JP2568825B2 - ジルコニア含有マグネシアクリンカ−及びその製造方法 - Google Patents

ジルコニア含有マグネシアクリンカ−及びその製造方法

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JP2568825B2 JP61117402A JP11740286A JP2568825B2 JP 2568825 B2 JP2568825 B2 JP 2568825B2 JP 61117402 A JP61117402 A JP 61117402A JP 11740286 A JP11740286 A JP 11740286A JP 2568825 B2 JP2568825 B2 JP 2568825B2
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幸雄 加藤
国彦 丹生
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宇部化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はジルコニアを含有するマグネシアクリンカー
に関するもので、取鍋用の耐火ライニング材やその他の
各種の製鉄、製鋼用の耐火材の原料となるものである。
さらに、従来使用されているマグネシアクリンカーよ
りもポーリング性が優れた耐火物が得られ、又、従来の
ジルコニア含有マグネシアクリンカーよりも優れた耐ス
ラグ浸食性を有する耐火物の原料となるものである。
[従来の技術] ジルコニア(ZrO2)を含有するマグネシアは、特開昭
51−34911号、GB1368955及びGB1413985に示されるよう
に、耐スラグ浸食性及び耐スポーリング性が優れている
が、これら従来の耐火物はZrO2の含有量が少なく、耐ス
ラグ浸食性と耐スポーリング性がまだ十分ではなかっ
た。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、従来のZrO2含有マグネシア耐火物より耐ス
ラグ浸食性および耐スポーリング性が一層向上したZrO2
含有マグネシア耐火物を提供しようとするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決するための本発明の構成は、化学組
成が、重力基準で、MgO+ZrO298%以上、MgO68〜93%、
ZrO25〜30%、その他2%以下で、かつ、CaO2%以下、F
e2O30.5%以下、Al2O30.5%以下、SiO20.5%以下、B2O3
0.1%以下であり、更に、相対密度が85%以上であるジ
ルコニア含有マグネシアクリンカーであり、その製造法
はZrO2又は、加熱によってZrO2となるジルコニウム又は
ジルコニウム塩を添加した水酸化マグネシウムを軽焼す
るか、又は軽焼マグネシアにZrO2又は加熱によってZrO2
になるジルコニウム塩を混合し、MgO+ZrO2が98%以上
になるように組成調整したものを圧縮成型した後、1800
℃以上の温度で焼成してクリンカーにする方法である。
上記組成において、ジルコニアは5%より少ないと耐
スラグ浸食性、耐スポーリング性が共に十分ではなく、
30%を越えるとかえって、耐スラグ浸食性が悪くなる。
ジルコニアは、立方晶でマグネシア結晶の粒界に存在し
ている。
また、通常含まれるその他の不純物すなわちCaO、SiO
2、Al2O3、Fe2O3、B2O3の合計は2%以下である。
CaOの含有量は多いと問題が多く、2%以下とされ
る。
Al2O3、Fe2O3等が多いと障害が大きくなるので各々0.
5%以下であることが必要である。
SiO2の含有量が多いと粒界の珪酸塩の量が多くなり、
この珪酸塩を通ってスラグが粒の深部にまで侵入するた
めに耐スラグ浸食性が悪くなる。そのためにSiO2含有量
はできるだけ少ないことが望ましく、0.5%以下である
ことが必要である。
B2O3も耐スラグ浸食性と耐スポーリング性に悪い影響
を持つので0.1%以下であることが必要である。
CaO/SiO2のモル比が2より低い場合には、熱間におけ
る強度が弱くなるので、2以上であることが好ましい。
MgOの含有量はZrO2および通常含まれる上記不純物の
許容範囲から必然的に決定される範囲であって、68%よ
り少ないとジルコニア含有マグネシアクリンカーとして
の特性がなくなり、93%を越えても特性の向上はあまり
期待できない。
このようなマグネシアクリンカーの製造方法は、例え
ば比表面積が5〜30m2/g、MgO含有量が97%以上の軽焼
マグネシアに、平均粒径が0.3〜40μのジルコニアの粉
末を混合し、上述のごとく組成調整し、ブリケットマシ
ンで成型した後、ロータリーキルンで1800℃以上の温度
で焼成する。あるいは水酸化マグネシウムの含水ケーク
