JP2014176509A - 電気掃除機 - Google Patents

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村田  博光
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Abstract

【課題】床面上での走行停止状態を抑制できる電気掃除機を提供する。
【解決手段】電気掃除機11は、本体ケース12を備えた掃除機本体25を有する。電気掃除機11は、掃除機本体25を床面F上で走行可能とする駆動輪15を有する。電気掃除機11は、駆動輪15の駆動を制御する制御手段を有する。電気掃除機11は、駆動輪15が空転しているか否かを検出する空転検出手段の機能を有する制御手段を有する。電気掃除機11は、制御手段で空転を検出すると、駆動輪15を本体ケース12の下部に対して突出する方向に強制的に移動させた位置で固定する強制突出手段21を有する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、掃除機本体を被掃除面上で走行可能とする駆動輪を備えた電気掃除機に関する。
従来、例えばセンサなどを用いて障害物などを検出しつつ、被掃除面としての床面上を自律走行しながら床面を掃除する、いわゆる自律走行型の電気掃除機(掃除ロボット)が知られている。このような電気掃除機は、集塵部などを有する掃除機本体の本体ケースの下部に、集塵部と連通する吸込口が形成されているとともに、掃除機本体を自律走行させる駆動輪が取り付けられている。このような駆動輪は、床面とのグリップ性を向上するために、床面に向けてばねによって付勢されており、床面の凹凸などに応じて駆動輪を介してばねが伸縮することで、床面上での安定した走行を可能としている。
例えば、本体ケースの下部が障害物などに乗り上げた場合には、ばねの付勢により駆動輪が本体ケースから床面に向けて付勢されて大きく突出することで、駆動輪が床面との接触を保とうとする。しかしながら、駆動輪が床面側へと進出するに従ってばねの付勢力は弱まり、また、掃除機本体が障害物により下側から支持されて駆動輪に対して各部の荷重が加わりにくいことで、駆動輪が床面に接触しているにも拘らず床面からの反力が充分に得られず、グリップ力が不足して駆動輪が空転することがある。そのため、駆動輪が大きく床面側へと進出した状態でも駆動輪のグリップ力が不足しないようにすることが望まれる。
特開2006−155274号公報
本発明が解決しようとする課題は、被掃除面上での走行停止状態を抑制できる電気掃除機を提供することである。
実施形態の電気掃除機は、本体ケースを備えた掃除機本体を有する。また、この電気掃除機は、掃除機本体を被掃除面上で走行可能とする駆動輪を有する。さらに、この電気掃除機は、駆動輪の駆動を制御する制御手段を有する。また、この電気掃除機は、駆動輪が空転しているか否かを検出する空転検出手段を有する。そして、この電気掃除機は、空転検出手段で空転を検出すると、駆動輪を本体ケースの下部に対して突出する方向に強制的に移動させた位置で固定する強制突出手段を有する。
一実施形態の電気掃除機の強制突出手段により駆動輪を強制的に移動させて固定した状態を模式的に示し、(a)はその縦断正面図、(b)はその縦断側面図である。 同上電気掃除機の通常の状態を模式的に示し、(a)はその縦断正面図、(b)はその縦断側面図である。 同上電気掃除機の本体ケースが障害物に乗り上げた状態を模式的に示し、(a)はその縦断正面図、(b)はその縦断側面図である。 同上電気掃除機の内部構造を示すブロック図である。 同上電気掃除機を示す斜視図である。 同上電気掃除機の制御を示すフローチャートである。
以下、一実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
図1ないし図5において、11は電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、本実施形態では、この電気掃除機11として、被掃除面としての床面F上を自律走行(自走)しつつ床面Fを掃除する、いわゆる自走式のロボットクリーナを例に挙げて以下説明する。
