JPH06102061B2 - 自走式掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は昇降自在な床用吸込体を有する自走式掃除機に
関する。

（ロ）従来の技術 部屋内を自動的に移動しながら掃除する自走式掃除機は
例えば特公昭61−3484号公報や特開昭59−151926号公報
に開示されているが、これらの従来技術は掃除機本体を
進行方向にむかって回転させて掃除するので、部屋の隅
部まで完全に掃除できない欠点がある。

一方、吸込ノズルを床面に対して昇降自在にした掃除機
は特開昭57−175335号公報に開示されているが、吸込ノ
ズルは手動操作で昇降させるので、この吸込ノズルを前
記自走式掃除機に適用しても自動運転ができなくなる欠
点がある。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 本発明は部屋の床面を前後に移動しながら掃除すること
により部屋の隅部の掃除も行なえるようにし、且つこの
移動にともなって床用吸込体を自動昇降させることによ
りスムーズな走行を確保し、確実な掃除をできるように
した自走式掃除機を得ることを目的としている。

（ニ）問題点を解決するための手段 本発明は、走行用モータで前後進する走行車輪を有する
掃除機本体と、該掃除機本体の前後に夫々設けられた吸
塵機構と、該吸塵機構を制御する制御回路とを備え、前
記吸塵機構を、吸塵用ファンモータ、床用吸込体及び吸
込体の昇降装置から構成し、前記制御回路は、掃除機本
体の前進時、前側の床用吸込体を床面に接地させてその
吸塵用ファンモータを作動させ、後側の床用吸込体を上
昇させてその吸塵用ファンモータを停止させると共に、
掃除機本体の後進時、後側の床用吸込体を床面に接地さ
せてその吸塵用ファンモータを作動させ、前側の床用吸
込体を上昇させてその吸塵用ファンモータを停止させる
ことを特徴とする。

（ホ）作用 掃除機本体の前進時には前側の吸塵機構の床用吸込体が
下降して床面に接地すると共に前側の吸塵用フアンモー
タが回転して前側の床用吸込体から集塵する。このとき
後側の床用吸込体は昇降装置により上昇している。一
方、掃除機本体の後進時には後側の吸塵機構の床用吸込
体が下降して床面に接地すると共に後側の吸塵用フアン
モータが回転して後側の床用吸込体から集塵する。この
とき前側の床用吸込体は昇降装置により上昇している。

（ヘ）実施例 （１）は自走式掃除機の掃除機本体で、上ケース（２）
と基台スカート部（３）とからなる外装ケース（４）で
覆われている。前記基台スカート部（３）には衝突用セ
ンサー（5a）…を内蔵した複数個のバンパー（５）…を
配設している。また上ケース（２）の上部には回転自在
な距離測定用センサー部（６）を配置し、該センサー部
（６）に設けた半導体レーザー距離測定体で衝害物との
距離を測定可能にしている。

（７）は掃除機本体（１）の基板、（8A）（8B）は該基
板（７）の前部及び後部に配設した前後一対の吸塵機構
で、これらの吸塵機構（8A）（8B）は基板（７）の上面
に取り付けた前後の吸塵用フアンモータ（9a）（9b）
と、該フアンモータ（9a）（9b）の吸込口に接続され、
基板（７）を貫通して基板（７）下方に延びた可撓性の
吸込ホース（10a）（10b）と、該吸込ホース（10a）（1
0b）の先端に取り付けられた前後の床用吸込体（11a）
（11b）と、前記基板（７）の下面に取り付けられた前
後の昇降用モータ（12a）（12b）及び下端を前記床用吸
込体（11a）（11b）に接続され前記モータ（12a）（12
b）で巻き上げられるワイヤー（13a）（13b）とからな
る前後の昇降装置（14A）（14B）とから構成している。
そして前記フアンモータ（9a）（9b）の排出口は前記本
体（１）内の集塵容器（図示せず）に連結されている。
また（15）は電源用の充電式電池である。

