JPH0610638U - 液封入式防振マウント - Google Patents

液封入式防振マウント

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JPH0610638U
JPH0610638U JP5553492U JP5553492U JPH0610638U JP H0610638 U JPH0610638 U JP H0610638U JP 5553492 U JP5553492 U JP 5553492U JP 5553492 U JP5553492 U JP 5553492U JP H0610638 U JPH0610638 U JP H0610638U
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bolt
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fitting
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幸夫 高島
政嗣 高岡
和平 大谷
恒夫 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液封入式防振マウントにおいて、液室の下方
に空気室を形成する椀状取付金具と、該取付金具に取付
けられるボルトとの取付強度を向上させ、かつ上記空気
室の気密性を確保する。 【構成】 防振マウントの上記取付金具7にセレーショ
ン10を有するボルト11を圧入により貫通して設ける
と共に、上記ボルト11の頭部12と取付金具7との間
隙、ならびに上記ボルトの貫通部13の間隙に、嫌気性
ジメタクリレート樹脂15を夫々充填せしめた構成を特
徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は自動車のエンジン等の振動発生体を防振的に支承するのに用いる液封 入式防振マウントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
振動に対する減衰機能は容積可変の室内に封入した液体により坦持させ、一方 、振動絶縁性は液体封入のための室壁を形成するゴム弾性体からなる防振基体に よって坦持させ、低周波振動に対する減衰係数が大きく、かつ高周波振動に高い 絶縁性を有する特性を持つ液封入式防振マウントは従来から知られており、例え ば特開昭61−45130号公報によって開示されている。
【0003】 かかる防振マウントは、筒状本体金具の上部開口部にゴム弾性体からなる防振 基体を、下部開口部にシール状態にダイヤフラムを夫々取着せしめて液室を形成 すると共に、該液室をオリフィスを備えた仕切板にて分割し、一方、上記本体金 具の下端部に椀状の取付金具を取着せしめてダイヤフラムとの間に空気室を形成 してなる構造を有している。そして防振基体と取付金具には、エンジン又は車体 取付用のボルトが夫々上下に突出して設けられており、防振基体のものは、接触 面積を大にして設けられたボルト基部のアンカー部が該防振基体に加硫接着され 、また、取付金具のものは該取付金具の底部外側に通常溶接により固着されてい る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで近年に至り、エンジン等の被支承物が大型化する傾向があり、それら の重量が増大した場合、上記ボルトの締付力は強いものが要求される。ボルトの 軸力を高めるには、ハイテンションボルトを用いることが考えられるが、この場 合特に前記取付金具において、ハイテンションボルトとの溶接ではおくれ破壊が 起こる可能性がある。
【0005】 この点を解消するために採用されているのが、頭部下方にセレーションを有し たボルトを、該ボルトのセレーションに対応するよう上記取付金具に設けた孔に 圧入する方法であり、これによればボルトの取付金具に対する取付を強いものと することができる。 しかしながら、上記圧入によるボルトの取付にあっては、取付金具とダイヤフ ラムとで構成する空気室の気密性を保つことができず、そのため、ボルトと取付 金具との界面にゴムを加硫接着したり、空気室密閉用の椀状の別金具を取付金具 内側に挿入したりする必要があり、それに要する工数,部品等はマウント自体を 少なからずコスト高なものとしていた。
