JPH06106285A - ねじ転造加工用の工作物保持装置 - Google Patents

ねじ転造加工用の工作物保持装置

Info

Publication number
JPH06106285A
JPH06106285A JP14952991A JP14952991A JPH06106285A JP H06106285 A JPH06106285 A JP H06106285A JP 14952991 A JP14952991 A JP 14952991A JP 14952991 A JP14952991 A JP 14952991A JP H06106285 A JPH06106285 A JP H06106285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
center
workpiece
centering
core receiving
thread rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14952991A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06102234B2 (ja
Inventor
Toshimitsu Fujii
敏満 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KIYOUEKI KOGYO KK
Original Assignee
KIYOUEKI KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KIYOUEKI KOGYO KK filed Critical KIYOUEKI KOGYO KK
Priority to JP14952991A priority Critical patent/JPH06102234B2/ja
Publication of JPH06106285A publication Critical patent/JPH06106285A/ja
Publication of JPH06102234B2 publication Critical patent/JPH06102234B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工作物の確実な保持を行いつつ自然に移動さ
せて、発生したスラスト力を逃がすことができる、ねじ
転造加工用の工作物保持装置を提供する。 【構成】 工作物6を保持する芯押しセンタ30が、ね
じ転造時に発生するスラスト力が作用する方向に位置
し、トルク制御手段32〜48,54によって、このス
ラスト力より小さい一定の芯押しトルクを与えられてい
る。従って、スラスト力が発生するとこのスラスト力が
解消する位置まで、芯押しセンタ30が押されて移動す
る。そして、この移動距離を測定する相対変位検出手段
50等と、その移動距離だけ芯受けセンタ10を軸線方
向に移動させる位置制御手段11〜28,54によっ
て、芯受けセンタ10がこの移動分だけ追従して移動す
る。このように工作物6を自然に移動させることがで
き、発生したスラスト力を逃がすことができるので、平
ダイス4や工作物6に過大な力が掛かることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ねじ転造加工用の装
置において被加工物の保持を行う工作物保持装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】歯車やねじを転造するねじ転造盤におい
て、工具の駆動や工作物の位置設定・保持に数値制御
(NC)装置を適用することが試みられている。かかる
数値制御を用いた工作物の位置設定および保持において
は、NCデータによって工作物の位置は一義的に決めら
れ、加工中はその位置に固定されて、外力に応じて自由
に移動することは許されない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ねじを
転造する際には駆動側の転造工具と被動側の工作物との
間ですべりが生じ、工作物の追従速度が0.5〜1.0
%程度遅れることが経験的に知られている。このため、
工作物に形成されたねじと転造工具のねじ山との間のず
れによって、工作物にスラスト力がかかる。従って、上
述の如きNC装置による工作物の位置設定および保持を
行った場合、このスラスト力に抗して工作物を強制的に
固定することになる。この結果、転造工具の歯形に過大
