JPH06104340B2 - 積層シームレスベルト - Google Patents

積層シームレスベルト

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JPH06104340B2
JPH06104340B2 JP63071182A JP7118288A JPH06104340B2 JP H06104340 B2 JPH06104340 B2 JP H06104340B2 JP 63071182 A JP63071182 A JP 63071182A JP 7118288 A JP7118288 A JP 7118288A JP H06104340 B2 JPH06104340 B2 JP H06104340B2
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逸男 多林
潔 柴田
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、電子写真複写機のベルト状感光体、セラミッ
ク粉末の搬送用ベルト、ATM末端機用ベルト等の基材に
用いることができる積層シームレスベルトに関するもの
である。
〈従来技術とその問題点〉 フィルム状のエンドレスベルトは、従来種々の用途に用
いられている。例えば、電子写真複写機の感光体用に
は、繰り返し使用できるものとしてさらに装置の小型、
軽量化のために用いられている。エンドレスベルト状感
光体に使用されている支持体は通常、特開昭56-154772
や特開昭60-101574にみられるように、寸法安定性・熱
安定性に優れたTダイ法二軸延伸ポリエステルシートフ
ィルム(例えば東レ(株)製“ルミラー”)が使用され
ている。この二軸延伸ポリエステルフィルムからエンド
レスベルトを得るためには長方形に裁断されたシートの
両端部を接着剤による接着接合もしくは超音波振動子を
押圧して融着接合して作られるため、継目を形成されざ
るを得ない。
しかしこの継目部の段着のために、走行時にこの段差に
引っかかり走行不安定になったり、継目部の接合強度が
低いため破損しやすい欠点を有していた。
さらにこの接合したエンドレスベルトを電子写真複写機
感光体に使用すると、継目部がコピー用紙に黒いスジと
して現われるとともにクリーニング工程において除電を
行なっても継目部における除電が十分にできない欠点が
あるため、この継目部を画像形成域として利用できない
ように感光体の継目位置を検知して制御する必要があ
る。
感光体が継目部のないシームレスであるならば、継目を
検知する検知回路・装置が不要となり、電子写真複写機
の機構の簡素化が可能になるとともにベルト強度が向上
し、エンドレスベルト状感光体の寿命が延びる利点があ
る。
すでにシームレスベルト状感光体の支持体として、全芳
香族ポリイミド溶液を回転ドラム上にキャスト成形なら
びに300℃でポリイミドの環化反応を行なったシームレ
スベルトや導電性微粉末と全芳香族ポリイミド溶液から
なる分散液を遠心成形したシームレスの導電性ベルトが
提案されている(特開昭61-144658)が、この方法にお
いては、電子写真感光体として使用する目的のためにこ
れらベルトの外面に導電層や感光層を配設する場合にお
いて、ポリイミド樹脂の性能に起因する密着性不良の問
題およひ製造コストが高い等の問題がある。
一方、ポリエステル系樹脂は導電層、感光層との密着性
が良好であるが、寸法精度の高いポリエステル系樹脂か
らなるシームレスベルトは、未だ得られていない。ポリ
エステル系樹脂からなるシームレスベルトとしては、わ
ずかにTダイ法による二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムのシートフィルムから円形体(楕円を含
む)を切り取り、その内側円形状の径を加熱下で強制的
に拡大して延伸し製造されたエンドレステープが特公昭
55-23129号公報で提案されている。しかし、このエンド
レステープでは、内外の延伸倍率が違い過ぎると平面性
