JPH06106077A - 粒状無機イオン交換体 - Google Patents

粒状無機イオン交換体

Info

Publication number
JPH06106077A
JPH06106077A JP4280605A JP28060592A JPH06106077A JP H06106077 A JPH06106077 A JP H06106077A JP 4280605 A JP4280605 A JP 4280605A JP 28060592 A JP28060592 A JP 28060592A JP H06106077 A JPH06106077 A JP H06106077A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
granular
ion exchanger
hydrosol
mechanical strength
inorganic ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4280605A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiko Aiba
伸彦 相羽
Hideki Kato
秀樹 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP4280605A priority Critical patent/JPH06106077A/ja
Publication of JPH06106077A publication Critical patent/JPH06106077A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱性、機械的強度及びイオン交換特性の全て
に於てに優れた粒状無機イオン交換体を提供する。 【構成】含水五酸化アンチモン及びヒドロゾルを含有す
る混合物の粒状体を、300℃以上かつ550℃以下の
温度で焼成してなることを特徴とする粒状無機イオン交
換体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、機械的強度及
びイオン交換特性に優れ、不純物又は有価物の回収等に
有用な粒状無機イオン交換体に関する。
【0002】
【従来の技術】粒状イオン交換体として、現在イオン交
換樹脂が広く用いられているが、イオン交換樹脂は耐熱
温度が低く(約60℃以下)、高温下で使用できないと
いう欠点がある。
【0003】一方、イオン交換樹脂に比較して、無機イ
オン交換体は、高温或は強放射線下における安定性が優
れており、その中でも特に、含水五酸化アンチモンは、
イオン交換特性に優れた無機イオン交換体として知られ
ており、高温水中におけるイオン交換処理、陽イオン物
質の分離、濃縮及び精製等への応用が期待されているも
のである。
【0004】しかし、一般に含水五酸化アンチモンは微
粉末状で得られるため、含水五酸化アンチモンをカラム
充填方式で使用する場合には、微粉末状の含水五酸化ア
ンチモンを適当な大きさ及び形状(粒状、棒状、円板状
等)に成型し、カラム通液したときの通液抵抗を減少さ
せる必要があり、その成型体は逆洗及び再生等の操作に
十分耐えるだけの機械的強度を有することが要求され
る。
【0005】無機イオン交換体を粒状に成型する方法と
しては、セルロース又は合成高分子等の有機系結合剤を
用いて成型する方法もあるが、有機系結合剤を用いた場
合には、粒状体の耐熱性が不十分であり、高温下におけ
るイオン交換処理により粒状体間の融着や崩壊が起こ
る。
【0006】無機イオン交換体の耐熱性を十分に利用す
るには、無機系結合剤を用いて粒状に成型することが好
ましく、従来より水ガラス又は粘土鉱物等を用いて粒状
に成型する方法が知られている。
【0007】しかし、含水五酸化アンチモンにおいて
は、耐熱性、機械的強度及びイオン交換特性の全てにつ
いて実用的なレベルにある粒状体が得られていない。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来
の粒状イオン交換体が有する上記の問題を解決し、耐熱
性、機械的強度及びイオン交換特性の全てに於てに優れ
た粒状無機イオン交換体を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、含水五酸化アンチモン及びヒドロゾルを含有す
る混合物の粒状体を、300℃以上かつ550℃以下の
