JPH06104622B2 - リポソ−ム製剤の製造法 - Google Patents
リポソ−ム製剤の製造法Info
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- JPH06104622B2 JPH06104622B2 JP61082700A JP8270086A JPH06104622B2 JP H06104622 B2 JPH06104622 B2 JP H06104622B2 JP 61082700 A JP61082700 A JP 61082700A JP 8270086 A JP8270086 A JP 8270086A JP H06104622 B2 JPH06104622 B2 JP H06104622B2
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- liposomes
- calcein
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- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/10—Dispersions; Emulsions
- A61K9/127—Liposomes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
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- A61K9/10—Dispersions; Emulsions
- A61K9/127—Liposomes
- A61K9/1277—Processes for preparing; Proliposomes
-
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- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
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- Y10T428/29—Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
- Y10T428/2982—Particulate matter [e.g., sphere, flake, etc.]
- Y10T428/2984—Microcapsule with fluid core [includes liposome]
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は凍結・融解に対し安定なリポソーム製剤の製造
法に関する。
法に関する。
従来の技術 リポソームは、内部の水相やリン脂質二分子膜中に薬物
をはじめ、種々の物質を取り込むことができるので、医
学、薬学の分野では、薬物の選択分布、放出制御、吸収
促進を目的とする薬物キャリアーとしての応用が期待さ
れている。
をはじめ、種々の物質を取り込むことができるので、医
学、薬学の分野では、薬物の選択分布、放出制御、吸収
促進を目的とする薬物キャリアーとしての応用が期待さ
れている。
発明が解決しょうとする問題点 リポソームを薬物のキャリアーとして実用化する場合、
リポソームを室温下に安定に保存することが困難であ
り、このために凍結保存、凍結乾燥、冷所保存等の対策
が試みられている。これらの中で、凍結保存は比較的簡
単に実施でき、リポソームを化学的変化から、保護する
のには有効な方法である。しかしながら、薬物を取り込
ませたリポソームを凍結し、使用に際し室温に戻して融
解すると、リン脂質分子膜構造に変化を生じ、内容薬物
の漏出が促進されるという問題点があり、親水性薬物の
場合この漏出が顕著である。
リポソームを室温下に安定に保存することが困難であ
り、このために凍結保存、凍結乾燥、冷所保存等の対策
が試みられている。これらの中で、凍結保存は比較的簡
単に実施でき、リポソームを化学的変化から、保護する
のには有効な方法である。しかしながら、薬物を取り込
ませたリポソームを凍結し、使用に際し室温に戻して融
解すると、リン脂質分子膜構造に変化を生じ、内容薬物
の漏出が促進されるという問題点があり、親水性薬物の
場合この漏出が顕著である。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、凍結・融解に対するリポソーム膜の安定
化、取り込ませた薬物の漏出防止法について鋭意、研究
を重ねた結果、ある種の糖水溶液の存在下に凍結させた
リポソーム製剤が上記目的に沿うものであることを発見
