JPH0610221Y2 - 歯車変速機の同期装置 - Google Patents
歯車変速機の同期装置Info
- Publication number
- JPH0610221Y2 JPH0610221Y2 JP1986063585U JP6358586U JPH0610221Y2 JP H0610221 Y2 JPH0610221 Y2 JP H0610221Y2 JP 1986063585 U JP1986063585 U JP 1986063585U JP 6358586 U JP6358586 U JP 6358586U JP H0610221 Y2 JPH0610221 Y2 JP H0610221Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- synchro
- ring
- outer ring
- clutch hub
- synchronizing
- Prior art date
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Description
【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、歯車変速機に用いられる同期装置(ダブルコ
ーン式シンクロ装置)の改良に関する。
ーン式シンクロ装置)の改良に関する。
(先行の技術) 先行する歯車変速機の同期装置としては、例えば、特開
昭62−52241号公報(特願昭60−191267
号)に記載されている装置が知られている。
昭62−52241号公報(特願昭60−191267
号)に記載されている装置が知られている。
この装置は、第2図に示すように、シャフト01に固定
され、カップリングスリーブ02とはスプライン結合さ
れるクラッチハブ03と、該クラッチハブ03のスプラ
イン部04の内側にクラッチハブ03とは同心に配置さ
れるシンクロアウタリング05及びシンクロインナリン
グ06と、該シンクロアウタリング05及びシンクロイ
ンナリング06との間に両リング05,06に対し摩擦
係合可能に介装されたシンクロコーンリング07と、を
備え、カップリングスリーブ02のチャンファ02aと
シンクロアウタリング05のチャンファ05aとが接触
して同期が行なわれるもので、シンクロインナリング0
6の内周部061とクラッチハブ03のスプライン部0
4内側の外周部031との間隙が微少間隙となってい
た。
され、カップリングスリーブ02とはスプライン結合さ
れるクラッチハブ03と、該クラッチハブ03のスプラ
イン部04の内側にクラッチハブ03とは同心に配置さ
れるシンクロアウタリング05及びシンクロインナリン
グ06と、該シンクロアウタリング05及びシンクロイ
ンナリング06との間に両リング05,06に対し摩擦
係合可能に介装されたシンクロコーンリング07と、を
備え、カップリングスリーブ02のチャンファ02aと
シンクロアウタリング05のチャンファ05aとが接触
して同期が行なわれるもので、シンクロインナリング0
6の内周部061とクラッチハブ03のスプライン部0
4内側の外周部031との間隙が微少間隙となってい
た。
(考案が解決しようとする問題点) しかしながら、このような先行の変速機の同期装置にあ
っては、シンクロアウタリング05とシンクロコーンリ
ング07及びシンクロインナリング06との芯合わせを
シンクロインナリング06の内周部061とクラッチハ
ブ03のスプライン部04の内側の外周部031とで行
ない両者間の間隙が微少間隙となっていたために、カッ
プリングスリーブ02のチャンファ02aとシンクロア
ウタリング05のチャンファ05aとが接触して同期が
行なわれる際に、両チャンファ02a,05aの芯の精
度誤差からシンクロアウタリング05のチャンファ05
aに作用する芯出し力F01の反力F02がクラッチハ
ブ03からシンクロインナリング06及びシンクロコー
ンリング07に作用していた。
っては、シンクロアウタリング05とシンクロコーンリ
ング07及びシンクロインナリング06との芯合わせを
シンクロインナリング06の内周部061とクラッチハ
ブ03のスプライン部04の内側の外周部031とで行
ない両者間の間隙が微少間隙となっていたために、カッ
プリングスリーブ02のチャンファ02aとシンクロア
ウタリング05のチャンファ05aとが接触して同期が
行なわれる際に、両チャンファ02a,05aの芯の精
