JP2686794B2 - 新規アゾール誘導体、その製造法及び農園芸用殺菌剤 - Google Patents

新規アゾール誘導体、その製造法及び農園芸用殺菌剤

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JP2686794B2 JP63298033A JP29803388A JP2686794B2 JP 2686794 B2 JP2686794 B2 JP 2686794B2 JP 63298033 A JP63298033 A JP 63298033A JP 29803388 A JP29803388 A JP 29803388A JP 2686794 B2 JP2686794 B2 JP 2686794B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、植物病害を防除する活性成分として有用な
アゾール誘導体、その製造中間体であるオキシラン誘導
体、該アゾール誘導体の製造法、及び該アゾール誘導体
を活性成分として含有する農園芸用殺菌剤に関する。
従来の技術 従来、農園芸用殺菌剤の活性成分として、多数のアゾ
ール誘導体が提案されているが、置換基を有するシクロ
ペンタンと結合した構造を有するアゾール誘導体は、特
開昭62−149667号に見られる程度である。上記特開昭62
−149667号公報に開示されているアゾール誘導体は、下
記一般式で示される如く、アゾリルメチル基と置換ベン
ジル基がシクロペンタン環上の隣接する炭素原子に結合
した構造を有している。
(式中、Aは窒素原子又はCHを表わし、Xは例えばハロ
ゲン原子を表わす) 発明が解決しようとする課題 上記のように、農園芸用殺菌剤の活性成分として種々
の化合物が提案されているが、人畜に対する毒性が低く
て取扱い上での安全性が高く、かつ、広汎な植物病害に
対して優れた防除効果を示すものが常に要求されてい
る。本発明は、上記従来公知のアゾール誘導体とは異な
る構造を有する文献未記載の化合物について、上記の様
な要求を満たすものを開発することを目的とするもので
ある。
すなわち、本発明の目的は、農園芸用殺菌剤として有
用な新規なアゾール誘導体及びその製造中間体を提供す
ることある。
本発明の他の目的は、農園芸用殺菌剤として有用な新
規なアゾール誘導体を製造する方法を提供することにあ
る。
本発明の更に他の目的は、新規なアゾール誘導体を活
性成分として含有する農園芸用殺菌剤を提供することに
ある。
課題を解決するための手段 本発明者等は、上記の要求を満たす農園芸用殺菌剤を
開発するために、多数のアゾール誘導体を合成し、それ
等の実用性について検討した結果、上記公知のアゾール
誘導体とは構造が異なり、アゾリルメチル基と、シクロ
アルキル基又はシクロアルキルメチル基がシクロペンタ
ン環上の隣接する炭素原子に結合した構造を有する下記
一般式(I)で示される文献未記載の新規化合物が、上
記の要求を満たし、広汎な植物病害に対して優れた防除
効果を示すと共に、低毒性及び取扱い上の安全性の点で
も優れていることを見出だし、本発明を完成するに至っ
た。
本発明は、次の構成上の特徴を有する。即ち、第1の
発明は、アゾール誘導体に関するものであって、下記一
般式(I) (式中、Aは窒素原子又はCHを表わし、mは0又は1の
整数を表わし、nは1又は2の整数を表わす) で示されることを特徴とする。
第2の発明は、上記アゾール誘導体の製造法に関する
ものであって、下記一般式(II) (式中、mは0又は1の整数を表わし、nは1又は2の
整数を表わす) で示されるオキシラン誘導体と、下記一般式(III) (式中、Mは水素原子又はアルカリ金属を表わし、Aは
窒素原子又はCHを表わす で示される1,2,4−トリアゾール又はイミダゾールを反
応させることを特徴とする。
又、第3の発明は、上記アゾール誘導体の製造中間体
であるオキシラン誘導体に関するものであって、上記一
般式(II)で示されることを特徴とする。
更に、第4の発明は、農園芸用殺菌剤に関するもので
あって、上記一般式(I)で示されるアゾール誘導体を
活性成分として含有することを特徴とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る上記一般式(I)で示されるアゾール誘
導体は文献未記載の新規な化合物であって、次のような
立体異性構造をとる。すなわち、シクロペンタン環の1