【0006】 本考案は叙上の如き実状に対処すべくなされたものであり、特に取付金具のボ ルト廻りに新規な構成を見出すことにより、マウント空気室の気密性を確保する と共に、上記工数,部品等を要さずに低コストで防振マウントを製造することを 目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、上記目的に適合する本考案の液封入式防振マウントの特徴は、筒状本体 金具の防振基体とダイヤフラムの間に液室を設けて、該液室をオリフィスを備え た仕切板により分割すると共に、本体金具の下端部に椀状取付金具を取着せしめ てダイヤフラムとの間に空気室を形成してなる防振マウントにおいて、上記取付 金具に、頭部下方にセレーションを有するボルトを圧入により貫通して設けると 共に、上記ボルトの頭部と取付金具との間隙ならびに上記貫通部の間隙に、嫌気 性ジメタクリレート樹脂を夫々充填せしめたところにある。
【0008】
【作用】
上記構成を有する本考案液封入式防振マウントにおいては、前記従来のゴム加 硫接着によるシール、あるいは空気室密閉用カバー金具を用いる必要がなく、ボ ルト頭部下面とセレーションのローレット部とに前記嫌気性ジメタクリレート樹 脂を予め塗布し、このボルトを取付金具に圧入するとの極めて簡便な方法によっ て、取付金具とダイヤフラムとで構成する空気室の気密性を確保することが可能 で、これによりマウントの製造コストを著しく低廉ならしめると共に、さらに、 上記樹脂が硬化することによって、ボルトの取付金具に対する取付強度も同時に 確保して外部からの強い締付力に対しても充分対応することが可能である。 さらに、上記嫌気性ジメタクリレート樹脂は、硬化した後は、水,不凍液、あ るいはエンジンオイル等にも冒されず、上記防振マウントに製造当初の特性を永 く維持させることが可能である。
【0009】
【実施例】
以下、更に添付図面を参照して、本考案実施例の液封入式防振マウントを説明 する。
【0010】 図1は実施例防振マウントを示す断面図であり、該マウントは、筒状の本体金 具(1)の上部開口部に、ゴム弾性体からなりアンカープレート付ボルト(9) を有する防振基体(2)を加硫接着すると共に、該金具(1)の下部開口部に、 ゴム膜からなるダイヤフラム(3)をシール状態に取着せしめて液室(4)を形 成している。この液室(4)はオリフィス(5)を備えた仕切板(6)によって 、上記オリフィス(5)により連通する主液室(4a)と副液室(4b)とに分 割されている。また、上記本体金具(1)下端部には椀状の取付金具(7)が取 着されて、上記ダイヤフラム(3)とで空気室(8)を形成している。
【0011】 一方、このマウントは車体やエンジンの取付部との締付力を確保するために、 取付金具(7)側においては、頭部(12)の下方にセレーション(10)を有 するハイテンションボルト(11)が、該ボルトのセレーションに対応すべく穿 設された取付金具(7)の孔に圧入により貫設されている。 そして、本考案においては、同図に示す如く、上記ボルト頭部(12)と取付 金具(7)との間隙に、そして、ボルト(11)と取付金具(7)の孔が嵌合し ている貫通部(13)の間隙に、夫々嫌気性ジメタクリレート樹脂(15)を充 填せしめた構成を有している。上記嫌気性ジメタクリレート樹脂(15)として は、例えばロックタイト社製ドライロック等が一例として挙げられる。また、上 記樹脂(15)の充填の方法としては、図2に示す如く、ボルト(11)の頭部 (12)裏面と上記セレーション(10)のローレット部(14)とに、ドライ コーティングあるいは焼付け加工等により予め塗布しておき、この塗布済のボル ト(11)を図1に示す如く取付金具(7)の孔に圧入すると、上記貫通部(1 3)の間隙と、ボルト頭部(12)下方の間隙とに夫々、上記嫌気性ジメタクリ レート樹脂(15)の持つ独特の可塑性により、該樹脂(15)が自動的に気密 に充填される。
【0012】 しかして上記の如く、ボルト(11)と取付金具(7)の結合部に嫌気性ジメ タクリレート樹脂(15)を充填せしめた本考案実施例の防振マウントにおいて は、ボルト(11)の所定部位に上記樹脂(15)を塗布してこれを圧入すると の極めて簡便な方法よって、取付金具(7)とダイヤフラム(3)とで形成する 空気室(8)の気室性を確保することが可能で、従来のゴム加硫によるものや、 密閉用金具を用いたものに比べ、格段の低工数・低コストにてマウントを製造す ることが可能となる。 そして、上記本考案実施例の防振マウントでは、軸力の高いボルトを取付金具 にセレーション嵌合により圧入し、しかも上記樹脂(15)の硬化も加わること から、車体やエンジン取付部に対し強い締付力で取着することが可能であると共 に、空気室が上記のように気密性を保たれてなるため、100Hz以上の高周波 数域の絶対ばね定数を有効に低減させることが可能である。また、この実施例の 防振マウントでは、上記空気室(8)のボルト締結後の耐圧(水)力は、常温で 5kg/cm2 以上を確保することができ、さらに上記嫌気性ジメタクリレート樹脂 (15)は、硬化後は、水,不凍液、あるいはエンジンオイル等にも冒されるこ とがなく、防振マウントに製造当初の特性を永く維持させることが可能である。
