JPH0610866Y2 - 収納棚兼用壁パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は浴室の洗い場コーナーに立設して使用される収
納棚兼用壁パネルに関するものである。

〔従来技術〕

ユニット式の浴室は間柱や隅柱を利用して側周壁を床パ
ン（又は洗い場付浴槽）上に周設し、その側周壁上部開
口を天井壁で被蓋して組立形成される。側周壁を組立形
成する際に使用される前記柱類の使用本数は少ないほう
が壁パネル相互の接続箇所が減少する為、組立作業の面
で簡略化できる。

そのため、従来では実開昭56-29115号公報記載のよう
に、洗い場コーナーに平面視Ｌ型のコーナーパネルを立
設し、該コーナーパネルの両面に先端部間を全面部が連
設する平面視三角形状の物載せ棚を適宜間隔をおいて突
設し、開放部を、裏面に化粧鏡を有する扉で被蓋すると
共に、コーナーパネル上端部に片持つ式で且つ回動可能
なタオル掛けを設けた構造の収納棚兼壁パネルを使用し
ている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来技術では後述する問題がある。

（１）物載せ棚が、コーナーパネルの両面先端部間に渡
って両面間全部を遮る平面視三角形状を呈しており、室
内への突出量が大きい割に載承スペースが小さい。その
ため、室内の有効スペースを狭くし、また多くの浴室用
備品（特にシャンプー、石鹸、髭剃り等）を載承でき
ず、浴室スペースが狭小化する今日の浴室に不適があ
る。

（２）扉裏面に化粧鏡が配設され、該扉を開放しなけれ
ば化粧鏡が室内に露出しない構造になっていることか
ら、化粧鏡を見ながら髭剃り等の行為を遂行する場合等
ではいちいち扉を開放しなければ化粧鏡を利用は勿論、
物載せ棚上の載承備品（シャンプー、石鹸、髭剃り等）
が取り出せず、使用勝手が非常に悪い。

本考案は上記従来事情に鑑みてなされたもので、その目
的とする処は室内の有効スペースの狭小化を招かずに広
い載承面を有する物載せ棚と、化粧鏡とを併用でき、し
かも構造簡単であるにも拘らず強度的にも秀でた特長を
発揮する扉無しタイプの収納棚兼用壁パネルを提供する
ことにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成する為に講じた技術的手段は洗い場コー
ナーを挾んでそのコーナーに立設した平面視Ｌ型のコー
ナーパネルと、そのコーナーパネルの一面に配設された
化粧鏡と、同コーナーパネルに形成した保形部とを備え
てなり、該保形部は化粧鏡下位レベルのコーナーパネル
の両面に渡りその両面に沿って跨設した平面視Ｌ型状の
物載せ棚と同両面上域部間に渡って跨設したタオル棚と
で構成されていることを要旨とする。

〔作用〕

上記技術的手段によれば下記の作用がある。

・コーナーパネルの両面に渡って跨設された物載せ棚
が、その両面に沿う平面視Ｌ型状を呈することから、室
内への突出量を小さく抑えて広い載承面を確保する。

・上記平面視Ｌ型の物載せ棚と、歩行等の邪魔や飛散水
の影響を受けない箇所であるコーナーパネル上域部の両
面に跨設したタオル棚とでコーナーパネルを平面視Ｌ型
に保形する。

・室内に直接露出してコーナーパネル両面に渡って跨設
された物載せ棚に載承する浴室用備品（シャンプー、石
鹸等、髭剃り等）と、その物載せ棚上のコーナーパネル
の一面部分に室内に直接露出して配設された化粧鏡とを
併用させる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように構成したので下記の利点がある。

（１）物載せ棚が、コーナーパネルの両面に渡りその両
面に沿う平面視Ｌ型状に形成して広い載承面を確保して
いながら室内への突出量を小さくしているから、多くの
浴室用備品を載承し尚且つ室内の有効スペースを大きく
確保でき、狭小化する浴室に最適である。

（２）コーナーパネル両面上域部に跨設したタオル棚と
上記平面視Ｌ型状の物置き棚とでコーナーパネルを定形
な直角関係に保形し、撓んだり，歪んだりする心配がな
いようにしているため、直角関係に保形するに際して専
用部材を用いる必要がなく、構造的に簡素であり安価に
提供することができる。

（３）コーナーパネルの一面に配設した化粧鏡の下位レ
ベルのコーナーパネル両面に渡って物置き棚を突出形成
したので、従来技術のようにいちいち扉を開放すること
なく、化粧鏡に顔や身体全体を対向させた状態で必要な
浴室用備品（シャンプー、石けん、髭剃り）を物置き棚
から取り出せばその場で洗体，洗髪或は髭剃り行為を実
行でき、使用勝手が非常に良い。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図中（Ａ）は収納棚兼用壁パネルであり、この収納棚兼
用壁パネル（Ａ）は平面視Ｌ型のコーナーパネル
（ａ₁）に化粧鏡（ａ₂），物置き棚（ａ₃）（ａ₄），タ
オル棚（ａ₅）を設けて構成されている。