位と2位に各々アゾリルメチル基とシクロアルキル基又
はシクロアルキルメチル基とを有しているので、次のよ
うな立体異性体が存在する。
上記アゾール誘導体としては、具体的には下記の化合
物が例示される。
又、本発明に係る上記一般式(II)で示されるオキシ
ラン誘導体は、上記アゾール誘導体を製造するための中
間体として使用されるものであり、文献未記載の新規な
化合物であって、次のような立体異性構造をとる。すな
わち、その1−オキサスピロ〔2.4〕ヘプタン環の3位
と4位におけるオキシラン基と、シクロアルキル基又は
シクロアルキルメチル基との立体配置において、次のよ
うな立体異性体が存在する。
上記オキシラン誘導体としては、具体的には下記の化
合物が例示される。
本発明に係る上記一般式(I)で示されるアゾール誘
導体は、上記一般式(II)で示されるオキシラン誘導体
を、前記一般式(III)で示される1,2,4−トリアゾール
又はイミダゾールと希釈剤の存在下に反応させることに
より製造することができる。
また、出発物質として使用される上記一般式(II)で
示されるオキシラン誘導体は、下記一般式(IV) (式中、mは0又は1の整数を表わし、nは1又は2の
整数をそれぞれ表わす) で示されるバイルシュタイン・ハンドブーフ(Beil.)E
III 7,356.、バイルシュタイン・ハンドブーフ(Bei
l.)E III 7,439.、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサエティ(J.Amer.Chem.Soc.)90,4166−8
(1968).、またはケミカル・アブストラクト(Chem.A
bst.)99,156067g(1983).に記載のケトン類を、例え
ばオルガニック・シンセシス(Org.Syn.)49,78(196
9)並びにジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・
ソサエティ(J.Amer.Chem.Soc.)87,1353(1965).に
記載の方法を参照し、例えば、ジメチルオキソスルホニ
ウムメチリド又はジメチルスルホニウムメチリドと希釈
剤の存在下に反応させることにより得ることができる。
上記一般式(II)で示されるオキシラン誘導体及び上
記一般式(I)で示されるアゾール誘導体を製造するた
めの一連の反応において用いる希釈剤としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類;塩
化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化
炭化水素類;メタノール、エタノール等のアルコール
類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラハイドロフラン等のエーテル類;その他のアセトニト
リル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等を例示し得る。
なお、上記の反応は、上記の希釈剤に加えて、塩基の
共存下に行なってもよい。その場合に用いる塩基として
は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の
炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ
リ金属の水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属
のアルコキシド;水素化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属水素化合物、その他トリエチルアミン、
ピリジン等を例示し得る。
上記アゾール誘導体及びオキシラン誘導体の製造法に
ついて更に詳細に説明する。
上記一般式(II)で示されるオキシラン誘導体を得る
場合、前記の希釈剤(特にジメチルスルホキシドが好ま
しい)に一般式(IV)で示されるケトン類を溶かした溶
液を、上記の塩基(例えば水素化ナトリウム)とトリメ
チルスルホキソニウムヨーダイド或いはトリメチルスル
ホニウムヨーダイドを等量混合して調製したジメチルオ
キソスルホニウムメチリド又はジメチルスルホニウムメ
チリドに加えて反応させればよい。また、ジメチルオキ
ソスルホニウムメチリド又はジメチルスルホニウムメチ
リドの反応量は、一般式(IV)で示されるケトン類の1.
