JPH05222500A - 連続溶融メッキ設備 - Google Patents

連続溶融メッキ設備

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JPH05222500A
JPH05222500A JP5894392A JP5894392A JPH05222500A JP H05222500 A JPH05222500 A JP H05222500A JP 5894392 A JP5894392 A JP 5894392A JP 5894392 A JP5894392 A JP 5894392A JP H05222500 A JPH05222500 A JP H05222500A
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JP
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pot
molten metal
sub
main
dross
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Application number
JP5894392A
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English (en)
Inventor
Isamu Kato
勇 加藤
Hisashi Kuriyama
壽志 栗山
Mitsuhiro Yamamoto
光博 山本
Shuji Yoshida
修司 吉田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低エネルギ−コストで目付量制御を的確・容
易に行え、かつドロスに起因した表面欠陥を発生するこ
とのない鋼板の連続溶融メッキ設備を提供する。 【構成】 連続溶融メッキ設備を、鋼板1を連続的に溶
融メッキするメインポット9の側近にメッキ浴補給用の
固体金属6を溶融させるサブポット10を設け、そのサブ
ポット10とメインポット9とを浴面下の上方位置に設け
た“メインポットへの溶融金属導入路12”と浴面下の下
方位置に設けた“メインポットからの溶融金属導出路1
3”で結ぶと共に、これら溶融金属流路の各々に直接抵
抗加熱手段14と誘導加熱手段15とを併設するか、更には
前記サブポット10を浴面下で連通口16が開口した隔壁17
で“溶融金属導入路12につながる固体金属投入室”と
“溶融金属導出路13につながる攪拌室”とに仕切って成
る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポット(メッキ浴
槽)内の溶融金属に鋼板を連続的に浸漬してメッキを行
う連続溶融メッキ設備に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、鋼板への溶融金属(溶融
亜鉛等)の連続メッキは、図4に示す手法で実施される
のが一般的である。即ち、図4において符号1は鋼板
(帯鋼)を示しており、この鋼板1は前処理炉2を通過
した後ポット3内の溶融金属中へ連続的に浸漬され、続
いてシンクロ−ル4により進行方向を垂直上方へ転回さ
せられてからポット3を抜け出る。そして、表面に溶融
金属を付着してポット3から抜け出た鋼板1は、気体絞
りノズル5により溶融金属目付量の制御が行われて、次
工程へ送られる。
【0003】ここで、メッキの操業時間が経過するにつ
れポット3内の溶融金属は鋼板1に付着して持ち出され
るので、その分を補給するため、溶融金属の原料となる
メッキ浴補給用固体金属6(インゴット等)を固体金属
投入装置7でポット3内へ挿入する操作が行われる。そ
れ故、ポット3には、固体金属6を溶解すると共に溶融
金属の温度を所定値に制御するための溶融金属加熱装置
8が設置されている。なお、この加熱装置の加熱源とし
ては電熱ヒ−タ又は誘導加熱コイルの何れかを採用する
のが一般的である。
【0004】ところで、このような連続溶融メッキ操業
においては、以下の点でポット3内における溶融金属の
温度を適正に制御することが非常に重要である。 a) 溶融金属の温度が変化するとその粘度も変化する
が、溶融金属の粘度変化は気体絞りノズル5で溶融金属
