JPH06104221B2 - 金属表面への熱溶融性フツ素樹脂層の形成方法 - Google Patents

金属表面への熱溶融性フツ素樹脂層の形成方法

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JPH06104221B2
JPH06104221B2 JP11160086A JP11160086A JPH06104221B2 JP H06104221 B2 JPH06104221 B2 JP H06104221B2 JP 11160086 A JP11160086 A JP 11160086A JP 11160086 A JP11160086 A JP 11160086A JP H06104221 B2 JPH06104221 B2 JP H06104221B2
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俊清 駒沢
寿之 山口
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日本バルカ−工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、金属表面への熱溶融性フッ素樹脂層の形成方
法に関し、さらに詳しくは、ステンレス鋼、鉄、アルミ
ニウムなどの金属表面に、接着性に優れた熱溶融性フッ
素樹脂層を形成するための方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニル
エーテルとの共重合体(以下PFAと略記することがあ
る)などの熱溶融性フッ素樹脂は、耐熱性、耐候性、耐
化学薬品性、滑り特性、非粘着性などの点において、他
の合成樹脂と比較して、著しく優れた特性を有してお
り、この特性を利用して、腐蝕性流体あるいは高温流体
を扱うパイプライン、タンクあるいは機械装置などの耐
食性ライニング材として広く利用されている。
ところがPFAなどのフッ素樹脂は、上記のように非粘着
性であるため、他の材質たとえば金属との接着が接着剤
を用いてもかなり困難である。もし金属などの基材とフ
ッ素樹脂との接着性が悪いと、フッ素樹脂ライナーが基
材から浮き上がってしまい、ライナーとしての機能を果
さなくなるため好ましくない。
このためPFAなどのフッ素樹脂と金属との接着性を高め
るための方法が数多く提案されている。その1つとして
は、たとえば金属などの基材の表面にアリ溝を形成して
基材とフッ素樹脂との接着性を高める方法がある。とこ
ろがこの方法では基材表面にアリ溝を形成するのに手間
がかかり、しかも基材とフッ素樹脂との機械的接着性も
充分ではないという問題点があった。またフッ素樹脂表
面を、液体アンモニアに金属ナトリウムを溶かした溶液
で処理して、その表面を化学的に活性化する方法が提案
されている。ところがこの方法では、処理液自体が環境
汚染を引き起す恐れがあるとともに、その取扱いに危険
が伴なうという問題点があった。また、フッ素樹脂表面
にプラズマスパッタリングなどの物理化学的処理を施し
たり、あるいはフッ素樹脂表面を機械的に粗面化するな
どの方法も提案されているが、この方法では、処理に手
間がかかったりあるいはコスト上昇を伴なうなどの問題
点があった。
一方、本願出願人は、特開昭55-61,961号公報にて、金
属表面にクロムイオン、水素イオンを含有するフッ素樹
脂の水性ディスパージョンからなるプライマーを塗布
し、その上に熱溶融性フッ素樹脂粉末を均一に散布付着
し、熱溶融性フッ素樹脂の分解温度以上に加熱溶融する
ことを特徴とする金属表面にフッ素樹脂の接着可能な表
面層を形成する方法を提案している。この方法によれ
ば、金属表面上に強固に接着されたフッ素樹脂層を設け
ることができるが、プライマーはクロムイオンを含有し
ているため、その取扱いに危険が伴なうとともに環境汚
染を引き起こす恐れがあるという問題点があった。しか
も接着時に加熱しているためプライマーの分解に起因し
て発泡現象が認められるという問題点があった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解決
しようとするものであって、環境汚染を引き起す恐れの
あるクロムイオンを含有するプライマーあるいは有機物
を含有するプライマーを用いなくとも、金属表面上にPF
Aなどの熱溶融性フッ素樹脂層を強固に形成することの
