JP3724638B2 - 自立移動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、障害物を検知しながら自立移動する自立移動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自立移動装置である掃除装置としては、図7および図8に示す構成が知られており、この図7および図8に示す自走装置1は、軸方向を鉛直方向に有する略円柱状の本体2を備えている。この本体2の底面部の両側域には、この本体2を移動可能、すなわち走行可能にする移動手段としての対をなす走行輪3が回転可能に取り付けられている。さらに、これら走行輪3よりこれら走行輪3による走行方向に対して後側である本体2の底面部には、水平方向に向けて旋回可能な旋回輪4が回転可能に取り付けられている。
【0003】
また、本体2の外周面における前側下方には、所定距離離れた障害物Hを検知する非接触型センサとしての赤外線センサ5が複数、たとえば5個取り付けられている。これら赤外線センサ5は、本体2の外周面の水平方向に沿った周方向に向けて間隙を介して配設されている。また、これら赤外線センサ5それぞれは、本体2の外周面における径方向に向けて取り付けられている。
【0004】
さらに、本体2内には、各赤外線センサ5にて障害物への衝突を検知しながら走行輪3の回転駆動を制御して障害物への衝突を回避して本体2を自立移動させる制御手段としての図示しない制御回路が配設されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7および図8に示す自走装置1では、本体2の下部外周面に各赤外線センサ5が設けられているのみであるため、本体2を移動させるための障害物Hの検知としては充分なものではない。例えば、図8に示すように、この本体2の上部位置のみに対応する障害物Hをこれら赤外線センサ5では検知できないという問題がある。
【0006】
また、赤外線センサ5等の所定距離離れた障害物を検知する非接触型のセンサでは、移動してきた人や物など本体2の前方に突然出現する障害物Hを瞬時に検知することが困難であることから、本体2と障害物Hとが衝突した状態でも走行輪3が駆動され続けるなど適切な制御が行われないという問題もある。
【0007】
さらに、室内の敷居などの障害物が低くて走行輪3の駆動により本体2が乗り越え可能な場合であっても、障害物としか検知できずに走行輪3の駆動を停止してしまい、走行輪3の適切な制御ができないという問題もある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、移動手段によって乗り越え可能な障害物か否かを検知して適切な移動手段の制御が可能な自立移動装置を提供することを第1の目的とし、突然出現する障害物を瞬時に検知して適切な移動手段の制御が可能な自立移動装置を提供することを第2の目的とる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
記第の目的を達成するために、請求項1記載の自立移動装置は、本体と、この本体に設けられ前記本体を床面上で移動させる移動手段と、前記本体に設けられ前記移動手段によって前記本体が乗り越え可能な高さより低い位置の障害物を検知する第1の検知手段と、前記本体に設けられ前記移動手段によって前記本体が乗り越え可能な高さより高い位置の障害物を検知する第2の検知手段と、前記第1の検知手段にて障害物を検知し前記第2の検知手段にて障害物が検知されない状態では前記移動手段を制御することにより前記本体に障害物を乗り越えさせる制御手段とを具備しているものである。
【0010】
そして、本体に設けた第2の検知手段により、移動手段によってこの本体が乗り越え可能な高さより高い位置の障害物が検知されず、かつ本体に設けた第1の検知手段により、移動手段によってこの本体が乗り越え可能な高さより低い位置の障害物を検知した状態では、制御手段が移動手段を制御して本体に障害物を乗り越えさせる。このため、これら第1の検知手段および第2の検知手段により、移動手段によって乗り越え可能な障害物か否かを検知できるから、制御手段にて適切な移動手段の制御が可能となる。
【0011】
第1の目的に加えて第2の目的を達成するために、請求項2記載の自立移動装置は、請求項1記載の自立移動装置において、第1の検知手段および第2の検知手段のいずれか一方は、接触にて障害物を検知する接触型センサであり、前記第1の検知手段および第2の検知手段のいずれか他方は、所定距離離れた障害物の存在を検知する非接触型センサであるものである。