に、ジルコニアの粉末を混合組成調整した後、800℃〜1
200℃の温度で軽焼して、ブリケットマシンで成型した
後、ロータリーキルンで1800℃以上の温度で焼成して製
造することもできる。
[実施例] 以下、実施例と比較例によって、本発明を具体的に説
明する。
実施例1から4及び比較例 化学組成がMgO97.8%、CaO1.38%、SiO20.24%、Fe2O
30.06%、Al2O30.07%、B2O30.08%、灼熱減量0.37%
で、比表面積が23m2/gの軽焼マグネシアに、ZrO2+HfO2
98%以上で、平均粒径が0.5μのジルコニアを、実施例
1では6%、実施例2では10%、実施例3では20%、実
施例4では30%、比較例では添加せず各成分を良く混合
した。
この混合物をブリケットマシンで長径35mm、短径23m
m、厚さ約8mmのアーモンド型に加圧成型し、この成型体
をロータリーキルンで1980℃で焼成した。
こうして得られたクリンカーの化学組成、冷間物性と
相対密度、高温スラグ中での重量損失及びスポーリング
テストの結果を表1に示す。
嵩比重の測定は、学振法2「マグネシアクリンカーの
見掛け気孔率、見掛け比重及び嵩比重の測定方法」によ
って測定した。
相対密度はマグネシアの真比重3.58、立方晶ジルコニ
アの真比重を6.10として、クリンカーの真比重は、この
両者の化学組成比で計算した。
高温スラグ中での重量損失はマグネシアクリンカーか
ら約5gになるように立方形の試料片を切り出し、1590℃
の電気炉に入れ、同温度に予熱し、予め30mlの白金ルツ
ボに入れて同炉内で溶融してある約30gの同温度のスラ
グ中に投入する。同温度で4時間静置したのち、試料を
ルツボから取り出し、同炉内のレンガの上に5分間置い
て、付着したスラズを流し落したのち炉外に取り出して
冷却する。この試料の反応前後の重量差より重量損失量
を求めスラグ浸食の尺度とした。
使用したスラグはCaO43.2%、SiO238.6%、Fe2O318.2
%、CaO/SiO2モル比1.2である。
スポーリングテストは、まず、このマグネシアクリン
カーを粉砕、整粒し、3.36〜0.25mmの粒60%、0.25mm以
下の微粉40%とし、20℃における硫酸マグネシウムの飽
和溶液5%を混練して、25mm×25mm×150mmの形状に、1
T/cm2の圧力で加圧成型して試料とする。
この成型体試料をガス炉で、最高温度1800℃で2時間
保持した、この試料を欧州連合規格(PRE)の「耐火れ
んが及び耐火断熱れんがのスポーリング試験方法、1.水
冷法」R5(1)−77に従って加熱、冷却を繰返し、試験
片が割れるまでの冷却回数で示した。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のジルコニア含有マグネ
シアクリンカーは耐スラグ浸食性が大であり、かつ、こ
のクリンカーを用いた耐火物は耐スポーリング性が大き
い。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学組成が重量基準で、MgO+ZrO298%以
    上、MgO68〜93%、ZrO25〜30%、その他2%以下で、か
    つCaO2%以下、Fe2O30.5%以下、Al2030.5%以下、SiO2
    0.5%以下、B2O30.1%以下であり、更に、相対密度が85
    %以上であるジルコニア含有マグネシアクリンカー。
  2. 【請求項2】モル比でCaO/SiO2が2以上である特許請求
    の範囲第(1)項記載のジルコニア含有マグネシアクリ
    ンカー。
  3. 【請求項3】ZrO2又は、加熱によってZrO2となるジルコ
    ニウム又はジルコニウム塩を添加した水酸化マグネシウ
    ムを軽焼するか、又は、軽焼マグネシアにZrO2又は加熱
    によってZrO2になるジルコニウム塩を混合し、MgO+ZrO
    2が98%以上になるように組成調整したものを圧縮成型
    した後、1800℃以上の温度で焼成することを特徴とする
    下記ジルコニア含有マグネシアクリンカーの製造方法。 化学組成が重量基準で、MgO+ZrO298%以上、MgO68〜93
    %、ZrO25〜30%、その他2%以下で、かつ、CaO2%以
    下、Fe2O30.5%以下、Al2O30.5%以下、SiO20.5%以
    下、B2O30.1%以下であり、更に、相対密度が85%以上
    であるジルコニア含有マグネシアクリンカー。
JP61117402A 1986-05-23 1986-05-23 ジルコニア含有マグネシアクリンカ−及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2568825B2 (ja)

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