度誤差からシンクロアウタリング05のチャンファ05
aに作用する芯出し力F01の反力F02がクラッチハ
ブ03からシンクロインナリング06及びシンクロコー
ンリング07に作用していた。
このため、シンクロインナリング06及びシンクロコー
ンリング07が反力F02により傾いてしまい、傾きに
よりシンクロコーンリング07とシンクロインナリング
06及びシンクロアウタリング05との接触が不均一と
なって正規の摩擦トルクが発生しないし、また、両リン
グ05,06が偏摩耗するという問題点が残っていた。
ンリング07が反力F02により傾いてしまい、傾きに
よりシンクロコーンリング07とシンクロインナリング
06及びシンクロアウタリング05との接触が不均一と
なって正規の摩擦トルクが発生しないし、また、両リン
グ05,06が偏摩耗するという問題点が残っていた。
また、反力F02が径の小さいシンクロインナリング0
6の内周部061で支持されるために、反力F02によ
る内周部061の面圧が高くなりシンクロインナリング
06の耐久性が低下するという問題点が残っていた。
6の内周部061で支持されるために、反力F02によ
る内周部061の面圧が高くなりシンクロインナリング
06の耐久性が低下するという問題点が残っていた。
(問題点を解決するための手段) 本考案は、上述のような問題点を解決することを目的と
してなされたもので、この目的達成のために本考案は、
シャフトに固定され、カップリングスリーブとはスプラ
イン結合されるクラッチハブと、該クラッチハブのスプ
ライン部の内側にクラッチハブとは同心に配置されるシ
ンクロアウタリングと、該シンクロアウタリングの内側
にシンクロアウタリングに対し回転方向に係合されて配
置されるシンクロインナリングと、該シンクロアウタリ
ング及びシンクロインナリングとの間に両リングに対し
摩擦係合可能に介装されたシンクロコーンリングと、を
備え、カップリングスリーブのチャンファとシンクロア
ウタリングのチャンファとが接触して同期が行なわれる
歯車変速機の同期装置において、前記シンクロアウタリ
ングとシンクロコーンリング及びシンクロインナリング
との芯合わせをシンクロアウタリングの外周部とクラッ
チハブのスプライン部の内側の内周部とで行なうように
両者間の間隙を摺動可能な微少間隙とし、かつ、シンク
ロインナリングの内周部とクラッチハブの外周部との半
径方向間隙は、上記微少間隙よりも充分大きい所定の間
隙としたことを特徴とする手段とした。
してなされたもので、この目的達成のために本考案は、
シャフトに固定され、カップリングスリーブとはスプラ
イン結合されるクラッチハブと、該クラッチハブのスプ
ライン部の内側にクラッチハブとは同心に配置されるシ
ンクロアウタリングと、該シンクロアウタリングの内側
にシンクロアウタリングに対し回転方向に係合されて配
置されるシンクロインナリングと、該シンクロアウタリ
ング及びシンクロインナリングとの間に両リングに対し
摩擦係合可能に介装されたシンクロコーンリングと、を
備え、カップリングスリーブのチャンファとシンクロア
ウタリングのチャンファとが接触して同期が行なわれる
歯車変速機の同期装置において、前記シンクロアウタリ
ングとシンクロコーンリング及びシンクロインナリング
との芯合わせをシンクロアウタリングの外周部とクラッ
チハブのスプライン部の内側の内周部とで行なうように
両者間の間隙を摺動可能な微少間隙とし、かつ、シンク
ロインナリングの内周部とクラッチハブの外周部との半
径方向間隙は、上記微少間隙よりも充分大きい所定の間
隙としたことを特徴とする手段とした。
(作用) したがって、本考案の歯車変速機の同期装置にあって
は、カップリングスリーブのチャンファとシンクロアウ
タリングのチャンファとが接触して同期が行なわれる
際、両チャンファの芯の精度誤差からシンクロアウタリ
ングのチャンファに作用する芯出し力の反力は、シンク
ロアウタリングの外周部から微少間隙を介してクラッチ
ハブのスプライン部の内側の内周部に作用し、シンクロ
アウタリングに対し回転方向に係合されているシンクロ
インナリング及び両リングに対し摩擦係合可能に介装さ
れているシンクロコーンリングが前記反力により傾くと
いったことが生じなくなる。
は、カップリングスリーブのチャンファとシンクロアウ
タリングのチャンファとが接触して同期が行なわれる
際、両チャンファの芯の精度誤差からシンクロアウタリ
ングのチャンファに作用する芯出し力の反力は、シンク
