JPH06108213A - 溶融メッキ浴表層部の直接抵抗加熱装置 - Google Patents

溶融メッキ浴表層部の直接抵抗加熱装置

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JPH06108213A
JPH06108213A JP4283699A JP28369992A JPH06108213A JP H06108213 A JPH06108213 A JP H06108213A JP 4283699 A JP4283699 A JP 4283699A JP 28369992 A JP28369992 A JP 28369992A JP H06108213 A JPH06108213 A JP H06108213A
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JP
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hot
dipping
plating bath
pot
plating
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Application number
JP4283699A
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English (en)
Inventor
Isamu Kato
勇 加藤
Shuji Yoshida
修司 吉田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 目付量制御が的確で、しかもドロスに起因し
た表面欠陥の発生や操業性の悪化を伴うことのない連続
溶融メッキ手段を確立することである。 【構成】 図1の如く、連続溶融メッキ設備におけるメ
ッキ浴表層部の加熱装置13を、間隔を隔てた内面の2ケ
所に円環状の電極15が嵌め込まれたセラミックス管14
と、前記電極への通電装置16と、前記セラミックス管の
少なくとも電極部をメッキ浴槽中のメッキ浴に浸漬して
保持できる支持部(図のU字形部)とを有して成るとこ
ろのメッキ浴槽とは別体構造をなす構成とすることによ
り、メッキ浴表層部を適宜効率良く直接抵抗加熱して浴
温の変動を極力抑え得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、メッキ浴槽内の溶融
金属に鋼板を連続的に浸漬してメッキを行う連続溶融メ
ッキ設備に適用されるところの“メッキ浴表層部の加熱
装置”に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、例えば鋼板への溶融金属
(溶融ZnやAl等)の連続メッキは図6に示す手法で実施
されるのが一般的である。即ち、図6において符号1は
鋼板(帯鋼)を示しており、この鋼板1は前処理炉2内
を通された後、ポット(メッキ浴槽)3内の溶融金属中
へ連続的に浸漬され、続いてシンクロ−ル4により進行
方向を垂直上方へ転回させられてからポット3を抜け出
る。そして、表面に溶融金属を付着させてポット3から
抜け出た鋼板1は、気体絞りノズル5により溶融金属目
付量の制御が行われて、次工程へ送られる。
【0003】ここで、メッキの操業時間が経過するにつ
れポット3内の溶融金属は鋼板1に付着して持ち出され
るので、その分を補給するため、溶融金属の原料となる
メッキ浴補給用固体金属6(インゴット等)を固体金属
投入装置7でポット3内へ挿入する操作が行われる。そ
れ故、ポット3の底部付近には、固体金属6を溶解する
と共に溶融金属の温度を所定値に制御するための溶融金
属加熱装置8が設置されている。なお、この加熱装置の
加熱源としては電熱ヒ−タ又は誘導加熱コイルの何れか
を採用するのが一般的である。
【0004】ところで、このような連続溶融メッキ操業
においては、以下の点でポット3内における溶融金属の
温度を適正に制御することが非常に重要である。 a) 溶融金属の温度が変化するとその粘度も変化する
が、溶融金属の粘度変化は気体絞りノズル5で溶融金属
(メッキ)の目付量制御を行う際の大きな外乱となるた
め、溶融金属の温度変化は極力避ける必要がある。 b) ポット3内では鋼板1から溶融金属への鉄の溶出が
常に生じているが、溶融金属の温度が低下すると平衡状
態が崩れて“ドロス”と称する溶融金属と鉄との化合物
が析出する。そして、このドロスが鋼帯1の表面に付着
すると傷等のメッキ表面欠陥となるので、溶融金属の温
