JPH06107413A - 高純度マグネシアクリンカーの製造方法 - Google Patents
高純度マグネシアクリンカーの製造方法Info
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- JPH06107413A JPH06107413A JP4258460A JP25846092A JPH06107413A JP H06107413 A JPH06107413 A JP H06107413A JP 4258460 A JP4258460 A JP 4258460A JP 25846092 A JP25846092 A JP 25846092A JP H06107413 A JPH06107413 A JP H06107413A
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- magnesia clinker
- clinker
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 強熱減量された化学組成がMgO;99.5
重量%以上、CaO;0.3重量%以下、SiO2 ;
0.2重量%以下、Al2 O3 とFe2 O3 の合計量が
0.15重量%以下およびB2 O3 ;0.06〜0.1
2重量%の仮焼マグネシアのペレットである焼成原料か
ら化学組成がMgO;99.5重量%以上、B2 O3 ;
0.02重量%以下、かさ密度が3.40g/cm3 以
上、ペリクレース結晶の平均粒径が80μm以上のマグ
ネシアクリンカーを製造するにあたり、上記仮焼マグネ
シアのペレット個々の周囲を高温燃焼ガスを直接接触さ
せながら、2100℃以上の高温に焼成することを特徴
とする高純度マグネシアクリンカーの製造方法。 【効果】MgO;99.5%以上、B2 O3 ;0.02
%以下、かさ密度3.40g/cm3 以上であって、ペリ
クレース結晶の平均粒径が80μm以上の、きわめて耐
スラグ侵食性に優れ、しかも高温でカーボンによるマグ
ネシアの還元作用が少ない高純度マグネシアクリンカー
を安価に製造することができる。
重量%以上、CaO;0.3重量%以下、SiO2 ;
0.2重量%以下、Al2 O3 とFe2 O3 の合計量が
0.15重量%以下およびB2 O3 ;0.06〜0.1
2重量%の仮焼マグネシアのペレットである焼成原料か
ら化学組成がMgO;99.5重量%以上、B2 O3 ;
0.02重量%以下、かさ密度が3.40g/cm3 以
上、ペリクレース結晶の平均粒径が80μm以上のマグ
ネシアクリンカーを製造するにあたり、上記仮焼マグネ
シアのペレット個々の周囲を高温燃焼ガスを直接接触さ
せながら、2100℃以上の高温に焼成することを特徴
とする高純度マグネシアクリンカーの製造方法。 【効果】MgO;99.5%以上、B2 O3 ;0.02
%以下、かさ密度3.40g/cm3 以上であって、ペリ
クレース結晶の平均粒径が80μm以上の、きわめて耐
スラグ侵食性に優れ、しかも高温でカーボンによるマグ
ネシアの還元作用が少ない高純度マグネシアクリンカー
を安価に製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩基性耐火物に用いら
れて、きわめて耐スラグ浸食性がよく、しかも高温でカ
ーボンによるマグネシアの還元作用が少ないマグネシア
クリンカーの製造方法に関する。さらに、MgO純度が
99.5%以上と高く、B2 O3 が0.02%以下と低
い含有量で、しかもかさ密度が3.40g/cm3 以上、
ペリクレース結晶の平均粒径が80μm以上の大結晶ク
リンカーを安価に製造する方法に関するものである。
れて、きわめて耐スラグ浸食性がよく、しかも高温でカ
ーボンによるマグネシアの還元作用が少ないマグネシア
クリンカーの製造方法に関する。さらに、MgO純度が
99.5%以上と高く、B2 O3 が0.02%以下と低
い含有量で、しかもかさ密度が3.40g/cm3 以上、
ペリクレース結晶の平均粒径が80μm以上の大結晶ク
