JP2506071Y2 - 変速機の同期噛合装置 - Google Patents

変速機の同期噛合装置

Info

Publication number
JP2506071Y2
JP2506071Y2 JP1989069949U JP6994989U JP2506071Y2 JP 2506071 Y2 JP2506071 Y2 JP 2506071Y2 JP 1989069949 U JP1989069949 U JP 1989069949U JP 6994989 U JP6994989 U JP 6994989U JP 2506071 Y2 JP2506071 Y2 JP 2506071Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
peripheral surface
cone
synchronous
synchronized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1989069949U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0312022U (ja
Inventor
昇 目黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP1989069949U priority Critical patent/JP2506071Y2/ja
Publication of JPH0312022U publication Critical patent/JPH0312022U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2506071Y2 publication Critical patent/JP2506071Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、歯車式の変速機において変速時に同期機
構として作用する同期噛合装置に関する。
(従来技術) 歯車式の変速機には複数の歯車列が形成され、この歯
車列(パワートレイン)を適宜選択することにより、入
力軸側から出力軸側に任意の回転数および任意の回転ト
ルクで動力が伝達できるように構成されている。
回転中に上記変速機を操作することによって、変速、
即ち、入力軸側から出力軸側への歯車列を変更する場合
には、新たに動力を伝達しようとする歯車間あるいは歯
車と軸との間で相対的な回転数が異なることより、歯車
式変速機においては円滑に噛合あるいは結合させること
ができない。
このため、従来より、第5図に図示するような構成の
同期噛合装置(特開昭62−52241号)が設けられて、上
記変速時に新たに噛合しようとする歯車間あるいは歯車
と軸との間の噛合あるいは結合が円滑におこなわれるよ
う配慮されている。
この同期噛合装置の構成および機能を、第5図に基づ
いて説明する。即ち、回転軸1上にベアリング2を介し
て回転自在に歯車(被同期部材)3が配設され、また、
この歯車3とスプライン機構を介して一体的に回転する
よう、外周部にスプライン(スリーブ9のスプラインと
噛合するスプライン)が形成されたドッグクラッチ4
が、配設されている。そして、上記ドッグクラッチ4に
は係合孔4aが形成され、この係合孔4aにはコーンリング
5の突出部が挿入され、このコーンリング5は回転方向
において上記ドッグクラッチ4と係合して一体的に回転
するとともに、軸方向に移動自在になっている。また、
上記コーンリング5の内周面側の上記ドッグクラッチ4
上には、外周面が上記コーンリング5の内周面と半径方
向に対峙するよう形成され且つドッグクラッチ4と離間
した側の端部に係合溝6aが突出形成されたインナーブロ
ックリング(単に、インナーリングという)6が、該ド
ッグクラッチ4に対して回転自在に配設されている。一
方、上記コーンリング5の外周側には、内周面が該コー
ンリング5の外周面と対峙するよう形成され且つドッグ
クラッチ4と離間した側の内周端部に上記インナーリン
グ6の係合溝6aに係合する係合片7aが形成されたアウタ
ブロックリング(単に、アウタリングという)7が軸方
向に移動自在に配設されている。また、上記内周側に向
かうアウタリング7の内周端部の垂直壁7bが、上記コー
ンリング5の一端と接触しないような配置構造となって
いる。
さらに、この回転軸1上には、スプライン機構を介し
て該回転軸1と一体的に回転するよう、上記ドッグクラ
ッチ4,コーンリング5,インナーリング6,アウタリング7
を挟んで、歯車3に軸方向に対峙して、ハブ(同期部
材)8が配設されている。
このハブ8と、上記ドッグクラッチ4およびアウタリ
ング7の各外周表面は同一面(架空円筒面)上に形成さ
れこれらの各外周面には同一の歯すじを有するスプライ
