以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図6を参照して説明する。
図1ないし図6において、11は電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、本実施形態では、この電気掃除機11として、被掃除面としての床面F上を自律走行(自走)しつつ床面Fを掃除する、いわゆる自走式のロボットクリーナを例に挙げて以下説明する。
そして、この電気掃除機11は、中空状の本体ケース12と、この本体ケース12内に収容された電動送風機13と、この電動送風機13の吸込側に連通する集塵部14と、例えば複数(一対)の駆動部としての駆動輪15と、これら駆動輪15を駆動させる駆動手段としてのモータ16と、旋回用の旋回輪17と、本体ケース12の下部に床面F上を旋回可能に取り付けられた例えば一対の旋回清掃部としてのサイドブラシ18と、これらサイドブラシ18をそれぞれ駆動させる旋回駆動手段としての旋回モータ19と、複数の距離検出手段としての測距センサ20と、本体ケース12の下部のクリアランスを測定する測距手段としてのリミットスイッチ21と、回路基板などにより構成された制御手段22と、電源部を構成する電池である二次電池23とを備えている。なお、以下、電気掃除機11(本体ケース12)の走行方向に沿った方向を前後方向(図4などに示す矢印FR,RR方向)とし、この前後方向に対して交差(直交)する左右方向(両側方向)を幅方向として説明する。
本体ケース12は、例えば合成樹脂などにより平坦な円柱状(円盤状)などに形成されており、円形状の下面12aに、集塵部14に連通する集塵口としての吸込口24が床面Fに対向して開口形成されている。また、本体ケース12の上部には、図示しないが、各種操作パネルおよび表示部などが配置されている。さらに、本体ケース12の前部には、緩衝用のバンパ25が前後動可能に取り付けられている。そして、本体ケース12と、この本体ケース12の内部に収容された電動送風機13、各モータ16、各旋回モータ19、測距センサ20、制御手段22および二次電池23と、集塵部14と、サイドブラシ18などとにより、駆動輪15によって床面F上を走行される掃除機本体26が構成されている。
吸込口24は、左右方向に長手状、すなわち横長に形成され、本体ケース12の下面12aの中央部よりも後方の位置で、かつ、左右方向の中央部に開口されている。この吸込口24は、外縁部のうち前部と後部とが本体ケース12の下面12aから床面F側である下方に向けて突出する(第1の)突出構造物としてのノズル部27によって囲まれ、一側が(第2の)突出構造物としての保護部材であるギヤ機構カバー28により囲まれ、かつ、他側が(第3の)突出構造物としての軸受部29により囲まれている。さらに、この吸込口24は、本体ケース12の内部において後方へと延びる風路部30と連通している。また、この吸込口24には、回転清掃体としての回転ブラシ31が回転可能に配置されている。さらに、この吸込口24の後部には、掃除補助部32が配置されている。
ノズル部27は、本体ケース12の下面12aを基端とし、下端部である先端部が本体ケース12の下面12aと略平行(略水平)となっている。また、このノズル部27は、前部27aと後部27bとが基端側から先端側へと徐々に傾斜しており、前部27aが後方へと徐々に傾斜し、後部27bが前方へと徐々に傾斜している。したがって、ノズル部27は、開口面積が下側(先端側)へと徐々に狭くなるように形成されており、その下端(先端)が吸込口24の前部および後部を区画している。
ギヤ機構カバー28は、吸込口24の両側の位置にて本体ケース12の下面12aに着脱可能に取り付けられており、この下面12aよりも下方に突出している。また、このギヤ機構カバー28は、下端(先端)がノズル部27との下端と略面一となっている。
軸受部29は、回転ブラシ31の他方の軸受部となっており、本体ケース12の下面12aよりも下方に突出している。また、この軸受部29は、下端(先端)がノズル部27およびギヤ機構カバー28と略面一となっている。したがって、これらノズル部27、ギヤ機構カバー28および軸受部29により囲まれる吸込口24は、本体ケース12の下面12aに対して下方で、かつ、床面Fに対して上方に離間されて位置している。