リンカーを安価に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マグネシアクリンカーのMgO純度が高
いほど、B2 O3 含有量が少ないほど、またかさ密度の
高いほどおよびペリクレース結晶の粒径が大きいほど、
このマグネシアクリンカーを原料として作ったれんがの
耐スラグ浸食性が優れていることは知られている。
いほど、B2 O3 含有量が少ないほど、またかさ密度の
高いほどおよびペリクレース結晶の粒径が大きいほど、
このマグネシアクリンカーを原料として作ったれんがの
耐スラグ浸食性が優れていることは知られている。
【0003】従って、従来MgOが99.3%以上で高
かさ密度で大結晶のマグネシアクリンカーを製造するに
は、例えば特公平2ー22007号公報等に示されてい
るように、焼成する前の原料段階でB2 O3 含有量を
0.05%以下にするといった方法が行われていた。し
かし、これには水酸化マグネシウムを製造するに先立っ
て、海水、苦汁またはかん水のB2 O3 をイオン交換樹
脂で除去する等のプロセスが必要であり、コスト高とな
っていた。また、例えば特公昭60−45145公報で
は、ペリクレースを大結晶とするためにZrO2 を添加
しており、MgOは99.5%以上あるものの,添加し
たZrO2 が耐スラグ浸食性を損なうという問題があっ
た。
かさ密度で大結晶のマグネシアクリンカーを製造するに
は、例えば特公平2ー22007号公報等に示されてい
るように、焼成する前の原料段階でB2 O3 含有量を
0.05%以下にするといった方法が行われていた。し
かし、これには水酸化マグネシウムを製造するに先立っ
て、海水、苦汁またはかん水のB2 O3 をイオン交換樹
脂で除去する等のプロセスが必要であり、コスト高とな
っていた。また、例えば特公昭60−45145公報で
は、ペリクレースを大結晶とするためにZrO2 を添加
しており、MgOは99.5%以上あるものの,添加し
たZrO2 が耐スラグ浸食性を損なうという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するために鋭意研究した結果、仮焼マグネシアの
ペレットから高純度マグネシアクリンカーを製造するに
あたり、上記仮焼マグネシアのペレットに独特な焼成法
を採用することにより、耐スラグ浸食性を改善すること
を見出したものである。
を解決するために鋭意研究した結果、仮焼マグネシアの
ペレットから高純度マグネシアクリンカーを製造するに
あたり、上記仮焼マグネシアのペレットに独特な焼成法
を採用することにより、耐スラグ浸食性を改善すること
を見出したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、強
熱減量された化学組成がMgO99.5重量%以上、C
aO0.30重量%以下、SiO2 0.20重量%以
下、Al2 O3 とFe2O3 の合計量が0.15重量%
以下およびB2 O3 0.06〜0.12重量%の仮焼マ
グネシアのペレット焼成原料から化学組成がMgO9
9.5重量%以上、B2 O3 0.02重量%以下、かさ
密度が3.40g/cm3 以上、ペリクレース結晶の平均
粒径が80μm以上のマグネシアクリンカーを製造する
にあたり、上記仮焼マグネシアのペレット個々の周囲を
高温燃焼ガスを直接接触させながら、2100℃以上の
高温で焼成することを特徴とする高純度マグネシアクリ
ンカーの製造方法である。
熱減量された化学組成がMgO99.5重量%以上、C
aO0.30重量%以下、SiO2 0.20重量%以
下、Al2 O3 とFe2O3 の合計量が0.15重量%
以下およびB2 O3 0.06〜0.12重量%の仮焼マ
グネシアのペレット焼成原料から化学組成がMgO9
9.5重量%以上、B2 O3 0.02重量%以下、かさ
密度が3.40g/cm3 以上、ペリクレース結晶の平均
粒径が80μm以上のマグネシアクリンカーを製造する
にあたり、上記仮焼マグネシアのペレット個々の周囲を
高温燃焼ガスを直接接触させながら、2100℃以上の
高温で焼成することを特徴とする高純度マグネシアクリ