【0012】
そして、第1の検知手段および第2の検知手段のいずれか一方を、接触にて障害物を検知する接触型センサとし、第1の検知手段および第2の検知手段のいずれか他方を、所定距離離れた障害物の存在を検知する非接触型センサとすることにより、非接触型センサでは検知できない突然出現する障害物を接触型センサで瞬時に検知できるから、制御手段による適切な移動手段の制御が可能となる。
【0013】
さらに、請求項3記載の自立移動装置は、請求項2記載の自立移動装置において、接触型センサは、非接触型センサよりも本体から外側に突出して設けられているものである。
【0014】
そして、非接触型センサよりも本体から外側に突出させて接触型センサを設ければ、非接触型センサが障害物に衝突する前に接触型センサがこの障害物に衝突するので、この非接触型センサへの障害物の衝突が防止されて、この非接触型センサが保護される
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の掃除装置の前提技術の構成を図1および図2を参照して説明する。
【0016】
図1および図2において、11は自立移動装置としての自走装置である掃除装置で、この掃除装置11は、工場内や住居内などの被掃除面としての床面上を自立走行可能な掃除機本体12を有している。この掃除機本体12は、略円形平板状の底板部13の外周縁に、上端が閉塞された円筒状のケース体14の下端縁を嵌合させて構成されている。この結果、この掃除機本体12は、鉛直方向に軸方向を有する円柱状に形成されている。
【0017】
また、底板部13における掃除機本体12の走行方向に対する両側域には、この掃除機本体12を被掃除面としての床面上で移動、すなわち走行させる移動手段としての走行輪15が回転自在に取り付けられている。これら走行輪15は、底板部13における掃除機本体12の走行方向に対する両側域に開口された細長略矩形状の嵌込孔16に嵌め込まれて、これら走行輪15における一部の外周縁が掃除機本体12内からこの掃除機本体12の下側へと突出している。
【0018】
さらに、これら走行輪15それぞれの内側である底板部13上には、これら走行輪15の回転駆動を制御する図示しない車輪駆動制御手段がそれぞれ取り付けられている。この車輪駆動制御手段は、磁気クラッチや電動機などにて構成されている。また、底板部13の裏面における掃除機本体12の走行方向に対する後側には、この底板部13の面方向、すなわち水平方向に沿って旋回する旋回輪17が回転自在に取り付けられている。この旋回輪17は、走行輪15間における中間域の後方に取り付けられている。
【0019】
一方、掃除機本体12内である底板部13の中心部には、床面に対向して開口された細長矩形状の本体吸込口21が開口されている。この本体吸込口21は走行輪15の間であるとともに、掃除機本体12の走行方向に直角に交わる方向であるこの掃除機本体12の径方向に沿った長手方向を有している。そして、この本体吸込口21の内側は、掃除機本体12のケース体14の後方から着脱可能に取り付けられた集塵部としての集塵ケース22に連結管19により気密に連通して接続されている。この集塵ケース22は、吸気した吸気風に漂う塵埃を集塵する。
【0020】
さらに、この集塵ケース22の上側である掃除機本体12内には、本体吸込口21から塵埃とともに吸気風を吸い込ませる吸塵手段としての電動送風機23が取り付けられている。この電動送風機23は、集塵ケース22の上端に気密に接続されている。
【0021】
そして、図1および図2に示すように、掃除機本体12のケース体14の外周面における前側の上方には、この掃除機本体12の上部に対応する障害物、すなわちこの掃除機本体12の上部が衝突する高さ位置の障害物を検知する第1の検知手段としての上側バンパ24が配設されている。また、ケース体14の外周面における前側の下方には、上側バンパ24よりも低い位置の障害物である、走行輪15によって掃除機本体12が乗り越え可能な高さより高い位置の障害物を検知する第2の検知手段としての接触型センサである下側バンパ25が配設されている。これら上側バンパ24および下側バンパ25は、ケース体14における高さ方向、すなわち上下方向に向けて並べられている。
【0022】
ここで、上側バンパ24の上部は、設計時に掃除機本体12の上部より高い位置に予め設定されている。また、この下側バンパ25の下端は、掃除装置11の性能上、一般的に乗り越えることができないと設計時に思われる高さより高い位置に予め設定されて取り付けられている。
【0023】
