JPH06104643B2 - シクロペンタノン誘導体 - Google Patents

シクロペンタノン誘導体

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JPH06104643B2
JPH06104643B2 JP4011192A JP4011192A JPH06104643B2 JP H06104643 B2 JPH06104643 B2 JP H06104643B2 JP 4011192 A JP4011192 A JP 4011192A JP 4011192 A JP4011192 A JP 4011192A JP H06104643 B2 JPH06104643 B2 JP H06104643B2
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智 熊沢
進 清水
宏之 江成
篤史 伊藤
進 池田
宣夫 佐藤
俊英 最勝寺
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物病害を除去する作
用、植物の生長を調節する作用を有する活性成分として
の有用性を有する一般式(II)によって表わされるアゾ
ール誘導体を製造する際の中間体として用いられる一般
式(I)で表わされるシクロペンタノン誘導体に関す
る。
【0002】
【化2】
【0003】
【化3】 式(II)においてR1 及びR2 はそれぞれC1 〜C5
アルキル基または水素原子を表わし、Xはハロゲン原
子、C1 〜C5 のアルキル基、またはフェニル基を表わ
し、nは0乃至2の整数を表わし、Aは窒素原子又はC
Hを表わす。(但し、R1 、R2 が共に水素原子である
場合、及びR1 及びR2 が共にメチル基であってn=0
の場合を除く)。
【0004】また式(I)においてR1 及びR2 はそれ
ぞれC1 〜C5 のアルキル基または水素原子を表わし、
Xはハロゲン原子、C1 〜C5 のアルキル基またはフェ
ニル基を表わし、nは0乃至2の整数を表わす(但し、
1 及びR2 が共に水素原子である場合、及びR1 及び
2が共にメチル基であってn=0の場合を除く)。
【0005】
【従来の技術】種々の植物病害による農作物の損害は莫
大であり、また、これら植物病害を防除するための薬剤
による環境汚染による問題が生じている。
【0006】従って、植物病害に対する防除効果を有
し、且つ人畜、鳥類及び魚類に対して毒性が低く、更に
有用植物に対する薬害の少ない農園芸用薬剤、即ち取り
扱い上の安全性が高く、環境に対する影響が少なく、且
つ広汎な植物病害に対して優れた防除効果を有する農園
芸用薬剤の提供が求められている。
【0007】上記の要求をみたすために、従来各種のト
リアゾール系およびイミダゾール系化合物、および、そ
の酸付加塩および金属錯塩等からなる農園芸用殺菌剤が
提案されている。(特開昭57-114577 号公報、特開昭57
-126479 号公報、特開昭57-16868号公報、特開昭58-189
171 号公報及び特開昭60-215674 号公報等)。
【0008】本発明者等の一部は、取り扱い上の安全性
が高く、且つ環境に対する影響が少なく、然も広汎な植
物病害に対する優れた防除効果を示す農園芸用殺菌剤を
提供するために研究をした結果、下記式で表わされる新
規なアゾール誘導体:
【0009】
【化4】 [式中、Xはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル
基、フェニル基、シアノ基またはニトロ基を表わし、同
一もしくは相異なっていてもよく、nは0乃至5の整数
を表わし、またAは窒素原子またはCHを表わす]を見
出した(特開昭62-149667 号公報)。
【0010】一方、次式によって表わされるシクロペン
タノン誘導体はリービッヒ・アナーレン・デア・ヘミー
(Liebigs Annalen der Chemie)、712,67-72(1968) に記
載されているが、農園芸用薬剤の中間体に関するもので
はない。
【0011】
【化5】
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は更に人畜
に対する毒性が低く、取扱い上での安全性が高く、且つ
広範な植物病害に対して優れた防除効果を示す農園芸用
殺菌剤を得るため鋭意検討を行い、式(II)で示される
アゾール誘導体により、この目的が達成し得ることを見
出し更にこの式(II)で示されるアゾール誘導体を製造
するための中間体として新規化合物であるシクロペンタ
ノン誘導体を見出し、本発明に到達した。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のシクロペンタノ
ン誘導体は次式(I)で示される新規化合物である。
【0014】
【化6】 ここにR1 及びR2 はそれぞれC1 〜C5 のアルキル基
または水素原子を表わし、Xはハロゲン原子、C1〜C
5 のアルキル基またはフェニル基を表わし、nは0乃至
2の整数を表わす[但し、R1 とR2 が共に水素の場
合、及びR1 とR2 が共にメチル基であってn=0の場
合を除く]。
【0015】本発明のシクロペンタノン誘導体は広範な
植物病害に対して優れた防除効果を示すと共に、植物生
長調節効果を示し、かつ低毒性及び取扱い上の安全性の
点でもすぐれている一般式(II)で示されるアゾール誘
導体の中間体として有用である。
【0016】
【化7】 式(II)においてR1 及びR2 はそれぞれC1 〜C5
アルキル基または水素原子を表わし、Xはハロゲン原
子、C1 〜C5 のアルキル基、またはフェニル基を表わ
し、nは0乃至2の整数を表わし、Aは窒素原子又はC
Hを表わす。(但し、R1 、R2 が共に水素原子である
場合、及びR1 とR2 が共にメチル基であってn=0の
場合を除く)。
【0017】上記一般式(I)で示される本発明のシク
ロペンタノン誘導体の理化学的性質を第1表に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】 又、一般式(II)で示されるアゾール誘導体の理化学的
性質を第2表に示す。
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】
