JPH06107455A - ムライト質基板の製造方法 - Google Patents

ムライト質基板の製造方法

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JPH06107455A
JPH06107455A JP3262496A JP26249691A JPH06107455A JP H06107455 A JPH06107455 A JP H06107455A JP 3262496 A JP3262496 A JP 3262496A JP 26249691 A JP26249691 A JP 26249691A JP H06107455 A JPH06107455 A JP H06107455A
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JP
Japan
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mullite
kaolinite
substrate
glass
firing
Prior art date
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Pending
Application number
JP3262496A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Yamana
一男 山名
Masanori Miyamoto
正規 宮本
Chuji Kawai
忠二 河合
Takeshi Motoyama
剛 元山
Yoshihide Nakamura
嘉秀 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishikawa Prefecture
Nippon Steel Corp
Ishikawa Prefectural Government
Ferrotec Material Technologies Corp
Original Assignee
Ishikawa Prefecture
Sumitomo Metal Industries Ltd
Ishikawa Prefectural Government
Sumikin Photon Ceramics Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ishikawa Prefecture, Sumitomo Metal Industries Ltd, Ishikawa Prefectural Government, Sumikin Photon Ceramics Co Ltd filed Critical Ishikawa Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 組成が均一であり、物性値が優れたムライト
質基板を製造する。 【構成】 高純度の合成カオリナイト原料を水と混合し
て泥漿化し、成形した上、1587℃を超える焼成温度
で焼成する。誘電率5.5以下、体積固有抵抗1014Ω
cm以上、曲げ強度150MPa以上、気孔率1.0%以
下で、ムライト粒子の偏折も少なく、ガラスとの共存性
にも優れたムライト質の複合焼結体を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回路基板や、ICパ
ッケージなどの電子部品材料として好適なムライト質基
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3Al2 3 ・2SiO2 の化学組成で
知られるムライトは、誘電率が6.5(1MHz)と低
く、熱膨脹係数が、室温から500℃に至る温度範囲に
おいて、4.5×10-6/℃とシリコンに近いため、シ
リコン半導体チップを直接搭載する回路基板やICパッ
ケージ用の材料として、アルミナに比べても、格段に優
れている。
【0003】かかるムライト質基板は、従来、高純度の
ムライト原料に、ガラスや金属酸化物を混合して焼成す
ることにより製造されていた。ただし、ここでいうガラ
スとしては、コージェライトやほう珪酸ガラスであり、
金属酸化物としては、MgO、CaO、TiO2 などを
挙げることができる。ガラスや金属酸化物を添加するこ
とにより、ガラスとムライトとの複合焼結体を作ること
ができ、このときは、焼結助剤を添加しなくても、低い
焼結温度により、低い誘電率と、シリコンに極めて近い
熱膨張係数とを実現することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、得られるムライト質基板は、ガラスとムライト
との複合焼結体であるために、組成の不均一性が生じ、
物性値が大きくばらつくことが避けられないという問題
があった。すなわち、このときのムライト結晶は、球状
を呈しており、そのまわりをガラスが埋めて組織を形成
するが、組織内には、多くの気孔が含まれ、ムライト粒
子の部分的な偏析も避けられないからである。