ンカーの製造方法である。
【0006】以下、本発明を説明する。本発明の仮焼マ
グネシアのペレットである焼成原料は、次のように公知
の方法によって得ることができる。例えば、特公昭57
−31547号公報に開示されている方法で作られた精
製水酸化マグネシウム、仮焼(軽焼)マグネシアおよび
成型ブリケットは、本発明の焼成原料及びその原料とし
て適しており、充分使用することが可能である。
グネシアのペレットである焼成原料は、次のように公知
の方法によって得ることができる。例えば、特公昭57
−31547号公報に開示されている方法で作られた精
製水酸化マグネシウム、仮焼(軽焼)マグネシアおよび
成型ブリケットは、本発明の焼成原料及びその原料とし
て適しており、充分使用することが可能である。
【0007】このようにして得られた仮焼マグネシアの
ペレット焼成原料は、強熱減量された化学組成で、Mg
Oが99.5重量%以上、CaOが0.30重量%以
下、SiO2 が0.20重量%以下、Al2 O3 とFe
2 O3 の合計量が0.15重量%以下およびB2 O3 が
0.06〜0.12重量%であることが必要である。な
お、上記の強熱減量とは、試料1gを白金ルツボに秤り
とり、約1000℃で約30分間強熱し、冷却したのち
はかり、この操作をくり返して恒量になったときの減量
をいうもので(JIS R 2212−55参照)、上
記の強熱減量された化学組成とは仮焼前の重量から強熱
減量重量を差し引いた重量での化学組成を示している。
ペレット焼成原料は、強熱減量された化学組成で、Mg
Oが99.5重量%以上、CaOが0.30重量%以
下、SiO2 が0.20重量%以下、Al2 O3 とFe
2 O3 の合計量が0.15重量%以下およびB2 O3 が
0.06〜0.12重量%であることが必要である。な
お、上記の強熱減量とは、試料1gを白金ルツボに秤り
とり、約1000℃で約30分間強熱し、冷却したのち
はかり、この操作をくり返して恒量になったときの減量
をいうもので(JIS R 2212−55参照)、上
記の強熱減量された化学組成とは仮焼前の重量から強熱
減量重量を差し引いた重量での化学組成を示している。
【0008】さらに、上記焼成原料のB2 O3 の化学組
成が0.06〜0.20重量%含有していても、Na2
Oおよび/またはK2 O組成で0.05〜1.50重量
%のNa2 HCO3 、NaOH等のソーダ化合物および
/またはK2 CO3 、KHCO3 、KOH等のカリ化合
物を含有していれば、本発明の目的が達成できる。ま
た、上記仮焼マグネシアのペレットの形状は球状、角
状、アーモンド状等の何れでもよいが、大きさはその短
径が8〜50mmの範囲のものがペレット個々の周囲を
高温燃焼ガスを直接接触させる上で好適である。
成が0.06〜0.20重量%含有していても、Na2
Oおよび/またはK2 O組成で0.05〜1.50重量
%のNa2 HCO3 、NaOH等のソーダ化合物および
/またはK2 CO3 、KHCO3 、KOH等のカリ化合
物を含有していれば、本発明の目的が達成できる。ま
た、上記仮焼マグネシアのペレットの形状は球状、角
状、アーモンド状等の何れでもよいが、大きさはその短
径が8〜50mmの範囲のものがペレット個々の周囲を
高温燃焼ガスを直接接触させる上で好適である。
【0009】以上のように、ソーダ化合物および/また
はカリ化合物を添加する場合には、水酸化マグネシウム
および/または仮焼マグネシアの段階で添加する。この
ソーダ化合物および/またはカリ化合物は、焼成原料中
のB2 O3 と結合してB2 O 3 の揮発温度を低下させ
る。その結果、焼成原料中のB2 O3 は0.12%以上
あっても0.20%以下であれば、本発明で目的とする
高かさ密度のマグネシアクリンカーが得られる。また、
焼成原料中のB2 O3 が0.12%以下の場合には、ソ
ーダやカリ化合物を添加しない場合に比べて、より高い
かさ密度のクリンカーが得られる。B2 O3 は前記した
ようにクリンカーのかさ密度を高くすることにマイナス
の作用を及ぼすので、できるだけ焼結の初期の段階で除