の良い幅をもったベルトができないため高々10mm程度ま
での細幅のベルトしか製造できない上、材料に二軸延伸
ポリエステルフィルムを用いると出来あがったエンドレ
スベルトは加熱すると元の平面状円形体に戻る傾向を示
し、寸法精度上問題がある。なおこのエンドレスベルト
は、短時間の間にテンターに於いて熱処理を行なうTダ
イ法の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートのシートフ
ィルムを原材料としているので、そのベルトの走行方向
の破断伸度が100%もしくはそれ以上であるため、ベル
トとして使用したとき、長期走行中にベルトが伸びやす
く感光層とベルトの間の接着強度の低下やベルトの寸法
精度に問題点がある。従ってこのエンドレスベルト表面
に接着層、金属蒸着層等の後加工する場合、処理温度、
使用温度等に制約がありむずかしい。
また二軸延伸円筒状フィルムはベルトの寸法精度通りに
製膜することが大変困難であることならびにフィルムの
熱収縮率が高く、後工程における表面処理における加熱
によって寸法が大幅に変化するため、そのままシームレ
スベルト状感光体の支持体として使用できない。
この対策として、インフレーション法による同時二軸延
伸した円筒状フィルムを連続的に熱固定することによつ
て、熱収縮率を低くすることが考えられるが、この製造
工程においては円筒状フィルムを多段のニップローラー
によって挟む必要があるため、必然的に円筒状フィルム
の両端に折しわが熱固定される。この折しわを有する円
筒状フィルムから切断して得たシームレスベルトを電子
写真複写機の感光体支持体ならびに転写・分離用ベルト
に使用するとき、この折しわの箇所にトナーの溜りが発
生し実用できないという問題がある。
更に、電子写真複写機、セラミツク粉末の搬送機、ATM
末端機等において使用するベルトは少なくとも10mm以上
の広幅である必要があり、ベルト表面に静電防止層もし
くは導電層を設けるに当り、ベルト温度が上昇すること
もあり、この面からも長期間寸法安定性の良いベルトの
開発が望まれていた。
本発明者らはかかる従来技術の諸欠点に鑑み、その改善
策について鋭意検討した結果、シームレスベルトを二軸
延伸ポリエステル系樹脂で形成するとともに該シームレ
スベルトの特定温度下における乾熱収縮率およびベルト
走行方向の破断伸度を特定の条件を満足する場合には前
述の諸欠点のない高品位のシートレスベルトが得られる
こと知見し、本発明に到達したものである。
〈発明が解決しようとする課題〉 しだがって、本発明の目的は寸法精度が高く、ベルト寿
命が長く、導電層等との密着性の良い積層シームレスベ
ルトを提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 かかる本発明の目的は以下の構成により達成される。
1 二軸延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂からなる円筒
状フィルム(A)の外側に、二軸延伸熱可塑性ポリエス
テル系樹脂からなる円筒状フィルム(B)を接着樹脂
(C)を介し配列した積層体であって、接着樹脂(C)
の融点は、該積層体を構成する熱可塑性ポリエステル系
樹脂(A)および(B)のガラス転移点と融点の間の温
度であり、しかも、該積層体の80℃における乾熱収縮率
が2%以下であり、且つ走行方向における破断伸度が95
%以下である積層シームレスベルト。
2 表面または内面にさらに表面固有抵抗が1010Ω・cm
以下の導電層を有する上記1項記載の積層シームレスベ
ルト。
本発明において使用される熱可塑性ポリエステル系樹脂
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートなどがあげられる。
本発明の積層シームレスベルトを構成する接着樹脂とし
ては、融点が、該二軸延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂
(A)および(B)の各融点以下であり、且つ各ガラス