【0005】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、合成カオリナイト原料の熱分解を利用
することによって、本質的に組成が均一であり、物性値
のばらつきが極めて少ないムライト質基板の製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの発明の構成は、合成カオリナイト原料を水と混
合して泥漿化し、成形した上、1587℃を超える焼成
温度で焼成することをその要旨とする。
【0007】
【作用】この発明に使用する合成カオリナイトは、シリ
カとアルミニウム化合物とを水熱反応処理することによ
り製造することができる(たとえば、特願平3−360
28号)。
【0008】合成カオリナイトは、シリカやアルミナ以
外の不純物総量が0.3重量%以下の高純度のものであ
ることが好ましく、特にアルカリ金属酸化物は、0.1
重量%以下であることが好ましい。不純物総量が0.3
重量%以上残存していると、ムライト質基板の体積固有
抵抗が極端に低下し、誘電率も高くなる傾向があるから
である。また、ウラン含有量も、同様に、20ppb以
下であることが好ましい。
【0009】合成カオリナイトと水とを混合して泥漿化
し、スリップとして成形する際には、適当な有機バイン
ダを添加することにより、焼成時のひび割れを防ぐこと
ができる。また、成形時の水分量は、合成カオリナイト
の粒径を1μm以下にするとき、原料とバインダとの合
計重量と同量程度にするのがよい。
【0010】なお、バインダとしては、次ぎのような物
質を使用することができる。すなわち、結合剤として、
エチルセルロース、アビエチン酸レジン、ポリビニルブ
チラールなど、可塑剤として、アビエチン酸誘導体、ジ
エチルしゅう酸、ポリエチレングリコール、ポリアルキ
レングリコール、フタール酸エステル、フタール酸ジブ
チルなど、解膠剤として、グリセリン、オクタデシルア
ミン、トリクロロ酢酸、オレイン酸、オクタジエン、オ
レイン酸エチル、モノオレイン酸グリセリン、トリオレ
イン酸グリセリン、トリステアリン酸グリセリン、メン
セーデン油などである。また、溶媒は、水の他、トルエ
ン、メチルエチルケトンなどでもよい。
【0011】焼成温度は、少なくとも1587℃を超
え、好ましくは、少なくとも1600℃以上にする。カ
オリナイトは、1587℃を超える焼成温度に加熱する
と、ムライトと液相のシリカとに熱分解し、これを室温
に冷却すると、ムライトとシリカガラスとの安定な複合
組織体を形成することができるからである。
【0012】なお、焼成温度が1587℃未満である
と、組織中にクリストバライトが残存するために、冷却
の際に体積変化を伴う転移が生じ、気孔に富む粗い組織
しか得られず、組織体の機械的強度も不十分である。そ
こで、焼成温度は、余裕をみて1600℃以上にするこ
とが好ましいが、1700℃以上の余りに高い焼成温度
は不経済である。
【0013】焼成の進行は、まず、300℃から600
℃にかけてバインダなどの有機物が燃焼する。また、カ
オリナイトは、550℃付近で結晶水を放出してメタカ
オリナイトになるが、この付近では、ひび割れが発生し
易いため、昇温速度を遅くすることが好ましい。950
℃付近において、メタカオリナイトが熱分解してムライ
トと非晶質シリカとになり、950〜1400℃にかけ
て、ムライトとクリストバライトとが急速に成長し、1
587℃において、非晶質シリカは、シリカガラスとな
る。なお、950〜1600℃においては、気孔が抜け
るために、全体の寸法収縮がみられる。
【0014】1600℃においては、ムライトが液相の
シリカ中に針状に成長し、針状のムライトが網目状の組
織を作る。そこで、焼結体は、1600℃において1〜
2時間程度保持することにより、気孔率を低減させ、機
械的強度を向上させることができる。ただし、保持時間
を過大にすると、組織が粗くなり過ぎるために、機械的
強度は、却って低下する傾向がみられる。
【0015】焼成過程における昇温速度は、温度領域が
300〜600℃では、ひび割れを防ぐために、約50
℃/時程度に遅くし、その他の温度領域では、約100
℃/時程度にとることができる。焼成後の冷却は、約2
00℃/時程度でよい。
【0016】このようにして得られる焼結体は、カオリ
ナイトがAl2 3 とSiO2 との定比組成物であるた
めに、本質的に組成が均一であり、ムライトの針状結晶
がシリカガラス中に網目状に存在する強固な複合組織体
である。また、ムライト粒子の偏析も少なく、ガラスと
の共存性にも優れており、その物性値としては、誘電率
5.5以下(JIS K6911)、体積固有抵抗10
14Ωcm以上(JISK1611)、曲げ強度150MP
a以上(JIS R1601)、気孔率1.0%以下で
ある。
【0017】
【実施例】以下、実施例を説明する。
【0018】合成カオリナイト原料に水を加え、ボール
ミルによって24時間湿式粉砕し、乾燥する。ただし、
合成カオリナイト原料は、分離精製した珪藻殻にアルミ