な力が掛かるため、転造工具の寿命が著しく損なわれ、
また極端な場合には工作物が破損する。この際、工作物
を上記すべりの分だけ自然に移動させることができれ
ば、発生したスラスト力を逃がすことができ、転造工具
の損傷や工作物の破損を防ぐことができる。そこで本発
明においては、工作物の精密な位置設定と確実な保持を
行いつつ、工作物を上記すべりの分だけ自然に移動させ
て発生したスラスト力を逃がすことができる、ねじ転造
加工用の工作物保持装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では上記目
的を達成するために、芯受けセンタと芯押しセンタとを
同軸上に有し、両者間に円柱状の工作物を挟持した状態
でリード角を有する転造工具を該工作物の側面に押圧し
てねじを転造する装置において、前記芯押しセンタをね
じ転造時のリード進み方向と反対側に位置させ、前記芯
押しセンタをねじ転造時に発生するスラスト力より小さ
い一定のトルクで工作物に芯押しさせるトルク制御手段
と、前記芯受けセンタを軸線方向に追従可能に支持する
芯受けセンタ支持手段とを有するねじ転造加工用の工作
物保持装置を創出した。
【0005】さらに前記構成において、前記芯受けセン
タ支持手段は、前記芯押しセンタの軸線方向の相対変位
を検出する相対変位検出手段と、該相対変位検出手段に
より検出された相対変位の分だけ前記芯受けセンタを移
動させる位置制御手段とを有する構成とすることがより
好ましい。また、前記芯受けセンタ支持手段は、前記芯
受けセンタを所定位置に保持する芯受けセンタ支持部
と、該芯受けセンタ支持部と前記芯受けセンタとの間に
設けられた弾性手段とを有し、該弾性手段が変形限界ま
で変形したときの弾性力が前記一定のトルクよりも小さ
い構成とすることもできる。
【0006】
【作用】さて請求項1の構成を備えた本発明の工作物保
持装置によると、工作物を保持する芯押しセンタが、ね
じ転造時のリード進み方向と反対側に位置させられると
ともに、トルク制御手段によってねじ転造時に発生する
スラスト力より小さい一定の芯押しトルクを与えられて
いる。そして、当該スラスト力は上記リード進み方向と
反対方向に作用するため、スラスト力が発生するとこの
スラスト力が解消する位置まで、すなわち前記ねじ転造
時のすべりによる転造工具と工作物との間のずれの分だ
け、芯押しセンタが押されて移動する。そして芯受けセ
ンタを軸線方向に追従可能に支持する芯受けセンタ支持
手段によって、芯受けセンタがこの移動分だけ追従して
移動する。さらに、請求項2の構成を備えた本発明の工
作物保持装置によると、芯受けセンタを軸線方向に追従
可能に支持する芯受けセンタ支持手段として、相対変位
検出手段および位置制御手段が設けられている。このた
め、上述の如く工作物を保持する芯押しセンタが発生し
たスラスト力が解消する位置まで押されて移動したとき
に、相対変位検出手段によってこの移動量が検出され、
相対変位検出手段からの信号に基づいて位置制御手段が
作動することによって、芯受けセンタがこの移動分だけ
追従して移動させられる。
【0007】また、請求項3に記載の工作物保持装置に
おいては、芯受けセンタと芯受けセンタ支持部との間に
弾性手段が設けられ、この弾性手段の弾性力は変形限界
においても芯押しセンタの芯押しトルクより小さく設定
されている。工作物を保持する際には、弾性手段が変形
限界に達するまで芯受けセンタが移動して位置決めされ
る。そして、上述の如く発生したスラスト力が解消する
位置まで芯押しセンタが押されて移動したときには、こ
の弾性手段の付勢力によって、芯受けセンタがこの移動
分だけ追従して移動する。なお、上述のねじ転造時のす
べりによる転造工具と工作物との間のずれは極く小さい
ため、このようにずれの分だけ工作物を移動させても、
転造加工により形成されるねじの精度には実用上の影響
を及ぼさない。このようにして、工作物を確実に保持し
つつ、上記すべりの分だけ自然に移動させることがで
き、発生したスラスト力を逃がすことができるので、転
造工具や工作物に過大な力が掛かることはない。
【0008】
【実施例】
実施例1 次に本発明を具現化した実施例1について、図1を参照
して説明する。図1は、本発明の工作物保持装置の実施
例1を示す全体構成図である。参照符号6は被加工物と
しての円柱状の工作物である。この工作物6はその両端
面において、同軸上に対向して設けられた芯受けセンタ
10および芯押しセンタ30の間に挟持されて、位置決
め保持される。次に、参照符号4は、ねじ転造加工を行
うための歯形が設けられた平板状の転造工具4、いわゆ
