JPH0813111A

JPH0813111A - 溶融亜鉛めっき装置

Info

Publication number: JPH0813111A
Application number: JP14729394A
Authority: JP
Inventors: Hideo Hoshi; 秀夫星; Takashi Nakajima; 中島　　隆
Original assignee: Fuji Industrial Co Ltd; Fuji Kogyo KK
Current assignee: Fuji Industrial Co Ltd; Fuji Kogyo KK
Priority date: 1994-06-29
Filing date: 1994-06-29
Publication date: 1996-01-16

Abstract

(57)【要約】【目的】休日管理が容易で人件費等経費の節減が可能
で、燃料費を含めて保守管理費が安く、アルミニウムを
含む亜鉛合金めっき用としても好適な溶融亜鉛合金めっ
き装置を提供する。【構成】複数の浸漬ガスバーナ２を備えたセラミック
製の溶融めっき浴槽１の槽壁に溶融めっき浴ａの浴面以
下の高さ位置になるように複数の高周波加熱装置５を設
け、めっき作業時には浸漬ガスバーナ２により、非めっ
き作業時には高周波加熱装置５により浴の加熱を行う。
高周波加熱装置５は誘導コイルを埋設した耐火材容器と
この耐火材容器内に耐火材パッキングを介して収裝され
る厚い壁の黒鉛坩堝とからなり、溶融めっき浴槽１の槽
壁に黒鉛坩堝の開口を内方に臨ませて取り付けた状態と
する。主として黒鉛坩堝が誘導加熱され、この黒鉛坩堝
を介して溶融めっき浴を加熱し、また、攪拌する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は溶融亜鉛めっき装置に関
し、特に、浸漬ガスバーナ加熱手段と共に高周波誘導加
熱手段を備える溶融めっき装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、溶融亜鉛めっき装置としては、溶
融めっき浴槽としていわゆる鉄鍋を用い、加熱手段とし
てオイルバーナ又はガスバーナを使用するのが一般であ
る。しかし、鉄は溶融亜鉛と反応性を有し、鉄鍋は浸食
されるので、定期的な交換を必要としている。この鉄鍋
に対する溶融めっき浴の浸食作用は温度が高い程強く、
例えば、浴温度が４５０℃程度の鋼構造物用めっき浴槽
より若干温度の高い小物用のめっき浴槽の場合の方がこ
の鉄鍋の交換頻度が高い。また、最近開発され、利用が
拡がりつつある溶融亜鉛ー５％アルミニウム合金めっき
浴では５００℃程度、溶融亜鉛ー５５％アルミニウム合
金めっき浴では６００℃に近い浴温度となり、前記の溶
融めっき浴よりもさらに活性となるので、浸食作用が激
しくなり、上記の鉄鍋は実質的に使用が困難な状況にあ
る。

【０００３】一方、亜鉛又は亜鉛合金の一般鋳造用溶解
炉としては、誘導加熱を利用した誘導炉も用いられてい
る。誘導炉には低周波誘導炉と高周波誘導炉があり、低
周波誘導炉には溝型誘導炉と坩堝型誘導炉がある。溝型
誘導炉は下部にＵ字型の誘導溝を有しこの溝における亜
鉛が二次誘導電流によって抵抗加熱されるものである
が、この誘導溝を通る溶融亜鉛環が切れると再溶融が困
難になるので、誘導溝を狭窄化する酸化物等を発生し易
いアルミニウムを含む亜鉛合金用としては不適当であ
り、また、めっき作業の中断に際しても上部に十分な溶
融亜鉛浴を残す溶融浴保持状態を必要としている。

【０００４】坩堝型低周波誘導炉はこのような誘導溝は
ないが、坩堝内の亜鉛に誘導される渦電流による亜鉛の
抵抗熱を利用しているので、効率が低く、また、新規亜
鉛塊による再溶解が面倒なので、めっき作業中断時にも
溶融亜鉛浴を残しておく必要があり、さらに、高周波誘
導炉は坩堝型であるが、坩堝型低周波誘導炉の二次電磁
場の弱さを高周波によって補い、溶融効率を高めること
ができ、再溶解及び間欠操業が比較的容易に行えるとい
う利点があるが、大電力を必要として加熱電力費が高
く、また、そのための新たな受電設備を必要とする等、
孰れも溶融めっき浴槽には容易に利用し難いという問題
があった。