温度で焼成することにより、上記の問題を解決すること
ができ、優れた粒状無機イオン交換体を得ることが出来
ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は、含水五酸化アンチモン及びヒドロゾルを含有す
る混合物の粒状体を、300℃以上かつ550℃以下の
温度で焼成してなることを特徴とする粒状無機イオン交
換体に関するものである。
【0010】以下、本発明における各成分及びそれらを
用いて粒状体を得る方法について説明する。
【0011】〈含水五酸化アンチモン〉本発明において
用いる含水五酸化アンチモンは、無機イオン交換体とし
て知られており、下記一般式で表される。 Sb25・nH2
(1) (但し、nは4以下の正数である。) 含水五酸化アンチモンは、結晶質、非晶質及びガラス状
の3種が知られているが、化学的に安定である結晶質
(立方晶)のものを用いることが好ましい。又、本発明
における含水五酸化アンチモンとしては、機械的強度が
大きい粒状体を容易に得ることができることから、上記
(1)式で示される一般式におけるnの値が2のものが
好ましい。含水五酸化アンチモンの好ましい粒径は、
0.01〜100μmであり、更に好ましい粒径は、
0.1〜10μmである。粒径が、0.01μm未満で
は、粉末同志が凝集現象を起こしたり、粉末の表面がヒ
ドロゾルにより被われるために、イオン交換特性が低下
する恐れがあり、逆に100μmより大きいと、ヒドロ
ゾルとの接触部が少ないために、機械的強度が高い粒状
無機イオン交換体を得られないという恐れがある。
【0012】含水五酸化アンチモンの製法には特に限定
はなく、既に知られたいずれの製法よってもよく、例え
ば五塩化アンチモンを水で加水分解する方法等がある。
【0013】<ヒドロゾル>本発明で用いるヒドロゾル
は、微粉末状の含水五酸化アンチモンを粒状に成型する
ための結合剤であり、水中に固体の無機系コロイド粒子
が分散した懸濁液である。ヒドロゾルの好ましい具体例
には、固体の無機系コロイド粒子の主成分がシリカ、ア
ルミナ、ジルコニア又はチタニア等である懸濁液があ
る。これらの中でも、シリカ又はアルミナを固体の無機
系コロイド粒子の主成分とする懸濁液、即ちシリカゾル
又はアルミナゾルは、機械的強度に優れた粒状無機イオ
ン交換体が得られるのでより好ましく、特にシリカゾル
は好ましいものである。
【0014】ヒドロゾルを構成する無機系コロイド粒子
は、工業的な製法により容易に得られる粒径を有するも
のを使用することができ、無機系コロイド粒子の粒径が
小さい方が、機械的強度の大きい粒状体を得られやすい
傾向がある。ヒドロゾルを構成する無機系コロイド粒子
の好ましい平均粒径は、5〜50mμであり、より好ま
しい粒径は、10〜30mμである。平均粒径が5mμ
より小さい無機系コロイド粒子からなるヒドロゾルを工
業的に製造することは一般に容易ではなく、50mμよ
り大きい無機系コロイド粒子からなるヒドロゾルを用い
ると、機械的強度の大きい粒状体を得ることが困難とな
る恐れがある。
【0015】ヒドロゾルの固形分(ヒドロゾルから生成
される金属酸化物)の濃度には、特に制限はなく、ま
た、ヒドロゾルの配合量は、用いる含水五酸化アンチモ
ンの粒径等を考慮して、適宜調整すればよい。ヒドロゾ
ルの好ましい配合量は、含水五酸化アンチモン100重
量部(以下、部と略す)当り、ヒドロゾルの固形分(ヒ
ドロゾルから生成される金属酸化物の重量に換算される
量)として0.3〜60部、より好ましくは0.5〜3
0部、最も好ましくは1〜20部とするのがよい。配合
量が0.3部未満では、粒状無機イオン交換体の機械的
強度が低下し、60部より多いと、粒状無機イオン交換
体のイオン交換特性が著しく低下する恐れがある。
【0016】<成形方法>本発明の粒状無機イオン交換
体は、粒状体を得るための一般的な成形工程により得る
ことができ、例えば、配合、混合・混練、造粒及び焼成
の各工程を経て成形される。
【0017】まず、混合・混練工程について説明する。
混合・混練工程において、含水五酸化アンチモン及びヒ
ドロゾルを混合する。このとき、混合・混練操作を容易
にするために、必要に応じて適当量の水を添加してもよ
い。混合順序については任意であり、各成分を均一に混
合すればよい。混合・混練操作の一例としては、例えば
含水五酸化アンチモンに上記ヒドロゾルを添加し、ニー
ダー等により均一に混合した後、更に適当量の水を添加
し、湿式混合すればよい。上記のようにして得られたス
