JPH06106670A - 透明ガスバリアフィルム - Google Patents
透明ガスバリアフィルムInfo
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- JPH06106670A JPH06106670A JP4256563A JP25656392A JPH06106670A JP H06106670 A JPH06106670 A JP H06106670A JP 4256563 A JP4256563 A JP 4256563A JP 25656392 A JP25656392 A JP 25656392A JP H06106670 A JPH06106670 A JP H06106670A
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Abstract
ア性に優れた酸化マグネシウム・酸化硅素系ガスバリア
フィルムを提供することにある。 【構成】 プラスチックフィルムの少なくとも片面に、
酸化マグネシウム・酸化硅素系薄膜が形成されたガスバ
リアフィルムにおいて、該薄膜内の酸化マグネシウムの
比率が3重量%以上80重量%以下であって、該薄膜の
比重と薄膜内の酸化マグネシウム組成比率との関係をD
=0.011A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸
化マグネシウムの重量%)という関係式で表す時、該薄
膜の比重を、1.6≦b≦2.3であらわされる範囲内
とすることによって、ガスバリア性に優れ、また、屈曲
性の高い、総合的に実用特性のすぐれた酸化マグネシウ
ム・酸化硅素系ガスバリアフィルムを提供できる。
Description
特性に優れた食品、医薬品、電子部品等の気密性を要求
される包装材料、または、ガス遮断材料として優れた特
性を持つフィルムに関するものである。
は、プラスチックフィルム上にアルミニウムを積層した
もの、塩化ビニリデンやエチレンビニールアルコール共
重合体をコーティングしたものが知られている。また、
無機薄膜を利用したものとしては、酸化珪素、酸化アル
ミニウム薄膜等を積層したものが知られている。
バリア性フィルムは、次のような課題を有していた。ア
ルミニウム積層品は、経済性、ガスバリア性の優れたも
のではあるが、不透明なため、包装時の内容物が見え
ず、また、マイクロ波を透過しないため電子レンジの使
用ができない。塩化ビニリデンやエチレンビニールアル
コール共重合体をコーティングしたものは、水蒸気、酸
素等のガスバリア性が十分でなく、特に高温処理におい
てその低下が著しい。また、塩化ビニリデン系について
は、焼却時の塩素ガスの発生等があり、地球環境への影
響も懸念されている。一方、内容物が見え、電子レンジ
の使用が可能なガスバリアフィルムとして、特公昭51
−48511号に、合成樹脂体表面にSix Oy (例え
ばSiO2 )を蒸着したガスバリアフィルムが提案され
ているが、ガスバリア性の良好なSiOx 系(x=1.
3〜1.8)は、やや褐色を有しており、透明ガスバリ
アフィルムとしては、不十分なものである。
としたものとして(特開昭61−297137)に見ら
れるようなものもえられているが、水蒸気バリア性は優
れているが、酸素バリア性が不十分である。更に耐屈曲
性の問題があり、その取り扱いに注意を要するものであ
る。このように、充分な酸素バリア性と水蒸気バリア性
を兼ね備え、高度の屈曲性をもつ無色透明ガスバリアフ
ィルムはないのが現状である。
に優れ、かつ、耐屈曲性の高いガスバリアフィルムを提
供せんとするものである。すなわち、本発明は、プラス
チックフィルムの少なくとも片面に、酸化マグネシウム
・酸化硅素薄膜を主たる成分とする薄膜が形成されたガ
スバリアフィルムにおいて、該薄膜内に酸化マグネシウ
ムの比率が3重量%以上、80重量%以下であって、該
薄膜の比重が下記式を満足することを特徴とするガスバ
リアフィルム。 D=0.011A+b 但し D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化マグネシウム
の重量% 1.6≦b≦2.3 である。
有機高分子を溶融押出しをして、必要に応じ、長手方
向、および、または、幅方向に延伸、冷却、熱固定を施
したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ポリ
エチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイロ
ン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニー
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全
芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリッフェニレン
スルフィド、ポリフェニレンオキサイドなどがあげられ
る。また、これらの(有機重合体)有機高分子は他の有
機重合体を少量共重合をしたり、ブレンドしたりしても
よい。
剤、例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤などが添加されていてもよく、その透明度は
特に限定するものではないが、透明ガスバリアフィルム
として使用する場合には、50%以上の透過率をもつも
のが好ましい。本発明のプラスチックフィルムは、本発
明の目的を損なわない限りにおいて、薄膜層を積層する
に先行して、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電
処理、その他の表面粗面化処理を施してもよく、また、
公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されていて
もよい。本発明のプラスチックフィルムは、その厚さと
して5〜500μmの範囲が好ましく、さらに好ましく
は8〜300μmの範囲である。
グネシウムと酸化硅素の混合物、あるいは化合物等とか
ら成り立っていると考えられる。ここでいう酸化マグネ
シウムとは、Mg,MgO,MgO2 等の各種マグネシ
ウム酸化物の混合物から成り立ち、酸化マグネシウム内
での各々の含有率等は作成条件で異なる。酸化珪素と
は、 Si,SiO,SiO2 等から成り立っていると
考えられ、これらの比率も作成条件で異なる。本発明に
おける該薄膜の酸化マグネシウムの比率としては、3重
量%以上、80重量%以下であって、好ましくは5重量
%以上、70重量%以下である。また、この成分中に、
特性が損なわれない範囲で微量(全成分に対して高々3
%まで)の他成分を含んでもよい。該薄膜の厚さとして
は、特にこれを限定するものではないが、ガスバリア性
及び可尭性の点からは、50〜5000Åが好ましく、
更に好ましくは、70〜3000Åである。
膜の作成には、真空蒸着法、スパッタ−法、イオンプレ
−テイングなどのPVD法(物理蒸着法)、あるいは、
CVD法(化学蒸着法)などが適宜用いられる。例え
ば、真空蒸着法においては、蒸着源材料としてMgOと
SiO2 やMgOとSiの混合物等が用いられ、また、
加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビ
−ム加熱等を用いることができる。また、反応性ガスと
して、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添
加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を用い
てもよい。また、基板にバイアス等を加えたり、基板温
度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明の目的を損
なわない限りに於て、作成条件を変更してもよい。スパ
ッタ−法やCVD法等のほかの作成法でも同様である。
本発明品は、そのままで使用されてもよいが、他の有機
高分子のフィルム、または薄層をラミネートまたはコー
ティングして使用してもよい。
体積を占める物質の質量と、それと同体積の標準物質の
質量(4℃における水)との比をいう。比重の測定は、
通常物体の質量と体積を測り、同体積の4℃の水の質量
との比を求めればよいが、本発明の薄膜の測定では、体
積の測定が困難である。そこで、まず基板から薄膜をは
がす、あるいは、基板のみを溶解することにより、薄膜
のみからなる単独膜の状態としたのちに、(JIS K
7112)にあるような比重測定法を用いることが望ま
しい。例えば、浮沈法では、試料を比重既知の溶液の中
に浸せきさせ、その浮沈状態から薄膜の比重を測定する
ことができる。この溶液としては、四塩化炭素とブロモ
ホルム、または、ヨウ化メチレンなどの混合液を用いる
ことができる。また、連続的な密度勾配をもつ溶液中に
単独膜を浸積させる密度勾配管法によっても比重の値を
測定できる。
が、薄膜中の酸化マグネシウムの重量%との関係を、D
=0.011A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸
化マグネシウムの重量%)という式で示すとき、bの値
が 1.6よりも小さい領域のときには、酸化マグネシ
ウム・酸化硅素薄膜の構造が粗雑となり、充分なガスバ
リア性が得られない。また、該薄膜の比重の値が、b値
