JPH0940473A - 不定形耐火物用カルシア・マグネシアクリンカーおよびその製造方法 - Google Patents

不定形耐火物用カルシア・マグネシアクリンカーおよびその製造方法

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JPH0940473A
JPH0940473A JP7211378A JP21137895A JPH0940473A JP H0940473 A JPH0940473 A JP H0940473A JP 7211378 A JP7211378 A JP 7211378A JP 21137895 A JP21137895 A JP 21137895A JP H0940473 A JPH0940473 A JP H0940473A
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cao
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calcia
mgo
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JP7211378A
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Kunio Matsui
松井久仁雄
Kazuhiro Nishikoi
和浩 西肥
Toshihiro Isobe
利弘 礒部
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Ube Chemical Industries Co Ltd
Harima Ceramic Co Ltd
Original Assignee
Ube Chemical Industries Co Ltd
Harima Ceramic Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 化学組成が灼熱基準で表して、MgO+
CaO97.0重量%以上、CaO 10重量%以上、
30重量%以下、Al230.5重量%以上、3.0重
量%以下、Al23/CaOの重量比が0.05以上で
あり、クリンカーの表面を構成する酸化物が主として酸
化マグネシウムと1種以上の水溶性塩類より成ることを
特徴とする不定形耐火物用カルシア・マグネシアクリン
カーとその製造方法。 【効果】 この新規カルシア・マグネシアクリンカ
ーは、不定形施工に耐えられる高い耐消化性を有し、そ
の性能はキャスタブルに施工した時に顕著に発揮され
る。さらに比較的純度が高く高嵩密度であることから、
高い耐スラグ性が要求される取鍋スラグラインの不定形
化を可能にするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不定形耐火物原料と
して適する耐消化性に優れたカルシア・マグネシアクリ
ンカーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年製鋼炉用耐火物は、築炉の省力化お
よび築炉環境改善のために吹き付け、流し込み材(キャ
スタブル)に代表される不定形耐火物が広く使用される
ようになってきた。特に取鍋では、アルミナ−スピネル
質、アルミナ−マグネシア質の不定形耐火物が広く普及
している。一方、鋼の高級化および連続鋳造等の操業の
合理化への志向から、操業温度の高温化、溶鋼処理時間
の延長、あるいは取鍋精練法の導入が行われ、使用され
る耐火物は過酷な条件下にさらされるようになってきて
いる。このため取鍋のスラグラインに相当する部位は、
高い耐スラグ溶損性が要求されるため、MgO−Cr2
3質あるいはMgO−C質の塩基性定形耐火物が使用
されている。これらスラグラインにおいても不定形化の
要求は強いが、高耐食性を有し、かつ不定形施工時に消
化しない耐火物原料が存在しないため、スラグラインの
不定形化さらには全面流し込み施工は大きな課題として
残されている。
【0003】MgO−CaO質クリンカーは、耐食性、
耐スラグ浸潤性に優れているので、スラグライン用耐火
物として好適である。しかしながらCaOの持つ高い消
化性のため、不定形施工に耐えられるクリンカーは得ら
れていないのが現状である。CaOを主な構成成分とす
るクリンカーの消化性を改善する方法として、従来か
ら、Fe23、Al23、SiO2、TiO2、CaF2
等の不純物を添加焼成する方法、およびCaOの表面を
炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの耐水和層で被
覆する方法が行われている。たとえば特開昭62−18
2137ではCaOを10%以上含有する高純度なMg