風路部30は、吸込口24と集塵部14とを連通するもので、ノズル部27の上方から後方上側へと傾斜状に延びている。また、この風路部30の下流端部である後端部がシール部材33を介して集塵部14と連通可能となっている。
回転ブラシ31は、例えば長尺の軸部の外周面に、径方向に螺旋状に複数の清掃体部が壁状に突出して取り付けられて構成されている。この回転ブラシ31は、下側が吸込口24から本体ケース12の下面12aの下方へと突出しており、電気掃除機11を床面F上に載置した状態で下側に位置する清掃体部の先端が床面Fに接触するように構成されている。そして、この回転ブラシ31は、回転清掃体駆動手段としての駆動モータ34により回転駆動される。
駆動モータ34は、本体ケース12(掃除機本体26)の内部に収容されており、機構部としての図示しないギヤ機構を介して回転ブラシ31と接続されている。このギヤ機構は、回転ブラシ31の一方の軸受部となっており、本体ケース12の内部に組み込まれ、ギヤ機構カバー28により覆われている。
掃除補助部32は、塵埃をすくい上げて吸込口24へと導くとともに吸込口24の後部を閉塞して真空度を向上し、かつ、吸込口24の後方への塵埃の抜けを防止するなどの、掃除を補助するための掃除補助具であり、例えば弾性を有する軟質の合成樹脂などにより形成されている。この掃除補助部32は、ノズル部27の後部27bの下部に取り付けられて左右方向に延びており、下方へと前側に湾曲して突出する塵埃掻上部としての掻上片部32aを下部に備えている。この掻上片部32aは、先端部である下端部へと徐々に前後方向の厚みが小さくなるように形成されており、電気掃除機11(掃除機本体26)を床面F上に載置した状態で床面Fに沿って前方へと変形し、吸込口24の後部、すなわちノズル部27の後部27bの前端よりも前方まで先端部が延びて、そり状となっている。すなわち、この掃除補助部32は、床面Fと接触しており、電気掃除機11(掃除機本体26)の床面F上での走行により下部が床面Fと摺接するようになっている。したがって、この掃除補助部32は、掻上片部32aがノズル部27(吸込口24)、ギヤ機構カバー28、および、軸受部29よりも下方に突出しており、駆動輪15、旋回輪17およびサイドブラシ18などの下端部と略等しい位置となっている。すなわち、この掃除補助部32は、床面Fに対して入り込む回転ブラシ31を除き、床面F上に載置した本体ケース12の下面12aに対して最も突出した部分となっている。
電動送風機13は、例えば旋回輪17よりも後方で、かつ、駆動輪15の回転軸よりも前方に位置している。また、この電動送風機13は、モータ部13aとこのモータ部13aにより回動される遠心ファン13bとを備え、この遠心ファン13bを後方に向けて、すなわち吸込側を後方に向けて、かつ、軸方向を前後方向(水平方向)に沿わせて本体ケース12の内部に収容されている。さらに、この電動送風機13の吸込側(遠心ファン13b)には、ダクト部35が気密に接続されている。このダクト部35は、後方上側に向けて延びており、上流端部である後端部がシール部材36を介して集塵部14と連通可能となっている。さらに、このダクト部35の内部には、図示しないフィルタが配置されている。
集塵部14は、電動送風機13の駆動により吸込口24から吸い込まれた塵埃を捕集するものであり、例えば本体ケース12の後部に位置しており、本体ケース12に対して着脱可能となっている。さらに、この集塵部14の前部には、風路部30と連通する吸込開口14aが下部に開口され、ダクト部35と連通する筒状の接続部14bが上部に突設されている。そして、本体ケース12に集塵部14を装着した状態で、吸込開口14aの外縁部がシール部材33に圧接されて風路部30と気密に接続されるとともに、接続部14bの先端部がシール部材36に圧接されてダクト部35と気密に接続されるようになっている。さらに、集塵部14の内部には、例えば塵埃を濾過捕集するフィルタ14cが取り付けられている。
各駆動輪15は、電気掃除機11(掃除機本体26)を床面F上で走行(自律走行)させる、すなわち走行用のものであり、左右幅方向に沿って図示しない回転軸を有する円盤状に形成されている。また、これら駆動輪15は、本体ケース12(掃除機本体26)の下部の前後方向の中心付近の位置にて、吸込口24の両側方に幅方向に互いに離間されて配置されており、幅方向に対称な位置となっている。