そして、この電気掃除機11は、中空状の本体ケース12と、この本体ケース12内に収容された電動送風機13と、この電動送風機13の吸込側に連通する集塵部14と、例えば複数(一対)の駆動部としての駆動輪15と、これら駆動輪15を駆動させる駆動手段としてのモータ16と、旋回用の旋回輪17と、複数の距離検出手段としての図示しない測距センサと、各駆動輪15をそれぞれ付勢する付勢手段としての引っ張りばね19と、突出量検出手段としてのマイクロスイッチ20と、各駆動輪15に対応して本体ケース12の内部に配置された強制突出手段21と、回路基板などにより構成された制御手段22と、電源部を構成する電池である二次電池23とを備えている。なお、以下、電気掃除機11(本体ケース12)の走行方向に沿った方向を前後方向(図1などに示す矢印FR,RR方向)とし、この前後方向に対して交差(直交)する左右方向(両側方向)を幅方向として説明する。
本体ケース12は、例えば合成樹脂などにより平坦な円柱状(円盤状)などに形成されており、円形状の下面12aに、集塵部14に連通する集塵口としての図示しない吸込口が床面Fに対向して開口形成されている。また、本体ケース12の上部には、図示しないが、各種操作パネルおよび表示部などが配置されている。そして、この本体ケース12の内部に収容された電動送風機13、各モータ16、測距センサ、引っ張りばね19、マイクロスイッチ20、強制突出手段21、制御手段22および二次電池23と、集塵部14とにより、駆動輪15によって床面F上を走行される掃除機本体25が構成されている。なお、吸込口には、回転清掃体としての回転ブラシを回転可能に配置してもよい。この場合には、例えば回転ブラシによって床面Fの塵埃を集塵部14に掻き上げて捕集できれば、電動送風機13を設けない電気掃除機11の構成とすることもできる。また、この本体ケース12の下面12aには、前側の両側などに、補助清掃部材としての旋回清掃部であるサイドブラシを配置してもよい。
集塵部14は、電動送風機13の駆動により吸込口から吸い込まれた塵埃を捕集するものであり、例えば紙パックなどの集塵袋やフィルタにより塵埃を濾過捕集する構成、あるいは遠心分離(サイクロン分離)や直進分離などの慣性分離により塵埃を分離して捕集する構成など、任意の構成を用いることができる。また、この集塵部14は、例えば本体ケース12の後部に位置しており、本体ケース12に対して着脱可能となっている。
各駆動輪15は、電気掃除機11(掃除機本体25)を床面F上で走行(自律走行)させる、すなわち走行用のものであり、左右幅方向に沿って図示しない回転軸を有する円盤状に形成されている。また、これら駆動輪15は、本体ケース12(掃除機本体25)の下部の前後方向の中心付近の位置にて、幅方向に互いに離間されて配置されており、幅方向に対称な位置となっている。さらに、これら駆動輪15のそれぞれの回転軸には、各モータ16からの駆動力を駆動輪15に対して伝達する伝達手段としてのギヤボックス27が接続されており、このギヤボックス27が本体ケース12に対して回動可能に軸支されていることで、この本体ケース12(掃除機本体25)に対してギヤボックス27と一体的に上下方向に移動可能となっている。また、駆動輪15の外周には、例えば軟質でかつ弾性を有するグリップ部材が配置されており、このグリップ部材の表面には接地面積を向上させる凹凸が形成されている。そして、このグリップ部材が床面Fに対して接触することで掃除機本体25の重量を支持し、この掃除機本体25の重量による床面Fからの反力、引っ張りばね19による付勢力、グリップ部材の凹凸形状および弾性などにより、床面Fに対する駆動輪15のグリップ力が設定される。
各ギヤボックス27は、筐体31と、この筐体31の内部に収納された図示しないギヤとを備えている。そして、各ギヤボックス27は、各駆動輪15に対して、例えば幅方向の中央側、すなわち左側の駆動輪15の右側部、右側の駆動輪15の左側部に位置している。
筐体31は、内部にギヤを収納した筐体本体31aと、ギヤボックス27を駆動輪15とともに本体ケース12(掃除機本体25)に回動可能に軸支する被軸支部31bと、これら筐体本体31aと被軸支部31bとを一体的に接続する接続部31cとを有している。
筐体本体31aは、例えば駆動輪15の側部にてこの駆動輪15と同軸に配置されている。また、この筐体本体31aの上部には、本体ケース12の幅方向の中心側に向けて、強制突出手段21により下方へと押圧される被押圧部としての押圧片部33が突設されている。