O−CaO原料にAl23を0.2〜2.0%添加した
後焼成して耐消化性を高めている。耐水和層を形成する
方法として、特許登録1578806では、クリンカー
のCaO表面を炭酸化して耐消化性を向上させている。
また特公平3−71385では生石灰含有クリンカーの
リン酸カルシウム塩類から成る保護層で被覆して高い耐
消化性を得ている。さらに特開平5−294713で
は、不純物としてTiO2とFe23を調整後、焼成し
て得たクリンカーをリン酸および酸性リン酸塩溶液で処
理して高い耐消化性を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開昭6
2−182137および特許登録1578806の方法
は、カルシアの消化性の改良を保存性、および取扱いに
主眼をおいたものであり、本発明が目指すところの不定
形用途、すなわち水と混練され高温の水蒸気に晒される
キャスタブルを想定したものでない。従ってその耐消化
性の到達レベルも低い。特公平3−71385の方法で
は、キャスタブル用途を想定しているもののその耐消化
性のレベルは低く、キャスタブル用クリンカーとしては
不十分である。また表面処理剤を多量に使用しているた
め、耐食性の低下が懸念される。特開平5−29471
3において、不定形用途に耐えられる高い耐消化性を持
ったクリンカーが得られているが、乾燥もしくは養生条
件下のキャスタブル中ではさらに過酷な条件に晒される
ことが予想され、未だ耐消化性は十分とは言えない。本
発明の目的は、カルシアの本来持っている優れた耐熱性
を損なうことなしに、キャスタブル施工を想定した高い
耐消化性を有するカルシア・マグネシアクリンカー、お
よびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長時間に
わたり高温、高水蒸気圧下に置かれたキャスタブル耐火
物の挙動に着目して研究を行った。その結果、ある化学
組成の下でクリンカー表面に存在するCaO粒子を溶解
除去あるいは水溶性の化合物に変化させることにより、
クリンカーの耐消化性を著しく向上させ、それを用いた
キャスタブル耐火物は高温、高水蒸気圧下に長時間置か
れても安定であることを見出した。これらクリンカーは
実炉における不定形施工にも十分適応可能であることを
確認し、さらにこれらの製造方法を確立して発明を完成
するに至った。その構成は特許請求の範囲に記載の通り
である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のキャスタブル用カルシア
・マグネシアクリンカーは、化学組成が灼熱基準で表し
て、 MgO+CaO 97.0重量%以上、 CaO 10重量%以上、30重量%
以下、 Al23 0.5重量%以上、3.0重
量%以下、 Al23/CaOの重量比が0.05以上であり、クリ
ンカーの表面が、主として酸化マグネシウムと1種以上
の水溶性化合物より成ることを特徴としている。
【0007】ここでクリンカー部分のMgO+CaO
は、97.0重量%以上であることが必要である。これ
以下ではMgOおよびCaOが本来持っている耐火性、
耐食性が発揮できない。本発明の大きな特徴はクリンカ
ー表面にCaOが存在しないことである。この様な構造
を達成するためには、CaO相はクリンカー中において
不連続相でなければならない。この様な組織を達成する
ためには、CaO量は10重量%以上、30重量%以下
が必要であり、好ましくは10重量%以上、25重量%
以下である。10重量%以下ではCaOの耐スラグ浸透
性および不定形施工時の熱間強度等が低下してCaOの
特性が消失する。また30重量%以上ではCaO粒子が
連続相を形成して、クリンカー表面のCaO粒子のみを
除去することが困難になり、本発明の目的とする高い耐
消化性を得ることができない。
【0008】本発明においてAl23は重要な構成成分
であり、CaOと化合することにより強固な耐水和層を
形成する。生成したAl23−CaO系の耐水和層はC
aOとMgOの粒界に存在して著しく耐消化性を高め
る。さらにこれら粒界に生成した耐水和層は、本発明の
大きな特徴であるクリンカー表面からのCaO粒子のみ
の除去という画期的な工程を可能とする。すなわち、C
aO粒子をクリンカー表面から除去する際に使用する酸
あるいは塩を含む水溶液からMgO粒子を守る役目を果
たす。従って、一定量のAl23の添加があって初めて
クリンカーになんら影響を与えずにCaO粒子を表面か
ら除去することが可能になる。これらのことからAl2
3は0.5重量%以上、3.0重量%以下が必要であ
り、好ましくは1.0重量%以上、2.0重量%以下で
ある。0.5重量%以下では本発明の高い耐消化性は得