去することが望ましい。
はカリ化合物を添加する場合には、水酸化マグネシウム
および/または仮焼マグネシアの段階で添加する。この
ソーダ化合物および/またはカリ化合物は、焼成原料中
のB2 O3 と結合してB2 O 3 の揮発温度を低下させ
る。その結果、焼成原料中のB2 O3 は0.12%以上
あっても0.20%以下であれば、本発明で目的とする
高かさ密度のマグネシアクリンカーが得られる。また、
焼成原料中のB2 O3 が0.12%以下の場合には、ソ
ーダやカリ化合物を添加しない場合に比べて、より高い
かさ密度のクリンカーが得られる。B2 O3 は前記した
ようにクリンカーのかさ密度を高くすることにマイナス
の作用を及ぼすので、できるだけ焼結の初期の段階で除
去することが望ましい。
【0010】次いで、このペレットである焼成原料の周
囲を、個々の焼成原料と高温燃焼ガスが直接接触しなが
ら流れている状態で、2100℃以上の高温で焼成する
ことが必要である。この焼成の状態は焼成原料の充填層
の中を高温ガスが流れている状態で、例えば、シャフト
キルンや特開昭55−46318号公報の焼結装置で工
業的に実施可能である。高温燃焼ガスと直接接触する焼
成方法であっても、焼成原料が堆積した状態で表面だけ
が高温ガスに接触するだけの焼成は常時高温ガスと接触
しないため、また時々接触するだけの焼成状態、例え
ば、ロータリーキルン焼成やトンネルキルンの焼成は、
ペレット個々の周囲を高温燃焼ガスを直接接触させるこ
とができないため、本発明の効果を充分に発揮できな
い。
囲を、個々の焼成原料と高温燃焼ガスが直接接触しなが
ら流れている状態で、2100℃以上の高温で焼成する
ことが必要である。この焼成の状態は焼成原料の充填層
の中を高温ガスが流れている状態で、例えば、シャフト
キルンや特開昭55−46318号公報の焼結装置で工
業的に実施可能である。高温燃焼ガスと直接接触する焼
成方法であっても、焼成原料が堆積した状態で表面だけ
が高温ガスに接触するだけの焼成は常時高温ガスと接触
しないため、また時々接触するだけの焼成状態、例え
ば、ロータリーキルン焼成やトンネルキルンの焼成は、
ペレット個々の周囲を高温燃焼ガスを直接接触させるこ
とができないため、本発明の効果を充分に発揮できな
い。
【0011】かさ密度の高いクリンカーに焼成するに
は、B2 O3 を焼成の初期段階のかさ密度がまだ低い段
階で揮発除去しなければならない。このような焼結初期
段階では、焼成原料の温度も比較的低く、B2 O3 の蒸
気圧も低い。しかし、本発明の焼成原料の周囲をガスが
常時接触しながら流れている状態では、揮発したB2 O
3 は常にガスと共に取り除かれる結果、焼結初期段階の
B2 O3 蒸気圧の低い状態でも、速やかに焼成原料から
B2 O3 を揮発除去することができる。ところが、従来
の焼成原料が堆積した状態の焼成方法では表面でのB2
O3 の揮発除去が進むが、堆積内ではB2 O3 の蒸気は
飽和状態となり、揮発除去は高温まで進まず不十分とな
る。
は、B2 O3 を焼成の初期段階のかさ密度がまだ低い段
階で揮発除去しなければならない。このような焼結初期
段階では、焼成原料の温度も比較的低く、B2 O3 の蒸
気圧も低い。しかし、本発明の焼成原料の周囲をガスが
常時接触しながら流れている状態では、揮発したB2 O
3 は常にガスと共に取り除かれる結果、焼結初期段階の
B2 O3 蒸気圧の低い状態でも、速やかに焼成原料から
B2 O3 を揮発除去することができる。ところが、従来
の焼成原料が堆積した状態の焼成方法では表面でのB2
O3 の揮発除去が進むが、堆積内ではB2 O3 の蒸気は
飽和状態となり、揮発除去は高温まで進まず不十分とな
る。
【0012】さらに、個々のペレット焼成原料の周囲を
高温燃焼ガスが直接接触しながら流れている状態で21
00℃以上の高温にすると、水蒸気分圧の高い燃焼ガス
と直接接触するためであろうと推定されるが、焼成原料
が堆積状態にありガスがその表面のみと接触している場
合と比べて、ペリクレース結晶の成長が著しく、MgO
99.5重量%以上の高純度であっても結晶の平均粒径