ニウム化合物を添加し、pH調整しながら水熱処理して
製造したものであって(特願平3−36028号)、そ
の成分組成は、表1のとおりである。
【0019】
【表1】
【0020】なお、表1には、比較例として用いた天然
カオリナイト(ニュージーランドカオリン)の成分組成
についても、併せ表示してある。以下の各表についても
同様である。
【0021】また、ボールミル粉砕後の平均粒径は、合
成カオリナイトが0.52μm、天然カオリナイトが
0.47μmであった。
【0022】乾燥した原料を秤量し、水を加え、ポット
ミルで2〜3時間混合した後、バインダ等を添加し、さ
らに、ポットミルで24時間混合して泥漿化し、65メ
ッシュの篩を全通させ、真空脱泡した上、ドクタブレー
ド法によって成形した。バインダは、第一工業製薬
(株)製TB−01(ポリアクリル酸塩)を使用し、焼
成中にひび割れが生じない必要最少量を加えた。また、
離型剤として、同社製R−30(オレイン酸系)を用い
た。成形時のスリップに対するバインダ等の配合を表2
に示す。
【0023】
【表2】
【0024】成形した材料は、100℃で約3時間乾燥
した後、図1の焼成曲線に従って焼成した。
【0025】1600℃における保持時間Hを1時間、
2時間、3時間としたときの最終製品の密度、気孔率を
表3に示し、曲げ強度を表4に示す。また、誘電率(1
MHz)と体積固有抵抗とを表5に示す。ただし、表5
においては、比較のため、市販のアルミナ基板について
のデータをも併せ表示してある。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】合成カオリナイトは、ひび割れが生じない
ためには、バインダを多く必要とし、天然カオリナイト
より焼成し難いが、焼成時の収縮に異方性がなく、気孔
率1%以下の緻密な焼結体を得ることができる。天然カ
オリナイトは、焼成が容易であるが、収縮に異方性があ
り、気孔率が大きい点で合成カオリナイトに劣る。
【0030】曲げ強度は、保持時間H=2(時間)のも
のが最も優れている。
【0031】誘電率、体積固有抵抗は、いずれも、合成
カオリナイトの方が天然カオリナイトよりも優れてい
る。また、アルミナ基板に対しては、体積固有抵抗の点
で劣るが、誘電率の点で、格段に優れていることがわか
る。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、合成カオリナイトを出発原料として、泥漿化し、成
形して、1587℃を超える焼成温度で焼成することに
よって、合成カオリナイトは、それ自体がムライトとガ
ラスとの供給源として有効であり、外部からガラス成分
を添加する必要が全くないから、本質的に組成が均一で
あり、物性値のばらつきが極めて少ないムライト質基板
を工業的に容易に製造することができるという優れた効
果がある。
【0033】また、合成カオリナイトは、不純物総量が
0.3重量%以下の高純度のものが容易に得られるか
ら、低誘電率で高抵抗であり、しかも、機械的強度にも
優れた回路基板用のムライト質基板を簡単に作ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 焼成曲線を示す線図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/12 23/15 H05K 1/03 B 7011−4E (72)発明者 宮本 正規 石川県金沢市戸水町ロ1番地 石川県工業 試験場内 (72)発明者 河合 忠二 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 元山 剛 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 中村 嘉秀 石川県金沢市松村7丁目84番地 住金ホト ンセラミックス株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成カオリナイト原料を水と混合して泥
    漿化し、成形した上、1587℃を超える焼成温度で焼
    成することを特徴とするムライト質基板の製造方法。
JP3262496A 1991-10-11 1991-10-11 ムライト質基板の製造方法 Pending JPH06107455A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0689893A1 (en) 1994-06-27 1996-01-03 Fanuc Ltd. Electric discharge working method and apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0689893A1 (en) 1994-06-27 1996-01-03 Fanuc Ltd. Electric discharge working method and apparatus

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