0ないし2.0等量が好ましい。この際の反応温度は25〜10
0℃の範囲が好ましい。また、反応時間は1〜10時間の
範囲であって、撹拌下に反応を行なうことが好ましい。
上記反応の終了後、反応により得られた反応混合物を
水中に注加し、酢酸エチル、塩化メチレン、ベンゼン等
の有機溶剤により抽出して有機層を分離し、次いでその
有機層を水洗して乾燥した後、溶媒を減圧下に留去し、
得られた残渣を精製処理することにより、目的とする一
般式(II)で示されるオキシラン誘導体が得られる。精
製処理は、シリカゲルカラムクロマドグラフィー等に付
することにより行ない得る。
上記の方法によって製造されたオキシラン誘導体に
は、上記のように立体異性体(II−A)及び(II−B)
が存在するが、それ等立体異性体の分離は、例えばクロ
マトグラフィー(薄層、カラム、高速液体クロマトグラ
フィー等)によって行なうことができる。
一般式(I)で示されるアゾール誘導体を得るには、
例えば、上記一般式(III)で示される1,2,4−トリアゾ
ール又はイミダゾールを上記の希釈剤に溶かした溶液
に、必要に応じて上記の塩基の存在下に、上記一般式
(II)で示されるオキシラン誘導体を0.5〜1.0当量加え
るか、又は逆に該オキシラン誘導体を希釈剤に溶かした
溶液に、上記1,2,4−トリアゾール又はイミダゾールの
アルカリ金属塩を加えて反応させるとよい。
この際の反応温度は、溶媒としての上記希釈剤の凝固
点から沸点までの任意の温度を適用し得るが、実際上は
0〜100℃の範囲の温度で反応を行なうことが好まし
い。また、反応時間は0.5〜5時間の範囲であって、撹
拌下に反応を行なうことが好ましい。
上記の反応の終了後、反応により得られた反応混合物
を水中に注加し、酢酸エチル、塩化メチレン、ベンゼン
等の有機溶剤により抽出して有機層を分離し、次いでそ
の有機層を水洗して乾燥した後、溶媒を減圧下に留去
し、得られた残渣を精製処理することにより、目的とす
るアゾール誘導体が得られる。精製処理は、再結晶又は
シリカゲルカラムクロマトフラフィー等に付すことによ
り行ない得る。
上記の方法によって製造されたアゾール誘導体には、
原料物質のオキシラン誘導体の立体異性構造に基づい
て、上記のように立体異性体(I−A)及び(I−B)
が存在するが、それ等立体異性体の分離は、例えばクロ
マトグラフィー(薄層、カラム、高速液体クロマトグラ
フィー等)によって行なうことができる。
次に、本発明に係る上記一般式(I)で示されるアゾ
ール誘導体の農園芸用殺菌剤の活性成分としての有用性
について説明する。
本発明に係る上記一般式(I)で示されるアゾール誘
導体は、下記に示す広範囲な植物病害に対して防除効果
を呈する。
即ち、イネのいもち病(Pyricularia oryzae)、イネ
のごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、イネの白
葉枯病(Xanthomonas oryzae)、イネの紋枯病(Rhizoc
tonia solani)、イネの小黒菌核病(Helminthosporium
sigmoideum)、イネの馬鹿苗病(Gibberella fujikuro
i)、リンゴのうどんこ病(Podosphaera leucotrich
a)、リンゴの黒星病(Venturia inaequalis)、リンゴ
のモニリア病(Monilinia mali)、リンゴの斑点落葉病
(Alternaria mali)、リンゴの腐乱病(Valsa mal
i)、ナシの黒斑病(Alternaria kikuchiana)、ナシの
うどんこ病(Phyllactinia pyri)、ナシの赤星病(Gym
nosporangium asiaticum)、ナシの黒星病(Venturia n
ashicola)、ブドウのうどんこ病(Uncinula necato
r)、ブドウのさび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブ
ドウの晩腐病(Glomerella cingulata)、オオムギのう
どんこ病(Erysiphe graminis f.sp.hordei)、オオム
ギの雲形病(Rhynchosporium secalis f.sp.hordei)、
オオムギの黒さび病(Puccinia graminis)、オオムギ
の黄さび病(Puccinia striiformis)、コムギの赤さび
病(Puccinia recondita)、コムギの葉枯病(Septoria
tritici)、コムギの黄さび病(Puccinia striiformi