度を所定レベルに維持することは是非とも必要なことで
ある。
【0005】しかしながら、図6で示した従来の溶融メ
ッキ手段では溶融金属の温度制御をきめ細かく的確に行
うことは困難で、上述した問題を十分に解決することが
できず、近年一段と厳しさを増してきた溶融メッキ鋼板
の更なる高品質化要求に十分応じ切れない面が指摘され
ていた。
【0006】なぜなら、図6に示す設備ではポット3内
の溶融金属の温度を溶融金属加熱装置8で制御するよう
になってはいるが、例えば固体金属6が溶解している部
分は原理的に温度が固体金属の融点にまで下がるので、
ポット3内の溶融金属に温度差が発生するのを避けるこ
とができず、これが溶融金属の的確な温度制御の妨げに
なっていたからである。
【0007】なお、溶融亜鉛メッキ操業を例にとると、
ポットにメッキ浴補給のための固体Zn(Znインゴット
等)を投入した際には多量のトップドロス(浴面に浮か
ぶ比重の軽いドロス)が発生する。このトップドロス
は、主にZnとメッキ浴管理に用いられるAlとの化合物で
ある。また、溶融メッキ浴に浸漬中の鋼板からはFe分が
溶出するので、これらが結合してAl−Fe−Znの化合物や
結合物を生じ、浴中に浮遊するドロスとなる。
【0008】これらのドロスは、きめ細かな温度制御が
困難である“図6の如き従来設備”では無くすることは
不可能で、これらが多くなるとメッキ部位に巻き込まれ
て鋼板表面に付着し、メッキ鋼板の品質を低下する原因
となった。勿論、トップドロスについてはメッキ浴面を
定期的に掻き取ることにより除去されはするが、十分な
品質向上対策となっていなかった。
【0009】そこで、図7に示す如く、メッキ設備のポ
ット3を連続溶融メッキを行うメインポット9とメッキ
浴補給用の固体金属6を溶解させるためのサブポット10
とに仕切ると共に、浴面レベルより低い位置でこの仕切
り11に開口12を設け、サブポット10で予め補給用固体金
属6の溶融を完了させてからメインポット9へ補給する
ようにした溶融メッキ設備が提案された。そして、これ
により、インゴットの投入によって発生するドロスがメ
ッキ製品に悪影響を及ぼす機会は大幅に減少した。
【0010】ところが、幾多の操業を重ねる内に、上述
のような設備ではインゴット投入時のサブポット内溶融
金属の温度低下が大きく、そのためサブポット内でのド
ロス発生が多くなって円滑な操業が阻害されがちになる
という新たな問題が認識されるようになった。
【0011】このようなことから、本発明が目的とした
のは、連続溶融メッキ操業において指摘された前記問題
を解消し、鋼板への目付量制御を的確にかつ容易に行う
ことができ、しかもドロスに起因した表面欠陥の発生や
操業性の悪化を伴うことのない連続溶融メッキ手段を確
立することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく様々な観点に立って研究を行い、特に A) メッキ浴補給用固体金属の溶解時におけるドロス発
生の抑制, B) メッキ浴補給用固体金属の溶解に起因した溶融金属
(メッキ金属)温度の低下抑制, C) メッキ操業に要するエネルギ−コストの削減, を大きな命題として検討を重ねたところ、次のような結
論に到達した。
【0013】(a) 連続溶融メッキ用ポットでのドロス
発生やメッキ金属温度低下を防止するには、ポット内メ
ッキ金属(メッキ浴)の温度変動を迅速に是正できる効
率の良い加熱手段が不可欠であり、そのためには、従来
の如きポット底部付近での誘導コイルや電熱ヒ−タによ
る加熱に加えて、メッキ浴表層部の加熱を併用すること
が非常に重要である。 (b) そして、メッキ浴表層部の迅速かつ効率的な加熱
にはポット表層部のメッキ浴(溶融金属)を直接的に抵
抗加熱するのが極めて効果的で、ポット底部付近からの
加熱とメッキ浴表層部における直接抵抗加熱を併用する
と、低いエネルギ−コストでもって作業性良く高品質の
メッキ製品を得ることが可能になる。
【0014】本発明は、上記知見事項等を基にした更な
る研究の結果完成されたものであって、「連続溶融メッ
キ設備におけるメッキ浴表層部の加熱装置を、 間隔を隔
てた内面の2ケ所に円環状の電極が嵌め込まれたセラミ
ックス管と、 前記電極への通電装置と、 前記セラミック
ス管の少なくとも電極部をメッキ浴槽(ポット)中のメ
ッキ浴に浸漬して保持できる支持部とを有して成るとこ
ろのメッキ浴槽とは別体構造をなす構成とすることによ
り、 メッキ浴表層部を適宜効率良く直接抵抗加熱して浴
温の変動を極力抑え得るようにした点」に大きな特徴を
有している。