転移点以上である樹脂が使用でき、具体的には、共重合
ポリエステル樹脂(例えばテレフタル酸・イソフタル酸
エチレグリコール・ネオペンチルグリコール共重合体、
テレフタル酸エチレングリコール・トリエリチレングリ
コール共重合体など)、変性ポリオレフィン樹脂などが
あげられる。この樹脂は非結晶性で柔軟であるのが好ま
しい。
本発明におけるシームレスベルトの80℃における乾熱収
縮率は、JIS C231-66により測定する。また破断伸度はJ
IS K−6761により測定する。この乾熱収縮率が2%以下
であり、且つベルト走行方向の破断伸度が95%以下であ
れば、シームレスベルトが、電子写真複写機のベルト状
感光体、転写分離ベルト、搬送用ベルト等の基材に用い
る場合においても、長期にわたり高い寸法精度と耐久性
を呈することができる。80℃における乾熱収縮率が2%
より大きいならば、寸法精度が低く、好ましくない。ま
た破断伸長度が95%を越える場合はベルト走行中のベル
トの寸法精度ならびに感光層との密着性などが低下する
ため好ましくない。破断伸度の下限としては特に限定さ
れないが、耐久性の点からは20%以上であることが好ま
しい。
本発明のシームレスベルトは、電荷を印加させるため、
その内面およびまたは表面に導電層を設けることができ
る。導電層としては、例えば熱可塑性樹脂(D)に導電
性フィラーとしてカーボンブラック、金属粉、カーボン
繊維等から選ばれる少くとも1種を配合した表面固有抵
抗が1010Ω・cm以下のシート状物をシームレスベルト上
(表面)または内面に接合もしくはコーティング等の方
式で形成される。
ここで熱可塑性樹脂(D)としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテ
ルエステル共重合体、共重合ポリエステル樹脂、ポリエ
ーテルアミド、ポリウレタン、アクリル共重合体、ポリ
オレフィン共重合体、オレフィン系エラストマー、スチ
レン系エラストマー、ポリ塩化ビニールおよび塩化ビニ
ール共重合体の群から選ばれる少なくとも一種以上のポ
リマが使用できる。また熱可塑性樹脂(D)には必要に
応じて公知の酸化防止剤、熱分解防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、着色剤(顔料、染料)等を含有させること
ができる。
特に本発明のシームレスベルトをベルト状感光体の支持
体等として使用する場合には、80℃における乾熱収縮率
が2%以下であることが必要である。乾熱収縮率が2%
を越えるものを使用すると、複写機内で走行中に、機内
の温度上昇により該ベルトが収縮するとベルトの走行張
力が増大し、ベルトの長さ方向にシワ状の波が発生し、
複写性能がダウンしたり、また収縮によって表面に塗布
された導電層、感光層のクラックによる接着はがれが発
生し、ベルト寿命の大幅な低下をまねく等の問題が発生
し、好ましくない。
本発明のシームレスベルトは、寸法精度が高く、ベルト
寿命が長く導電層との密着性が良好であるために、ベル
トの80℃における乾熱収縮率が2%以下であり、且つ破
断伸度が95%以下であることが必要である。
本発明のシームレスベルトは一層構造でも高い寸法精
度、長い寿命を保つことができるが、積層構造であるの
で、さらに耐屈曲疲労性が向上する。
なお、本発明における表面固有抵抗PS(Ω・cm)の測定
は、測定用電極として、形状が接触面積35mm2(1mm×35
mm)である矩形状の2個の電極を膜厚t(cm)の導電膜
上に35mm間隔に配置し、LCRメータ(ADEX社製 AX-22
1)に接続した、抵抗値Rs(Ω)を読みとり次式により
求めたものである。
(Ω・cm)=Ra(Ω)×t(cm) 本発明のシームレスベルトの製法の一例を次に説明す
る。
二軸延伸円筒状熱可塑性樹脂フィルムの製造時には、第
1図に示すように熱可塑性樹脂をチューブラダイを通
じ、チューブ状フィルム1に押出して冷却した後、この
フィルム上下に位置した二対のニップロール2、3間に