られない。さらにAl23の含有量が3.0重量%を越
すと耐火性が低下してCaOの持っている優れた特性が
失われるだけでなく耐消化性も低下する。ここでAl2
3とCaOの重量比は特に重要であり、Al23/C
aOは重量比で表して、0.05以上必要である。これ
以下では十分な耐消化性は得られない。
【0009】その他不純物として存在するSiO2、F
23、B23は、キャスタブル施工体中では有害な成
分である。すなわちSiO2は0.25重量%以下、F
23は0.2重量%以下、B23は0.1重量%以下
が好ましい。
【0010】本発明において、嵩密度は相対密度で表し
て96%以上が好ましく、さらに好ましくは97%以上
である。これ以下では耐消化性が低下するばかりでな
く、耐火物としての強度も劣化する。
【0011】本発明において、クリンカーの表面は酸化
マグネシウムと1種以上の水溶性化合物より成ることを
特徴としている。この組織は後に述べる製造方法におい
て、クリンカー表面からのCaO粒子の除去により達成
される。MgOはCaOに比べて高い耐消化性を有する
ことは自明であり、この様な組織がキャスタブルとして
良好な耐消化性を発揮すると言える。さらに特殊な表面
処理剤を用いていないため、MgOおよびCaOの持つ
特性を十分に発揮できるクリンカーと言える。CaO粒
子が除去されたクリンカー表面には、酸化物以外の化合
物として1種以上の水溶性化合物が存在することも本発
明の大きな特徴である。ここで水溶性化合物としては、
塩化カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、
塩化マグネシウム、塩化アンモニウム等である。これら
水溶性化合物は耐消化性を悪化させるものではなく、逆
に耐消化性を向上させる効果を有するものもあることが
本発明者により見出された。ただしキャスタブルに配合
するバインダーの種類によっては除いた方が好ましい場
合もある。
【0012】本発明の不定形耐火物用カルシア・マグネ
シアクリンカーは、 a)水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムをスラリー
状態で混合して得られた混合物、あるいはこれら混合物
を濾過、乾燥、軽焼して得られた粉体に、アルミニウム
化合物をスラリー状態で、あるいは乾燥状態下で混合し
た後焼成して、化学組成が灼熱基準で表して、 MgO+CaO 97.0重量%以上、 CaO 10重量%以上、30重量%
以下、 Al23 0.5重量%以上、3.0重
量%以下、 Al23/CaOの重量比が0.05以上となるクリン
カーを生成し、 b)得られたクリンカーを酸あるいは塩を含む水溶液に
接触させ、表面に存在する酸化カルシウム粒子を除去あ
るいは水溶性化合物に変化させた後に乾燥することによ
り製造される。
【0013】原料の1つである水酸化マグネシウムは、
海水に生石灰等のアルカリを反応させて得ることができ
る。この時得られる水酸化マグネシウムは酸化物換算
で、MgOとして98重量%以上の高純度であることが
好ましい。さらに液体サイクロン等により粗粒を除いて
おくことが好ましい。
【0014】他の原料である水酸化カルシウムは、生石
灰を消和して得ることができる。得られた水酸化カルシ
ウムは酸化物換算で、CaOとして99重量%以上の高
純度であることが好ましい。さらに水酸化マグネシウム
と同様に粗粒を除いておくことが好ましい。
【0015】これら水酸化マグネシウムと水酸化カルシ
ウムをスラリー状態で混合され、得られた混合物にアル
ミニウム化合物が添加される。この時混合スラリーに水
溶性アルミニウム化合物を添加混合するか、混合スラリ
ーを濾過、乾燥、軽焼して得られた粉体にアルミニウム
化合物を添加混合する。軽焼した混合粉体にアルミニウ
ム化合物を添加する場合、用いるアルミニウム化合物は
平均粒径が5μm以下の微細な酸化アルミニウム粉末で
あることが好ましい。
【0016】アルミニウム化合物を添加した混合物は、
必要ならば濾過、乾燥、軽焼した後に、焼成される。焼
成にあたっては焼結性向上の目的から、ブリケットマシ
ン等で成型することが好ましい。これら粉体あるいは成
形体は、1800℃以上の温度で焼成される。焼成はロ
ータリーキルン等を使用することができる。
【0017】これら焼成により得られたクリンカーを、
酸あるいは塩を含む水溶液に接触させることにより、ク
リンカー表面に存在する酸化カルシウム粒子が溶解除去
される。使用する酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢
酸、リン酸等が使用できる。また塩を含む水溶液として
は塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウ
ム、酢酸マグネシウム等の水溶液、さらにはCaイオン
が溶解する溶液ならばすべて使用可能である。ただし、
クリンカー表面のMgO粒子までも溶解する溶液を用い
ると、クリンカーの耐消化性は著しく低下する。すなわ
ち使用する酸としては、弱酸または稀薄な酸が好まし
い。また酸と塩を2種以上含む緩衝液も良好な結果を与
える。
【0018】クリンカーを酸あるいは塩を含む水溶液に
接触する方法としては、クリンカーを溶液中に浸漬する
方法、あるいは水溶液をクリンカーに噴霧または滴下混
合する方法、いずれも使用可能である。
【0019】表面のCaO粒子が除去されたクリンカー
は、そのままであるいは水洗された後に乾燥される。先
に述べたように、使用する酸あるいは塩の種類によって
は表面に酸化マグネシウム粒子の他に水溶性化合物が形
成される。これらの化合物がキャスタブルに施工時にア
ルミナセメントの硬化遅延あるいは強度劣化を引き起こ
す可能性がある場合、クリンカーは水洗された後に乾燥
されることが好ましい。またリン酸のような難溶性カル
シウム化合物を形成する酸を用いた場合でも、乾燥前に
水洗浄することにより容易に除去が可能である。
【0020】以上の工程を経て、不定形施工に耐えられ
る高い耐消化性を持ち、かつ高耐火性、高嵩密度の本発
明のカルシア・マグネシア系クリンカーを製造すること
ができる。本発明における種々の測定方法は下記の通り
である。
【0021】(1)相対密度(RD) カルシアの理論密度を3.345g/cm3、マグネシ
アを3.581g/cm3として以下の式により求め
た。
【数1】RD(%)=BD/ρ×100 ここで ρ=100/(WC/3.345+WM/3.581) ただし、WC:MgO+CaO=100%とした時のC
aOの重量% WM:MgO+CaO=100%とした時のMgOの重
量% BD:日本学術振興会第124委員会で提案された学振
法2「マグネシアクリンカーの見掛け気孔率、見掛け比
重及び嵩比重の測定法」に準じて測定したカルシア・マ
グネシア系クリンカーの嵩比重の値。
【0022】(2)化学組成 試料をディスクミルを用いて約10μm以下に微粉砕し
た後、0.5gを正確に計り取る。これらを塩酸で加熱
溶解して250mlに希釈する。これら試料溶液をアル
ゴンプラズマ発光分光分析装置にて、MgO、CaO、
SiO2、Fe23、Al23、B23の各成分を分析
した。さらに1000℃における灼熱減量をそれら分析
値に加え、ほぼ100%になることを確かめたうえで、
以上6成分をもって100%に換算した。
【0023】(3)耐消化性(134℃) 日本学術振興会第124委員会で提案された学振法7
「ドロマイトクリンカーの消化性試験方法(案)(II)オ
ートクレーブによる方法、に準じて測定した。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ具
体的に説明する。
【0025】実施例1 海水に水酸化カルシウムを反応させて得たスラリーを、
液体サイクロンを用いて精製して水酸化マグネシウムス
ラリーを得た。さらに生石灰を消和して得たスラリーを
液体サイクロンを用いて精製して水酸化カルシウムスラ
リーを得た。これら2種のスラリーをMgO:CaOが
重量比で80:20になる様に混合後、濾過してケーク
を得た。これを解砕した後、900℃で軽焼を行い焼成
用原料粉体を得た。これら粉体に平均粒径が1μmの酸
化アルミニウム粉末を焼成用原料粉体に対して重量比で
1.5%添加混合した後に、ブリケットマシンを用いて
アーモンド状に成型した。これら成型体をロータリーキ
ルンを用いて1800℃で焼成してクリンカーを得た。
【0026】これらクリンカーをステンレス製のカゴに
入れて、10%リン酸水溶液に30秒浸漬した後、取り
出してすぐに十分に水洗を行った後に110℃で1時間
乾燥した。この時クリンカー中に残留しているリンの濃
度を測定したところ、P25として0.03%であっ
た。これらクリンカーの化学組成、物性および耐消化性
を測定した結果を表1に示す。
【0027】さらにキャスタブル乾燥時における耐消化
性を比較するために、表3の配合比でキャスタブルを作
成し、30×30×120mmの金型に流し込んだ。こ
れらを相対湿度85%、温度20℃の下で24時間養生
した後に脱型し、得られたブロックをオートクレーブ中
130℃の条件下で20時間保持した。冷却後オートク
レーブ処理前後の寸法変化を測定し、以下の式で線変化
率を測定した。測定結果は表1に示す。
【0028】
【数2】 線変化率(%)=(L1−L0)/L0×100 L0:オートクレーブ処理前長さ L1:オートクレーブ処理後長さ このクリンカーの表面の電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0029】実施例2 実施例1において焼成後の未処理クリンカーを、0.1