さらに、これら上側バンパ24および下側バンパ25は、障害物に衝突した際に、この障害物への衝突で掃除機本体12の中心方向へと可動する。また、これら上側バンパ24および下側バンパ25は、矩形平板状の板体の幅方向を凹弧状に湾曲させた円弧面状に形成されており、長手方向を鉛直方向に向けた状態でケース体14の前側の上側半分および下側半分それぞれを覆っている。さらに、これら上側バンパ24および下側バンパ25は、これら上側バンパ24および下側バンパ25それぞれをケース体14の前面に取り付けた状態で、このケース体14の上端から下端に亘ってこのケース体14を覆う。
【0024】
また、上側バンパ24の裏面とケース体14との間には、この上側バンパ24の可動にてオンする第1の検知手段としての接触型センサである上側スイッチ26aが取り付けられている。さらに、下側バンパ25の裏面とケース体14との間には、この下側バンパ25の可動にてオンする第2の検知手段としての接触型センサである下側スイッチ26bが取り付けられている。
【0025】
ここで、上側バンパ24と上側スイッチ26aとにより上側接触型圧力センサ29が構成されるとともに、下側バンパ25と下側スイッチ26bとにより下側接触型圧力センサ30が構成される。
【0026】
そして、これら上側スイッチ26aおよび下側スイッチ26bは、上側バンパ24および下側バンパ25への接触にて障害物を検知する。また、これら上側スイッチ26aおよび下側スイッチ26bは、上側バンパ24および下側バンパ25による障害物への衝突を、これら上側バンパ24および下側バンパ25との接触から検知する。
【0027】
一方、図2に示すように、集塵ケース22より前側である掃除機本体12内には、上側接触型圧力センサ29および下側接触型圧力センサ30の検知に応じて、車輪駆動制御手段を介して走行輪15の回転駆動を制御することにより、掃除機本体12を自立走行させる制御手段としての制御回路27が取り付けられている。この制御回路27は、本体吸込口21より後側の底板部13上に取り付けられている。さらに、この制御回路27は、電動送風機23に接続されて、この電動送風機23の駆動状態を制御する。
【0028】
また、この制御回路27は、上側接触型圧力センサ29による障害物への衝突の検知で、走行輪15の回転駆動を制御してこの障害物への衝突を回避する。さらに、この制御回路27は、下側接触型圧力センサ30による障害物への衝突の検知で、走行輪15の回転駆動を制御してこの障害物への衝突を回避する。
【0029】
一方、集塵ケース22の下側である掃除機本体12内には、制御回路27に電力を供給して、この制御回路27による制御に従って電動送風機23および走行輪15の回転を駆動させる電源部としての蓄電池である電池体、すなわち電池パック28が着脱可能に取り付けられている。この電池パック28は、充電式であり、掃除機本体12の底板部13の底面側から着脱可能に嵌挿されている。また、この電池パック28は、複数、例えば10本の略円柱状の図示しない二次電池を直列に接続させて構成された組み電池である。
【0030】
次に、上記前提技術の動作を説明する。
【0031】
まず、掃除機本体12が工場内や住居内などを走行するための走行経路や掃除する領域の間取り、家具の配置、走行する時刻や走行する時間間隔などの自立走行条件や電動送風機23による掃除条件などのデータを制御回路27に入力しておく。
【0032】
そして、予め設定した時刻となると、掃除機本体12の制御回路27に予め設定した自立走行条件や掃除条件などのデータに基づいて、走行輪15および電動送風機23が適宜駆動される。
【0033】
ここで、走行輪15は、制御回路27による車輪駆動制御手段を介した制御により回転駆動されて、掃除機本体12を床面の略全域において走行させる。
【0034】
このとき、制御回路27は、電動送風機23に供給する電力を制御して、本体吸込口21から吸気風とともに床面上の塵埃を吸い込む。
【0035】
また、走行および吸塵にて電池パック28の電荷の残量が少なくなると、制御回路27により車輪駆動制御手段を介して走行輪15の回転駆動を適宜制御して図示しない充電器まで走行させ、この充電器にて充電する。
【0036】
さらに、全領域を走行して掃除が終了した場合には、制御回路27により電動送風機23の駆動を停止させるとともに、車輪駆動制御手段を介して走行輪15を適宜制御して充電器まで走行させて充電する。
【0037】