（16A）（16B）（16C）（16D）は前記基板（７）の前後
の左右位置に夫々枢支された車輪ユニツトで、これらの
車輪ユニツト（16）は第３図、第４図に示すように上部
に枢支軸（17）を有すると共に一側面を蓋体（18）で開
閉自在とした下方開口のハウジング（19）と、該ハウジ
ング（19）の外側面に取り付けると共に小プーリ（20）
を軸着した出力軸を該ハウジング（19）内に突出させた
走行用モータ（21）とから成っている。（22）は走行車
輪で、大プーリ（23）と共に回転軸（24）に軸着され、
該回転軸（24）はころ軸受を圧入固定した両端を前記ハ
ウジング（19）と前記蓋体（18）の軸受凹所（25）（2
6）に夫々軸支している。（27）は前記小プーリ（20）
と大プーリ（23）の間を橋絡して動力伝達するベルトで
ある。さらに（28）は前記基板（７）に固定した軸受ハ
ウジングで、前記枢支軸（17）を嵌め込んで回転自在に
支持するもので、（29）はシヤフトスリーブ、（30）は
軸受、（31）はハウジング蓋である。また（32）は前記
枢支軸（17）の先端に取り付けた操舵用プーリで締付ネ
ジ（33）により枢支軸（17）先端に締付固定される。

（34）は前記前後左右の車輪ユニツト（16A）（16B）
（16C）（16D）の操舵用プーリ（32）の架け渡された操
舵用タイミングベルトで、前記基板（７）に取り付けた
操舵用モータ（35）によって前記車輪ユニツト（16）を
前後、左右斜め方向等に同期して回動するもので、これ
ら操舵用プーリ（32）、タイミングベルト（34）及び操
舵用モータ（35）によって操舵機構（36）は構成され
る。

そして夫々の車輪ユニツト（16A）（16B）（16C）（16
D）は夫々の車輪方向調節装置（37A）（37B）（37C）
（37D）によって前後方向の０点補正を正確に成されて
枢支している。該車輪方向調整装置（37A）…（37D）と
して、前側の車輪ユニツト（16A）（16C）の後部及び後
側の車輪ユニツト（16B）（16D）の前部には夫々発光ダ
イオード等の発光素子（38a）（38b）（38c）（38d）が
取り付けられ、一方、前記基板（７）には前記発光素子
（38a）…（38d）に対応するCdsセル等の受光素子（39
a）（39b）（39c）（39d）が取り付けられており、該受
光素子（39a）…（39d）は前記車輪ユニツト（16A）
…）（16D）の走行車輪（22）…が前後方向に向いたと
きに前記発光素子（38a）…（38d）に対向する位置に取
り付けられており、さらに前後基板（７）内には前記発
光素子（38a）…（38d）が受光素子（39a）…（39d）に
正確に対向したときに発光して報知する報知ランプ（40
a）（40b）（40c）（40d）を備えている。そして、車輪
ユニツト（16A）…（16D）の前後方向の調整時におい
て、前記操舵用プーリ（32）の締付ネジ（33）を緩めて
車輪ユニツト（16A）…（16D）を回動させ、発光素子
（38a）…（38d）と受光素子（39a）…（39d）とが対向
したときに締付付ネジ（３）を締め付けることにより前
後方向の０点補正を正確に行なう。尚前記発光素子（38
a）…（38d）を基板（７）に、前記受光素子（39a）…
（39d）を車輪ユニツト（16A）…（16D）に取り付けて
も、上記と同様の作用効果を発揮できる。

次に第７図において、（40）は制御回路、（41）は距離
測定用演算回路、（42）は充電式電池（15）を含む電源
回路である。

掃除開始時において、制御回路（40）からの前進の指令
により走行用モータ（21a）（21b）（21c）（21d）は回
転して掃除機本体（１）が前進すると共にこのとき後側
の昇降用モータ（12b）が回転して後側の床用吸込体（1
1b）を上昇させ、前側の床用吸込体（11a）は床面に接
地し且つ前側の吸塵用フアンモータ（9a）が回転し、床
面掃除をしながら前進する。