N塩酸溶液に30秒浸漬した後に、取り出して十分に水
洗を行い110℃で1時間乾燥してクリンカーを得た。
これらクリンカーについて化学組成、物性および耐消化
性を測定した結果を表1に示す。さらに実施例1と同じ
条件で測定したキャスタブル線変化率を同じく表1に示
す。
【0030】実施例3 実施例1において焼成後の未処理クリンカーに対して、
0.5%酢酸水溶液を5重量%添加して十分に混合し
た。これらクリンカーを水洗せずに110℃で1時間乾
燥してクリンカーを得た。これらクリンカーについて化
学組成、物性および耐消化性を測定した結果を表1に示
す。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル
線変化率を同じく表1に示す。このクリンカーの表面の
電子顕微鏡写真を図2に示す。
【0031】実施例4 実施例1において焼成後の未処理クリンカーを、5%塩
化マグネシウム水溶液に30秒浸漬した後に、取り出し
て十分に水洗を行い110℃で1時間乾燥してクリンカ
ーを得た。これらクリンカーについて化学組成、物性お
よび耐消化性を測定した結果を表1に示す。さらに実施
例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変化率を同じ
く表1に示す。
【0032】比較例1 実施例1において、リン酸水溶液に浸漬する前のクリン
カーを、なんら処理を施さずに試験試料として用いた。
これらクリンカーについて化学組成、物性および耐消化
性を測定した結果を表2に示す。さらにこのクリンカー
を用いて、実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル
線変化率を同じく表2に示す。このクリンカーの表面の
電子顕微鏡写真を図3に示す。
【0033】比較例2 実施例1において、リン酸水溶液に浸漬する前のクリン
カーを、700℃に加熱してCO2ガスと1時間接触さ
せ、CaO粒子表面にCaCO3層を形成させた。これ
らクリンカーについて化学組成、物性および耐消化性を
測定した結果を表2に示す。さらに実施例1と同じ条件
で測定したキャスタブル線変化率を同じく表2に示す。
【0034】比較例3 海水に水酸化カルシウムを反応させて得たスラリーを、
液体サイクロンを用いて精製して水酸化マグネシウムス
ラリーを得た。さらに生石灰を消和して得たスラリーを
液体サイクロンを用いて精製して水酸化カルシウムスラ
リーを得た。これら2種のスラリーをMgO:CaOが
重量比で80:20になる様に混合後、濾過してケーク
を得た。これを解砕した後、900℃で軽焼を行い焼成
用原料粉体を得た。これら粉体に平均粒径が1μmの酸
化アルミニウム粉末を焼成用原料粉体に対して重量比で
0.5%添加混合した後に、ブリケットマシンを用いて
アーモンド状に成型した。これら成型体をロータリーキ
ルンを用いて1800℃で焼成してクリンカーを得た。
【0035】これらクリンカーをステンレス製のカゴに
入れて、10%リン酸水溶液に30秒浸漬した後、取り
出してすぐに十分に水洗を行った後に110℃で1時間
乾燥してクリンカーを得た。この時クリンカー中に残留
しているリンの濃度を測定したところ、P25として
0.02%であった。これらクリンカーについて化学組
成、物性および耐消化性を測定した結果を表2に示す。
さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変
化率を同じく表2に示す。
【0036】比較例4 海水に水酸化カルシウムを反応させて得たスラリーを、
液体サイクロンを用いて精製して水酸化マグネシウムス
ラリーを得た。さらに生石灰を消和して得たスラリーを
液体サイクロンを用いて精製して水酸化カルシウムスラ
リーを得た。これら2種のスラリーをMgO:CaOが
重量比で60:40になる様に混合後、濾過してケーク
を得た。これを解砕した後、900℃で軽焼を行い焼成
用原料粉体を得た。これら粉体に平均粒径が1μmの酸
化アルミニウム粉末を焼成用原料粉体に対して重量比で
2.0%添加混合した後に、ブリケットマシンを用いて
アーモンド状に成型した。これら成型体をLPGと酸素
を熱源とする静置型の焼成炉を用いて1800℃で焼成
してクリンカーを得た。
【0037】これらクリンカーをステンレス製のカゴに
入れて、10%リン酸水溶液に30秒浸漬した後、取り
出してすぐに十分に水洗を行った後に110℃で1時間
乾燥してクリンカーを得た。この時クリンカー中に残留
しているリンの濃度を測定したところ、P25として
0.05%であった。これらクリンカーについて化学組