おいてリング状シーズヒーター4で配向可能な温度まで
加熱し、チューブ状フィルム内に封入した空気による加
圧(インフレーション法)と二対のニップロールの周速
の差によって該フィルムを縦横に同時に延伸することに
より二軸配向したチューブ状フィルム5を得ることがで
きる。
フィルムの熱収縮率を低下させ、寸法精度の良いベルト
寿命が長く、導電層との密着性の良いベルト状物を得る
ためには、二軸延伸チューブ状フィルム5を必要長さに
切断して得れた円筒状フィルム6を第2図に示すように
金属ドラム7にかぶせ、フィルムのガラス転移点より30
℃以上高い温度、且つ融点以下の温度の雰囲気内で15分
以上加熱処理することによって、チューブ状フィルム5
の重ね合せた両端にあった折れシワが消えて、フィルム
は金属ドラムに密着し、金属ドラムの外径と同一寸法の
内径をもち、ニップロールによる折れシワが見られない
シームレスベルトを得ることができる。この加熱処理に
よってフィルムは金属ドラムの形状に熱固定されるた
め、加熱処理を行なった円筒状フィルムはガラス転移温
度以下で再加熱しても、乾熱収縮率を2%以下に抑える
ことが可能である。また同様の方法によって、ベルト走
行方向の破断伸度を95%以下にすることが可能である。
なお金属ドラム7から加熱処理した円筒状フィルムを容
易に取り出すためには、金属ドラム表面にグリースオイ
ルその他の離型界面を形成しておくことが望ましい。
加熱処理した円筒状フィルムは、シームレスベルト状感
光体として十分使用可能であるが、さらにベルトの走行
寿命を延長するには、第3図に示すごとく二軸延伸した
円筒状フィルム6、9の中間に接着樹脂層8を設けるこ
とによって達成できる。この接着樹脂層を二軸延伸円筒
状フィルムの中間に設ける方法として、円筒状フィルム
6を金属ドラム7にかぶせ加熱処理することにより金属
ラムに密着させた後、共重合ポリエステル樹脂(例えば
テレフタル酸・イソフタル酸エチレングリコール・ネオ
ペンチルグリコール共重合体、テレフタル酸エチレング
リコール・トリエチレングリコール共重合体など)など
の接着樹脂からなるフィルム8を金属ドラムに密着させ
た円筒状フィルムの上に被覆した上に、さらに円筒状フ
ィルム9をかぶせ、該円筒状フィルムのガラス転移温度
より30℃以上高い温度の雰囲気内で15分以上加熱使用す
ることにより、接着樹脂フィルムを中間層として二層の
円筒状フィルムが接着する。接着樹脂フィルムは樹脂の
代りに適当な溶媒に溶解させた溶液タイプの接着剤を使
用することもできる。
またはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートから選ばれた熱可塑性樹脂と、その中間層と
して接着樹脂を三層共押出法によって作られた熱可塑性
樹脂/接着樹脂/熱可塑性樹脂の構成の二軸延伸チュー
ブ状フィルムを必要長さに切断して得られた三層構造の
円筒状フィルムを金属ドラムにかぶせ、熱可塑性樹脂の
ガラス転移温度より30℃以上高い温度、且つ融点以下の
温度の雰囲気内で15分以上加熱処理することによって該
フィルムは金属ドラムに密着し、金属ドラムの外径と同
一寸法の内径をもつ三層構成のシームレスベルトを得る
ことができるとともに要求される破断伸度に制御するこ
とができる。このように金属ドラムを使用すると得られ
るシームレスベルトの形状は真円あるいは同心円状であ
るため、ベルトとして使用すると蛇行せず走行性が良好
であるので好ましい。このように接着樹脂を中間層に設
けることによりベルトの耐屈曲疲労性を向上させ、単層
の二軸延伸熱可塑性ポリエステル樹脂ベルトに比較して
走行寿命を約50%以上延長させることができる。
〈実施例〉 参考例1 ポリエチレンテレフタレートを押出機の円形口金から押
出温度290℃で押出し、内径50mm、厚さ366μmのポリエ
チレンテレフタレートのチューブ状フィルムを得た。こ
のチューブ状フィルム内に圧空を導入し、第1図に示し
たごとき装置により、熱延伸温度190℃の雰囲気下にお
いて、縦3.5倍、横3.0倍に延伸を行ない、内径150mm、