被軸支部31bは、筐体本体31aに対して前方に離間されて位置しており、駆動輪15よりも前方の位置にて本体ケース12の内部に位置している。また、この被軸支部31bの上部には、接続部としてのアーム部34が突設されている。このアーム部34は、被軸支部31bの中心、すなわちギヤボックス27の回動中心Cよりも前方で、筐体31の前端部近傍に位置している。したがって、このアーム部34は、回動中心Cに対して、駆動輪15と反対側に位置している。また、このアーム部34の先端である上端には、引っ張りばね19の一端である前端を係止する係止部34aが前方に向けて屈曲して形成されている。
各モータ16は、例えば駆動輪15のそれぞれに対応して配置されており、ギヤボックス27のギヤと機械的に接続され、これらギヤボックス27のギヤを介して各駆動輪15を独立して駆動させることが可能となっている。
旋回輪17は、本体ケース12の幅方向の略中央部で、かつ、前部に位置しており、床面Fに沿って旋回可能な従動輪である。
測距センサは、例えば超音波センサ、赤外線センサ、あるいは画像センサなどの非接触のセンサであり、例えば本体ケース12の外周の前部ないし両側部に亘って配置され、本体ケース12の前方の障害物(壁部)および側方の障害物(壁部)などの有無、およびそれらと本体ケース12との距離などをそれぞれ検出可能となっている。
各引っ張りばね19は、本体ケース12の内部にて各ギヤボックス27の上方に位置している。これら引っ張りばね19は、一端である前端が、アーム部34の係止部34aにそれぞれ接続保持され、他端である後端が、本体ケース12の内部にて各駆動輪15よりも後方に位置する保持部36にそれぞれ接続保持されて、略水平状に配置されている。したがって、これら引っ張りばね19は、アーム部34を前後方向の回動中心C側である後方に引っ張ることで、ギヤボックス27の筐体31を介して各駆動輪15を、回動中心Cを中心として下方へと回動させて本体ケース12の下面12a(掃除機本体25の下部)から突出する方向に付勢している。
各マイクロスイッチ20は、本体ケース12の内部のアーム部34の上方でかつ後方に離間された位置に配置されている。これらマイクロスイッチ20は、引っ張りばね19による回動中心Cを中心とする駆動輪15の回動(移動)に伴い、後方へと倒れるように回動したアーム部34の係止部34aの後部が当接することでオンオフが切り替えられる。したがって、これらマイクロスイッチ20のオンオフの切り替えをトリガとして、本体ケース12の下面12aからの各駆動輪15の突出量が所定以上であるかどうかを制御手段22が判断可能となっている。
各強制突出手段21は、必要に応じて各駆動輪15を本体ケース12の下面12aから床面Fに向かう下方へと強制的に押し出して移動させ、その位置で固定するものである。これら強制突出手段21は、本体ケース12に回動可能に軸支された押圧保持部としてのカム部38と、このカム部38を回動させる突出駆動手段としての回動モータ39とを備えている。
カム部38は、各ギヤボックス27の押圧片部33の上方に位置し、駆動輪15と平行な方向、すなわち幅方向に沿って回動軸38aを有している。このカム部38は、回動軸38aからの径方向への突出量が相対的に小さい円弧状の非接触部38bと、回動軸38aからの径方向への突出量が相対的に大きい円弧状の接触部38cとを有する、いわゆる卵形の円板カムである。そして、このカム部38は、通常の状態では、非接触部38bが押圧片部33と対向する位置となっており、押圧片部33に対して離間されており(図2(a)および図2(b))、強制突出手段21によって駆動輪15を強制的に突出させる際には、接触部38cが押圧片部33と接触することで各ギヤボックス27を介して各駆動輪15を突出方向に移動させるようになっている。したがって、このカム部38の接触部38cの突出量により、駆動輪15を移動させる距離が設定される。本実施形態では、カム部38は、駆動輪15を、本体ケース12から最大限突出可能な位置(最大突出位置)へと移動させるようになっている。
回動モータ39は、カム部38と直接接続されていてもよいし、減速機構を介してカム部38と接続されていてもよい。