できる方法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る金属表面への熱溶融性フッ素樹脂層の形成
方法は、金属表面に酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化マン
ガン、酸化銅、酸化スズおよび酸化マグネシウムからな
る群から選択される少なくとも一種の金属酸化物粉末を
付着させた後、この金属酸化物粉末上に熱溶融性フッ素
樹脂粉末層を設け、次いで熱溶融性フッ素樹脂の融点以
上に加熱することを特徴としている。
本発明に係る金属表面への熱溶融性フッ素樹脂層の形成
方法によれば、金属表面に金属酸化物粉末を付着させた
後、この金属酸化物粉末上に熱溶融性フッ素樹脂粉末層
を設け、次いで熱溶融性フッ素樹脂の融点以上に加熱し
ているため、プライマーを用いなくともフッ素樹脂層と
金属とを強固に接着することができ、しかも接着に際し
て必ずしも加圧装置を必要とせず、その上接着時にプラ
イマーの分解による発泡が生ずることがないという効果
が得られる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る金属表面への熱溶融性フッ素樹脂層の
形成方法について具体的に説明する。
本発明では金属表面に熱溶融性フッ素樹脂層が形成され
るが、この熱溶融性フッ素樹脂が形成される金属として
は、ステンレス製、鋼、アルミニウムなどの金属が広く
挙げられる。
フッ素樹脂層が形成される金属は、予じめその表面にサ
ンドブラスト処理あるいばグリットブラスト処理などを
施して、金属表面に付着している錆などの異物を取り除
いて金属表面の洗浄化を図るとともに、金属表面の粗面
化を行うことが、金属とフッ素樹脂との接着力を高める
上で好ましい。
次にこのような金属表面に、以下のような金属酸化物粉
末を付着させる。付着される金属酸化物粉末は、酸化亜
鉛、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化銅、酸化スズお
よび酸化マグネシウムからなる群から選択される。
これらの金属酸化物粉末は単独であるいは2種以上組合
せて用いてもよい。このうち特に、酸化亜鉛、酸化スズ
などが好ましい。
これらの金属酸化物粉末は、その粒径が200μm以下好
ましくは80μm以下であることが望ましい。金属酸化物
粉末が200μm越えると、金属酸化物粉末が粗くなりす
ぎて金属面から離脱するため好ましくない。
上記のような金属酸化物粉末は、金属表面に1cm2当り
0.001〜0.1g好ましくは0.003〜0.005gの量で付着される
ことが望ましい。金属酸化物粉末を金属表面に付着させ
るには、たとえば金属酸化物粉末をアセトンなどの有機
溶媒に分散混合させたものを、金属表面にたとえばハケ
塗り法などにより塗布した後、有機溶媒を乾燥させれば
よい。
上記のようにして、金属表面に金属酸化物粉末を付着さ
せた後、この金属酸化物粉末上に、熱溶融性フッ素樹脂
粉末層を設ける。この熱溶融性フッ素樹脂としては、具
体的には、前述のPFA、テトラフルオロエチレンとヘキ
サフルオロプロピレンとの共重合体であるFEP、テトラ
フルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとパーフ
ルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体であるEP
E、ポリクロロトリフルオロエチレンであるPCTFE、エチ
レンとテトラフルオロエチレンとの共重合体であるETFE
などが用いられる。
これらの熱溶融性フッ素樹脂は、その粒径が500μm以
下好ましくは100〜500μm程度であることが望ましい。
このフッ素樹脂粉末が20μmであるかあるいは500μm
を越えると、発泡現象が認められるため好ましくない。
上記のような熱溶融性フッ素樹脂粉末は、金属表面に1
cm2当り0.1〜2.0g好ましくは0.5〜1.0gの量で設けられ
て、フッ素樹脂の厚さが0.4〜10mm好ましくは2〜4mm程
度とすることが望ましい。
このようにして金属酸化物粉末上に熱溶融性フッ素樹脂
層を設けた後に、この熱溶融性フッ素樹脂の溶融温度以
上の温度で加熱する。熱溶融性フッ素樹脂がPFAである
場合には360〜370℃の温度で加熱溶融することが好まし
い。この加熱時間は一般に0.5〜10時間好ましくは0.5〜
1時間であることが好ましい。加熱後の冷却は、たとえ