(メッキ)の目付量制御を行う際の大きな外乱となるた
め、溶融金属の温度変化は極力避ける必要がある。 b) ポット3内では鋼板1から溶融金属への鉄の溶出が
常に生じているが、溶融金属の温度が低下すると平衡状
態が崩れて“ドロス”と称する溶融金属と鉄との化合物
が析出する。そして、このドロスが鋼帯1の表面に付着
すると傷等のメッキ表面欠陥となるので、溶融金属の温
度を所定レベルに維持することは是非とも必要なことで
ある。
【0005】しかしながら、図4で示した従来の溶融メ
ッキ手段では溶融金属の温度制御をきめ細かく的確に行
うことは困難で、上述した問題を十分に解決することが
できず、近年一段と厳しさを増してきた溶融メッキ鋼板
の更なる高品質化要求に十分応じ切れない面が指摘され
ていた。なぜなら、図4に示す設備ではポット3内の溶
融金属の温度を溶融金属加熱装置8で制御するようにな
ってはいるが、例えば固体金属6が溶解している部分は
原理的に温度が固体金属の融点にまで下がるので、ポッ
ト3内の溶融金属に温度差が発生するのを避けることが
できず、これが溶融金属の的確な温度制御の妨げになっ
ていたからである。
【0006】なお、溶融亜鉛メッキ操業を例に採ると、
ポットにメッキ浴補給用固体Zn(Znインゴット等)を投
入した際には多量のトップドロス(浴面に浮かぶ比重の
軽いドロス)が発生する。このトップドロスは、主にZn
とメッキ浴管理に用いられるAlとの化合物である。ま
た、溶融メッキ浴に浸漬中の鋼板からもFe分が溶出し、
このFe分が溶融Znと化合してポットの底部に堆積する比
重の重いボトムドロスとなる。つまり、ボトムドロスは
FeとZnの化合物である。更に、この両者が結合して(物
理的結合が主体である)Al−Fe−Znの化合物や結合物を
生じ、浴中に浮遊するドロスとなる。
【0007】これらのドロスは、きめ細かな温度制御が
困難である図4に示した従来設備では無くすることは不
可能で、これらが多くなるとメッキ部位に巻き込まれて
鋼板表面に付着し、メッキ鋼板の品質を低下する原因と
なった。勿論、トップドロスについてはメッキ浴表面を
定期的に掻き取ることにより除去され、ボトムドロスに
ついてもZnインゴット等の入れ替え時に定期的(1〜3
ケ月ピッチ)に掃除することが行われていたが、十分な
品質向上対策となっていなかった。
【0008】そこで、鋼板を連続的に溶融メッキするメ
インポットの側近にメッキ浴補給用のインゴットを溶解
させるためのサブポットを設けると共に、そのサブポッ
トとメインポットを浴面レベルより低い位置に設けた溶
湯導入路で連結して成るところの、予め溶融させたメッ
キ金属をメインポットへ補給するようにした連続溶融メ
ッキ設備の提案がなされた(特開昭63−238252
号公報等を参照)。これによって、インゴットの投入に
より発生するドロスがメッキ製品に悪影響を及ぼす機会
は大幅に減少した。
【0009】しかし、上記設備ではインゴット投入時の
サブポット内溶融金属の温度低下が大きく、そのためサ
ブポット内でのドロス発生が多いという問題があった。
しかも、例えば前記特開昭63−238252号公報所
載の設備は溶湯導入路にヒ−タを組み込む工夫を行って
いるものの、該溶湯導入路での加熱効率がそれほど良好
ではなかったためメインポットへ補給される溶融金属の
温度も不足気味で、メッキ目付け量制御が不十分となる
上、メインポットでの鋼板浸漬による更なる温度低下に
よってメインポット内におけるドロス発生も多かった。
【0010】また、これとは別に、メッキ浴補給用のイ
ンゴットを溶解させるサブポットからポンプを使って所
定温度の溶融金属をメインポットに供給するようにした
連続溶融メッキ設備も提案されたが(例えば特開平1−
147047号公報参照)、設備が複雑になって設備費
が嵩むほか、エネルギ−コストも高く、その上にポンプ
が溶融金属によって腐食するのでメンテナンス費用も増
加するという問題があった。
【0011】このようなことから、本発明が目的とした
のは、連続溶融メッキ操業において指摘されていた前記
問題点を払拭し、低いエネルギ−コストにて鋼板への目
付量制御を的確かつ容易に行うことができ、しかもドロ
スに起因した傷等の表面欠陥を発生することのない連続