厚さ35μmの二軸延伸チューブ状フィルム5を得た。
ついで、このチューブ状フィルムを長さ370mmに切断し
て得た円筒状フィルムを第2図に示す外径130mmの金属
ドラム7にかぶせ、160℃の温度の雰囲気下で40分間熱
処理を行なった後、金属ドラムから抜きだし、厚み40μ
m、内径130mmた円筒状フィルムを得た。
この円筒状フィルムにカーボンブラック(商品名“シー
スト"SO、東海カーボン(株)製)8%、共重合ポリエ
ステル樹脂(商品名“ハイロン"30、東洋紡(株)製)3
0%、トルエン30%、酢酸エチル32%の組成の導電性接
着剤溶液20lに内面浸漬法により内面コーティングした
後、80℃、30分間の熱乾燥を行ない、膜厚6μmのカー
ボン膜が円筒状フィルムの内面に形成され、その表面固
有抵抗値は120Ω・cmであった。80℃、30分間の熱乾燥
で円筒状フィルムの内径は、130mmから129.9mmに収縮
(0.07%)したが、フィルムの表面平滑性は保持されカ
ーボン膜の密着性は良好であった。
得られた円筒状フィルムからなるシームレスベルトの80
℃における乾熱収縮率は0.08%であり、また走行方向の
破断伸度は82%であった。
比較例1 厚さ42.5μm、内径130mmの二軸延伸チューブ状フィル
ムから得られた円筒状フィルムを、金属ドラムによる熱
処理をしなかった以外は実施例1の方法で、膜厚6μm
のカーボン膜を円筒状フィルムの内面に形成した。その
表面固有抵抗値は135Ω・cmであった。しかし、円筒状
フィルムの内面に形成したカーボン膜を80℃、30分間の
熱乾燥で行なうことにより円筒状フィルムの内径は、13
0mmから127.1mmに収縮(2.5%)を起し、フィルムの表
面が不規則なしわ状を呈し、参考例1と比較してカーボ
ン膜がフィルム表面から剥離しやすい現象を示した。
得られた円筒状フィルムからなるシームレスベルトの80
℃における乾熱収縮率は2.8%、走行方向の破断伸度は6
5%であった。
この円筒状フィルムをPPC複写機の感光体に近接して設
けた分離器用のシームレスエンドレス状ベルトとして使
用し、感光体からトナー像を転写された転写紙を電圧印
加されたシームレスエンドレス状ベルトにより分離し、
搬送した。このシームレスエンドレス状ボルトに不規則
なしわがあるので、未定着トナー像を転写された転写紙
に電荷が均一に帯電させるこことができず、未定着トナ
ー像の一部が飛散し、画像乱れが発生した。またカーボ
ン膜の密着強度が低下したため、このベルトは11時間の
走行でカーボン膜の剥離がおこり、分離器用の機能を失
った。
比較例2 厚さ40μmの二軸延伸シート状フィルム(商品名“ルミ
ラー”東レ(株)製)の表面に実施例1の組成の導電性
接着剤溶液をリバースコータでコーティング・乾燥を行
ない、続いて幅320mm、長さ420mmのシートの両端部を共
重合ポリエステル樹脂接着剤を塗布し、両端部を接合し
内径130mm、幅320mmの継目部のあるエンドレス状ベルト
を作った。本ベルトの80℃における乾熱収縮率は0.1
%、ベルト走行方向における破断伸度は165%であっ
た。
以上参考例1および比較例1および2の3種類のベルト
についての評価結果を表1に示した。
参考例1で得られた本発明のシームレスエンドレス状ベ
ルトをPPC複写機紙分離機・搬送ベルトに使用した場
合、比較例1に比べて、寸法安定性および表面状態が良
好な品質を持ち、複写画像の乱れがないうえ走行寿命が
格段に長い。また、比較例2で作成したサンプルのよう
に感光層の密着性の低下による複写画像の乱れや継目部
の強度低下の欠点がないため走行寿命を延長できるとと
もに、複写機に継目部を検出する位置決めシーケンスを
必要とせず、走行安定性の優れた品質のものが得られる
ことがわかる。
実施例1 ポリエチレンテレフタレートを押出機の円形口金から押
出温度285℃で押出し、内径130mm、厚さ100μmのポリ
エチレンテレフタレートのチューブ状フィルムを得た。
このチューブ状フィルム内に圧空を導入し、第1図に示