し、さらに研究して本発明を完成した。
化、取り込ませた薬物の漏出防止法について鋭意、研究
を重ねた結果、ある種の糖水溶液の存在下に凍結させた
リポソーム製剤が上記目的に沿うものであることを発見
し、さらに研究して本発明を完成した。
すなわち、本発明はグルコース、ガラクトース、マンノ
ース、マルトースおよびマルトトリオースの1種又は2
種以上(以下、単に糖類という)と親水性薬物とを取り
込ませたリポソームを、該糖類水溶液の存在下に凍結さ
せることを特徴とする安定なリポソーム製剤の製造法で
ある。
ース、マルトースおよびマルトトリオースの1種又は2
種以上(以下、単に糖類という)と親水性薬物とを取り
込ませたリポソームを、該糖類水溶液の存在下に凍結さ
せることを特徴とする安定なリポソーム製剤の製造法で
ある。
本発明においては、リポソームは、主としてリン脂質が
二分子膜構造を形成してなる微少胞球で、水相を単一の
リン脂質二分子膜が取り囲んだ一枚膜、リン脂質二分子
膜が水相を介して、何層にも重なった多重層の形状で利
用される。リポソームを形成させるために用いるリン脂
質としては卵黄,大豆あるいはその他の動・植物に由来
するホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノール
アミン,ホスファジルイノシトール,ホスファチジルセ
リン,スフィンゴミエリンや、合成により得られるジパ
ルミトイルレシチン,ジステアロイルレシチン,ジミリ
ストイルレシチン等を挙げることができる。
二分子膜構造を形成してなる微少胞球で、水相を単一の
リン脂質二分子膜が取り囲んだ一枚膜、リン脂質二分子
膜が水相を介して、何層にも重なった多重層の形状で利
用される。リポソームを形成させるために用いるリン脂
質としては卵黄,大豆あるいはその他の動・植物に由来
するホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノール
アミン,ホスファジルイノシトール,ホスファチジルセ
リン,スフィンゴミエリンや、合成により得られるジパ
ルミトイルレシチン,ジステアロイルレシチン,ジミリ
ストイルレシチン等を挙げることができる。
次に、リポソームに取り込ませる親水性薬物としては、
例えばアドリアマイシン,アクチノマイシン,マイトマ
イシン,1−β−アラビノフラシルシトシン,ブレオマイ
シン,シスプラチン等の抗癌剤、インターフェロン等の
抗ウイルス剤、アミノ配糖体(例、ゲンタマイシン)、
β−ラクタム系(例、スルベニシリン,セフォチアム,
セフメノキシム)等の抗生物質、TRH,リュウプロライ
ド,インスリン等のペプチドホルモン剤、リゾチーム,
アスパラギナーゼ,グルコシダーゼ等の酵素剤、ムラミ
ルジペプチド,メラミルトリペプチド等の免疫賦活剤、
イミユノグロブリン、各種トキシン等の蛋白質があげら
れる。
例えばアドリアマイシン,アクチノマイシン,マイトマ
イシン,1−β−アラビノフラシルシトシン,ブレオマイ
シン,シスプラチン等の抗癌剤、インターフェロン等の
抗ウイルス剤、アミノ配糖体(例、ゲンタマイシン)、
β−ラクタム系(例、スルベニシリン,セフォチアム,
セフメノキシム)等の抗生物質、TRH,リュウプロライ
ド,インスリン等のペプチドホルモン剤、リゾチーム,
アスパラギナーゼ,グルコシダーゼ等の酵素剤、ムラミ
ルジペプチド,メラミルトリペプチド等の免疫賦活剤、
イミユノグロブリン、各種トキシン等の蛋白質があげら
れる。
糖類と親水性薬物とをリポソームに取り込ませるには、
通常のリポソーム形成法が採用でき、次のような方法で
実施できる。
通常のリポソーム形成法が採用でき、次のような方法で
実施できる。
たとえば、リン脂質を有機溶媒(例、クロロホルム)で
溶解し、次いで溶媒を留去し、リン脂質の膜を形成させ
る。この溶解時にも、ジセチルリン酸,ステアリルアミ
ンなどのようにリン脂質に電荷を与える物質を共存させ
てもよい。
溶解し、次いで溶媒を留去し、リン脂質の膜を形成させ
る。この溶解時にも、ジセチルリン酸,ステアリルアミ
ンなどのようにリン脂質に電荷を与える物質を共存させ
てもよい。
かくして得られたリン脂質の膜に、糖類と親水性薬物の
水溶液を加えてリポソームを形成させる。この場合、糖
類の濃度は単糖残基として約0.1〜2Mの範囲であること
が好ましく、一方親水性薬物の濃度は薬効を示すに必要
な量となるようにその種類や治療目的等に応じて適宜に
選択することができる。リポソームの形成には自体公知
の方法[ディ・ダブリュー・デイマー,ピー・エス・ウ
スター,“リポソーム”エム・ジェー・オストロ編集,
マーセル・デッカー・インク・,エヌ・ワイ,バーゼル
1983,27頁(D.W.Deamer,P.S.Uster,“Liposome"ed.by.