制御手段22は、例えばタイマなどの計時手段、メモリなどの記憶手段およびマイコンなどの制御部を備えており、電動送風機13、各モータ16、測距センサ、および、各強制突出手段21の回動モータ39などと電気的に接続され、測距センサによる検出結果に基づいて、電動送風機13、各モータ16および各回動モータ39などの駆動を制御可能である。また、この制御手段22は、例えば各モータ16の電流値に基づいて各駆動輪15の空転を検出する空転検出手段の機能を有している。すなわち、この制御手段22は、各モータ16の電流値の増減、または各モータ16の電流値に対応する電気量の増減などを検出することで、各モータ16の負荷を検出し、この負荷に応じて各駆動輪15が空転しているか否かを個別に検出可能となっている。
二次電池23は、制御手段22、電動送風機13、各モータ16、測距センサ、各強制突出手段21の回動モータ39などに給電するものである。この二次電池23は、例えば旋回輪17の後方の位置に配置されている。そして、この二次電池23は、旋回輪17の両側にて本体ケース12の下面12aに位置する充電端子と電気的に接続されており、例えば室内(部屋)の所定位置などに設置された所定の図示しない充電台に対して充電端子が接続されることによって充電可能となっている。
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
電気掃除機11は、各引っ張りばね19によりアーム部34が引っ張られることにより、各駆動輪15が各ギヤボックス27とともに、本体ケース12の下面12aから下方へと突出するように回動中心Cを中心として回動している。したがって、この電気掃除機11を床面F上に載置すると、各駆動輪15が床面Fに接触して掃除機本体25の重量を支持することにより、各引っ張りばね19の付勢に抗して各駆動輪15が各ギヤボックス27とともに本体ケース12内へと、旋回輪17が床面Fに接触する位置まで沈み込む。すなわち、この電気掃除機11は、床面F上に載置した状態で、各駆動輪15の回動軸よりも下側の部分が本体ケース12の下面12aよりも下方に突出する。
そして、この電気掃除機11は、例えば制御手段22に予め設定された所定時刻などとなると、電動送風機13を駆動させ、例えば充電台から掃除を開始する。なお、掃除の開始位置は、電気掃除機11の走行開始位置、あるいは部屋の出入り口など、任意の場所に設定可能である。
この電気掃除機11は、制御手段22がモータ16,16を回転駆動させて駆動輪15,15により床面F上を自律走行する。このとき、制御手段22は、測距センサを介して例えば掃除領域の周囲を囲む壁部や掃除領域内の障害物などとの距離を検出することで電気掃除機11の位置や走行状態を監視し、測距センサからの検出に対応して、障害物を回避しながら床面F上を走行する。そして、この電気掃除機11は、電動送風機13の駆動によって発生した負圧が集塵部14を介して作用した吸込口により、床面F上の塵埃を空気とともに吸い込む。このとき、制御手段22は、必要に応じて、サイドブラシや回転ブラシを駆動させてもよい。
そして、吸込口から空気とともに吸い込まれた塵埃は、集塵部14により分離および捕集されるとともに、塵埃が分離された空気は、電動送風機13に吸い込まれ、この電動送風機13を冷却した後、排気風となって本体ケース12に設けられた図示しない排気口から外部へと排気される。
掃除領域の掃除が終了したと判断した場合には、制御手段22は、電気掃除機11を充電台の位置まで自律走行させ、電動送風機13などを停止させるとともに、充電台に充電端子を(物理的および電気的に)接続させてモータ16,16を停止させ、運転を終了して二次電池23を充電する。
ここで、電気掃除機11は、上記の掃除中、あるいは自律走行中において、例えば測距センサなどによって検知できない高さ、あるいは検知されても乗り越え可能と判断される高さで床面F上に位置する、すなわち床面Fからの突出量が比較的小さい障害物W1(例えば電気カーペットのコントローラ部など)に対して本体ケース12の下面12aが誤って乗り上げたときなどに、例えば図3(a)に示すように電気掃除機11全体が幅方向に傾斜した場合には、相対的に上方となった側に位置する一方の駆動輪15(駆動輪15a)に対応する一方の引っ張りばね19(引っ張りばね19a)の付勢により、この一方の駆動輪15(駆動輪15a)が本体ケース12の下面12aから床面Fに向けて、相対的に下方となった側に位置する他方の駆動輪15(駆動輪15b)よりも下方へと突出する(図3(b))、換言すれば、本体ケース12の下面12aからの一方の駆動輪15(駆動輪15a)の突出量が他方の駆動輪15(駆動輪15b)の突出量よりも大きくなることで、各駆動輪15が床面Fに対する接触を維持する。