【表7】
【0025】
【表8】
【0026】
【表9】
【0027】
【表10】
【0028】
【表11】
【0029】
【表12】
【0030】
【表13】
【0031】
【表14】
【0032】
【表15】
【0033】
【表16】
【0034】
【表17】
【0035】
【表18】
【0036】
【表19】
【0037】
【表20】
【0038】
【表21】 尚、第2表においてアゾール誘導体の立体異性体Aタイ
プ及びBタイプは夫々次の式によって表わされる。
【0039】
【化8】 本発明のシクロペンタノン誘導体は、下記の方法により
得ることができる。すなわち、式(I)のR1 及びR2
が共に同種のC1〜C5 のアルキル基の場合には式(III
)で示されるシクロペンタノン誘導体をジアルキル化
することにより式(IV)誘導体とし、続いて加水分解及
び脱炭酸すればよく、又、R1 、R2 のうちどちらか一
方だけがC1 〜C5 のアルキル基で他が水素原子である
場合には式(V)で示されるアルキルシクロペンタンカ
ルボキシレート誘導体に所望のベンジル基を導入して式
(IV)誘導体とした後、加水分解脱炭酸すると式(I)
のシクロペンタノン誘導体を得ることができる。また、
式(I)のR1 及びR2 が異種のC1 〜C5 のアルキル
基の場合には、R1 及びR2 のうちどちらか一方だけが
C1 〜C5 のアルキル基で他が水素原子である式(IV)
誘導体に異種のC1 〜C5 のアルキル基を導入したの
ち、加水分解脱炭酸して所望の式(I)誘導体を得るこ
とができる。
【0040】上記シクロペンタノン誘導体の合成法を式
で示すと下記のとおりである。
【0041】
【化9】 因みに、上記式(III )及び(V)に示される化合物は
2−オキソシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル
から、オルガニック・シンセシス(Org.Syn.)45,7(1965)
や、ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリィ
(J.Org.Chem.)29,2781(1964)に記載された方法により得
ることができる。
【0042】次に本発明のシクロペンタノン誘導体から
最終製品である農園芸用薬剤である式(II)のアゾール
誘導体を製造する方法は下記の通りである。
【0043】すなわち式(I)のシクロペンタノン誘導
体を例えばオルガニック・シンセシス(Org.Syn.)49,78
(1968) 並びにジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカ
ル・ソサエティ(J.Amer.Chem.Soc.)87,1353(1965) に記
載の方法を参照し、例えばジメチルオキソスルホニウム
メチリドまたはジメチルスルホニウムメチリドと希釈剤
の存在下に反応させることにより、式(VI)で示される
オキシラン誘導体を得ることができる(以下A法と記
す)。
【0044】また、別法(以下B法と記す)として式
(I)のシクロペンタノン誘導体からウイツテツヒ反応
[オルガニック・シンセシス(Org.Syn.)40,66(1966) 並
びにジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリィ
(J.Org.Chem.)28,1128(1963)]によって式(VII )で示
されるメチレンシクロペンタン類を得、次いで、エポキ
シ化反応[オルガニック・シンセシス(Org.Syn.)Coll.v
ol.4,552(1963),49,62(1969)を参照]によって、式(V
I)で示されるオキシラン誘導体を得ることができる。
【0045】上記A法並びにB法による反応式を示すと
下式のとおりである。
【0046】
【化10】 このようにして得られた式(VI)で示されるオキシラン
誘導体を下記式(VIII)で示される1,2,4−トリア
ゾール又はイミダゾールと希釈剤の存在下に反応させる
ことにより前記一般式(II)で示されるアゾール誘導体
が得られる。
【0047】
【化11】 (式中、Mは水素原子またはアルカリ金属を表わし、A
は窒素原子またはCHを表わす。) これらの一連の反応で用いられる希釈剤としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類;
塩化メチレン、クロロホルム.四塩化炭素等のハロゲン
化炭化水素類;メタノール、エタノール等のアルコール
類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;その他ア
セトニトリル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等を例
示し得る。
【0048】なお、これらの製造法では、上述の希釈剤
に加えて塩基または酸の共存下に反応を行なうこともあ
る。ここで用いる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアリカリ金属の水酸化物;ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムタ
ーシャリーブトキシド等のアルカリ金属のアルコキシ
ド、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金
属水素化合物、n−ブチルリチウム等のアルカリ金属の
アルキル化合物、その他をトリエチルアミン、ピリジン
等を例示し得る。
【0049】また、酸としては、塩酸、臭化水素酸、、
ヨウ化水素酸、硫酸等の無機酸並びにギ酸、酢酸、酪
酸、P−トルエンスルホン酸等の有機酸を例示し得る。
【0050】本発明に係る製造法を実施するには、前記
一般式(IV)で示されるシクロペンタンカルボン酸エス
テル誘導体を得る場合、一般式(III)や(V)で示さ
れる化合物を前述の希釈剤に溶かしたものに、必要に応
じ、上述の塩基の存在下に、ハロゲン化アルキル又は置
換ベンジルハライドを反応させるとよい。この際の反応
温度は、溶媒としての上記希釈剤の凝固点から沸点まで
の任意の温度、好ましくは0〜100 ℃を適用し得る。
【0051】本発明のシクロペンタノン誘導体は、式