ラリーを、更にニーダー等で数時間〜1日間混練する。
【0018】造粒方法についても特に制限はないが、工
業的規模において歩留りや再現性等に優れた、押し出し
造粒法を用いることが好ましい。なお、得られた造粒物
を通常の遠心回転方式等により球状へ整粒するとよい。
【0019】その後、整粒された造粒物を焼成し、十分
な機械的強度を付与することにより、目的とする粒状無
機イオン交換体を得る。このときの焼成条件は、含水五
酸化アンチモンの粒径、ヒドロゾルの種類及び配合量等
により異なるが、焼成時の最高焼成温度を300℃以上
で、かつ550℃以下の温度とする必要があり、350
℃以上かつ450℃以下の温度を最高焼成温度とするこ
とが好ましい。最高焼成温度が300℃未満では、粒状
無機イオン交換体の機械的強度が低下し、550℃より
高いと、含水五酸化アンチモンが分解し、粒状無機イオ
ン交換体のイオン交換特性が著しく低下する。また、最
高焼成温度の保持時間を1〜8時間、より好ましくは2
〜6時間とするのがよい。なお、本焼成に先立ち、好ま
しくは100〜200℃、より好ましくは110〜15
0℃で、5時間以上加熱する前処理工程を設けると良
い。この工程により、高い機械的強度を有する粒状体を
得ることができるという利点がある。
【0020】このようにして得られる粒状体は、全て使
用可能であるが、好ましくは0.1〜10mm、より好
ましくは0.2〜2mmの粒径を有するものが良い。粒
径が0.1mmより小さいと、カラム通液したときの通
液抵抗が大きく、10mmより大きいと、陽イオンを含
有する液体と粒状体との接触面積が小さいため、イオン
交換能を充分に発揮できないという恐れがある。
【0021】次に、本発明の粒状無機イオン交換体を用
いて、高温水中におけるイオン交換処理、陽イオン物質
の分離、濃縮及び精製等を行う方法の具体例について述
べる。
【0022】本発明の粒状無機イオン交換体を用いて高
温水中におけるイオン交換処理、陽イオン物質の分離、
濃縮及び精製等を行うには、本発明の粒状無機イオン交
換体を、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウ
ム、マグネシウム及びバリウム等の陽イオンを含有する
液体と接触させればよい。本発明の粒状無機イオン交換
体と液体を接触させる方法は、これらを接触させる工程
が制御可能であるならば特に限定はなく、バッチ式或は
連続式のいずれであっても良い。
【0023】 本発明の粒状無機イオン交換体と液体を
接触させる方法の具体例としては、本発明の粒状無機イ
オン交換体を、陽イオンを含有する液体に添加し撹拌す
ることにより、陽イオンを含有する液体と接触させた
後、粒状無機イオン交換体を分離する方法、及びカラム
等に本発明の粒状無機イオン交換体を充填し、陽イオン
を含有する液体を通液する方法がある。
【0024】本発明の粒状無機イオン交換体と陽イオン
を含有する液体とを接触させる好ましい時間は、処理す
べき対象により一概には決められないが、数分から数時
間、場合によっては数日である。また、両者を接触させ
る温度は、液体中に陽イオンが含有され、粒状無機イオ
ン交換体のイオン交換特性が維持されるならば何度でも
良い。
【0025】本発明の粒状無機イオン交換体を、陽イオ
ンを含有する液体と接触させる際、粒状無機イオン交換
体の使用割合は、陽イオンの1meq当り1.0g以上
とすることが好ましい。又、粒状無機イオン交換体を、
陽イオンを含有する液体と接触させるその他の条件、例
えば粒状無機イオン交換体と液体との接触時間、接触方
法または接触温度、或は液体のpH等は、陽イオンの種
類や濃度等によって適宜調整すれば良い。
【0026】
【実施例及び比較例】以下に実施例及び比較例により本
発明を更に具体的に説明する。 参考例 まず、含水五酸化アンチモンを以下のようにして合成し
た。即ち、5lビーカー中で、4.7M-SbCl5(360g)と
70℃の温水(2100g)を混合した。恒温槽を用い、混
合物を70℃で24時間静置した後、冷却し、濾過によ
り母液を除去した。更に、残さを、イオン交換水で洗浄
した後、乾燥機内で110℃で5時間乾燥させた。更
に、粉砕機を用いて粉砕することにより、平均粒径(沈
降法により求められた値)が0.5 μm である結晶質の含
水五酸化アンチモン(組成式はSb25・2H2Oであ
る)を得た。
【0027】実施例1 参考例で得た結晶質の含水五酸化アンチモンを500g、及
びヒドロゾルとして固形分20%のシリカゾルであるスノ