で、2.3よりも大きい領域の場合、成膜後の初期ガス
バリア特性は優れているものの、膜が硬くなりすぎ、機
械特性、特にゲルボ特性が劣り、処理後のガスバリア性
の低下が大きくなり、ガスバリアフィルムとしての使用
に適していない。以上の理由からガスバリアフィルムと
して好ましい酸化マグネシウム・酸化硅素薄膜の比重
は、該薄膜の比重と薄膜内の酸化マグネシウム組成比率
との関係をD=0.011A+b(D:薄膜の比重、
A:薄膜中の酸化マグネシウムの重量%)という関係式
であらわす時、bの値で1.6から2.3であり、更に
好ましくは1.7から2.2である。
粒子状のMgO(純度99.5%)とSiO2 (純度9
9.9%)を用い、電子ビ−ム蒸着法で、12μm厚の
PETフィルム(東洋紡績(株):E5100)上に酸
化マグネシウム・酸化硅素系薄膜(約400A厚)の形
成を行った。蒸着材料は、混合せずに、ハ−ス内をカ−
ボン板で2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃(以
下EB銃)を用い、MgOとSiO2 のそれぞれを時分
割で加熱した。その時のEB銃のエミッション電流は1
〜2Aとし、MgOとSiO2 への加熱比を5:10〜
30:10と変え、組成を変化させた。又、フィルム送
り速度は、膜厚が一定となるように変化させたが、酸素
ガスの供給量は、130ccM、チルロ−ル冷却温度
は、−10℃一定とした。(これらの成膜条件を表1に
まとめて示す。)
比重をPETフィルムを溶解したのち、浮沈法で測定し
た。更に、このPET上の複合膜に対し、また、厚さ4
0μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィル
ム)を二液硬化型ポリウレタン系接着剤(厚さ2μm)
を用いて、ドライラミネ−トして、本発明応用の包装用
プラスチックフィルムを得た。この包装用フィルムの酸
素、水蒸気バリア性及び、ゲルボ処理を施したのち酸
素、水蒸気バリア性を測定した。
測定装置(モダンコントロールズ社製 OX−TRAN
100)を用いて測定した。 ・水蒸気透過率の測定方法 作成したガスバリアフィルムの水蒸気透過率を水蒸気透
過度テスタ−(リッシ−社製 L80−4000型)を
用いて測定した。 ・耐屈曲疲労性(以下ゲルボ特性)のテスト方法 耐屈曲疲労性は、いわゆるゲルボフレックステスター
(理学工業(株) 社製)を用いて評価した。条件として
は(MIL−B131H)で112inch×8inc
hの試料片を直径3(1/2)inchの円筒状とし、
両端を保持し、初期把持間隔7inchとし、ストロー
クの3(1/2)inchで、400度のひねりを加え
るものでこの動作の繰り返し往復運動を40回/min
の速さで、20℃、相対湿度65%の条件下で行った。
このようにして測定した酸素透過率は、1.0cc前後と
非常に優秀であった。さらに500回ゲルボ試験後の結
果も、1cc以下の上昇に留まり、総合特性の優れたガス
バリアフィルムが得られた。(表1)
明ガスバリア薄膜の作成を行なった。この時の成膜条件
としては加熱比を10:10とし組成を変化させた以外
は実施例1と同様とした。得られたサンプルに対して、
比重測定およびボイル処理、または、ゲルボ処理後の酸
素バリア性を測った。その結果、処理後のバリア特性が
劣化し不良となった。(表1)
粒子状のMgO(純度99.5%)とSiO2 (純度9
9.9%)を用い、EB蒸着法で、12μm厚のPET
フィルム(東洋紡績(株):E5100)上に酸化マグ
ネシウム酸化硅素薄膜の形成を行った。蒸着材料は混合
せずに、ハ−ス内をカ−ボン板で2つに仕切り、加熱源
として一台EB銃を用いて、MgOとSiO2 のそれぞ
れを時分割で加熱した。その時のEB銃のエミッション
電流を0.8〜2.5Åと変化させ、MgOとSiO2
への加熱比は、5:10〜20:10と変え、組成を変
化させた。フィルム送り速度は、10〜200m/mi
nと変化させ、200〜1500Å厚の膜を作った。
又、蒸気圧は、酸素ガスの供給量を10〜500ccM
と変えること等で、1×10-5〜2×10-3Torrま
で変え、チルロ−ルの冷却温度も−20〜70度まで変
えた。このようにして得られた膜の比重をPETフィル
ムを溶解したのち、測定した。以下(実施例1)と同様
にして、包装用フィルムを作り、酸素、水蒸気バリア性
を測定した。このようにして測定した酸素透過率は、
1.0cc前後と非常に優秀であった。さらに500回ゲ
ルボ試験後の結果も、2〜3cc前後の上昇に留まり、総
合特性の優れたガスバリアフィルムが得られた。(表
2、3)
ウム・酸化硅素系透明ガスバリア薄膜の作成を行ない、
得られたサンプルに対して、比重測定および酸素、水蒸