【0015】なお、図1は、本発明に係る“メッキ浴表
層部の直接抵抗加熱装置”の1例を説明した概念図であ
る。図1に示す直接抵抗加熱装置13は、セラミックス管
14が主体となっており、その内面の2ケ所には円環状の
電極15,15が嵌め込まれている。そして、電極15,15は
通電装置16に連結されている。また、セラミックス管14
の上部は、側面図から明らかなようにU字形に曲げられ
て“支持部”を成している。このU字形の支持部は、例
えば図2で示すようにポット壁の上端等に引っ掛けるた
めのものであり、これによって加熱装置の所要箇所をメ
ッキ浴表層部に浸漬して保持することが可能になる。
【0016】ここで、セラミックス管の材質としては A
l23 が好適であるがこれに限定されるものではなく、
例えばZrO2 ,MgO,SiC,SiN等を採用しても良い。
円環状電極の材質も特に制限はされないが、溶融メッキ
金属による浸食や高温に耐えるCr−Mo鋼を適用するのが
好ましいと言える。
【0017】そして、電極への通電装置や加熱装置の支
持部も格別に指定されるものではなく、通電装置として
は適宜のものが使用できる。また、“支持部”について
は、前述した“U字形”等の形状部位が存在しなくて
も、加熱装置の所要箇所(少なくとも電極部)をメッキ
浴表層部に浸漬して保持するための“適宜の把持装置で
把持できる部位”が存在しておればその“部位”で十分
である。
【0018】
【作用】さて、図1で示したような直接抵抗加熱装置
は、図2で示す如くメッキ液補給用のサブポット10の周
囲の側壁(主ポットのみの場合は主ポットの側壁)にU
字状の支持部を引っ掛けて使用されるが、メッキライン
の能力に応じて複数個用いるのが良い。このとき、セラ
ミックス管14の内面に嵌め込まれた電極15,15の部分が
メッキ浴表層部に浸漬されてメッキ浴と接触する。この
状態で、通電装置16による通電を行うと、セラミックス
管14内に入り込んでいるメッキ浴(溶融金属)は直接抵
抗加熱により発熱し、付近のメッキ浴は加熱される。そ
して、メッキ浴の対流によって周囲に熱が伝わり、メッ
キ浴表層部の加熱が速やかに行われる。
【0019】従って、例えば固体金属(インゴット)6
を溶解するに際し、上記直接抵抗加熱装置13と従来の加
熱装置8とを併用すれば、ドロスの発生や過度のメッキ
浴温低下が高いエネルギ−(電力)効率でもって抑制で
き、品質の良好な溶融メッキ製品を作業性良く低コスト
下で安定して得られるようになる。
【0020】ところで、本発明装置による直接抵抗加熱
を実施すると高エネルギ−(電力)効率でメッキ浴の加
熱が行えることは、次の実験によっても確かめられる。
即ち、図3は、セラミックス管を溶湯流路とした溶融Zn
の通電加熱実験装置を示しているが、この通電加熱実験
装置を用いて溶融Znの昇温試験を行った。セラミックス
管17の材質は Al23 セラミックスであり、内径:30
φ,外径:42φ,長さ:10mのものが適用された。
なお、直接抵抗加熱手段を構成する電極18,18として、
セラミックス管17の管端部の2ケ所に該セラミックス管
の内径と同一内径のCr−Mo鋼製円環が嵌め込まれてい
る。
【0021】この装置の溶融Zn浴槽19に予め460℃に
温度調整(保温)した溶融Znを満たした後、セラミック
ス管17中を一定流量(0.9m3/hr)で流下させつつ通電し
て直接抵抗加熱を行った。なお、図3において、符号20
は保温剤,21及び22は温度計,23は受けポットを示して
いる。
【0022】この結果、通電電流が800Aの時には溶
湯流路出側での溶融Zn温度が4℃上昇し、通電電流が5
00Aの時には溶湯流路出側での溶融Zn温度が 1.5℃上
昇した。この時の加熱電力効率は98%以上であった。
このように、セラミックス管で溶湯流路を構成すること
により高効率の通電加熱が可能であることを確認でき
た。従って、直接通電加熱と誘導コイル,電熱ヒ−タ等
による従来の加熱とを併用することにより、従来より遥
かに電力効率アップが図れる。
【0023】なお、図4及び図5は、それぞれ本発明に
係るメッキ浴表層部の直接抵抗加熱装置の別例を示した
ものである。図4のものは、温度差によるメッキ浴の対
流が起き易いようにセラミックス管14の形状を工夫した
もので、セラミックス管14内へ流れ込んで直接抵抗加熱
されたメッキ浴がこの対流によって熱を伝え易くなって
いる。一方、図5のものは、ガス吹き込みノズル24を通
じて不活性ガスを吹き込むことによりメッキ浴の対流を
助けるように工夫したもので、対流による伝熱効果は一
層向上する。
【0024】