(IV)で示されるシクロペンタンカルボン酸エステル誘
導体を上述の無機酸又は有機酸にて80〜150 ℃で加水分
解反応と脱炭酸反応を行うことにより得られる。この際
の反応時間は2〜24時間の範囲であって、撹拌下に反応
を行うことがより好ましい。
【0052】本発明のシクロペンタノン誘導体からアゾ
ール誘導体を製造するには前述のように一般式(VI)で
示されるオキシラン誘導体を製造する。このためには上
記A法の場合について、前述の希釈剤(特にジメチルス
ルホキシドが好ましい)に、一般式(I)で示されるシ
クロペンタノン誘導体をとかした溶液を、上述の塩基
(例えば、水素化ナトリウム)と、トリメチルスルホキ
ソニウムヨーダイドあるいはトリメチルスルホニウムヨ
ーダイドとを等量混合して調整したジメチルオキソスル
ホニウムメチリド又はジメチルスルホニウムメチリドを
加えて反応させるとよい。また、ジメチルオキソスルホ
ニウムメチリド又はジメチルスルホニウムメチリドの反
応量は一般式(I)で示されるシクロペンタノン誘導体
の1.0 乃至2.0 当量が好ましい。この際の反応温度は25
乃至100 ℃の範囲が好ましい。また、反応時間は1乃至
40時間の範囲が好ましい。
【0053】又、前述のB法による場合、前掲の希釈剤
(特にジメチルスルホキシドが好ましい)中で、前述の
塩基(例えば水素化ナトリウム)とメチルトリフェニル
ホスホニウムハライドとを等量混合して調整したメチレ
ントリフェニルホスホラン(ウイツテツヒ試薬)に、シ
クロペンタノン誘導体を加えて0〜100 ℃で2〜10時間
反応させることにより、式(VII )で示すメチレンシク
ロペンタン誘導体が生成する。これを分離し、前述の希
釈剤にとかし、過酸化水素や過酢酸、過安息香酸、m−
クロル過安息香酸等の有機過酸を加えて、−10℃から希
釈剤の沸点の範囲の温度、好ましくは−10〜80℃で反応
させることにより式(VI)のオキシラン誘導体が得られ
る。
【0054】シクロペンタノン誘導体(I)から前述の
A法又はB法により得られるオキシラン誘導体(VI)
は、その1−オキサスピロ[2.4 ]ヘプタン間の3位と
7位におけるオキシラン基と置換ベンジル基との立体配
置において、次のような立体異性構造をとる。
【0055】
【化12】 これらの立体異性体VI−A及びVI−Bの分離は例えば、
クロマトグラフィー(薄層、カラム、高速液体クロマト
グラフィーなど)によって行うことができる。これらの
構造の特徴は、例えばNMRスペクトルによって与える
ことができる。
【0056】一般式(II)で示されるアゾール誘導体を
得るには、例えば前記一般式(VIII)で示されるアゾー
ル類を前述の稀釈剤に溶かしたものに、必要に応じ、上
述の塩基の存在下に、前記一般式(VI)で示されるオキ
シラン類を0.5 〜1.0 当量加えるか、もしくは逆に該オ
キシラン類を希釈剤に溶かしたものに上記アゾール類の
アルカリ金属塩を加えて反応させるとよい。この際の反
応温度は溶媒としての上記希釈剤の凝固点から沸点まで
の任意の温度を適用し得るが実際上は0乃至120 ℃、更
に好ましくは60〜120 ℃の範囲の温度で反応を行うこと
が好ましい。また反応時間は1〜10時間の範囲であっ
て、撹拌下に反応を行うことが好ましい。上記反応の終
了後、反応により得られた反応混合物を冷却した後、氷
水中において酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレ
ン、ベンゼン等の有機溶剤により抽出して有機層を分離
し、次いで該有機層を水洗して乾燥した後、溶媒を減圧
下に留去し、得られた残渣を精製処理することにより、
目的とする化合物を得る。なお、精製処理は、再結晶又
はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等に付すること
により行ない得る。
【0057】なお、一般式(II)で示されるアゾール誘
導体には、その原料化合物であるオキシラン化合物に
(VI−A)と(VI−B)の異性体が存在することによ
り、オキシラン化合物(VI)と1,2,4−トリアゾー
ル又はイミダゾールと反応させて得られるアゾール誘導
体(II)にも次のような立体異性体が存在してくる。
【0058】
【化13】 勿論、この異性体(II−A)、(II−B)の分離は例え
ばクロマトグラフィーにより行なうことができる。
【0059】次に、本発明のシクロペンタノン誘導体か
ら得られる前記一般式(II)に示されるアゾール誘導体
(アゾリルシクロペンタノール誘導体)の農園芸用薬剤
の活性成分としての有用性について説明する。
【0060】(1) 植物病害菌に対する殺菌作用 本発明に係るアゾール誘導体は下記に示す広範囲な植物
病害に対して防除効果を示す。
【0061】イネのイモチ病(Pyricularia oryzae)、イ
ネのごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus) 、イネの白
葉枯病(Xanthomonas oryzae)、イネの紋枯病(Rhizocton
ia solani)、イネの小黒菌核病(Helminthosporium sigm
oideum) 、イネの馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、リ
ンゴのうどんこ病(Podosphaera leucotricha) 、りんご
の黒星病(Venturia inaequalis) 、リンゴのモリニア病
(Monilinia mali)、リンゴの斑点落葉病(Alternariamal
i) 、リンゴの腐乱病(Valsa mali)、ナシの黒斑病(Alte
rnaria Kikuchiana) 、ナシのうどんこ病(Phyllactinia
pyri) 、ナシの赤星病(Gymnosporangium asiaticum)
、ナシの黒星病(Venturia nashicola)、ブドウのうど
んこ病(Uncinula necator)、ブドウのさび病(Phakopsor
a ampelopsidis) 、ブドウの晩腐病(Glomerella cingul
ata)、オオムギのうどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.