s)、コムギのうどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.tr
itici)、ウリ類のうどんこ病(Sphaerotheca fuligine
a)、ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、
スイカのつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.niveu
m)、キュウリのつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.c
ucumerinum)、ダイコンの萎黄病(Fusarium oxysporum
f.sp.raphani)、トマトのうどんこ病(Erysiphe cich
oracearum)、トマトの輪紋病(Alternaria solani)、
ナスのうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、イチゴ
のうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、タバコのうど
んこ病(Erysiphe cichoracearum)、タバコの赤星病
(Alternaria longipes)、テンサイの褐斑病(Cercosp
ora beticola)、ジャガイモの夏疫病(Alternaria sol
ani)、ダイズの褐紋病(Septoria glycines)、ダイズ
の紫斑病(Cercospora kikuchi)、核果類果樹の灰星病
(Monilinia fructicola)、種々の作物をおかす灰色カ
ビ病(Botrytis cinerea)、及び菌核病(Sclerotinia
sclerotiorum)等に対して活性を有する。
なお、本発明に係る上記アゾール誘導体は、上記の植
物病害のうちの幾つかの病害に対しては、予防的防除効
果のみならず、治療的効果も奏する。
上記一般式(I)で示されるアゾール誘導体を、農園
芸用殺菌剤として適用するには、該アゾール誘導体をそ
のまま、又は担体(希釈剤)と混合して、粉剤、水和
剤、粒剤、乳剤又は液剤の形態として有利に使用し得
る。更に、必要に応じて、上記担体の他に、展着剤、乳
化剤、湿展剤、固着剤等の助剤を添加することにより、
効果を一層確実にする事も可能である。
なお、本発明に係るアゾール誘導体は、1,2,4−トリ
アゾール環又はイミダゾール環を含有しているので、無
機酸塩、有機酸塩又は金属錯塩等の形態でも使用し得
る。
また、本発明に係るアゾール誘導体には、前記のよう
に、シクロペンタン環の1位と2位に各々アゾリルメチ
ル基とシクロアルキル基又はシクロアルキルメチル基と
を有しているので、シス体とトランス体の幾何異性体並
びに光学異性体等の立体異性体が存在し得るが、本発明
では、全ての単独の異性体並びに各異性体の任意の比率
での混合物が使用できるものであり、したがって、本発
明にかかる農園芸用殺菌剤は、これ等異性体の単独又は
混合物を活性成分として含有するものを包含する。
実施例 以下、本発明に係るアゾール誘導体とその中間体であ
るオキシラン誘導体の具体例、それ等の具体的な製造
法、及び該アゾール誘導体を活性成分として利用した農
園芸用殺菌剤の具体例を示して、本発明を説明する。
.一般式(I)で示されるアゾール誘導体の実施例: 前記例示化合物I−1〜I−6のアゾール誘導体につ
いて、それ等の理化学的性質は第1表に示す通りであっ
た。また、それ等のアゾール誘導体の赤外線吸収スペク
トルは第1図ないし第6図に示す通りであった。
なお、第1表に示した各化合物のNMRスペクトルは、T
MSを内部基準にして測定し、下記の記号で示したもので
ある。
s…一重線、d…二重線、m…多重線、b…ブロードラ
イン、J…カップリング定数(単位:Hz) .一般式(II)で示されるオキシラン誘導体の実施
例: 前記例示化合物II−1〜II−3のオキシラン誘導体に
ついて、それ等の理化学的性質は第2表に示す通りであ
った。また、それ等のオキシラン誘導体の赤外線吸収ス
ペクトルは第7図ないし第9図に示す通りであった。
なお、第2表に示した各化合物のNMRスペクトルは、T
MSを内部基準にして測定し、下記の記号で示したもので
ある。
s…一重線、d…二重線、m…多重線、b…ブロードラ
イン、J…カップリング定数(単位:Hz) .一般式(I)で示されるアゾール誘導体及びその製
造中間体である一般式(II)で示されるオキシラン誘導
体の製造例: 製造例1 c−2−シクロヘキシルメチル−1−(1H−1,2,4−ト
リアゾール−1−イルメチル)−r−1−シクロペンタ