各モータ16は、例えば駆動輪15のそれぞれに対応して配置されており、各駆動輪15を独立して駆動させることが可能となっている。これらモータ16は、各駆動輪15に直接接続されていてもよいし、ギヤ、あるいはベルトなどの図示しない伝達手段を介して各駆動輪15と接続されていてもよい。
旋回輪17は、本体ケース12の幅方向の略中央部で、かつ、前部に位置しており、床面Fに沿って旋回可能な従動輪である。すなわち、この旋回輪17は、掃除機本体26の前端近傍に位置している。
各サイドブラシ18は、軸部としての旋回中心部である円板状のブラシ基部41と、このブラシ基部41から径方向へと放射状に突出して床面Fと接触する複数の清掃体42とをそれぞれ有している。そして、サイドブラシ18,18は、回転中心となるブラシ基部41,41が吸込口24および駆動輪15,15の前方でかつ旋回輪17の後方の両側方の位置で本体ケース12の下面12aに取り付けられている。
また、各旋回モータ19は、下方に突出する回転軸が各ブラシ基部41に対して接続されており、各サイドブラシ18を、本体ケース12の幅方向中心側へと、換言すれば右側のサイドブラシ18を左側へと、左側のサイドブラシ18を右側へと、すなわち各サイドブラシ18により塵埃を吸込口24側へと掻き集めるようにそれぞれ回転可能である。
測距センサ20は、例えば超音波センサ、赤外線センサ、あるいは画像センサなどの非接触のセンサであり、例えば本体ケース12の外周の前部ないし両側部に亘って配置され、本体ケース12の前方の障害物(壁部)および側方の障害物(壁部)などの有無、およびそれらと本体ケース12との距離などをそれぞれ検出可能となっている。
リミットスイッチ21は、本体ケース12(掃除機本体26)の下部のクリアランスの下限値、すなわち、掃除機本体26の下面である本体ケース12の下面12aとこの下面12aの下部に対向する床面F、または床面F上に位置する障害物などの対向物Wとの間の高さの限界位置を設定するものである。このリミットスイッチ21は、測距手段本体としてのスイッチ本体21aと、このスイッチ本体21aから突出するスイッチ部21bと、このスイッチ部21bに対向する位置でスイッチ本体21aに回動可能に設けられた検出部としての作動レバーである検出腕部21cと、この検出腕部21cの先端部に軸支された当接部としての検出ローラ21dとを備えた常開、または常閉のスイッチである。さらに、このリミットスイッチ21は、本体ケース12の下面12aの中央部、すなわち吸込口24および掃除補助部32の前方でかつ旋回輪17およびサイドブラシ18,18(ブラシ基部41,41)よりも後方にて左右方向の中央部に開口された開口部45から、この本体ケース12の下面12aの下方へと検出腕部21cの先端側および検出ローラ21dが突出し、かつ、検出ローラ21dが前後方向に沿って回動可能となるように取り付けられている。この検出ローラ21dは、床面Fに対して例えば駆動輪15および旋回輪17の下端部と略同じ高さ位置、あるいはこれらの下端部よりも僅かに上方の位置に下端が配置されている。そして、検出ローラ21dを含む検出腕部21cが対向物Wと接触することによりスイッチ本体21aへと接近するように回動してスイッチ部21bが押し込まれることで、リミットスイッチ21のオンオフが切り替えられるようになっている。すなわち、リミットスイッチ21は、オンオフの切り替えによって、本体ケース12(掃除機本体26)の下部のクリアランスが所定の下限値よりも小さいかどうかを検出するようになっている。そして、このリミットスイッチ21は、制御手段22に対してオンオフの切り替え、すなわち下部のクリアランスが所定の下限値よりも小さいかどうかの検出結果を出力するようになっている。
制御手段22は、例えばタイマなどの計時手段、メモリなどの記憶手段およびマイコンなどの制御部を備えており、電動送風機13、各モータ16、各旋回モータ19、測距センサ20、リミットスイッチ21、および、駆動モータ34などと電気的に接続され、測距センサ20による検出結果に基づいて、電動送風機13および各モータ16などの駆動を制御可能である。