M.J.Ostro.Marcel Dekker Inc.,NY,Basel 1983,P.2
7)]、たとえばボルテックス法、超音波照射法、エタ
ノール注入法、エーテル注入法、逆相蒸発法(REV
法)、フレンチプレス押出法等が適用ができ、これらの
方法は必要に応じて2種以上を組み合わせて実施しても
よい。かくして糖類および親水性薬物を取り込んだリポ
ソームを得ることができるが、以下の説明においてリポ
ソームに取り込まれた糖類および親水性薬物を含む水溶
液を単に「内水相液」と略称することがある。
水溶液を加えてリポソームを形成させる。この場合、糖
類の濃度は単糖残基として約0.1〜2Mの範囲であること
が好ましく、一方親水性薬物の濃度は薬効を示すに必要
な量となるようにその種類や治療目的等に応じて適宜に
選択することができる。リポソームの形成には自体公知
の方法[ディ・ダブリュー・デイマー,ピー・エス・ウ
スター,“リポソーム”エム・ジェー・オストロ編集,
マーセル・デッカー・インク・,エヌ・ワイ,バーゼル
1983,27頁(D.W.Deamer,P.S.Uster,“Liposome"ed.by.
M.J.Ostro.Marcel Dekker Inc.,NY,Basel 1983,P.2
7)]、たとえばボルテックス法、超音波照射法、エタ
ノール注入法、エーテル注入法、逆相蒸発法(REV
法)、フレンチプレス押出法等が適用ができ、これらの
方法は必要に応じて2種以上を組み合わせて実施しても
よい。かくして糖類および親水性薬物を取り込んだリポ
ソームを得ることができるが、以下の説明においてリポ
ソームに取り込まれた糖類および親水性薬物を含む水溶
液を単に「内水相液」と略称することがある。
次に、上記のリポソームを前述の糖類、すなわち、グル
コース、ガラクトース、マンノース、マルトースおよび
マルトトリオースの1種又は2種以上を含む水溶液(以
下、単に「外水相液」と略称することがある)の存在下
に凍結させる。この凍結に際し、リポソームに取り込ま
れなかった親水性薬物はその親水性薬物の種類や作用目
的等によって予め除去しておいてもよい。除去の方法と
しては、たとえばゲル濾過、などが挙げられる。一方、
リポソーム内水相液に取り込まれなかった糖類を含む水
溶液はそのまま凍結時に外水相液として利用することが
できるが、前述のように取り込まれなかった薬物を除く
必要のある場合は同時に糖類も除かれるので、別に調製
した糖類水溶液を外水相液として用いる。外水相液の糖
濃度は前述の内水相液と同濃度に近いことが好ましい。
内水相液および外水相液には、必要に応じて、pH調整
剤、抗酸化剤、防腐剤,等張化剤等を添加することがで
きる。
コース、ガラクトース、マンノース、マルトースおよび
マルトトリオースの1種又は2種以上を含む水溶液(以
下、単に「外水相液」と略称することがある)の存在下
に凍結させる。この凍結に際し、リポソームに取り込ま
れなかった親水性薬物はその親水性薬物の種類や作用目
的等によって予め除去しておいてもよい。除去の方法と
しては、たとえばゲル濾過、などが挙げられる。一方、
リポソーム内水相液に取り込まれなかった糖類を含む水
溶液はそのまま凍結時に外水相液として利用することが
できるが、前述のように取り込まれなかった薬物を除く
必要のある場合は同時に糖類も除かれるので、別に調製
した糖類水溶液を外水相液として用いる。外水相液の糖
濃度は前述の内水相液と同濃度に近いことが好ましい。
内水相液および外水相液には、必要に応じて、pH調整
剤、抗酸化剤、防腐剤,等張化剤等を添加することがで
きる。
本発明における凍結温度は約−30℃以下、好ましくは約
−50℃以下であり、凍結の方法は寒剤(例、ドライアイ
ス−アセトン)あるいは凍結機を用いた強制凍結もしく
は自然凍結のいずれでもよく、また凍結速度は特に限定
されないが、一般には約100℃/分以下の緩和な速度に
おける凍結が望ましい。
−50℃以下であり、凍結の方法は寒剤(例、ドライアイ
ス−アセトン)あるいは凍結機を用いた強制凍結もしく
は自然凍結のいずれでもよく、また凍結速度は特に限定