ンが形成され、これらは、上記ハブ8の外周上に軸方向
に移動自在に配設されたスリーブ9と噛合可能に構成さ
れている。
そして、このように構成された同期噛合装置は、図示
しない入力側の歯車と上記歯車3が噛合して回転してい
るときに、該歯車3から回転軸1に回転を伝達する場合
には、以下のように作用する。即ち、歯車3と回転軸1
とを結合するために、上記スリーブ9を第5図において
左側に移動させると、この移動で上記アウタリング7が
左側に押圧されコーンリング5を左側に押圧する。この
押圧により、コーンリング5の内周面がインナーリング
6の外周面に、且つコーンリング5の外周面がアウタリ
ング7の内周面と摺接する。この結果、回転軸1側か
ら、該回転軸1と一体的に回転しているハブ8及びスリ
ーブ9と、インナーリング6およびアウタリング7を介
して、歯車3側に回転が伝達され、該歯車3が回転し始
める。
そして、上述のような摺接状態が所定時間維持される
と、歯車3の回転数が徐々に上昇して、インナーリング
6,アウタリング7および回転軸1の回転数と等しくなっ
て同期する。
そして、このように同期した状態で、上記スリーブ9
を図においてさらに左側に移動させると、ハブ8,アウタ
リング7,ドッグクラッチ4の全てのスプラインにスリー
ブ9のスプラインが噛合して、これらが一体的に回転し
て、動力伝達経路が形成されることになる。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、上記構成の同期噛合装置の場合には、
コーンリング5の内周面と外周面が同一方向の傾斜面よ
り構成されていることより、同期作動させないときに
も、コーンリング5が軸方向に遊び分だけ移動すること
により、該コーンリング5の内周面あるいは外周面が、
インナーリング6あるいはアウタリング7と摺接して回
転トルクが伝達されるため、コーンリングをインナーリ
ングおよびアウタリングのいずれにも摺接させない中立
状態を維持することが困難であった。
また、同期作動時にも、コーンリング5が上記インナ
ーリング6あるいはアウタリング7のいずれか一方のみ
との摺接を交互に繰り返しつつ接合状態になるため、完
全に摺接して同期するまである程度の時間が必要となる
という不都合があった。
また、組立時において、手順的に、インナーリング6
を挿着して後、コーンリング5を挿着するのであるが、
構造的にコーンリング5の内周面と外周面が共に一方へ
傾斜していることより、上記挿着した状態においてコー
ンリング5が滑り落ち勝手になるので、挿着後該コーン
リング5を手で保持したままアウタリング7を挿着しな
ければないないという不都合があった。
本考案は上記現況に鑑みおこなわれたもので上述のよ
うな不都合のない同期噛合装置を提供することを目的と
する。
(課題を解決するための手段) 本請求項1記載の考案にかかる同期噛合装置は、回転
軸上に回転自在に配設された被同期部材と、この被同期
部材に対峙して一体的に回転するよう該回転軸上に配設
された同期部材の間に、これらと相対的に回転自在にな
るようブロックリングを介装し、このブロックリングの
インナーリングとなる外周面とアウタリングとなる内周
面の間に、コーンリングを、その内周面と外周面が上記
インナーリングとアウタリングに摺接するとともに一部
が上記被同期部材側に設けられたドッグクラッチと係合
して同期回転トルクを同期部材側から被同期部材側に伝
達するよう配設した、回転噛合装置において、 上記コーンリングの上記インナーリングの外周面側と
アウタリングの内周面側との両接触面を楔状に形成する
とともに、上記コーンリングを上記ドッグクラッチ側に
非同期動作時にブロックリング側への動きを係止させる
係止手段を設けるか、又は、上記ブロックリングを同期
部材側に非同期動作時に近接させる近接手段を設けたこ
とを特徴とする。
また、本請求項2記載の考案にかかる同期噛合装置
は、回転軸上に回転自在に配設された被同期部材と、こ
の被同期部材に対峙して一体的に回転するよう該回転軸
上に配設された同期部材の間に、これらと相対的に回転
自在になるようブロックリングを介装し、このブロック
リングのインナーリングとなる外周面とアウタリングと
なる内周面の間に、コーンリングを、その内周面と外周
面が上記インナーリングとアウタリングに摺接するとと
もに一部が上記被同期部材側に設けられたドッグクラッ
チと係合して同期回転トルクを同期部材側から被同期部
材側に伝達するよう配設した、回転噛合装置において、 上記コーンリングの上記インナーリングの外周面側と
アウタリングの内周面側との両接触面を楔状に形成する
とともに、上記コーンリングを弾性を有する材質のもの
で形成するとともに環状の一部を切断し、非同期動作時
のコーンリングの中心半径を同期動作時の中心半径より
大きいか等しくしたことを特徴とする。