二次電池23は、制御手段22、電動送風機13、各モータ16、各旋回モータ19、測距センサ20および駆動モータ34などに給電するものである。この二次電池23は、例えば旋回輪17の中心軸よりも前側の位置に配置されている。そして、この二次電池23は、旋回輪17の両側にて本体ケース12の下面12aに位置する充電端子46と電気的に接続されており、例えば室内(部屋)の所定位置などに設置された所定の図示しない充電台に対して充電端子46が接続されることによって充電可能となっている。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
電気掃除機11は、例えば制御手段22に予め設定された所定時刻などとなると、電動送風機13を駆動させ、例えば充電台から掃除を開始する。なお、掃除の開始位置は、電気掃除機11の走行開始位置、あるいは部屋の出入り口など、任意の場所に設定可能である。
この電気掃除機11は、制御手段22がモータ16,16を回転駆動させて駆動輪15,15により床面F上を自律走行する。このとき、制御手段22は、測距センサ20を介して例えば掃除領域の周囲を囲む壁部や掃除領域内の障害物などとの距離を検出することで電気掃除機11の位置や走行状態を監視し、測距センサ20からの検出に対応して、障害物を回避しながら床面F上を走行する。
そして、この電気掃除機11は、電動送風機13の駆動によって発生した負圧がダクト部35、集塵部14および風路部30を介して作用した吸込口24により、床面F上の塵埃を空気とともに吸い込む。このとき、掃除補助部32は、掻上片部32aが床面Fに沿って前方へと弾性的に変形し、吸込口24の後部を閉塞して真空度を向上するとともに、電気掃除機11(掃除機本体26)の前進に伴いノズル部27の後部27b、すなわち吸込口24の後縁部よりも前方に延びた掻上片部32aが床面Fに弾性的に摺接することで、床面F上の塵埃をすくい上げて吸込口24へと導く。また、制御手段22は、必要に応じて、各旋回モータ19を介して各サイドブラシ18を回転させたり、駆動モータ34を介して回転ブラシ31を駆動させたりしてもよい。
このとき、通常、電気掃除機11(掃除機本体26)は、前方向へと走行(前進)する。このとき、対向物W(床面F)の高さが比較的低い場合、すなわち掃除機本体26の下部のクリアランスが所定値以上である場合、リミットスイッチ21の検出ローラ21dが対向物W(床面F)と接触するのみであり、リミットスイッチ21のオンオフが切り替えられることはない(図2(a))。そして、掃除機本体26(本体ケース12)の前側の下部は、床面F、あるいは床面F上の障害物などの対向物Wに対するクリアランスが比較的大きいため、掃除機本体26の前進によりこの掃除機本体26の相対的に前側からこの掃除機本体26の下部へと移動してきた塵埃は、負圧によって吸込口24へと吸い込まれる。なお、前進とは、前方向に直進するだけでなく、前方左側や前方右側などに移動することも含む。すなわち、前進とは、電気掃除機11(掃除機本体26)の走行方向が前方向成分を有することを意味する。
一方、電気掃除機11(掃除機本体26)が前進しているときに、リミットスイッチ21の検出ローラ21dが対向物W(床面F)によって検出腕部21cとともに上方へと押し込まれると、この検出腕部21cがスイッチ部21bを押し込み、リミットスイッチ21のオンオフが切り替えられる(図2(b))。そこで、この切り替えを制御手段22が検出すると、掃除機本体26の下部のクリアランスが所定値よりも小さいものと判断し、電気掃除機11(掃除機本体26)の走行方向を変化、本実施形態では、電気掃除機11(掃除機本体26)を後方向へと走行(後進)させる。ここで、後進とは、後方向に直進するだけでなく、後方左側や後方右側などに移動することも含む。すなわち、後進とは、電気掃除機11(掃除機本体26)の走行方向が後方向成分を有することを意味する。本実施形態では、走行方向を切り替える直前の掃除機本体26の走行軌跡に沿って後進するように制御手段22が制御する。例えば、図3(a1)に示すように、電気掃除機11(掃除機本体26)が前方向へと直進している場合には、リミットスイッチ21のオンオフの切り替わりにより、図3(b1)に示すように、制御手段22が電気掃除機11(掃除機本体26)を後方向へと直進させるようにモータ16の駆動を制御し、図3(a2)に示すように、電気掃除機11(掃除機本体26)が前方向の一側へと曲がりながら走行している場合には、リミットスイッチ21のオンオフの切り替わりにより、図3(b2)に示すように、電気掃除機11(掃除機本体26)を後方向へと曲がりながら走行させるようにモータ16の駆動を制御する。