hordei) 、オオムギの雲形病(Phynchosporium secalis
f.sp.hordei)、オオムギの黒さび病(Puccinia gramini
s) 、オオムギの黄さび病(Puccinia striiformis)、コ
ムギの赤さび病(Puccinia recondita)、コムギの葉枯病
(Septoria tritici)、コムギの黄さび病(Puccinia stri
iformis)、コムギのうどんこ病(Erysiphe graminis f.s
p.tritici)、ウリ類のうどんこ病(Sphaerothecafuligin
ea)、ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium) 、
スイカのつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.niveum)、
キュウリのつる割病(Fusarium oxysporumf.sp.cucumeri
num) 、ダイコンの萎黄病(Fusarium oxysporum f.sp.ra
phani) 、トマトのうどんこ病(Erysiphe cichoracearu
m)、トマトの輪紋病(Alternaria solani) 、ナスのうど
んこ病(Erysiphe cichoracearum)、イチゴのうどんこ病
(Sphaerotheca humuli) 、タバコのうどんこ病(Erysiph
e cichoracearum)、タバコの赤星病(Alternaria longip
es) 、テンサイの褐斑病(Cercospora beticola) 、ジャ
ガイモの夏疫病(Alternaria solani) 、ダイズの褐紋病
(Septoria glycines)、ダイズの紫斑病(Cercospora kik
uchii) 、核果類果樹の灰星病(Monilinia fructicol
a)、種々の作物をおかす灰色カビ病(Botrytis cinere
a)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)などに対して活
性を有する。
【0062】なお、式(II)で示されるアゾール誘導体
は、上述の植物病害のうちのいくつかの病害に対しては
予防的な防除効果のみならず、治療的効果も奏する。
【0063】(2) 植物生長調節作用 植物ホルモン類による植物の成長調節の機構が明らかに
されるに伴って、近年、農園芸の生産の場で植物成長調
節剤なる薬剤が用いられるようになってきた。例えば、
ジベレリンのぶどうの種無し化、α−ナフタレン酢酸に
よるサシ木の発根促進、2−クロロエチルトリメチルア
ンモニウムクロリド(商品名CCC)による小麦の矮化
剤としての利用が知られている。
【0064】また、植物成長調節剤を用いる植物生活環
の調節技術の利用は、穀類、野菜類、果樹類の農作物用
植物のみならず、花弁などの園芸植物、さらには樹木な
ど広範囲な植物が対象とされ、かつその機能も発根促
進、開花制御、着果や果実の肥大、生育促進、成長抑制
及び代謝制御に及ぶ可能性がある。
【0065】したがって、植物成長調節剤の種類や使用
量は近年共に増加傾向にあるが、上述のごときその応用
が期待される程には実用化が進んでいないのが現状であ
る。式(II)で示されるアゾール誘導体(アゾリルシク
ロペンタノール誘導体)は広範囲な植物に対して下記に
例示するごとき多様な植物成長調節機能を示す特性を有
する。
【0066】i) 植物の栄養成長の抑制、特に背丈の
成長制御機能。
【0067】ii) 植物の有効成分含有量の増加機能。
【0068】iii) 植物の熟期の調節及び開花時期の調
節機能。
【0069】上記i)の成長抑制機能を利用する例とし
ては、雑草の成長抑制(除草機能)や芝の成長抑制、イ
ネ、ムギ類のごとき倒伏し易い植物の倒伏防止、大豆、
綿花の背丈を抑制することによる機械的収穫への適正
化、タバコ葉の成長を促進するための腋芽発生の抑制、
生垣の生育抑制による剪定作業の軽減、観賞用植物の矮
化による商品価値の向上等が挙げられる。
【0070】また、上記ii)の植物成分含有量の増加機
能の利用としてはテンサイ、サトウキビ、かんきつ類の
糖分増大による品質の向上、穀類、大豆のタンパク質の
増大による品質の向上等があり、さらにiii)の果実や開
花に関する機能の利用としては、新鮮な果実及び生花の
需要期に応じた出荷の適性化等が挙げられる。
【0071】前記一般式(II)で示されるアゾール誘導
体を上述のごとき殺菌剤、植物成長調節剤として適用す
るには、該化合物をそのまま、又は担体(希釈剤)と混
合して粉剤、水和剤、粒剤、乳剤並びに液剤等の形態と
して有利に使用し得る。更に、必要に応じて上記担体の
ほかに展着剤、乳化剤、湿展剤、固着剤等の助剤を添加
することにより効果を一層確実にすることも勿論可能で
ある。
【0072】因みにこのアゾール誘導体は、1,2,4
−トリアゾール環またはイミダゾール環を含有している
ので、無機酸または有機酸との酸付加塩もしくは金属錯
塩等の形態でも使用し得る。
【0073】また、この化合物には、シクロペンタン環
の1位と2位並びに5位にそれぞれアゾリルメチル基、
1 〜C5 のアルキル基並びに置換ベンジル基が含有さ
れているので、シス体とトランス体の幾何異性体並びに
光学異性体等の立体異性体が存在し得るが、全ての単独