ロアウタリングの外周部から微少間隙を介してクラッチ
ハブのスプライン部の内側の内周部に作用し、シンクロ
アウタリングに対し回転方向に係合されているシンクロ
インナリング及び両リングに対し摩擦係合可能に介装さ
れているシンクロコーンリングが前記反力により傾くと
いったことが生じなくなる。
尚、シンクロインナリングの半径方向の動きに対して
は、シンクロインナリングの内周部とクラッチハブの外
周部との半径方向間隙が、上記微少間隙よりも充分大き
い所定の間隙とされていることで、この動きが吸収許容
される。
は、シンクロインナリングの内周部とクラッチハブの外
周部との半径方向間隙が、上記微少間隙よりも充分大き
い所定の間隙とされていることで、この動きが吸収許容
される。
また、反力が径の大きいクラッチハブの内周部で支持さ
れ反力による内周部の面圧は小さくなるので、クラッチ
ハブの耐久性を低下させることなくシンクロインナリン
グの耐久性を向上させることができる。
れ反力による内周部の面圧は小さくなるので、クラッチ
ハブの耐久性を低下させることなくシンクロインナリン
グの耐久性を向上させることができる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面により説明する。尚、この
実施例を述べるにあたって、自動車用歯車変速機の同期
装置を例にとる。
実施例を述べるにあたって、自動車用歯車変速機の同期
装置を例にとる。
まず、実施例の構成を説明する。
実施例のダブルコーン式同期装置Aは、同期側のアウト
プットシャフト(シャフト)1と被同期側のドリブンギ
ヤ2との間に設けられる装置で、第1図及び第2図に示
すように、クラッチハブ3、カップリングスリーブ4、
シンクロアウタリング5、シンクロインナリング6、シ
ンクロコーンリング7、クラッチギヤ8を主要な構成と
している。
プットシャフト(シャフト)1と被同期側のドリブンギ
ヤ2との間に設けられる装置で、第1図及び第2図に示
すように、クラッチハブ3、カップリングスリーブ4、
シンクロアウタリング5、シンクロインナリング6、シ
ンクロコーンリング7、クラッチギヤ8を主要な構成と
している。
前記アウトプットシャフト1は、2つの段部を設けるこ
とによって大径部と中径部と小径部とが形成され、この
中径部には、ニードルベアリング10を介して被同期側
部材であるドリブンギヤ2が回転可能に支持され、小径
部には、クラッチハブ3がスプライン結合されている。
とによって大径部と中径部と小径部とが形成され、この
中径部には、ニードルベアリング10を介して被同期側
部材であるドリブンギヤ2が回転可能に支持され、小径
部には、クラッチハブ3がスプライン結合されている。
尚、前記ドリブンギヤ2には図外のインプットシャフト
側ギヤが噛合され、このドリブンギヤ2と前記クラッチ
ハブ3の軸方向移動はカラー11によって制限されてい
る。
側ギヤが噛合され、このドリブンギヤ2と前記クラッチ
ハブ3の軸方向移動はカラー11によって制限されてい
る。
前記クラッチハブ3は、前記アウトプットシャフト1と
は一体に回転する部材で、このクラッチハブ3の外周に
はハブスプライン(スプライン部)31が形成されてい
ると共に、外周の120度の等間隔位置にはキー溝(図
示せず)が形成されている。
は一体に回転する部材で、このクラッチハブ3の外周に
はハブスプライン(スプライン部)31が形成されてい
ると共に、外周の120度の等間隔位置にはキー溝(図
示せず)が形成されている。
尚、このキー溝には、カップリングスリーブ4の軸方向
移動に伴って移動し、シンクロアウタリング5を押すイ
ンサートキー(図示せず)が内挿されている。
移動に伴って移動し、シンクロアウタリング5を押すイ
ンサートキー(図示せず)が内挿されている。
前記カップリングスリーブ4は、シフトフォークのフォ
ーク部分が係合され、シフト操作によって軸方向へ移動
可能な部材で、このカップリングスリーブ4の内面側に
は、前記ハブスプライン31に係合されるスリーブスプ
ライン41が形成され、外面側には図外のシフトフォー
クと係合する環状溝42が形成されている。
ーク部分が係合され、シフト操作によって軸方向へ移動
可能な部材で、このカップリングスリーブ4の内面側に
は、前記ハブスプライン31に係合されるスリーブスプ
ライン41が形成され、外面側には図外のシフトフォー
クと係合する環状溝42が形成されている。