この結果、ノズル部27、ギヤ機構カバー28、軸受部29および掃除補助部32の掻上片部32aなどが対向物Wにつかえ、駆動輪15が床面Fから浮いたり、駆動輪15の床面Fとのグリップ力が低下したりして駆動輪15が空回りし、掃除機本体26が走行停止状態となる、すなわちスタックすることが防止される。なお、この後進により、リミットスイッチ21の検出ローラ21dと対向物Wとの接触が解除されてリミットスイッチ21のオンオフが切り替わった場合、すなわちリミットスイッチ21によって検出する掃除機本体26の下部のクリアランスが所定値以上となった場合には、再度前進、またはその位置で旋回などして走行方向を変えて前進するように制御手段22がモータ16の駆動を制御する。
そして、吸込口24から空気とともに吸い込まれた塵埃は、集塵部14のフィルタ14cにより分離および捕集されるとともに、塵埃が分離された空気は、ダクト部35を介して電動送風機13に吸い込まれ、この電動送風機13を冷却した後、排気風となって本体ケース12に設けられた図示しない排気口から外部へと排気される。
掃除領域の掃除が終了したと判断した場合には、制御手段22は、電気掃除機11を充電台の位置まで自律走行させ、電動送風機13などを停止させるとともに、充電台に充電端子46を(機械的および電気的に)接続させてモータ16,16を停止させ、運転を終了して二次電池23を充電する。
上述したように、上記第1の実施形態によれば、掃除機本体26の下部のクリアランスを、リミットスイッチ21を対向物Wに直接接触させて検出することで、簡単かつ安価な構成でクリアランスの検出がより確実になる。
次に、第2の実施形態を図7および図8を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態の電気掃除機11は、上記第1の実施形態の電気掃除機11のリミットスイッチ21に代えて、測距手段としての非接触センサである光学センサ48を用いるものである。
光学センサ48は、下方に向けて光(レーザ光、赤外光など)を照射する発光部48aと、この発光部48aから発光された光の対向物W(床面F)からの反射光を検出する受光部48bとを備え、本体ケース12の下面12aに対して突出しない、すなわちこの下面12aと面一、またはこの下面12aよりも上側に位置して配置されている。そして、この光学センサ48は、発光部48aから発光された光を受光部48bによって受光することで、発光部48aでの発光から受光部48bでの受光までの時間、あるいは受光部48bでの受光位置のずれなどに基づいて対向物W(床面F)との距離を検出可能であり、この検出結果を制御手段22へと出力可能である。
そして、掃除の際に、電気掃除機11(掃除機本体26)が前進しているときに、光学センサ48により検出した掃除機本体26の下部のクリアランスが所定の下限値より小さいと制御手段22が判断した場合には、この制御手段22が、電気掃除機11(掃除機本体26)の走行方向を変化、本実施形態では、電気掃除機11(掃除機本体26)を、直前の掃除機本体26の走行軌跡に沿って後進するように制御する。この結果、ノズル部27、ギヤ機構カバー28、軸受部29および掃除補助部32などが対向物Wにつかえ、駆動輪15が床面Fから浮いたり、駆動輪15の床面Fとのグリップ力が低下したりして駆動輪15が空回りし、掃除機本体26が走行停止状態となる、すなわちスタックすることが防止される。
なお、この後進により、光学センサ48によって検出する掃除機本体26の下部のクリアランスが所定値以上となった場合には、再度前進、またはその位置で旋回などして走行方向を変えて前進するように制御手段22がモータ16の駆動を制御する。
このように、掃除機本体26の下面(本体ケース12の下面12a)から突出しない非接触の光学センサ48を用いて掃除機本体26の下部のクリアランスを検出することで、掃除機本体26の下部と床面Fとのクリアランスを大きく取ることができ、床面F上の塵埃が光学センサ48に引っ掛かってクリアランスを誤検出したり、この光学センサ48が対向物W(床面F)に引っ掛かって走行の妨げとなったりすることがない。