ここで、掃除中に、掃除機本体12の上側バンパ24が障害物に衝突して上側スイッチ26aにて障害物の衝突を検知した場合には、この障害物により掃除機本体12が通過できない隙間が存在するものとして制御回路27が認識して、この制御回路27が車輪駆動制御手段を介して走行輪15の回転駆動を制御して、この障害物を回避させる。
【0038】
さらに、掃除機本体12の下側バンパ25が障害物に衝突して下側スイッチ26bにて障害物の衝突を検知した場合には、この障害物を走行輪15にて乗り越えることができないものとして制御回路27が認識して、この制御回路27が車輪駆動制御手段を介して走行輪15の回転駆動を制御して、この障害物を回避させる。
【0039】
上述したように、上記前提技術によれば、掃除機本体12が通過できない隙間などにてこの隙間の下端が上側バンパ24に接触した場合には、この上側バンパ24の可動により上側スイッチ26aを介して制御回路27が障害物への衝突を検知し、この制御回路27が車輪駆動制御手段を介して走行輪15の回転駆動を制御してこの障害物を回避する。
【0040】
また、掃除機本体12が走行輪15にて乗り越えることができない高さ、すなわち乗り越えることにより掃除機本体12が転倒するおそれがある高さの敷居などの障害物が下側バンパ25に接触した場合には、この下側バンパ25の可動により下側スイッチ26bを介して制御回路27が障害物への衝突を検知し、この制御回路27が車輪駆動制御手段を介して走行輪15の回転駆動を制御してこの障害物を回避する。
【0041】
このため、上側接触型圧力センサ29では検知できない掃除機本体12が乗り越えられない障害物を下側接触型圧力センサ30で検知できるとともに、この下側接触型圧力センサ30では検知できない掃除機本体12の上端のみが衝突する障害物を上側接触型圧力センサ29で検知できる。
【0042】
よって、制御回路27による車輪駆動制御手段を介した走行輪15の回転駆動の制御にて、掃除機本体12の高さを制御回路27にて確認できるとともに、掃除機本体12が入り込めない隙間などの障害物への衝突や、この掃除機本体12が走行輪15にて乗り越えられない障害物を乗り越えることにより生じるこの掃除機本体12の転倒などをより的確に防止できるので、これら上側接触型圧力センサ29および下側接触型圧力センサ30により障害物をより的確に回避できるから、制御回路27にて適切に走行輪15を制御できる。
【0043】
さらに、障害物への衝突を感知するセンサすべてを接触型センサである上側接触型圧力センサ29および下側接触型圧力センサ30にしたことにより、これら上側接触型圧力センサ29および下側接触型圧力センサ30の構成が簡略であるから、これら上側接触型圧力センサ29および下側接触型圧力センサ30すべてを赤外線センサにした場合に比べ、製造コストが削減できるので、掃除装置11の製造性を向上できる。
【0044】
次に、本発明の実施の形態の構成を図3および図4を参照して説明する。
【0045】
この図3および図4に示す掃除装置11は、基本的には図1および図2に示す掃除装置11の構成と同様であるが、掃除機本体12のケース体14の前面下側に、第2の検知手段としての非接触型センサである複数、例えば5個の赤外線センサ31が取り付けられている。
【0046】
そして、これら各赤外線センサ31は、予め設定した掃除機本体12にて乗り越えることができない段差の高さよりも若干高い位置、すなわち掃除機本体12にて乗り越え可能な障害物の高さより高い位置に取り付けられている。この結果、これら各赤外線センサ31は、走行輪15によって掃除機本体12が乗り越え可能な高さより高い位置の障害物Oを検知する。
【0047】
また、これら各赤外線センサ31は、照射した赤外線の反射にて所定距離離れた障害物Oの存在を検知する。さらに、これら赤外線センサ31は、ケース体14の前面下方に周方向に沿って離間されて直線的に配設されており、このケース体14の外周面における径方向に向けてそれぞれ取り付けられている。
【0048】
ここで、上側接触型圧力センサ29の上側バンパ24は、赤外線センサ31より上側であるケース体14の前側上側の略全域を覆っており、各赤外線センサ31よりも掃除機本体12の外側面から外側に突出して設けられている。
【0049】
また、ケース体14の前面中央に配設された赤外線センサ31の下側には、走行輪15によって掃除機本体12が乗り越え可能な高さより低い位置の障害物Oを検知する第1の検知手段としての非接触センサである段差用赤外線センサ32が取り付けられている。この段差用赤外線センサ32は、照射した赤外線の反射にて所定距離離れた障害物Oの存在を検知し、ケース体14の外周面における径方向に向けて取り付けられている。また、この段差用赤外線センサ32は、掃除機本体12にて乗り越えることができる段差の高さよりも若干低い位置に取り付けられている。