が80μm以上になる。
高温燃焼ガスが直接接触しながら流れている状態で21
00℃以上の高温にすると、水蒸気分圧の高い燃焼ガス
と直接接触するためであろうと推定されるが、焼成原料
が堆積状態にありガスがその表面のみと接触している場
合と比べて、ペリクレース結晶の成長が著しく、MgO
99.5重量%以上の高純度であっても結晶の平均粒径
が80μm以上になる。
【0013】また、焼成原料が焼結してかさ密度が高く
なる前にB2 O3 を揮発除去するには、できるだけ短時
間にB2 O3 の蒸気圧が高くなる温度まで焼成原料を加
熱する ことが有効である。これには、常温から180
0℃の温度範囲で15℃/分以上の昇温速度とするのが
よい。この昇温速度は、特に800℃から1600℃の
範囲がさらに好ましく、この温度域で15℃/分以上に
保つと良い結果が得られる。
なる前にB2 O3 を揮発除去するには、できるだけ短時
間にB2 O3 の蒸気圧が高くなる温度まで焼成原料を加
熱する ことが有効である。これには、常温から180
0℃の温度範囲で15℃/分以上の昇温速度とするのが
よい。この昇温速度は、特に800℃から1600℃の
範囲がさらに好ましく、この温度域で15℃/分以上に
保つと良い結果が得られる。
【0014】
【実施例】次に、実施例および比較例によって本発明を
更に詳細に説明する。なお、実施例および比較例におけ
る各試験項目の測定は、下記の測定方法によって測定し
た。 (1) 化学組成 試料を塩酸で加熱溶解した後、プラズマ発光分光分析装
置(ICPA)で分析した。 (2) かさ密度(BD) 日本学術振興会第124委員会試験法分科会提案、学振
法2.マグネシアクリンカーの見掛け気孔率(AP)、
見掛け比重(AD)及びかさ比重の測定方法によって測
定した。 (3) ペリクレース結晶の平均粒径 学振法3.マグネシアクリンカー中のペリクレースの大
きさの測定とその記載方法によって測定した。 (4) 1600℃カーボン共存下における重量減少率 耐還元性の目安として、1600℃カーボン共存下にお
けるマグネシアクリンカーの重量減少を測定した。マグ
ネシアクリンカーを破砕して、3.36〜2.00mm
の部分を約10g採取した。これらを精密に秤量した
後、市販高純度グラ ファイト粉末(純度99.9%)
4gと混合した後、カーボンるつぼに入れ、電気炉中A
r(アルゴン)雰囲気下で1600℃で3時間熱処理し
た。なお昇温および降温速度は5℃/分、Ar流量は1
00ミリリットル/分とした。熱処理後、試料は篩によ
りグラファイトと分離した後秤量され、以下の式により
重量減少率を測定した。
更に詳細に説明する。なお、実施例および比較例におけ
る各試験項目の測定は、下記の測定方法によって測定し
た。 (1) 化学組成 試料を塩酸で加熱溶解した後、プラズマ発光分光分析装
置(ICPA)で分析した。 (2) かさ密度(BD) 日本学術振興会第124委員会試験法分科会提案、学振
法2.マグネシアクリンカーの見掛け気孔率(AP)、
見掛け比重(AD)及びかさ比重の測定方法によって測
定した。 (3) ペリクレース結晶の平均粒径 学振法3.マグネシアクリンカー中のペリクレースの大
きさの測定とその記載方法によって測定した。 (4) 1600℃カーボン共存下における重量減少率 耐還元性の目安として、1600℃カーボン共存下にお
けるマグネシアクリンカーの重量減少を測定した。マグ
ネシアクリンカーを破砕して、3.36〜2.00mm
の部分を約10g採取した。これらを精密に秤量した
後、市販高純度グラ ファイト粉末(純度99.9%)
4gと混合した後、カーボンるつぼに入れ、電気炉中A
r(アルゴン)雰囲気下で1600℃で3時間熱処理し
た。なお昇温および降温速度は5℃/分、Ar流量は1
00ミリリットル/分とした。熱処理後、試料は篩によ
りグラファイトと分離した後秤量され、以下の式により
重量減少率を測定した。
【0015】 重量減少率(%)=(W0 −W1 )/W0 ×100 W0 :もとの試料重量 W1 :1600℃カーボン共存下熱処理後の重量 (5) スラグ侵入距離の測定 マグネシアクリンカーを、5〜10mmの直方体に切り