されないが、一般には約100℃/分以下の緩和な速度に
おける凍結が望ましい。
かくして本発明の目的とするリポソーム製剤が得られ、
本薬剤は凍結状態で保存され使用に際しては常法により
凍結物をたとえば室温下で融解させ、用いた親水性薬物
の治療目的に応じて生体に投与される。
本薬剤は凍結状態で保存され使用に際しては常法により
凍結物をたとえば室温下で融解させ、用いた親水性薬物
の治療目的に応じて生体に投与される。
実施例 以下に、実験例と共に実施例をあげて本発明をさらに具
体的に説明する。
体的に説明する。
実施例1 卵黄レシチン(20mmole)−ジセチルリン酸をモル比10:
1の組成でクロロホルムに溶解させ、溶媒を留去してリ
ン脂質の薄膜を形成させ、これに蛍光マーカー・カルセ
イン(4×10-4M)を含有するpH7.2,10mM3−(N−モル
フオリノ)−プロパンスルフォン酸(MOPS)−NaOH緩衝
液を加え、Voltexで撹拌した後、0℃で30分間超音波処
理を行い、リポソームを調製した。リポーソームに取り
込まれないカルセインはSeph adex G−50を用いたゲル
クロマトグラフィーで分離し、リポソームは各種物質を
添加した溶液で溶離した。このリポソーム(卵黄レシチ
ン6.4mmoleを含む)を試験管に入れ、−70℃,−16℃,
−8℃のドライアイス−メタノールあるいは無機塩冷媒
中に浸し、一定時間(10分〜2時間30分)凍結を維持し
た後、室温に戻して融解させ、リポソーム内水相から漏
出したカルセインを蛍光光度法(励起490nm,発光520n
m)でまたリポソームの濁度を600nmおける光学密度で測
定した。
1の組成でクロロホルムに溶解させ、溶媒を留去してリ
ン脂質の薄膜を形成させ、これに蛍光マーカー・カルセ
イン(4×10-4M)を含有するpH7.2,10mM3−(N−モル
フオリノ)−プロパンスルフォン酸(MOPS)−NaOH緩衝
液を加え、Voltexで撹拌した後、0℃で30分間超音波処
理を行い、リポソームを調製した。リポーソームに取り
込まれないカルセインはSeph adex G−50を用いたゲル
クロマトグラフィーで分離し、リポソームは各種物質を
添加した溶液で溶離した。このリポソーム(卵黄レシチ
ン6.4mmoleを含む)を試験管に入れ、−70℃,−16℃,
−8℃のドライアイス−メタノールあるいは無機塩冷媒
中に浸し、一定時間(10分〜2時間30分)凍結を維持し
た後、室温に戻して融解させ、リポソーム内水相から漏
出したカルセインを蛍光光度法(励起490nm,発光520n
m)でまたリポソームの濁度を600nmおける光学密度で測
定した。
リポソームの凍結・融解に対する安定化の検討には、上
記においてカルセインと共に各種物質を添加してリポソ
ームを調製し、カルセイン漏出率の減少を測定して評価
した。
記においてカルセインと共に各種物質を添加してリポソ
ームを調製し、カルセイン漏出率の減少を測定して評価
した。
糖濃度:100mM,ΔOD600nmは凍結融解処理前後の光学密度
の差を示す。
の差を示す。
表1は各種物質を添加した場合の漏出率を未添加の場合
と比較したものであるが、NaCl,Kcl,尿素,マンニトー
ルを各100mM添加すると、これらは比較的高い共晶温度
(Te)を示し、Te以上の凍結温度では大きい漏出率およ
び濁度を示し、リン脂質の構造変化を生じたことを示し
ている。これに対し、D−グルコース,D−ガラクトー
ス,D−マンノース100mM添加すると−70℃までTeは観測
できず、−70℃以上の温度での凍結におけるカルセイン
の漏出率は3〜7%にすぎず、濁度も小さく(表2参
照)、凍結,融解に対してリポソーム膜が安定化された
ことが明らかである。なお、Teは示差走査熱量計(島津
製作所製DSC−30形)を用いて測定した。
と比較したものであるが、NaCl,Kcl,尿素,マンニトー
ルを各100mM添加すると、これらは比較的高い共晶温度
(Te)を示し、Te以上の凍結温度では大きい漏出率およ
び濁度を示し、リン脂質の構造変化を生じたことを示し
ている。これに対し、D−グルコース,D−ガラクトー