平面視Ｌ型のコーナーパネル（ａ₁）は洗い場（１）コ
ーナーを挾んでそのコーナーに立設することができるよ
うにFRPやその他の合成樹脂をもって平面Ｌ型状に形成
され、両側縁及び下縁に隣接する壁パネル（２）に接続
する為の接続片（２′）、洗い場（１）周縁の壁載せ面
（３）に接続する為の接続片（２′）が折曲して形成さ
れている。

このコーナーパネル（ａ₁）にはその一面（ａ₁′）中途
部、所謂洗い場（１）面に座った利用者の顔面に相対す
る部分に、化粧鏡（ａ₂）が配設され、他面（ａ₁″）に
は適宜間隔をおいて平面視帯状の物置き棚（ａ₃）が多
段状で且つ同一体に膨出形成されている。

この物置き棚（ａ₃）は第３図で示すようにコーナーパ
ネル（ａ₁）の他面（ａ₁′）から水平に突設した物載せ
面（４）突端に、見えがかり面（５）を垂設すると共に
その見えがかり面（５）下端から45゜の傾斜面（６）を
連設し、そしてその傾斜面（６）下端から末広がり状に
傾斜する緩傾斜面（７）をコーナーパネル（ａ₁）の他
面（ａ₁″）に渡って設することにより形成され、本実
施例では見えがかり面（５）幅（Ｘ）を25mm、傾斜面
（６）幅（Ｙ）を15mm，付け根幅（Ｚ）を70mmとした。

また、この物置き棚（ａ₃）の内、最下位の物置き棚
（ａ₃）は前記コーナーパネル（ａ₁）の最下端に配設し
て洗い場（１）に座った利用者が手を伸ばすだけで浴室
用備品、例えば石けん，シャンプー，等の取り出しを容
易にすると共に、前記化粧鏡（ａ₂）直下にはコーナー
パネル本体（ａ₁）の前記一面（ａ₁′）及び他面
（ａ₁″）に渡って平面視Ｌ型の物置き棚（ａ₄）を膨出
させている。

タオル棚（ａ₅）は前記コーナーパネル（ａ₁）の上域
部、即ち最上段の物置き棚（ａ₃）のその上位に両面
（ａ₁′）（ａ₁″）に渡って跨設して化粧鏡（ａ₂）直
下におけるコーナーパネル（ａ₁）の両面（ａ₁′）（ａ
₂″）に渡って膨出形成した前記平面視Ｌ型の物置き棚
（ａ₄）と共働して同コーナーパネル（ａ₁）における両
面（ａ₁′）（ａ₁″）の定形な直角関係を保持する保形
部（ａ₆）を構成している。

尚、本実施例における収納棚兼用壁パネル（Ａ）ではコ
ーナーパネル（ａ₁）一面（ａ₁′）の化粧鏡（ａ₂）を
配設する部分に凹設した凹窪部（８）内にその化粧鏡
（ａ₂）を貼着して縁部が室内に突出しないように配慮
し、物置き棚（ａ₃）（ａ₄）は各棚（ａ₃）（ａ₄）上の
面部に凹設した凹窪部（８）下縁に物載せ面（４）を連
設することによって棚突出量をさほど大きく取らずとも
十分な載承スペースを確保するように配慮している。こ
の場合、凹窪部（８）の深さは略40mm、物載せ面（４）
の幅は90mm乃至110mmである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案収納棚兼用壁パネルの実施例を示し、第１
図は使用状態を示す斜視図、第２図は（２）−（２）拡
大断面図、第３図は（３）−（３）拡大断面図、第４図
は（４）−（４）拡大断面図である。 尚図中 （ａ₁）：コーナーパネル （１）：洗い場、（ａ₂）：化粧鏡 （ａ₄）：物置き棚 （Ａ）：収納棚兼用壁パネル （ａ₅）：タオル棚、（ａ₆）：保形部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗い場コーナーを挾んでそのコーナーに立
   設した平面視Ｌ型のコーナーパネルと、そのコーナーパ
   ネルの一面に配設された化粧鏡と、同コーナーパネルに
   形成した保形部とを備えてなり、該保形部は化粧鏡下位
   レベルのコーナーパネルの両面に渡りその両面に沿って
   跨設した平面視Ｌ型状の物載せ棚と同両面上域部間に渡
   って跨設したタオル棚とで構成されていることを特徴と
   する収納棚兼用壁パネル。