JP3724637B2 - 掃除装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自立移動する自立移動装置備えた掃除装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自立移動装置である掃除装置は、掃除機本体を備えており、この掃除機本体には、この掃除機本体を移動させる移動手段としての走行輪が取り付けられている。また、この掃除機本体は、この掃除機本体の旋回性を良好にするために、外周全体が円弧状などの非平坦形状となっている。
【0003】
さらに、この掃除機本体の進行方向に対する前方や側方、後方などには、障害物への接触で可動してこの障害物を検知する可動式の検知手段としてのセンサが取り付けられている。このセンサは、障害物との接触に対する最終的な掃除機本体の保護のために可動式の接触型センサである。
【0004】
また、掃除機本体には、センサにて障害物を検知しながら走行輪の駆動を制御して掃除機本体を自立走行させる制御手段としての制御回路が取り付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の掃除装置では、掃除機本体の進行方向に対する前方や側方、後方などにセンサを取り付けているにすぎず、特に、平面視略円形状や半円形状に形成された非平面状部を有する掃除機本体が障害物に接触した際に、この掃除機本体におけるいずれの方向に障害物が接触したのかをセンサにて正確に検知することが容易ではない。
【0006】
このため、センサにて障害物への接触を検知しながら走行輪の駆動を制御回路にて正確に制御することが容易でなく、掃除機本体を円滑に自立走行させることが容易ではないという問題を有している。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、より円滑に自立移動できる自立移動装置備えた掃除装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
求項1記載の掃除装置は、外周に非平面状部を有する本体と、この本体に設けられこの本体を被掃除面上で移動させる移動手段と、前記非平面状部に水平方向に並設された複数の可動部を有し、これら可動部の可動により障害物との接触を検知する検知手段と、この検知手段の検知に基づいて前記移動手段を制御することにより前記本体を自立移動させる制御手段とを備えた自立移動装置と、この自立移動装置の前記本体から外周に進退可能に取り付けられ、被掃除面を掃除する隅掃除機構とを具備し、前記非平面状部は、前記移動手段による前記本体の移動方向側に設けられ、前記制御手段は、複数の前記可動部が可動したことを前記検知手段が検知した場合、前記隅掃除機構を前記本体から進出させて、この隅掃除機構にて被掃除面を掃除させるものである。
【0009】
そして、制御手段にて移動手段を制御して本体を床面上で自立移動させた状態で、複数の可動部のいずれかが障害物に接触すると、この障害物に接触した可動部が可動して、この可動部の可動により検知手段がこの可動部と障害物との接触を検知する。このため、本体の外周の移動手段による移動方向側に設けた非平面状部に複数の可動部を水平方向に並設したことにより、本体の移動時のこれら複数の可動部のいずれかの可動による検知手段での障害物への接触の検知で、本体のいずれの方向に障害物が接触したのかをより正確に検知できるから、制御手段にて本体をより円滑に自立移動させることが可能となる。また、複数の可動部が可動したことを検知手段が検知した場合には隅への接触と検知して、自立移動装置の制御手段が本体から隅掃除機構を進出させてこの隅掃除機構で被掃除面を掃除させるので、隅の近傍の被掃除面などをも隅掃除機構にて掃除することが可能となり、被掃除面全域をより的確に掃除する。
【0010】
請求項記載の掃除装置は、外周に非平面状部を有する本体と、この本体に設けられこの本体を被掃除面上で移動させる移動手段と、前記非平面状部に水平方向に並設された複数の可動部を有し、これら可動部の可動により障害物との接触を検知する検知手段と、この検知手段の検知に基づいて前記移動手段を制御することにより前記本体を自立移動させる制御手段とを備えた自立移動装置と、この自立移動装置の前記本体に被掃除面に対向して設けられた吸込口と、この吸込口から塵埃を吸い込む吸込手段とを具備し、前記制御手段は、複数の前記可動部が可動したことを前記検知手段が検知した場合、前記吸込口からの吸込力を強くするものである。
【0011】