の異性体並びに各異性体の任意の比率での混合物をも包
含するものである。
【0074】したがって、アゾール誘導体に係る農園芸
用薬剤は、これらの異性体の単独又は混合物を活性成分
として含有するものを包含するものであると理解すべき
である。
【0075】以下に本発明にかかわる新規シクロヘキサ
ノン誘導体の具体的な製造法及び本発明のシクロヘキサ
ノン誘導体を中間体として製造されるアゾール誘導体の
製造法及びそのアゾール誘導体を活性成分として利用し
た農園芸用薬剤の具体例を示す。
【0076】実施例1 5−(4−クロロベンジル−2,2−ジメチル−1−シ
クロペンタノン(第1表に示した番号I−1の化合物)
の製造 無水ベンゼン150ml に水素化ナトリウム(60%油性水素
化ナトリウムを無水ベンゼンで洗浄したもの)5.0 gを
ヘリウム雰囲気下で撹拌しながら添加し、次いで1−
(4−クロロベンジル)−2−オキソシクロペンタンカ
ルボン酸メチルエステル50gを加え、80℃で40分間撹拌
した。反応液を室温にもどし、次にヨウ化メチル29.4g
を滴下し、この混合物を80℃で、2時間撹拌した。反応
混合液を室温にもどし、次いで残り1当量の水素化ナト
リウム5.0 gを加え、80℃で30分間撹拌した。再び室温
にもどし、残り1当量のヨウ化メチル29.4gを加え、80
℃で8時間撹拌した。
【0077】得られた反応混合液を放冷後、酢酸−氷水
中に注ぎ、酢酸エチルで抽出して有機層を得、該有機層
を炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下に溶媒
を留去した。
【0078】得られた残渣を減圧蒸留して精製し、1−
(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチル−2−オキ
ソシクロペンタンカルボン酸メチルエステル44.8gを得
た。沸点142 〜3℃(0.7mmHg) 。
【0079】この1−(4−クロロベンジル)−3,3
−ジメチル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸メチ
ルエステル44.8gを47%臭化水素酸120ml に加え、この
混合物を100 ℃で12時間激しく撹拌した。得られた反応
混合液を放冷後、氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出して
有機層を得、該有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、食
塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
次いで減圧下に溶媒を留去した。
【0080】得られた残渣を減圧蒸留して精製して標題
化合物31gを得た。沸点124 ℃(1mmHg) 。
【0081】実施例2 2−(4−クロロベンジル)−5−メチル−1−シクロ
ペンタノン(第1表の番号I−5の化合物)の製造 無水ベンゼン126ml に水素化ナトリウム(60%油性水素
化ナトリウムを無水ベンゼンで洗浄したもの)3.04g加
え、次いで3−メチル−2−オキソシクロペンタンカル
ボン酸メチルエステル18gを加えて室温で1時間撹拌し
た。次に4−クロロベンジルクロライド21.5gを加え、
90℃オイルバス中で6時間加熱環流した。
【0082】放冷後、ベンゼンで抽出し、ベンゼン層を
食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に
溶媒を留去して黄褐色油状物1−(4−クロロベンジ
ル)−3−メチル−2−オキソシクロペンタンカルボン
酸メチルエステル33.6gを得た。これを精製することな
く、これに47%臭化水素酸100ml を加えて、110 ℃で18
時間激しく撹拌した。放冷後、塩化メチレンで抽出して
有機層を炭酸ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下に溶媒
を留去した。
【0083】得られた残渣を減圧蒸留にて精製して標題
化合物17.4gを得た。
【0084】参考例1 t−5−(4−クロロベンジル)−2,2−ジメチル−
1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチ
ル)−r−1−シクロペンタノール(第2表の番号II−
2の化合物)の製造 無水ジメチルスルホキシド70mlに水素化ナトリウム(60
%油性水素化ナトリウムを無水ベンゼンで洗浄したも
の)3gをヘリウム雰囲気下で撹拌しながら添加し、次
いで、トリメチルオキソスルホニウムヨーダイド27.5g
を加え、室温で30分間撹拌した。次に、実施例1により
製造された5−(4−クロロベンジル)−2,2−ジメ
チル−1−シクロペンタノン23.6gの無水ジメチルスル
ホキシド20ml溶液を30分かけて添加し、90℃で2時間撹
拌した。
【0085】得られた反応液を放冷後、氷水中に注ぎ、
酢酸エチルで抽出して有機層を得、該有機層を食塩水で
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧
下に溶媒を留去した。
【0086】得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付して精製し、7−(4−クロロベンジ
ル)−4,4−ジメチル−1−オキサスピロ[2,4]