(作用) しかして、上述のように構成された請求項1記載の同
期噛合装置は、以下のような作用を生じさせる。
即ち、コーンリングの、インナーリングの外周面側とア
ウタリングの内周面側との両接触面が楔状を形成するよ
う構成されていることより、該インナーリングの外周面
側とアウタリングの内周面側との摺接に際して、楔形状
に起因して略同時に摺接する。このため、同期部材側の
上記インナーリングとアウタリングと、被同期部材側の
ドッグクラッチとの連結を、極めて円滑に且つ短時間で
おこなうことができることは勿論のこと、コーンリング
を上記ドッグクラッチ側に非同期動作時に係止させる係
止手段を設けるか、又は、上記ブロックリングを同期部
材側に非同期動作時に近接させる近接手段を設けたた
め、中立状態(非作動状態)にあるときには、コーンリ
ングが被同期部材であるドッグクラッチ側に係止される
結果、上述のようにコーンリングの外周面と内周面が楔
状を形成していることとあいまって、インナーリングお
よびアウタリングとの間に隙間が形成できるため、これ
らが無用に摺接することはない。
さらに、組立時においても、上記構成により、コーン
リングのインナーリングとの接触側の面が回転軸の軸線
に対して傾斜が滑り勝手にならないため、インナーリン
グの外周面上で保持されており、また係止手段が作用し
て、ドッグクラッチ側に係止される結果、簡単に組立を
おこなうことができる。
また、請求項2記載の同期噛合装置では、コーンリン
グを弾性を有する材質のもので形成するとともに環状の
一部を切断し、非同期動作時のコーンリングの中心半径
を同期動作時の中心半径より大きいか等しくした構成に
より、コーンリングは、テーパ面が楔状でしかも半径方
向に縮径自在になるため、コーンリングのテーパ面が、
インナーリングのテーパ面あるいはアウターリングのテ
ーパのいずれかのテーパ面とのみ所謂「片あたり(一方
のテーパ面とのみ接触することをいう)」状態になるこ
とがなく、インナーリング及びアウターリングの両方の
テーパ面に対して適切に当接する状態が形成でき、コー
ンリングを楔状にした構成が有効に機能する。また、コ
ーンリング及びそのテーパ面の寸法精度を必要以上に高
くしなくとも、インナーリング及びアウターリングの両
方のテーパ面に対して上述のように適切に当接させるこ
とができる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1図は本実施例にかかる同期噛合装置の構成を示す側
断面図、第2図はコーンリングの構成を示す第1図のI
−I矢視図、第3図はドッグクラッチとコーンリングの
周方向の係合状態を示すその部分の拡大断面図である。
第1図において、1は回転軸で、該回転軸1上にはベ
アリング2を介して回転自在に被同期部材である歯車3
A,3Bが配設されている。これらの歯車3A,3Bは、図示し
ない入力軸側の歯車とそれぞれ噛合することによって、
それらの歯車から回転が伝達されるよう構成されてい
る。
そして、歯車3A,3Bには、スプライン機構を介して一
体的に回転するようそれぞれドッグクラッチ4が配設さ
れ、これらのドッグクラッチ4の外周部には後述するス
リーブ9のスプラインと噛合するスプラインが形成され
ている。
上記ドッグクラッチ4の側面には、係合孔4a(第1
図,第3図参照)が形成され、この係合孔4aには組立ら
れた状態においてコーンリング5の一端の突出片5a(第
1図〜第3図参照)が挿入され、このコーンリング5
は、該ドッグクラッチ4に対して軸方向において移動自
在に且つ回転方向において係合するような配設となる
(第1図,第3図参照)。
また、上記ドッグクラッチ4とコーンリング5の係合
は、第3図に図示するように、周方向において、係合孔
4aおよびこれに係合する突出片5aの各係合(接触)する
面に、コーンリング5をドッグクラッチ4側に近接させ
るような傾斜のテーパ面(請求項1でいう係止手段に該
当)4a′,5a′が形成され、ドッグクラッチ4が回転し
ている状態において、このテーパ面の作用により、コー
ンリング5をドッグクラッチ4側に近接させるように構
成されている。
上記コーンリング5は、第1図に図示するように、後
述するインナーリング6の外周面と摺接する内周面とア
ウタリング7の内周面と摺接する外周面の両方の面が、
楔状を形成するよう構成されている。
また、このコーンリング5は、第2図に図示するよう
に、環状の一部5bが切断され、また、寸法的に、第1
図,第2図に図示するように、自由な状態(外力が作用
しない状態)においてその中心半径(非同期動作時の中
心半径)rが、第1図に図示するように、同期噛合装置
に組付けられインナーリング6及びアウタリング7と摺
接した状態での中心半径(同期動作時の中心半径)Rよ
り幾分大きめになるような大きさに構成され、且つ弾性
を有する材質のもの(バネ鋼等)が使用されて、上記摺