る平ダイス(転造ラック)である。被加工物としての工
作物6を挟んで手前側にも、図示しない同様な平ダイス
が、平ダイス4と対向して設けられている。これら一対
の平ダイスは工作物6の円柱側面に対向して押圧され、
この押圧力を保ちながら、向こう側の平ダイス4は図1
の下方から上方へ向かって移動し、一方図示しない手前
側の平ダイスは逆に図1の上方から下方へ向かって移動
する。このようにして、工作物6を塑性変形させてねじ
を形成し、ねじ転造加工を行う。この転造に伴って、工
作物6はこれら一対の平ダイスの上下動に従動して回転
し、その側面にねじが形成される。このように、ねじ転
造加工装置2は、芯受けセンタ10と芯押しセンタ30
とを同軸上に有し、両者間に円柱状の工作物6を挟持し
た状態でリード角を有する転造工具4を該工作物6の側
面に押圧してねじを転造する装置である。また、このと
き形成されるねじのリードは、図1の右方向に進行す
る。従って芯押しセンタ30は、ねじ転造時のリード進
み方向と反対側に位置している。
【0009】さて、前記芯受けセンタ10は、芯受けセ
ンタ支持部11にモールステーパによって嵌合固定さ
れ、さらに芯受けセンタ支持部11は芯受け台12に固
定されている。この芯受け台12は芯受け台ベース14
に固定されており、芯受け台ベース14にはその中に設
けられた図示しない2箇所の貫通孔に対して、水平方向
に2本並んで設けられたボールねじ16が、貫通して螺
合している。そしてボールねじ16の回転によって、芯
受け台ベース14が軸線方向に移動し、これに伴って芯
受け台12,芯受けセンタ支持部11および芯受けセン
タ10も軸線方向に移動する。さらに、前記ボールねじ
16の端部には、これと一体に回転するボールねじプー
リー18が固定されている。このボールねじプーリー1
8は、連結ベルト20によってモータシャフトプーリー
22に連結されている。このモータシャフトプーリー2
2は位置制御モータ26のモータシャフト24に固定さ
れている。これによって、モータシャフト24の回転が
モータシャフトプーリー22,連結ベルト20,ボール
ねじプーリー18により前記ボールねじ16に伝達され
て、上述の如く芯受けセンタ10を軸線方向に移動させ
る。そして位置制御モータ26には、その回転を制御し
て芯受けセンタ10の軸線方向の移動を制御するため
に、位置制御電源28が電気的に接続されている。
【0010】これと同様に、前記芯押しセンタ30も芯
押し台32上に固定され、この芯押し台32はさらに芯
押し台ベース34に固定されている。この芯押し台ベー
ス34には、同様に2本のボールねじ36が貫通して螺
合し、同ボールねじ36の端部にはボールねじプーリー
38が固定されている。このボールねじプーリー38
は、連結ベルト40およびモータシャフトプーリー42
によって、トルク制御モータシャフト44と連結されて
いる。これによってトルク制御モータシャフト44の回
転が、モータシャフトプーリー42,連結ベルト40お
よびボールねじプーリー38により前記ボールねじ36
に伝達され、このボールねじ36が回転することによっ
て、前記芯押し台ベース34がその上の芯押し台32お
よび芯押しセンタ30と共に軸線方向に移動する。この
トルク制御モータ46は、常に一定のトルクでトルク制
御モータシャフト44を回転させる特性を有する。そし
て、このトルク制御モータシャフト44の回転はトルク
制御電源48によって制御され、このトルクの値は後述
する制御ユニット54によって制御される。このように
して、前記ボールねじ36の回転による芯押しセンタ3
0の位置が制御されるとともに、その芯押しトルクも上
記一定の回転トルクと、モータシャフトプーリー42,
連結ベルト40等の組合せによって決まる、一定の値に
保たれる。
【0011】従って、芯押し台32,芯押し台ベース3
4,ボールねじ36,ボールねじプーリー38,連結ベ
ルト40,モータシャフトプーリー42,トルク制御モ
ータシャフト44,トルク制御モータ46,トルク制御
電源48および制御ユニット54は、芯押しセンタ30
をねじ転造時に発生するスラスト力より小さい一定のト
ルクで工作物に芯押しさせるトルク制御手段を構成して
いる。なお、前記芯押し台32の先端に固定され、芯押
しセンタ30の下側に平行して軸線方向に伸びた、工作
物載せ台33が設けられている。この工作物載せ台33
は、工作物6のセット時において、工作物6を載置して
芯押し台32とともに軸線方向に前進して、転造工具4
に当接する加工位置に工作物6を送り込むためのもので