そして、制御手段にて移動手段を制御して本体を被掃除面上で自立移動させた状態で、複数の可動部のいずれかが障害物に接触すると、この障害物に接触した可動部が可動して、この可動部の可動により検知手段がこの可動部と障害物との接触を検知する。このため、本体の外周の非平面状部に複数の可動部を水平方向に並設したことにより、これら複数の可動部のいずれかの可動による検知手段での障害物への接触の検知で、本体のいずれの方向に障害物が接触したのかをより正確に検知できるから、制御手段にて本体をより円滑に自立移動させることが可能となる。また、複数の可動部が可動したことを検知手段が検知した場合に自立移動装置の検知手段が、吸込口からの吸込力を強くすることにより、比較的汚れやすい障害物の近傍の被掃除面をより的確に掃除し、被掃除面全域をより的確に掃除する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の掃除装置の第1の実施の形態の構成を図1ないし図3を参照して説明する。
【0013】
図1ないし図3において、1は自立移動装置である自立走行装置、すなわち自走装置としての掃除装置で、この掃除装置1は、工場内や住居内などの被掃除面としての床面上を自立走行可能な掃除機本体2を有している。この掃除機本体2は、略円形平板状の底板部3の外周縁に、上端が閉塞された円筒状のケース体4の下端縁を嵌合させて構成されている。
【0014】
このケース体4の前側の外周面には、平坦ではない円弧状の非平面状部10が形成されている。ここで、この非平面状部10は、円弧状のみでなく、十数角形等の多角形や、正二十四面体等の多面体の側面などといった略円弧状の部分でもよい。
【0015】
また、底板部3における掃除機本体2の走行方向に対する両側域には、この掃除機本体2を被掃除面としての床面上で走行、すなわち移動させる移動手段としての走行輪5が回転自在に取り付けられている。これら走行輪5は、底板部3における掃除機本体2の走行方向に対する両側域に開口された細長略矩形状の嵌込孔6に嵌め込まれて、これら走行輪5における一部の外周縁が掃除機本体2の内部からこの掃除機本体2の下側へと突出している。
【0016】
さらに、これら走行輪5それぞれの内側である底板部3上には、これら走行輪5の回転駆動を制御する車輪駆動制御手段7がそれぞれ取り付けられている。この車輪駆動制御手段7は、磁気クラッチや電動機などにて構成されている。また、底板部3の裏面における掃除機本体2の走行方向に対する後側には、この底板部3の面方向に沿って旋回する旋回輪8が回転自在に取り付けられている。この旋回輪8は、図2に示すように、走行輪5間における中間の後方に取り付けられている。
【0017】
また、掃除機本体2の底板部3の前側には、上方に向けて傾斜した傾斜面9が形成されている。この傾斜面9は、掃除機本体2によるドアレールなどの段差を乗り越えやすくさせる。
【0018】
一方、掃除機本体2の内部である底板部3の中心部には、床面に対向して開口した細長矩形状の本体吸込口11が設けられている。この本体吸込口11は走行輪5の間であるとともに、掃除機本体2の走行方向に直角に交わる方向である掃除機本体2の径方向に沿った長手方向を有している。そして、この本体吸込口11の内側は、掃除機本体2のケース体4の後方から着脱可能に取り付けられた集塵部としての集塵ケース12に気密に連通して接続されている。この集塵ケース12は、吸気した吸気風に漂う塵埃を集塵する。
【0019】
また、この集塵ケース12は、掃除機本体2の底板部3上の後側に収容されており、略有底円筒状のカップ部13を備えている。このカップ部13の外周面には、本体吸込口11に気密に連通される連結口14が開口されている。また、このカップ部13の外側面には、このカップ部13を掃除機本体2から取り外しまたは取り付ける際の把持部となるハンドル部15が取り付けられている。このハンドル部15は、集塵ケース12を掃除機本体2に取り付けた際に、この掃除機本体2の外側面から突出する。
【0020】
さらに、この集塵ケース12の上側である掃除機本体2内には、本体吸込口11から塵埃とともに吸気風を吸い込む吸込手段としての電動送風機16が取り付けられている。この電動送風機16は、集塵ケース12のカップ部13の上端面に気密に接続されている。
【0021】
そして、図1および図2に示すように、掃除機本体2のケース体4の外周面における前面半分である非平面状部10の外周面には、この掃除機本体2が家具などの障害物に接触した際に、この障害物への接触で掃除機本体2の中心方向へと可動する可動部としての接触検知片21が複数、例えば5つ設けられている。これら接触検知片21は、矩形平板状の板体の幅方向を凹弧状に湾曲させた円弧面状に形成されており、長手方向を鉛直方向に向けた状態でケース体4の前側を縦方向に周方向に沿って5分割した状態に配設されている。
【0022】