ヘプタンのAタイプ化合物13.95 gとBタイプ化合物の
1.05gを得た。
【0087】上記の方法をくり返して製造された7−
(4−クロロベンジル)−4,4−ジメチル−1−オキ
サスピロ[2.4]ヘプタン(Bタイプ)5.0gを無水
ジメチルホルムアミド30mlに、ヘリウム雰囲気下で撹拌
しながら添加して溶解し、この溶液に、90%純度の1H
−1,2,4−トリアゾール・ナトリウム塩(市販品、
アルドリッチ社製)2.2 gを緩徐に加え、70℃で2時間
撹拌を行った。
【0088】得られた反応混合液を放冷後、氷水中に注
ぎ、酢酸エチルで抽出して有機層を得、該有機層を水洗
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下に
溶媒を留去した。
【0089】得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付して精製し、標題化合物3.1 gを得た。
【0090】参考例2 c−2−(4−クロロベンジル)−5−メチル−1−
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)
−r−1−シクロペンタノール(第2表の番号II−16の
化合物)の製造 無水ジメチルスルホキシド37mlに水素化ナトリウム(60
%油性水素化ナトリウムを無水ベンゼンで洗浄したも
の)1.44gをヘリウム雰囲気下で撹拌しながら添加し、
次いで、トリメチルオキソスルホニウムヨーダイド13.2
gを加え、室温で30分間撹拌した。次に実施例2で得ら
れた2−(4−クロロベンジル)−5−メチル−1−シ
クロペンタノン12.2gの無水ジメチルスルホキシド12ml
溶液を10分かけて添加し、室温にて4時間撹拌した。
【0091】得られた反応液を、氷水中に注ぎ、塩化メ
チレンで抽出して有機層を得、該有機層を食塩水で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下に
溶媒を留去した。
【0092】得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付して精製し、4−(4−クロロベンジ
ル)−7−メチル−1−オキサスピロ[2,4]ヘプタ
ン6.67gを得た。
【0093】無水ジメチルホルムアミド10mlに、水素化
ナトリウム(60%油性水素化ナトリウムを無水ベンゼン
で洗浄したもの)630mg を添加し、次いで、1H−1,
2,4−トリアゾール1.8 gを添加し、発泡が収まるま
で室温下に撹拌した。得られた溶液に、上述の4−(4
−クロロベンジル)−7−メチル−1−オキサスピロ
[2.4]ヘプタン3.1 gの無水ジメチルホルムアミド
6.2ml 溶液を加え、80℃で1時間撹拌した。
【0094】得られた反応液を放冷後、氷水中に注ぎ、
塩化メチレンで抽出して有機層を得、該有機層を食塩水
で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減
圧下に溶媒を留去した。
【0095】得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付して精製し、さらにn−ヘキサン−酢酸
エチルで再結晶して標題化合物2.83gを得た。
【0096】参考例3 c−2−(4−クロロベンジル)−5−メチル−1−
(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−r−1−シ
クロペンタノール(第2表の番号II−17の化合物)の製
造 無水ジメチルホルムアミド10mlに、水素化ナトリウム
(60%油性水素化ナトリウムを無水ベンゼンで洗浄した
もの)670mg を添加し、次いで、1H−イミダゾール1.
9 gを添加し、発泡が収まるまで室温下に撹拌した。次
に参考例2で得られた4−(4−クロロベンジル)−7
−メチル−1−オキサスピロ[2.4]ヘプタン3.3 g
の無水ジメチルホルムアミド6.6ml 溶液を加え、80℃で
1時間撹拌した。
【0097】得られた反応液を放冷後、氷水中に注ぎ、
塩化メチレンで抽出して有機層を得、該有機層を食塩水
で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減
圧下に溶媒を留去した。
【0098】得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付して精製し、さらにn−ヘキサン−酢酸
エチルで再結晶して標題化合物3.16gを得た。
【0099】アゾール誘導体を活性成分とする農園芸用
殺菌剤の調整例:参考例4:粉剤 重量部 アゾール誘導体 3 クレー 40 タルク 57 を粉砕混合し、粉状として使用する。
【0100】参考例5:水和剤 重量部 アゾール誘導体 50 リグニンスルホン酸塩 5 アルキルスルホン酸塩 3 珪藻土 42 を粉砕混合して水和剤とし水で希釈して使用する。
【0101】参考例6:粒剤 重量部 アゾール誘導体 5 ベントナイト 43 クレー 45 リグニンスルホン酸塩 7 を均一に混合し更に水を加えて練り合わせ、押し出し式造粒機で粒状に加工乾燥 して粒剤とする。
【0102】参考例7:乳剤 重量部 アゾール誘導体 20 ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 3 キシレン 67 を均一に混合して乳剤とする。