ある。この工作物載せ台33は工作物6の下側に設けら
れており、またその幅は工作物6の外径より小さいた
め、転造加工の邪魔になることはない。
【0012】さらに図1に示されるように、前記芯押し
台ベース34はその下部に取付け部34aを有し、同取
付け部34aにはリニアスケール50のスケールロッド
50aが取付けられている。このスケールロッド50a
は、芯押し台ベース34の軸線方向の移動に追従して移
動する。そして工作物保持装置の図示しない本体フレー
ムには、リニアスケール50の検出ヘッド50bが固定
されており、スケールロッド50aの変位の大きさを高
精度に感知する。この変位の値は、検出ヘッド50bに
接続されたディテクタ52によって電気信号に変換され
て、制御ユニット54に送られる。
【0013】この制御ユニット54は、CPU,RO
M,RAM,および入力I/Oポートと出力I/Oポー
トを備え、これらの間はバスで接続されている。入力I
/Oポートには前記ディテクタ52からの信号出力がつ
ながれ、出力I/Oポートは前記位置制御電源28およ
びトルク制御電源48に接続されている。さらに前記R
OMには制御プログラムと、前記芯押しセンタの芯押し
トルクを設定するためのトルク設定値記憶領域とを有し
ている。この制御ユニット54は、数値制御(NC)ユ
ニットとしても機能する。すなわち、図示しない転造加
工機構による平ダイス4の駆動と芯受けセンタ10位置
決めのNCデータによる制御をも行う。そして、ディテ
クタ52から入力I/Oポートに入力される前記相対変
位の大きさに対応する電気信号は、制御ユニット54の
ROMに記憶された制御プログラムに従ってCPUおよ
びRAMにおいて処理され、その結果が出力I/Oポー
トから出力される。すなわち、位置制御のための信号が
前記位置制御電源28へ送られ、これによって位置制御
電源28から位置制御モータ26の回転を制御するため
の電力が出力されて、前記芯受けセンタ10の位置が制
御される。
【0014】従って、芯押し台32,芯押し台ベース3
4,同取付け部34a,スケールロッド50a,検出ヘ
ッド50bおよびディテクタ52は、芯押しセンタ30
の軸線方向の相対変位を検出する相対変位検出手段とし
て機能する。また、芯受けセンタ支持部11,芯受け台
12,芯受け台ベース14,ボールねじ16,ボールね
じプーリー18,連結ベルト20,モータシャフトプー
リー22,位置制御モータシャフト24,位置制御モー
タ26,位置制御電源28および制御ユニット54は、
相対変位検出手段32,34,34a,50a,50
b,52により検出された相対変位の分だけ芯受けセン
タ10を移動させる位置制御手段を構成している。そし
て、前記相対変位検出手段32,34,34a,50
a,50b,52および位置制御手段11〜28および
54は、芯受けセンタ10を軸線方向に追従可能に支持
する芯受けセンタ支持手段として機能するのである。
【0015】ここで、トルク制御手段32〜48,54
によって芯押しセンタ30に与えられる芯押しトルク
は、前述した転造工具4と工作物6のずれに起因するス
ラスト力によって工作物6を自由に移動させるために、
このスラスト力より小さくなくてはならない。と同時
に、工作物6を芯押しセンタ30と芯受けセンタ10の
間で保持でき、なおかつ、ねじ転造加工の開始時に工作
物6の側面から転造工具4が押圧されたときに、工作物
6が軸線に垂直な方向に動かないように、この押圧力に
抗して保持できる大きさでなければならない。この条件
さえ満たせば、前記スラスト力(通常、前記押圧力に比
較してはるかに大きい)よりどれだけ小さくても構わな
い。
【0016】さて以上のような構成を有する工作物保持
装置を用いた、ねじ転造加工装置2によるねじ転造加工
について、図1を参照して説明する。まず、前記芯押し
台32に固定された工作物載せ台33の上に、工作物6
が載置される。そして芯押し台32が軸線方向に前進
(図1の右方向に移動)することによって、工作物載せ
台33も工作物6とともに軸線方向に前進して、転造工
具4に当接する加工位置まで工作物6を送り込む。加工
位置まで送り込まれた工作物6に対して、制御ユニット
54のNCデータに基づいて芯受けセンタ10が前進
し、芯受けセンタ10の先端がNCデータに相当する位
置に位置決めされる。その後、再度芯押しセンタ30が
上記工作物載せ台33とともに、工作物6の右側端面に
芯受けセンタ10の先端が当接するまで前進する。そし
て芯受けセンタ10が工作物6に当接した位置で、芯押
しセンタ30はトルク制御電源48により与えられる一
定のトルクで、工作物6を押しつける。これによって工
作物6は、芯受けセンタ10と芯押しセンタ30の間
に、前記一定のトルクで保持される。
【0017】なお、このように芯受けセンタ10と芯押
しセンタ30の間に保持される結果、工作物6は前記工
作物載せ台33からは浮き上がって、以下に述べる転造
加工において自由な回転が可能になる。この工作物載せ
台33は、転造加工の間も芯押しセンタ30の下方の位
置に停止しているが、工作物載せ台33の幅は工作物6
の外径より細く作られているために、平ダイス4に当接
して転造加工の妨げとなる恐れはない。このように保持
された工作物6に対して、相対する一対の平ダイス4が
その側面の両側から押圧される。これら一対の平ダイス
のうち向こう側の平ダイス4は、工作物6の円柱側面に
押圧された状態で図1の下方から上方へ向かって移動
し、一方図示しない手前側の平ダイスは逆に図1の上方
から下方へ向かって移動する。工作物6は、これら一対
の平ダイスの上下動に従動して、図1の右方から見て左
回りに回転し、これに伴って工作物6が塑性変形して側
面にねじが形成される。このようにして、ねじ転造加工
が行われる。
【0018】ここで芯押しセンタ30は前述の如く、ね
じ転造時のリード進み方向と反対側に位置しており、ね
じ転造時に発生するスラスト力はリード進み方向と反対
側に向かって作用する。すなわち、このスラスト力は芯
押しセンタ30の芯押しトルクに抗して、芯押しセンタ
30を図1の左方へ押すように作用する。そしてまた芯
押しセンタ30は、トルク制御電源48によって、ねじ
転造時に発生するスラスト力より小さい一定の芯押しト
ルクを与えられている。従ってスラスト力が発生する
と、このスラスト力が解消する位置まで、すなわちねじ
転造時のすべりによる平ダイス4と工作物6との間のず
れの分だけ、芯押しセンタ30が押されて移動する。そ
して芯受けセンタ10を軸線方向に追従可能に支持する
芯受けセンタ支持手段として、相対変位検出手段34,
34a,50a,50b,52および位置制御手段11
〜28,54が設けられている。このため、工作物6を
保持する芯押しセンタ30が発生したスラスト力が解消
する位置まで押されて移動したときに、相対変位検出手
段34,34a,50a,50b,52によってこの移
動量が検出され、その出力信号に基づいて位置制御手段
11〜28,54が作動することによって、芯受けセン
タ10がこの移動分だけ追従して移動させられる。
【0019】このようにして、所定のねじが工作物6の
側面に転造された後、一対の平ダイス4の上下動が停止
して工作物6の側面から離される。その後、制御ユニッ
ト54からの制御信号によって、トルク制御モータ46
が作動して芯押し台32が微小距離後退する。これに伴
って芯受けセンタ30も微小距離後退して、工作物6の
挟持が解除される。この結果、工作物6は前記工作物載
せ台33の上に載せられ、トルク制御モータ46が作動
して、芯押し台32がさらに図1の左方へ移動すること
によって、工作物6が加工位置から除去される。後は、
図1の左端において工作物載せ台33の上の加工済工作
物を取出し、次に加工される工作物を載置する。以上
で、一回の転造加工工程が完了する。このように工作物
6をすべりの分だけ自然に移動させることができ、発生
したスラスト力を逃がすことができるので、平ダイス4
や工作物6に過大な力が掛かることはない。ここで、先
に述べたように、ねじ転造時のすべりによる転造工具と
工作物との間のずれは極めて小さいものであり、上記工
程で形成されたねじは実用上充分な精度を有するものと
なる。
【0020】実施例2 次に本発明を具現化した実施例2について、図2および
図3を参照して説明する。なお、実施例1と同一の部材
には、同一番号を付して説明を省略する。図2は、本発
明の工作物保持装置の実施例2を示す全体構成図であ
る。本実施例においては、芯受けセンタ110を軸線方
向に追従可能に支持する芯受けセンタ支持手段として、
変形限界まで変形したときの弾性力が芯押しセンタ30
の芯押しトルクよりも小さい弾性手段を設けた、芯受け
センタユニット102を用いている。この芯受けセンタ
ユニット102は、図3の部分断面図に示されるような
構造を有している。芯受けセンタ110は、その後端に
設けられたフランジ部110aにおいて、芯受けセンタ
支持部111に穿設された取付け孔111aの内壁にス
ライド可能に嵌合している。芯受けセンタ支持部111
はその後端111bがモールステーパ状に成形されてお
り、前記芯受け台112に嵌合固定される。