したごとき装置により熱延伸温度180℃の雰囲気下にお
いて、縦2.5倍、横2.0倍に延伸を行ない、内径265mm、
厚さ20μmの二軸延伸チューブ状フィルム5を得た。
ついで、このチューブ状フィルムを長さ400mmに切断し
て得た円筒状フィルムをサンプリングし、この一方のフ
ィルムの表面に共重合ポリエステル樹脂(テレフタル酸
エチレングリコール・ネオペンチルグリコール)を押出
キャスト法で調整した膜厚30μm、融点120℃のフィル
ムを貼合せた。さらにその上にもう一方の円筒状フィル
ムをカバーした後、外径230mmの金属ドラムにこの三層
構造の円筒状フィルムをかぶせこれをオーブン中で170
℃で25分間熱処理を行なったところ、内層および外層の
二軸延伸した円筒状フィルムが熱収縮し金属ドラムに密
着することにより、中間層の共重合ポリエステル樹脂層
に存在していた空気はこの熱収縮によって容易に抜ける
とともに、この中間層が熱処理温度において溶融するこ
とにより、円筒状フィルム間に充填され、円筒状フィル
ムの厚みの誤差を吸収して厚み精度が、単一フィルムは
±5μmに対して三層構造のフィルムは±3μmに向上
した。
引続き、金属ドラムから引抜いた三層構造の円筒状フィ
ルムの外側表面に、参考例1の方法で厚み6μm、表面
固有抵抗値120Ω・cmのカーボン膜を形成した上に、メ
チルセルロースからなるバインダー層(厚み1μm)、
β−銅フタロシアニンとポリメチルメタクリレートを固
形分比9:5の比率からなる厚み0.5μmの電荷発生層、厚
み12μmの電荷輸送層(p−ジエチルアミノベンズアル
デヒド−N,Nジフェニルヒドラゾンとポリカーボネート
の固形分比1:1)を順次浸漬法で設けることによりシー
ムレスベルト状電子感光体を得た。
得られたシームレスベルト感光体の80℃における乾熱収
縮率は0.07%であり、また走行方向の破断伸度は82%で
あった。
比較例3 実施例1の方法で製造した内径265mm、厚さ20μm、高
さ400mmの二軸延伸した円筒状フィルムを、金属ドラム
による熱処理をしなかった以外は参考例1の方法でフィ
ルム外側表面に厚み6μm、表面固有抵抗値120Ω・cm
のカーボン膜を形成した。本フィルムの破断伸度は69%
であった。しかし、円筒状フィルムの外面に形成したカ
ーボン膜を80℃、30分間の熱乾燥で行なうことにより円
筒状フィルムの径は、265mmから259.2mmに収縮(2.2
%)を起し、フィルムの表面が不規則なしわ状を呈し、
実施例1と比較してカーボン膜がフィルム表面から剥離
しやすい現象を示した。
このカーボン膜の上に、実施例1と同様にバインダー
層、電荷発生層、電荷輸送層を順次浸漬法で設けること
により、シームレスベルト状感光体を得たが、この感光
体の表面は不規則なしわ状を呈していた。
得られたシームレスベルト感光体の80℃における乾熱収
縮率は2.4%、走行方向の破断伸度は69%であった。
次に得られた各感光体の評価結果は表2のとおりであ
る。
表2から明らかなごとく、本発明にかかる実施例1のシ
ームレスベルトによる場合、比較例3のベルトに比べ寸
法安定性および表面状態が良好な品質をもち、複写画像
の乱れがなく走行寿命が著しく長いことがわかる。
参考例2 ポリブチレンテレフタレートを押出機の円形口金から押
出温度250℃で押出し、内径42mm、厚さ432μmのポリブ
チレンテレフタレートのチューブ状フィルムを得た。こ
のチューブ状フィルムを参考例1と同様な方法で、熱延
伸温度150度の雰囲気下において、縦2.7倍、横3.2倍に
延伸を行ない、内径135mm、厚さ50μmの二軸延伸チュ
ーブ状フィルムを得た。
ついで、このチューブ状フィルムを長さ370mmに切断し
て得た円筒状フィルムを金属ドラムにかぶせ、170℃の
温度の雰囲気下で50分間熱処理を行なった後、金属ドラ
ムから抜きだし、厚み60μm、内径122mmの円筒状フィ
ルムを得た。
一方、導電性カーボンを30%混練した導電性変性ポリエ
チレン樹脂(商品名“ニュークレル”三井デュポン
(株)製)を押出機の円形口金から、温度140℃で押出