出し、各面を研磨して平滑にして測定用試料とした。白
金るつぼに下記の組成に調合した合成スラグ30gを入
れて、電気炉中1600℃で溶融させる。それと同時に
試料も同じ電気炉内で加熱して、充分時間が経過した
後、試料を溶融スラグ中に投入する。20時間経過した
後、試料を取り出し、炉外で冷却した。冷却後試料を半
分に切断、研磨した後、研磨面をEPMA(Elect
ron Probe Microanalyzer)に
より表面から内部に向かって点分析して、表面からの距
離に対する侵入したFe成分の濃度を測定した。測定に
あたり点分析は、マグネシアの粒界を避け粒内のみを測
定した。
出し、各面を研磨して平滑にして測定用試料とした。白
金るつぼに下記の組成に調合した合成スラグ30gを入
れて、電気炉中1600℃で溶融させる。それと同時に
試料も同じ電気炉内で加熱して、充分時間が経過した
後、試料を溶融スラグ中に投入する。20時間経過した
後、試料を取り出し、炉外で冷却した。冷却後試料を半
分に切断、研磨した後、研磨面をEPMA(Elect
ron Probe Microanalyzer)に
より表面から内部に向かって点分析して、表面からの距
離に対する侵入したFe成分の濃度を測定した。測定に
あたり点分析は、マグネシアの粒界を避け粒内のみを測
定した。
【0016】結果は表面からの距離に対するFeOの濃
度としてグラフにプロットした(図2参照)。これらF
eOの濃度分布において屈曲点が観察され、この屈曲点
から表面までの距離をスラグ侵入距離とした。 スラグ組成 CaO 46.1重量% SiO2 12.4重量% Fe2 O3 31.5重量% MgO 10.0重量%
度としてグラフにプロットした(図2参照)。これらF
eOの濃度分布において屈曲点が観察され、この屈曲点
から表面までの距離をスラグ侵入距離とした。 スラグ組成 CaO 46.1重量% SiO2 12.4重量% Fe2 O3 31.5重量% MgO 10.0重量%
【0017】
【実施例1】脱炭酸した海水に、Mgイオンの当量に対
して6当量%過剰の水酸化カルシウムスラリーを添加し
て、水酸化マグネシウムスラリーを得た。これをあらか
じめ溶存しているSiO2 を除いた洗浄水で洗浄した
後、濾過、乾燥後、900℃で仮焼して、酸化マグネシ
ウム粉末を得た。次に、この粉末をpH=3以下の酸性
水溶液中で水和、洗浄してCa成分を除き、水酸化マグ
ネシウムスラリーを得た。さらに、これを濾過、乾燥
後、得られたケーキを900℃で仮焼して、酸化物換算
で表1の組成を有する酸化マグネシウム粉末Aを得た。
次に、この粉末をブリケットマシンで長径40mm、短
径24mm、厚み20mmのアーモンド状に成型して、
かさ密度1.8g/cm3 のペレットを得た。
して6当量%過剰の水酸化カルシウムスラリーを添加し
て、水酸化マグネシウムスラリーを得た。これをあらか
じめ溶存しているSiO2 を除いた洗浄水で洗浄した
後、濾過、乾燥後、900℃で仮焼して、酸化マグネシ
ウム粉末を得た。次に、この粉末をpH=3以下の酸性
水溶液中で水和、洗浄してCa成分を除き、水酸化マグ
ネシウムスラリーを得た。さらに、これを濾過、乾燥
後、得られたケーキを900℃で仮焼して、酸化物換算
で表1の組成を有する酸化マグネシウム粉末Aを得た。
次に、この粉末をブリケットマシンで長径40mm、短
径24mm、厚み20mmのアーモンド状に成型して、
かさ密度1.8g/cm3 のペレットを得た。
【0018】これらペレットは焼成炉において2300
℃で焼成された。この時の昇温過程を図1に示す。燃焼
ガスはペレットの間を下部から上方に向かって流れ、個
々のペレットはガス流の中に置かれている。冷却して得
られたクリンカーの物性および1600℃カーボン共存
下における蒸発量、およびスラグ侵入距離の測定結果を
表2に示す。
℃で焼成された。この時の昇温過程を図1に示す。燃焼
ガスはペレットの間を下部から上方に向かって流れ、個
々のペレットはガス流の中に置かれている。冷却して得
られたクリンカーの物性および1600℃カーボン共存