気バリア性、または、ゲルボ処理後のバリア性を測っ
た。その結果、酸素、水蒸気バリア性、あるいは、ゲル
ボ特性のいずれかが不十分なものになった。(表2、
3)
とMgO(純度99.99%)の角状のチップを用い、
高周波スパッタ−法で、24μm厚のPETフィルム
(東洋紡績(株):E5001)上に酸化マグネシウム
・酸化硅素系薄膜の作成を行なった。組成は、タ−ゲッ
ト上にのせるMgOチップの面積を帰ることで変化させ
た。フィルム送り速度を0.3〜1m/minと変化さ
せ、150〜1000Å厚の膜を作った。アルゴンガス
及び、酸素ガスの供給量を変え酸化雰囲気、スパッタ−
時の真空圧を変化させた。真空圧は、1〜100mTo
rr、スパッタ−電力1〜8KWとした。このようにし
て得られた膜の比重を測定したのち、(実施例1)と同
様に包装用フィルムを作り、酸素、水蒸気バリア、ある
いは、ゲルボ特性を測定した。(表4)
マグネシウム・酸化硅素系透明ガスバリア薄膜の作成を
行ない、得られたサンプルに対して、比重測定および酸
素、水蒸気バリア性、または、ゲルボ処理後のバリア性
を測った。その結果、酸素、水蒸気バリア性、あるい
は、ゲルボ特性のいずれかが不十分なものになった。
(表3)
に、酸化マグネシウム・酸化硅素系薄膜が形成されたガ
スバリアフィルムにおいて、該薄膜内の酸化マグネシウ
ムの比率が3重量%以上80重量%以下であって、該薄
膜の比重と薄膜内の酸化マグネシウム組成比率との関係
をD=0.011A+b(D:薄膜の比重,A:薄膜中
の酸化マグネシウムの重量%)という関係式で表す時、
該薄膜の比重を、1.6≦b≦2.3であらわされる範
囲内とすることによって、ガスバリア性に優れ、また屈
曲性の高い、総合的に実用特性のすぐれた酸化マグネシ
ウム・酸化珪素系ガスバリアフィルムを提供できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
に、酸化マグネシウム・酸化硅素薄膜を主たる成分とす
る薄膜が形成されたガスバリアフィルムにおいて、該薄
膜内に酸化マグネシウムの比率が3重量%以上、80重
量%以下であって、該薄膜の比重が下記式を満足するこ
とを特徴とする透明ガスバリアフィルム。 D=0.011A+b 但し D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化マグネシウム
の重量% 1.6≦b≦2.3 - 【請求項2】 請求項1記載の薄膜層上に、ヒ−トシ−
ル層がもうけられている透明ガスバリアフィルム。
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---|---|---|---|
JP25656392A JP3266211B2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 透明ガスバリアフィルム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25656392A JP3266211B2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 透明ガスバリアフィルム |
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JPH06106670A true JPH06106670A (ja) | 1994-04-19 |
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JP25656392A Expired - Fee Related JP3266211B2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 透明ガスバリアフィルム |
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---|---|---|---|---|
JP2012158820A (ja) * | 2011-02-02 | 2012-08-23 | Mitsubishi Materials Corp | 薄膜の製造方法及び薄膜形成用の共蒸着用蒸着材、該方法により得られる薄膜、該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート |
-
1992
- 1992-09-25 JP JP25656392A patent/JP3266211B2/ja not_active Expired - Fee Related
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