ば自然放冷などにより行なえばよい。
このようにして金属表面上に金属酸化物粉末を介して熱
溶融性フッ素樹脂層を形成すると、金属表面に金属酸化
物粉末を用いずに熱溶融性フッ素樹脂層を形成した場合
と比較して、金属とフッ素樹脂層との接着力は著しく向
上する。たとえば鉄板上に酸化亜鉛粉末を介してPFA層
を接着させた場合には、その剥離強度は9.5kgf/cmであ
るのに対し、鉄板上に直接PFA層を接着させる場合には
その剥離強度は2〜3kgf/cmであるのにすぎない。
また本発明では、金属表面に熱溶融性フッ素樹脂層を形
成するに際して、クロムイオンを含むプライマーあるい
は有機樹脂を含むプライマーを塗布していないため、プ
ライマーの分解による発泡が全く生ぜず、外観が美し
く、しかもフッ素樹脂層と金属との接着強度は優れてい
る。さらに接着に際してフッ素樹脂層と金属板とを加圧
圧着させる必要は必ずしもない。
発明の効果 本発明に係る金属表面への熱溶融性フッ素樹脂層の形成
方法によれば、金属表面に酸化亜鉛、酸化コバルト、酸
化マンガン、酸化銅、酸化スズおよび酸化マグネシウム
からなる群から選択される少なくとも一種の金属酸化物
粉末を付着させた後、この金属酸化物粉末上に熱溶融性
フッ素樹脂粉末層を設け、次いで熱溶融性フッ素樹脂の
融点以上に加熱しているため、プライマーを用いなくと
もフッ素樹脂層と金属とを強固に接着することができ、
しかも接着に際して必ずしも加圧装置を必要とせず、そ
の上接着時にプライマーの分解による発泡が生ずること
がないという効果が得られる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
実施例1 鉄板(SS41)の表面をアセトンで脱脂した後サンドブラ
スト処理して、表面の錆などの異物を取り除いて洗浄化
するとともに金属板表面を粗面化した。
このようにして表面が粗面化された鉄板上に、粒径30μ
mの酸化亜鉛粉末がアセトン溶媒中に分散されてなる組
成物を、金属表面1cm2当り0.005gの量で酸化亜鉛粉末
が塗布されるように塗布した後、乾燥して金属表面上に
酸化亜鉛粉末を付着させた。
次にこの亜鉛粉末上に、粒径200μmのPFA粉末を1cm2
当り0.7gの量で設けた後、370℃の温度で1時間加熱し
た。
このようにして鉄板上にPFA層を形成した。このPFA層と
鉄板との剥離強度(kgf/cm)を調べたところ、剥離強度
は9.5kgf/cmであった。
比較例1 実施例1において、鉄板上に酸化亜鉛粉末を付着させな
い以外は実施例1と同様にして、鉄板上にPFA層を形成
した。
このPFA層と鉄板との剥離強度は、2〜3kgf/cmであっ
た。
比較例2 実施例1において、酸化亜鉛粉末の代わりに、粒径30μ
mの酸化銅粉末と、粒径20μmの酸化スズ粉末との混合
物(酸化銅粉末34.5重量%、酸化スズ粉末65.5重量%)
を用いた以外は、実施例1と同様にして鉄板上にPFA層
を形成した。
このPFA層と鉄板との剥離強度は、10.0kgf/cmであっ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属表面に酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化
    マンガン、酸化銅、酸化スズおよび酸化マグネシウムか
    らなる群から選択される少なくとも一種の金属酸化物粉
    末を付着させた後、この金属酸化物粉末上に熱溶融性フ
    ッ素樹脂粉末層を設け、次いで熱溶融性フッ素樹脂の融
    点以上に加熱することを特徴とする金属表面への熱溶融
    性フッ素樹脂層の形成方法。
  2. 【請求項2】金属酸化物粉末の粒径が、200μm以下で
    ある特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】熱溶融性フッ素樹脂が、20〜500μmの粒
    径を有する、テトラフルオロエチレンとパーフルオロア
    ルキルビニルエーテルとの共重合体である特許請求の範
    囲第1項に記載の方法。
JP11160086A 1986-05-15 1986-05-15 金属表面への熱溶融性フツ素樹脂層の形成方法 Expired - Lifetime JPH06104221B2 (ja)

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