【実施例】前記図2に示したような“メインポット9と
サブポット10に仕切られた溶融Znメッキポット”を準備
し、これに460℃の溶融Znメッキ浴を供給すると共
に、そのサブポット10の側壁周囲に図1の如き直接抵抗
加熱装置をセットしてから、鋼板の連続溶融Znメッキ試
験を実施した。なお、この例でのポット底部近傍に設け
た溶融金属加熱装置8は誘導加熱方式のものであった。
また、これとは別に図8に示したような溶融Znメッキポ
ットも準備し、同じく460℃の溶融Znメッキ浴を供給
して鋼板の連続溶融Znメッキ試験を実施した。
【0025】この結果、本発明に係る直接抵抗加熱装置
を併用した場合のポット内メッキ浴温は図9に示したよ
うに変動が小さく、ドロスの生成量は10kg/Tと少なか
ったのに対して、直接抵抗加熱装置の併用が行われなか
った場合(図8に係る試験)では、ポット内メッキ浴温
は図10に示したように変動が大きく、ドロスの生成量は
35kg/Tと非常に多かったことが確認された。
【0026】
【効果の総括】以上に説明した如く、本発明によれば、
高い電力効率で溶融メッキ浴の温度制御を行うことがで
きて高精度の目付量制御を実施でき、しかもドロスに起
因した表面欠陥を発生することもない連続溶融メッキを
行うことが可能となるなど、産業上極めて有用な効果が
もたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるメッキ浴表層部の直接抵抗加熱
装置例に関する説明図である。
【図2】図1に示す直接抵抗加熱装置の使用例に関する
説明図である。
【図3】セラミックス管を溶湯流路とした溶融Znの通電
加熱実験装置に関する説明図である。
【図4】本発明に係わる直接抵抗加熱装置の別例に関す
る説明図である。
【図5】本発明に係わる直接抵抗加熱装置の更なる別例
に関する説明図である。
【図6】鋼板の連続溶融メッキに係わる従来手法の説明
図である。
【図7】鋼板の連続溶融メッキに係わる従来の別手法に
関する説明図である。
【図8】従来手法の試験で用いた溶融Znメッキポットの
説明図である。
【図9】本発明に係る直接抵抗加熱装置を併用した試験
でのポット内メッキ浴温の変化を示すグラフである。
【図10】従来手法での試験に係るポット内メッキ浴温の
変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 鋼板 2 前処理炉 3 ポット 4 シンクロ−ル 5 気体絞りノズル 6 固体金属(インゴット) 7 固体金属投入装置 8 溶融金属加熱装置 9 メインポット 10 サブポット 11 仕切り 12 開口 13 直接抵抗加熱装置 14 セラミックス管 15 電極 16 通電装置 17 セラミックス管 18 電極 19 溶融Zn浴槽 20 保温剤 21 温度計 22 温度計 23 受けポット 24 ガス吹き込みノズル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間隔を隔てた内面の2ケ所に円環状の電
    極が嵌め込まれたセラミックス管と、前記電極への通電
    装置と、前記セラミックス管の少なくとも電極部をメッ
    キ浴槽中のメッキ浴に浸漬して保持できる支持部とを有
    して成ることを特徴とする、メッキ浴槽とは別体構造を
    なす連続溶融メッキ設備におけるメッキ浴表層部の直接
    抵抗加熱装置。
JP4283699A 1992-09-29 1992-09-29 溶融メッキ浴表層部の直接抵抗加熱装置 Pending JPH06108213A (ja)

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JP (1) JPH06108213A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008013799A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Nippon Steel Corp 溶融アルミニウムめっき鋼板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008013799A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Nippon Steel Corp 溶融アルミニウムめっき鋼板の製造方法

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