【0050】
さらに、この段差用赤外線センサ32は、制御回路27にて制御されており、この制御回路27は、赤外線センサ31および段差用赤外線センサ32にて障害物Oへの衝突を検知しながら、車輪駆動制御手段を介して走行輪15の回転駆動を制御して、掃除機本体12を自立走行させる。また、この制御回路27は、赤外線センサ31および段差用赤外線センサ32それぞれによる障害物Oの検知により、掃除機本体12にて乗り越えることができない高さの段差などの障害物Oであると認識して、この障害物Oへの衝突を回避させる。さらに、この制御回路27は、段差用赤外線センサ32にて障害物Oを検知し、赤外線センサ31にて障害物Oが検知されない状態では、掃除機本体12にて乗り越えることができる高さの段差などの障害物Oであると認識して、走行輪15を制御することにより、掃除機本体12にこの障害物Oを乗り越えさせる。
【0051】
この結果、図3および図4に示す掃除装置11は、上側接触型圧力センサ29および赤外線センサ31にて掃除機本体12の障害物Oへの衝突を検知できるから、図1および図2に示す掃除装置11と同様の作用効果を奏することができる。
【0052】
さらに、掃除機本体12のケース体14の前面上側を接触型センサである上側接触型圧力センサ29とし、このケース体14の前面下側を非接触型センサである赤外線センサ31としたことにより、これら赤外線センサ31では検知できない突然出現する人や物などの障害物Oへの衝突を上側接触型圧力センサ29で瞬時に検知できるから、制御手段27にて適切に走行輪15を制御できる。
【0053】
また、所定距離に位置する障害物Oの赤外線センサ31による検知で、掃除機本体12を障害物Oに衝突させることなく掃除機本体12を制御回路27にて自立移動させることができるから、制御回路27による障害物Oの回避をより的確にできる。よって、上側接触型圧力センサ29および赤外線センサ31を併用したことにより、遠近両方の障害物Oを検知できる。
【0054】
そして、赤外線センサ31により掃除機本体12が乗り越えられない障害物Oを検知するとともに、段差用赤外線センサ32により掃除機本体12が乗り越えられる障害物Oを検知した場合には、制御回路27が車輪駆動制御手段を介して走行輪15の回転駆動を制御してこの障害物Oを回避する。
【0055】
さらに、赤外線センサ31にて障害物Oを検知せず、段差用赤外線センサ32にて障害物Oを検知した場合には、この障害物Oを制御回路27が掃除機本体12で乗り越えることができる障害物Oと検知して、この制御回路27にて車輪駆動制御手段を介して走行輪15の回転駆動を制御してこの障害物Oを乗り越えさせる。
【0056】
このため、赤外線センサ31および段差用赤外線センサ32により掃除機本体12にて乗り越え可能な高さの障害物Oであるか否かをより的確に検知できるので、乗り越えられない高さの障害物Oを乗り越えることにより生じる掃除機本体12の転倒などをより的確に防止できる。このため、障害物Oの回避をより的確にできるから、制御回路27にて適切に走行輪15を制御できる。
【0057】
さらに、接触型センサである上側接触型圧力センサ29は、発光させた赤外線を障害物Oに反射させることによりこの障害物Oの存在を検知する構成である非接触型センサとしての赤外線センサ31よりも、障害物Oへの衝突をより短時間、すなわち少ないタイムラグで検知できるから、障害物Oに衝突した掃除機本体12を制御回路27にてより迅速に制御できる。この結果、上側接触型圧力センサ29および赤外線センサ31を併用することにより、制御回路27にて掃除機本体12をより円滑に自立走行できる。
【0058】
また、赤外線センサ31および段差用赤外線センサ32それぞれよりも上側接触型圧力センサ29を掃除機本体12の外側面から外側に向けて突出させたことにより、これら赤外線センサ31および段差用赤外線センサ32のいずれかが障害物Oに衝突する前に、上側接触型センサ29がこの障害物Oに衝突する。このため、これら赤外線センサ31および段差用赤外線センサ32それぞれへの障害物Oの衝突を防止できるから、これら赤外線センサ31および段差用赤外線センサ32それぞれを保護できる。
【0059】
なお、上記実施の形態では、掃除機本体12の上側に接触型センサである上側接触型センサ29を取り付け、掃除機本体12の下側に接触型センサである赤外線センサ31を取り付けたが、この掃除機本体12の上側に接触型センサを取り付け、この掃除機本体12の下側に接触型センサを取り付けても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0060】
また、掃除機本体12のケース体14の前面下側に赤外線センサ31や段差用赤外線センサ32を取り付けたが、撮影される画像にて障害物Oを検知する画像センサなどの非接触型センサであってもよい。
【0061】
さらに、図5および図6に示すように、掃除機本体12のケース体14の上端から下端に亘った大きさの検知手段である接触片33を、ケース体14の前面に取り付けても、掃除機本体12のケース体14の上端のみが衝突する障害物Oや、このケース体14の下端のみが衝突する障害物Oのいずれをも接触片33の可動にてスイッチ34により検知する第1の検知手段である接続型センサとしての接触型圧力センサ35で検知できる。
【0062】
【発明の効果】
請求項1記載の自立移動装置によれば、移動手段によって本体が乗り越え可能な高さより高い位置の障害物が第2の検知手段にて検知されず、移動手段によってこの本体が乗り越え可能な高さより低い位置の障害物が第1の検知手段にて検知された状態では、制御手段が移動手段を制御して本体に障害物を乗り越えさせるから、これら第1の検知手段および第2の検知手段で移動手段によって乗り越え可能な障害物か否かを検知できるので、制御手段にて適切に移動手段を制御できる。
【0063】
請求項2記載の自立移動装置によれば、請求項1記載の自立移動装置の効果に加え、第1の検知手段および第2の検知手段のいずれか一方を、接触にて障害物を検知する接触型センサとし、第1の検知手段および第2の検知手段のいずれか他方を、所定距離離れた障害物の存在を検知する非接触型センサとすれば、非接触型センサでは検知できない突然出現する障害物を接触型センサで瞬時に検知できるから、制御手段にて適切に移動手段を制御できる。
【0064】
請求項3記載の自立移動装置によれば、請求項2記載の自立移動装置の効果に加え、非接触型センサよりも本体から外側に突出させて接触型センサを設ければ、非接触型センサが障害物に衝突する前に接触型センサがこの障害物に衝突するので、この非接触型センサへの障害物の衝突を防止でき、この非接触型センサを保護できる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の掃除装置の前提技術を示す説明正面図である。
【図2】 同上掃除装置を示す説明断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態を示す説明正面図である。
【図4】 同上掃除装置の掃除状態を示す説明側面図である。
【図5】 本発明の他の実施の形態を示す説明正面図である。
【図6】 同上掃除装置を示す説明側面図である。
【図7】 従来の掃除装置を示す説明正面図である。
【図8】 同上掃除装置の掃除状態を示す説明側面図である。
【符号の説明】
11 自立移動装置としての掃除装置
12 掃除機本体
15 移動手段としての走行輪
26a 第1の検知手段としての接触型センサである上側スイッチ
26b 第2の検知手段としての下側スイッチ
27 制御手段としての制御回路
31 第2の検知手段としての非接触型センサである赤外線センサ
32 第1の検知手段としての段差用赤外線センサ
O 障害物

Claims (3)

  1. 本体と、
    この本体に設けられ前記本体を床面上で移動させる移動手段と、
    前記本体に設けられ前記移動手段によって前記本体が乗り越え可能な高さより低い位置の障害物を検知する第1の検知手段と、
    前記本体に設けられ前記移動手段によって前記本体が乗り越え可能な高さより高い位置の障害物を検知する第2の検知手段と、
    前記第1の検知手段にて障害物を検知し前記第2の検知手段にて障害物が検知されない状態では前記移動手段を制御することにより前記本体に障害物を乗り越えさせる制御手段と
    を具備していることを特徴とした自立移動装置。
  2. 第1の検知手段および第2の検知手段のいずれか一方は、接触にて障害物を検知する接触型センサであり、
    前記第1の検知手段および第2の検知手段のいずれか他方は、所定距離離れた障害物の存在を検知する非接触型センサである
    ことを特徴とした請求項1記載の自立移動装置。
  3. 接触型センサは、非接触型センサよりも本体から外側に突出して設けられている
    ことを特徴とした請求項2記載の自立移動装置
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