尚、スリーブスプライン41の両側部には面取りによる
チャンファ41a,41aが形成されている。
チャンファ41a,41aが形成されている。
前記シンクロアウタリング5及びシンクロインナリング
6は、前記クラッチハブ3のハブスプライン31の内側
にクラッチハブ3とは同心に配置された同期部材であ
る。
6は、前記クラッチハブ3のハブスプライン31の内側
にクラッチハブ3とは同心に配置された同期部材であ
る。
シンクロアウタリング5は、内周側にテーパ摩擦面51
と該テーパ摩擦面51より内方突出した凸部52とが形
成され、外周側にはリングスプライン53が形成されて
いる。
と該テーパ摩擦面51より内方突出した凸部52とが形
成され、外周側にはリングスプライン53が形成されて
いる。
尚、リングスプライン53には、前記カップリングスリ
ーブ4側のチャンファ41と対向するチャンファ53a
が形成されている。
ーブ4側のチャンファ41と対向するチャンファ53a
が形成されている。
シンクロインナリング6は、外周側にテーパ摩擦面61
と前記シンクロアウタリング5の凸部52に対し回転方
向に係合する凹部62とが形成されている。
と前記シンクロアウタリング5の凸部52に対し回転方
向に係合する凹部62とが形成されている。
尚、シンクロインナリング6の内周部はクラッチハブ3
と所定の間隙を介して、クラッチギヤ8に回転自在に嵌
合されている。
と所定の間隙を介して、クラッチギヤ8に回転自在に嵌
合されている。
前記シンクロコーンリング7は、シンクロアウタリング
5とシンクロインナリング6との間に、両リング5,6
に対して摩擦係合可能に介装されている部材で、このシ
ンクロコーンリング7は、テーパコーン状に形成され、
内周面にはシンクロインナリング6のテーパ摩擦面61
と接触する内側テーパ摩擦面71が、また、外周面には
シンクロアウタリング5のテーパ摩擦面51と接触する
外側テーパ摩擦面72が形成され、かつ、大径側に係合
部73が形成されている。
5とシンクロインナリング6との間に、両リング5,6
に対して摩擦係合可能に介装されている部材で、このシ
ンクロコーンリング7は、テーパコーン状に形成され、
内周面にはシンクロインナリング6のテーパ摩擦面61
と接触する内側テーパ摩擦面71が、また、外周面には
シンクロアウタリング5のテーパ摩擦面51と接触する
外側テーパ摩擦面72が形成され、かつ、大径側に係合
部73が形成されている。
ここで、実施例においては、シンクロアウタリング5と
シンクロコーンリング7とシンクロインナリング6との
芯合わせを、シンクロアウタリング5の外周部54とク
ラッチハブ3のハブスプライン31より内側の内周部3
2とで行ない外周部54と内周部32との間隙を微少間
隙としている。
シンクロコーンリング7とシンクロインナリング6との
芯合わせを、シンクロアウタリング5の外周部54とク
ラッチハブ3のハブスプライン31より内側の内周部3
2とで行ない外周部54と内周部32との間隙を微少間
隙としている。
前記クラッチギヤ8は、前記ドリブンギヤ2とスプライ
ン結合されてドリブンギヤ2と共に一体に回転する部材
で、このクラッチギヤ8には、シンクロコーンリング7
の係合部73と係合する係合穴81が形成されていると
共に、外周部にはギヤスプライン82が形成されてい
る。
ン結合されてドリブンギヤ2と共に一体に回転する部材
で、このクラッチギヤ8には、シンクロコーンリング7
の係合部73と係合する係合穴81が形成されていると
共に、外周部にはギヤスプライン82が形成されてい
る。
尚、このギヤスプライン82には前記チャンファ53a
と対向するチャンファ82aが形成されている。
と対向するチャンファ82aが形成されている。
また、クラッチギヤ8とシンクロコーンリング7とは係
合穴81と係合部73との係合により一体的に回転する
ものである。
合穴81と係合部73との係合により一体的に回転する
ものである。
次に、実施例の作用を説明する。
(イ)中立状態 ドリブンギヤ2に回転トルクが伝達されると、ドリブン
ギヤ2の回転に伴なって、これにスプライン結合された
クラッチギヤ8とシンクロコーンリング7とが一体的に
回転する。
ギヤ2の回転に伴なって、これにスプライン結合された
クラッチギヤ8とシンクロコーンリング7とが一体的に
回転する。
しかし、カップリングスリーブ4が、第1図に示す位置
にあり、シンクロコーンリング7とシンクロアウタリン
グ5及びシンクロインナリング6とが間隙を介して配置
されているので、ドリブンギヤ2の回転トルクはアウト
プットシャフト1に伝達されない。
にあり、シンクロコーンリング7とシンクロアウタリン
グ5及びシンクロインナリング6とが間隙を介して配置
されているので、ドリブンギヤ2の回転トルクはアウト
プットシャフト1に伝達されない。
(ロ)シフト操作開始状態 この中立状態から、カップリングスリーブ4をシフト操
作により図面左方向に移動させると、カップリングスリ
ーブ4の移動に伴なってインサートキー(図示せず)も
移動し、インサートキーの端面がシンクロアウタリング
5の端面に接触して押し、クラッチギヤ8とシンクロア
ウタリング5との間隔を狭める。
作により図面左方向に移動させると、カップリングスリ
ーブ4の移動に伴なってインサートキー(図示せず)も
移動し、インサートキーの端面がシンクロアウタリング
5の端面に接触して押し、クラッチギヤ8とシンクロア
ウタリング5との間隔を狭める。
(ハ)インデックス状態 さらに、カップリングスリーブ4が移動すると、シンク
ロアウタリング5を押圧し、シンクロアウタリング5の
テーパ摩擦面51はシンクロコーンリング7の外側テー
パ摩擦面72に接触すると共に、シンクロアウタリング
5から付与された押圧力によりシンクロコーンリング7
が僅かにクラッチギヤ8側に移動してシンクロコーンリ
ング7の内側テーパ摩擦面71がシンクロインナリング
6のテーパ摩擦面61と接触する。
ロアウタリング5を押圧し、シンクロアウタリング5の
テーパ摩擦面51はシンクロコーンリング7の外側テー
パ摩擦面72に接触すると共に、シンクロアウタリング
5から付与された押圧力によりシンクロコーンリング7
が僅かにクラッチギヤ8側に移動してシンクロコーンリ
ング7の内側テーパ摩擦面71がシンクロインナリング
6のテーパ摩擦面61と接触する。
また、シンクロアウタリング5とクラッチギヤ8との間
には、相対回転があるため、相対回転角分(キー溝の回
転方向の隙間分)だけシンクロアウタリング5が回転
し、カップリングスリーブ4のチャンファ41aとシン
クロアウタリング5のチャンファ53aは相対する位置
となる。この状態をインデックス状態という。
には、相対回転があるため、相対回転角分(キー溝の回
転方向の隙間分)だけシンクロアウタリング5が回転
し、カップリングスリーブ4のチャンファ41aとシン
クロアウタリング5のチャンファ53aは相対する位置
となる。この状態をインデックス状態という。
(ニ)ボーク状態 さらに、カップリングスリーブ4が移動しようとする
と、カップリングスリーブ4とシンクロアウタリング5
のチャンファ41a,53a同士が接触し、カップリン
グスリーブ4の動きは阻止され、この時のカップリング
スリーブ4の押圧力はシンクロアウタリング5を押す力
となり、シンクロアウタリング5のテーパ摩擦面51と
シンクロコーンリング7の外側テーパ摩擦面72間、ま
た、シンクロインナリング6のテーパ摩擦面61とシン
クロコーンリング7の内側テーパ摩擦面71間に摩擦ト
ルクが発生して同期が行なわれる。
と、カップリングスリーブ4とシンクロアウタリング5
のチャンファ41a,53a同士が接触し、カップリン
グスリーブ4の動きは阻止され、この時のカップリング
スリーブ4の押圧力はシンクロアウタリング5を押す力
となり、シンクロアウタリング5のテーパ摩擦面51と
シンクロコーンリング7の外側テーパ摩擦面72間、ま
た、シンクロインナリング6のテーパ摩擦面61とシン
クロコーンリング7の内側テーパ摩擦面71間に摩擦ト
ルクが発生して同期が行なわれる。
尚、実施例では、シンクロアウタリング5とシンクロコ
ーンリング7とシンクロインナリング6との芯合わせ
を、シンクロアウタリング5の外周部54とクラッチハ
ブ3のハブスプライン31より内側の内周部32とで行
ない外周部54と内周部32との間隙を微少間隙として
いるので、同期が行なわれる際に両チャンファ41a,
53aの芯の精度誤差からチャンファ53aに作用する
芯出し力F1の反力F2は、シンクロアウタリング5か
らクラッチハブ3に作用し、反力F2によりシンクロイ
ンナリング6及びシンクロコーンリング7が傾くといっ
たことが生じなくなる。
ーンリング7とシンクロインナリング6との芯合わせ
を、シンクロアウタリング5の外周部54とクラッチハ
ブ3のハブスプライン31より内側の内周部32とで行
ない外周部54と内周部32との間隙を微少間隙として