溶融メッキ設備を提供することであった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべく、特に A) 鋼板浸漬により発生するドロス及びメッキ浴補給用
のインゴット溶解時に発生するドロスの処理の円滑化, B) メッキ浴補給用のインゴット溶解時における溶融金
属温度の低下抑制, C) エネルギ−コストの削減, を大きな命題として重ねられた本発明者等の研究結果を
基に完成されたもので、「連続溶融メッキ設備を、 図1
に例示した如く、 鋼板1を連続的に溶融メッキするメイ
ンポット9の側近にメッキ浴補給用の固体金属6を溶融
させるサブポット10を設け、 そのサブポット10とメイン
ポット9とを浴面下の上方位置に設けた“メインポット
への溶融金属導入路12”と浴面下の下方位置に設けた
“メインポットからの溶融金属導出路13”で結ぶと共
に、 これら溶融金属流路の各々に直接抵抗加熱手段14と
誘導加熱手段15とを併設して成る構成とした点」を、更
には「図2に例示した如く、 連続溶融メッキ設備を、 鋼
板1を連続的に溶融メッキするメインポット9の側近に
メッキ浴補給用の固体金属6を溶融させるサブポット10
を設け、 そのサブポット10とメインポット9とを浴面下
の上方位置に設けた“メインポットへの溶融金属導入路
12”と浴面下の下方位置に設けた“メインポットからの
溶融金属導出路13”で結ぶと共に、 これら溶融金属流路
の各々に直接抵抗加熱手段14と誘導加熱手段15とを併設
し、 かつ前記サブポット10を浴面下で連通口16が開口し
た隔壁17で“溶融金属導入路12につながる固体金属投入
室”と“溶融金属導出路13につながる攪拌室”とに仕切
って成る構成とした点」を大きな特徴としている。
【0013】即ち、本発明は、連続溶融メッキ設備を鋼
板の連続メッキ用メインポットとメッキ金属溶解用サブ
ポットに分離すると共に、これを特に直接抵抗加熱手段
と誘導加熱手段が併設された溶融金属循環路で結んでメ
ッキ浴たる溶融金属がメインポットとサブポットを円滑
に循環する経路を形成させたことにより、溶融金属の効
率の良い温度制御とドロス処理とを可能ならしめ、これ
により従来指摘されていた高品質メッキ鋼板の安定製造
阻害要因を解消することを骨子としたものであるが、以
下、図面に基づいて本発明に係わる連続溶融メッキ設備
をその機能と共に詳述する。
【0014】
【作用】前述したように、図1及び図2はそれぞれ本発
明に係わる連続溶融メッキ設備の例を示しているが、こ
の連続溶融メッキ設備はメインポット9とその側近に付
設されたサブポット10を有するメッキ浴槽分離タイプの
設備である。メインポット9では鋼板1の連続的溶融メ
ッキが行われ、サブポット10ではメッキ浴補給用固体金
属6の溶解が行われると共に、ドロスの分離・除去がな
される。
【0015】このメインポット9とサブポット10とはそ
れぞれの浴面下で開口する溶融金属導入路12及び溶融金
属導出路13で連通され、メインポット9とサブポット10
との間に溶融金属の循環経路を構成する。そして、これ
ら溶融金属流路の各々には直接抵抗加熱手段14と誘導加
熱手段15とが併設されている。なお、溶融金属は、サブ
ポット10に設けた攪拌翼18又は攪拌ガス吹き込みノズル
19により攪拌流を形成させることで容易に「サブポット
10→溶融金属導入路12→メインポット9→溶融金属導出
路13→サブポット10」なる循環流を生じる。攪拌ガスと
しては、加熱した(Zn浴の場合は460℃程度)非反応
性又は不活性ガスを吹き込むのが望ましく、吹き込み量
は 0.2〜 0.4m3/min 程度が好ましい。
【0016】前記溶融金属の循環経路を形成したこと
と、該循環経路に直接抵抗加熱手段14と誘導加熱手段15
とを併設したことにより、後述する如く非常に効率の良
い溶融金属の温度制御が可能になる。
【0017】まず、溶融メッキ操業における通常の保温
状態の時は、溶融金属の加熱に直接抵抗加熱手段14を優
先使用し、加熱が不足する時に初めて誘導加熱手段15も
併用する。なぜなら、溶融金属の加熱に従来一般に採用
されていた誘導加熱は大容量加熱に有利とされていたが
電力効率が悪く、これに対して溶融金属流路を通る溶融
金属に対して直接通電加熱を適用すると格別の不都合な
く効率の良い加熱を行えることが分かったからである。
この時、サブポット10の蓋20は全閉状態とし、大気との
接触を避ける(ドロス発生防止)のが良い。
【0018】なお、溶湯流路(溶融金属導入路12,溶融
金属導出路13)を直接抵抗加熱手段で加熱することは次
の点でも有利である。即ち、溶湯流路内にドロス粒等の
異物があると、直接抵抗加熱(直接通電加熱)では電流
路の面積が減じるために見掛け上抵抗が上がって発熱量
が増加する。このため、特にドロス粒の集中的加熱が起
き、ドロスの溶解促進が図れる上、溶湯流路内での詰ま
り防止ともなる。
【0019】メッキ浴補給用固体金属(インゴット等)
6を補給する時は、蓋20を外してサブポット10(図2の
設備においてはサブポットの固体金属投入室)に固体金
属6を投入する。この際には、予め直接抵抗加熱手段14
と誘導加熱手段15の両方を作動させておくと同時に該加
熱手段の設定値を上げておき(特に溶融金属導出路13に
設けられた加熱手段の設定値を強化することが重要であ
る)、溶融金属導入路12を通してメインポット9に供給
される溶融金属の温度降下を防止する。そのため、メッ
キ目付量制御に悪影響が及ぶことはない。この場合、誘
導加熱手段15をも併用するので急速で大容量の加熱を行
うことができ、固体金属供給時における溶融金属の温度
降下を適切に防止することができる。
【0020】固体金属6の投入後は、多くのトップドロ
ス(溶融Znメッキの場合には酸化亜鉛を核としている)
を防止するためサブポット10に蓋20をし、また溶融金属
の攪拌を強化すると同時に溶融金属導出路13に設けられ
た加熱手段を十分に活用して溶解を促進し、適温まで昇
温せしめる。ここで発生した少量のZn−Alドロスは浮遊
するため、随時処理する。
【0021】なお、溶湯流路(溶融金属導入路12,溶融
金属導出路13)は“導電性の鉄管”や“セラミックス
管”等で構成することができるが、セラミックス管を適
用する場合には、例えばその両端近傍に直接通電加熱の
ための“溶融金属と直接的に接触する電極”を設ける必
要がある。この際、溶湯流路を構成する管材の径が小さ
ければ、その管材を複数本(例えば3〜5本)並列に並
べて十分な溶融金属循環量を確保すれば良い。
【0022】溶湯流路として導電性の鉄管を適用した場
合、一般に導電性材料の誘導加熱を行うと誘導電流は表
面に近い程大きく流れるが、例えば溶融金属がZnの時に
は鉄管にZnが充填された状態となっており、抵抗率の違
いから鉄とZnの境界面より中心側の位置に、つまり溶融
Zn流外周に誘導電流が流れることになる。そのため、誘
導加熱は溶融Zn流外周部の加熱に極めて有効である。一
方、この状態の鉄管流路に直接通電加熱を加えると、交
流電流で発生した磁界が鉄管や溶融Zn流の外周に広が
り、直接通電により流れる電流は溶融Zn流の中央部に集
中することとなって溶融Zn流中心部の加熱に非常に有効
となる。従って、誘導加熱と直接通電加熱を併用する
と、結果的に溶融Zn流全体の加熱が極めて効率良く迅速
に行われることになる。
【0023】勿論、溶湯流路として両端近傍に直接通電
加熱のための電極を設けたセラミックス管を適用した場
合には、上記現象が一段と際立つため一層効率の良い加
熱が可能となる。
【0024】図3は、セラミックス管を溶湯流路とした
溶融Znの通電加熱実験装置を示しているが、この通電加
熱実験装置を用いて溶融Znの昇温試験を行った。セラミ
ックス管21の材質は Al23 セラミックスであり、内
径:30φ,外径:42φ,長さ:10mのものが適用
された。なお、直接抵抗加熱手段14を構成する電極22と
して、セラミックス管21の管端部の2ケ所に該セラミッ
クス管の内径と同一内径のCr−Mo鋼製円環が嵌め込まれ
ている。
【0025】この装置の溶融Zn浴槽23に予め460℃に
温度調整した溶融Znを満たした後、セラミックス管21中
を一定流量(0.9m3/hr)で流下させつつ通電加熱を行っ
た。なお、図3において、符号24は保温剤,25及び26は
温度計,27は受けポットを示している。
【0026】まず、直接抵抗加熱手段14のみを使用して
溶融Znの昇温試験を実施した結果、通電電流が800A
の時には溶湯流路入側での溶融Zn温度が458℃、溶湯
流路出側での溶融Zn温度が462℃となり、通電電流が
500Aの時には溶湯流路入側での溶融Zn温度が456
℃、溶湯流路出側での溶融Zn温度が457.5 ℃となってお
り、加熱電力効率として98%以上の高効率が得られ
た。
【0027】次に、誘導加熱手段15のみを使用し、その
誘導コイルに周波数:1.5kHzの電流を8kW通電しつつ溶
融Znの昇温試験を実施した。この結果、通電電流が80
0Aの時には溶湯流路入側での溶融Zn温度が459℃、
溶湯流路出側での溶融Zn温度が475℃となり、通電電
流が500Aの時には溶湯流路入側での溶融Zn温度が4
55℃、溶湯流路出側での溶融Zn温度が466℃となっ
ており、加熱電力効率は75〜85%であった。
【0028】このように、セラミックス管で溶湯流路を
構成することにより高効率の通電加熱が可能であること
を確認できたが、更に、直接抵抗加熱と誘導加熱とを併
用することにより大容量加熱も可能であることも確認さ
れた。
【0029】また、これとは別に、溶融Znメッキポット
内を誘導加熱単独で460℃に加熱保持していた従来手
段に比べて、ポットを2つに分離すると共に両者をつな
ぐ溶湯流路の加熱をも実施した場合には18.4%の電力効
率アップとなることも確認された。
【0030】勿論、ポットを2つに分離すると共に両者
をつなぐ溶湯流路の加熱を実施する本発明に係わる連続
溶融メッキ設備では、循環する金属の温度だけだと熱的
に不足するので、ポットにも従来通りの誘導加熱装置を
数基設ける必要がある。それでも電力効率が向上するこ
とは言うまでもない。
【0031】ところで、先にも述べたように、メインポ
ット9とサブポット10との間に形成された循環経路を循
環させる溶融金属の流れはサブポット10に設けた攪拌手
段により作られるが、溶融金属導出路13を図1及び図2
で示したように傾斜させておくと、メインポット9から
サブポット10への溶融金属の流れはより一層円滑化す
る。そして、この溶融金属の循環流に乗ってメインポッ
ト9で発生したドロス(主としてボトムドロス及び浮遊
ドロス)はサブポット10へ円滑に導かれるので、ボトム
ドロスや浮遊ドロスがメインポット9に堆積したり停ま
ったりすることがなく、ドロスの回収も随時容易に行え
るようになる。なお、前述した溶融金属導出路13の傾斜
は、ボトムドロスをサブポット10に導いて集める上でも
非常に効果的である。
【0032】サブポット10でのドロス処理は、トップド
ロスについては随時浴面を掻き取る操作によって容易に
除去できる。また、浮遊ドロスは、サブポット10内の攪
拌流(上昇流)により浴面に浮上させ、トップドロスと
同様に除去することができる。浮遊ドロスの浮上という
点からすれば、ガスの吹き込みによって溶融金属の攪拌
流を形成するのが好ましいと言える。勿論、ガスの吹き
込みノズルと共に、補助的にサブポット10の出側に攪拌
翼を設けて攪拌流,循環流の形成を強めても良い。更
に、比重の高いボトムドロスについては、攪拌流を制御
するとサブポット10の底部に堆積するので、随時サブポ
ット10の底部から排出すれば良い。
【0033】このように、本発明に係わる設備では、ト
ップドロスや浮遊ドロスはサブポット10に集められてそ
の浴面に浮上して停滞し、ボトムドロスもサブポット10
に集められてその底部に堆積して停滞するので、メイン
ポット9へはドロスを含まない溶融金属のみが供給され
る。
【0034】なお、ドロス除去を確実とするためには、
図2に示したようにサブポット10を隔壁17で“攪拌室”
と“固体金属投入室”とに仕切るのが良い。前記隔壁17
には浴面下で連通口16が開口しているので、攪拌により
攪拌室の浴面に浮上したトップドロスや浮遊ドロスを随
伴することなく“循環してきた溶融金属”を固体金属投
入室に導くことができる。また、固体金属投入室では隔
壁17によって攪拌流の流速が緩和されるので、浴面に浮
上しなかった比重の大きいボトムドロスは抵抗なく固体
金属投入室の底部に堆積する。
【0035】更に、攪拌室で温度の高いガスを吹き込ん
で溶融金属の温度を高めてドロス流を溶解するように
し、続く固体金属投入室で補給用固体金属を投入するこ
とで溶融金属の温度を幾分低下させると溶解したドロス
は再度微細ドロス流となり、比重の大きいFe−Zn分(ボ
トムドロス)の沈降分離、比重の軽いAl−Zn分(トップ
ドロス)の浮上分離がより確実となる。この場合、温度
低下した溶融金属は溶融金属導入路12に設けられた加熱