ス,D−マンノース100mM添加すると−70℃までTeは観測
できず、−70℃以上の温度での凍結におけるカルセイン
の漏出率は3〜7%にすぎず、濁度も小さく(表2参
照)、凍結,融解に対してリポソーム膜が安定化された
ことが明らかである。なお、Teは示差走査熱量計(島津
製作所製DSC−30形)を用いて測定した。
実施例2 実施例1と同様に、カルセインとD−グルコースあるい
はD−マルトースを内水相および外水相に含有するリポ
ソームの調製において、添加する糖濃度を変化させて、
カルセインの漏出率を測定した。
はD−マルトースを内水相および外水相に含有するリポ
ソームの調製において、添加する糖濃度を変化させて、
カルセインの漏出率を測定した。
結果は第1図のとおりでD−グルコースでは100mM以
上,マルトースでは50mM以上の添加で著しいカルセイン
漏出の抑制が認められ、D−グルコース単位として100m
M以上の添加により明確な漏出抑制効果が認められた。
上,マルトースでは50mM以上の添加で著しいカルセイン
漏出の抑制が認められ、D−グルコース単位として100m
M以上の添加により明確な漏出抑制効果が認められた。
実験例3 実験例1と同様にカルセインとD−グルコース,D−マル
トース,D−マルトトリオース,D−マルトペントース各30
mMあるいはデキストランT10(dexthranT10)10mMのいず
れかを内水相液および外水相液に含有するリポソームを
調製し、糖を構成する単糖残基数とカルセイン漏出率お
よび濃度との関係を測定した。
トース,D−マルトトリオース,D−マルトペントース各30
mMあるいはデキストランT10(dexthranT10)10mMのいず
れかを内水相液および外水相液に含有するリポソームを
調製し、糖を構成する単糖残基数とカルセイン漏出率お
よび濃度との関係を測定した。
その結果を第2図に示すが、図中nはグルコース残基を
示しn=1はD−グルコースをn=2はマルトースを、
n=3はマルトトリオースをn=5はマルトペントース
を、またn=62はデキストランT10を用いたことを示
す。第2図から明らかなように単糖残基数3以下で構成
する糖の添加が凍結によるカルセイン漏出率および濁度
の増加抑制に有効であることが認められた。
示しn=1はD−グルコースをn=2はマルトースを、
n=3はマルトトリオースをn=5はマルトペントース
を、またn=62はデキストランT10を用いたことを示
す。第2図から明らかなように単糖残基数3以下で構成
する糖の添加が凍結によるカルセイン漏出率および濁度
の増加抑制に有効であることが認められた。
実施例1 実験例1においてカルセインの代わりに10mMara−(1
−β−アラビノフラノシルシトシン)あるいは10mMara
−Cと100mMのD−グルコースを加え、同様の処理を行
い、リポソームを調製した。このリポソームを試験管に
入れ、−70℃冷媒に浸し、30分間凍結後、室温に戻して
リポソームから漏出したara−Cを196nmの吸光度で測定
した。
−β−アラビノフラノシルシトシン)あるいは10mMara
−Cと100mMのD−グルコースを加え、同様の処理を行
い、リポソームを調製した。このリポソームを試験管に
入れ、−70℃冷媒に浸し、30分間凍結後、室温に戻して
リポソームから漏出したara−Cを196nmの吸光度で測定
した。
実施例2 実験例1においてカルセインの代りに10mM)リュプロラ
イドあるいは10mMリュプロライドと1MのD-カラクトース
を加え、同様の処理を行い、リポソームを調製した。こ
のリポソームを試験管に入れ、−70℃冷媒に浸し、30分
間凍結後、室温に戻してリポソームから漏出したリュプ
ロライドを液体クロマトグラフィにより220nmの吸光度
で測定した。
イドあるいは10mMリュプロライドと1MのD-カラクトース
を加え、同様の処理を行い、リポソームを調製した。こ
のリポソームを試験管に入れ、−70℃冷媒に浸し、30分
間凍結後、室温に戻してリポソームから漏出したリュプ
ロライドを液体クロマトグラフィにより220nmの吸光度
で測定した。