ーテックスC(日産化学(株)製商品名、コロイドの平
均粒子径:10〜20mμ)を150g用い、それらを混合
し、ニーダーで20分間混練した(回転速度100rpm)。上
記混練物を二本のスクリュー軸を有し、スクリュー先端
横面に1.0mmφのスクリーンをセットした押し出し造粒
機で造粒し、(スクリュー回転速度20rpm )1.0mmφの
棒状顆粒物を得た。得られた棒状顆粒物を円筒状容器の
下部に回転板を有する整粒機に入れ、700rpmの速度で回
転板を30秒間回転させ、円筒状容器の側面との衝突を伴
う顆粒物の回転運動により粒状体を得た。得られた粒状
体を、乾燥器内で110℃、5時間乾燥した後、次いで
電気炉内で400℃で4時間焼成した後、冷却し、0.3〜1.2
mmの粒径を有する粒状無機イオン交換体を得た。上記の
ようにして得た粒状無機イオン交換体1gと0.001 モルの
NaCl水溶液100mlをポリエチレン製容器中で混合し、振
蕩器により80℃で120時間振蕩した後、粒状無機イオン
交換体に吸着されたナトリウムの量を原子吸光光度法に
より測定し、更に下記式(1)から粒状無機イオン交換
体のナトリウムに対する分配係数Kd(Na)を測定した。
その結果を下記表1に示した。 更に、粒状無機イオン交換体が破壊する際の荷重(g)を
A型硬度計を用いて測定することにより、粒状無機イオ
ン交換体の機械的強度を評価した。又、粒状無機イオン
交換体1gと2N HNO3水溶液100ml を80℃で120 時間接触
させた後の粒状無機イオン交換体の機械的強度をA型硬
度計を用いて測定した。その結果を下記表1に示した。
【0028】実施例2 ヒドロゾルとして、固形分20%のアルミナゾルであるア
ルミナゾル520(日産化学(株)製商品名、コロイド
の平均粒子径:10〜20mμ)を400g使用したこと以
外は、実施例1と全く同様にして、実施例1と同一の粒
径を有する粒状無機イオン交換体を得、分配係数Kd(N
a)及び機械的強度を実施例1と同様にして測定した。そ
れらの結果を下記表1に示した。
【0029】実施例3 焼成温度を300℃にしたこと以外は、実施例1と全く同
様にして、実施例1と同一の粒径を有する粒状無機イオ
ン交換体を得、Kd(Na)及び機械的強度を実施例1と同
様にして測定した。それらの結果を下記表1に示した。
【0030】実施例4 焼成温度を350℃にしたこと以外は、実施例1と全く同
様にして、実施例1と同一の粒径を有する粒状無機イオ
ン交換体を得、Kd(Na)及び機械的強度を実施例1と同
様にして測定した。それらの結果を下記表1に示した。
【0031】実施例5 スノーテックスCの添加量を50gとし、又、含水酸化ア
ンチモンとヒドロゾルを混合する際に、150gの水を添加
し、更に焼成温度を550℃とした以外は、実施例1と全
く同様にして、実施例1と同一の粒径を有する粒状無機
イオン交換体を得、分配係数Kd(Na)及び機械的機械的
強度を実施例1と同様にして測定した。それらの結果を
下記表1に示した。
【0032】実施例6 アルミナゾル520の添加量を300gとし、又、含水酸化
アンチモンとヒドロゾルを混合する際に、100gの水を添
加し、更に焼成温度を450℃とした以外は、実施例2と
全く同様にして、実施例1と同一の粒径を有する粒状無
機イオン交換体を得、分配係数Kd(Na)及び機械的強度
を実施例1と同様にして測定した。それらの結果を下記
表1に示した。
【0033】比較例1 焼成温度を600℃にしたこと以外は、実施例1と全く同
様にして、実施例1と同一の粒径を有する粒状体を得、
分配係数Kd(Na)及び機械的強度を実施例1と同様にし
て測定した。それらの結果を下記表2に示した。
【0034】比較例2 焼成温度を700℃にしたこと以外は、実施例1と全く同
様にして、実施例1と同一の粒径を有する粒状体を得、
分配係数Kd(Na)及び機械的強度を実施例1と同様にし
て測定した。それらの結果を下記表2に示した。
【0035】比較例3 焼成温度を250℃にしたこと以外は、実施例1と全く同
様にして、実施例1と同一の粒径を有する粒状体を得、
分配係数Kd(Na)及び機械的強度を実施例1と同様にし
て測定した。それらの結果を下記表2に示した。
【0036】比較例4 焼成温度を200℃にしたこと以外は、実施例1と全く同
様にして、実施例1と同一の粒径を有する粒状体を得、
分配係数Kd(Na)及び機械的強度を実施例1と同様にし
て測定した。それらの結果を下記表2に示した。
【0037】比較例5 無機系結合剤として、水ガラス(ケイ酸ナトリウム溶液