なお、上記第2の実施形態において、測距手段として、例えば超音波センサ、あるいは画像センサなどの光学センサ48以外の任意の各種非接触センサを用いても同様の作用効果を奏することができる。
また、上記各実施形態において、サイドブラシ18は、本体ケース12の吸込口24の前方の一側にのみ配置してもよいし、サイドブラシ18を設けない構成としてもよい。
さらに、電動送風機13を備えず、回転ブラシ31により床面Fの塵埃を掻き上げて集塵部14へと集塵する構成とすることも可能である。
また、本体ケース12(掃除機本体26)は、平面視で円形状でなくてもよい。
さらに、集塵部14は、フィルタ14cを用いる構成に代えて、例えば集塵袋を用いて塵埃を濾過捕集する構成、あるいは遠心分離(サイクロン分離)や直進分離などの慣性分離により塵埃を分離して捕集する構成など、任意の構成を用いることができる。
また、掃除補助部32は、塵埃を床面Fからすくい上げるものに限らず、例えば床面Fを磨く(床面Fの塵埃を拭き取る)不織布、あるいは床面Fに密着して吸込口24の真空度を向上するシールリップなど、床面Fに接近または接触して掃除を補助する任意のものを用いることができる。
そして、以上説明した少なくとも1つの実施形態では、掃除機本体26の回転ブラシ31よりも前方にて床面Fに対向する下面(本体ケース12の下面12a)に設けられたリミットスイッチ21、あるいは光学センサ48によって掃除機本体26の下部のクリアランスを測定し、この測定したクリアランスが所定値よりも小さい場合には、制御手段22が駆動輪15による掃除機本体26の走行方向を変化させる。すなわち、例えばホットカーペットのコントローラ部や扇風機のベース部分など、床面からの突出量が比較的低く測距センサ20によって検出されない障害物上に電気掃除機11(掃除機本体26)が誤って乗り上げた場合など、掃除機本体26の下部のクリアランスが小さくなった場合には、掃除機本体26の走行方向を変化させることで、掃除機本体26の下面(本体ケース12の下面12a)から下方に突出するノズル部27、ギヤ機構カバー28、軸受部29および掃除補助部32(掻上片部32a)などが対向物W(床面F)に引っ掛かることを防止できる。したがって、これらノズル部27、ギヤ機構カバー28、軸受部29および掃除補助部32などのつかえによって、駆動輪15が床面Fから浮いたり、駆動輪15の床面Fとのグリップ力が低下したりして駆動輪15が空回りし、掃除機本体26が走行停止状態となる、すなわちスタックすることを抑制できる。この結果、床面Fをより確実に自律掃除して充電台に確実に戻ることができる。
特に、制御手段22は、走行方向を変化させる際に、その直前までの掃除機本体26の走行軌跡に沿って戻るように掃除機本体26を走行させるようにすることで、この走行方向を変化させた際に対向物W(床面F)に対してノズル部27、ギヤ機構カバー28、軸受部29および掃除補助部32(掻上片部32a)などが引っ掛かることを確実に防止できる。
また、サイドブラシ18のブラシ基部41よりも後方にリミットスイッチ21、あるいは光学センサ48を配置することで、仮に掃除機本体26の下部のクリアランスが所定値よりも小さい場合でも、少なくともサイドブラシ18の位置まではリミットスイッチ21、あるいは光学センサ48がクリアランスを検出しないので、このサイドブラシ18の位置までは床面Fを掃除することが可能になる。したがって、リミットスイッチ21、あるいは光学センサ48により検出したクリアランスが所定値よりも小さいときに制御手段22によって掃除機本体26の走行方向を変えるように制御する際に掃除可能な床面Fの範囲が狭くなることを抑制できる。
さらに、掃除機本体26の前端近傍に位置する旋回輪17の後方にリミットスイッチ21、あるいは光学センサ48を配置することで、旋回輪17が測距センサ20により検出されない段差あるいは障害物などの対向物Wに乗り上げた状態、あるいは対向物Wを乗り越えた後にリミットスイッチ21あるいは光学センサ48によってクリアランスを検出することとなる。したがって、掃除機本体26の下部のクリアランスをより正確に検出できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。