接した状態において半径方向外側に付勢する方向のバネ
力を生じさせるよう、ドッグクラッチ4側に組付けられ
る。即ち、上記コーンリング5のドッグクラッチ4側へ
の組付けは、組付けられた状態において、これらが回転
する中心軸に対して同心状となり又回転に起因する遠心
力が作用しても上記同心状を維持でき、且つ上記摺接に
際し半径方向内側に自在に縮径可能になるよう、上記コ
ーンリング5が曲率半径r(第1図参照)の状態でドッ
グクラッチ4側に係合・保持する保持片(図示せず)に
よって、ドッグクラッチ4側に組付けられる。
ところで、上記二つの歯車3A,3Bの間の回転軸1上に
は、スプライン機構を介して該回転軸1と一体的に回転
するようハブ8が取着されている。
そして、このハブ8の基部8aの外周上には、外周面が
上記コーンリング5の内周面と半径方向において対峙す
るよう形成され且つ係合溝6aがハブ8のリブ8b側に形成
されたインナーリング6が、該ハブ8に対して回転自在
に且つ軸方向に移動自在に配設されている。このインナ
ーリング6は、ハブ8側に図示しないスプリング(請求
項1でいう近接手段に該当)で引っ張られ、軸方向の外
力が作用しない状態ではハブ8側に後退し上記コーンリ
ング5と接触しないよう構成されている。
一方、上記コーンリング5の外周側には、アウタリン
グ7が、軸方向に移動自在に配設され、該アウタリング
7は、その内周面が該コーンリング5の外周面と半径方
向において対峙するよう形成され、且つ、ハブ8側の内
周端部に上記インナーリング6の係合溝6aに弾押状態で
接触・係合する突出状の係合片7aを具備している。ま
た、このアウタリング7は、第1図の下部に示すように
半径方向外側において上記ハブ8に軸方向に移動自在に
接触支持されている。
尚、この実施例では、製造上の配慮から、ブロックリ
ングを構成するインナーリング6とアウタリング7が別
体に構成されているが、機能上一体に構成しておいて
も、本考案特有の作用効果を生じさせることに関しては
特に支障はない。
また、第1図に図示するように、上記ハブ8の外周側
にはスプライン機構を介して軸方向に移動自在に且つ回
転方向には一体的に回転するようスリーブ9が配設さ
れ、このハブ8とスリーブ9の間の周方向の複数箇所に
おいて、第1図に図示するように、スプリング11を介し
てシンクロナイザーキー(インサートともいう)12が上
記ハブ8に弾性支持される状態で介装されている。ま
た、このスリーブ9とシンクロナイザーキー12が、軸方
向において所定以上の力以下では移動することのないよ
う、これらの接触部に半径方向の係合段13が形成されて
いる。
また、上記ドッグクラッチ4,アウタリング7,ハブ8の
外周表面は同一面(架空円筒面)上にあり、該外周表面
には同一の歯すじを有するスプラインが形成され、上記
スリーブ9のスプラインと噛合可能に構成されている。
尚、第1図において、10はスリーブ9を軸方向に移動さ
せるためのシフトフォークのフォーク部分である。
しかして、上記構成を有する本同期噛合装置は以下の
ように作用する。
即ち、いま仮に、第1図に示す状態から、シフトフォ
ークのフォーク部分10によって、スリーブ9を図におい
て左側に移動させて、回転している歯車3Aと、これに対
して相対回転数をもって回転している回転軸1とを結合
させる場合について説明すると、該回転軸1と一体的に
回転しているハブ8上に位置するスリーブ9を左側に移
動させることにより、該スリーブ9と係合段13で軸方向
に係合し且つ弾性支持されている、シンクロナイザーキ
ー12の側面が、アウタリング7の側面に接触し該アウタ
リング7をインデックスしながら左側に押圧する。この
接触・押圧により、上記係合片7aと係合溝6aを介して、
インナーリング6が左側に押圧され、この結果、該アウ
タリング7の内周面とインナーリング6の外周面が、そ
れぞれ、コーンリング5の楔状を形成する外周面と内周
面に摺接する。この摺接により、回転軸1側から、イン
ナーリング6,アウタリング7からなるブロックリング
と、コーンリング5、ドッグクラッチ4を介して、回転
トルクが、歯車3A側に伝達される。
従って、この状況において回転軸1と相対回転数をも
って回転していた歯車3A(被同期部材側)の回転数が、
徐々に回転軸1の回転数に近づいてゆく側に変化する。
そして、さらにスリーブ9を左側に押圧すると、係合
段13での係合が解除されてシンクロナイザーキー12から
外れたスリーブ9が歯車3A側に移動し、アウタリング7
と第4図に図示するように両者のスプラインの歯の側面
(チャンファー)14部分でも接合して、このアウタリン
グ7をさらにドッグクラッチ4側に押圧する。
この押圧により、アウタリング7およびインナーリン
グ6はさらにコーンリング5と強く摺接して、これらの
間の回転数の差が減少し、最終的に同期が完了する。