3号)を150g使用し、又、含水酸化アンチモンと水ガラ
スを混合する際に、100gの水を添加したこと以外は、実
施例1と全く同様にして、実施例1と同一の粒径を有す
る粒状体を得、分配係数Kd(Na)及び機械的強度を実施
例1と同様にして測定した。それらの結果を下記表2に
示した。
【0038】比較例6 無機系結合剤として、粘土鉱物であるベントナイトを10
0g使用し、又、含水酸化アンチモンとベントナイトを混
合する際に、100gの水を添加し、更に焼成温度を550℃
にしたこと以外は、実施例1と全く同様にして、実施例
1と同一の粒径を有する粒状体を得、分配係数Kd(Na)
及び機械的強度を実施例1と同様にして測定した。それ
らの結果を下記表2に示した。
【0039】比較例7 無機系結合剤として、粘土鉱物であるベントナイトを10
0g使用し、又、含水酸化アンチモンとベントナイトを混
合する際に、100gの水を添加し、更に焼成温度を800℃
にしたこと以外は、実施例1と全く同様にして、実施例
1と同一の粒径を有する粒状体を得、分配係数Kd(Na)
及び機械的強度を実施例1と同様にして測定した。それ
らの結果を下記表2に示した。
【0040】比較例8 無機系結合剤として、粘土鉱物であるカオリンを150g使
用し、又、含水酸化アンチモンとカオリンを混合する際
に、100gの水を添加し、更に焼成温度を550℃にしたこ
と以外は、実施例1と全く同様にして、実施例1と同一
の粒径を有する粒状体を得、分配係数Kd(Na)及び機械
的強度を実施例1と同様にして測定した。それらの結果
を下記表2に示した。
【0041】比較例9 無機系結合剤として、粘土鉱物であるカオリンを150g使
用し、又、含水酸化アンチモンとカオリンを混合する際
に、100gの水を添加し、更に焼成温度を900℃にしたこ
と以外は、実施例1と全く同様にして、実施例1と同一
の粒径を有する粒状体を得、分配係数Kd(Na)及び機械
的強度を実施例1と同様にして測定した。それらの結果
を下記表2に示した。
【0042】比較例10 参考例で得た粉末状の含水五酸化アンチモンの分配係数
Kd(Na)を実施例1と同様にして測定した。その結果を
下記表2に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】上記表1及び表2において無機系結合剤の
種類を表す略号の意味は、以下のとおりである。 (ヒドロゾル)SS:シリカゾル、AS:アルミナゾル (ヒドロゾル以外の無機系結合剤)MG:水ガラス、B
N:ベントナイト、KL:カオリン 又、上記表1及び表2において、含水五酸化アンチモン
の量はいずれも500gであり、無機系結合剤の量の単
位は重量部である。
【0046】上記表1及び表2から、本発明の粒状無機
イオン交換体は、粉末状の含水五酸化アンチモン(比較
例10)と同等にイオン交換特性が優れており、且つ機
械的強度も優れていることがわかる。また、比較例1,
2,3及び4から、ヒドロゾルを結合剤とした場合であ
っても、本発明における特定の焼成温度範囲以外の温度
を焼成温度とすると、イオン交換特性と機械的強度が共
に優れた粒状体を得ることができないことがわかる。
【0047】比較例5の結果からわかるように、無機系
結合剤として水ガラスを用いた場合、水ガラスが水溶液
中で溶解するため、粒状体を水溶液中で使用すると、粒
状体の機械的強度が著しく低下してしまい、また、水ガ
ラスに含まれるナトリウムが含水五酸化アンチモンの水
素イオンとイオン交換するため、十分なイオン交換特性
を有する粒状体が得られないという問題がある。また、
比較例6,7,8及び9の結果からわかるように、無機
系結合剤として粘土鉱物を用いた場合、十分な機械的強
度を有する粒状体を得るために、温度が550℃を上回
る焼成を必要とし、それに伴い含水五酸化アンチモンが
熱分解するため、十分なイオン交換特性を有する粒状体
が得られないという問題がある。上記比較例5〜9か
ら、ヒドロゾル以外の無機系結合剤を用いると、焼成温
度の範囲をどのように制御しても、イオン交換特性と機
械的強度が共に優れた粒状体を得ることができないこと
がわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明の粒状無機イオン交換体は、従来
の粒状イオン交換体に比較して、著しく高いイオン交換
特性及び機械的強度及び耐熱性を有しており、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