ノール(前記例示化合物I−1)の製造 無水ジメチルホルムアミド3.6mlに、水素化ナトリウ
ム(60%油性水素化ナトリウムを無水ヘキサンで洗浄し
たもの)300mgを添加し、次いで、1H−1,2,4−トリアゾ
ール860mgを添加し、発泡がおさまるまで室温下に撹拌
した。得られた溶液に4−シクロヘキシルメチル−1−
オキサスピロ〔2.4〕ヘプタン(前記例示化合物II−
1)1.2gの無水ジメチルホルムアミド2.4ml溶液を加
え、90℃で0.5時間撹拌した。
得られた反応液を放冷した後、氷水中に注ぎ、塩化メ
チレンで抽出して有機層を得た。この有機層を食塩水で
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧
下に溶媒を留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムアクロマトグラフィ
ー(溶離液:酢酸エチル)に付して精製し、更にn−ヘ
キサン−酢酸エチルから再結晶して、標題の化合物0.98
gを得た。
製造例2 c−2−シクロヘキシルメチル−1−(1H−イミダゾー
ル−1−イルメチル)−r−1−シクロペンタノール
(前記例示化合物I−3)の製造 無水ジメチルホルムアミド3.6mlに、水素化ナトリウ
ム(60%油性水素化ナトリウムを無水ヘキサンで洗浄し
たもの)300mgを添加し、次いで、1H−イミダゾール500
mgを添加し、発泡がおさまるまで室温下に撹拌した。得
られた溶液に4−シクロヘキシルメチル−1−オキサス
ピロ〔2.4〕ヘプタン(前記例示化合物II−1)1.3gの
無水ジメチルホルムアミド2.5ml溶液を加え、90℃で0.5
時間撹拌した。
得られた反応液を放冷した後、氷水中に注ぎ、塩化メ
チレンで抽出して有機層を得た。この有機層を食塩水で
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧
下に溶媒を留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液:酢酸エチル)に付して精製し、更にn−ヘキ
サン−酢酸エチルから再結晶して、標題の化合物1.38g
を得た。
製造例3 4−シクロヘキシルメチル−1−オキサスピロ〔2.4〕
ヘプタン(前記例示化合物II−1及び2)の製造 無水ジメチルスルホキシド18mlに、水素化ナトリウム
(60%油性水素化ナトリウムを無水ヘキサンで洗浄した
もの)1.83gを添加し、次いで、トリメチルオキソスル
ホニウムヨーダイド15.9gを加え、室温で30分間撹拌し
た。次に、2−シクロヘキシルメチルシクロペンタノン
(一般式(IV)において、mが1、nが2で示される化
合物)9.17gの無水ジメチルスルホキシド18ml溶液を加
え、室温で3時間撹拌した。
得られた反応液を氷水中に注ぎ、塩化メチレンで抽出
して有機層を得た。この有機層を食塩水で洗浄した後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下に溶媒を留
去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液:n−ヘキサン−酢酸エチル(30:1))に付して
精製し、標題の化合物番号II−1の化合物2.59g及び化
合物番号II−2の化合物3.49gを得た。
.一般式(I)で示されるアゾール誘導体を活性成分
として含有する農園芸用殺菌剤の処方例及び病原菌防除
試験例: (1) 処方例 なお、本発明は、以下の処方例によって限定されるも
のではなく、担体(希釈剤)及び助剤、その混合比及び
有効成分は、広い範囲で変更し得る。
処方例1:粉剤 アゾール誘導体(化合物番号I−3) 3重量部 クレー 40重量部 タルク 57重量部 を粉砕、混合し、散粉として使用する。
処方例2:水和剤 アゾール誘導体(化合物番号I−1) 50重量物 リグニンスルホン酸塩 5重量部 アルキルスルホン酸塩 3重量部 けいそう土 42重量部 を粉砕、混合して水和剤とし、水で希釈して使用する。
処方例3:粒剤 アゾール誘導体(化合物番号I−5) 5重量部 ベントナイト 43重量部 クレー 45重量部 リグニンスルホン酸塩 7重量部 を均一に混合し、更に水を加えて練り合わせ、押出し式
造粒機で粒状に加工し乾燥して粒剤とする。
処方例4:乳剤 アゾール誘導体(化合物番号I−6) 20重量部 ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10重量部 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート3重量部 キシレン 67重量部 を均一に混合し、溶解して乳剤とする。