さらに、これら接触検知片21それぞれは、走行輪5による掃除機本体2の移動方向の前方側に対向して平行方向に並設、すなわち掃除機本体2の非平面状部10の周方向に沿って並設されている。この結果、これら接触検知片21により、ケース体4の前側は、周方向に沿った略円弧面状に形成されている。また、これら接触検知片21は、掃除機本体2のケース体4の上部から下部に亘って設けられている。このため、掃除機本体2の前側に位置する側面は、この掃除機本体2における縦方向、すなわち鉛直方向に向けて水平方向に沿って複数に分割された形状に形成されている。
【0023】
そして、これら接触検知片21それぞれの上部は、掃除機本体2のケース体4に回動可能に軸支されている。さらに、これら接触検知片21それぞれの下部と掃除機本体2のケース体4との間には、この接触検知片21の可動にてオンされる検知手段としての接触型センサ22がそれぞれ取り付けられている。これら接触型センサ22は、接触検知片21による障害物への接触であるこの接触検知片21との接触を検知して、この障害物への接触検知片21の接触を検知させる。
【0024】
また、これら各接触検知片21の外周面それぞれには、これら接触検知片21が障害物に接触した際に、この障害物の破損や損傷を防止する弾性体としての衝撃吸収部であるバンパ23が、これら各接触検知片21の外周面から突出されて取り付けられている。これらバンパ23は、弾性を有する柔らかい合成ゴムなどの弾性部材にて成形されている。また、これらバンパ23それぞれは、細長棒状に形成されており、これらバンパ23それぞれの長手方向が鉛直方向に沿った状態で、各接触検知片21の外側面の下側に複数、例えば3本取り付けられている。
【0025】
さらに、これら各接触検知片21の下側である掃除機本体2のケース体4の前側の外側面には、掃除機本体2の周囲の状態を検知する検知手段としての接触制御部である非接触型センサ24が複数、例えば9個取り付けられている。これら各非接触型センサ24は、設計時に予め設定された掃除機本体2にて乗り越え可能な高さ以上の高さの段差などの障害物を検知する。
【0026】
そして、これら非接触型センサ24は、ケース体4の径方向に向けて、このケース体4の前側中央から周方向に沿った間隔を介して配設されている。また、これら非接触型センサ24それぞれは、赤外線を発光させて所定距離に存在する障害物を検知する赤外線センサや、撮影される画像にて障害物を検知する画像センサなどである。
【0027】
また、ケース体4の前側中央に位置する非接触型センサ24の下側には、この非接触型センサ24とにより掃除機本体2にて乗り越えられる段差、すなわち設計時に予め設定されたこの掃除機本体2にて乗り越え可能な高さより低い段差を検知する非接触型の段差検知センサ25が取り付けられている。この段差検知センサ25は、この段差検知センサ25にて障害物を検知するとともに、ケース体4の前側中央に位置する非接触型センサ24にて障害物を検知した際には、掃除機本体2にて乗り越え不可能な高さの段差であると検知する。また、この段差検知センサ25は、この段差検知センサ25にて障害物を検知するとともに、ケース体4中央の非接触型センサ24にて障害物を検知しない際には、掃除機本体2にて乗り越え可能な高さの段差であると検知する。
【0028】
一方、図3に示すように、集塵ケース12より前側である掃除機本体2内には、接触型センサ22、非接触型センサ24および段差検知センサ25それぞれによる接触物への接触の検知に基づいて、車輪駆動制御手段7を介して走行輪5の回転駆動を制御することにより、掃除機本体2を自立走行させる制御手段としての制御回路26が取り付けられている。この制御回路26は、本体吸込口11より後側の底板部3上に取り付けられている。さらに、この制御回路26は、電動送風機16に接続されて、この電動送風機16の駆動状態を制御する。
【0029】
ここで、この制御回路26は、複数の接触検知片21が可動したことを接触型センサ22が検知した場合や、非接触型センサ24が障害物への接触を検知した場合に、車輪駆動制御手段7を介して走行輪5の回転駆動を停止させるとともに、電動送風機16への供給電力を高くして、この電動送風機16による本体吸込口11からの吸込力を強くする。
【0030】
また、集塵ケース12の下側である掃除機本体2内には、制御回路26に電力を供給して、この制御回路26による制御に従って電動送風機16、走行輪5の回転を駆動させる電源部としての蓄電池である電池体、すなわち電池パック27が着脱可能に取り付けられている。この電池パック27は、充電式であり、掃除機本体2の底板部3の底面側から着脱可能に嵌挿されている。また、この電池パック27は、複数、例えば10本の略円柱状の図示しない二次電池を直列に接続させて構成された組み電池である。