【０００５】さらに、鉄鍋の使用を避けて、溶融めっき
浴槽を耐火煉瓦で形成すると共に浴槽の一部に上方から
溶融めっき浴面をバーナー加熱する燃焼室を備えたいわ
ゆるトップヒーティング炉もめっき装置として一部に利
用されているが、設置スペースが大で、また、燃焼室内
は高温に曝されるので酸化亜鉛や金属ヒュームが多く、
とくに酸化性の強いアルミニウムを含む合金の場合には
利用し難いという問題があった。

【０００６】このため、例えば、アルミニウムを若干添
加して行う線材の連続溶融亜鉛めっきでは、鉄鍋に換え
て融点が高く亜鉛等のめっき浴に浸食されないセラミッ
ク槽を用いると共に、浸漬ガスバーナを利用して溶融め
っき浴を直接加熱する浸漬ガスバーナ式セラミック槽め
っき装置が実用化されつつある。一般溶融亜鉛めっき工
場においても、従来の頻度の高い鉄鍋交換の煩わしさか
ら、この浸漬ガスバーナ式セラミック槽めっき装置が採
用されつつある。

【０００７】浸漬ガスバーナは、図４に示した浸漬ガス
バーナ２のように、先端を開口した金属製の内管３０
と、先端を閉じたセラミック製の外管３１との二重管で
構成され、内管３０には給気管３２により燃焼用空気を
導入できるようにすると共に燃料ガス供給管３３の先端
部に接続したトーチ３４を挿入するようにしてあり、外
管３１をその下部が溶融めっき浴ａに浸漬されるように
炉装置の架台３に固定保持することにより、トーチ３４
による燃焼ガスは内管３０の先端から内管３０と外管３
１の間の環状部を通り、外管３１を加熱しながら上昇し
て排気管３５により外部に排気され、その間、加熱され
た外管３１が溶融めっき浴を加熱するようにしたもので
ある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融め
っき浴槽としてセラミック槽を用いるこの浸漬ガスバー
ナ式セラミック槽めっき装置においては、溶融めっき浴
槽としての耐久性の外、比較的消費エネルギーが少なく
て済み、ドロスの発生が少なく、メタル損失が少ない等
の利点があるが、めっき作業中断の際において、そのま
ま溶融めっき浴を凝固させると、凝固亜鉛のために浸漬
ガスバーナのセラミック外管が破損し、また、再溶解時
には、凝固亜鉛の熱膨張に追随できずセラミック槽が破
損するという問題があった。従って、浸漬ガスバーナ式
セラミック槽めっき装置は生産量が多く比較的操業が安
定している線材等の連続溶融めっきには適しているが、
多種類の材料を扱い且つ生産量にばらつきの多い一般溶
融亜鉛めっき工場等においては、溶融めっき浴は凝固さ
せずそのまま溶融状態を保持させるようにしており、燃
料費が嵩み、特に、夜間や休日に際しても、法的な規制
もあって、浸漬ガスバーナを管理する保守管理要員を配
置し、また、その休日期間が例えば年末年始あるいはい
わゆるゴールデンウィーク等において数日に亘る場合
は、そのためにさらに人件費等経費が嵩むという問題が
あった。

【０００９】このような問題に鑑み、本発明は、燃料費
を含めて操業管理費が安く、炉体等設備を大きくする必
要がなく、休日管理が容易で人件費の削減が可能で、ま
た、アルミニウムを含む溶融亜鉛合金用としても好適
な、経済性の高い溶融めっき装置の提供を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
め、本発明は、浸漬ガスバーナを備えたセラミック製の
溶融めっき浴槽の槽壁に溶融めっき浴の浴面以下の高さ
位置で高周波誘導加熱部を設け、溶融めっき浴の加熱
を、めっき作業時には前記浸漬ガスバーナによって行
い、非めっき作業時には前記高周波誘導加熱部によって
行う溶融亜鉛めっき装置を、また、前記高周波誘導加熱
部は誘導コイルを埋設した耐火材容器と該耐火材容器内
に耐火材パッキングを介して収裝される黒鉛坩堝とから
なり、該高周波誘導加熱部を前記溶融めっき浴槽の槽壁
に前記黒鉛坩堝の開口を内方に臨ませて取り付け、溶融
めっき浴の加熱を誘導電流による前記黒鉛坩堝と前記溶
融めっき浴の抵抗熱によって行う溶融亜鉛めっき装置
を、さらにまた、前記黒鉛坩堝は厚い壁層を有し、前記
溶融めっき浴が主として誘導加熱される前記黒鉛坩堝を
介して加熱される溶融亜鉛めっき装置を提案するもので
ある。