壁面への近接状態で前進が停止し、吸塵用フアンモータ
（9a）が停止すると共に前側の昇降用モータ（12a）に
より前側の床用吸込体（11a）も上昇し、且つ操舵用モ
ータ（35）の駆動により４個の車輪ユニツト（16A）…
（16D）が同時に90度回動し、制御回路（40）の指令に
より横移動する。その後制御回路（40）の後進の指令に
より、後側の昇降用モータ（12b）は通電を解除され、
後側の床用吸込体（11b）が接地すると共に操舵用モー
タ（35）により４個の車輪ユニツト（16A）…（16D）が
90度逆回転して前後方向に向き、走行用モータ（21a）
…（21d）が逆回転して本体（１）を後進しながら床面
掃除を行なう。

また部屋の壁面近傍の掃除機本体（１）下方の前後の床
用吸込体（11a）（11b）間の距離ｌの間は前後の昇降用
モータ（12a）（12b）の通電を解除することにより前後
の床用吸込体（11a）（11b）を接地し、前後の吸塵用フ
アンモータ（9a）（9b）を回転しながら掃除機本体
（１）を前進あるいは後進させ、該距離ｌ分だけ走行す
るようになっており、さらに前記本体（１）が前後進の
切替時より前記距離ｌだけは前記と同様に前後の床用吸
込体（11a）（11b）を作動させるように構成してある。

尚前記床用吸込体（11）は第６図に示すように進行方向
側の上面に覆板（43）を設けると共に塵埃を吸込口に導
く左右の案内用ガイド翼（44）（44）を形設している。

（ト）発明の効果 本発明の自走式掃除機は部屋内を前後に移動する掃除機
本体の前後に昇降自在な床用吸込体と吸塵用フアンモー
タからなる吸塵機構を夫々設け、進行方向側の吸塵機構
のみが動作して進行方向側の床用吸込体によって集塵
し、一方、動作しない側の床用吸込体は上昇しているか
ら、部屋の隅部の掃除も行なえると共に、進行方向反対
側の床用吸込体が掃除機本体の進行の邪魔にならず、ス
ムースな走行ができる。しかも、上記の動作は人手を使
わずに自動的に行なえるから、手軽に、且つ確実な掃除
を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本発明自走式掃除機の実施例に関し、第１
図は一部切欠側面図、第２図は側面図、第３図は車輪ユ
ニツトを含む要部の断面図、第４図は車輪ユニツトの分
解斜視図、第５図は要部の横断面図、第６図は床用吸込
体の図で（イ）は上面図、（ロ）は（イ）のＡ−Ａ断面
図、第７図は電気回路ブロツク図、第８図は走行状態
図、第９図は車輪方向検査用回路ブロツク図である。 （１）…掃除機本体、（8A）（8B）…吸塵機構、（9a）
（9b）…吸塵用フアンモータ。（11）（11a）（11b）…
床用吸込体、（13a）（13b）…昇降装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】走行用モータで前後進する走行車輪を有す
   る掃除機本体と、該掃除機本体の前後に夫々設けられた
   吸塵機構と、該吸塵機構を制御する制御回路とを備え、
   前記吸塵機構を、吸塵用ファンモータ、床用吸込体及び
   吸込体の昇降装置から構成し、前記制御回路は、掃除機
   本体の前進時、前側の床用吸込体を床面に接地させてそ
   の吸塵用ファンモータを作動させ、後側の床用吸込体を
   上昇させてその吸塵用ファンモータを停止させると共
   に、掃除機本体の後進時、後側の床用吸込体を床面に接
   地させてその吸塵用ファンモータを作動させ、前側の床
   用吸込体を上昇させてその吸塵用ファンモータを停止さ
   せてなる自走式掃除機。