【0021】そして前記取付け孔111aの内部におい
て、芯受けセンタ110のフランジ部110aと芯受け
センタ支持部111との間に、弾性手段としてのコイル
スプリング104が設けられている。すなわち、このコ
イルスプリング104は、芯受けセンタ110をその先
端方向に付勢している。そして、コイルスプリング10
4が変形限界まで変形したときの弾性力は、芯押しセン
タ30の芯押しトルクよりも小さく設定されている。な
お、固定リング106は、芯受けセンタ110に押す力
が掛かっていないときに、芯受けセンタ支持部の取付け
孔111aから芯受けセンタ110が離脱しないための
ストッパであり、芯受けセンタ支持部111に螺合され
ている。従って芯受けセンタ支持部111は、芯受けセ
ンタ110を所定位置に保持する芯受けセンタ支持部を
構成している。また、コイルスプリング104は、芯受
けセンタ支持部111と芯受けセンタ110との間に設
けられた弾性手段として機能する。
【0022】なお、本実施例では制御ユニット54は設
けられておらず、トルク制御電源48のトルクの制御お
よびNCデータによる制御は、図示しない他の制御ユニ
ットによって行われる。
【0023】以上のような構成を有する工作物保持装置
を用いた、ねじ転造加工装置100によるねじ転造加工
について、図2および図3を参照して説明する。工作物
載せ台(図2においては図示省略)による工作物6の送
り込みについては、実施例1と同様であり、続いてNC
データに基づいて芯受けセンタ110が前進する。ここ
で本実施例においては、変形限界まで変形したときの弾
性力が芯押しセンタ30の芯押しトルクよりも小さいコ
イルスプリング104によって、芯受けセンタ110を
支持している。このため、芯押しセンタ30で工作物6
の一端を押して保持する際に、芯受けセンタ110はコ
イルスプリング104の変形限界まで押されて移動して
しまう。従って、NCデータに基づく芯受けセンタ11
0の位置決めは、コイルスプリング104の変形限界ま
で後退したときの芯受けセンタ110の先端が、所定の
位置にくるように位置決めされる。そして芯押しセンタ
30が所定のトルクで前進することによって、この所定
の位置において工作物6が芯受けセンタ110と芯押し
センタ30の間に位置決めされる。
【0024】そして、実施例1と同様に一対の平ダイス
4によって、工作物6の側面にねじが転造される。この
ねじ転造時に、平ダイス4と工作物6との間のずれによ
りスラスト力が発生すると、芯押しセンタ30は実施例
1と同様に、このスラスト力が解消する位置まで、すな
わちずれの分だけ押されて移動する。ここで、芯受けセ
ンタ110を軸線方向に追従可能に支持する芯受けセン
タ支持手段として、本実施例においては前記コイルスプ
リング104を内蔵した芯受けセンタユニット102を
用いている。すなわち芯押しセンタ30が移動した分だ
け、このコイルスプリング104の付勢力によって、芯
受けセンタ110が追従して同方向すなわち図2の左方
向に移動する。この移動は平ダイス4によるねじ転造が
終了するまで行われる。このようにして、工作物6を保
持しつつ上記すべりの分だけ自然に移動させて、発生し
たスラスト力を逃がすことができる。なお転造時に、工
作物6に対して一対の平ダイス4は実施例1と同じ方向
に移動しているので、スラスト力は芯押しセンタ30側
に向かって作用し、芯受けセンタ110を移動させるよ
うに働くことはない。
【0025】以上の実施例では、平板状の転造工具いわ
ゆる平ダイス(転造ラック)を用いたねじ転造の例につ
いて示したが、本発明の工作物保持装置は平ダイスに限
らず、丸ダイスによるねじ転造においても使用すること
ができる。また本実施例においては、芯受けセンタおよ
び芯押しセンタの支持手段として、センタベース,ボー
ルねじ等からなる移動可能な支持方法を用いているが、
これ以外の移動手段,支持手段を用いてもよい。装置の
他の部分の形状,サイズ,材質,配置等についても、本
実施例に限定されるものではない。
【0026】さらに、実施例1の波及的な効果として、
リニアスケール50およびディテクタ52等からなる相
対変位検出手段を設けたために、この相対変位検出手段
によって検出される移動量の過大によって、ねじ転造加
工装置に何らかの異常が発生したことを検知できるとい
う利点も得られる。
【0027】
【発明の効果】本発明においては、ねじ転造時に発生す
るスラスト力が解消する位置まで移動する芯押しセンタ
と、その移動分だけ同じ向きに追従して移動する芯受け
センタとを有する工作物保持装置を創出したことによっ