上記摺接の際、上記コーンリング5が楔状に構成され
ているため、上記アウタリング7とインナーリング6に
均等に略同時に摺接するとともに、楔作用により、上記
摺接は強力におこなわれることより、同期部材側と被同
期部材側の同期がきわめて短時間におこなわれる。
一方、第1図に示すように、スリーブ9が中間に位置
する中立位置では、上記コーンリング5が、ドッグクラ
ッチ4側とのテーパ面での係合により又コーンリング5
の有するバネ効果により、コーンリング5はドッグクラ
ッチ4側に近接し、またインナーリング6も図示しない
スプリングによりハブ8側に引っ張られることより、該
コーンリング5と上記アウタリング7およびインナーリ
ング6との間が離間する。そして、上述のように離間す
ると、コーンリング5の接触する二つの面が楔形状に形
成されているため、該コーンリング5と上記アウタリン
グ7およびインナーリング6との間に、均等に且つ確実
に隙間が形成され、この結果、コーンリング5と上記ア
ウタリング7およびインナーリング6との間で無用に摺
接が生じることはない。
従って、従来の同期噛合装置のように、中間位置にお
いて被同期部材側に回転トルクが伝達されるようなこと
はない。
さらに、組立時において、本同期噛合装置の場合に
は、コーンリング5が該コーンリング5の内周面と反対
方向の傾斜の外周面を有するインナーリング6で保持さ
れるので、滑りが生じることなく組立も簡単におこなう
ことができる。
尚、上記実施例では、コーンリングを一体のもので構
成しているが、これに代えて、コーンリングを、曲率半
径がrで、各部材間が、使用回転域(同期作動を行う回
転数域をいう)で遠心力に打って同心円状になるよう互
いに連結部材で連結された、二分割あるいは三分割され
た複数の部材からなるもので構成してもよい。
また、コーンリングの上述のバネ効果を得る必要の無
い場合には、コーンリングを、上述スリットのない環状
の一体のもので構成してもよい。
(考案の効果) 本考案にかかる同期噛合装置は、上述のように構成さ
れ上述のような作用効果を有するため、非常に同期速度
が早い変速機を提供することができ、またスリーブの中
立位置においても同期部材側から回転トルクが伝達され
ることがないため、中立位置を容易に維持することがで
きる変速機を提供することができる。
また、本考案にかかる変速機は、組立時において、簡
単に組み立てることができるため、生産性の向上に寄与
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例にかかる同期噛合装置の構成を示す側
断面図、第2図はコーンリングの構成を示す第1図のI
−I矢視図、第3図はドッグクラッチとコーンリングの
周方向の係合状態を示すその部分の拡大断面図、第4図
はスリーブとアウタリングのスプラインの歯の接合状態
を示す第1図のII−II矢視図、第5図は従来の同期噛合
装置の構成を示す回転中心軸より上半分の側断面図であ
る。 1……回転軸(同期部材)、3A,3B……歯車(被同期部
材)、4……ドッグクラッチ、4a……係合孔、5……コ
ーンリング、6……インナーリング、7……アウタリン
グ、8……ハブ、9……スリーブ。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸上に回転自在に配設された被同期部
    材と、この被同期部材に対峙して一体的に回転するよう
    該回転軸上に配設された同期部材の間に、これらと相対
    的に回転自在になるようブロックリングを介装し、この
    ブロックリングのインナーリングとなる外周面とアウタ
    リングとなる内周面の間に、コーンリングを、その内周
    面と外周面が上記インナーリングとアウタリングに摺接
    するとともに一部が上記被同期部材側に設けられたドッ
    グクラッチと係合して同期回転トルクを同期部材側から
    被同期部材側に伝達するよう配設した、同期噛合装置に
    おいて、 上記コーンリングの上記インナーリングの外周面側とア
    ウタリングの内周面側との両接触面を楔状に形成すると
    ともに、上記コーンリングを上記ドッグクラッチ側に非
    同期動作時にブロックリング側への動きを係止させる係
    止手段を設けるか、又は、上記ブロックリングを同期部
    材側に非同期動作時に近接させる近接手段を設けたこと
    を特徴とする同期噛合装置。
  2. 【請求項2】回転軸上に回転自在に配設された被同期部
    材と、この被同期部材に対峙して一体的に回転するよう
    該回転軸上に配設された同期部材の間に、これらと相対
    的に回転自在になるようブロックリングを介装し、この
    ブロックリングのインナーリングとなる外周面とアウタ
    リングとなる内周面の間に、コーンリングを、その内周