【００１１】

【作用】通常めっき作業時、溶融めっき浴は浸漬ガスバ
ーナの直接加熱により、適宜、亜鉛インゴット又は亜鉛
合金インゴットを投入しながら、溶融めっき作業を継続
できる。溶融めっき作業の長時間中断時には、浸漬ガス
バーナへの燃料ガスの供給を停止し、高周波誘導加熱部
へ高周波電流を供給することにより、黒鉛坩堝及び黒鉛
坩堝内に位置する溶融めっき浴に二次電流が誘導され、
この誘導電流による抵抗熱によって溶融めっき浴は自身
または黒鉛坩堝を介して加熱昇温し、また、溶融めっき
浴自身の攪拌作用によって浴温の伝搬が行われる。この
黒鉛坩堝を厚い壁層のものに形成することにより、主と
して、溶融めっき浴を黒鉛坩堝を介して間接加熱するよ
うにして、溶融めっき浴の局部的な過熱を防止し、コイ
ルの効率を向上させることができる。

【００１２】

【実施例】以下、実施例を示す図面によって本発明のめ
っき炉装置を説明する。図１に示す溶融亜鉛めっき装置
Ａにおいて、横方向に長い略長方形状のセラミック製の
溶融めっき浴槽１の片側に長手方向に沿って、複数（図
では５基）の浸漬ガスバーナ２を槽の架台３に垂直に保
持させてあり、この浸漬ガスバーナ２の列に沿って保護
板４を垂下状に設け、溶融めっき浴ａを浸漬ガスバーナ
２の浸漬部とめっき作業浴部とに仕切り、溶融めっき作
業時に被めっき品等が浸漬ガスバーナ２に接触してその
セラミック製の外管を破損する等の事故が防止できるよ
うにしてある。保護板４はセラミック板を利用してい
るが、他の耐火材、ステンレス鋼板、あるいは耐火材粉
でライニングした鉄板を利用したものでもよく、適宜、
交換あるいは補修が行えるようにしてある。また、浸漬
ガスバーナ２は、図４に示した従来のものと同じものを
使用し、定期的に交換し、補修を行えるようにしてあ
る。

【００１３】溶融めっき浴槽１の背面の槽壁には複数
（図では２基）の高周波加熱装置５を高周波誘導加熱部
として取り付けてある。この高周波加熱装置５は、溶融
めっき作業時、溶融めっき浴ａを所定のレベルに浴面を
保持した際に、浸漬状態になるような高さ位置で、槽壁
に埋設状態に取り付けてある。

【００１４】この高周波加熱装置５は、図２に示すよう
に、固定板６上で耐火断熱材を円形の有底容器状に搗き
硬めて一体にした保持体７と、この保持体７の内部に耐
火材性のパッキング材８を介して収裝させた黒鉛坩堝９
を備えている。黒鉛坩堝９は前方（図示左方）にホッパ
ー状に拡径した形に壁を十分な厚さに形成してある。保
持体７は中空水冷銅管からなる誘導コイル１０を、収裝
した黒鉛坩堝９を囲繞する状態に、埋設してあり、この
誘導コイル１０はケーブル１１（図１）によって図示し
ない高周波発信装置に接続してある。即ち、高周波発信
装置からの高周波電流により、黒鉛坩堝９内に位置する
溶融めっき浴にも一部誘導されて抵抗熱を発生させる
が、主として黒鉛坩堝９の壁内に誘導される二次電流と
しての渦電流により、その抵抗熱で黒鉛坩堝９自体が加
熱され、この黒鉛坩堝９に接する溶融めっき浴が間接的
に加熱され、溶融めっき浴の直接加熱による局部過熱を
防止するようにしてある。なお、この高周波発信装置は
高圧受電盤と高周波インバータ装置とインピーダンス整
合装置とからなっている。

【００１５】高周波加熱装置５の保持体７は前方にやや
小径化するように外周にテーパをもたせてあり、この高
周波加熱装置５を取り付けようとする溶融めっき浴槽１
の槽壁１２の個所には、予め、この保持体７を受容する
テーパを有する取付け穴１３を形設すると共にこの取り
付け穴１３の背部側の周囲の槽壁１２に複数の固定板取
付け用アンカーボルト１４を取り付けてある。そして、
取付け穴１３に耐火断熱材からなるパッキング材１５を
施した後、背部側から高周波加熱装置５を挿入し、その
固定板６を前記固定板取付け用アンカーボルト１４にナ
ットで止め付け且つ締め付けることにより高周波加熱装
置５を槽壁１２に密着的に取り付けることができる。

【００１６】また、溶融めっき浴槽１には図示しない制
御盤に接続する熱電対温度計１６を取り付けてあり、こ
の熱電対温度計１６の検出温度により、溶融めっき作業
時には浸漬ガスバーナ２への燃料ガスの供給量を自動制
御し、溶融めっき作業に適した所定の溶融めっき浴の温
度とし、非めっき作業時には高周波加熱装置５への電力
投入量を自動制御して所定の溶融めっき浴保持温度にな
るようにしてある。即ち、夜間又は休日等非めっき作業
時における溶融めっき浴の無人温度制御操作を可能にし
てある。

【００１７】従って、この溶融亜鉛めっき装置Ａにおい
ては、めっき作業時は、浸漬ガスバーナ２において、燃
料ガス供給管により導入された燃料ガスは給気管による
空気の助けにより浸漬ガスバーナ２内で燃焼し、その燃
焼により加熱された外管が溶融めっき浴ａを一定温度に
加熱保持する（図４）。この浸漬ガスバーナ２の排気管
より排出される排気ガスはこの溶融めっき処理を施され
る被めっき材のフラックス液等の加温熱源として利用す
る。前処理を完了した被めっき材は、溶融めっき浴ａ内
に浸漬され、一定時間経過した後引き上げられ、冷却さ
れてめっき製品となる。そして、めっき作業の進行に伴
い、溶融めっき浴ａには適宜亜鉛または亜鉛合金インゴ
ットが補給される。

【００１８】めっき作業が中断され、溶融めっき浴ａを
そのまま溶融状態で保持しようとする時は、浸漬ガスバ
ーナ２への燃料ガスの供給を止め、制御盤の切替え操作
を行い、高周波発信装置からの５００〜１０００Ｈｚの
高周波電流を誘導コイル１０に供給することにより、こ
のコイル電流に誘導されて発生する二次電流により主と
して厚肉の黒鉛坩堝７が抵抗熱を発生し、この熱により
接触している溶融めっき浴ａが加熱昇温され、溶融めっ
き浴ａが所定温度に保温される。高周波誘導加熱炉にお
ける溶融浴の昇温速度は大きく、その攪拌作用も大きい
が、この実施例においては、主として黒鉛坩堝９による
間接加熱が行われるようにしたので、比較的融点の低い
亜鉛または亜鉛合金の溶融めっき浴の局部的な過熱が防
止され、誘導コイルの効率向上が図れ、また、黒鉛坩堝
９内部の溶融めっき浴の適宜の攪拌作用を有するので、
少ない高周波加熱装置と少ない供給電力で効果的に一定
温度に溶融めっき浴の保温が可能となるものである。

【００１９】図３に、槽壁に対する取付け方式を変えた
別の例による高周波加熱装置を示す。この高周波加熱装
置１７は前記高周波加熱装置５と同じ黒鉛坩堝１８を用
い、誘導コイル１９を備える保持体２０にパッキング材
２１を介して収裝してある。但し、この保持体２０は外
周に前方（図示左方）にやや拡径するテーパを有し、こ
の保持体２０には成形時、背部に保持体取付け用アンカ
ーボルト２２の頭部を埋設してある。そして、槽壁２３
側の背部には固定板取付け用アンカーボルト２４の頭部
を埋設してあり、取付け穴２５は前記保持体２０の外周
に対応するように槽の内方に拡径するテーパを付してあ
る。即ち、この高周波加熱装置１７は取付けにあたっ
て、取付け穴２５に耐火断熱材によるパッキング材２６
を施した上で、保持体２０を槽の内方から前記取付け穴
２５に嵌め込み、槽の外方から固定板２７をあてがい、
槽壁２３に固定板取付け用アンカーボルト２４で取り付
けた後、保持体取付け用アンカーボルト２２を固定板２
７に止め付け、ナットを締め付けることにより保持体２
０を、従って、高周波加熱装置１７を強固に槽壁２３の
取付け穴２５に密着的に取付けることができる。この高
周波加熱装置１７の機能は前記高周波加熱装置５の場合
と同じである。

【００２０】本発明の溶融亜鉛めっき装置においては、
溶融めっき浴槽における初期溶解時には、浸漬ガスバー
ナと高周波加熱装置とを併用することにより、溶解速度
を早めることができ、また、浸漬ガスバーナの交換時に
は、高周波加熱装置により浴温を保持することにより、
燃料ガスの供給を全面的に停止できるので、安全にその
交換作業を行えるものである。

【００２１】黒鉛は大気中や燃焼ガス中では、酸化され
易いが、本発明における黒鉛坩堝は初期溶解時以外は溶
融めっき浴内に浸漬されており、外気と遮断されている
ので寿命は非常に長い。

【００２２】この黒鉛坩堝は、パッキング材を介して保
持体に嵌め込まれており、溶融めっき浴が耐火断熱材か
らなる保持体に浸透するのを防止し、保持体内に埋設さ
れている誘導コイルとの接触を防止しその寿命を延ばす
効果がある。

【００２３】高周波加熱部の取り付け位置は、浸漬バー
ナーとそのガス配管及びめっき作業等に支障を来すこと
がない限り任意である。

【００２４】本発明の溶融亜鉛めっき装置は非めっき作
業時、即ち、主として夜間あるいは休日等工場が休止状
態の時に電力を必要とするので、高周波加熱装置のため
に工場における受電容量の増加を必要とすることなく、
従って、そのための新たな受電設備を考慮する必要がな
い。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、溶融めっき浴槽にセラミック槽を用い、めっ
き作業時における溶融めっき浴の加熱保持と亜鉛または
亜鉛合金インゴットの溶解は浸漬ガスバーナによること
を基本とし、非めっき作業時の溶融めっき浴の保持を高
周波加熱装置によって行うようにすることにより、(1)
浴槽が溶融めっき浴によって侵されることがなく、耐久
性がある、(2) めっき作業時、燃料費が安い、(3) めっ
き作業時、排気ガスの保有熱をフラックス槽の加温に利
用できる、(4) 非めっき作業時は勿論、めっき作業時に
おいても、ドロスやヒュームの発生が少なく溶融金属の
歩留りがよく、作業環境もよい、(5) 夜間や休日等非め
っき作業時、少ない電力量で、従って、少ない経費で溶
融亜鉛浴を一定温度に保持できる、(6) 非めっき作業
時、無人運転で一定温度に溶湯を保持できる、(7) 装置
スペースを特に大きくする必要がなく、工場での高周波
加熱装置のための新たな受電設備を考慮する必要がな
い、等経済性の高い溶融亜鉛めっき装置が得られるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】背面側からみた本発明の溶融亜鉛めっき装置の
斜視図である。

【図２】図１の溶融亜鉛めっき装置における高周波加熱
装置を示す断面図である。

【図３】他の例の高周波加熱装置を示す図２相当の断面
図である。

【図４】図１の溶融亜鉛めっき装置において用いられる
従来の浸漬ガスバーナの断面図である。

【符号の説明】

Ａ溶融亜鉛めっき装置ａ溶融めっき浴１溶融めっき浴槽２浸漬ガスバーナ３架台４保護板５，１７高周波加熱装置６，２７固定板７，２０保持体８，２１パッキング材９，１８黒鉛坩堝１０，１９誘導コイル１１ケーブル１２，２３槽壁１３，２５取付け穴１４，２４固定板取付け用アンカーボルト１５，２６パッキング材１６熱電対温度計２２保持体取付け用アンカーボルト

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】浸漬ガスバーナを備えたセラミック製の
溶融めっき浴槽の槽壁に溶融めっき浴の浴面以下の高さ
位置で高周波誘導加熱部を設け、前記溶融めっき浴の加
熱を、めっき作業時には前記浸漬ガスバーナによって行
い、非めっき時には高周波誘導加熱部によって行うこと
を特徴とする溶融亜鉛めっき装置。
【請求項２】前記高周波誘導加熱部は誘導コイルを埋
設した耐火材容器と該耐火材容器内に耐火材パッキング
を介して収裝される黒鉛坩堝とからなり、該高周波誘導
加熱部を前記溶融めっき浴槽の槽壁に前記黒鉛坩堝の開
口を内方に臨ませて取り付け、前記溶融めっき浴の加熱
を誘導電流による前記黒鉛坩堝と溶融めっき浴の抵抗熱
によって行うことを特徴とする請求項１記載の溶融亜鉛
めっき装置。
【請求項３】前記黒鉛坩堝は厚い壁層を有し、溶融め
っき浴を主として誘導加熱される前記黒鉛坩堝を介して
加熱することを特徴とする請求項１乃至２記載の溶融亜
鉛めっき装置。