し、内径122mm、厚み100μmの導電性変性ポリエチレン
のチューブ状フィルムを得た。
ついで、このチューブ状フィルムを長さ370mmに切断し
て得た円筒状導電フィルムを外径122mmの金属ドラムに
かぶせ、その上に前記二軸延伸ポリブチレンテレフタレ
ートチューブ状をフィルムをかぶせ、165℃の温度の雰
囲気下で50分間熱処理を行ない、円筒状フィルムからな
る積層シームレスベルトを作成した。この積層シームレ
スベルトの厚みは160μm、内径122mmであった。またベ
ルト走行方向の破断伸度は76%、80℃における乾熱収縮
率は0.4%であった。なお内面側に形成した導電フィル
ムの表面固有抵抗値は170Ω・cmであった。
比較例4 厚さ60μm、内径122mmの二軸延伸ポリブチレンテレフ
タレートのチューブ状フィルムから得られた円筒状フィ
ルムを、金属ドラムによる熱処理をしなかった以外は、
参考例2と同様な方法でフィルムの厚み100μ、内径122
mmの導電性変性ポリエチレンのチューブ状フィルムにか
ぶせ、130℃の温度の雰囲気下で50分間の熱処理を行な
い、円筒状フィルムからなるシームレスベルトを作成し
た。
このベルトの80℃における乾熱収縮率は2.7%、ベルト
走行方向の破断伸長度は71%であった。なお、内面側の
導電フィルムの表面固有抵抗値は165Ω・cmであった。
以上参考例2、比較例4のベルトについての評価結果を
表3に示す。
表3から明らかなごとく、参考例2で得られた本発明の
シームレスベルトをPPC複写機の紙分離・搬送ベルトに
使用した場合、比較例4に比べ、寸法安定性および表面
状態が良好な品質を保ち、複写画像の乱れがないうえ走
行寿命が格段に長い。また複写機の継目部を検出する位
置決めシーケンスを必要とせず、走行安定性の優れた品
質のものが得られることがわかる。
〈発明の効果〉 本発明のシームレスベルトは上述のごとく構成したの
で、これを電子写真複写機や紙分離ベルト用基材として
使用した場合、感光ベルトならびに紙分離ベルトの走行
安定性が得られるとともに導電層との密着性が確実に向
上する。また走行中の収縮による継目破損および感光体
および紙分離ベルトの導電層のクラック発生による摩耗
損傷による寿命低下が大幅に改善でき、さらに従来継目
のあったベルト方式の感光体用基材を使用した場合に比
較して、電子写真複写装置の継目位置制御機能を不要化
したことにより装置の簡略化および信頼性向上をはかる
ことが可能になった等の優れた効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は円筒状フィルムの製造方法の1例を説明する概
略図、第2図はシームレスベルトの製造方法の1例を説
明する概略斜視図、第3図は積層シームレスベルトの製
造方法の1例を説明する概略斜視図である。 1……チューブ状フィルム 2、3……ニップロール 4……リング状シーズヒーター 5……チューブ状フィルム 6……円筒状フィルム 7……金属ドラム 8……接着樹脂からなるフィルム 9……円筒状フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸延伸熱可塑性ポリエステル系樹脂から
    なる円筒状フィルム(A)の外側に、二軸延伸熱可塑性
    ポリエステル系樹脂からなる円筒状フィルム(B)を接
    着樹脂(C)を介し配列した積層体であって、接着樹脂
    (C)の融点は、該積層体を構成する熱可塑性ポリエス
    テル系樹脂(A)および(B)のガラス転移点と融点の
    間の温度であり、しかも、該積層体の80℃における乾熱
    収縮率が2%以下であり、且つ走行方向における破断伸
    度が95%以下である積層シームレスベルト。
  2. 【請求項2】表面または内面にさらに表面固有抵抗が10
    10Ω・cm以下の導電層を有する請求項1記載の積層シー
    ムレスベルト。
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