    面と外周面が上記インナーリングとアウタリングに摺接
    するとともに一部が上記被同期部材側に設けられたドッ
    グクラッチと係合して同期回転トルクを同期部材側から
    被同期部材側に伝達するよう配設した、同期噛合装置に
    おいて、 上記コーンリングの上記インナーリングの外周面側とア
    ウタリングの内周面側との両接触面を楔状に形成すると
    ともに、上記コーンリングを弾性を有する材質のもので
    形成するとともに環状の一部を切断し、非同期動作時の
    コーンリングの中心半径を同期動作時の中心半径より大
    きいか等しくしたことを特徴とする同期噛合装置。
JP1989069949U 1989-06-15 1989-06-15 変速機の同期噛合装置 Expired - Fee Related JP2506071Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1989069949U JP2506071Y2 (ja) 1989-06-15 1989-06-15 変速機の同期噛合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1989069949U JP2506071Y2 (ja) 1989-06-15 1989-06-15 変速機の同期噛合装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0312022U JPH0312022U (ja) 1991-02-07
JP2506071Y2 true JP2506071Y2 (ja) 1996-08-07

Family

ID=31605694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1989069949U Expired - Fee Related JP2506071Y2 (ja) 1989-06-15 1989-06-15 変速機の同期噛合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2506071Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005096209A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Olympus Corp インク流路の封止機構

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5514366A (en) * 1978-07-19 1980-01-31 Nissan Motor Co Ltd Synchronous fitting device of transmission
JPH0610221Y2 (ja) * 1986-04-26 1994-03-16 日産自動車株式会社 歯車変速機の同期装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0312022U (ja) 1991-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR870000976B1 (ko) 동기장치를 갖춘 부변속기
JPH0567815B2 (ja)
JP4263719B2 (ja) 同期噛合装置
JPH0227216Y2 (ja)
JP2600674B2 (ja) 同期装置
JP2506071Y2 (ja) 変速機の同期噛合装置
JPS63289330A (ja) 同期装置
JPS63246540A (ja) 動力伝達装置の同期装置
JPH0143552Y2 (ja)
JP2011089621A (ja) 車両用変速機のシンクロ機構
JPH0738739Y2 (ja) 回転同期装置
JPS6252241A (ja) 歯車変速機の同期装置
JPH0125784Y2 (ja)
KR100300727B1 (ko) 수동 변속기의 동기 장치
JP3961358B2 (ja) 同期噛合装置
JPH0612259Y2 (ja) 手動変速機の同期装置
JPH05106643A (ja) 同期噛合装置
JPH052847B2 (ja)
JPH0744829Y2 (ja) 回転同期装置
JPH0716108Y2 (ja) 複数コーン型同期装置
JPH0768984B2 (ja) 手動変速機の同期装置
JP3084792B2 (ja) 手動変速機の同期噛合装置
JP2536927Y2 (ja) 複数コーン型同期装置
JPH0744823Y2 (ja) 同期装置
JPS63152729A (ja) 同期噛合装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees