の色原体化合物
を使用する場合に比べて水溶液中の成分のより高感度で
より広い濃度範囲にわたる定量分析が可能となった。
【0030】更に、体液中の各種成分測定用の試験片の
製造時においても、水溶液から本発明の色原体化合物又
はその塩を含む過酸化水素測定用組成物を担体に一工程
で担持できるため、試験片の製造工程を簡略化でき且つ
従来の過酸化水素測定用組成物を使用した試験片に比べ
てより高感度でより広い濃度範囲にわたって使用可能な
試験片を得ることができる。
【0031】このように、本発明の化合物又はその塩を
色原体として使用した過酸化水素測定用組成物は、水溶
液の形態でも試験片の形態でも使用することができ且つ
種々の変形も可能であるため、体液中の各種成分の正確
で簡便迅速な定量分析に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物の塩を色原体として含む過酸化
水素測定用組成物を使用して作製した検量線を示すグラ
フである。
【図2】本発明の化合物の塩を色原体として含む過酸化
水素測定用組成物を使用して製造した尿中グルコース測
定用試験片の一実施例の斜視図である。
【図3】本発明の化合物の塩を色原体として含む過酸化
水素測定用組成物を使用した試験片と比較試験片を用い
て測定したグルコース濃度と、色差計から読み取った試
験紙表面の一定波長での反射率との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 試験紙 2 ポリエチレンシート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: 【化1】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一又は異な
    り、各々炭素原子数1ないし6の直鎖アルキル基を表わ
    し、 R5 およびR6 は水素原子又は次式II: −(CH2 n SO3 H (II) (式中、nは1ないし6の整数を表わす。)で表わされ
    るスルホアルキル基を表わし、且つ少なくともR5 およ
    びR6 のいずれか一方は該スルホアルキル基を表わすも
    のであり、更に該スルホアルキル基はヒドロキシル基の
    少なくとも1個により置換されていてもよい。〕で表わ
    されることを特徴とする3,3′,5,5′−テトラア
    ルキルベンチジンのスルホアルキル誘導体又はその塩。
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