バリウム等の陽イオンを含有する液体のイオン交換処
理、例えば、不純物、有価物回収等の水処理用として各
種の分野において有用なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水五酸化アンチモン及びヒドロゾルを含
    有する混合物の粒状体を、300℃以上かつ550℃以
    下の温度で焼成してなることを特徴とする粒状無機イオ
    ン交換体。
JP4280605A 1992-09-25 1992-09-25 粒状無機イオン交換体 Pending JPH06106077A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4280605A JPH06106077A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 粒状無機イオン交換体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4280605A JPH06106077A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 粒状無機イオン交換体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06106077A true JPH06106077A (ja) 1994-04-19

Family

ID=17627366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4280605A Pending JPH06106077A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 粒状無機イオン交換体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06106077A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3356450A (en) Process for the production of molecular sieve granules
JPS6291410A (ja) クロマトグラフイ−分離用リン酸カルシウム系ヒドロキシアパタイト及びその製造方法
JP6645203B2 (ja) シチナカイト構造を有するシリコチタネートを含む組成物およびその製造方法
JPS6029643B2 (ja) 珪酸カルシウム及びその製造方法
US5256615A (en) Granular inorganic exchangers
JP3454554B2 (ja) 非晶質シリカ粒状体及びその製法
US3287281A (en) Zeolite agglomerates and the preparation thereof
JPH06183725A (ja) バインダーレスx型ゼオライト成形体およびその製造方法
JPH0615427B2 (ja) 無機多孔体とその製造方法
JPH06106077A (ja) 粒状無機イオン交換体
JPH07108178A (ja) 粒状無機イオン交換体の製造方法
JP2883114B2 (ja) 改質層状結晶性ケイ酸ナトリウム及びその製造法
US3316116A (en) Process for the production of finely dispersed calcium silicate fillers
JP2002522342A (ja) 結晶性層状二珪酸ナトリウムの改良された製造方法
JPH10202117A (ja) Csイオン用吸着剤
JPH111318A (ja) 細孔径を制御したゼオライト造粒体の製造方法
JPH11216356A (ja) アンチモン用吸着剤
RU2146223C1 (ru) Способ получения синтетического гранулированного фожазита
KR0139976B1 (ko) 층상결정성 이규산나트륨의 제조방법
JPH10192697A (ja) Coイオン又はMnイオン用吸着剤
JPH07185321A (ja) Srイオン用粒状吸着剤
JPH0910580A (ja) Srイオン用吸着剤
AU619913B2 (en) Nonpigmentary titanium dioxide powders
JPH03131349A (ja) 粒状無機イオン交換体
JPH105585A (ja) リチウムイオン吸着剤