このとき、一方の駆動輪15(駆動輪15a)は、一方の引っ張りばね19(引っ張りばね19a)が他方の引っ張りばね19(引っ張りばね19b)よりも縮んでいることにより、この他方の引っ張りばね19(引っ張りばね19b)よりも付勢力が相対的に弱くなっている。また、電気掃除機11が傾斜しているため、掃除機本体25の荷重は、一方の駆動輪15(駆動輪15a)よりも、他方の駆動輪15(駆動輪15b)の方に偏っている。したがって、一方の駆動輪15(駆動輪15a)に対する床面Fからの反力、すなわちこの一方の駆動輪15(駆動輪15a)の床面Fに対するグリップ力が相対的に低下する。
そこで、制御手段22は、このようなグリップ力の低下により駆動輪15が空転するような高さの障害物W2に乗り上げた場合などに電気掃除機11(掃除機本体25)のスタック(立ち往生)が生じないように各部を制御する。
具体的に、図6のフローチャートに示すように、制御手段22は、自律走行中、まず、各駆動輪15の各駆動輪15の本体ケース12の下面12aからの突出量が所定以上であるかどうかを、マイクロスイッチ20(マイクロスイッチ20a,20b)からの信号に基づき判断する(ステップ1)。
このステップ1において、駆動輪15の本体ケース12の下面12aからの突出量が所定以上でない(所定未満である)と判断した場合には、電気掃除機11が通常の姿勢である(障害物W1,W2などに乗り上げていない)ものと判断し、ステップ1に戻る。また、このステップ1において、駆動輪15の本体ケース12の下面12aからの突出量が所定以上であると判断した場合には、制御手段22は、各モータ16の電流により駆動輪15の空転を検出し、駆動輪15が空転しているか否かを判断する(ステップ2)。なお、このステップ2において、駆動輪15が空転しているか否かを判断する際には、例えば所定時間以内に駆動輪15の空転を所定回数以上検出したか否か、あるいは駆動輪15の空転状態が所定時間以上継続したか否か、などによって判断してもよい。
このステップ2において、駆動輪15が空転していないと判断した場合には、ステップ1に戻る。また、このステップ2において、駆動輪15が空転していると判断した場合には、制御手段22は、この空転していると判断された駆動輪15に対応する強制突出手段21の回動モータ39を駆動させてカム部38を回動させることで、この空転していると判断された駆動輪15を本体ケース12の下面12aに対して突出する方向である下方へと強制的に移動させた最大突出位置で固定する(ステップ3)。すなわち、強制突出手段21では、カム部38は回動モータ39により接触部38cが下方へと回動されることにより、ギヤボックス27の押圧片部33と接触し、この押圧片部33を下方へと強制的に押し込む。このため、ギヤボックス27とともに駆動輪15が、回動中心Cを中心として下方へと回動する。そして、この接触部38cが回動軸38aの直下となった位置でカム部38を停止させて固定することで、カム部38がギヤボックス27の押圧片部33を下方へと押圧した状態を維持する。この結果、ギヤボックス27とともに本体ケース12の下面12aから下方へと最大に突出した位置で駆動輪15が固定される(図1(a)および図1(b))。
次いで、このように駆動輪15を最大突出位置で固定した状態で、この駆動輪15がなおも空転しているか否かを、検出したモータ16の電流値に基づいて制御手段22が判断する(ステップ4)。
そして、この駆動輪15がなおも空転していると判断した場合には、この駆動輪15が床面Fに対して浮いた状態など、スタック状態から脱出できない状態にあるものと判断し、各駆動輪15および電動送風機13などを停止させて自律走行あるいは掃除を終了する(ステップ5)。
一方、ステップ4において、この駆動輪15が空転していないと判断した場合には、制御手段22は、掃除機本体25が所定距離移動したかどうかを判断する(ステップ6)。このステップ6において、制御手段22は、測距センサなどに基づく掃除機本体25の位置の検出、あるいは、この駆動輪15を最大突出位置へと突出させたタイミングから検出した駆動輪15(モータ16)の回転数、あるいは時間などに基づいて、掃除機本体25の移動距離を判断できる。