【0103】本発明の農園芸用殺菌剤の植物病害に対す
る適用例:参考例8 小麦うどんこ病防除効果試験 径10cmの素焼鉢を用いて栽培した第2葉期の幼苗小麦
(品種:農林64号,16本/鉢,3鉢/処理区使用)に参
考例5の如き水和剤形態のものを所定濃度に水で希釈懸
濁し、1鉢当たり5ml散布した。散布葉風乾後、り病葉
から採取した小麦うどんこ病菌夏胞子の懸濁液を噴霧接
種し、20〜24℃高湿度条件下に24時間保ちその後は温室
内に放置した。接種後9〜11日目に次の調査基準によ
り、り病度を調査し、下記式により防除価を算出した。
【0104】 (調査基準) り病度 発病程度 0 無発病のもの 0.5 病斑面積率10%未満のもの 1 病斑面積率10%以上20%未満のもの 2 病斑面積率20%以上40%未満のもの 3 病斑面積率40%以上60%未満のもの 4 病斑面積率60%以上80%未満のもの 5 病斑面積率80%以上のもの 防除価=(1−処理区り病度/無処理区り病度)×100 (%) 結果を第3表に示す。
【0105】
【表22】
【0106】
【表23】
【0107】
【表24】
【0108】
【表25】
【0109】
【表26】 第3表において注(1) の市販品トリアジメホンは下記式
を有する化合物を活性成分とする。
【0110】
【化14】 参考例9 キュウリうどんこ病防除効果試験 径10cmの素焼鉢を用いて栽培した第2葉期のキュウリ
(品種:相模半白、1本/鉢、3鉢/処理区使用)に参
考例5の如き水和剤形態のものを所定濃度に水で希釈懸
濁し、1鉢当たり5ml散布した。散布葉風乾後、り病葉
より筆で胞子をふりかけて接種し、ガラス温室内で発病
させた。接種後9〜11日目に次の調査基準により、り病
度を調査し、下記式により防除価を算出した。
【0111】 (調査基準) り病度 発病程度 0 無発病のもの 0.5 病斑面積率10%未満のもの 1 病斑面積率10%以上20%未満のもの 2 病斑面積率20%以上40%未満のもの 3 病斑面積率40%以上60%未満のもの 4 病斑面積率60%以上80%未満のもの 5 病斑面積率80%以上のもの 防除価=(1−処理区り病度/無処理区り病度)×100 (%) 結果を第4表に示す。
【0112】
【表27】 参考例10 小麦赤さび病防除効果試験 径10cmの素焼鉢を用いて栽培した第2葉期の幼苗小麦
(品種;農林64号、16本/鉢)に参考例5に示した水和
剤形態のものを水に所定濃度に希釈懸濁し、5ml/鉢の
割合で散布した。散布葉風乾後、り病葉より採取した小
麦赤さび病菌夏胞子の懸濁液を噴霧接種し20〜23℃高湿
度条件下に24時間保った。その後ガラス温室内に放置
し、接種から7〜10日後に下記の調査基準により10本に
ついてり病度を調査し、1葉当りの平均り病度から下記
式により防除価を算出した。
【0113】 (調査基準) り病度 発病程度 0 無発病のもの 0.5 病斑面積率10%未満のもの 1 病斑面積率10%以上20%未満のもの 2 病斑面積率20%以上40%未満のもの 3 病斑面積率40%以上60%未満のもの 4 病斑面積率60%以上80%未満のもの 5 病斑面積80%以上のもの 防除価=(1−処理区り病度/無処理区り病度)×100 (%) 結果を第5表に示す。
【0114】
【表28】
【0115】
【表29】
【0116】
【表30】
【0117】
【表31】 参考例11 インゲン灰色かび病防除効果試験 径10cmの素焼鉢を用いて栽培した第1本葉時のインゲン
葉(品種;本金時)に参考例5の如き水和剤形態のもの
を所定濃度に水で希釈懸濁し、1鉢当たり5ml散布し
た。散布葉風乾後、予め砂糖加用馬鈴薯煎汁寒天培地を
用いて20℃で3日間培養した灰色かび病菌の含菌寒天の
円形切片(径4mm)を葉の中央部に直接付着させ、20〜
22℃高湿度条件下に保った。接種後3日目に無処理区の
病班面積と比較し次の調査基準により、り病度を調査
し、下記式により防除価を算出した。
【0118】 (調査基準) り病度 発病程度 0 無発病のもの 0.5 接種含菌寒天直下あるいはその周辺の み発病したもの 1 病斑面積率20%未満のもの 2 病斑面積率20%以上40%未満のもの 3 病斑面積率40%以上60%未満のもの 4 病斑面積率60%以上80%未満のもの 5 病斑面積率80%以上のもの 防除価=(1−処理区り病度/無処理区り病度)×100 (%) 結果を第6表に示す。
【0119】
【表32】
【0120】
【表33】
【0121】
【表34】
【0122】
【表35】 第6表において注(1) の市販品ロブラールは下記式を有
する化合物を活性成分とする。
【0123】
【化15】 参考例12 稲ごま葉枯病防除効果試験 径10cmの素焼鉢に稲の種子(品種;ササニシキ)を16粒
播種し、稲が4〜5葉期になった時に参考例5の如き水
和剤を所定濃度に水で希釈懸濁し、散布した。散布葉風
乾後に、予め培養しておいた稲ごま葉枯病菌の胞子懸濁
液(顕微鏡150倍、視野15個)を1鉢当り5cc噴霧接種
した。接種後はただちに25℃飽和湿度の接種室に入れて
2日間保ったのち、ガラス温室内に運び発病させた。接
種後5日目に1鉢当り10葉の病班数を数え、次式により
防除価を算出した。
【0124】防除価=(1−処理区病斑数/無処理区病
斑数)×100 (%) 結果を第7表に示す。
【0125】