下における蒸発量、およびスラグ侵入距離の測定結果を
表2に示す。
【0019】
【実施例2】脱炭酸した海水に、Mgイオンに対して当
量の水酸化カルシウムスラリーを添加して、水酸化マグ
ネシウムスラリーを得た。これ以後実施例1と同様に精
製を行い、表1に示す組成を有する酸化マグネシウム粉
末Bを得た。この酸化マグネシウム粉末BにK2 CO3
粉末を、酸化物換算で0.7重量%添加混合してから成
型する以外は実施例1と同様にして焼成した。冷却して
得られたクリンカーの物性および1600℃カーボン共
存下における重量減少率測定結果を表2に示す。
量の水酸化カルシウムスラリーを添加して、水酸化マグ
ネシウムスラリーを得た。これ以後実施例1と同様に精
製を行い、表1に示す組成を有する酸化マグネシウム粉
末Bを得た。この酸化マグネシウム粉末BにK2 CO3
粉末を、酸化物換算で0.7重量%添加混合してから成
型する以外は実施例1と同様にして焼成した。冷却して
得られたクリンカーの物性および1600℃カーボン共
存下における重量減少率測定結果を表2に示す。
【0020】
【実施例3】実施例1において、酸化マグネシウム粉末
AにNa2 CO3 粉末を、酸化物換算で、0.4重量%
添加混合してから成型する他は、全く同様の方法で行っ
た。冷却して得られたクリンカーの物性および1600
℃カーボン共存下における重量減少率測定結果を表2に
示す。
AにNa2 CO3 粉末を、酸化物換算で、0.4重量%
添加混合してから成型する他は、全く同様の方法で行っ
た。冷却して得られたクリンカーの物性および1600
℃カーボン共存下における重量減少率測定結果を表2に
示す。
【0021】
【比較例1】実施例1で用いたペレットを、マグネシア
製るつぼに充填して蓋をした後、LPG−O2 炉を用い
て2200℃まで4時間の昇温速度で昇温した後、1時
間同じ温度で焼成した。この時、昇温過程において80
0℃から1600℃の温度範囲に1時間滞留した。冷却
して得られたクリンカーの物性および1600℃カーボ
ン共存下における重量減少率測定結果を表2に示す。
製るつぼに充填して蓋をした後、LPG−O2 炉を用い
て2200℃まで4時間の昇温速度で昇温した後、1時
間同じ温度で焼成した。この時、昇温過程において80
0℃から1600℃の温度範囲に1時間滞留した。冷却
して得られたクリンカーの物性および1600℃カーボ
ン共存下における重量減少率測定結果を表2に示す。
【0022】
【比較例2】実施例1で用いたペレットを、ロータリー
キルンを用いて、最高温度2100℃で焼成した。この
時ペレットの加熱速度は、1800℃まで4.5時間で
あった。冷却して得られたクリンカーの物性および16
00℃カーボン共存下における重量減少率測定結果を表
2に示す。
キルンを用いて、最高温度2100℃で焼成した。この
時ペレットの加熱速度は、1800℃まで4.5時間で
あった。冷却して得られたクリンカーの物性および16
00℃カーボン共存下における重量減少率測定結果を表
2に示す。
【0023】
【比較例3】実施例1において、酸化マグネシウムAに
純度99%以上の酸化カルシウム粉末を添加混合して、
CaO含有量を0.5%とした後、成型、焼成は実施例
1と同様に行った。冷却して得られたクリンカーの物性
および1600℃カーボン共存下における重量減少率測
定結果を表2に示す。
純度99%以上の酸化カルシウム粉末を添加混合して、
CaO含有量を0.5%とした後、成型、焼成は実施例
1と同様に行った。冷却して得られたクリンカーの物性
および1600℃カーボン共存下における重量減少率測
定結果を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、MgO9
9.5%以上、B2 O3 0.02%以下、かさ密度3.
40g/cm3以上であって、ペリクレース結晶の平均
粒径が80μm以上の、きわめて耐スラグ侵食性に優
れ、しかも高温でカーボンによるマグネシアの還元作用
が少ないマグネシアクリンカーを安価に製造することが
できる。
9.5%以上、B2 O3 0.02%以下、かさ密度3.