そして、ステップ6において、掃除機本体25が所定距離移動していない(掃除機本体25の移動距離が所定距離未満である)と判断した場合には、例えば図1に示すような障害物W2への乗り上げ状態が解消しておらず、駆動輪15の固定を維持するべきと判断し、ステップ4に戻る。また、ステップ6において、所定距離移動したと判断した場合には、制御手段22は、例えば図1に示すような障害物W2への乗り上げ状態が解消し、駆動輪15の固定を解除してもよいものと判断し、この駆動輪15に対応する強制突出手段21の回動モータ39を駆動させてカム部38を回動させることで、カム部38の接触部38cの押圧片部33への接触を解消し、強制突出手段21による駆動輪15の固定を解除し(ステップ7)、ステップ1に戻る。すなわち、この固定の解除により、駆動輪15は、掃除機本体25の荷重と引っ張りばね19の付勢力とにより、一般的には通常の位置に復帰するが、仮に復帰しなかった場合には、再度ステップ1からの制御を行う。なお、これらの制御は、電気掃除機11の姿勢に応じて、いずれか一方の駆動輪15だけでなく、両方の駆動輪15に対してそれぞれ行ってもよい。すなわち、これらの制御は、駆動輪15毎に独立して行われるものとする。
以上説明した一実施形態によれば、引っ張りばね19によって本体ケース12の床面Fに対向する下部から下方に向けて突出する方向に付勢された駆動輪15が空転していることを制御手段22が検出すると、この駆動輪15を、強制突出手段21により、本体ケース12の下部に対して突出する方向に強制的にさらに移動させた位置で固定することで、駆動輪15を床面Fに対して強制的に押し付けて床面Fからの充分な反力を得てグリップ力を確保し、電気掃除機11の床面F上での長時間に亘る走行停止状態、すなわちスタックを抑制できる。
また、例えば電気掃除機11が障害物W2などに乗り上げることなどによって引っ張りばね19により付勢されている駆動輪15が本体ケース12の下部(下面12a)から突出すると、引っ張りばね19の付勢力が相対的に低下し、床面Fからの反力が低下する。そのため、特に本実施形態では、マイクロスイッチ20で検出した駆動輪15の突出量が所定以上である場合、すなわちマイクロスイッチ20がオンされた場合に制御手段22でこの駆動輪15の空転を検出したときに、強制突出手段21がこの駆動輪15を本体ケース12の下部に対して突出する方向に強制的にさらに移動させた位置で固定する。この結果、駆動輪15の突出による引っ張りばね19の付勢力の低下の際にも、強制突出手段21によって駆動輪15を確実に床面Fに押し付けてグリップ力を向上でき、駆動輪15の空転を防止(抑制)して、電気掃除機11のスタックを確実に抑制できる。
しかも、上記の制御は、複数の駆動輪15に対してそれぞれ別個に行うことができる。したがって、複数の駆動輪15を備えた電気掃除機11においても対応できるとともに、電気掃除機11が複雑な形状の障害物W2などに乗り上げた場合などでも、電気掃除機11のスタックをより確実に抑制できる。
さらに、強制突出手段21により駆動輪15を強制的にさらに移動させた位置で固定した状態でこの駆動輪15の空転を検出した場合には、例えば乗り上げた障害物W2の高さが比較的高いなど、駆動輪15を強制的に移動させて固定しても充分なグリップ力を得られない場合であると判断して、制御手段22がこの駆動輪15の駆動を停止することで、通常の自律走行状態への復帰の見込みが少ないスタック状態で長時間に亘って駆動輪15(モータ16)や強制突出手段21(回動モータ39)を駆動させ続けることを抑制でき、二次電池23の電力の浪費を抑制できる。
また、強制突出手段21によって駆動輪15をさらに突出させた位置で固定した状態では、例えば一方の駆動輪15のみを突出させた位置で固定している場合、本体ケース12が傾斜したままの状態となり、両方の駆動輪15を突出させた位置で固定している場合、本体ケース12の下面12aが床面Fに対して大きく離間されることとなる。このため、これらの状態のまま通常の床面F上を自律走行することは、充分な掃除効果を得ることができず好ましくない。そこで、強制突出手段21により駆動輪15を強制的にさらに移動させた位置で固定した状態で掃除機本体25が所定距離移動した場合には、例えば障害物W2に乗り上げるなどの一時的な引っ掛かり状態から、この障害物W2を通過して通常の自律走行状態へと復帰したものなどと判断し、強制突出手段21による駆動輪15の固定を解除する。すなわち、強制突出手段21により駆動輪15を本体ケース12の下部から強制的にさらに突出させた位置で固定させる状態を、障害物W2などへの一時的な引っ掛かり状態を解消するときのみに限定する。この結果、駆動輪15を強制的に固定したまま床面F上を移動することを抑制でき、引っ張りばね19によって駆動輪15を付勢して駆動輪15を床面Fに追従させながら床面Fと本体ケース12の下面12a(吸込口)との距離を適切に保ち、掃除効果を得ることができる。