【0031】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
【0032】
まず、掃除機本体2が工場内や住居内などを走行するための走行経路や掃除する領域の間取り、家具の配置、走行する時刻や走行する時間間隔などの自立走行条件や電動送風機16による掃除条件などのデータを制御回路26に入力しておく。
【0033】
そして、予め設定した時刻となると、掃除機本体2の制御回路26に予め設定した自立走行条件や掃除条件などのデータに基づいて、走行輪5および電動送風機16が適宜駆動される。
【0034】
ここで、走行輪5は、制御回路26による車輪駆動制御手段7を介した制御により回転駆動されて、掃除機本体2を床面の略全域において走行させる。
【0035】
このとき、制御回路26は、電動送風機16に供給する電力を制御して、本体吸込口11から吸気風とともに床面上の塵埃を吸い込む。
【0036】
また、走行および吸塵にて電池パック27の電荷の残量が少なくなると、制御回路26により車輪駆動制御手段7を介して走行輪5の回転駆動を適宜制御して図示しない充電器まで走行させ、この充電器にて充電する。
【0037】
さらに、全領域を走行して掃除が終了した場合には、制御回路26により電動送風機16の駆動を停止させるとともに、車輪駆動制御手段7を介して走行輪5を適宜制御して充電器まで走行させて充電する。
【0038】
ここで、掃除中に、掃除機本体2の複数の接触検知片21が障害物に接触して接触型センサ22にて障害物の接触を検知した場合には、制御回路26が車輪駆動制御手段7を介して走行輪5の回転駆動を停止させるとともに、電動送風機16への電力の供給量を大きくして本体吸込口11からの電動送風機16による吸込力を大きくする。
【0039】
さらに、掃除機本体2の非接触型センサ24にて所定距離に位置する障害物の存在を検知した場合には、制御回路26が車輪駆動制御手段7を介して走行輪5の回転駆動を制御して、この障害物への接触を回避させるとともに、電動送風機16への電力の供給量を大きくして本体吸込口11からの電動送風機16による吸込力を大きくする。
【0040】
一方、段差検知センサ25にて障害物を検知するとともに、非接触型センサ24にて障害物を検知した際には、掃除機本体2にて乗り越え不可能な高さの段差であると制御回路26が検知し、この制御回路26が車輪駆動制御手段7を介して走行輪5の回転駆動を制御して、この段差への接触を回避させる。
【0041】
さらに、段差検知センサ25にて障害物を検知するとともに、非接触型センサ24にて障害物を検知しない際には、掃除機本体2にて乗り越え可能な高さの段差であると制御回路26が検知し、この制御回路26が車輪駆動制御手段7を介して走行輪5の回転駆動を制御して、この段差を乗り越えさせる。
【0042】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、いずれかの接触検知片21が障害物に接触することにより、この接触検知片21が可動して接触型センサ22がこの接触検知片21による障害物への接触を検知し、この接触型センサ22による障害物の検知にて制御回路26が車輪駆動制御手段7を介して走行輪5を制御して、障害物を回避させる。
【0043】
ここで、掃除機本体2のケース体4の非平面状部10に、この非平面状部10を閉塞する複数の接触検知片21を周方向に亘って並べて取り付けたので、これら複数の接触検知片21のいずれかの可動による接触型センサ22での障害物への接触の検知で、掃除機本体2におけるいずれの方向が障害物に接触したのかが検知できる。
【0044】
よって、ケース体4の非平面状部10に一つの接触検知片21を取り付けて、この接触検知片21で掃除機本体2に対する障害物の接触を検知する場合に比べ、掃除機本体2のどこが障害物に接触したのかを接触検知片21の数に応じて検知できるから、障害物への掃除機本体2の接触をより正確に検知できるため、制御回路26にて掃除機本体2をより円滑かつ的確に自立走行できる。
【0045】
また、掃除機本体2の非平面状部10に非接触型センサ24および接触型センサ22それぞれを取り付けたことにより、障害物への接触を回避できるが、所定距離の障害物しか検知できない赤外線センサなどの非接触型センサ24では検知できない突然表れた人や物などの障害物への接触を接触型センサ22で検知できる。
【0046】
さらに、この接触型センサ22は、発光させた赤外線を障害物に反射させることにより障害物の存在を検知する構成である非接触型センサ24よりも、障害物への接触をより短時間、すなわち少ないタイムラグで検知できるから、障害物に接触した掃除機本体2を制御回路26にてより迅速に制御できる。この結果、これら非接触型センサ24および接触型センサ22を併用することにより、制御回路26にて掃除機本体2をより円滑に自立走行できる。