成、物性および耐消化性を測定した結果を表2に示す。
さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブル線変
化率を同じく表2に示す。
【0038】比較例5 FeSO4をFe23換算でMgOに対して0.5重量
%含む海水に、水酸化カルシウムを反応させて得たスラ
リーを、液体サイクロンを用いて精製して水酸化マグネ
シウムスラリーを得た。さらに生石灰を消和して得たス
ラリーを液体サイクロンを用いて精製して水酸化カルシ
ウムスラリーを得た。これら2種のスラリーをMgO:
CaOが重量比で75:25になる様に混合後、さらに
TiO2を酸化物重量換算で1%添加し、乾燥、成型し
た。これら成型体をLPGと酸素を熱源とする焼成炉を
用いて1800℃で焼成してクリンカーを得た。これら
クリンカーをステンレス製のカゴに入れて、10%リン
酸溶液に30秒浸漬した後、水切りを行い水による洗浄
は行わずそのままで110℃で1時間乾燥した。これら
クリンカーについて化学組成、物性および耐消化性を測
定した結果を表2に示す。なおここで、TiO2の分析
は、他の成分と同様にアルゴンプラズマ発光分光分析装
置を用いて行った。この場合7成分をもって100%と
した。さらに実施例1と同じ条件で測定したキャスタブ
ル線変化率を同じく表2に示す。なおこのクリンカーの
表面は難溶性のリン酸マグネシウムとリン酸カルシウム
で覆われており、リンの含有量はクリンカーに対してP
25として0.57重量%であった。
【0039】◇
【表1】
【0040】◇
【表2】
【0041】◇
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明の不定形耐火物用カルシア・マグ
ネシアクリンカーは、著しく高い耐消化性を有してお
り、特にその性能は不定形施工を行った時に発揮され
る。さらになんら特殊な表面処理剤を含まないため、十
分な耐火度と耐食性が要求されかつ従来キャスタブル施
工が不可能であった取鍋スラグラインへの適応を可能に
するものである。さらに本発明の不定形耐火物用カルシ
ア・マグネシア系クリンカーは、本発明の製造方法によ
れば、工業的規模で容易に製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のクリンカーの表面の電子顕微鏡写真
である。
【図2】実施例3のクリンカーの表面の電子顕微鏡写真
である。
【図3】比較例1のクリンカーの表面の電子顕微鏡写真
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 礒部 利弘 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学組成が灼熱基準で表して、 MgO+CaO 97.0重量%以上、 CaO 10重量%以上、30重量%
    以下、 Al23 0.5重量%以上、3.0重
    量%以下、 Al23/CaOの重量比が0.05以上であり、クリ
    ンカーの表面が主として酸化マグネシウムと1種以上の
    水溶性化合物より成ることを特徴とする不定形耐火物用
    カルシア・マグネシアクリンカー。
  2. 【請求項2】クリンカーの表面が主として酸化マグネシ
    ウムから成ることを特徴とする請求項1に記載の不定形
    耐火物用カルシア・マグネシアクリンカー。
  3. 【請求項3】a)水酸化マグネシウムと水酸化カルシウ
    ムをスラリー状態で混合して得られた混合物、あるいは
    これら混合物を濾過、乾燥、軽焼して得られた粉体に、
    アルミニウム化合物をスラリー状態で、あるいは乾燥状
    態下で混合した後焼成して、 化学組成が灼熱基準で表して、 MgO+CaO 97.0重量%以上、 CaO 10重量%以上、30重量%
    以下、 Al23 0.5重量%以上、3.0重
    量%以下、 Al23/CaOの重量比が0.05以上となるクリン
    カーを生成し、 b)得られたクリンカーを酸あるいは塩を含む水溶液に
    接触させ、表面に存在する酸化カルシウム粒子を除去あ
    るいは水溶性化合物に変化させた後に乾燥することを特
    徴とする不定形耐火物用カルシア・マグネシアクリンカ
    ーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012031051A (ja) * 2010-07-08 2012-02-16 Ube Material Industries Ltd 複合アルカリ土類金属酸化物

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