て、工作物をスラスト力が解消する位置まで自然に移動
させることができる。従って、前記スラスト力によって
転造工具に過大な力が掛かることが防がれ、転造工具の
寿命が長くなるとともに、工作物が破損する事故も防止
される。さらに本発明の波及的な効果として、機械的も
しくは電気的なトラブルにより転造工具,工作物あるい
は工作物保持機構に過大な応力が掛かった場合にも、こ
うした応力を逃がすことができ、故障の発生による被害
を最小限に食い止められるという優れた効果も得られ、
極めて実用的な工作物保持装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工作物保持装置の実施例1の概略を示
す全体構成図である。
【図2】本発明の実施例2の概略を示す全体構成図であ
る。
【図3】本発明の実施例2の芯受けセンタの構造を示す
部分断面図である。
【符号の説明】
2 ねじ転造加工装置 4 転造工具 6 工作物 10 芯受けセンタ 30 芯押しセンタ 32〜48,54 トルク制御手段 32,34,34a,50a,50b,52 相対変位
検出手段 11〜28,54 位置制御手段 111 芯受けセンタ支持部 104 弾性手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯受けセンタと芯押しセンタとを同軸上
    に有し、両者間に円柱状の工作物を挟持した状態でリー
    ド角を有する転造工具を該工作物の側面に押圧してねじ
    を転造する装置において、 前記芯押しセンタをねじ転造時のリード進み方向と反対
    側に位置させ、 前記芯押しセンタをねじ転造時に発生するスラスト力よ
    り小さい一定のトルクで工作物に芯押しさせるトルク制
    御手段と、 前記芯受けセンタを軸線方向に追従可能に支持する芯受
    けセンタ支持手段、 とを有するねじ転造加工用の工作物保持装置。
  2. 【請求項2】 前記芯受けセンタ支持手段は、前記芯押
    しセンタの軸線方向の相対変位を検出する相対変位検出
    手段と、該相対変位検出手段により検出された相対変位
    の分だけ前記芯受けセンタを移動させる位置制御手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のねじ転造加
    工用の工作物保持装置。
  3. 【請求項3】 前記芯受けセンタ支持手段は、前記芯受
    けセンタを所定位置に保持する芯受けセンタ支持部と、
    該芯受けセンタ支持部と前記芯受けセンタとの間に設け
    られた弾性手段とを有し、該弾性手段が変形限界まで変
    形したときの弾性力が前記一定のトルクよりも小さいこ
    とを特徴とする請求項1に記載のねじ転造加工用の工作
    物保持装置。
JP14952991A 1991-05-24 1991-05-24 ねじ転造加工用の工作物保持装置 Expired - Lifetime JPH06102234B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14952991A JPH06102234B2 (ja) 1991-05-24 1991-05-24 ねじ転造加工用の工作物保持装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14952991A JPH06102234B2 (ja) 1991-05-24 1991-05-24 ねじ転造加工用の工作物保持装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06106285A true JPH06106285A (ja) 1994-04-19
JPH06102234B2 JPH06102234B2 (ja) 1994-12-14

Family

ID=15477134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14952991A Expired - Lifetime JPH06102234B2 (ja) 1991-05-24 1991-05-24 ねじ転造加工用の工作物保持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06102234B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0737442U (ja) * 1993-12-16 1995-07-11 朝明精工株式会社 転造盤