【0013】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の液封入式防振マウントは、筒状本体金具の下端 部に取着され、ダイヤフラムとで液室下方に空気室を形成するマウントの取付金 具に、セレーションを有するボルトを圧入により貫通して設けると共に、上記ボ ルトの頭部と取付金具との間隙ならびに上記ボルト貫通部の間隙に、嫌気性ジメ タクリレート樹脂を夫々充填せしめたものであり、ボルト頭部下面とセレーショ ンのローレット部とに上記樹脂を塗布し、このボルトを取付金具に圧入するとの 極めて簡便な方法によって、上記空気室の気密性を完全に確保することが可能で 、これにより、従来気密性保持に要した工数や部品を省略して該マウントの製造 コストを著しく低廉ならしめると共に、セレーションを用いた圧入と硬化した樹 脂とによりボルトの取付強度も同時に確保して外部からの強い締付トルクにも充 分対応し、さらに、耐久性に優れる上記樹脂により、上記防振マウントに製造当 初の特性を長期に亘り維持させる等、優れた多くの効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の液封入式防振マウントを示す断
面図である。
【図2】本考案実施例マウントにおけるボルトの嫌気性
ジメタクリレート樹脂の塗布範囲を示す拡大正面図であ
る。
【符号の説明】
(1) 本体金具 (2) 防振基体 (3) ダイヤフラム (4) 液室 (5) オリフィス (6) 仕切板 (7) 取付金具 (8) 空気室 (9) アンカープレート付ボルト (10) セレーション (11) セレーション付ボルト (12) ボルト頭部 (13) 貫通部 (14) ローレット部 (15) 嫌気性ジメタクリレート樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大谷 和平 愛知県西加茂郡三好町大字打越字生賀山3 番地 東洋ゴム工業株式会社自動車部品技 術センター内 (72)考案者 鎌田 恒夫 愛知県西加茂郡三好町大字打越字生賀山3 番地 東洋ゴム工業株式会社自動車部品技 術センター内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状本体金具の上部開口部にゴム弾性体
    からなる防振基体を、下部開口部にゴム膜からなるダイ
    ヤフラムを、夫々シール状態に取着せしめて液室を形成
    すると共に、該液室をオリフィスを備えた仕切板にて分
    割し、かつ上記本体金具の下端部に椀状の取付金具を取
    着せしめて、上記ダイヤフラムとの間に空気室を形成し
    てなる液封入式防振マウントにおいて、上記取付金具
    に、頭部下方にセレーションを有するボルトを圧入によ
    り貫通して設けると共に、上記ボルトの頭部と取付金具
    との間隙ならびに上記貫通部の間隙に、嫌気性ジメタク
    リレート樹脂を夫々充填せしめたことを特徴とする液封
    入式防振マウント。
JP5553492U 1992-07-14 1992-07-14 液封入式防振マウント Expired - Lifetime JP2568225Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005093284A1 (ja) * 2004-03-29 2005-10-06 Toyo Tire & Rubber Co. Ltd. 液封入式防振装置
US7810797B2 (en) 2006-01-31 2010-10-12 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid filled vibration damping device and method of producing the same
CN109578703A (zh) * 2018-12-14 2019-04-05 敏实汽车技术研发有限公司 一种电池箱水冷板用的带密封性能压铆水管接头

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