【表36】 参考例13 各種病原菌に対する抗菌性試験 本例は、アゾール誘導体の各種植物病原菌に対する抗菌
性を試験した結果を示したものである。
【0126】試験方法:第2表のアゾール誘導体を、所
定濃度となるように、Dimethyl Sulfoxideに溶解し、そ
の0.6ml と、60℃前後のPAS培地60mlを100ml 三角フ
ラスコ内でよく混合し、シャーレ内に流し固化させた。
一方、予め平板培地上で培養した供試菌を直径4mmのコ
ルクボーラーでうちぬき、上記の薬剤含有平板培地上に
接種した。接種後、各菌の生育適温にて1〜3日間培養
し、菌の生育を菌そう直径で測定し、薬剤無添加区にお
ける菌の生育と比較して下記式に従い菌糸伸長抑制率を
求めた。
【0127】R=(dc−dt)100 /dc 式中 R=菌糸伸長抑制率(%) dc=無処理平板上菌そう直径 dt=薬剤処理平板上菌そう直径 をそれぞれ示す。
【0128】結果を次の基準に従って5段階評価とし、
第8表に示した。
【0129】生育阻害度 5 菌糸伸長抑制率が100 〜90%以上のもの 4 菌糸伸長抑制率が90未満〜70%以上のもの 3 菌糸伸長抑制率が70未満〜40%以上のもの 2 菌糸伸長抑制率が40未満〜20%以上のもの 1 菌糸伸長抑制率が20%未満のもの
【0130】
【表37】
【0131】
【表38】
【0132】
【表39】
【0133】
【表40】
【0134】
【表41】
【0135】
【表42】
【0136】
【表43】
【0137】
【表44】 第8表中の略号は下記のものを示す。
【0138】 P.o.; Pyricularia oryzae イネいもち病菌 C.m.; Cochliobolus miyabeanus イネごま葉枯病菌 G.f.; Gibberella fujikuroi イネ馬鹿苗病菌 H.s.; Helminthosporium sigmoideum イネ小黒菌核病菌 R.s.; Rhizoctonia solani イネ紋枯病菌 Bo.c.; Botrytis cinerea 灰色かび病菌 S.s.; Sclerotinia sclerotiorum 菌核病菌 F.n.; Fusarium oxysporum f.sp.niveum スイカつる割病菌 F.c.; Fusarium oxysporum f.sp.cucumerinum キュウリつる割病菌 F.r.; Fusarium oxysporum f.sp.raphani ダイコン萎黄病菌 C.l.; Colletotrichum lagenarium ウリ類炭そ病菌 C.b.; Cercospora beticola テンサイ褐斑病菌 M.f.; Monilinia fructicola モモ灰星病菌 V.m.; Valsa mali リンゴ腐らん病菌 A.m.; Alternaria mali リンゴ斑点落葉病菌 A.k.; Alternaria Kikuchiana ナシ黒斑病菌 G.c.; Glomerella cingulata ブドウ晩腐病菌 アゾール誘導体を活性成分とする農園芸用植物生長調節
剤の調整例:参考例14 水和剤形態 アゾール誘導体 50重量部 リグニンスルホン酸塩 5重量部 アルキルスルホン酸塩 3重量部 挂藻土 42重量部 を混合粉砕し水和剤とし水で希釈して使用する。
【0139】参考例15 乳剤形態 アゾール誘導体 25重量部 キシレン 65重量部 ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10重量部 を均一に混合し乳剤とし水で希釈して使用する。
【0140】参考例16 粉剤形態 アゾール誘導体 8重量部 ベントナイト 40重量部 クレー 45重量部 リグニンスルホン酸塩 7重量部 を均一に混合し、更に水を加え練り合わせ押出式造粒機で粒状に加工乾燥して粒 剤とする。
【0141】参考例17 水稲に対する草丈抑制効果 直径8.5cm のガラスシャーレに10ppm に調整した各供試
薬液10mlを入れ、水稲種子(品種ササニシキ)10粒を播
種27℃の室内で7日間生育させた後、草丈を測定し次の
結果を得た。
【0142】第9表にみられるとおり、供試化合物のい
ずれも草丈の生長抑制効果を示した。
【0143】
【表45】
【0144】
【発明の効果】本願発明の一般式(I)で表わされるシ
クロペンタノン誘導体は新規化合物であり、安全性が高
く広範な植物病害に対する防除効果を示す農園芸用殺菌
剤である式(II)で表わされるアゾール誘導体を製造す
る際の中間体として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 宣夫 福島県いわき市岩間町上山80 (72)発明者 最勝寺 俊英 福島県いわき市錦町原田154−1

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 [式中、R1 及びR2 はそれぞれC1 〜C5 のアルキル
    基または水素原子を表わし、Xはハロゲン原子、C1
    5 のアルキル基またはフェニル基を表わし、nは0乃
    至2の整数を表わす(但し、R1 及びR2 が共に水素原
    子である場合、及びR1 及びR2 が共にメチル基であっ
    てn=0の場合を除く)]で示されるシクロペンタノン
    誘導体。
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