なお、上記一実施形態において、付勢手段としては、引っ張りばね19に代えて、圧縮ばねにより駆動輪15を付勢してもよい。
また、マイクロスイッチ20は、そのオンオフの切り替わりによって、本体ケース12の下面12aからの駆動輪15の突出量を2値的に検出するものであるが、例えばこのマイクロスイッチ20に代えて、本体ケース12の下面12aからの駆動輪15の突出量を検出する突出量検出手段としての距離センサなどを設けて、駆動輪15の突出量をよりきめ細かく検出してもよい。
さらに、駆動輪15は、例えば1つでもよいし、3つ以上の複数でもよい。この場合、付勢手段、突出量検出手段、強制突出手段および空転検出手段などを、駆動輪15の数に対応させて設けることで、上記一実施形態と同様に対応できる。
そして、空転検出手段は、制御手段22とは別個に設けてもよい。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11 電気掃除機
12 本体ケース
15 駆動輪
19 付勢手段としての引っ張りばね
20 突出量検出手段としてのマイクロスイッチ
21 強制突出手段
22 空転検出手段の機能を有する制御手段
25 掃除機本体
F 被掃除面としての床面

Claims (6)

  1. 本体ケースを備えた掃除機本体と、
    この掃除機本体を被掃除面上で走行可能とする駆動輪と、
    この駆動輪の駆動を制御する制御手段と、
    前記駆動輪が空転しているか否かを検出する空転検出手段と、
    この空転検出手段で空転を検出すると、前記駆動輪を前記本体ケースの下部に対して突出する方向に強制的に移動させた位置で固定する強制突出手段と
    を具備したことを特徴とした電気掃除機。
  2. 駆動輪を本体ケースの被掃除面に対向する下部から下方に向けて突出する方向に付勢する付勢手段と、
    前記本体ケースの下部に対する前記駆動輪の突出量を検出する突出量検出手段とを具備し、
    強制突出手段は、前記突出量検出手段で検出した駆動輪の突出量が所定以上である場合に空転検出手段で空転を検出すると、前記駆動輪を前記本体ケースの下部に対してさらに突出する方向に強制的に移動させた位置で固定する
    ことを特徴とした請求項1記載の電気掃除機。
  3. 駆動輪は、複数設けられ、
    空転検出手段は、それぞれの駆動輪に対応して空転を検出し、
    強制突出手段は、前記空転検出手段により空転を検出した前記駆動輪を強制的に移動させた位置で固定する
    ことを特徴とした請求項1記載の電気掃除機。
  4. 駆動輪は、複数設けられ、
    突出量検出手段は、それぞれの駆動輪に対応して突出量を検出し、
    空転検出手段は、それぞれの駆動輪に対応して空転を検出し、
    強制突出手段は、前記突出量検出手段で検出した突出量が所定以上である前記駆動輪が空転していることを前記空転検出手段で検出したときに、この駆動輪を強制的にさらに移動させた位置で固定する
    ことを特徴とした請求項2記載の電気掃除機。
  5. 制御手段は、強制突出手段により駆動輪を強制的に移動させた位置で固定した状態でこの駆動輪の空転を空転検出手段により検出した場合には、駆動輪の駆動を停止させる
    ことを特徴とした請求項1ないし4いずれか一記載の電気掃除機。
  6. 制御手段は、強制突出手段により駆動輪を強制的に移動させた位置で固定した状態で掃除機本体が所定距離移動した場合には、前記強制突出手段による前記駆動輪の固定を解除する
    ことを特徴とした請求項1ないし5いずれか一記載の電気掃除機。
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