実施例3 実験例1においてカルセインの代りに1mgのシスプラチ
ンを含む生理食塩水溶液10ml(A)と、1mgのシスプラ
チンを含む生理食塩水−Dグルコース混合溶液10ml(生
理食塩水:278mM D−グルコース水溶液=8:2)(B)を
用いてリポソームを調製した。リポソームにとりこまれ
なかったシスプラチンは透析膜(スペクトラポア 1.分
画分子量6000−8000)を用いて除去した。
ンを含む生理食塩水溶液10ml(A)と、1mgのシスプラ
チンを含む生理食塩水−Dグルコース混合溶液10ml(生
理食塩水:278mM D−グルコース水溶液=8:2)(B)を
用いてリポソームを調製した。リポソームにとりこまれ
なかったシスプラチンは透析膜(スペクトラポア 1.分
画分子量6000−8000)を用いて除去した。
このリポソームを試験管に入れ−70℃冷媒に浸し30分間
凍結後、室温に戻し、リポソームより漏出したシスプラ
チン量を液体クロマトグラフィーで定量した。
凍結後、室温に戻し、リポソームより漏出したシスプラ
チン量を液体クロマトグラフィーで定量した。
この結果より、塩化ナトリウムを含む系においても、D
−グルコースの存在下では、凍結融解に対して安定性が
向上することが認められた。
−グルコースの存在下では、凍結融解に対して安定性が
向上することが認められた。
発明の効果 本発明方法は人体等に安全な糖類を利用するものであ
り、得られるリポソーム製剤は、内水相に親水性薬物が
安定に保持されており長期間凍結保存が可能であり、使
用に際して凍結品を融解しても、該親水性薬物の漏出量
がきわめて少ない。従って、リポソームを薬物のキャリ
アーとして実用上有利に利用できる。
り、得られるリポソーム製剤は、内水相に親水性薬物が
安定に保持されており長期間凍結保存が可能であり、使
用に際して凍結品を融解しても、該親水性薬物の漏出量
がきわめて少ない。従って、リポソームを薬物のキャリ
アーとして実用上有利に利用できる。
第1図はカルセインと、D−グルコースまたはD−マル
トースを取り込ませたリポソームをこれら糖類の水溶液
の存在下に凍結させた製剤を融解したときの糖類の濃度
とカルセインの漏出率との関係を示す。同様に、第2図
は、D−グルコースで構成される糖のD−グルコース残
基数(n)とカルセインの漏出率との関係を示す。
トースを取り込ませたリポソームをこれら糖類の水溶液
の存在下に凍結させた製剤を融解したときの糖類の濃度
とカルセインの漏出率との関係を示す。同様に、第2図
は、D−グルコースで構成される糖のD−グルコース残
基数(n)とカルセインの漏出率との関係を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】グルコース、ガラクトース、マンノース、
マルトースおよびマルトトリオースの1種又は2種以上
と親水性薬物とを取り込ませたリポソームを、該糖類水
溶液の存在下に凍結させることを特徴とする安定なリポ
ソーム製剤の製造法
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60-78173 | 1985-04-11 | ||
JP7817385 | 1985-04-11 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6230708A JPS6230708A (ja) | 1987-02-09 |
JPH06104622B2 true JPH06104622B2 (ja) | 1994-12-21 |
Family
ID=13654558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61082700A Expired - Lifetime JPH06104622B2 (ja) | 1985-04-11 | 1986-04-09 | リポソ−ム製剤の製造法 |
Country Status (3)
Country | Link |
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