40g/cm3以上であって、ペリクレース結晶の平均
粒径が80μm以上の、きわめて耐スラグ侵食性に優
れ、しかも高温でカーボンによるマグネシアの還元作用
が少ないマグネシアクリンカーを安価に製造することが
できる。
【図1】本発明の実施例1,2,3および比較例3にお
ける焼成時の昇温過程を示す図である。
ける焼成時の昇温過程を示す図である。
【図2】本発明の実施例1および比較例3におけるスラ
グ侵入距離測定のためのFeO(重量%)と表面からの
距離(μm)との関係を示す図である。
グ侵入距離測定のためのFeO(重量%)と表面からの
距離(μm)との関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、MgO9
9.5%以上、B2O30.02%以下、かさ密度3.
40g/cm3以上であって、ペリクレース結晶の平均
粒径が80μm以上の、きわめて耐スラグ侵食性に優
れ、しかも高温でカーボンによるマグネシアの還元作用
が少ないマグネシアクリンカーを安価に製造することが
できる。
9.5%以上、B2O30.02%以下、かさ密度3.
40g/cm3以上であって、ペリクレース結晶の平均
粒径が80μm以上の、きわめて耐スラグ侵食性に優
れ、しかも高温でカーボンによるマグネシアの還元作用
が少ないマグネシアクリンカーを安価に製造することが
できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1,2,3および比較例3にお
ける焼成時の昇温過程を示す図である。
ける焼成時の昇温過程を示す図である。
【図2】本発明の実施例1および比較例3におけるスラ
グ侵入距離測定のためのFeO(重量%)と表面からの
距離(μm)との関係を示す図である。
グ侵入距離測定のためのFeO(重量%)と表面からの
距離(μm)との関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 強熱減量された化学組成がMgO99.
5重量%以上、CaO0.30重量%以下、SiO
2 0.20重量%以下、Al2 O3 とFe2 O3の合計
量が0.15重量%以下およびB2 O3 0.06〜0.
12重量%の仮焼マグネシアのペレット焼成原料から化
学組成がMgO99.5重量%以上、B2O3 0.02
重量%以下、かさ密度が3.40g/cm3 以上、ペリク
レース結晶の平均粒径が80μm以上のマグネシアクリ
ンカーを製造するにあたり、上記仮焼マグネシアのペレ
ット個々の周囲を高温燃焼ガスを直接接触させながら、
2100℃以上の高温で焼成することを特徴とする高純
度マグネシアクリンカーの製造方法。 - 【請求項2】 2100℃以上の高温で焼成するさい
に、常温から1800℃の高温まで、15℃/分以上の
速度で昇温することを特徴とする請求項1記載の高純度
マグネシアクリンカーの製造方法。 - 【請求項3】 仮焼マグネシアのペレット焼成原料がB
2 O3 0.06〜0.20重量%含有し、Na2 Oおよ
び/またはK2 O組成で0.05〜1.50重量%のN
a2 CO3 、NaHCO3 、NaOH等のソーダ化合物
および/またはK2 CO3 、KHCO3 、KOH等のカ
リ化合物を含有していることを特徴とする請求項1記載
の高純度マグネシアクリンカーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4258460A JPH06107413A (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 高純度マグネシアクリンカーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4258460A JPH06107413A (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 高純度マグネシアクリンカーの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06107413A true JPH06107413A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17320536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4258460A Pending JPH06107413A (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 高純度マグネシアクリンカーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06107413A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013047176A (ja) * | 2007-03-01 | 2013-03-07 | Ube Material Industries Ltd | 塩素含有酸化マグネシウム粉末 |
CN112094125A (zh) * | 2020-09-22 | 2020-12-18 | 武汉科技大学 | 一种低导热低热膨胀镁基原料及其制备方法 |
-
1992
- 1992-09-28 JP JP4258460A patent/JPH06107413A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013047176A (ja) * | 2007-03-01 | 2013-03-07 | Ube Material Industries Ltd | 塩素含有酸化マグネシウム粉末 |
CN112094125A (zh) * | 2020-09-22 | 2020-12-18 | 武汉科技大学 | 一种低导热低热膨胀镁基原料及其制备方法 |
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