【0047】
そして、障害物への接触を感知するセンサをスイッチなどの接触型センサ22にしたことにより、構成が簡略になるから、これら接触型センサ22すべてを非接触型センサ24にした場合に比べ、製造コストが削減できるので、掃除装置1の製造性を向上できる。
【0048】
また、掃除機本体2のケース体4の上部から下部に亘った大きさの接触検知片21としたことにより、掃除機本体2のケース体4の上部のみが接触する障害物や、このケース体4の下部のみが接触する障害物のいずれをも接触検知片21の可動に基づいて接触型センサ22にて検知できる。このため、掃除機本体2への障害物の接触がより広範囲に亘って検知できるので、制御回路26による掃除機本体2の自立走行制御をより円滑かつ的確にできる。
【0049】
そして、各接触検知片21の外側面に弾性を有するバンパ23をそれぞれ取り付けたことにより、これら接触検知片21が障害物に接触した際に、この障害物への接触検知片21による衝撃をバンパ23にて吸収できるから、これら接触検知片21が障害物に接触した際におけるこの障害物の破損や損傷を防止できる。
【0050】
また、複数の接触検知片21が可動したことを接触型センサ22が検知した場合や、非接触型センサ24にて障害物を検知した場合に、車輪駆動制御手段7を介して走行輪5の回転駆動を停止させるとともに、制御回路26が電動送風機16への供給電力を高くして、本体吸込口11からの電動送風機16による吸込力を強くするので、一般的に塵埃が溜まりやすい障害物の近傍の床面をより的確かつ綺麗に掃除できるから、壁際や隅などの床面をより的確かつ綺麗に掃除できる。
【0051】
さらに、掃除機本体2のケース体4の前側半分に亘って複数の接触検知片21を取り付けたので、このケース体4の走行方向に対する両側に位置する接触検知片21それぞれが同時に可動して、これら接触検知片21の可動を接触型センサ22にて制御回路26で検知することにより、この掃除機本体2が通過できない隙間に接触したことをこの制御回路26で検知できる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施の形態の構成を図4および図5を参照して説明する。
【0053】
この図4および図5に示す掃除装置1は、基本的には図1ないし図3に示す掃除装置1の構成と同様であるが、被掃除面としての床面を掃除する掃除手段としての隅掃除機構であるブラシ体31が掃除機本体2から外周に進退可能に取り付けられている。
【0054】
そして、このブラシ体31は、細長板状のブラシ台32の先端に回転自在に取り付けられており、このブラシ台32の基端は、掃除機本体2の底板部3の前側側方に切欠形成された凹状の切欠凹部33に回動可能に取り付けられている。この結果、ブラシ台32の基端を回動中心として回動することにより、ブラシ体31が掃除機本体2の前側側方に進退可能に突出される。
【0055】
また、このブラシ台32の回動駆動は、制御回路26にて制御されており、この制御回路26は、複数の接触検知片21が可動したことを複数の接触型センサ22が検知して障害物への接触を検知した場合に、この障害物への接触を隅への接触と検知して、ブラシ台32を回動させてブラシ体31を掃除機本体2から前側側方に進出させて突出させ、このブラシ体31にて隅の近傍の床面を掃除させる。
【0056】
一方、掃除機本体2の底板部3の本体吸込口11内には、この本体吸込口11の長手方向に沿った軸方向を有する回転清掃体としての回転ブラシ34が回転可能に取り付けられている。この回転ブラシ34の回転駆動は、制御回路26により制御されている。また、この回転ブラシ34は、床面が絨毯の場合などの場合に、制御回路26による制御で回転して、この絨毯に入り込んだ塵埃を掻き出して、この塵埃を本体吸込口11に吸い込ませる掃除補助機構である。
【0057】
この結果、図4および図5に示す掃除装置1は、接触検知片21の可動により接触型センサ22で障害物の接触を検知するので、図1ないし図3に示す掃除装置1と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
さらに、複数の接触検知片21が可動したことを接触型センサ22が検知した場合には、この接触型センサ22による検知を制御回路26が隅への接触と検知して、この制御回路26がブラシ体31を掃除機本体2から前側側方に突出させて、この障害物の近傍の床面を掃除するので、隅に近い床面をもより的確かつ綺麗に掃除できるとともに、障害物と掃除機本体2との隙間に位置する床面や、障害物と本体吸込口11との間に位置する床面もブラシ体31で掃除できるから、床面全域をより的確かつ綺麗に掃除できる。