(2) 病原菌防除試験例 試験例1:コムギうどんこ病防除試験 径10cmの素焼鉢を用いて栽培した第2葉期の幼苗コム
ギ(品種:農林64号、16本/鉢、3鉢処理区使用)に、
処方例2の如き水和剤形態のものを、所定濃度に水で希
釈、懸濁し、1鉢当り5ml散布した。散布葉風乾後、り
病葉から採取したコムギうどんこ病菌胞子の懸濁液を噴
霧接種し、20〜24℃における高湿度条件下に24時間保
ち、その後、室温に放置した。接種後9〜11日目にコム
ギうどんこ病の病斑面積率を調査し、下記式により防除
価を算出した。
結果を第3表に示す。
試験例2:コムギ赤さび病防除試験 径10cmの素焼鉢を用いて栽培した第2葉期の幼苗コム
ギ(品種:農林64号、16本/鉢)に、処方例2の如き水
和剤形態のものを、所定濃度に水で希釈、懸濁し、5ml/
鉢の割合で散布した。散布葉風乾後、り病葉から採取し
たコムギ赤さび病菌夏胞子の懸濁液を噴霧接種し、20〜
23℃における高湿度条件下に24時間保った。その後ガラ
ス温室内に放置し、接種後7〜10日後にコムギ赤さび病
の病斑面積率を調査し、下記式により防除価を算出し
た。
結果を第4表に示す。
試験例3:各種病原菌に対する抗菌性試験 この試験例は、本発明に係るアゾール誘導体の各種植
物病原菌に対する抗菌性を試験した結果を示す。
試験方法: 本発明に係るアゾール誘導体を、所定濃度となるよう
に、ジメチルスルホキシドに溶解し、その0.6mlと、60
℃前後のPSA培地60mlを、100mlフラスコ内でよく混合
し、シャーレ内に流し、固化させた。一方、予め平板培
地上で培養した供試菌を、直径4mmのコルクポーラーで
打ち抜き、上記の薬剤含有平板培地上に接種した。接種
後、各菌の生育適温にて1〜3日間培養し、菌の生育を
菌そう直径で測定し、薬剤無添加区における菌の生育と
比較して、下記式に従い菌糸伸長抑制率を求めた。
R=100(dc−dt)/dc R=菌糸伸長抑制率(%) dc=無処理平板上菌そう直径 dt=薬剤処理平板上菌そう直径 測定結果を、次の基準にしたがって5段階評価基準に
よって評価した。その結果を第5表に示す。
生育阻害度 5 菌糸伸長抑制率が100%〜90%以上のもの 4 菌糸伸長抑制率が90%未満〜70%以上のもの 3 菌糸伸長抑制率が70%未満〜40%以上のもの 2 菌糸伸長抑制率が40%未満〜20%以上のもの 1 菌糸伸長抑制率が20%未満のもの 発明の効果 本発明に係る上記一般式(I)で示されるアゾール誘
導体は新規な物質であって、一般式(II)で示されるオ
キシラン誘導体を経由して容易に製造することができ、
人畜に対する毒性が低くて取扱い上での安全性が高く、
かつ、広汎な植物病害に対して優れた防除効果を示す。
したがって、そのアゾール誘導体を活性成分として含有
する農園芸用殺菌剤は、広汎な植物に対して有効かつ安
全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は、それぞれ本発明に係るアゾール
誘導体の化合物番号I−1ないし化合物番号I−6の赤
外線吸収スペクトルを示し、第7図ないし第9図は、そ
れぞれ本発明に係るオキシラン誘導体の化合物番号II−
1ないし化合物番号II−3の赤外線吸収スペクトルを示
す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) (式中、Aは窒素原子又はCHを表わし、mは0又は1の
    整数を表わし、nは1又は2の整数を表わす) で示されるアゾール誘導体。
  2. 【請求項2】下記一般式(II) (式中、mは0又は1の整数を表わし、nは1又は2の
    整数を表わす) で示されるオキシラン誘導体と、下記一般式(III) (式中、Mは水素原子又はアルカリ金属を表わし、Aは
    窒素原子又はCHを表わす) で示される1,2,4−トリアゾール又はイミダゾールを反
    応させることを特徴とする下記一般式(I) (式中、A、m及びnは、それぞれ前記したと同意義を
    有する) で示されるアゾール誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】下記一般式(II) (式中、mは0又は1の整数を表わし、nは1又は2の
    整数を表わす) で示されるオキシラン誘導体。
  4. 【請求項4】下記一般式(I) (式中、Aは窒素原子又はCHを表わし、mは0又は1の
    整数を表わし、nは1又は2の整数を表わす) で示されるアゾール誘導体を活性成分として含有する農
    園芸用殺菌剤。
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