手段によって効率良く昇温されるので、メッキ浴の目標
温度確保には何ら問題がなく、メッキ目付量の変動要因
となるようなことはない。
【0036】
【発明の効果】上述した本発明によって得られる主な効
果を列記すれば、次の通りとなる。 (a) 熱効率の向上 ポットに付設した誘導加熱装置のみで行う従来の溶融金
属加熱手段では電力効率が悪かったが、直接通電加熱を
併用したことにより電力効率の大幅な向上が達成でき
る。 (b) ドロス分離効率の向上 溶融金属からのドロス分離を簡単かつ確実に行うことが
でき、例えばフィルタ−式等のように目詰まりのトラブ
ルを生じることもない。 (c) メッキ製品のドロス欠陥低減 循環流式でポット内のドロスを常に除去することができ
るので、メッキ処理ポット内におけるドロスの堆積がな
くなり、堆積ドロスの巻き上げ等によるドロス欠陥がな
くなる。 (d) メッキ金属原単位の向上 サブポット内での温度調節等により回収ドロスを微細化
できるので、ドロス粒に付着して除去されるメッキ金属
分(例えばZn等で、 粒の内側に取り込まれている)分が
減少し、そのためメッキ金属原単位が向上する。
【0037】
【効果の総括】以上に説明した如く、本発明によれば、
高い電力効率で溶融メッキ金属の温度確保を行うことが
できて高精度の目付量制御を実施でき、しかもドロスに
起因した表面欠陥を発生することもない連続溶融メッキ
設備を提供すすることが可能となるなど、産業上極めて
有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる鋼板の連続溶融メッキ設備例の
説明図である。
【図2】本発明の別例に係わる鋼板の連続溶融メッキ設
備の説明図である。
【図3】セラミックス管を溶湯流路とした溶融Znの通電
加熱実験装置に関する説明図である。
【図4】鋼板の連続溶融メッキに係わる従来手法の説明
図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 前処理炉 3 ポット 4 シンクロ−ル 5 気体絞りノズル 6 固体金属(インゴット) 7 固体金属投入装置 8 溶融金属加熱装置 9 メインポット 10 サブポット 12 溶融金属導入路 13 溶融金属導出路 14 直接抵抗加熱手段 15 誘導加熱手段 16 連通口 17 隔壁 18 攪拌翼 19 攪拌ガス吹き込みノズル 20 蓋 21 セラミックス管 22 電極 23 溶融Zn浴槽 24 保温剤 25 温度計 26 温度計 27 受けポット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 修司 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友金 属工業株式会社鹿島製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板を連続的に溶融メッキするメインポ
    ットの側近にメッキ浴補給用の固体金属を溶融させるサ
    ブポットを設け、そのサブポットとメインポットとを浴
    面下の上方位置に設けた“メインポットへの溶融金属導
    入路”と浴面下の下方位置に設けた“メインポットから
    の溶融金属導出路”で結ぶと共に、これら溶融金属流路
    の各々に直接抵抗加熱手段と誘導加熱手段とを併設して
    成ることを特徴とする、連続溶融メッキ設備。
  2. 【請求項2】 鋼板を連続的に溶融メッキするメインポ
    ットの側近にメッキ浴補給用の固体金属を溶融させるサ
    ブポットを設け、そのサブポットとメインポットとを浴
    面下の上方位置に設けた“メインポットへの溶融金属導
    入路”と浴面下の下方位置に設けた“メインポットから
    の溶融金属導出路”で結ぶと共に、これら溶融金属流路
    の各々に直接抵抗加熱手段と誘導加熱手段とを併設し、
    かつ前記サブポットを浴面下で連通口が開口した隔壁で
    “溶融金属導入路につながる固体金属投入室”と“溶融
    金属導出路につながる攪拌室”とに仕切って成ることを
    特徴とする、連続溶融メッキ設備。
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