US8156779B2 (en) * 2006-11-22 2012-04-17 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Apparatus and method of producing spark plug
JP2018027572A (ja) * 2017-11-14 2018-02-22 日本精工株式会社 リング状部材の製造装置
CN117583515A (zh) * 2024-01-19 2024-02-23 苏州宇耀精密五金有限公司 一种螺栓螺纹加工装置及其加工工艺

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0737442U (ja) * 1993-12-16 1995-07-11 朝明精工株式会社 転造盤
US8156779B2 (en) * 2006-11-22 2012-04-17 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Apparatus and method of producing spark plug
JP2018027572A (ja) * 2017-11-14 2018-02-22 日本精工株式会社 リング状部材の製造装置
CN117583515A (zh) * 2024-01-19 2024-02-23 苏州宇耀精密五金有限公司 一种螺栓螺纹加工装置及其加工工艺
CN117583515B (zh) * 2024-01-19 2024-03-26 苏州宇耀精密五金有限公司 一种螺栓螺纹加工装置及其加工工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06102234B2 (ja) 1994-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3644129B2 (ja) 切削加工装置およびその異常検出方法
US8250720B2 (en) Roller burnishing apparatus with pressing-force detecting device
EP0551630A1 (en) Method of grinding a workpiece having plural cylindrical portions with plural grinding wheels
EP2164663B1 (en) Method for controlling a drilling machine, and apparatus for carrying out said method
JP4644052B2 (ja) 心押台制御装置
US5035556A (en) Machine for automatically regulating and measuring the length of extension and the diameter of a tool
JPH06106285A (ja) ねじ転造加工用の工作物保持装置
JP4049911B2 (ja) 工作機械の心押台の監視制御方法および装置
JP6330789B2 (ja) 位置測定装置
JP4563688B2 (ja) 回転センタ、押圧力制御装置、旋盤
JP5209446B2 (ja) 心押制御装置
JPH0655310A (ja) Ncテールストック及びその制御方法
JP3331224B2 (ja) 旋盤のワーク確認方法及び把持方法
JP4201553B2 (ja) 素材ガイド装置及び自動旋盤
JP4398537B2 (ja) ワーク支持装置
JPH0655415A (ja) 工作機械におけるワーク及び経時変化の計測方法
JP3787481B2 (ja) 工作機械における切削工具の負荷検出方法および装置
JP3300604B2 (ja) 工具破損検出方法及び装置
JP3255257B2 (ja) 工具の負荷異常検出システム
US20220371142A1 (en) Machine tool
US20240075536A1 (en) Tool driving device and method of producing hole processed product
JP2520333Y2 (ja) パレット治具のコレットチャック締め付け力検出装置
JPH05301147A (ja) 旋盤及び旋盤における小径ドリル加工方法
JP3050712B2 (ja) ギアホーニング加工方法
JPH0711841Y2 (ja) 送りモータの負荷監視による位置決め制御装置