いるので、同期が行なわれる際に両チャンファ41a,
53aの芯の精度誤差からチャンファ53aに作用する
芯出し力F1の反力F2は、シンクロアウタリング5か
らクラッチハブ3に作用し、反力F2によりシンクロイ
ンナリング6及びシンクロコーンリング7が傾くといっ
たことが生じなくなる。
また、反力F2が径の大きいクラッチハブ3の内周部3
2で支持され反力F2による内周部32の面圧は小さく
なるので、クラッチハブ3の耐久性を低下させることな
くシンクロインナリング6の耐久性を向上させることが
できる。
2で支持され反力F2による内周部32の面圧は小さく
なるので、クラッチハブ3の耐久性を低下させることな
くシンクロインナリング6の耐久性を向上させることが
できる。
(ホ)変速完了状態 前述の同期が完了すると、摩擦トルクが消滅し、カップ
リングスリーブ4の阻止力も解除され、カップリングス
リーブ4は移動可能となり、シンクロアウタリング5を
押し分け、ギヤスプライン82に噛み合い変速が終了す
る。
リングスリーブ4の阻止力も解除され、カップリングス
リーブ4は移動可能となり、シンクロアウタリング5を
押し分け、ギヤスプライン82に噛み合い変速が終了す
る。
以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、具
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本考
案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があって
も本考案に含まれる。
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本考
案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があって
も本考案に含まれる。
例えば、実施例ではダブルコーン式同期装置を示した
が、トリプルコーンタイプの同期装置等にも適用でき
る。
が、トリプルコーンタイプの同期装置等にも適用でき
る。
(考案の効果) 以上説明したように本考案の歯車変速機の同期装置にあ
っては、カップリングスリーブのチャンファとシンクロ
アウタリングのチャンファとが接触して同期が行なわれ
る際に、両チャンファの芯の精度誤差からシンクロアウ
タリングのチャンファに作用する芯出し力の反力はシン
クロアウタリングからクラッチハブに作用し、反力によ
りシンクロインナリング及びシンクロコーンリングが傾
くといったことが生じなくなるので、シンクロコーンリ
ングとシンクロインナリング及びシンクロアウタリング
との接触が均一となって正規の摩擦トルクが発生する
し、また、シンクロインナリング及びシンクロアウタリ
ングの偏摩耗を防ぐことができるという効果が得られ
る。
っては、カップリングスリーブのチャンファとシンクロ
アウタリングのチャンファとが接触して同期が行なわれ
る際に、両チャンファの芯の精度誤差からシンクロアウ
タリングのチャンファに作用する芯出し力の反力はシン
クロアウタリングからクラッチハブに作用し、反力によ
りシンクロインナリング及びシンクロコーンリングが傾
くといったことが生じなくなるので、シンクロコーンリ
ングとシンクロインナリング及びシンクロアウタリング
との接触が均一となって正規の摩擦トルクが発生する
し、また、シンクロインナリング及びシンクロアウタリ
ングの偏摩耗を防ぐことができるという効果が得られ
る。
また、反力が径の大きいクラッチハブの内径部で支持さ
れ反力による内周部の面圧は小さくなるので、クラッチ
ハブの耐久性を低下させることなくシンクロインナリン
グの耐久性を向上させることができるという効果が得ら
れる。
れ反力による内周部の面圧は小さくなるので、クラッチ
ハブの耐久性を低下させることなくシンクロインナリン
グの耐久性を向上させることができるという効果が得ら
れる。
第1図は本考案実施例の歯車変速機の同期装置を示す断
面図、第2図は従来の歯車変速機の同期装置を示す断面
図である。 1……アウトプットシャフト(シャフト) 3……クラッチハブ 4……カップリングスリーブ 5……シンクロアウタリング 6……シンクロインナリング 7……シンクロコーンリング 31……ハブスプライン(スプライン部) 32……内周部 54……外周部 41a,53a……チャンファ
面図、第2図は従来の歯車変速機の同期装置を示す断面
図である。 1……アウトプットシャフト(シャフト) 3……クラッチハブ 4……カップリングスリーブ 5……シンクロアウタリング 6……シンクロインナリング 7……シンクロコーンリング 31……ハブスプライン(スプライン部) 32……内周部 54……外周部 41a,53a……チャンファ
Claims (1)
- 【請求項1】シャフトに固定され、カップリングスリー
ブとはスプライン結合されるクラッチハブと、該クラッ
チハブのスプライン部の内側にクラッチハブとは同心に
配置されるシンクロアウタリングと、該シンクロアウタ
リングの内側にシンクロアウタリングに対し回転方向に
係合されて配置されるシンクロインナリングと、該シン
クロアウタリング及びシンクロインナリングとの間に両
リングに対し摩擦係合可能に介装されたシンクロコーン
リングと、を備え、カップリングスリーブのチャンファ
とシンクロアウタリングのチャンファとが接触して同期
が行なわれる歯車変速機の同期装置において、 前記シンクロアウタリングとシンクロコーンリング及び
シンクロインナリングとの芯合わせをシンクロアウタリ
ングの外周部とクラッチハブのスプライン部の内側の内
周部とで行なうように両者間の間隙を摺動可能な微少間
隙とし、かつ、シンクロインナリングの内周部とクラッ
チハブの外周部との半径方向間隙は、上記微少間隙より
も充分大きい所定の間隙としたことを特徴とする歯車変
速機の同期装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1986063585U JPH0610221Y2 (ja) | 1986-04-26 | 1986-04-26 | 歯車変速機の同期装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1986063585U JPH0610221Y2 (ja) | 1986-04-26 | 1986-04-26 | 歯車変速機の同期装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62174152U JPS62174152U (ja) | 1987-11-05 |
JPH0610221Y2 true JPH0610221Y2 (ja) | 1994-03-16 |
Family
ID=30898951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1986063585U Expired - Lifetime JPH0610221Y2 (ja) | 1986-04-26 | 1986-04-26 | 歯車変速機の同期装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0610221Y2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0744823Y2 (ja) * | 1988-08-30 | 1995-10-11 | トヨタ自動車株式会社 | 同期装置 |
JP2506071Y2 (ja) * | 1989-06-15 | 1996-08-07 | 川崎重工業株式会社 | 変速機の同期噛合装置 |
WO2009113182A1 (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-17 | 愛知機械工業株式会社 | 同期装置およびこれを備える変速機 |
JP5698111B2 (ja) * | 2011-11-30 | 2015-04-08 | 本田技研工業株式会社 | 変速機の同期装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4687081A (en) * | 1983-10-26 | 1987-08-18 | Zahnradfabrik Friedrichshaffen Ag | Locking synchronization for gear shift |
-
1986
- 1986-04-26 JP JP1986063585U patent/JPH0610221Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62174152U (ja) | 1987-11-05 |
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