【0059】
なお、上記第2の実施の形態では、複数の接触型センサ22にて障害物の接触を検知した場合にのみ、制御回路26が隅への接触と検知してブラシ体31を突出させたが、いずれか1つの接触型センサ22のみで障害物の接触を検知した場合でも、制御回路26でブラシ体31を突出させても良い。
【0060】
また、上記各実施の形態では、掃除機本体2を平面視円形状に形成したが、この掃除機本体2を平面視多角形状にしても同様の作用効果を奏することができる。
【0061】
さらに、各接触検知片21の外側面それぞれに取り付けたバンパ23は、接触した障害物が損傷や破損などしなければ、これら各接触検知片21の外側面にどのような形状のものをどのような領域にいくつ取り付けても良い。
【0062】
【発明の効果】
求項記載の掃除装置によれば、自立移動装置が、本体の外周の移動手段による移動方向側に設けた非平面状部に複数の可動部を水平方向に並設したことにより、本体の移動時のこれら複数の可動部のいずれかの可動による検知手段での障害物への接触の検知で、本体のいずれの方向に障害物が接触したのかをより正確に検知できるから、制御手段にて本体の自立移動をより円滑にでき、複数の可動部が可動したことを検知手段が検知した場合には隅への接触と検知して、自立移動装置の制御手段が本体から隅掃除機構を進出させてこの隅掃除機構で被掃除面を掃除させるので、隅の近傍の被掃除面などをも隅掃除機構にて掃除できるから、被掃除面全域をより的確に掃除できる。
【0063】
請求項記載の掃除装置によれば、自立移動装置が、本体の外周の非平面状部に複数の可動部を水平方向に並設したことにより、これら複数の可動部のいずれかの可動による検知手段での障害物への接触の検知で、本体のいずれの方向に障害物が接触したのかをより正確に検知できるから、制御手段にて本体の自立移動をより円滑にでき、複数の可動部が可動したことを検知手段が検知した場合に自立移動装置の検知手段が吸込口からの吸込力を強くするので、比較的汚れやすい障害物の近傍の被掃除面をより的確に掃除でき、被掃除面全域をより的確に掃除できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の掃除装置の第1の実施の形態を示す正面図である。
【図2】 同上掃除装置を示す側面図である。
【図3】 同上掃除装置を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態の一部を示す説明図である。
【図5】 同上掃除装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 自立移動装置としての掃除装置
2 掃除機本体
5 移動手段としての走行輪
10 非平面状部
11 本体吸込口
16 吸込手段としての電動送風機
21 可動部としての接触検知片
22 検知手段としての接触型センサ
23 弾性体としてのバンパ
26 制御手段としての制御回路
31 隅掃除機構としてのブラシ体

Claims (2)

  1. 外周に非平面状部を有する本体と、この本体に設けられこの本体を被掃除面上で移動させる移動手段と、前記非平面状部に水平方向に並設された複数の可動部を有し、これら可動部の可動により障害物との接触を検知する検知手段と、この検知手段の検知に基づいて前記移動手段を制御することにより前記本体を自立移動させる制御手段とを備えた自立移動装置と、
    この自立移動装置の前記本体から外周に進退可能に取り付けられ、被掃除面を掃除する隅掃除機構とを具備し、
    前記非平面状部は、前記移動手段による前記本体の移動方向側に設けられ、
    前記制御手段は、複数の前記可動部が可動したことを前記検知手段が検知した場合、前記隅掃除機構を前記本体から進出させて、この隅掃除機構にて被掃除面を掃除させる
    ことを特徴とした掃除装置。
  2. 外周に非平面状部を有する本体と、この本体に設けられこの本体を被掃除面上で移動させる移動手段と、前記非平面状部に水平方向に並設された複数の可動部を有し、これら可動部の可動により障害物との接触を検知する検知手段と、この検知手段の検知に基づいて前記移動手段を制御することにより前記本体を自立移動させる制御手段とを備えた自立移動装置と、
    この自立移動装置の前記本体に被掃除面に対向して設けられた吸込口と、
    この吸込口から塵埃を吸い込む吸込手段とを具備し、
    前記制御手段は、複数の前記可動部が可動したことを前記検知手段が検知した場合、前記吸込口からの吸込力を強くする
    ことを特徴とした掃除装置。
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